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JP3666478B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサ用電解液の改良に関し、特定のアルミノシリケート微粒子を添加した高い電導度と高い耐電圧を高温で長時間維持できる電解コンデンサ用電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタルなどの絶縁性酸化被膜を誘電体層として形成したものを陽極側電極に使用し、この陽極側電極に対向させて陰極側電極を配置、両電極間にセパレータを介在させ、このセパレータに電解液を保持させて電解コンデンサが形成される。
【0003】
陽極側電極は、通常、表面積拡大のためエッチング処理がなされており、電解液はこの凹凸面に密接して、実質的な陰極としての機能を有する。このため電解液の電導度、温度特性などが電解コンデンサの電気的特性を決定する要因となる。又、電解液は絶縁性の酸化薄膜の劣化や損傷を修復し、漏れ電流や寿命特性へ影響を及ぼす。
【0004】
コンデンサへの負荷電圧が上昇して、絶縁性の酸化薄膜が破壊する電圧を火花電圧と言い、コンデンサの耐電圧性の尺度とすることができ、火花電圧が高い程コンデンサの耐電圧性が大きいことを示す。火花電圧は使用する電解液組成によって決定される。このように、電解液は電解コンデンサの特性を左右する重要な構成要素である。
【0005】
電解液の電導度の低下を押えつつ火花電圧を上昇させる試みとして、従来の一般的な電解コンデンサ用電解液に対して、金属酸化物微粒子を添加した系、例えば、シリカ微粒子を添加した系(特開平4−12512号公報)、アルミナ、ジルコニア、酸化アンチモン、酸化タンタル、チタニアを添加した系(特開平4−145612〜6号公報)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、上記のような微粒子を添加した電解液系では、105℃のような高い温度ではコロイドが不安定なため高い耐電圧を維持できず、寿命が短いという欠点があった。また電解液中に存在する水分により、電解液のゲル化が促進され、耐圧向上効果が減少するという欠点もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記、従来技術の問題点を解決した、電導度の低下を押え、耐電圧を顕著に向上させ、さらに高温でも高い耐電圧を長時間維持する電解コンデンサ用の電解液を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有機極性溶媒と、酸またはその塩を含んでなる電解コンデンサ用電解液において、下記組成式で示されるアルミノシリケート微粒子を含有することを特徴とする、高い耐電圧を高温で長時間維持できる電解コンデンサ用電解液を提供するものである。
【化2】
MAlO2 (Al2 3 )x(SiO2 )y
〔式中、Mは1価カチオンを表し、xは0〜25の、yは1〜200の数を示す。また、Al/Si比は0.02〜1である。〕
【0009】
本発明の電解液に用いられる溶媒としては、有機極性溶媒、例えば、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のカーボネート溶媒;エチレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ等のアルコール溶媒;3−メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル溶媒、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等のリン酸エステル溶媒等を挙げることができる。これらは、単独または組み合わせて使用することができる。これらの中でも、エチレングリコールやγ−ブチロラクトンを主体とする溶媒が、通常、使用される。
【0010】
本発明の電解液に電解質として使用される酸及びその塩としては、例えば、ホウ酸、リン酸、ケイ酸、HBF4 等の無機酸;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、エナント酸等の脂肪族モノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、メチルマロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、サリチル酸、トルイル酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸等の無機酸あるいは有機酸及びそれらの塩が挙げられる。
【0011】
上記有機酸および無機酸の塩としては、例えば、アンモニウム塩;メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム等のモノアルキルアンモニウム塩;ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、エチルメチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム等のジアルキルアンモニウム塩;トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム等のトリアルキルアンモニウム塩;テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルピロリジニウム等の第4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
上記の酸及び塩は単独又は組み合わせて使用することができる。
電解質として使用される酸及びその塩の量は、要求される性能によって異なるが、一般に、電解液中、1〜25重量%である。
【0012】
本発明の電解液に使用されるアルミノシリケートは、前記組成式で示されるものであるが、一価カチオン(M)としては、例えば、ナトリウムイオン等のアルカリ金属カチオン、アンモニウム、第二級アンモニウム、第三級アンモニウム、第四級アンモニウム等のオニウムカチオン、プロトン等の一価のカチオンが挙げられる。一般的には、ナトリウムイオンのものが用いられる。
【0013】
また、アルミノシリケート中のAl/Si比は0.02〜1であり、好ましくは0.02〜0.4である。粒子のコロイド状態を安定に維持するために、粒子表面にアルミノシリケート構造による強い負電荷点を作ることが必要であるが、Siに対してAl量が少なすぎると強い負電荷点が少なくなり好ましくない。またAl量が多すぎるとアルミノシリケート構造をとることができなくなり、好ましくない。
【0014】
本発明に使用して好適なアルミノシリケートゾルは、例えば、米国特許第2974108号に記載されているように、希水酸化ナトリウム水溶液中に、ケイ酸水溶液とアルミン酸ナトリウム水溶液を同時に、且つ徐々に加えながら攪拌してコロイド粒子のビルドアップを図り、次に陽イオン交換樹脂でナトリウム分を除去し、しかる後適当な溶媒で置換し濃縮することによって容易に作成することができる。
【0015】
アルミノシリケート微粒子は、粒径が3〜150nmのものが好ましく、粒径が10〜50nmのものが特に好ましい。粒径が小さすぎると、高温に於て電解液中でアルミノシリケート粒子の会合が急速に進行し、高い耐電圧を維持することができず、また、粒径が大きすぎると、電解液中に粒子をコロイド状に分散させることが困難となり、高い耐電圧向上効果を得ることができないので、好ましくない。
【0016】
アルミノシリケート微粒子の添加量は、電解液100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると十分な耐圧向上効果が得られず、また、添加量が多すぎると電導度の低下が大きくなり好ましくない。
【0017】
本発明で用いるアルミノシリケート微粒子は、適当な溶媒に分散したアルミノシリケートゾルとして添加することが望ましい。アルミノシリケートゾルとして添加する方法が、アルミノシリケート微粒子を会合させることなく、電解液中に安定にコロイド状に分散させることが容易であり、耐圧向上効果及び電解液の安定性が大きいからである。
アルミノシリケートゾル中のアルミノシリケート濃度は1〜50重量%が好ましいが、高すぎるとゲル化に対して不安定であり、低すぎると電解液の濃度調整の自由度がなくなるので10〜40重量%がより好ましい。アルミノシリケートゾルに使用される溶媒としては、水、及び、前記した電解液に用いられる有機極性溶媒等を挙げることができる。
【0018】
【作用】
アルミノシリケート微粒子はその表面にアルミノシリケート構造による強い負電荷点を持っており、電解液中では電解質カチオンに取り囲まれ、コロイドとしては全体として、正電荷を帯びており、正電荷同志の反発により安定なコロイド状態を保っている。またアルミノシリケート構造とすることで、電解液中水分によるゲル化等の変質に対する安定性が著しく増加する。
【0019】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜6
表1に示す組成の電解コンデンサ用電解液を調製し、電解液の電導度及び火花電圧を測定した結果を表1に示す。尚、用いたアルミノシリケート微粒子の組成は、NaAlO2 (Al2 3 0.59(SiO2 6.25であり、平均粒径は30nmで、各電解質を溶解した電解液にエチレングリコールゾルとしてコロイド状に分散させて電解液を調製した。
【0020】
電導度は25℃での測定値、火花電圧は電極にアルミニウム箔を用いて25℃で電流密度5mA/cm2 で定電流陽極酸化を行った時にはじめて絶縁破壊が観測される電圧とした。
【0021】
【表1】
Figure 0003666478
【0022】
実施例7及び比較例7、8
実施例5の電解液を110℃、500時間放置したときの電解液の電導度および火花電圧の変化を測定した。結果を、比較例としてアルミノシリケートの代りにシリカおよびアルミナを用いた場合とともに表1に示す。尚、用いたシリカおよびアルミナの平均粒径は30nmであり、他は実施例5と同様にして電解液を調製した。
【0023】
【表2】
Figure 0003666478
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電解液の高温でのゲル化等の変質を抑制し、長期にわたって耐電圧向上効果を維持することできる、電導度の低下を押え、火花電圧を高くした電解コンデンサ用電解液を提供することができ、これを使用することにより、耐電圧の高い長寿命の電解コンデンサが得られる。

Claims (3)

  1. 有機極性溶媒と、酸及び/又はその塩を含んでなる電解コンデンサ用電解液において、下記組成式で示されるアルミノシリケート微粒子を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
    Figure 0003666478
    〔式中、Mは1価カチオンを表し、xは0〜25の、yは1〜200の数を示す。また、Al/Si比は0.02〜1である。〕
  2. アルミノシリケート微粒子中のAl/Si比が0.02〜0.4であることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. アルミノシリケート微粒子の粒径が10〜50nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の電解コンデンサ用電解液。
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