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JP3667294B2 - 長繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造装置および製造方法 - Google Patents
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長繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造装置および製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続したガラス繊維を引き抜いて溶融樹脂を含浸させたペレットや、連続または非連続の線材などの長繊維強化熱可塑性樹脂材料(以下「熱可塑性樹脂」を単に「樹脂」と略す)の製造装置および製造方法に関し、さらに詳しくは強化繊維に対する樹脂の含浸性が高い長繊維強化樹脂材料を生産性良く製造できる製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形用途、押出成形用途およびプレス成形用途などに使用される長繊維強化樹脂材料としては、得ようとする成形品の機械的強度や外観などを良好にするために、強化繊維束(以下単に「繊維束」と略す)に対する樹脂の優れた含浸性および繊維の分散などが要求される。
【0003】
上記樹脂の含浸性や繊維の分散性に優れた長繊維強化樹脂材料の製造方法としては、生産性が良好である他、樹脂の含浸中に繊維束が、含浸ダイ中の開繊バーなどで繊維束の単糸(モノフィラメント)が切断されずに、樹脂を含浸した繊維束の引き抜きが容易であることが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き問題を解決するために、特開平6−254976号公報には、ダイボックス内の溶融樹脂の充密状態を飢餓状態に制御しながら、繊維束に樹脂を含浸させる方法が開示されている。この方法では、繊維束の引き抜き性を良好にして、樹脂の繊維束への含浸性を良好にしているものの、ダイボックス内全体に溶融樹脂が満たされていないため、開繊バーなどで、繊維束中のモノフィラメントが切断され、いわゆる単糸切れを起こしやすい。このために切れたモノフィラメントがダイの引き抜き孔(ノズル)に移動してノズルを塞ぎ、繊維束の引っ張り抵抗が増してその破断を誘発しやすいという問題があった。
【0005】
一方、ダイボックス内全体に溶融樹脂を満たす場合、前記の単糸切れが生じにくくなるものの、繊維束に対する樹脂の含浸性と樹脂含浸繊維束の引き抜き性を容易にするために、ダイボックスの内圧を調整しながら溶融樹脂の供給量を調整する必要がある。しかし、この方法では僅かな内圧の変化を測定して溶融樹脂の供給量を調整することは非常に困難であり、また、ダイボックスの内圧を調整する装置を備えたとしても、製造装置全体が複雑で且つ操業が煩雑になるといった問題を有していた。
【0006】
また、特開平5−116142号公報や特開平9−267327号公報に記載の方法では、ダイボックス内を減圧状態にすることも考えられているが、製造装置が複雑になり且つ製造作業が煩雑になるなど、作業効率が劣るといった問題を有していた。また、例えば、ダイボックス内に樹脂を過剰に供給して繊維束の導入孔から樹脂をオーバーフローさせることも考えられるが、この場合、繊維束をダイボックス内に引き込む際に溶融樹脂中に空気を巻き込みやすく、溶融樹脂中に圧縮されたボイドが発生し、ダイボックスの内圧が極端に高まる。この内圧の上昇により繊維束の引き抜き力を大きくする必要があり、その結果、繊維束の単糸切れが生じやすく、また、繊維束中に存在する空気や水分(湿気)が、前記高い内圧のために繊維束中に残りやすく、繊維束全体中に溶融樹脂が均一に含浸しないといった、いわゆる含浸性不良が生じ易いという問題を有していた。
【0007】
従って本発明の目的は、装置を複雑および高価にすることなく、ダイボックス内の内圧を常に一定に維持して、繊維束に対する溶融樹脂の含浸性が良好で且つ単糸切れを生ずることなく、生産性良く長繊維強化樹脂材料を提供できる製造装置および製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、内部に溶融樹脂を収納する空間と、溶融樹脂を上記空間内に供給する樹脂供給経路と、連続した強化繊維の繊維束を上記空間に連続して供給するための複数個の繊維束導入孔と、溶融樹脂中を通過する繊維束を外部に引き抜くための複数個の引き抜き孔とを、前記空間の外壁の所定の位置に設けてなる含浸ダイを備えた長繊維強化樹脂材料の製造装置において、上記繊維束導入孔より上方で且つ導入孔の近傍の外壁に、前記空間に直結しており、且つ外気に開放された少なくとも1個の開放孔を有することを特徴とする長繊維強化樹脂材料の製造装置、および該装置を用いる長繊維強化樹脂材料の製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明の装置は、装置の断面を図解的に示す図1とその矢視図である図2に示すように、押出混練機の如き樹脂を溶融して供給する不図示の装置の吐出孔に、樹脂供給経路3を介して取り付けられた含浸ダイ100の構造に特徴を有する。
【0010】
図1および図2に示す本発明の長繊維強化樹脂材料の製造装置の実施形態は、内部に溶融樹脂7を収納する空間1と、溶融樹脂7を上記空間内に供給する樹脂供給経路3と、連続した強化繊維の繊維束8を上記空間1に連続して供給するための複数個の繊維束導入孔4と、溶融樹脂7中を通過する繊維束8を外部に引き抜くための複数個の引き抜き孔5とを、前記空間1の外壁2の所定の位置に設けてなる含浸ダイ100を備えた長繊維強化樹脂材料の製造装置において、上記繊維束導入孔4より上方で且つ導入孔4の近傍の外壁2に、外気に開放された少なくとも1個の開放孔6を有することを特徴としている。
【0011】
上記本発明の装置において、前記開放孔6を除く構成は従来公知の含浸ダイと同様であり、上記構成を有する従来公知の含浸ダイのいずれにも本発明を適用することができる。従来公知の含浸ダイの1例を説明すると、含浸ダイは、鉄;ニッケル、クロムなどの各種金属メッキした鉄;ステンレススチールなどの材料から、中空の略箱状に形状され、内部空間1のサイズは、凡そ縦30〜100cm、横20〜100cm、深さ1〜10cm程度である。また、その一方の側面(図面上下側)には、直径約10〜30mm程度の樹脂供給経路3を介して、不図示の樹脂の溶融混練装置、例えば、スクリュー式押出混練機に連結している。また、必要に応じて引き抜き孔5寄りには、空間1内の内圧測定装置20が設けられている。また、外壁2の内部または外部には不図示の加熱あるいは保温装置が付設されていてもよい。
【0012】
上記ダイ100の一方の側面には複数個の繊維束導入孔4が設けられている。繊維束導入孔4の孔径は約1〜10mm程度であり、該孔径は導入する繊維束8の太さによって決められる。その個数はダイ100の1機当たり通常1〜50個である。繊維束導入孔4の反対側の側面には、孔径は約0.3〜3mm程度で、繊維束導入孔4と平行な位置に、繊維束導入孔4と同一個数の引き抜き孔5が設けられ、該孔の孔径は、樹脂含浸繊維束9の太さによって決められる。繊維束引き抜き孔5の形状は円形が一般的であるが、楕円形などの他の形状であってもよい。さらに空間1内には繊維束8の進行方向に対して略直角に繊維束8の解繊バー10が間隔約0.5〜10cmをもって約3〜10本設けられている。この解繊バー10に、緊張された繊維束8が押圧されて、繊維束8が解繊され、該繊維束8に対する樹脂の含浸性を向上させる。
【0013】
本発明では、以上の如き公知の含浸ダイ100に、外気に開放された少なくとも1個の開放孔6を設けたことを特徴としている。この開放孔6は、繊維束導入孔4より上方で且つ開放孔6の近傍に設けることが必要である。該開放孔6の形状は丸孔、矩形孔、スリット、溝きりネジ孔、中空ネジの孔など、その形状は特に限定されない。開放孔6の内面積は特に限定されないが、0.5〜100mm2程度であり、肉眼で内部に充填される溶融樹脂7が観察できる程度の孔径を有することが好ましい。また、開放孔6の数は、図2に示す例では3個であるが、3個に限定されず1個でも4個以上でもよい。
【0014】
図3と、図3の矢視図である図4は、開放孔6が繊維束導入孔4と同一側面且つ上方に設けられ、他の構成は図1および図2と同様である実施の形態を説明している。この実施の形態における開放孔6の孔径などは、前記図1および図2に示す実施の形態と同様である。なお、以上の含浸ダイ100は、操業開始時の繊維束8の配列、解繊バー10の交換や内部の清掃などの目的で、必要に応じて上下に分割可能になっている。
【0015】
次に上記本発明の装置を用いる長繊維強化樹脂材料の製造方法を図5および図6を用いて説明する。図5を参照すると、先ず、繊維束8を複数個の繊維束導入孔4から導入し、引き抜き孔5から引っ張り、一対のベルトまたはローラなどの引き取り機またはリールにその端部を固定して繊維束8を緊張させる。この際、繊維束8は解繊バー10に対して交互に上下になるように配置して、繊維束8が解繊バーに対して押圧されるようにする。
【0016】
次に溶融樹脂供給経路3を経由して空間1内に溶融樹脂7を充填させ、開放孔6から空間1内における溶融樹脂7の充填状況を確認した後、不図示の引き取り機で繊維束8を溶融樹脂7中において走行させる。この走行によって溶融樹脂7は図中の矢印で示すように引き抜き孔5の方向に流れ、引き抜き孔5付近の昇圧によって逆流し、空間1内で流動する。この間に、繊維束8は、解繊バー10によって解繊され、溶融樹脂7が繊維束8内に含浸される。溶融樹脂7中を走行し、樹脂が含浸された繊維束8は引き抜き孔5によって繊維束8の周囲の溶融樹脂7がしごかれ、しごかれた溶融樹脂7は空間1内を流動する。以上の操作は連続的に行なわれる。
【0017】
上記の操作中において空間1内に充填された溶融樹脂7の充填状態は、開放孔6によって観察可能であり、開放孔6から溶融樹脂7が過剰に流れ出さない程度に流れ出させるか、または樹脂が開放孔付近に存在することを確認し得る程度に、溶融樹脂7の供給を制御することができ、また、溶融樹脂7の供給量が急激に増大しても、溶融樹脂7が開放孔6から流出すること、また、溶融樹脂7は外気に開放されているので、溶融樹脂7の内圧が急激に上昇することがない。従って、溶融樹脂7中を走行する繊維束8に対する負荷の変動は少なく、また、繊維束8の引き抜き力が変動しないので、繊維束8を構成する単糸の切断が抑えられる。また、繊維束8の導入孔4付近では、繊維束8の導入によって繊維束8の周辺の空気が連行され、導入孔4内部に小さな空気溜りaが発生し、この空気が繊維束8に連行されて溶融樹脂7中に混入する。また、繊維束8内の空気や水分も同様に溶融樹脂7中に連行される。従来技術では、これらの混入空気や水分が溶融樹脂7の温度によって膨張してボイドを形成し、繊維束8に対する溶融樹脂7の含浸性を低下させる原因となっていた。
【0018】
ところが、本発明は、ダイ100に開放孔6が設けられている結果、これらの混入した空気や水分の大部分は、空間1が密閉されていないので溶融樹脂7から離脱し、開放孔6から外気に放出される。それによって、巻き込まれた空気により樹脂の含浸率低下が顕著に抑制され、樹脂含浸率が高く、且つボイドを含まない樹脂含浸繊維束9(長繊維強化樹脂材料)が生産性良く提供される。このようにして得られた樹脂含浸繊維束9は、後に適当な長さに切断され、射出成形、押出成形、真空成形などの各種の成形材料として有用であり、強度および表面状態に優れた各種成形品を与える。また、適当な長さに切断された樹脂含浸繊維束9を適当な目付量でシート化して、強度に優れた面材を製造することもできる。
なお、図6に示す実施の形態は、開放孔6の位置が異なる以外は図5に示す実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏する。
【0019】
次に本発明で使用する繊維束および含浸用樹脂などについて説明する。
本発明において使用する強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、セラミック繊維などを単独あるいは併用して使用することができる。中でもガラス繊維はコストパフォーマンスに優れているために好ましい。これらの強化繊維は、モノフィラメントの平均径が6〜23μmであることが好ましく、より好ましくは10〜17μmである。モノフィラメントの平均径が6μm未満の場合は、得られる長繊維強化樹脂材料がコスト高になり、23μmを超える場合は、得られる長繊維強化樹脂材料の機械的物性が劣るために好ましくない。
【0020】
また、本発明で使用する繊維束は、100〜2,000本、より好ましくは200〜1,600本のモノフィラメントを集束したものである。集束するモノフィラメントが、100本未満であると、樹脂の含浸作業が煩雑となり、一方、2,000本を超えると、繊維束が太くなるため、樹脂を繊維束のモノフィラメント間にまで均一に含浸させることが困難になる。
【0021】
本発明において前記繊維束に含浸させる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、一般に市販されている種々のものが使用可能であるが、含浸性、コストおよび物性の点からポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスチレン系樹脂が好適であり、特にポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が好適である。
【0022】
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好ましい。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6.6、ナイロン6、ナイロン12、MXDナイロンなどが好ましい。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましい。これらの樹脂には着色剤、変性剤、酸化防止剤および耐紫外線剤などの添加剤や、炭酸カルシウム、タルク、マイカなどのフィラーを混合して用いても差し支えない。
【0023】
前記樹脂のなかで、ポリプロピレン樹脂またはグラフト化ポリプロピレン樹脂を用いることが、成形品のコストパフォーマンスの点から好ましい。前記ポリプロピレン樹脂またはグラフト化ポリプロピレン樹脂は、メルトフローレイトが30〜200g/10分であることが好ましく、さらに60〜150g/10分であることが、本発明の含浸ダイを用いることと相まって含浸性や糸切れ防止を可能とするため、より好ましい。メルトフローレイトが30g/10分未満であると、ガラス繊維に対する前記樹脂の含浸性および成形時の分散性が劣る場合があり、一方、メルトフローレイトが200g/10分を超えると、前記樹脂が低分子量の樹脂となるために得られる成形品の機械的物性が劣る場合があり好ましくない。
【0024】
本発明で得られる長繊維強化樹脂材料は、例えば、太さが0.2〜4.0mmで長さが6〜25mmのペレット状や針状物や、前記太さと同様で連続した線材状物、連続または非連続のテープまたはシート状物が挙げられる。また、強化繊維の含有率は15〜80vol%が好ましく、より好ましくは40〜70vol%である。強化繊維の含有率が15vol%未満の場合は、長繊維強化樹脂材料の補強効果が低く、80vol%を超える場合は、繊維を包むマトリックス(熱可塑性樹脂)の量が少なすぎ、長繊維強化樹脂材料の接着が劣り、成形物の強度低下を招くことになる。
【0025】
なお、本発明における含浸率とは、線状の長繊維強化樹脂材料を200倍の電子顕微鏡で観察し、20μmのメッシュをおいて、メッシュ中に少しでもボイド(空気の泡)が認められれば、このメッシュをボイド面積として加え、観察した全断面積とボイド面積とから以下の数式によって求めたものである。
{(全断面積−ボイド面積)/全断面積}×100(%)
【0026】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
図1および図2に示す装置を以下のように構成した。内部空間1のサイズが縦80cm、横36cm、深さ3cmであり、繊維束引き抜き孔5の周辺に向かって深さが絞られ、外壁2が約20mmの鉄製であるダイボックスを用意し、該ダイボックス内に繊維束8の走行方向に対して直交する太さ12mmの鉄製の解繊バー(丸棒)10を4cmの間隔で5本設置した。上記ダイボックスの側面に直径5mmの繊維束導入孔4を3cmの間隔で10個貫通させ、ダイボックスの対向する側面に、直径2.2mmの繊維束引き抜き孔(ノズル)5を3cmの間隔で10個貫通させた。ダイボックスの下面の繊維束導入孔4寄りの中央に溶融樹脂供給通路(孔径20mm)を設け、スクリュータイプの押出機のノズルに連結した。さらに、図1に示す位置に孔径10mmの開放孔6を2個設けて本発明の長繊維強化樹脂材料の製造装置を構成した。さらに図示のように内圧測定装置20を設けた。
【0027】
実施例2
実施例1の装置の開放孔6を、図3および図4に示す位置に設け、側面に直径3mmの繊維導入孔を50個を配置させ、直径0.49mmの繊維束引き抜き孔(ノズル)5を一定間隔で50個配置させた以外は実施例1と同様にして本発明の製造装置を構成した。
【0028】
実施例3
径16μmのガラス繊維を600本集束したガラス繊維束8を用意した。該繊維束8の9本を1つの繊維束導入孔4から、引き抜き孔5の外まで、解繊バー10に対して交互に接触するように通し、引き取り機にその先端を固定した。溶融樹脂供給経路3からメルトフローレイト120g/10分のグラフト化ポリプロピレン樹脂を、スクリュー式押出混練機において260℃にて溶融して、空間1に供給し、空間1中の溶融樹脂7が開放孔6内に僅かに侵入した状態で、上記繊維束8を20m/min.の速度で走行させ、引き抜き孔5の近くで水で冷却しつつ、引き取り機で引き取り、長さ8mmに切断したペレット状の長繊維強化樹脂材料9を作成した。
【0029】
実施例4
径13μmのガラス繊維を600本集束したガラス繊維束8を用意した。該繊維束8をそれぞれ直径0.49mmの繊維束導入孔4から、引き抜き孔5の外まで、解繊バー10に対して交互に接触するように通し、引き取り機にその先端を固定した。溶融樹脂供給経路3からメルトフローレイト120g/10分のグラフト化ポリプロピレン樹脂を、スクリュー式押出混練機において260℃にて溶融して、空間1に供給し、空間1中の溶融樹脂7が開放孔6内に僅かに侵入した状態で、上記繊維束8を50m/min.の速度で走行させ、引き抜き孔5の近くで水で冷却しつつ、引き取り機で引き取り、長さ20mmに切断した線状の長繊維強化樹脂材料9を作成した。
【0030】
比較例1
実施例1において開放孔6を設けなかった以外は実施例1と同じ装置を構成し、該装置を用いて、実施例3と同様にして長繊維強化樹脂材料を得た。
比較例2
実施例2において開放孔6を設けなかった以外は実施例2と同じ装置を構成し、該装置を用いて、実施例4と同様にして長繊維強化樹脂材料を得た。
【0031】
以上の実施例3及び4、比較例1及び2で用いた装置の概要及び得られた長繊維強化樹脂材料の特性などを下記表1に示す。
Figure 0003667294
【0032】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、ダイボックスの外壁の適当な位置に開放孔を設けるのみで、装置を複雑および高価にすることなく、ダイボックスの内圧を常に一定に維持して繊維束に対する樹脂の含浸性が良好で且つ単糸切れを生ずることなく、生産性良く長繊維強化樹脂材料を提供できる製造装置および製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の断面を説明する図。
【図2】 図1の矢視図。
【図3】 本発明の装置の断面を説明する図。
【図4】 図3の矢視図。
【図5】 本発明の方法を説明する図。
【図6】 本発明の方法を説明する図。
【符号の説明】
1:空間
2:外壁
3:溶融樹脂供給経路
4:繊維束導入孔
5:繊維束引き抜き孔
6:開放孔
7:溶融樹脂
8:繊維束
9:樹脂含浸繊維束
10:解繊バー
20:内圧測定装置
100:ダイ

Claims (3)

  1. 内部に溶融熱可塑性樹脂を収納する空間と、溶融熱可塑性樹脂を上記空間内に供給する樹脂供給経路と、連続した強化繊維の繊維束を上記空間に連続して供給するための複数個の繊維束導入孔と、溶融熱可塑性樹脂中を通過する繊維束を外部に引き抜くための複数個の引き抜き孔とを、前記空間の外壁の所定の位置に設けてなる含浸ダイを備えた長繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造装置において、上記繊維束導入孔より上方で且つ導入孔の近傍の外壁に、前記空間に直結しており、且つ外気に開放された少なくとも1個の開放孔を有することを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造装置。
  2. 前記開放孔の断面積が、0.5〜100mm2である請求項1に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造装置。
  3. 請求項1または2に記載の装置を用い、該装置の開放孔を開放した状態で、樹脂供給経路を経由して溶融熱可塑性樹脂を空間に充填し、繊維束導入孔から連続した強化繊維の繊維束を導入して溶融熱可塑性樹脂中を連続的に通過させ、上記繊維束に上記溶融樹脂を含浸させ、該樹脂含浸繊維束を引き抜き孔から引き抜くことを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂材料の製造方法。
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