JP3667673B2 - 管路用台座 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管路用台座の設置工法に関し、さらに詳しくは、穿孔機やタップ立て穿孔機等を管路に装着する際に用いられる台座を設置および作業後の取り外しのための工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
管路周面に台座を用いる作業の一つに穿孔作業がある。
管路の一部に穿孔を行う場合の例としてガス管を例に挙げると、管路の一部区間を補修する際にその補修区間両側にエアバッグなどの遮断部材を装填するための孔を形成する場合がある。また、穿孔部にタップ立てを行い、分岐部材を設ける場合などもある。
従来、穿孔作業やタップ立て作業のために穿孔機やタップ立て機を人手によって保持することは労力負担が大きくなることから、それら機器の保持手段として台座を管路に装着することが行われる。
台座は管路に周回させたチェーンなどによって管路外周面に取り付けられ、上部の平坦面に穿孔機やタップ立て機を搭載して取り付ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
管路に台座を取り付ける際には、台座を固定するためのチェーンの掛け回し空間を管路下方の土中にも設ける必要があることは上述したとおりであるが、その手順を説明すると次の通りである。
図11は、この手順を説明するための図であり、図11(A)において、まず、管路への損傷を防ぐことと作業の迅速化を図ることを目的として埋設位置近傍を管路の埋設深さまで掘削機などを用いた機械掘りを行い、その後、管路埋設位置を手掘りに切り換えて掘削し、管路の上半周部を外部に露出させる(図11(A)中の一点鎖線で示す空間を形成する)。
次に、図11(B)に示すように、管路の下半周および下周面下方にチェーンを掛け回すための空間(図11(B)中の一点鎖線よりも下方の空間)を設けるための掘削が行われる。この掘削は手掘りで行われる。これは、管路の損傷を防ぐことが主な目的であり、管路下周面下方の掘削は手探り状態で行われるため、きわめて作業性が悪い。しかも、手掘り作業の際には、作業者が立ち入って作業ができる大きさの空間が必要となることから、掘削面積も大きくなり、その掘削のための手間が甚大となる。
また、管路に台座を取り付け、チェーンも管路に周回させると、掘削された立抗内で管路が浮いた状態となっている。また、埋め戻しが行われた際に管路下周面下方の空間部にも埋め戻しの際の土砂を入れることになるが、その作業がやりにくく、押し固めが不十分となりやすい。このため、施工後に道路を通過する車両によって管路が輪荷重による衝撃荷重を受けて損傷する虞もある。そこで、従来では、管路の下半周面下方の空間部に土嚢などを詰めて締め固め不足を補う処置が採られている。
本来、この部分、つまり、管路の下半周下方は支えのための処置を採るなどの作業工数の増加を招くために掘削することは好ましくないが、上述したチェーンの掛け回しのためにはどうしても必要となる。このため、従来では、掘削された管路下周面下方の空間に流動化処理土などを流し込み、固める処置が一般的に採用されている。しかし、このような処置を採る際には、流動化処理工法のための準備工程が必要となる分、作業時間が長くなり、作業コストが極めて高くなることは否めない。
【0004】
一方、作業対象となる管路には外径に違いがあるものもあり、このため、設置される台座も各外径に応じたものを準備する必要が生じる。しかし、このような台座を揃えておくことは部品の管理コストの上昇を招く。
【0005】
台座を管路に設置した場合には、管路の外周面と台座の接触面との気密性を確保することが作業部となる穿孔穴からの漏洩事故などを防ぐ上で重要となる。通常、気密性を高める部材としてはシール用のOリングが用いられるが、Oリングは、圧縮力を受けて収縮変形した際の潰し代を利用して密着圧力を高めるようになっていることから、気密性を高めるために潰し代が大きくなるようにすると、その潰し代によって管路外周面と台座との密着性が低下してしまう虞がある。このため、気密性を高めようとすると管路外周面と台座との密着性が損ねられて、その分吸着力の低下により管路用台座が不安定な搭載状態で維持されてしまう虞がある。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の管路用台座における問題に鑑み、作業コストや台座自体の部品管理コストなどの上昇を防止できると共に、管路外周面に設置された際の気密性と吸着力とを両立させることが可能な構成を備えた管路用台座を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、金属性管路の一部に穿孔あるいはタップ立てなどの作業に用いられる装置を保持した状態で設置する際に取り付けられる管路用台座であって、上記金属性管路の施工箇所外周面に載置される外殻部と、上記外殻部内に配置されて上記金属性管路の外周面に倣った形状の底面を有し、複数の非磁性体と磁性体とが周方向で交互に配列されている基部と、上記基部に対向した状態で上記外殻部により回転可能に設けられ、周方向に沿って複数の磁極とヨーク部とが交互に配列されている回転磁石部とを備え、上記回転磁石部は、周方向に沿って複数の永久磁石およびヨーク部とが隣り合う状態で交互に配列され、回転操作されるのに連動して該回転磁石部の周方向に沿って変位することにより、上記磁極からの磁路中に金属性管路を含む場合と、上記磁極からの磁力が短絡されて上記金属性管路を磁路中に含まない場合とが選択可能な構成を備え、上記磁極に隣り合うヨークは、該磁極の長さよりも長くされて該磁極同士の端部間を引き離す構造とされていることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記回転磁石部に有する磁極およびこれに対向する基部側の磁性体は、上記金属性管路の断面中心を通る垂直線の両側に位置決めできる個数でそれぞれ配列されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、金属性管路の一部に穿孔あるいはタップ立てなどの作業に用いられる装置を保持した状態で設置する際に取り付けられる管路用台座であって、上記金属性管路の施工箇所外周面に載置される外殻部と、上記外殻部内に配置されて上記金属性管路の外周面に倣った形状の底面を有し、複数の非磁性体と磁性体とが周方向で交互に配列されている基部と、上記基部に対向した状態で上記外殻部により回転可能に設けられ、周方向に沿って複数の磁極とヨーク部とが交互に配列されている回転磁石部とを備え、上記回転磁石部は、周方向に沿って複数の永久磁石およびヨーク部とが隣り合う状態で交互に配列され、回転操作されるのに連動して該回転磁石部の周方向に沿って変位することにより、上記磁極からの磁路中に金属性管路を含む場合と、上記磁極からの磁力が短絡されて上記金属性管路を磁路中に含まない場合とが選択可能な構成を備え、上記磁極に隣り合うヨークは、該磁極の長さよりも長くされて該磁極同士の端部間を引き離す構造とされ、上記外殻部には、上記金属性管路の施工箇所周辺部に対応する位置に該金属性管路外周面に向けて開口するOリング収容溝が形成され、該Oリング収容溝は、該Oリングの潰れを吸収可能な大きさを持ち、該Oリングに予め設定されている硬度と上記潰れを吸収可能な大きさとから該Oリングの密着力が高められていることを備えていることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1または3記載の管路用台座において、上記基部には、上記金属性管路の径方向に進退可能な固定保持部材が設けられ、該固定保持部材は、上記金属性管路の外径に対応して進退することにより該金属性管路を複数箇所で挟持することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面において本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る管路用台座を設置する際の手順を示す図であり、同図(A)は、鋳鉄などの金属性管路Pが地中に埋設されている状態を示している。
金属性管路Pに対する穿孔・タップ立て箇所を露出させるために、まず、図1(B)に示すように金属性管路Pの上周面が露出するまで掘削する。この場合には、図11において説明した場合と同様に、管路の埋設位置近傍の深さまで掘削機などを用いた機械掘りが実施され、その後、管路埋設位置を手掘りに切り換えて管路用台座1が金属性管路Pの上周面に装着できる状態に手掘り深さを調整しながら掘削する。
掘削は、管路用台座1を装着できるに必要な設置面積に対応する金属性管路Pの外周面が露出した段階で完了され、それ以降の掘削、つまり、従来行われていた金属性管路Pの下周面下方に至る掘削は行われない。このため、金属性管路Pの周辺部での掘削範囲は、金属性管路Pの上周面が露出するに必要な掘削範囲ですみ、金属性管路Pの下周面下方を掘削する際に必要とされていた作業者が入り込めるだけのスペースを設けることがなく、掘削範囲をきわめて小さくすることができる。
【0013】
図1(C)には、外部に露出した金属性管路Pの上周面に管路用台座1を装着した状態が示されており、この状態では、管路用台座1が金属性管路Pの上周面に搭載されたうえで、管路用台座1を磁気吸着させる。
金属性管路Pに装着される管路用台座1は、電磁石ではなく永久磁石を複数備え、磁石の磁極同士の磁路中に金属性管路Pを含む状態と磁極同士で磁気的に短絡させて磁極同士の磁路中に金属性管路Pを含まない状態とに切り換えられることにより金属性管路Pに対して着脱できるようになっている。磁極同士の磁路に金属性管路Pを含まないとは、金属性管路Pに磁力が及ばないことを意味している。
【0014】
図1(D)は、管路用台座1が金属性管路Pに磁気吸着された状態を示しており、この状態では、管路用台座1に対して穿孔機やタップ立て機あるいは管内へのバッグ挿入装置等の施工用機械が装着される。なお、図1(D)では、便宜上、交差して2系統の挿入管S1を備えたバッグ挿入装置Sが装着された状態が示されている。
【0015】
金属性管路Pに装着される管路用台座1は、図2以降に示す図にその構成が示されており、以下にその構成について説明する。
図2は、管路用台座1の平面視において部分的に断面とした図であり、図3は図2における破断線(3)で示す方向の断面図である。
図2および図3において、管路用台座1は、非磁性体からなる台座外殻部1Aを備えている。
台座外殻部1Aは、金属性管路Pの外周面に載置可能な底面形状を有し、金属性管路Pの断面中心からの延長線上を中心とする位置には、金属性管路Pを対象とする穿孔作業などの施工を行うための作業用穴1A1が形成されている。
【0016】
台座外殻部1Aには、その外周面と作業穴1A1との間に空間部8が設けられており、空間部8の内部には金属性管路P側に基部2が、そして、この上部に回転磁石部3がそれぞれ装填されている。
基部2は、台座外殻部1A内に埋設されて固定されている円盤状部材であり、後述するが、図5に示すように、磁性体2Aおよび非磁性体2Bを主要部として備え、その底面が金属性管路Pの外周面に倣った形状とされている。
図3に示すように、回転磁石部3は、台座外殻部1Aに嵌合して回転可能な非磁性体からなる枠部3Aを備えており、その上面の一部が台座外殻部1Aの一部と面一に形成されて金属性管路Pでの施工用機器類の搭載面をなし、基部2と対向する位置に形成された下向き開口内には、詳細を後述するが、図2および図6に示されている磁極3Bおよびヨーク3Cが装填されている。
【0017】
回転磁石部3は、図2および図4に示すように、外周面の一部において径方向に突出する係止片4を備えており、この係止片4が後述する駆動アーム5の揺動駆動により回動できるようになっている。
駆動アーム5は、図4に示すように、台座外殻部1Aに基端が回転可能に支持された揺動アームであり、揺動端に設けられているピン5Aを、係止片4に形成されているスリット4A内に嵌合させている。
図2および図4において駆動アーム5は、基端に一体化されているボルト頭5Bを図示しないレンチなどにより回転されることにより揺動端のピン5Aを介して係止片4を揺動させ、回転磁石部3を基部2の平面視形状中心を基準として回動させることができる。
係止片4の揺動量、換言すれば、回転磁石部3の回動量は、係止片4における周方向両端に形成されている係止面4B、4Cが台座外殻部1A1に形成されている係合面1A2,1A3(図2参照)に衝止されることで規定されるようになっている。なお、駆動アーム5を用いた場合には、回転磁石部3を回転させるに必要なトルクをレンチの長さによって得ることになるが、その長さによっては操作力が大きく必要となることもある。そこで、このような場合の対策として、減速ギヤ(図示されず)を用いて駆動アーム5の回転駆動を行う構成とすることも可能である。
【0018】
基部2および回転磁石部3は、図5および図6に示す原理構成を備えている。図5において基部2には、周方向に沿って複数の磁性体部2Aおよび非磁性体部2Bとが交互に配置されている。なお、基部2における磁性体部2Aは、図2に示すように、断面が円形形状をなすものであるが、図5では、作用原理を説明するために便宜上、径方向に延びる形状で示してある。
【0019】
回転磁石部3は、図3および図6に示すように、基部2の平面視形状中心と同じ中心を基準として回転可能な円盤状部材であり、基部2における非磁性体2Bと同じ位相によって複数の磁極3Bおよびヨーク3Cが交互に配列されている。
磁極3Bは、図7(B)に示すように、一方の端部がN極とされ、この端部と反対側の端部がS極となるように着磁されている。
回転磁石部3は、磁極3Bが基部2に有する磁性体部2Aおよび非磁性体部2Bとの対向関係を設定されることにより、図7(A)に示すように、磁極3BのN極からの磁力線が基部2の磁性体部2Aを通り、金属性管路P内を経由して磁極3BのS極に帰還する磁路中に金属性管路Pを含む場合と、磁極3B同士の間に基部2の非磁性体2Bが位置したことにより磁極3Bからの磁力線が磁性体2A内を通って短絡する場合とが選択できるようになっている。
後者に挙げた磁力線の短絡時には、磁力線が金属性管路Pに及ばないので、磁極3Bの磁路には金属性管路Pが含まれていないことになる。この結果、図7(A)に示したように、磁極3Bの磁路中に金属性管路Pが含まれる場合には管路用台座1が金属性管路P側に磁気吸着され、図示しないが、磁極3Bの磁路中に金属性管路Pが含まれない場合には管路用台座1を金属性管路Pから取り外すことができることになる。
本実施形態においては、磁極3Bおよび磁性体2Aが複数箇所に設けられているので、例えば、それら磁極3B、磁性体2Aの大きさにより、薄肉の金属性管路Pを対象とした場合でも磁束漏洩を低減させて密着力を高めることが可能となる。特に、薄肉の金属性管路Pを対象とした場合には、小さいサイズの磁極3Bおよび磁性体2Aを複数並置することにより、各磁極3Bからの磁力が金属性管路Pの周壁から漏洩するのを少なくして総合的な吸着力を確保することが可能となる。
本実施形態では、上述した磁路構成を選択する場合には、図2および図4に示す係止片4および駆動アーム5が用いられ、回転磁石部3の周方向に沿って磁極3Bおよびヨーク3Cが変位する。
【0020】
本実施形態では、磁極3Bからの磁力を強化して管路用台座1の磁気吸着力を高める構成が採用されている。以下、図8においてこの構成について説明する。図8は、磁極3Bとこれに隣り合うヨーク3Cとの配置構成を示す図であり、同図において、磁極3Bを挟んで隣り合うヨーク3Cは、磁極3Bの長さよりも長くされ、換言すれば、磁極3Bがヨーク3Cよりも厚さが薄くされている。これにより、磁極3Bは隣り合うもの同士の端部間が引き離された格好となり、反磁界作用による磁束密度の減少を抑えることができ、磁気吸着力を高めるようになっている。
【0021】
また、本実施形態では、装着される金属性管路Pの外径に多少の公差が発生している場合でも管路用台座1の吸着力を低下させないようにする構成が採用されている。以下、この構成について説明する。なお、図9では、基部2における磁性体2Aを挙げて説明するが、回転磁石部3における磁極3Bに関しても同様な構成とされていることを前置きしておく。
図9は、基部2における磁性体部2Aと金属性管路Pとの対向関係を説明するための模式図であり、図9(A)は、本実施形態に係る構成である。
図9(A)において、磁性体2Aは、金属性管路Pの断面中心を通る垂直線(図9中、符号CLで示す線)の両側に位置決めできる個数が設けられている。これにより、金属性管路Pの外径に多少の公差が生じていても上記垂直線CLを挟んで両側からの広い範囲で金属性管路Pに対して磁力を及ぼすことができる。このような構成とすることにより、図9(B)に示すように、垂直線CL上に磁性体2が位置するような場合に比べて磁力の及ぶ範囲を拡充することができる。
また、このような機能が得られる他に、次に挙げるように、図9(B)に示した場合に生じる不具合を解消することができる。つまり、図9(B)に示した磁性体2Aの配置構成においては、垂直線CL上の磁性体2Aと隣り合う磁性体2Aが、金属性管路Pの公差によって垂直線CL上の磁性体2Aよりも金属性管路Pの外周面から離れて隙間を生じる場合がある。このため、垂直線CL上の磁性体2Aとこれに隣り合う磁性体2Aとの間の磁力が金属性管路Pとの間に生じる隙間間隔の大きさに比例して低下することになり、管路用台座1と金属性管路Pとの間の吸着力が減少してしまうことになる。これに対して、図9(A)に示した磁性体2Aの配置構成では、隣り合う磁性体2A同士で金属性管路Pとの間の隙間間隔が異なることがないので、吸着力の低下を最小限にすることができる。
【0022】
本実施形態においては、管路用台座1が装着される金属性管路Pの外径に公差が生じている場合あるいは外径が多少異なる金属性管路Pに対応するための構成が設けられている、以下、この構成について図10を用いて説明する。
図10は、図3相当の断面図であり、同図において、台座外殻部1Aには、金属性管路Pの径方向に進退可能な固定保持部材6が設けられている。
図10において固定保持部材6は、金属性管路Pの断面中心を通る垂直線を挟んで相対位置にそれぞれ設けられている。
図10において、固定保持部材6は、台座外殻部1Aに対して抜け止めされた状態で回転可能に支持されている駆動筒体6Aと、駆動筒体6A内に挿通されて駆動筒体6Aとネジ結合している摺動軸6Bと、摺動軸6Bにおける金属性管路P側の端部に取り付けられている挟持駒6Cとを備えている。
駆動筒体6Aには回転操作ハンドル6Dが一体化されており、回転操作ハンドル6Dを回転させることにより駆動筒体6Aを回転させてこれにネジ結合されている摺動軸6Bを金属性管路Pの外周面に向けて進退させるようになっている。
【0023】
固定保持部材6は、摺動軸6Bの進退動作に連動して摺動軸6Bの端部に取り付けられている挟持駒6Cが金属性管路Pの外周面に圧接することができる(図10において、二点鎖線で示す状態)。これにより、金属性管路Pが断面中心を挟んで相対位置で押圧挟持され、このときの反力によって管路用台座1が金属性管路Pの周方向でのずれを防止されるとともに、金属性管路Pの断面中心と調心させることができる。
固定保持部材6は、管路用台座1が設置可能な金属性管路Pの外径のうちで最大外径よりも多少小さい外径の金属性管路Pに対しても、固定保持部材6の進出量が許容される場合には金属性管路Pを押圧挟持できるので、最大外径の金属性管路Pを対象とするだけでなく、複数種類の外径の金属性管路Pに流用することができる。特に、口径が小さい金属性管路Pの場合でも金属性管路Pの周方向で均一な密着ができることにより、管路用台座1の一部が管路の外周面から浮き上がるようなことがなくなる。これにより、図9(A)に示した磁性体2Aおよび図示しないが磁極3Bと金属性管路Pの外周面との対向関係が均等化されることになり、図9(A)に示した垂直線CLを境にして金属性管路Pの外周面の一部が浮き上がるようなことがなく、磁性体2Aおよび磁極3Bとの間での磁力の低下を抑えて密着力が低下するのを防止することができる。
【0024】
本実施形態では、上述した構成とは別に、管路用台座1と金属性管路Pとの密着性を高めるための構成が設けられている。以下、この構成について、図10を用いて説明する。
図10において、台座外殻部1Aにおける底面には、作業用穴1A1の周囲を密封するためのOリング7が設けられている。
Oリング7は、例えばNBRなどの弾性変形可能な材料で硬度が50度未満に設定されたものが用いられ、外径寸法として、予め設置可能な金属性管路Pのうちで最小口径の金属性管路Pを対象とした場合にその外周面に圧接できる張り出し量が得られる外形寸法に設定されている。
一方、Oリング7を収容する収容部は、台座外殻部1Aにおける作業用穴1A1周囲に形成された収容溝1A2が用いられるようになっており、収容溝1A2は、金属性管路Pの周方向に沿ってOリング7の収縮変形による潰れを吸収できる空間容積が持たせてある。これにより、最小口径の金属性管路Pを対象として管路用台座1が設置された場合にはOリング7がほぼ原型のままで金属性管路Pの外周面に圧接し、最大口径の金属性管路Pを対象として管路用台座1が設置された場合には、この口径以下の金属性管路Pの場合と違ってOリング7が潰れ、管路Pの周方向に拡がる形状となった場合でも拡がった部分が収容溝1A2内に入り込み、適度の圧力を以て金属性管路Pの外周面に圧接することができる。
【0025】
上記構成においては、収容溝1A2における潰れを吸収可能な大きさ、つまり潰れ代の大きさとOリング7の硬度とを予め設定することにより、潰れが吸収された場合でもOリング7の硬度によって管路用台座1と金属性管路Pとの対向面同士を密着させる状態としながら弾性反発力による気密性を確保できるようになっており、これにより、相反する関係にある気密性と密着による吸着力とを両立させることを可能にしている。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、周方向に沿って複数の永久磁石およびヨーク部が隣り合う状態で交互に配列され、回転操作されるのに連動して回転磁石部の周方向に沿って変位することにより、上記磁極からの磁路中に金属性管路を含む場合と、上記磁極からの磁力が短絡されて上記金属性管路を磁路に含まない場合とが選択できる回転磁石部を備えていることにより金属性管路に対してその上周面側から載置した状態で装着およびこの状態からの取り外しができる。特に、磁極からの磁路中に金属性管路を含む場合においては、磁極と隣り合うヨークが隣り合う方向での長さを磁極に対して長くされていることにより磁極同士の端部間が引き離されていることにより反磁界作用による磁束密度の減少を抑えることができ、これにより反磁界方向に向かう磁力線を金属製管路を含む方向に向けさせて強力な吸着が可能となる。これにより、従来行われていた金属性管路の下周面下方を対象とした掘削を不要にすることができるので、掘削作業工数および掘削時に生じる廃土処理や埋め戻し作業に要する工数さらには作業時間をきわめて少ないものとすることが可能となる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、回転磁石部に有する磁極およびこれに対向して基部に有する磁性体が金属性管路の断面中心を通る垂直線の両側に位置決めされる個数で設けられているので、金属性管路に対する磁気吸着範囲を拡充することができ、金属性管路への管路用台座の密着性を高めることが可能となる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、上記外殻部に設けられているOリング収容溝における潰れを吸収可能な大きさとOリングの硬度とを設定することにより、潰れが吸収された場合でもOリングの硬度によって管路用台座と金属性管路との対向面同士を密着させた状態としながらも潰れの吸収量が適正化されることでOリングが潰れた際の反力による気密性を確保することができ、これにより、気密性と吸着力との両立が可能となる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、金属性管路の外径に対応して進退することにより該金属性管路を複数箇所で挟持可能な固定保持部材を設けることにより、管路用台座が設置可能な金属性管路の外径に多少の違いがあっても管路用台座により金属性管路を挟持させることで管路用台座とこれが設置される金属性管路との調心を可能にすると共に密着性を高めて管路用台座の吸着力を低下させないようにすることが可能となる。これにより、金属性管路の外径の違いに応じた管路用台座を準備する必要がないことによる部品の管理コストの低減が可能となると共に、管路用台座と金属性管路との中心位置が整合しない場合に発生しやすい現象である金属性管路外周面から管路用台座の一部が浮き上がるようなことを防止して管路用台座と金属性管路の外周面との対向面同士を密着させて吸着力の低下をなくして、作業時での不安定さを解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る管路用台座を用いた設置工法の手順を説明するための図である。
【図2】図1に示した管路用台座の平面視的な部分断面図である。
【図3】図2中、破断線(3)で示す方向の矢視断面図である。
【図4】図2に示した管路用台座における回転磁石部とこれの回転駆動構造を示す斜視図である。
【図5】図2に示した管路用台座に用いられる基部の原理構成を説明するための斜視図である。
【図6】図2に示した管路用台座に用いられる回転磁石部の原理構成を説明するための斜視図である。
【図7】図6に示した回転磁石部の構成を示す図であり、(A)は、磁路形成状態の一例を示す図、(B)は磁路形成に用いられる磁極の斜視図である。
【図8】図6に示した回転磁石部に用いられる磁極とヨークとの構成を説明するための図である。
【図9】図2に示した基部における磁性体部と金属性管路との対向構成を示す図であり、(A)は本実施形態に係る場合を、(B)は本実施形態とは異なる場合をそれぞれ示している。
【図10】図2に示した管路用台座の金属性管路に対する密着構造を説明するための図3相当の断面図である。
【図11】従来の管路用台座の設置状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 管路用台座
1A 台座外殻部
1A1 作業用穴
2 基部
2A 磁性体
2B 非磁性体
3 回転磁石部
3B 磁極
3C ヨーク
6 固定保持部材
P 金属性管路
Claims (4)
- 金属性管路の一部に穿孔あるいはタップ立てなどの作業に用いられる装置を保持した状態で設置する際に取り付けられる管路用台座であって、
上記金属性管路の施工箇所外周面に載置される外殻部と、
上記外殻部内に配置されて上記金属性管路の外周面に倣った形状の底面を有し、複数の非磁性体と磁性体とが周方向で交互に配列されている基部と、
上記基部に対向した状態で上記外殻部により回転可能に設けられ、周方向に沿って複数の磁極とヨーク部とが交互に配列されている回転磁石部とを備え、
上記回転磁石部は、周方向に沿って複数の永久磁石およびヨーク部とが隣り合う状態で交互に配列され、回転操作されるのに連動して該回転磁石部の周方向に沿って変位することにより、上記磁極からの磁路中に金属性管路を含む場合と、上記磁極からの磁力が短絡されて上記金属性管路を磁路中に含まない場合とが選択可能な構成を備え、
上記磁極に隣り合うヨークは、該磁極の長さよりも長くされて該磁極同士の端部間を引き離す構造とされていることを特徴とする管路用台座。 - 請求項1記載の管路用台座において、
上記回転磁石部に有する磁極およびこれに対向する基部側の磁性体は、上記金属性管路の断面中心を通る垂直線の両側に位置決めできる個数でそれぞれ配列されていることを特徴とする管路用台座。 - 金属性管路の一部に穿孔あるいはタップ立てなどの作業に用いられる装置を保持した状態で設置する際に取り付けられる管路用台座であって、
上記金属性管路の施工箇所外周面に載置される外殻部と、
上記外殻部内に配置されて上記金属性管路の外周面に倣った形状の底面を有し、複数の非磁性体と磁性体とが周方向で交互に配列されている基部と、
上記基部に対向した状態で上記外殻部により回転可能に設けられ、周方向に沿って複数の磁極とヨーク部とが交互に配列されている回転磁石部とを備え、
上記回転磁石部は、周方向に沿って複数の永久磁石およびヨーク部とが隣り合う状態で交互に配列され、回転操作されるのに連動して該回転磁石部の周方向に沿って変位することにより、上記磁極からの磁路中に金属性管路を含む場合と、上記磁極からの磁力が短絡されて上記金属性管路を磁路中に含まない場合とが選択可能な構成を備え、
上記磁極に隣り合うヨークは、該磁極の長さよりも長くされて該磁極同士の端部間を引き離す構造とされ、
上記外殻部には、上記金属性管路の施工箇所周辺部に対応する位置に該金属性管路外周面に向けて開口するOリング収容溝が形成され、該Oリング収容溝は、該Oリングの潰れを吸収可能な大きさを持ち、該Oリングに予め設定されている硬度と上記潰れを吸収可能な大きさとから該Oリングの密着力が高められていることを備えていることを特徴とする管路用台座。 - 請求項1または3記載の管路用台座において、
上記基部には、上記金属性管路の径方向に進退可能な固定保持部材が設けられ、
該固定保持部材は、上記金属性管路の外径に対応して進退することにより該金属性管路を複数箇所で挟持することを特徴とする管路用台座。
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