JP3668412B2 - 継ぎ目なし指輪の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金(ゴールド)、白金(プラチナ)等の貴金属製の指輪に適用される継ぎ目なし指輪の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、継ぎ目なし指輪の製造には、適宜厚さの貴金属板から打ち抜かれた打抜き片からリング状の指輪地金を得る方法、パイプ状素材から適宜寸法で切断してリング状の指輪地金を得る方法、鋳型(原型)で貴金属の鋳物にして型成形(キャスト成形)で指輪地金を得る方法、色調の異なる貴金属板からなる2つ以上の単体リングをワッシャー状に形成し、これらのリングの対向する側面を隣り合わせてろう付けで固着して指輪地金を得る方法等がある。
【0003】
上記するような継ぎ目なし指輪の製法において、指輪の周囲に種々の凹凸形状のデザインを施したり、宝石を埋め込んだりして立体感のある装飾性を出す指輪としては、指輪地金がキャスト成形によるものか、又は、作業者が高度の熟練を駆使して素材から手作業で仕上げる単品生産によって提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、指輪地金がキャスト成形によるものは、型による凹凸形状のデザインを実現することができるので、同一形状の指輪を簡単に作ることができるが、凹凸形状の細かさには限界がある。
【0005】
そこで、より繊細な模様を施す場合は、作業者が彫刻機や切削機等を使って指輪を仕上げるカッティングの技術等が使用される。
【0006】
このような指輪地金がキャスト成形による指輪で、作業者の熟練を駆使して仕上げた単品生産に相当するような指輪と、同じ貴金属を使用して素材から鍛造手法を取り入れるなどして作業者が全て手作業で仕上げた指輪とでは、表面的に見た目には、指輪が有する質感、表面の装飾、独特なデザイン、全体的な仕上がり等で指輪の質のよさが同じように感じとれるにしても、指輪を手に持った時の重量感等のような目に見えないところで違いがでてくる。つまり、指輪地金を得る製造工程が相違すると、見た目には全く同じ形態の指輪であっても、指輪地金がキャスト成形のものと、作業者が全て手作業で仕上げた指輪とでは、手に持った時の重量感等で品質的に違いを生じる。
【0007】
そこで、本発明は、素材から鍛造手法を取り入れるなどして作業者が手作業で仕上げる貴金属からなる指輪において、指輪地金を得る加工の簡素化を図るとともに、指輪地金が有する「質の良さ」を向上し、品質的なばらつきもない高品質の指輪を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の継ぎ目なし指輪の製造方法は、厚板状の円形素材の中央に小穴を穿ち、円錐状加工先部を有するなポンチを用い、前記素材の片側から小穴にポンチの加工先部を入れ、ポンチ頭部を槌打して穴径の僅少量を拡径するプレス加工を行い、次いで、素材を裏返して前記同様のプレス加工で穴径の僅少量を拡径するプレス加工を素材両側から繰り返すことにより、最終的に穴径を指輪サイズまで拡径して指輪地金を得ることを特徴とする。
【0009】
ここで、本発明に用いられる貴金属の厚板状素材としては、金、銀、白金等の貴金属、又はそれらの合金が使用され、素材の大きさや厚み等は、指輪地金に加工した後の仕上げ工程をも配慮して経験的に決められる。また、素材は円形としその中央に最初に穿かれる穴径としては、2〜5mm程度のものである。
【0010】
上記のように、本発明の継ぎ目なし指輪の製造方法によれば、厚板状素材の中央に穿かれた小穴にポンチの円錐状加工先部を入れ、ポンチ頭部を槌打して穴径の僅少量を拡径するプレス加工を素材両側から繰り返し行い、最終的に穴径を指輪サイズまで拡径するので、指輪地金を得る加工(プレス加工)工程としては、特に熟練を要せず、加工の簡素化を図ることができる。
【0011】
また、何回となく穴径拡径作業(プレス加工)が繰り返されるに伴い、素材は無理なく穴回りで周方向の伸びと、穴面側から体内放射方向への組織的な圧密作用が加えられて硬度も漸進的に高まるので、同一貴金属からなるキャスト成形の指輪地金に比べ、指輪地金は重量感を増し、指輪地金が有する「質の良さ」を向上し、品質的なばらつきのない高品質の指輪地金が得られる。
【0012】
また、こうして得られる指輪地金は、周知手法により指輪に仕上げられるが、指輪地金の金属組織の硬度化は、指輪地金の全周的に均等に生じ、金属組織の流れが円形となって強度的にも各部のばらつきがないので、加工上からの制約も受けることなく、思い通りの加工ができて加工性にも優れたものである。
【0013】
指輪地金において、指輪サイズまで拡径された穴面は、素材両側からポンチを用いたプレス加工の繰り返えしで、丸みが付いて中央部が膨らみを有する断面凸面に形成され、穴面は緻密な金属組織からなる滑面を呈し、指輪として好ましい形態となる。そこで、穴径が指輪サイズまで拡径された指輪地金に対し、穴面以外の部分を所要形状に加工して指輪に仕上げることができる。こうして、指輪を仕上げる上で穴面については特別な加工を要せず、仕上げ加工の工数が低減できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0015】
図1(a)、(b)は本発明に係る素材の斜視図、図2(a)、(b)、(c)はプレス加工を示す説明図、図3(a)、(b)は仕上げ加工を示す説明図、図4は完成した指輪の基本形を示す指輪の断面図である。
【0016】
図1(a)に示すように、素材1は、適宜厚さの円形の貴金属板からできており、金、銀、白金等の貴金属、又はそれらの合金が使用される。素材1の大きさや厚み等は、最終的に指輪に仕上げる形態等を配慮して経験的に決められる。
【0017】
この素材1には、図1(b)に示すように、中央にドリルを使用して小穴2を穿設する。この穴径としては、2〜5mm程度のものである。
【0018】
この小穴2に対し、図2(a)に示すように、円錐状加工先部4を有するなポンチ3を用い、素材1の片側から小穴2にポンチ3の加工先部4を入れ、ポンチ頭部5を槌打して穴径の僅少量を拡径するプレス加工を行う。次いで、素材1を裏返して前記同様のプレス加工を行い、穴径の僅少量を拡径する。このようなプレス加工を素材両側から繰り返し行い、図2(b)、(c)に示すように、漸進的に穴径を拡径していき、最終的に穴径を指輪サイズまで拡径して指輪地金1aを得る。なお、プレス加工に用いるポンチ3の加工先部4の形状としては、途中から細径側にカーブする円錐形状であってもよい。
【0019】
こうして得られた指輪地金1aは、図3(a)、(b)に示すように、周知手法により外周面に所定の加工を施し、図4に示すような指輪A(図4では基本形を示している。)に仕上げる。ここで、指輪サイズまで拡径された指輪地金1aの穴面2aは、素材両側からポンチ3を用いたプレス加工の繰り返しで、丸みが付いて中央部が膨らみを有する断面凸面に形成され、穴面2aは滑面を呈し、指輪Aとして好ましい形態となるので、穴面2aには特別な加工を要せず、指輪全体として最後の羽布掛け程度で充分に指輪Aとして通用する。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、本発明によれば、円形素材の中央に明けた小穴を、ポンチを用いて漸進的に拡径して最終的に穴径を指輪サイズまで拡径する鍛造手法を取り入れて指輪地金を得るので、加工の簡素化を図ることができる。また、同一貴金属からなるキャスト成形の指輪地金に比べ、指輪地金は重量感を増し、指輪地金が有する「質の良さ」を向上し、品質的なばらつきのない高品質の指輪が提供できる。また、プレス加工の繰り返しで拡径された穴は指輪として好ましい形態となるので、穴面には特別な加工を要せずに指輪の仕上げ加工の工数が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)、(b)は本発明に係る素材の斜視図である。
【図2】 (a)、(b)、(c)は素材に対するプレス加工を示す説明図である。
【図3】 (a)、(b)は本発明に係る指輪地金の仕上げ加工を示す説明図である。
【図4】 完成した指輪の基本形を示す指輪の断面図である。
【符号の説明】
1 素材
2 小穴
3 ポンチ
4 円錐状加工先部
5 ポンチ頭部
1a 指輪地金
2a 穴面
A 指輪
Claims (2)
- 厚板状の円形素材の中央に小穴を穿ち、円錐状加工先部を有するポンチを用い、前記素材の片側から小穴にポンチの加工先部を入れ、ポンチ頭部を槌打して穴径の僅少量を拡径するプレス加工を行い、次いで、素材を裏返して前記同様のプレス加工で穴径の僅少量を拡径するプレス加工を素材両側から繰り返すことにより、最終的に穴径を指輪サイズまで拡径して指輪地金を得ることを特徴とする継ぎ目なし指輪の製造方法。
- 穴径が指輪サイズまで拡径された指輪地金に対し、穴面以外の部分を所要形状に加工して指輪に仕上げることを特徴とする請求項1記載の継ぎ目なし指輪の製造方法。
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