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JP3669181B2 - 電動車椅子および記録媒体 - Google Patents
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JP3669181B2 - 電動車椅子および記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機により駆動される電動車椅子およびこの電動車椅子により使用される記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、椅子およびこの椅子に取り付けられ手動で回転する複数の車輪などにより構成される手動式の車椅子のほか、操作器およびこの操作器の操作に応じて各車輪を駆動する電動機などをさらに備えて成る電動式のいわゆる電動車椅子が知られている。
【0003】
これら車椅子のうち、電動車椅子は、駆動に人力を必要としないので移動操作が格段に楽になるという特徴を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電動車椅子は、操作器の操作に応じて電動機が車輪を駆動して動くので、電動車椅子の動きは、搭乗者の操作(操縦)能力に左右されるものであった。例えば、電動車椅子で、狭い場所を移動する場合、固定物によりまたは構造的に込み入った場所を移動する場合、あるいは特殊な動きが要求される操作を行う場合には、ある程度または相当な操縦訓練が要求され、誰でもすぐに操縦可能になるというわけにはいかない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、搭乗者の操作(操縦)能力に関わらず所定の動作で動かすことができる電動車椅子およびこの電動車椅子で使用される記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の電動車椅子は、電動機によりなる駆動部と、前記駆動部の駆動に応じて移動する座席部と、駆動制御データに従って前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、前記制御部により使用される駆動制御データを記憶する記憶部と、制御部に使用される駆動制御データ入力用の操作器とを備え、操作器が操作されることで制御部に駆動制御データが入力されて駆動部の駆動制御が行われ、操作器からの駆動制御データは前記記憶部に記憶可能であるものである。
【0007】
この構成では、記憶部に記憶されている駆動制御データに従って本電動車椅子が動くようになる。これにより、搭乗者の操作(操縦)能力に関わらず、本電動車椅子を所定の動作で動かすことが可能になる。
【0008】
さらに、この構成によれば、所望の操作データを記憶部に記憶させることが可能になる。
【0009】
また、前記記憶部は着脱可能な記録媒体およびこの記録媒体が装着される記憶部本体により構成され、前記記憶部が記憶する駆動制御データは前記記録媒体に記録される構成でもよい(請求項)。この構成によれば、記録媒体を交換するだけで、簡単にしかも短時間で所望の操作データの駆動制御データで本電動車椅子を動かすことが可能になる。また、駆動制御データのオフラインでの作成が可能になるとともに、複製するだけで簡単に多数の電動車椅子用の操作データを得ることができる。
【0010】
また、前記記録媒体には前記操作器からの駆動制御データが記録される構成でもよい(請求項)。この構成によれば、記録媒体を交換するだけで、簡単にしかも短時間で所望の操作データの駆動制御データで本電動車椅子を動かすことが可能になる。また、駆動制御データのオフラインでの作成が可能になるとともに、複製するだけで簡単に多数の電動車椅子用の操作データを得ることができる。
【0011】
また、前記記憶部が記憶する駆動制御データは微少時間毎の速度のデータでもよい(請求項)。これによれば、駆動制御データが微少時間毎に記録されるので、再現される電動車椅子の動きが滑らかになる。
【0012】
また、前記微少時間は前記電動機の駆動制御の周期以上に設定される構成でもよい(請求項)。この構成によれば、電動機の駆動を安定させることが可能になる。
【0013】
また、前記微少時間の長さは変更可能である構成でもよい(請求項)。この構成では、本電動車椅子の動きの速さが変化するようになる。これにより、本電動車椅子の動きの速さを搭乗者の好みに合わせて変更することができる。
【0014】
また、前記速度のデータは設定可能な値により乗算された上で使用される構成でもよい(請求項)。この構成では、本電動車椅子の速度が変化するようになる。これにより、本電動車椅子の速度を搭乗者の好みに合わせて変更することが可能になる。
【0015】
請求項記載の発明は、上記請求項記載の電動車椅子で使用される記録媒体であって前記制御部により使用される駆動制御データが記録されているものである。この記録媒体を上記電動車椅子に使用すれば、上記電動車椅子を搭乗者の操作(操縦)能力に関わらず所定の動作で動かすことができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の基本例に係る電動車椅子の概略構成図、図2は図1に示す駆動部の概略構成図、図3は図2に示す各駆動ユニットの概略構成図で、以下これらの図を用いて基本例について説明する。
【0017】
本電動車椅子は、図1に示すように、4脚を有しこれらの各々にモータ(電動機)を備える駆動部1、この駆動部1の駆動に応じて移動するように駆動部1上に載置される肘掛けいす形の座席部2、この座席部2の右側の肘掛け先端に設けられる駆動制御データ入力用のジョイスティック(操作器)3、このジョイスティック3の出力信号(駆動制御信号)をディジタル信号(駆動制御データ)に変換するA/D変換器4、別途操作または動作データとしての駆動制御データを記憶するデータ記憶部(記憶部)5、および座席部2の座席下などに収納されA/D変換器4またはデータ記憶部5からの駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行う制御部6により構成されている。
【0018】
このように構成された電動車椅子の各部についてさらに詳述すると、駆動部1は、図2に示すように、4個の駆動ユニット10を備え、全方向に移動可能になっている。ただし、図2に示す各駆動ユニット10から伸びる実線およびこれと直交する破線の矢印は、それぞれモータによる駆動方向および自由に転がることが可能な方向を示す。
【0019】
各駆動ユニット10は、図3に示すように、モータ11、このモータ11の出力軸に取り付けられるギヤ12、モータ11のモータ速度(回転速度)の検出を行ってこの検出結果としてモータ速度に応じてパルス数が変動するパルス信号を送出するエンコーダ13、ギヤ12と噛合するギヤ部が外周面に形成され、複数のローラ14が内周面に図略のベアリングを介して回転可能に取り付けられているローラリング15、このローラリング15の複数のローラ14によって大円上で挟持されるボールホイールと呼ばれる球状の車輪16、および図略の車両フレームに回転可能に取り付けられ、ローラリング15の回転軸上に位置する車輪16の上側に当接する複数のベアリング17などにより構成されている(日本ロボット学会誌 Vol. 16 No. 6, pp.816〜823, 1998参照)。
【0020】
ローラリング15およびモータ11は回転軸が互いに平行で、これら回転軸が鉛直方向に対して所定角度傾けられているので、モータ11が駆動されると、床と車輪16との間に特定の並進方向(紙面と垂直な方向)に駆動力が発生する。また、この駆動力の方向と直交する方向はローラ14およびベアリング17が回転可能な方向であるので、車輪16は自由に転がることが可能である。
【0021】
ところで、本電動車椅子に作用する力は、各車輪16が発生する駆動力のベクトル和により求めることができる。これらの駆動力の大きさと方向の組合わせとを変化させることで、任意の大きさと任意の方向の力およびモーメントを本電動車椅子に作用させることができる。
【0022】
図1に戻って、ジョイスティック3は、操作による当該ジョイスティック3の傾き方向および傾き度合い(角度)に応じて、それぞれ本電動車椅子の移動方向および移動速度を決定し、操作に応じて決定されるこれら移動方向および移動速度を示す駆動制御信号を送出するものである。
【0023】
ここで、基本例では、移動方向および移動速度を示す駆動制御信号は、前後方向の移動速度、左右方向の移動速度および回転の速度の3つの成分に分類されて送出される。例えばジョイスティック3が前後方向に倒されると、その前後方向の傾き度合いに比例する本電動車椅子の前後方向の移動速度が得られ、この前後方向の移動速度を示す駆動制御信号(アナログ電圧Ja)が送出される。また、ジョイスティック3が左右方向に倒されると、その左右方向の傾き度合いに比例する本電動車椅子の左右方向の移動速度が得られ、この左右方向の移動速度を示す駆動制御信号(アナログ電圧Jb)が送出される。さらに、ジョイスティック3が回されると、その回転度合いに比例する本電動車椅子の回転速度が得られ、この回転速度を示す駆動制御信号(アナログ電圧Jc)が送出される。
【0024】
A/D変換器4は、ジョイスティック3からのアナログ信号の駆動制御信号をディジタル信号の駆動制御データに変換するもので、より具体的には、アナログ電圧Ja、アナログ電圧Jbおよびアナログ電圧Jcの各電圧レベルをディジタル値に変換するものである。
【0025】
データ記憶部5は、固定式のディスク状の記録媒体にデータの読み書きを行う記録装置またはデータの読み書きが可能な半導体記憶メモリなどによりなり、別途用意された本電動車椅子を移動させるための所定の駆動制御データを上記A/D変換器4の出力に対応する形成で記憶している。すなわち、データ記憶部5には、前後方向の移動速度、左右方向の移動速度および回転速度を示す所定の駆動制御データが記憶されている。
【0026】
制御部6は、CPU(中央処理装置)などにより成り、具体的には、方向速度入力部60、運動学計算部61、パルスカウンタ62、モータ回転速度算出部63、モーションコントロール部64、モータトルク指令部65、D/A変換器66およびモータドライバ67を備えている。
【0027】
図4はこの制御部6が行う駆動制御の説明図で、この図をさらに用いて制御部6について詳述する。ただし、図4では、説明の便宜上、前方左側、後方左側、後方右側および前方右側の駆動ユニット10に対してそれぞれP1〜P4の符号をさらに付して識別可能にしている。また、駆動ユニットP1〜P4の駆動方向への速度にはそれぞれV1〜V4の符号が付されている。また、4個の駆動ユニット10の重心Gから各駆動ユニット10の中心までの長さをL、x方向に対して前進方向のなす角度をθ、前進方向に対して重心Gから駆動ユニットP1に伸びる方向(リンク方向)のなす角度をφ、そしてリンク方向に対して駆動ユニットP1の駆動方向のなす角度をψとする。
【0028】
方向速度入力部60は、A/D変換器4またはデータ記憶部5から、移動方向および移動速度を示す駆動制御データ、すなわち前後方向の移動速度、左右方向の移動速度および回転速度を示す駆動制御データを取り込んで、次式に示すように、それぞれに所定の定数Ka,Kb,Kcを乗じて前後方向の移動速度X、左右方向の移動速度Yおよび回転の角速度Θを求めるものである。なお、回転方向は角速度の正負の符号により表される。
【0029】
X=Ka×Ja
Y=Kb×Jb
Θ=Kc×Jc
運動学計算部61は、方向速度入力部60で得られる移動速度X、Yおよび角速度Θを用いて次の(数1)の逆運動学計算を行って、駆動ユニットP1〜P4の駆動方向への速度(指令値)V1〜V4を求めるものである。
【0030】
【数1】
Figure 0003669181
【0031】
ここで、図4の例では、ψが90度でφが45度であるので、上記(数1)は次の(数2)となる。
【0032】
【数2】
Figure 0003669181
【0033】
パルスカウンタ62は、各駆動ユニット10のエンコーダ13からパルス信号を取り込んでパルス数をカウントするものである。
【0034】
モータ回転速度算出部63は、パルスカウンタ62によりカウントされたパルス数の所定時間当たりの変化分から各モータ11の回転速度を算出するものである。
【0035】
モーションコントロール部64は、フィードバック制御を実行すべく、運動学計算部61の計算結果およびモータ回転速度算出部63の算出結果を用いて、各駆動ユニット10に対する制御値Mvを求めるものである。
【0036】
ここで、一例として、駆動ユニットP1に対する制御値Mvの導出について説明すると、制御値Mvは次式により求められる。ただし、モータ回転速度算出部63からの駆動ユニットP1の回転速度をVr、In の前回の値をIn-1、そしてkp,kiをゲインとする。
【0037】
V=V1−Vr
In =In-1+V
Mv=kp×V+ki×In
モータトルク指令部65は、モーションコントロール部64で得られた各制御値Mvを対応するモータ11駆動用のモータトルク値(モータドライバ67から各モータ11に流すべき電流レベルを決定する値)Trqに変換するものである。例えば、駆動ユニットP1に対するモータトルク値Trqについて説明すると、このモータトルク値Trqは次式により求められる。ただし、kはゲインである。
【0038】
Trq=k×Mv
D/A変換器66は、モータトルク指令部65からの各モータトルク値Trqをアナログ電圧に変換するものである。
【0039】
モータドライバ67は、D/A変換器66からのアナログ電圧に比例した電流を対応するモータ11にそれぞれ流して各モータ11を駆動するものである。
【0040】
次に、基本例の動作について簡単に説明する。A/D変換器4を介してジョイスティック3から、またはデータ記憶部5から、方向速度入力部60に前後方向の移動速度、左右方向の移動速度および回転速度を示す駆動制御データが取り込まれると、この駆動制御データから前後方向の移動速度X、左右方向の移動速度Yおよび回転の角速度Θが求められる。
【0041】
次いで、これら移動速度X、Yおよび角速度Θを用いた逆運動学計算が行われて、駆動ユニットP1〜P4の駆動方向への速度V1〜V4が求められる。
【0042】
次いで、各駆動ユニット10の駆動方向への速度にモータ回転速度算出部63からの回転速度が考慮され、各駆動ユニット10に対する制御値Mvが導出される。
【0043】
次いで、各制御値Mvからモータ11駆動用のモータトルク値Trqが得られ、この各モータトルク値Trqがアナログ電圧に変換されてモータドライバ67に出力される。これにより、モータドライバ67から各モータ11にアナログ電圧に比例した電流が供給され、各モータ11が上記駆動制御データに応じて駆動し、本電動車椅子がその駆動制御データに応じて動くことになる。
【0044】
以上、基本例によれば、データ記憶部5に記憶されている所定の駆動制御データに従って本電動車椅子が動くので、搭乗者の操作(操縦)能力に関わらず、本電動車椅子を所定の動作で動かすことが可能になる。
【0045】
図5は本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第実施形態について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5および制御部6を基本例と同様に備えているほか、スイッチSW1,SW2をさらに備えている。
【0046】
このスイッチSW1,SW2は、それぞれA/D変換器4の出力とデータ記憶部5の入力との間およびデータ記憶部5の出力と方向速度入力部60の入力との間に介設されている。そして、スイッチSW1がオンであれば、A/D変換器4の出力データがデータ記憶部5の入力にも送出され、ジョイスティック3からの駆動制御データがデータ記憶部5に記憶される構成になっている。また、スイッチSW2がオンであれば、データ記憶部5に記憶されている駆動制御データが方向速度入力部60に取り込まれ、この取り込まれた駆動制御データに従って駆動制御が行われる構成になっている。
【0047】
これにより、スイッチSW1をオンにしてジョイスティック3の操作(操作Aとする)を行えば、この操作Aによる駆動制御データが操作データとしてデータ記憶部5に記憶されることになる。また、この後、スイッチSW2をオンにすれば、データ記憶部5に記憶させた駆動制御データに従って駆動制御が行われるので、上記操作Aと全く同じ操作で本電動車椅子を動かすことが可能になる。
【0048】
以上、第実施形態によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、所望の操作を操作データとして記憶させることができるので、その所望の操作で本電動車椅子を動かすことが可能になる。また、ジョイスティック3の操作による駆動制御データを記憶させることができるので、使用者がデータ処理などの作業をする必要がない。さらに、実際に電動車椅子を動かした駆動制御データが記憶されるので、その駆動制御データによる本電動車椅子の走行は、同一条件で再現される限り安全性の高いものとなる。
【0049】
図6は本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第実施形態について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、制御部6およびスイッチSW1,SW2を第実施形態と同様に備えているほか、第実施形態のデータ記憶部5とは異なるデータ記憶部5aを備えている。
【0050】
このデータ記憶部5aは、ディスク状の記録媒体やメモリカードなどの着脱可能な記録媒体50a、およびこの記録媒体50aにデータの読み書きを行う記録装置(記憶部本体)51aによりなり、スイッチSW1がオンであれば、ジョイスティック3からの微少時間毎の前後方向の移動速度、左右方向の移動速度および回転速度としての駆動制御データを記録装置51aによって記録媒体50aに記録するものである(微少時間は後述の(表1)のΔt参照)。なお、図6の例では、データ記憶部5aは座席部2の右側の肘掛け先端下部に設けられている。
【0051】
これにより、所望の操作データを記録媒体50aに記録することが可能になるとともに、種々の操作データが記録された記録媒体50aを複数枚用意し、その中から所望の操作データが記録された記録媒体50aを選別して記録装置51aに装着すれば、装着した記録媒体50aに記録されている所望の操作データに含まれる駆動制御データに従って駆動制御が行われることになる。
【0052】
また、微少時間毎の連続的な駆動制御データが記録されるので、再現される電動車椅子の動きが滑らかになる。
【0053】
さらに、微少時間を制御部6の各モータ11に対する制御周期以上に設定すれば、モーションコントロール部64の処理時に1度はフィードバックがかかるので、各モータ11の駆動が安定することになる。このとき、モーションコントロール部64によるフィードバックの周期は、当然微少時間より短くなる。
【0054】
以上、第実施形態によれば、第実施形態と同様の効果を奏することが可能になるほか、所望の操作データを記録媒体50aに記録することが可能になるとともに、記録媒体50aを交換するだけで、簡単にしかも短時間で所望の操作データの駆動制御データで本電動車椅子を動かすことが可能になる。また、駆動制御データのオフラインでの作成が可能になるとともに、複製するだけで簡単に多数の電動車椅子用の操作データを得ることができる。また、駆動制御データが微少時間毎に記録されるので、再現される電動車椅子の動きを滑らかにすることが可能になる。さらに、微少時間を制御部6の各モータ11に対する制御周期以上に設定すれば、各モータ11の駆動を安定させることが可能になる。
【0055】
なお、第実施形態では、記録媒体50aには、ジョイスティック3からの微少時間毎の前後方向の移動速度、左右方向の移動速度および回転速度としての駆動制御データが記録される構成になっているが、これに限らず、次の(表1)に示すように、方向速度入力部60の出力結果が記録される構成でもよい。
【0056】
【表1】
Figure 0003669181
【0057】
ただし、この場合には、スイッチSW1がオンにされると方向速度入力部60の出力データがデータ記憶部5aに記憶される構成にする必要がある。一方、スイッチSW2がオンにされた場合には、方向速度入力部60がデータ記憶部5aから駆動制御データを読み込んでそのまま送出する構成でもよく、あるいは運動学計算部61がデータ記憶部5aから駆動制御データを読み込んで上述の処理を行う構成でもよい。
【0058】
これと同様に、スイッチSW1がオンにされると運動学計算部61の出力結果が記録媒体50aに記録される構成でもよい。要するに、記録媒体50aには広義の駆動制御データが記録される構成であればよい。
【0059】
図7は本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図、図8は図7の制御部の説明図で、以下これらの図を用いて第実施形態について説明する。
【0060】
この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5aおよびスイッチSW1,SW2を第実施形態と同様に備えているほか、強弱ボリューム30、A/D変換器31および制御部6aを備えている。
【0061】
ただし、スイッチSW1,SW2は図示省略されている。また、データ記憶部5aには(表1)の形式、すなわち後述の図8(a)の左側の図表の形式で駆動制御データが記録されているものとし、このため、方向速度入力部60はデータ記憶部5aから駆動制御データを取り込むとそのまま送出するものとする。以下の実施形態もこれと同様に、(表1)の形式で駆動制御データがデータ記憶部に記憶されている場合には、方向速度入力部はデータ記憶部から駆動制御データを取り込むとそのまま送出するものとする。
【0062】
強弱ボリューム30は、データ記憶部5aの記録媒体50aに記録されている微少時間の長さを変更するためのもので、設定に応じてレベルが変化する電圧を出力するものである。図7の例では、強弱ボリューム30はジョイスティック3に設けられている。
【0063】
A/D変換器31は、強弱ボリューム30からの電圧レベルをディジタル値に変換するものである。
【0064】
制御部6aは、方向速度入力部60、運動学計算部61、パルスカウンタ62、モータ回転速度算出部63、モーションコントロール部64、モータトルク指令部65、D/A変換器66およびモータドライバ67を制御部6と同様に備えているほか、乗算部68をさらに備えている。
【0065】
この乗算部68は、方向速度入力部60を介してA/D変換器4から駆動制御データを取り込むと、取り込んだ駆動制御データをそのまま送出する一方、方向速度入力部60を介してデータ記憶部5aから駆動制御データを取り込むと、図8(a)に示すように、微少時間ΔtにA/D変換器31から得られる値(Kとする)を乗じる処理を行うものである。ただし、K>0である。
【0066】
そして、例えば、乗算部68が、データ記憶部5aから駆動制御データを取り込んだ時点から、微少時間Δtに値Kを乗じて得られる時間の経過後に、取り込んだ駆動制御データを送出するように制御部6aを構成すれば、図8(b)に示すように、各駆動制御データ間の時間間隔の長さが変わるので、本電動車椅子の動きの速さ(機敏さ)を搭乗者の好みに合わせて変更することが可能になる。
【0067】
以上、第実施形態によれば、第実施形態と同様の効果を奏することが可能になるほか、本電動車椅子の動きの速さを搭乗者の好みに合わせて変更することが可能になる。
【0068】
また、第実施形態では、乗算部68が値Kによる乗算結果に応じて動作する構成になっているが、これに限らず、乗算部68が値Kによる乗算結果を含む駆動制御データを送出し、後段の例えばモータトルク司令部が値Kによる乗算結果に従って出力を行う構成でもよい。
【0069】
図9は本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図、図10は図9の制御部の説明図で、以下これらの図を用いて第実施形態について説明する。
【0070】
この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5aおよびSW1,SW2を第実施形態と同様に備えているほか、速度調整ボリューム32、A/D変換器33および制御部6bを備えている。ただし、スイッチSW1,SW2は図示省略されている。
【0071】
速度調整ボリューム32は、方向速度入力部60で得られる移動速度X,Yを変更するためのもので、設定に応じてレベルが変化する電圧を出力するものである。図7の例では、速度調整ボリューム32はジョイスティック3に設けられている。
【0072】
A/D変換器33は、速度調整ボリューム32からの電圧レベルをディジタル値に変換するものである。
【0073】
制御部6bは、方向速度入力部60、運動学計算部61、パルスカウンタ62、モータ回転速度算出部63、モーションコントロール部64、モータトルク指令部65、D/A変換器66およびモータドライバ67を制御部6と同様に備えているほか、乗算部69をさらに備えている。
【0074】
この乗算部69は、方向速度入力部60を介してA/D変換器4から駆動制御データを取り込むと、取り込んだ駆動制御データをそのまま送出する一方、方向速度入力部60を介してデータ記憶部5aから駆動制御データを取り込むと、図10(a)に示すように、データ記憶部5aからの移動速度X,Yの各々にA/D変換器33から得られる値K(K>0)を乗じるものである。このように、移動速度X,Yに値Kを乗じると、図10(b)に示すように、各移動速度が変わるので、本電動車椅子の速度を搭乗者の好みに合わせて変更することが可能になる。
【0075】
以上、第実施形態によれば、第実施形態と同様の効果を奏することが可能になるほか、本電動車椅子の速度を搭乗者の好みに合わせて変更することが可能になる。
【0076】
図11は本発明の第1参考例に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第1参考例について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5および制御部6を基本例と同様に備えているほか、モード切換スイッチSW3をさらに備えている。
【0077】
このモード切換スイッチSW3は、制御部6に対して、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御が行われている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてきても、ジョイスティック3からの駆動制御データよりもデータ記憶部5が記憶する駆動制御データの方を優先させるモードに切り換えるためのものである。図11は、データ記憶部5からの駆動制御データの方が優先されている状態を模式的に示している。
【0078】
そして、モード切換スイッチSW3によってデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先するモードに設定されると、データ記憶部5の記録データの読出しが終了したか否かの判定を行い、終了したとの判定が得られるまでデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先する構成になっている。
【0079】
図12は本電動車椅子の動作説明用のフローチャートで、以下この図を用いて第1参考例の動作について説明する。
【0080】
ジョイスティック、すなわちモード切換スイッチSW3によってデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先するモードに設定されていなければ(S10でジョイスティック)、制御部6にジョイスティック3からの駆動制御データが取り込まれ、この駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S11)。この後、ステップS10に戻る。
【0081】
一方、記録データ、すなわちモード切換スイッチSW3によってデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先するモードに設定されていれば(S10で記録データ)、データ記憶部5の記録データの読出し(例えば、複数の駆動制御データ列から成る操作データの読出し)が終了したか否かの判定が行われる(S12)。
【0082】
データ記憶部5の記録データの読出しが終了すれば(S12でYES)、ステップS10に戻り、読出しが終了しなければ(S12でNO)、記録データ、すなわちデータ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S13)。この後、ステップS12に戻る。
【0083】
以上、第1参考例によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、モード切換スイッチSW3によってデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先させれば、データ記憶部5が記憶する駆動制御データによる駆動制御が行われている際、ジョイスティック3の誤操作に起因する本電動車椅子の誤動作を防止することが可能になる。
【0084】
図13は本発明の第2参考例に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第2参考例について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5、制御部6およびモード切換スイッチSW3を第1参考例と同様に備えているほか、動作スタートスイッチSW4をさらに備えている。
【0085】
この動作スタートスイッチSW4は、制御部6に対して、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行わせるためのもので、この動作スタートスイッチSW4のオン/オフ状態は、例えば制御部6のCPUにより監視され、オンになるとデータ記憶部5から制御部6にデータが取り込まれる。
【0086】
なお、図13は、データ記憶部5からの駆動制御データの方が優先され、動作スタートスイッチSW4がオンになるとデータ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御が行われる前の状態を模式的に示している。
【0087】
図14は本電動車椅子の動作説明用のフローチャートで、以下この図を用いて第2参考例の動作について説明する。
【0088】
ジョイスティック、すなわちモード切換スイッチSW3によってデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先するモードに設定されていなければ(S20でジョイスティック)、制御部6にジョイスティック3からの駆動制御データが取り込まれ、この駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S21)。この後、ステップS20に戻る。
【0089】
一方、記録データ、すなわちモード切換スイッチSW3によってデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先するモードに設定されていれば(S20で記録データ)、スタートするか否か、すなわち動作スタートスイッチSW4がオンになったか否かの判定が行われる(S22)。
【0090】
動作スタートスイッチSW4がオンにならなければ(S22でNO)、ステップS20に戻り、オンになれば(S20でYES)、データ記憶部5の記録データの読出しが終了したか否かの判定が行われる(S23)。
【0091】
データ記憶部5の記録データの読出しが終了すれば(S23でYES)、ステップS20に戻り、読出しが終了しなければ(S23でNO)、記録データ、すなわちデータ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S24)。この後、ステップS23に戻る。
【0092】
以上、第2参考例によれば、第1参考例と同様の効果を奏することが可能になるほか、モード切換スイッチSW3によってデータ記憶部5からの駆動制御データの方を優先するモードに設定されても、動作スタートスイッチSW4がオンにされないと、データ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御が行われないので、データ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御を適切なタイミングで実行させることが可能になる。
【0093】
図15は本発明の第3参考例に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第3参考例について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4およびデータ記憶部5を基本例と同様に備えているほか、第2参考例と同様の動作スタートスイッチSW4に加えて基本例とは異なる制御部6cを備えている。
【0094】
この制御部6cは、運動学計算部61、パルスカウンタ62、モータ回転速度算出部63、モーションコントロール部64、モータトルク指令部65、D/A変換器66およびモータドライバ67を基本例と同様に備えているほか、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行っている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに応じて駆動部1の駆動制御を開始する方向速度入力部60aを備えている。すなわち、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御が行われている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに応じて駆動部1の駆動制御が行われる構成になっている。
【0095】
さらに詳述すると、方向速度入力部60aは、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行っている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに従って方向速度入力部60と同様の処理を行う。
【0096】
図16は本電動車椅子の動作説明用のフローチャートで、以下この図を用いて第3参考例の動作について説明する。
【0097】
記録データによるスタートを行うか否か、すなわち動作スタートスイッチSW4がオンになったか否かの判定が行われる(S30)。
【0098】
動作スタートスイッチSW4がオンにならなければ(S30でNO)、制御部6にジョイスティック3からの駆動制御データが取り込まれ、この駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S31)。この後、ステップS30に戻る。
【0099】
一方、動作スタートスイッチSW4がオンになれば(S30でYES)、ジョイスティック指令=0、すなわちジョイスティック3から駆動制御データが送られてこなかったか否かの判定が行われる(S32)。
【0100】
送られてくれば(S32でNO)、ステップS30に戻り、送られてこなければ(S32でYES)、データ記憶部5の記録データの読出しが終了したか否かの判定が行われる(S33)。
【0101】
データ記憶部5の記録データの読出しが終了すれば(S33でYES)、ステップS30に戻り、読出しが終了しなければ(S33でNO)、記録データ、すなわちデータ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S34)。この後、ステップS32に戻る。
【0102】
なお、データ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御を再度開始させるには、動作スタートスイッチSW4をオンにすればよい。このとき、駆動制御データは最初のデータから始まる。
【0103】
以上、第3参考例によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御が行われている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに従った駆動制御が行われるので、データ記憶部5が記憶する駆動制御データによる本電動車椅子の動きをジョイスティック3の操作による動きに即座に変更することが可能になる。
【0104】
図17は本発明の第4参考例に係る電動車椅子の概略構成図、図18は図17に示す加算部の説明図で、以下これらの図を用いて第4参考例について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5および制御部6を基本例と同様に備えているほか、第2参考例と同様の動作スタートスイッチSW4に加えて加算部7を備えている。
【0105】
この加算部7は、ジョイスティック3からの駆動制御データとデータ記憶部5が記憶する駆動制御データとを加算して方向速度入力部60に送出するものである。すなわち、データ記憶部5が記憶する駆動制御データにはジョイスティック3からの駆動制御データが加味される構成になっている。
【0106】
これにより、動作スタートスイッチSW4がオンにされ、データ記憶部5が記憶する駆動制御データが方向速度入力部60に取り込まれている際に、ジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、図18に示すように、データ記憶部5が記憶する駆動制御データにジョイスティック3からの駆動制御データが加算されることになる。
【0107】
以上、第4参考例によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、データ記憶部5が記憶する駆動制御データにはジョイスティック3からの駆動制御データが加味されるので、データ記憶部5が記憶する駆動制御データによる動きをジョイスティック3の操作で調整することが可能になり、搭乗者の意志を反映させることができる。
【0108】
図19は本発明の第5参考例に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第5参考例について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4およびデータ記憶部5を基本例と同様に備えているほか、第2参考例と同様の動作スタートスイッチSW4に加えて基本例とは異なる制御部6dを備えている。
【0109】
この制御部6dは、運動学計算部61、パルスカウンタ62、モータ回転速度算出部63、モーションコントロール部64、モータトルク指令部65、D/A変換器66およびモータドライバ67を基本例と同様に備えているほか、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行っている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに応じて駆動部1の駆動制御を行う方向速度入力部60bを備えている。すなわち、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御が行われている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに応じて駆動部1の駆動制御が行われる構成になっている。
【0110】
さらに詳述すると、方向速度入力部60bは、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行っている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、データ記憶部5が記憶する駆動制御データよりもジョイスティック3からの駆動制御データの方を優先させて、方向速度入力部60と同様の処理を行い、この後、ジョイスティック3から駆動制御データが送られてこなくなると、データ記憶部5が記憶する駆動制御データを用いた処理をその停止した続きから行う。
【0111】
図20は本電動車椅子の動作説明用のフローチャートで、以下この図を用いて第5参考例の動作について説明する。
【0112】
記録データによるスタートを行うか否か、すなわち動作スタートスイッチSW4がオンになったか否かの判定が行われる(S40)。
【0113】
動作スタートスイッチSW4がオンにならなければ(S40でNO)、制御部6dにジョイスティック3からの駆動制御データが取り込まれ、この駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S41)。この後、ステップS40に戻る。
【0114】
一方、動作スタートスイッチSW4がオンになれば(S40でYES)、ジョイスティック指令=0、すなわちジョイスティック3から駆動制御データが送られてこなかったか否かの判定が行われる(S42)。
【0115】
送られてくれば(S42でNO)、ステップS45に進み、送られてこなければ(S42でYES)、データ記憶部5の記録データの読出しが終了したか否かの判定が行われる(S43)。
【0116】
データ記憶部5の記録データの読出しが終了すれば(S43でYES)、ステップS40に戻り、読出しが終了しなければ(S43でNO)、記録データ、すなわちデータ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S44)。この後、ステップS42に戻る。
【0117】
ステップS45に進むと、制御部6dにジョイスティック3からの駆動制御データが取り込まれ、この駆動制御データに従った駆動制御が行われる。この後、ステップS42に戻る。これにより、データ記憶部5が記憶する駆動制御データを用いた処理がステップS42のNOで停止した続きから行われることになる。
【0118】
以上、第5参考例によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従った駆動制御が行われている際にジョイスティック3による割込み操作が可能になり、搭乗者の意志を反映させることができる。
【0119】
図21は本発明の第6参考例に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第6参考例について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4およびデータ記憶部5を基本例と同様に備えているほか、第2参考例と同様の動作スタートスイッチSW4に加えて基本例とは異なる制御部6eを備えている。
【0120】
この制御部6eは、運動学計算部61、パルスカウンタ62、モータ回転速度算出部63、モーションコントロール部64、モータトルク指令部65、D/A変換器66およびモータドライバ67を基本例と同様に備えているほか、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行っている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに応じて駆動部1の駆動制御を行う方向速度入力部60cを備えている。すなわち、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御が行われている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、ジョイスティック3からの駆動制御データに応じて駆動部1の駆動制御が行われる構成になっている。
【0121】
さらに詳述すると、方向速度入力部60cは、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御を行っている間にジョイスティック3から駆動制御データが送られてくると、移動速度X,Yおよび角速度Θをそれぞれ0にする。
【0122】
図22は本電動車椅子の動作説明用のフローチャートで、以下この図を用いて第6参考例の動作について説明する。
【0123】
記録データによるスタートを行うか否か、すなわち動作スタートスイッチSW4がオンになったか否かの判定が行われる(S50)。
【0124】
動作スタートスイッチSW4がオンにならなければ(S50でNO)、制御部6にジョイスティック3からの駆動制御データが取り込まれ、この駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S51)。この後、ステップS50に戻る。
【0125】
一方、動作スタートスイッチSW4がオンになれば(S50でYES)、ジョイスティック指令=0、すなわちジョイスティック3から駆動制御データが送られてこなかったか否かの判定が行われる(S52)。
【0126】
送られてくれば(S52でNO)、ステップS55に進み、送られてこなければ(S52でYES)、データ記憶部5の記録データの読出しが終了したか否かの判定が行われる(S53)。
【0127】
データ記憶部5の記録データの読出しが終了すれば(S53でYES)、ステップS50に戻り、読出しが終了しなければ(S53でNO)、記録データ、すなわちデータ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S54)。この後、ステップS52に戻る。
【0128】
ステップS55に進むと、方向,速度=0、すなわち移動速度X,Yおよび角速度Θがそれぞれ0にされる。これにより、本電動車椅子は停止する。
【0129】
以上、第6参考例によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従った駆動制御が行われている際、ジョイスティック3を動かすことで本電動車椅子を停止させることが可能になる。これにより、非常停止用のボタンなどを別途設ける必要がなくなり、またこのような非常停止用のボタンよりも操作が容易であるので、迅速に本電動車椅子を停止させることが可能になる。
【0130】
次に、本発明の第7参考例に係る電動車椅子について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5および制御部6を基本例と同様に備えているほか、第2参考例と同様の動作スタートスイッチSW4、および例えばテンキーやアップ/ダウンキーなどの図略の回数設定部を備え、この回数設定部で設定された回数だけ、データ記憶部5が記憶する駆動制御データに従って駆動部1の駆動制御が繰り返し行われる構成になっている。
【0131】
図23は本電動車椅子の動作説明用のフローチャートで、以下この図を用いて第7参考 の動作について説明する。
【0132】
記録データによるスタートを行うか否か、すなわち動作スタートスイッチSW4がオンになったか否かの判定が行われる(S60)。
【0133】
動作スタートスイッチSW4がオンにならなければ(S60でNO)、制御部6にジョイスティック3からの駆動制御データが取り込まれ、この駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S61)。この後、ステップS60に戻る。
【0134】
一方、動作スタートスイッチSW4がオンになれば(S60でYES)、カウント値が0に初期設定された後、設定回数動作したか、すなわちカウント値が上記回数設定部で設定された値(設定値)に達したか否かの判定が行われる(S62)。
【0135】
カウント値が設定値に達すれば(S62でYES)、ステップS60に戻り、達しなければ(S62でNO)、記録データ、すなわちデータ記憶部5からの駆動制御データに従った駆動制御が行われる(S63)。この後、ステップS62に戻る。
【0136】
以上、第7参考例によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、データ記憶部5に記憶された駆動制御データによる本電動車椅子の走行を所望する回数だけ反復させることが可能になる。
【0137】
図24は本発明の第8参考例に係る電動車椅子の概略構成図で、以下この図を用いて第8参考例について説明すると、この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5および制御部6を基本例と同様に備え、データ記憶部5には、ダンスの動作に対応する駆動制御データが記憶されていることを特徴とするものである。
【0138】
データ記憶部5に記憶される駆動制御データは、図24に示すように、「ダンスの移動を計測」および「データ化」により、すなわち、ダンサーの動きを水平面上における前後方向の移動、左右方向の移動および回転の移動の3つの成分に分けて計測し、これら計測結果をデータ化することにより得たものである。ただし、ダンスは、社交ダンスでもよく、あるいはフォークダンスや創作ダンスなどでもよい。
【0139】
以上、第8参考例によれば、基本例と同様の効果を奏することが可能になるほか、搭乗者を楽しくさせることが可能になる。また、ダンスの操作ができなくても、ダンスを楽しむことが可能になる。また、本電動車椅子の動きを手本にして自力でダンス操作の練習が可能になる。さらに、基本例で説明したように全方向に移動可能な駆動部1を具備しているので、より繊細なダンスの動きを本電動車椅子に行わせることが可能になる。
【0140】
なお、第8参考例では、ダンサーの動きを計測してデータ化することにより得られる駆動制御データがデータ記憶部5に記憶されるが、これに限らず、第実施形態のように、スイッチSW1,SW2を設けてジョイスティック3の操作データをデータ記憶部5に書込み可能にし、ダンス操作の上手い操作者によるその操作データがデータ記憶部5に書き込まれて記憶されるようにしてもよい。
【0141】
図25および図26は本発明の第9参考例に係る電動車椅子が有するデータ記憶部に記憶される駆動制御データの説明図で、以下これらの図を用いて第9参考例について説明する。
【0142】
この電動車椅子は、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5および制御部6を第8参考例と同様に備え、データ記憶部5には、ダンスの動作に対応する微少時間毎の駆動制御データが記憶されていることを特徴とするものである。
【0143】
データ記憶部5に記憶される駆動制御データは、図25および図26に示すように、水平面に設定されるxy基準座標に対して、ダンサーの腰のセンター位置についてのx,y方向の移動速度X,Yおよびその腰のセンターに対する回転の角速度Θを微少時間毎に計測し、これら計測結果をデータ化することにより得たものである。例えば、移動速度は、(今回の計測値−前回の計測値)/微少時間により算出される。
【0144】
以上、第9参考例によれば、第8参考例と同様の効果を奏することが可能になるほか、微少時間毎の駆動制御データが記憶されているので、連続的なダンス操作の動きを正確に再現することが可能になる。
【0145】
図27は本発明の第10参考例に係る電動車椅子の概略構成図、図28および図29は図27に示す高周波除去フィルタの説明図で、以下これらの図を用いて第10参考例について説明する。
【0146】
この電動車椅子は、図27に示すように、駆動部1、座席部2、ジョイスティック3、A/D変換器4、データ記憶部5および制御部6を第9参考例と同様に備え、データ記憶部5と方向速度入力部60との間に介在し、図28および図29に示すように、データ記憶部5から読み出される移動速度X,Yおよび角速度Θの各々に対して高周波成分の除去を行う高周波除去フィルタ8をさらに備えている。ただし、図29の(a),(b),(c)の各左側の波形は高周波除去フィルタ8の入力波形で、各右側の波形は高周波除去フィルタ8の出力波形を示す。
【0147】
これにより、高周波成分が除去された駆動制御データに従って駆動制御が行われるので、本電動車椅子の動きが滑らかになり、搭乗者への動きのショックが和らぐことになる。
【0148】
以上、第10参考例によれば、第9参考例と同様の効果を奏することが可能になるほか、本電動車椅子の動きを滑らかにすることが可能になり、搭乗者への動きのショックを和らげることが可能になる。これにより、乗り心地の良さを向上させることが可能になる。
【0149】
なお、第9および第10参考例では、データ記憶部5は、ダンスの動作に対応する微少時間毎の移動速度X,Yおよび回転の角速度Θのデータを記憶する構成になっているが、これに限らず、その微少時間毎の移動速度および回転の角速度のデータを、これら微少時間毎の移動速度および回転の角速度のデータを近似導出するフーリエ級数の関数で記憶する構成でもよい。これにより、駆動制御データが実質的に圧縮されるので、データ記憶部5の記憶容量の低減およびコスト削減が可能になる。
【0150】
また、第実施形態の電動車椅子のように、微少時間の長さを変更可能に第10および第10参考例の各電動車椅子を構成すれば、ダンスの動きの機敏さを変更することが可能になる。これにより、ダンスの移動範囲やステップ移動の速さを変更することが可能になり、搭乗者の好みに合ったダンスの動きを電動車椅子に行わせることが可能になる。
【0151】
図30はダンスの動作に対応する駆動制御データの計測方法の説明図で、以下この図を用いて第8〜第10参考例で利用可能な駆動制御データの計測方法について説明する。
【0152】
まず、ターゲットT1,T2をダンサーの腰の左右に取り付け、この後、水平面に設定されるxy基準座標の周囲に設けられた複数(図30では4台)のカメラで、そのxy基準座標内でダンスを行うダンサーの腰に取り付けられたターゲットT1,T2の撮影を行う。
【0153】
この撮影の後、複数のカメラ映像から各ターゲットの位置を微少時間毎に検出する。次いで、得られたターゲットT1,T2の検出結果がそれぞれ(x1,y1),(x2,y2)であるとすると、これらの位置情報を用いた次式の計算を行ってダンサーの腰のセンター位置(Mx,My)とx方向に対する腰の正面方向の角度θとを求める。
【0154】
Mx=(x1−x2)/2
My=(y1−y2)/2
θ=tan-1[(y1−y2)/(x1−x2)]
次いで、今回のセンター位置(Mx,My)および角度θと前回のセンター位置(Mx,My)および角度θから、それぞれ移動速度X,Yおよび角速度Θを算出する(第9参考例を参照)。
【0155】
このように、いわゆるモーションキャプチャ技術を用いることにより人の動きを簡単に計測することができる。
【0156】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明によれば、電動機によりなる駆動部と、前記駆動部の駆動に応じて移動する座席部と、駆動制御データに従って前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、前記制御部により使用される駆動制御データを記憶する記憶部と、制御部に使用される駆動制御データ入力用の操作器とを備え、操作器が操作されることで制御部に駆動制御データが入力されて駆動部の駆動制御が行われ、操作器からの駆動制御データは前記記憶部に記憶可能であるので、搭乗者の操作(操縦)能力に関わらず、本電動車椅子を所定の動作で動かすことが可能になる。
【0157】
さらに、所望の操作データを記憶部に記憶させることが可能になる。
【0158】
請求項2記載の発明によれば、前記記憶部は着脱可能な記録媒体およびこの記録媒体が装着される記憶部本体により構成され、前記記憶部が記憶する駆動制御データは前記記録媒体に記録されるので、記録媒体を交換するだけで、簡単にしかも短時間で所望の操作データの駆動制御データで本電動車椅子を動かすことが可能になる。また、駆動制御データのオフラインでの作成が可能になるとともに、複製するだけで簡単に多数の電動車椅子用の操作データを得ることができる。
【0159】
請求項3記載の発明によれば、前記記録媒体には前記操作器からの駆動制御データが記録されるので、記録媒体を交換するだけで、簡単にしかも短時間で所望の操作データの駆動制御データで本電動車椅子を動かすことが可能になる。また、駆動制御データのオフラインでの作成が可能になるとともに、複製するだけで簡単に多数の電動車椅子用の操作データを得ることができる。
【0160】
請求項4記載の発明によれば、前記記憶部が記憶する駆動制御データは微少時間毎の速度のデータであるので、再現される電動車椅子の動きを滑らかにすることが可能になる。
【0161】
請求項5記載の発明によれば、前記微少時間は前記電動機の駆動制御の周期以上に設定されるので、電動機の駆動を安定させることが可能になる。
【0162】
請求項6記載の発明によれば、前記微少時間の長さは変更可能であるので、本電動車椅子の動きの速さを搭乗者の好みに合わせて変更することができる。
【0163】
請求項7記載の発明によれば、前記速度のデータは設定可能な値により乗算された上で使用されるので、本電動車椅子の速度を搭乗者の好みに合わせて変更することが可能になる。
【0164】
請求項8記載の発明によれば、上記請求項2記載の電動車椅子で使用される記録媒体であって前記制御部により使用される駆動制御データが記録されているものであるので、この記録媒体を上記電動車椅子に使用すれば、上記電動車椅子を搭乗者の操作(操縦)能力に関わらず所定の動作で動かすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図2】 図1に示す駆動部の概略構成図である。
【図3】 図2に示す各駆動ユニットの概略構成図である。
【図4】 図1に示す制御部が行う駆動制御の説明図である。
【図5】 本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図6】 本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図7】 本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図8】 図7の制御部の説明図である。
【図9】 本発明の第実施形態に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図10】 図9の制御部の説明図である。
【図11】 本発明の第1参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図12】 第1参考例に係る電動車椅子の動作説明用のフローチャートである。
【図13】 本発明の第2参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図14】 第2参考例に係る電動車椅子の動作説明用のフローチャートである。
【図15】 本発明の第3参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図16】 第3参考例に係る電動車椅子の動作説明用のフローチャートである。
【図17】 本発明の第4参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図18】 図17に示す加算部の説明図である。
【図19】 本発明の第5参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図20】 第5参考例に係る電動車椅子の動作説明用のフローチャートである。
【図21】 本発明の第6参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図22】 第6参考例に係る電動車椅子の動作説明用のフローチャートである。
【図23】 本発明の第7参考例に係る電動車椅子の動作説明用のフローチャートである。
【図24】 本発明の第8参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図25】 本発明の第9参考例に係る電動車椅子が有するデータ記憶部に記憶される駆動制御データの説明図である。
【図26】 第9参考例に係る電動車椅子が有するデータ記憶部に記憶される駆動制御データの説明図である。
【図27】 本発明の第10参考例に係る電動車椅子の概略構成図である。
【図28】 図27に示す高周波除去フィルタの説明図である。
【図29】 図27に示す高周波除去フィルタの説明図である。
【図30】 ダンスの動作に対応する駆動制御データの計測方法の説明図である。
【符号の説明】
1 駆動部
2 座席部
3 ジョイスティック
4 A/D変換器
5 データ記憶部
6 制御部
10 駆動ユニット
11 モータ
60 方向速度入力部
61 運動学計算部
62 パルスカウンタ
63 モータ回転速度算出部
64 モーションコントロール部
65 モータトルク指令部
66 D/A変換器
67 モータドライバ

Claims (8)

  1. 電動機によりなる駆動部と、
    前記駆動部の駆動に応じて移動する座席部と、
    駆動制御データに従って前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、
    前記制御部により使用される駆動制御データを記憶する記憶部と
    制御部に使用される駆動制御データ入力用の操作器とを備え、
    操作器が操作されることで制御部に駆動制御データが入力されて駆動部の駆動制御が行われ、操作器からの駆動制御データは前記記憶部に記憶可能である電動車椅子。
  2. 前記記憶部は着脱可能な記録媒体およびこの記録媒体が装着される記憶部本体により構成され、前記記憶部が記憶する駆動制御データは前記記録媒体に記録される請求項1に記載の電動車椅子。
  3. 前記記録媒体には前記操作器からの駆動制御データが記録される請求項2記載の電動車椅子。
  4. 前記記憶部が記憶する駆動制御データは微少時間毎の速度のデータである請求項1〜3のいずれかに記載の電動車椅子。
  5. 前記微少時間は前記電動機の駆動制御の周期以上に設定される請求項4記載の電動車椅子。
  6. 前記微少時間の長さは変更可能である請求項4または5に記載の電動車椅子。
  7. 前記速度のデータは設定可能な値により乗算された上で使用される請求項4〜6のいずれかに記載の電動車椅子。
  8. 請求項2記載の電動車椅子で使用される記録媒体であって前記制御部により使用される駆動制御データが記録されている記録媒体。
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