JP3669641B2 - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は排気ガス浄化用触媒、特に、触媒素子とCeO2 (酸化セリウム)とを備え、その触媒素子はアルミナとそのアルミナに担持された触媒用金属とよりなる排気ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記触媒素子におけるアルミナとしては、γ相および/またはη相を有する活性アルミナが、また触媒用金属としてはPdがそれぞれ用いられている。一方、CeO2 としてはPdを担持したものが用いられている。この場合、CeO2 は支持体としての機能を持つと共にNOx(窒素酸化物)に対する吸着能を有する(例えば、特開平5−184876号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、活性アルミナにPdを担持させると、その活性アルミナが多孔質であって大きな比表面積を持つことから、Pdが高分散されるため、PdによるHC(炭化水素)吸着能およびNOx吸着能は向上するが、その反面、酸素過剰雰囲気(例えば、空燃比A/F≒24)においては、触媒によってHCの完全酸化、つまりHC→CO2 +H2 Oの酸化反応が進行し、HCの部分酸化物であってNOx還元能を有する活性CHOの生成量が不足すると共にPd表面に吸着した酸素による還元阻害作用が生じ易いため、NOxの還元浄化を十分に行うことができず、またNOxに対する触媒の浄化温度域が狭くなる、という問題がある。
【0004】
本発明は前記に鑑み提案されたものであって、触媒用金属を担持するアルミナとして、α化率を特定範囲に設定した改質アルミナ、即ち、活性アルミナよりも比表面積を低下させたものを用いることによって、HCの部分酸化を広い排気ガス温度範囲で現出させ、また平均結晶子径が特定サイズ以下の、特定量のCeO2 を併用して、これに酸素過剰雰囲気においてもNOx吸着能を発揮させ、それらにより、NOxに対する触媒の浄化温度域が拡張されると共に酸素過剰雰囲気においてもNOx浄化率を向上させることのできる前記触媒を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミナおよびそのアルミナに担持された触媒用金属よりなる触媒素子とCeO2 とを備えた排気ガス浄化用触媒において、前記アルミナが、α化率Rを0.1%≦R<98%に設定された改質アルミナであると共に、複数の結晶子が集合した多結晶粒子である前記CeO 2 の平均結晶子径Dが、D<500Åであり、また前記触媒素子の配合重量をAとし、一方、CeO2 の配合重量をBとしたとき、前記触媒素子の重量比率A1 ={A/(A+B)}×100は20重量%<A1 <88重量%に設定されることを特徴とする。
【0006】
【作 用】
α化率Rを前記のように設定すると、改質アルミナの比表面積は、それがα相を有することから、γ相等を持つ活性アルミナのそれに比べて小さくなる。したがって、この改質アルミナに触媒用金属を担持させると、活性アルミナに比べてその金属の分散性が抑制されるので、触媒素子はHCに対して比較的弱い酸化能を発揮する。
また複数の結晶子が集合した多結晶粒子であるCeO 2 の平均結晶子径Dを前記のように設定したことにより、そのCeO 2 の比表面積を拡張し、また微細孔も発達させることが可能であるから、CeO 2 とNOxとの接触確率を高めて、酸素過剰雰囲気下においても、単位重量当りのNOx吸着率を向上させることができる。
【0007】
これにより、HCが部分酸化されてNOx還元能を有する活性CHOが生成され、この活性CHOの生成は、広い排気ガス温度範囲で行われる。一方、CeO2 が酸素過剰雰囲気下においてもNOx吸着能を発揮するので、前記活性CHOが、CeO2 に吸着されて活性化されたNOxを還元してN2 、CO2 およびH2 Oに転化し、これによりNOxの浄化が達成される。この場合、活性CHOは、飽和HCよりも不飽和HCから生じ易く、また遊離NOxは、吸着されたNOxに比べて活性が低い。
【0008】
前記のようなHCの部分的酸化による活性CHOの生成、NOxの吸着、および活性CHOによるNOxの還元は、排気ガスの低温域から高温域において現出するので、触媒の浄化温度域が拡張される。
【0009】
さらに、改質アルミナは安定相であるα相を有するので、活性アルミナにおける相変化に伴う細孔閉塞、それによる触媒用金属の埋没等を生じにくく、したがって優れた耐熱性を有し、触媒能の高温劣化度合が小さい。
【0010】
ただし、改質アルミナにおいて、α化率RがR<0.1%ではその比表面積の縮小程度が小さいため所期の目的を達成することができず、一方、R≧98%では、α化率の過度の進行に伴い細孔が閉塞されてその比表面積が大幅に縮小され、その結果触媒用金属の分散性が極端に悪化してNOx吸着能が激減する。また触媒素子の重量比率A1 がA1 ≦20重量%であると、触媒素子による触媒能の減退によりNOx浄化率が低くなり、一方、A1 が≧88重量%ではCeO2 のNOx吸着能が減退するので、同様にNOx浄化率が低くなる。
【0011】
【実施例】
排気ガス浄化用触媒は、触媒素子とCeO2 粉末との混合物であり、触媒素子はアルミナと、そのアルミナに担持された触媒用金属とよりなる。
【0012】
アルミナとしては、α相を有する改質アルミナが用いられる。また触媒用金属としては、白金属、即ち、Ru、Rh、Pd、IrおよびPtから選択される少なくとも一種が用いられ、酸素過剰雰囲気(例えば、空燃比A/F≒24)においてはPtが好適である。
【0013】
改質アルミナのα化率Rは0.1%≦R<98%、好ましくは30%≦R≦95%に設定される。そのα化率Rの測定は次のような方法で行われた。
(i) 市販のα−アルミナとγ−アルミナ(活性アルミナ)とを所定の重量比率で配合し、各配合物を乳鉢にて30分間粉砕しつつ混合した。表1は、各配合物(1)〜(5)の組成を示す。
【0014】
【表1】
(ii) 各配合物(2)〜(5)について粉末X線回折を行い、CuKα線における2θ=43.4±0.2°に現出するα−アルミナの{113}面のX線反射強度を測定した。
(iii) 配合物(5)のX線反射強度を100%として、配合物(2)〜(4)のX線反射強度比率を求め、α−アルミナの重量比率とX線反射強度比率との関係を求めたところ、図1の結果を得た。
【0015】
図1から明らかなように、α−アルミナの重量比率とX線反射強度比率とは正比例関係にあり、したがってα−アルミナの重量比率をα化率Rとし、改質アルミナのα化率Rの決定に当っては、その改質アルミナにおけるα−アルミナの{113}面のX線反射強度を測定して、配合物(5)のX線反射強度からX線反射強度比率を求め、そのX線反射強度比率に基づき図1よりα化率Rを求める。
【0016】
改質アルミナの製造に当っては、γ−アルミナ(α化率R=0%)等の市販の活性アルミナに、電気炉を用い、大気下にて加熱温度Tを800℃≦T≦1100℃、好ましくは900℃≦T≦1050℃に設定した熱処理を施すもので、これにより活性アルミナより、α相を有し、且つα化率Rが0.1%≦R≦98%である改質アルミナを得る。
【0017】
前記熱処理における加熱温度TがT<800℃では、γ相および/またはη相のα相への相変化をスムーズに進行させることができず、一方、T>1100℃では、α化率Rの上限値(R=98%)の制御が困難となる。
【0018】
表2は、改質アルミナの例1〜11に関する熱処理条件およびα化率Rを示す。
【0019】
【表2】
図2において、1はNOx吸着能を有するCeO2 を示し、そのCeO2 は複数の結晶子2が集合した多結晶粒子であり、その平均結晶子径Dは、好ましくはD<500Åに設定される。
【0020】
CeO2 の製造に当っては、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等の種々の塩を、酸素存在下において加熱する。希土類元素を含まない純粋なCeO2 を得る場合には、加熱後のCeO2 を硝酸にて洗浄する。
【0021】
平均結晶子径Dの制御は、前記製造過程における加熱温度を調節することによって行われる。例えば平均結晶子径DがD=78ÅのCeO2 を得る場合には、硝酸塩を約180℃に加熱する。また製造後のCeO2 に熱処理を施すことによっても、その平均結晶子径Dを制御することができ、例えば、D=78ÅのCeO2 に700℃、10時間の熱処理を施すと、D=123ÅのCeO2 が得られる。
【0022】
結晶子径D(hkl) の算出にはシェラー式、
即ち、D(hkl) =0.9λ/(β1/2 ・cos θ)を用いた。ここで、hklはミラー指数、λは特性X線の波長(Å)、β1/2 は(hkl)面の半価幅(ラジアン)、θはX線反射角度である。したがって、CeO2 では、そのX線回折図より(111)面の半価幅β1/2 を測定することによって各結晶子のD(111) を算出し、それらから平均結晶子径Dを求める。
【0023】
前記触媒において、そのNOxの浄化率向上を図るべく、触媒素子の配合重量をAとし、またCeO2 の配合重量をBとしたとき、触媒素子の重量比率A1 ={A/(A+B)}×100は20重量%<A1 <88重量%に設定される。
【0024】
前記同様にNOxの浄化率向上を図るべく、前記触媒において、触媒用金属の配合重量をaとし、また改質アルミナの配合重量をbとしたとき、触媒用金属の重量比率a1 ={a/(a+b)}×100は0.1重量%<a1 ≦5重量%に設定される。この場合、重量比率a1 がa1 ≦0.1重量%では触媒能の減退によりNOx浄化率が低くなり、一方、a1 >5重量%に設定しても触媒用金属の担持量増に見合うだけのNOx浄化効果が得られない。
【0025】
触媒の製造に当っては、基本的には、改質アルミナに触媒用金属を担持させて触媒素子を製造し、次いでその触媒素子とCeO2 とを混合する、といった方法が採用される。
【0026】
この場合、活性アルミナに触媒用金属を担持させた後、前記同様の熱処理を行って、その活性アルミナより改質アルミナを得るようにしてもよい。また触媒の形態は前記混合物に限らず、触媒素子よりなる層とCeO2 よりなる層とを有する積層構造にすることも可能である。
【0027】
改質アルミナまたは活性アルミナに対して、例えばPtを担持させる場合は、改質アルミナ等をヘキサクロロ白金酸(H2 PtCl6 )溶液中に浸漬する。この場合、Ptの重量比率a1 が0.1重量%<a1 ≦5重量%となるように、ヘキサクロロ白金酸溶液のPt濃度を調整する。白金化合物としては、Pt(NH3 )2 (NO2 )2 等のPtを含む各種化合物が適用可能である。またPdの担持には硝酸パラジウム(Pd(NO3 )2 )溶液が用いられ、さらにIrの担持にはアンモニウムヘキサクロロイリデート((NH4 )2 IrCl6 )溶液が用いられ、さらにまたRhの担持には硝酸ロジウム(Rh(NO3 )3 )溶液が用いられる。
【0028】
以下、具体例について説明する。
〔実施例I〕
A.触媒の製造
(a) 表2における例8、したがってα化率R=81%の改質アルミナ98.5gをヘキサクロロ白金酸溶液21.4g(Pt濃度7.0%)に投入して十分に混合し、次いでロータリエバポレータを用いて水分を除去し、その後固形分に120℃、4時間の条件で乾燥処理を施し、さらに固形分に、大気中、600℃、1時間の条件で焼成処理を施してPtの重量比率a1 がa1 =1.5重量%の触媒素子を得た。
(b) 触媒素子90g、平均結晶子径D=78ÅのCeO2 粉末90g、20%シリカゾル100gおよび純水240gと、アルミナボールとをポットに投入して、12時間の湿式粉砕を行ってスラリー状触媒を調製した。この場合、触媒素子の重量比率A1 はA1 =50重量%である。
【0029】
このスラリー状触媒に直径25.5mm、長さ60mm、300セル−10.5ミルのコージエライト製ハニカム支持体を浸漬し、次いでそのハニカム支持体をスラリー状触媒より取出して過剰分をエア噴射により除去し、その後ハニカム支持体を120℃の加熱下に1時間保持してスラリー状触媒を乾燥し、さらにハニカム支持体に、大気中、600℃、1時間の条件で焼成処理を施して、触媒をハニカム支持体に保持させた。この場合、ハニカム支持体における触媒の保持量は150g/リットルであった。この触媒を実施例1とする。
【0030】
比較のため、アルミナとして市販の活性アルミナ(γ−アルミナ、α化率R=0%)を用いた以外は前記同様の方法でスラリー状触媒を調製し、そのスラリー状触媒と前記同様のハニカム支持体とを用い、前記同様の方法で触媒をハニカム支持体に保持させた。この場合、ハニカム支持体における触媒の保持量は前記と同じであり、この触媒を比較例1とする。
B.排気ガス想定浄化テスト
理論空燃比A/F=14.6および酸素過剰雰囲気での空燃比A/F=24.3に対応する排気ガスを想定して表3に示す組成を備えた二種のテスト用第1,第2ガスを調製した。
【0031】
【表3】
浄化テストは、先ず、実施例1の触媒を固定床流通式反応装置に設置し、次いでその装置内にテスト用第1ガスを空間速度S.V.=5×104 h-1で流通させると共にテスト用第1ガスの温度を常温より20℃/min で上昇させ、所定のガス温度にてHC,COおよびNO(NOxに対応)の浄化率を測定した。またテスト用第2ガスを用いて前記と同様の方法でHC等の浄化率を測定した。さらに同様の浄化テストを比較例1の触媒についても行った。
【0032】
表4は各種条件および測定結果を示す。
【0033】
【表4】
表4から明らかなように、実施例1の触媒はNO等の浄化率が高く、特に空燃比A/F=24.3といった酸素過剰雰囲気におけるNO浄化率は比較例1の触媒の約3倍である。これは、前記のようにα化率R=81%の改質アルミナとα化率R=0%の活性アルミナとの物性差に起因する。
〔実施例II〕
実施例Iと同様の方法で各種触媒を製造した。この場合、触媒素子とCeO2 との合計配合重量は実施例Iと同様に180gに設定された。 表5は、実施例1〜7の触媒と比較例1,11 ,2の触媒における改質アルミナのα化率R、CeO2 の平均結晶子径D、組成、最大NO浄化率rおよびその浄化率rが得られるときのガス温度を示す。
【0034】
これら触媒においては、CeO2 の平均結晶子径DがD=78Å(一定)、またPtの重量比率a1 がa1 =1.5重量%(一定)、さらに触媒素子の重量比率A1 がA1 =50重量%(一定)であって、改質アルミナのα化率Rが変化している。なお、比較例1は実施例Iの比較例1と同じである。
【0035】
浄化テストは、実施例Iにおける酸素過剰雰囲気を想定したテスト用第2ガス(A/F=24.3)を用いて、実施例Iと同一の方法で行われた。
【0036】
【表5】
表6は実施例8〜12の触媒における改質アルミナのα化率R、CeO2 の平均結晶子径D、組成、最大NO浄化率rおよびその浄化率rが得られるときのガス温度を示す。
【0037】
これら触媒においては、改質アルミナのα化率RがR=81%(一定)、またPtの重量比率a1 がa1 =1.5重量%(一定)、さらに触媒素子の重量比率A1 がA1 =50重量%(一定)であって、CeO2 の平均結晶子径Dが変化している。
【0038】
【表6】
表7は実施例13〜16の触媒と比較例3〜6の触媒における改質アルミナのα化率R、CeO2 の平均結晶子径D、組成、最大NO浄化率rおよびその浄化率rが得られるときのガス温度を示す。実施例14の触媒は、実施例Iにおける実施例1の触媒と同一構造を有する。また比較例6の触媒は改質アルミナにPtを担持させたものである。なお、表7にはCeO2 にPtを担持させた比較例7の触媒についても示されている。
【0039】
実施例13〜16および比較例3〜5の触媒においては、改質アルミナのα化率RがR=81%(一定)、またCeO2 の平均結晶子径DがD=78Å(一定)、さらにPtの重量比率a1 がa1 =1.5重量%(一定)であって、触媒素子の重量比率A1 が変化している。
【0040】
【表7】
図3は、表5〜7に基づいて、改質アルミナのα化率Rと最大NO浄化率rとの関係をグラフ化したものである。図中、点1〜16は実施例1〜16にそれぞれ対応し、また点(1),(11 )〜(7)は比較例1,11 〜7にそれぞれ対応する。
【0041】
図3および表5〜7から明らかなように、比較例1,11 〜7の触媒における最大NO浄化率rの最高値はr=22%である。したがって実施例1〜16の触媒のように、触媒素子の重量比率A1 が22重量%<A1 <88重量%において、改質アルミナのα化率Rを0.1%≦R<98%に設定することにより最大NO浄化率rを酸素過剰雰囲気においてr>22%に向上させることができる。この場合、Ptの重量比率a1 は0.1重量%<a1 ≦5重量%を満足している。図3より、改質アルミナのα化率Rを30%≦R≦95%に設定すると、最大NO浄化率rをr≧39%に向上させることが可能であり、このことから、改質アルミナのα化率Rの好ましい範囲は30%≦R≦95%であることが判る。
【0042】
図4は表5〜7に基づいて、触媒素子の重量比率A1 と最大NO浄化率rとの関係をグラフ化したものである。図中、点1〜16は実施例1〜16にそれぞれ対応し、また点(1),(11 )〜(7)は比較例1,11 〜7にそれぞれ対応する。
【0043】
図4および表5〜7から明らかなように、前記同様比較例1,11 〜7の触媒における最大NO浄化率rの最高値はr=22%である。したがって実施例1〜16の触媒のように、改質アルミナのα化率Rが0.1%≦R<98%において、触媒素子の重量比率A1 を20重量%<A1 <88重量%に設定することにより最大NO浄化率rを、酸素過剰雰囲気において、r>22%に向上させることができる。この場合、Ptの重量比率a1 は0.1重量%<a1 ≦5重量%を満足している。図4より、触媒素子の重量比率A1 を23重量%≦A1 ≦81重量%に設定すると最大NO浄化率rをr≧39%に向上させることが可能であり、このことから触媒素子の重量比率A1 の好ましい範囲は23重量%≦A1 ≦81重量%であることが判る。
【0044】
図5は表6,7に基づいて、実施例8〜12,14の触媒におけるCeO2 の平均結晶子径Dと最大NO浄化率との関係をグラフ化したものである。図中、点8〜12,14は実施例8〜12,14にそれぞれ対応する。
【0045】
図5および表6,7から明らかなように、CeO2 の平均結晶子径Dが小さくなるに従って最大NO浄化率rが増加する。図5より、CeO2 の平均結晶子径Dは、好ましくはD<500Åであり、最適範囲はD≦320Åである。
【0046】
CeO2 の平均結晶子径Dを前記のように設定すると、そのCeO2 の比表面積を拡張し、また微細孔も発達させることが可能であるから、CeO2 とNOxとの接触確率を高めて、酸素過剰雰囲気下においても、単位重量当りのNOx吸着率を向上させることができる。
〔実施例III 〕
改質アルミナにPdを担持させるべく、硝酸パラジウム溶液21.4g(Pd濃度7.0%)を用い、また改質アルミナにIrを担持させるべく、アンモニウムヘキサクロロイリデート溶液14.2g(Ir濃度3.5%)を用い、さらに改質アルミナにRhを担持させるべく、硝酸ロジウム溶液14.2g(Rh濃度3.5%)を用いた、ということ以外は実施例Iと同様の方法で各種触媒を製造した。この場合、触媒素子とCeO2 との合計配合重量は実施例Iと同様に180gに設定された。
【0047】
表8は、実施例1〜3の触媒と比較例1〜3の触媒における改質アルミナのα化率R、CeO2 の平均結晶子径D、組成、最大NO浄化率rおよびその浄化率rが得られるときのガス温度を示す。
【0048】
浄化テストは、実施例Iにおける酸素過剰雰囲気を想定したテスト用第2ガス(A/F=24.3)を用いて、実施例Iと同一の方法で行われた。
【0049】
【表8】
表8から明らかなように、実施例1〜3の触媒においてはα化率R=81%の改質アルミナを用いていることから、比較例1〜3の触媒のごとく、活性アルミナ(γ−アルミナ)を用いた場合に比べて、酸素過剰雰囲気における最大NO浄化率rが3倍以上に向上していることが判る。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、アルミナおよびそのアルミナに担持された触媒用金属よりなる触媒素子とCeO2 とを備えた排気ガス浄化用触媒において、前記アルミナが、α化率Rを0.1%≦R<98%に設定された改質アルミナであると共に、複数の結晶子が集合した多結晶粒子である前記CeO 2 の平均結晶子径Dが、D<500Åであり、また前記触媒素子の配合重量をAとし、一方、CeO 2 の配合重量をBとしたとき、前記触媒素子の重量比率A 1 ={A/(A+B)}×100は20重量%<A 1 <88重量%に設定される。
このように触媒用金属を担持するアルミナとして、α化率を特定範囲に限定した改質アルミナ、即ち、活性アルミナよりも比表面積を低下させたものを用いることによって、HCの部分酸化を広い排気ガス温度範囲で現出させることができ、その上、平均結晶子径が特定サイズ以下の、特定量のCeO 2 を併用して、これに酸素過剰雰囲気においてもNOx吸着能を発揮させることができ、それらにより、NOxに対する触媒の浄化温度域が拡張されると共に酸素過剰雰囲気においてもNOx浄化率の高い排気ガス浄化用触媒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】α−アルミナの重量比率とX線反射強度比率との関係を示すグラフである。
【図2】CeO2 の説明図である。
【図3】改質アルミナのα化率Rと最大NO浄化率rとの関係を示すグラフである。
【図4】触媒素子の重量比率A1 と最大NO浄化率rとの関係を示すグラフである。
【図5】CeO2 の平均結晶子径Dと最大NO浄化率rとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 CeO2
2 結晶子
D 平均結晶子径
Claims (3)
- アルミナおよびそのアルミナに担持された触媒用金属よりなる触媒素子とCeO2 とを備えた排気ガス浄化用触媒において、
前記アルミナが、α化率Rを0.1%≦R<98%に設定された改質アルミナであると共に、複数の結晶子(2…)が集合した多結晶粒子である前記CeO 2 の平均結晶子径Dが、D<500Åであり、
また前記触媒素子の配合重量をAとし、一方、CeO2 の配合重量をBとしたとき、前記触媒素子の重量比率A1 ={A/(A+B)}×100は、20重量%<A1 <88重量%に設定されることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 前記触媒用金属は、白金族から選択される少なくとも一種の金属であり、前記触媒素子における前記触媒用金属の重量比率a1 は、0.1重量%<a1 ≦5重量%に設定される、請求項1記載の排気ガス浄化用触媒。
- 前記触媒用金属はPtである、請求項1または2記載の排気ガス浄化用触媒。
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1994
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