JP3669779B2 - ゴミ焼却炉の燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給塵機構により炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯と、前記焼却処理帯の下方から燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス供給機構と、前記燃焼用ガス供給機構により供給される燃焼用ガスを加熱する熱交換器と、前記熱交換器による燃焼用ガスの加熱温度を調節する温度制御手段とを備えてあるゴミ焼却炉の燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のゴミ焼却炉の燃焼制御装置では、炉内のゴミの燃焼状態を良好に保つために、温度制御手段により、前記熱交換器による燃焼用ガスの加熱温度が約70℃から100℃の範囲に入るように調節していた。
しかし、前記焼却処理帯上で焼却処理されるゴミの含水量やカロリーといった質によっては、乾燥が不十分となり燃焼状態が悪化するおそれがあり、前記焼却処理帯の上方に設けられた煙道の入口側ガス温度、または、前記煙道に設けられた廃熱ボイラの生成蒸気流量を検出し、その値に基づく燃焼状態の間接的な判断の結果、例えば、燃焼状態が悪ければゴミ質が悪いと判断してゴミの乾燥を促進すべく燃焼用ガス(例えば空気)の加熱温度を高温側に調節する等といった調節をするものや、ゴミホッパへゴミを搬送するクレーン機構に重量検出機構を設置して、その重量検出機構による検出ゴミ重量に基づいてゴミのみかけ比重を求め、その値に基づいて燃焼前のゴミ質を判断して燃焼用ガスの加熱温度を調節するものが提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した煙道の入口側ガス温度、または、廃熱ボイラの生成蒸気流量を検出するものは、焼却処理帯の全域における発生熱量を検出するものであるために、検出値に基づき異常な低温燃焼状態になっていると判断された時点では、含水量が多く低カロリーの質の悪いゴミが既に大量に炉内に投入されていることが多く、これを回復するには相当の時間が掛かるという問題点があり、逆に、検出値に基づき異常な高温燃焼状態になっていると判断された時点では、前記焼却処理帯を構成する火格子の温度が異常に高温になって焼損が甚だしくなるという問題点があった。
一方、ゴミの比重を検出するものでは、ゴミホッパ内でゴミが圧密になるばかりか、ゴミホッパへ搬送されたゴミがいつ炉内に投入されるのかが明確ではないために、ゴミの質を正確に判断できるものではなく上述と同様の問題点があった。
本発明の目的は、上述した従来欠点を解消し、燃焼開始直後のゴミの質を正確に検知することにより、今後の燃焼状態を予測して継続的に安定したゴミ燃焼制御を行い得るゴミ焼却炉の燃焼制御装置を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明によるゴミ焼却炉の燃焼制御装置の特徴構成は、給塵機構により炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯と、前記焼却処理帯の下方から燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス供給機構と、前記燃焼用ガス供給機構により供給される燃焼用ガスを加熱する熱交換器と、前記熱交換器による燃焼用ガスの加熱温度を調節する温度制御手段とを備えてあり、前記焼却処理帯における着火開始領域のゴミの放射温度を検出する赤外線検知手段を設け、前記温度制御手段を、前記赤外線検知手段による検出ゴミ表面温度に基づいて燃焼用ガスの加熱温度を調節するように構成してある点にある。
また、前記温度制御手段は、前記検出ゴミ表面温度が低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合に、前記燃焼用ガスの加熱温度を高温側に調節するものであることが好ましい。
さらに、前記温度制御手段は、前記検出ゴミ表面温度が高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合に、前記燃焼用ガスの加熱温度を低温側に調節するものであることが好ましい。
【0005】
以下に作用を説明する。
炉内に投入直後のゴミの放射温度ではゴミ質による顕著な相違がみられず、また、投入後、着火前のゴミの放射温度は水分の影響を把握することができてもゴミの保有する熱量を判断できない。例えば、水分が多くても発熱量が多い破砕ゴミ等のように、含水量の程度のみを検出してもその後の燃焼状態を適性に制御できないのであるが、赤外線検知手段により検知されたゴミの着火開始領域の放射温度によれば、高カロリーゴミであれば燃焼温度が高く、低カロリーゴミであれば燃焼温度が低いと検出されるので、その値に基づいてその後の燃焼状態が推定できる。
一方、投入されるゴミの質は短時間ではそれほど極端に変動しないので、以後の燃焼状態を予測しつつ事前に燃焼用ガスの加熱温度を調節することができるようになるのであり、これにより異常な低温燃焼状態による焼却量の低下や異常な高温燃焼状態による火格子の焼損を回避して良好な燃焼状態を維持できるように成るのである。また、投入されるゴミの質が極端に変動した場合であっても、放射温度の検出領域がゴミ供給口からそれほど離れていないためにその影響を少なく抑えることも可能になるのである。
さらに、ゴミ質を判断する際に、検出ゴミ表面温度が、低カロリーゴミを示す低温側基準温度よりも低い温度であり、または、高カロリーゴミを示す高温側基準温度よりも高い温度である状態が短時間であれば、その後の燃焼状態に重大な影響を与えることがないと判断されるので、それらの状態が所定時間継続した場合に特に適切な制御をかけるようにすれば、過剰制御を回避できるのである。
【0006】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、燃焼開始直後のゴミであって、燃焼中心位置よりも上流側にあるゴミの質を検知することにより、火格子の焼損等の不都合を事前に回避しながらも、継続的に安定したゴミ燃焼制御を行い得るゴミ焼却炉の燃焼制御装置を提供することができるようになった。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に発明の実施の形態を説明する。
ゴミ焼却炉は、図1に示すように、底部に給塵機構としての押し込み投入機構5を備えたゴミホッパ3と、前記押し込み投入機構5により投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯6,7,8と、前記焼却処理帯6,7,8による処理済の灰を集める灰ピット4と、前記焼却処理帯6,7,8の上方空間に形成された煙道2に備えた廃熱ボイラ16、排ガス処理装置17等により構成してある。
【0008】
前記押し込み投入機構5は、前記ゴミホッパ3に投入されたゴミをゴミ供給口1に向けて押し込む押し込み作用体(図示せず)を油圧シリンダC1により往復作動させてゴミを炉内に投入するように構成してある。
前記焼却処理帯6,7,8は、前記投入口1から投入されたゴミを搬送しながら乾燥させる乾燥帯6と、前記乾燥帯6で乾燥されたゴミを搬送しながら燃焼させる燃焼帯7と、前記燃焼帯7で燃焼されたゴミを灰化する後燃焼帯8を段差部d1,d2を介して連設して構成してあり、各処理帯は斜め上下姿勢に配置された火格子Gを油圧シリンダC2,C3,C4で斜め上下方向に往復移動させるストーカ機構で構成してある。
各焼却処理帯6,7,8の下部には各別に風箱12を設けて、送風機13により燃焼用ガスとしての空気を供給路14を介して供給する燃焼用ガス供給機構Aを設けてあり、各風箱12には空気供給量を調節するダンパDを設けてある。前記供給路14には、排ガスまたは生成蒸気により供給空気を調温する熱交換器Tを配してあり、ゴミ質により加熱温度を調節する温度制御手段30を設けてある。
前記後燃焼帯8で灰化された残渣は、灰シュート10に落下してコンベア機構により前記灰ピット4に集積される。
前記廃熱ボイラ16は、前記煙道2で二次燃焼された燃焼排ガスの保有する熱エネルギーにより蒸気を生成し、発電機18に接続された蒸気タービンを駆動する。前記廃熱ボイラ16を通過した排ガスはバグフィルタや洗煙装置等の排ガス処理装置17を経て煙突(図示せず)から排気される。
【0009】
上述のゴミ焼却炉には、目標処理量のゴミを焼却処理するべく、前記廃熱ボイラ16に設けられた蒸気量検出センサ(図示せず)による検出蒸気量が、前記廃熱ボイラ16で生成されるべき蒸気量として演算導出された目標蒸気量となるように、前記押し込み投入機構によるゴミの投入量、及び前記焼却処理帯6,7,8によるゴミの搬送速度を調節するゴミ搬送制御手段20、及び、前記各風箱12からの送風量を調節する供給空気量制御手段(図示せず)等を設けてある。
ここに、前記目標蒸気量は、予め想定されたゴミの平均保有熱量、燃焼用空気による入熱量、等の全熱量と、排ガスによる出熱量、損失熱量等の全出熱量の差にボイラ効率を乗じた値を蒸気生成に供される熱量として求め、その熱量により生成される蒸気量を演算して求める。
【0010】
前記後燃焼帯8の下流側側壁には、前記燃焼帯7における燃焼火炎を検出する撮像手段としてのテレビカメラ21を設けてあり、前記テレビカメラ21により入力された燃焼火炎の画像を画像処理手段(図示せず)により処理してガス化燃焼の終了位置、即ち、燃え切り位置を検出する。
前記画像処理手段により検出された燃え切り位置に基づいて、前記ゴミ搬送制御手段20による前記乾燥帯6または前記燃焼帯7における搬送速度、即ち前記油圧シリンダC2,C3の単位時間当たりの作動回数を補正する第一補正手段20aを設けてあり、検出燃え切り位置が許容範囲より下流側にくれば目標熱灼減量を確保すべく燃え切り位置が上流側にくるように単位時間当たりの作動回数を減少補正し、検出燃え切り位置が許容範囲より上流側にくれば火格子燃焼率の低下を回避すべく燃え切り位置が下流側にくるように単位時間当たりの作動回数を増加補正する。
【0011】
前記乾燥帯6の天井壁には、前記乾燥帯6に臨ませて赤外線検知手段としての赤外線カメラIを設けてあり、前記焼却処理帯における着火開始領域のゴミの放射温度を検出する。
詳述すると、前記赤外線検知手段は、図2に示すような黒体輻射エネルギーに相当する炉内からの輻射エネルギーを検出して温度を求めるもので、図3に示すように、前記乾燥帯6上で着火する火炎中のCO,CO2 ,NOx,SOx、さらには、H2 Oによる赤外線エネルギー吸収帯域を回避すべく、前記赤外線カメラに透過波長が約3.9(3.6〜4)μmのフィルタ(図示せず)を取り付けてあり、以て、前記乾燥帯6での燃焼火炎を透過して輻射エネルギーを計測可能なように構成してある。
前記赤外線カメラIにより、前記フィルタを介した画像と前記フィルタを介さない画像とを撮影し、画像処理手段(図示せず)によりそれら両画像における乾燥帯6上の温度差が検出された領域を着火領域と判断し、そのすぐ上流側の所定幅の領域を着火開始領域とし、その領域における前記フィルタを介した画像におけるゴミ表面温度の平均値を求める。
前記平均値に基づいて、前記ゴミ搬送制御手段20により決定された前記押し込み投入機構によるゴミの投入量、即ち、前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を補正する第二補正手段20bを設けてあり、低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合には、その温度、時間の程度により前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を10から30%の範囲で段階的に下方に補正することによりゴミの投入量を減少させて燃焼不良状態に移行するのを回避する一方、高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合には、その温度、時間の程度により前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を10から30%の範囲で段階的に上方に補正することによりゴミの投入量を増大させてゴミ切れ状態に移行するのを回避する。
【0012】
さらに、前記温度制御手段30は、前記平均値に基づいて前記熱交換器Tによる空気を調温するものであり、常時は約70℃から100℃に維持される空気温度を、前記平均値が低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合には、その程度により空気温度を約150℃から200℃に高めてゴミの乾燥・燃焼を促進することにより燃焼不良状態に移行するのを回避する一方、前記平均値が高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合には、その程度により空気温度を常温に下げて高温燃焼による火格子の焼損するのを防止する。ここに、空気温度は、前記乾燥帯6のみ調節するものであってもよく、前記燃焼帯7をも含めて調節するものであってもよい。
【0013】
以上説明したように、ゴミ焼却炉の燃焼制御装置は、給塵機構5により炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯と、前記焼却処理帯の下方から燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス供給機構Aと、前記燃焼用ガス供給機構Aにより供給される燃焼用ガスを加熱する熱交換器Tと、前記熱交換器Tによる燃焼用ガスの加熱温度を調節する温度制御手段30とを備えて構成され、前記焼却処理帯における着火開始領域のゴミの放射温度を検出する赤外線検知手段Iを設け、前記温度制御手段30を、前記赤外線検知手段Iによる検出ゴミ温度に基づいて燃焼用ガスの加熱温度を調節するように構成してある。
【0014】
上述したゴミ搬送制御手段、赤外線検知手段、温度制御手段、補正手段等の各機能実現手段の一部または全部は、マイクロコンピュータ等の各種コンピュータ、メモリ回路、その他の公知の周辺回路技術を用いて構成されるものである。
【0015】
以下に、別実施形態を説明する。
上述の実施形態では、赤外線検知手段を、波長3.9μmのフィルタを備え、装着状態と非装着状態とに切り換えて使用する赤外線カメラで構成するものを説明したが、フィルタとしては、波長3.9μmのフィルタでなくとも計測対象物と放射温度計測器1との間に介在するガスによる赤外線エネルギー吸収帯域を回避できる波長であれば任意であり、また、波長3.9μmのフィルタを装着した赤外線カメラと該フィルタを装着しない赤外線カメラとの二台の赤外線カメラを設けて各別に撮影するように構成してもよい。さらには、赤外線検知手段は赤外線カメラに限定するものではなく、適宜公知の赤外線検知素子を用いて構成できる。例えば、スポット型赤外線センサを、前記乾燥帯6の天井壁に形成した計測孔から炉内に臨むように設けて、前記乾燥帯6上のゴミ表面温度を数十mm〜数百mmのスポット径で複数箇所計測するように構成してもよい。
【0016】
前記低温側基準温度は約900℃が好ましく、高温側基準温度は約1000℃が好ましいが、この値に限るものではなく各ゴミ焼却炉で処理されるゴミの平均的な質に基づいて適宜定めればよい。また、その際の所定時間は15から30分程度が好ましいが、炉の規模に応じて適宜定めることができる。
【0017】
上述の実施形態では、第二補正手段20bは、ゴミ搬送制御手段20により決定された前記押し込み投入機構によるゴミの投入量、即ち、前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を補正するものを説明したが、目標処理量を補正するように構成してもよい。つまり、低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合には、その程度により目標処理量を最大10%の範囲で下方に補正することによりゴミの投入量を減少させて燃焼不良状態に移行するのを回避する一方、高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合には、その程度により目標処理量を最大10%の範囲で上方に補正することによりゴミの投入量を増大させてゴミ切れ状態に移行するのを回避するのである。
【0018】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴミ焼却炉の概略構成図
【図2】黒体輻射エネルギーの波長特性図
【図3】大気の透過率の特性図
【符号の説明】
5 給塵機構
30 温度制御手段
I 赤外線検知手段
T 補正手段
I 熱交換器
【発明の属する技術分野】
本発明は、給塵機構により炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯と、前記焼却処理帯の下方から燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス供給機構と、前記燃焼用ガス供給機構により供給される燃焼用ガスを加熱する熱交換器と、前記熱交換器による燃焼用ガスの加熱温度を調節する温度制御手段とを備えてあるゴミ焼却炉の燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のゴミ焼却炉の燃焼制御装置では、炉内のゴミの燃焼状態を良好に保つために、温度制御手段により、前記熱交換器による燃焼用ガスの加熱温度が約70℃から100℃の範囲に入るように調節していた。
しかし、前記焼却処理帯上で焼却処理されるゴミの含水量やカロリーといった質によっては、乾燥が不十分となり燃焼状態が悪化するおそれがあり、前記焼却処理帯の上方に設けられた煙道の入口側ガス温度、または、前記煙道に設けられた廃熱ボイラの生成蒸気流量を検出し、その値に基づく燃焼状態の間接的な判断の結果、例えば、燃焼状態が悪ければゴミ質が悪いと判断してゴミの乾燥を促進すべく燃焼用ガス(例えば空気)の加熱温度を高温側に調節する等といった調節をするものや、ゴミホッパへゴミを搬送するクレーン機構に重量検出機構を設置して、その重量検出機構による検出ゴミ重量に基づいてゴミのみかけ比重を求め、その値に基づいて燃焼前のゴミ質を判断して燃焼用ガスの加熱温度を調節するものが提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した煙道の入口側ガス温度、または、廃熱ボイラの生成蒸気流量を検出するものは、焼却処理帯の全域における発生熱量を検出するものであるために、検出値に基づき異常な低温燃焼状態になっていると判断された時点では、含水量が多く低カロリーの質の悪いゴミが既に大量に炉内に投入されていることが多く、これを回復するには相当の時間が掛かるという問題点があり、逆に、検出値に基づき異常な高温燃焼状態になっていると判断された時点では、前記焼却処理帯を構成する火格子の温度が異常に高温になって焼損が甚だしくなるという問題点があった。
一方、ゴミの比重を検出するものでは、ゴミホッパ内でゴミが圧密になるばかりか、ゴミホッパへ搬送されたゴミがいつ炉内に投入されるのかが明確ではないために、ゴミの質を正確に判断できるものではなく上述と同様の問題点があった。
本発明の目的は、上述した従来欠点を解消し、燃焼開始直後のゴミの質を正確に検知することにより、今後の燃焼状態を予測して継続的に安定したゴミ燃焼制御を行い得るゴミ焼却炉の燃焼制御装置を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明によるゴミ焼却炉の燃焼制御装置の特徴構成は、給塵機構により炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯と、前記焼却処理帯の下方から燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス供給機構と、前記燃焼用ガス供給機構により供給される燃焼用ガスを加熱する熱交換器と、前記熱交換器による燃焼用ガスの加熱温度を調節する温度制御手段とを備えてあり、前記焼却処理帯における着火開始領域のゴミの放射温度を検出する赤外線検知手段を設け、前記温度制御手段を、前記赤外線検知手段による検出ゴミ表面温度に基づいて燃焼用ガスの加熱温度を調節するように構成してある点にある。
また、前記温度制御手段は、前記検出ゴミ表面温度が低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合に、前記燃焼用ガスの加熱温度を高温側に調節するものであることが好ましい。
さらに、前記温度制御手段は、前記検出ゴミ表面温度が高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合に、前記燃焼用ガスの加熱温度を低温側に調節するものであることが好ましい。
【0005】
以下に作用を説明する。
炉内に投入直後のゴミの放射温度ではゴミ質による顕著な相違がみられず、また、投入後、着火前のゴミの放射温度は水分の影響を把握することができてもゴミの保有する熱量を判断できない。例えば、水分が多くても発熱量が多い破砕ゴミ等のように、含水量の程度のみを検出してもその後の燃焼状態を適性に制御できないのであるが、赤外線検知手段により検知されたゴミの着火開始領域の放射温度によれば、高カロリーゴミであれば燃焼温度が高く、低カロリーゴミであれば燃焼温度が低いと検出されるので、その値に基づいてその後の燃焼状態が推定できる。
一方、投入されるゴミの質は短時間ではそれほど極端に変動しないので、以後の燃焼状態を予測しつつ事前に燃焼用ガスの加熱温度を調節することができるようになるのであり、これにより異常な低温燃焼状態による焼却量の低下や異常な高温燃焼状態による火格子の焼損を回避して良好な燃焼状態を維持できるように成るのである。また、投入されるゴミの質が極端に変動した場合であっても、放射温度の検出領域がゴミ供給口からそれほど離れていないためにその影響を少なく抑えることも可能になるのである。
さらに、ゴミ質を判断する際に、検出ゴミ表面温度が、低カロリーゴミを示す低温側基準温度よりも低い温度であり、または、高カロリーゴミを示す高温側基準温度よりも高い温度である状態が短時間であれば、その後の燃焼状態に重大な影響を与えることがないと判断されるので、それらの状態が所定時間継続した場合に特に適切な制御をかけるようにすれば、過剰制御を回避できるのである。
【0006】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、燃焼開始直後のゴミであって、燃焼中心位置よりも上流側にあるゴミの質を検知することにより、火格子の焼損等の不都合を事前に回避しながらも、継続的に安定したゴミ燃焼制御を行い得るゴミ焼却炉の燃焼制御装置を提供することができるようになった。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に発明の実施の形態を説明する。
ゴミ焼却炉は、図1に示すように、底部に給塵機構としての押し込み投入機構5を備えたゴミホッパ3と、前記押し込み投入機構5により投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯6,7,8と、前記焼却処理帯6,7,8による処理済の灰を集める灰ピット4と、前記焼却処理帯6,7,8の上方空間に形成された煙道2に備えた廃熱ボイラ16、排ガス処理装置17等により構成してある。
【0008】
前記押し込み投入機構5は、前記ゴミホッパ3に投入されたゴミをゴミ供給口1に向けて押し込む押し込み作用体(図示せず)を油圧シリンダC1により往復作動させてゴミを炉内に投入するように構成してある。
前記焼却処理帯6,7,8は、前記投入口1から投入されたゴミを搬送しながら乾燥させる乾燥帯6と、前記乾燥帯6で乾燥されたゴミを搬送しながら燃焼させる燃焼帯7と、前記燃焼帯7で燃焼されたゴミを灰化する後燃焼帯8を段差部d1,d2を介して連設して構成してあり、各処理帯は斜め上下姿勢に配置された火格子Gを油圧シリンダC2,C3,C4で斜め上下方向に往復移動させるストーカ機構で構成してある。
各焼却処理帯6,7,8の下部には各別に風箱12を設けて、送風機13により燃焼用ガスとしての空気を供給路14を介して供給する燃焼用ガス供給機構Aを設けてあり、各風箱12には空気供給量を調節するダンパDを設けてある。前記供給路14には、排ガスまたは生成蒸気により供給空気を調温する熱交換器Tを配してあり、ゴミ質により加熱温度を調節する温度制御手段30を設けてある。
前記後燃焼帯8で灰化された残渣は、灰シュート10に落下してコンベア機構により前記灰ピット4に集積される。
前記廃熱ボイラ16は、前記煙道2で二次燃焼された燃焼排ガスの保有する熱エネルギーにより蒸気を生成し、発電機18に接続された蒸気タービンを駆動する。前記廃熱ボイラ16を通過した排ガスはバグフィルタや洗煙装置等の排ガス処理装置17を経て煙突(図示せず)から排気される。
【0009】
上述のゴミ焼却炉には、目標処理量のゴミを焼却処理するべく、前記廃熱ボイラ16に設けられた蒸気量検出センサ(図示せず)による検出蒸気量が、前記廃熱ボイラ16で生成されるべき蒸気量として演算導出された目標蒸気量となるように、前記押し込み投入機構によるゴミの投入量、及び前記焼却処理帯6,7,8によるゴミの搬送速度を調節するゴミ搬送制御手段20、及び、前記各風箱12からの送風量を調節する供給空気量制御手段(図示せず)等を設けてある。
ここに、前記目標蒸気量は、予め想定されたゴミの平均保有熱量、燃焼用空気による入熱量、等の全熱量と、排ガスによる出熱量、損失熱量等の全出熱量の差にボイラ効率を乗じた値を蒸気生成に供される熱量として求め、その熱量により生成される蒸気量を演算して求める。
【0010】
前記後燃焼帯8の下流側側壁には、前記燃焼帯7における燃焼火炎を検出する撮像手段としてのテレビカメラ21を設けてあり、前記テレビカメラ21により入力された燃焼火炎の画像を画像処理手段(図示せず)により処理してガス化燃焼の終了位置、即ち、燃え切り位置を検出する。
前記画像処理手段により検出された燃え切り位置に基づいて、前記ゴミ搬送制御手段20による前記乾燥帯6または前記燃焼帯7における搬送速度、即ち前記油圧シリンダC2,C3の単位時間当たりの作動回数を補正する第一補正手段20aを設けてあり、検出燃え切り位置が許容範囲より下流側にくれば目標熱灼減量を確保すべく燃え切り位置が上流側にくるように単位時間当たりの作動回数を減少補正し、検出燃え切り位置が許容範囲より上流側にくれば火格子燃焼率の低下を回避すべく燃え切り位置が下流側にくるように単位時間当たりの作動回数を増加補正する。
【0011】
前記乾燥帯6の天井壁には、前記乾燥帯6に臨ませて赤外線検知手段としての赤外線カメラIを設けてあり、前記焼却処理帯における着火開始領域のゴミの放射温度を検出する。
詳述すると、前記赤外線検知手段は、図2に示すような黒体輻射エネルギーに相当する炉内からの輻射エネルギーを検出して温度を求めるもので、図3に示すように、前記乾燥帯6上で着火する火炎中のCO,CO2 ,NOx,SOx、さらには、H2 Oによる赤外線エネルギー吸収帯域を回避すべく、前記赤外線カメラに透過波長が約3.9(3.6〜4)μmのフィルタ(図示せず)を取り付けてあり、以て、前記乾燥帯6での燃焼火炎を透過して輻射エネルギーを計測可能なように構成してある。
前記赤外線カメラIにより、前記フィルタを介した画像と前記フィルタを介さない画像とを撮影し、画像処理手段(図示せず)によりそれら両画像における乾燥帯6上の温度差が検出された領域を着火領域と判断し、そのすぐ上流側の所定幅の領域を着火開始領域とし、その領域における前記フィルタを介した画像におけるゴミ表面温度の平均値を求める。
前記平均値に基づいて、前記ゴミ搬送制御手段20により決定された前記押し込み投入機構によるゴミの投入量、即ち、前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を補正する第二補正手段20bを設けてあり、低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合には、その温度、時間の程度により前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を10から30%の範囲で段階的に下方に補正することによりゴミの投入量を減少させて燃焼不良状態に移行するのを回避する一方、高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合には、その温度、時間の程度により前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を10から30%の範囲で段階的に上方に補正することによりゴミの投入量を増大させてゴミ切れ状態に移行するのを回避する。
【0012】
さらに、前記温度制御手段30は、前記平均値に基づいて前記熱交換器Tによる空気を調温するものであり、常時は約70℃から100℃に維持される空気温度を、前記平均値が低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合には、その程度により空気温度を約150℃から200℃に高めてゴミの乾燥・燃焼を促進することにより燃焼不良状態に移行するのを回避する一方、前記平均値が高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合には、その程度により空気温度を常温に下げて高温燃焼による火格子の焼損するのを防止する。ここに、空気温度は、前記乾燥帯6のみ調節するものであってもよく、前記燃焼帯7をも含めて調節するものであってもよい。
【0013】
以上説明したように、ゴミ焼却炉の燃焼制御装置は、給塵機構5により炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯と、前記焼却処理帯の下方から燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス供給機構Aと、前記燃焼用ガス供給機構Aにより供給される燃焼用ガスを加熱する熱交換器Tと、前記熱交換器Tによる燃焼用ガスの加熱温度を調節する温度制御手段30とを備えて構成され、前記焼却処理帯における着火開始領域のゴミの放射温度を検出する赤外線検知手段Iを設け、前記温度制御手段30を、前記赤外線検知手段Iによる検出ゴミ温度に基づいて燃焼用ガスの加熱温度を調節するように構成してある。
【0014】
上述したゴミ搬送制御手段、赤外線検知手段、温度制御手段、補正手段等の各機能実現手段の一部または全部は、マイクロコンピュータ等の各種コンピュータ、メモリ回路、その他の公知の周辺回路技術を用いて構成されるものである。
【0015】
以下に、別実施形態を説明する。
上述の実施形態では、赤外線検知手段を、波長3.9μmのフィルタを備え、装着状態と非装着状態とに切り換えて使用する赤外線カメラで構成するものを説明したが、フィルタとしては、波長3.9μmのフィルタでなくとも計測対象物と放射温度計測器1との間に介在するガスによる赤外線エネルギー吸収帯域を回避できる波長であれば任意であり、また、波長3.9μmのフィルタを装着した赤外線カメラと該フィルタを装着しない赤外線カメラとの二台の赤外線カメラを設けて各別に撮影するように構成してもよい。さらには、赤外線検知手段は赤外線カメラに限定するものではなく、適宜公知の赤外線検知素子を用いて構成できる。例えば、スポット型赤外線センサを、前記乾燥帯6の天井壁に形成した計測孔から炉内に臨むように設けて、前記乾燥帯6上のゴミ表面温度を数十mm〜数百mmのスポット径で複数箇所計測するように構成してもよい。
【0016】
前記低温側基準温度は約900℃が好ましく、高温側基準温度は約1000℃が好ましいが、この値に限るものではなく各ゴミ焼却炉で処理されるゴミの平均的な質に基づいて適宜定めればよい。また、その際の所定時間は15から30分程度が好ましいが、炉の規模に応じて適宜定めることができる。
【0017】
上述の実施形態では、第二補正手段20bは、ゴミ搬送制御手段20により決定された前記押し込み投入機構によるゴミの投入量、即ち、前記油圧シリンダC1の単位時間当たりの作動回数を補正するものを説明したが、目標処理量を補正するように構成してもよい。つまり、低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合には、その程度により目標処理量を最大10%の範囲で下方に補正することによりゴミの投入量を減少させて燃焼不良状態に移行するのを回避する一方、高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合には、その程度により目標処理量を最大10%の範囲で上方に補正することによりゴミの投入量を増大させてゴミ切れ状態に移行するのを回避するのである。
【0018】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴミ焼却炉の概略構成図
【図2】黒体輻射エネルギーの波長特性図
【図3】大気の透過率の特性図
【符号の説明】
5 給塵機構
30 温度制御手段
I 赤外線検知手段
T 補正手段
I 熱交換器
Claims (3)
- 給塵機構(5)により炉内に投入されたゴミを搬送しながら焼却処理するストーカ式の焼却処理帯と、前記焼却処理帯の下方から燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス供給機構(A)と、前記燃焼用ガス供給機構(A)により供給される燃焼用ガスを加熱する熱交換器(T)と、前記熱交換器(T)による燃焼用ガスの加熱温度を調節する温度制御手段(30)とを備えてあるゴミ焼却炉の燃焼制御装置であって、
前記焼却処理帯における着火開始領域のゴミの放射温度を検出する赤外線検知手段(I)を設け、前記温度制御手段(30)を、前記赤外線検知手段(I)による検出ゴミ表面温度に基づいて燃焼用ガスの加熱温度を調節するように構成してあるゴミ焼却炉の燃焼制御装置。 - 前記温度制御手段(30)は、前記検出ゴミ表面温度が低温側基準温度よりも低い状態が所定時間継続した場合に、前記燃焼用ガスの加熱温度を高温側に調節するものである請求項1記載のゴミ焼却炉の燃焼制御装置。
- 前記温度制御手段(30)は、前記検出ゴミ表面温度が高温側基準温度よりも高い状態が所定時間継続した場合に、前記燃焼用ガスの加熱温度を低温側に調節するものである請求項1又は2記載のゴミ焼却炉の燃焼制御装置。
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