JP3671017B2 - デジタル放送受信方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル放送受信方法および装置に関する。本発明は特に、デジタル放送の受信を効率化するための方法とその方法を利用したデジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、BS放送やCS放送においてデジタル放送が開始され、数年以内には地上波放送もデジタル化がなされようとしている。デジタル放送は、映像や音声で番組が構成される本放送とは別に、付加的に送信されるデータ放送がある。データ放送の内容としては、本放送の番組と連動させた付加情報や、画像とテキストで構成されたニュースや天気予報などの独立した情報がある。電話回線などの上り回線を使った双方向通信により、オンラインショッピングや視聴者回答型のクイズ番組を実現することもできる。このように、従来画一的であった放送内容は、比較的広い放送帯域を背景としたデータ放送の活用により、多様化した視聴者の嗜好に応えられる放送内容に様変わりしつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
デジタル放送の本格化にあたり、放送受信機側の装置にも種々の変化がみられている。例えば、データ放送は受信データをいったん蓄積して全て揃ったところで表示させる形式があり、これに対応する放送受信機はバッファメモリを搭載する。その他、タイムシフト再生を実現するために補助記憶装置を備える放送受信機や録画機も増えている。これらメモリや補助記憶装置は、年々低価格化と大容量化が進んでいるものの、放送として伝送されるデータ量も大きいため、必ずしも十分な容量を搭載しているとは限らない。したがって、受信データの蓄積における効率化は放送受信機や録画機のスペック向上に欠かせない課題の一つである。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的はデジタル放送における受信データの蓄積効率を向上させる点にある。本発明の別の目的は、デジタル放送においてデータ表示を高速化させる点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のある実施の形態はデジタル放送受信方法である。この方法は、一つ以上のコンポーネントを含んだ複数のサービスが伝搬されるトランスポートストリームを受信し、選局されたサービスに含まれるコンポーネントを再生前に一時的に蓄積するにあたり、コンポーネントごとに論理的に付与された識別情報が相違しても物理的に付与された識別情報が同一であるコンポーネントが既に蓄積されていればこれを再利用することによって重複したコンポーネントの蓄積を回避する。
【0006】
この受信方法は、デジタル放送の中でもいわゆるデータ放送サービスを主に想定する。データ放送として受信するコンポーネントをバッファメモリに蓄積し、所定量蓄積された時点でこれを再生する。受信するコンポーネントは、デジタル放送においてデータカルーセルとして繰り返し伝送される。例えば、ニュースや天気予報であれば1時間ごとに内容が更新され、更新タイミング以外は同じ内容のコンポーネントが繰り返し伝送される。
【0007】
蓄積された各コンポーネントに対してはサービスごとに論理的な識別情報が付与されており、その情報をもとにそのサービスを構成するコンポーネントを選択して表示する。その蓄積にあたり、物理的に同一のコンポーネントを過去に取得していた場合でも、属するサービスが異なればその論理的な識別情報も異なるため、そのコンポーネントを再取得していた。したがって、再取得する分、表示までの待ち時間を発生させることになる。
【0008】
同一のコンポーネントを再取得して蓄積すれば、バッファメモリを無駄に消費してしまう。そこで、上記の受信方法では物理的に同一であればこれを再利用することによってバッファメモリを圧迫せず、また重複した受信を回避してデータ放送再生の効率化と表示待ち時間の短縮を図る。
【0009】
本発明の別の実施の形態はデジタル放送受信装置である。この装置は、一つ以上のコンポーネントを含んだ複数のサービスが伝搬されるトランスポートストリームを取得する受信処理部と、コンポーネントをそのサービスにおいて特定するための論理的な識別情報として付与されたコンポーネント識別子を取得するタグ取得部と、コンポーネントをそのトランスポートストリームにおいて特定するための物理的な識別情報として付与されたパケット識別子を取得するPID取得部と、コンポーネントを、コンポーネント識別子およびパケット識別子と関連づけた状態で蓄積するコンポーネント格納部と、新たなサービスが選局されたとき、そのサービスに含まれるコンポーネントと同じパケット識別子をもつコンポーネントをコンポーネント格納部から探索する探索処理部と、同じパケット識別子をもつコンポーネントが発見された場合に、その発見されたコンポーネントを選局された新たなサービスにおけるコンポーネントとみなすことによって、そのコンポーネントの重複した蓄積を回避する処理をなす入替処理部と、を有する。
【0010】
コンポーネント識別子は、電波産業会(ARIB)による標準規格であるARIB STD-B10において「コンポーネントタグ」と称される。パケット識別子は、ISO/IEC 13818-1(MPEG2 Systems)の規格において「PID(Packet Identification)」と称される。コンポーネントタグは、サービスごとに付与される論理的な識別情報であり、そのサービスにおいて一意となる。PIDは、そのトランスポートストリームにおいて一意となる物理的な識別情報である。サービス選局時に、これから取得しようとするコンポーネントと同一のPIDをもつコンポーネントが既に蓄積されていないかを検査し、もし蓄積されていればこれを新たなサービスにおいて差し替えることによって同一コンポーネントの再取得を避ける。データ放送の再生は同時に2以上のサービスの表示を想定しない。したがって、コンポーネントは現在のサービスと関連づけられていれば足り、蓄積時に関連づけられていた過去のサービスとの関連が途切れても問題は生じない。本装置によっても、上記のデジタル放送受信方法と同様の効果が得られる。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、トランスポートストリームの構成を簡略化して示す。トランスポートストリーム(以下、適宜「TS」と略す。)は、複数の固定長パケットで構成される。各パケットは、コンポーネントを構成するデータの断片と、そのコンポーネントに付与されたPIDとで構成される。ある一つのコンポーネントが送信前に分割されて複数のパケット内に格納された場合、それら複数のパケットのそれぞれには同一のPIDが付与される。あるサービスが「PID=0x301」のコンポーネントを含むと定められていた場合、そのPIDをもつ一つ以上のパケットを選択的に取得し、それぞれに含まれる分割コンポーネントを連結すれば一つのコンポーネントを取得したことになる。
【0013】
図2は、トランスポートストリームの論理的な構成を示す。本図においては、ネットワークの構成を論理的な階層構造で表現する。各ネットワークは、それぞれ時分割多重された複数のTSで構成される。一つのTSは複数のサービスで構成される。サービスは、アナログ放送におけるチャンネルに相当する。一つのサービスは、一つ以上のコンポーネントで構成される。コンポーネントは、映像コンポーネント、音声コンポーネント、データコンポーネントなど種々のデータ形式で構成される。
【0014】
表示させるデータを特定するために、各コンポーネントに対して論理的な識別情報が付与される。その識別情報はTSに含まれるPMT(Program Map Table)に記述されており、そのPMTを参照することによって認識される。この識別情報は、ARIB STD-B10においては以下のように定められる。すなわち、各ネットワークに対しては、デジタル放送において一意となるオリジナルネットワーク識別子(original network_id)が付与される。各TSに対しては、そのネットワークにおいて一意となるトランスポートストリーム識別子(transport_stream_id)が付与される。各サービスに対しては、そのTSにおいて一意となるサービス識別子(service_id)が付与される。各コンポーネントに対しては、そのサービスにおいて一意となるコンポーネント識別子(component_tag)が付与される。
【0015】
各データコンポーネントには、Download Info Indication(DII)と呼ばれるディレクトリ情報と、データの実体となる一つ以上のモジュールが含まれる。各モジュールに対しては、コンポーネントにおいて一意となるモジュール識別子(module_id)が付与される。
【0016】
例えば、各ネットワークには、オリジナルネットワーク識別子として01、02、03・・・といった識別情報が付与される。一つのネットワークを構成する各TSには、トランスポートストリーム識別子として01、02、03・・・といった識別情報が付与される。一つのTSを構成する各サービスには、サービス識別子としてch1000、ch2000、ch3000・・・といった識別情報が付与される。一つのサービスを構成する一つ以上のコンポーネントに対しては、コンポーネント識別子として01、02、03・・・といった識別情報が付与される。以上の識別情報は、各コンポーネントの利用場面に対応した論理的な規則で付与される。したがって、物理的に同一のコンポーネントが他に存在しても利用場面が違えば異なる識別情報が付与されることとなる。
【0017】
各コンポーネントは、識別情報に応じた形式で蓄積される。例えば、オリジナルネットワーク識別子、トランスポートストリーム識別子、サービス識別子、コンポーネント識別子、モジュール識別子の順で形成される階層構造で蓄積する。それぞれの識別子を各段階のディレクトリ名として扱い、これらを連結した名前空間を形成する。名前空間は、「<original_network_id>/<transport_stream_id>/<service_id>/<component_tag>/<module_id>」のように示される。表示の際には、この名前空間を用いて表示対象を特定する。
【0018】
各コンポーネントは、TS内で伝送されるときにPIDが付与されている。図2の通り、「ch1000」のサービスにおいて「02」の識別子をもつ第1のコンポーネント100は、伝送時に「301」のPIDをもつ。一方、「ch2000」のサービスにおいて「01」の識別子をもつ第2のコンポーネント102もまた、伝送時に「301」のPIDをもち、第1のコンポーネント100と物理的に同一である。本実施形態においては、各コンポーネントを蓄積する際に、上記の各識別子以外にPIDとも関連づけておく。これにより、後からPIDをもとに所望のコンポーネントを探索でき、発見されたコンポーネントの再利用可能にする。
【0019】
図3は、本実施形態におけるデジタル放送受信装置の構成を示す機能ブロック図である。デジタル放送受信装置10において、受信処理部14は、一つ以上のコンポーネントを含んだ複数のサービスが伝搬されるTSをアンテナ12を介して取得する。選択処理部16は、TSからPAT(Program Association Table)を取得し、これを参照してPMTを取り出す。PMTには、一つのサービスを構成するコンポーネントのPIDが示される。選択処理部16は、このPMTに基づき、選局されたサービスに対応するコンポーネントのPIDを取得する。選択処理部16は、そのPIDをもとにTSをフィルタリング処理して所望のコンポーネントを選択的に取得する。
【0020】
格納処理部18は、取得したコンポーネントをコンポーネント格納部28に格納する処理をなす。格納処理部18は、タグ取得部20、PID取得部22、入替処理部24、および探索処理部26を含む。コンポーネント格納部28は、取得されたコンポーネントを、それぞれのコンポーネントタグおよびPIDと関連づけた状態で蓄積するバッファメモリである。
【0021】
タグ取得部20は、各コンポーネントのコンポーネントタグをTSに含まれるPMTから取得する。PID取得部22は、選択処理部16によってPMTから得られた各コンポーネントのPIDを取得する。探索処理部26は、視聴者によってサービスが選局されたときに、そのサービスに含まれるコンポーネントと同じPIDをもつコンポーネントをコンポーネント格納部28から探索する。探索処理部26は、トランスポートストリーム識別子をもとに、探索の対象を同じTSによって伝搬されたコンポーネントに限定する。PIDの一意性は同じTS内に限られるため、物理的に異なるコンポーネントの誤った再利用を防止する趣旨である。
【0022】
入替処理部24は、同じPIDをもつコンポーネントが探索処理部26によって発見された場合に、その発見されたコンポーネントを選局された新たなサービスの配下に移動させて元のサービスから切り離す。すなわち、入替処理部24は、発見されたコンポーネントを新たなサービスに対応するディレクトリに移動する。ここで、コンポーネントタグが元のサービスと異なる場合は、これに代えて新たなサービスにおけるコンポーネントタグを付け直す。以上の処理により、同一コンポーネントの重複した取得および蓄積を回避して、バッファメモリの効率的な利用とデータ受信の効率化を図る。
【0023】
出力処理部30は、コンポーネント格納部28に蓄積されたコンポーネントを復号して受像機36へ送出する。受像機36は、出力処理部30から受け取ったデータを画面に表示する。受像機36は、データ放送用のブラウザを内蔵してもよく、そのブラウザにおいては上記した識別子による名前空間を用いて表示対象を特定する。
【0024】
選択処理部16、格納処理部18、および出力処理部30の各ブロックは、制御部32によって制御される。本図においては、制御部32がこれらのブロックのみを制御するよう描いているが、他のブロックをさらに制御してもよい。
【0025】
図4は、デジタル放送受信装置によるデジタル放送の受信過程を示すフローチャートである。受信を開始した後、視聴者は所望のサービスを選局する(S10)。PMTを参照し(S12)、選局したサービスに対応するコンポーネントのPIDをPMTから取得する(S14)。そのPIDをもとに同一PIDをもつコンポーネントをコンポーネント格納部28から探索開始し(S16)、発見された場合(S18Y)、そのコンポーネントをそのサービスの配下に移動する(S20)。現在のサービスにおけるそのコンポーネントのコンポーネントタグをPMTから取得し(S22)、移動したコンポーネントに付け替える(S24)。PMTに指定された全てのデータコンポーネントに関してS16〜S24の探索と移動を繰り返し(S26)。この時点で、PMTに指定されたコンポーネントのうち再利用すべきものはすべて移動が完了する。
【0026】
未取得のコンポーネントを取得し(S28)、そのコンポーネントタグとPIDを取得し(S30)、これらと関連づける形でコンポーネントを蓄積した上で、所定量の蓄積が終わり次第これらを表示する(S32)。視聴者が違うサービスを再選局した場合(S34Y)、S10〜S32を繰り返す。以上のステップを受信終了(S36Y)まで繰り返す。
【0027】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そうした変形例を以下挙げる。
【0028】
上記の実施形態においては、データ放送を例に説明したが、変形例においてはデータ放送以外の番組であってもよい。また、コンポーネント格納部28はバッファメモリを想定して説明したが、変形例においてはハードディスクや光ディスクなどの記録媒体であってもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタル放送におけるデータ取得またはデータ蓄積を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トランスポートストリームの構成を簡略化して示す図である。
【図2】 トランスポートストリームの論理的な構成を示す図である。
【図3】 本実施形態におけるデジタル放送受信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】 デジタル放送受信装置によるデジタル放送の受信過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタル放送受信装置、 14 受信処理部、 16 選択処理部、 20 タグ取得部、 22 PID取得部、 24 入替処理部、 26 探索処理部、 28 コンポーネント格納部、 100、102 コンポーネント。
Claims (5)
- 一つ以上のコンポーネントを含んだ複数のサービスが伝搬されるトランスポートストリームを受信し、選局されたサービスに含まれるコンポーネントを再生前に一時的に蓄積するにあたり、コンポーネントごとに論理的に付与された識別情報が相違しても物理的に付与された識別情報が同一であるコンポーネントが既に蓄積されていればこれを再利用することによって重複したコンポーネントの蓄積を回避することを特徴とするデジタル放送受信方法。
- 一つ以上のコンポーネントを含んだ複数のサービスが伝搬されるトランスポートストリームを取得する受信処理部と、
前記コンポーネントをそのサービスにおいて特定するための論理的な識別情報として付与されたコンポーネント識別子を取得するタグ取得部と、
前記コンポーネントをそのトランスポートストリームにおいて特定するための物理的な識別情報として付与されたパケット識別子を取得するPID取得部と、前記コンポーネントを、前記コンポーネント識別子およびパケット識別子と関連づけた状態で蓄積するコンポーネント格納部と、
新たなサービスが選局されたとき、そのサービスに含まれるコンポーネントと同じパケット識別子をもつコンポーネントを前記コンポーネント格納部から探索する探索処理部と、
同じパケット識別子をもつコンポーネントが発見された場合に、その発見されたコンポーネントを前記選局された新たなサービスにおけるコンポーネントとみなすことによって、そのコンポーネントの重複した蓄積を回避する処理をなす入替処理部と、
を有することを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 前記入替処理部は、前記発見されたコンポーネントを前記選局された新たなサービスの配下に移動させて元のサービスから切り離すことを特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記入替処理部は、前記発見されたコンポーネントに対し、元のサービスにおけるコンポーネント識別子に代えて前記選局された新たなサービスにおけるコンポーネント識別子を付け直すことを特徴とする請求項2または3に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記探索処理部は、前記探索の対象を同じトランスポートストリームによって伝搬されたコンポーネントに限定することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のデジタル放送受信装置。
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