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JP3673049B2 - 共焦点顕微鏡 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共焦点顕微鏡に関し、特に、高分解能、長焦点深度、リアルタイム観察可能な光学顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数のピンホールが形成されているピンホール基板を回転させ、ピンホール基板を通過した照明光を対物レンズを介して試料に対して走査する共焦点スキャナーを有した共焦点顕微鏡は、従来から公知であり、例えば米国特許第3,926,500号や米国特許第4,927,254号に詳しく述べられている。
【0003】
近年、半導体の分野でIC等の高集積化が進み、従来の光学顕微鏡の分解能では判別できないIC標本、マスク標本が出現している。このような標本の検査は、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等で行うことができるが、検査に時間がかかる、破壊検査になる等の理由で量産ラインの全数検査機には不適当である。また、通常の顕微鏡より高分解能の共焦点型レーザ走査型顕微鏡もあるが、量産化ラインで使用するには検査時間等の面で完全ではない。
【0004】
本発明の対象であるピンホール基板を有する共焦点顕微鏡は、前述した顕微鏡にない特長を有しているために、最近半導体分野で注目されることになった。その特長は、標本面と共役な位置にピンホールが配置されているために、共焦点効果があり、従来の光学顕微鏡より高解像、高コントラストが実現される点である。特に、光軸方向(Z方向)の分解能が高く、高さ方向の標本情報も高精度で得ることができる。また、標本のピンホールによる走査は、顕微鏡視野の中にある複数のピンホールの高速回転によって行われるため、人間の眼又は撮像素子上でも従来の光学顕微鏡と同様にリアルタイム(ビデオレート以上の速さ)で標本を観察できる点や、さらに、光源はレーザ等を使う必要がなく、高輝度白色光源でよいため、手軽に色情報も含めて観察ができる点等がレーザ走査型共焦点顕微鏡とは異なる大きな特長であり、注目される理由となっている。
【0005】
一方、IC標本は立体構造を持っているため、深い焦点深度で段差の中の標本情報を同時に観察したいという要求もある。ところが、共焦点顕微鏡では、深さ方向の分解能が高いため、逆に焦点深度が浅くなってしまい、上記要求に応えることができなかった。
【0006】
焦点深度を深くするのに最も簡単でよく用いられる方法は、開口絞りで照明光のNA(開口数)を絞る方法であるが、この方法では光軸と垂直な横方向の分解能が低下してしまう。横方向の分解能を低下させないで、焦点深度を深めようとする方法がいくつか提案されている。例えば、Progress in Optics,II,p.131,North−Holland Pub.Co.(1963)には、撮影レンズの瞳位置に位相ズレπの輪帯状の位相膜を配置することによって多重焦点レンズを実現させる技術が紹介されている。また、特開平7−63995号には、照明光のNAを単純に絞るのではなく、NAの大きな部分をわずかに透過するフィルターによって分解能を落とさずに焦点深度を深める提案がなされている。また、画像処理による方法も提案されていて、特開昭55−140805号には、対物レンズと標本の光軸方向の相対距離を変えながら取り込んだ画像のボケ像を画像処理で除去し、分解能を落とさずに焦点深度を増す方法が提案されている。
【0007】
レンズで発生する色収差を利用して、立体構造を持つ標本を観察する方法も提案されている。特開平2−53016号は、色収差を発生させるレンズ系を挿入することによって異なった波長毎に焦点位置を変え、多重焦点像を得る対物レンズ系を提案している。特開平5−26635号では、共焦点レーザ走査型顕微鏡において、色収差を有する光学系と温度変化で波長の変わる半導体レーザを用いて、光軸方向の走査を従来の機械的走査に代えて行うことを提案している。特開平8−211296号では、光源と共役な位置に検出器を配置した共焦点顕微鏡において、全系で色収差を持たせることによって異なった波長毎に焦点位置を変え、多重焦点像を得て焦点深度を増大させることを提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の共焦点顕微鏡は、本発明の対象とするピンホール基板を有する共焦点顕微鏡も含めて、分解能は一般の光学顕微鏡より優れているが、光軸方向の標本形状を観察するためには、対物レンズと標本間の相互距離を変えていかなければならず、標本の立体構造をリアルタイムで観察することは難しい。特開平5−26635号は、色収差を利用して光軸方向の走査を行う共焦点レーザ走査型顕微鏡であり、問題点は上記共焦点顕微鏡と同じである。
【0009】
特開昭55−140805号でも、共焦点ではないが光軸方向の走査が必要なため、同様にリアルタイムは難しい。加えて、分解能は共焦点より劣る。
【0010】
Progress in Optics,II,p.131,North−Holland Pub.Co.(1963)や特開平7−63995号は、照明光又は瞳変調により高分解能、長焦点深度を実現するものであるが、厳密には長焦点深度化は達成されるが、高分解能は達成できない。
【0011】
特開平2−53016号は、色収差を利用して多重焦点を実現する発明であるが、これを単純に利用して長焦点深度化を図ると、異なった色のボケ像が重なり分解能、コントラストが低下する。したがって、特開平2−53016号では、高分解能、長焦点深度化が実現できない。
【0012】
特開平8−211296号は、同様に色収差を利用し、さらに共焦点光学系を用いているために高分解能、長焦点深度化が実現されるが、複数光源を用いているために構成が複雑であるという問題がある。また、共焦点光学系(例えば、対物レンズ)で色収差が発生されているため、通常観察ができる顕微鏡としての使用に制限が加わる。加えて、白色光での共焦点観察ができなくなり、標本の色情報を得ることが難しくなる。
【0013】
上述したように、従来から提案されている顕微鏡では、共焦点顕微鏡並の分解能で、長焦点深度、しかもリアルタイムで観察を行うことができないか、できたとしても顕微鏡構成が複雑になり、通常観察ができなくなる、標本の色情報が得られなくなる等の問題がある。
【0014】
本発明は従来技術のこれら問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の光学顕微鏡で不可能であった高集積IC等の微細立体構造の検査ができる高分解能、長焦点深度、リアルタイム観察可能な共焦点顕微鏡を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の共焦点顕微鏡は、光源から発した白色光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、e)前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、
前記ピンホール基板と前記標本の間に配置され、軸上色収差を発生させる光学素子と、前記標本像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像データと既知の前記光学素子の色収差データを基に画像処理を行い、標本の光軸方向の像構築する像構築手段とを具備することを特徴とするものである。
【0016】
以下に、本発明において上記の構成をとる理由と作用、及び、その展開した構成について説明する。
本発明の共焦点顕微鏡において、白色光源等から発した光は、対物レンズの像と共役な位置にあるピンホールを通過し、軸上色収差を発生させる光学素子と対物レンズを介して、標本に結像される。標本での結像位置は、波長によって光軸方向にずれている。波長によって異なった標本位置からの反射光は、軸上色収差を発生させる光学素子と対物レンズを介して、ピンホール上に結像される。ピンホール、標本、ピンホールと往復しているため、ピンホール上の結像位置は、波長が変わっても同じである。ピンホールを通過した光は観察側に導かれる。このため、光軸方向で異なった標本位置の像を同時に色分けして観察することができる。共焦点光学系になっているため、各波長のボケ像は、ピンホールで遮断され、高分解能、高コントラスト、長焦点深度で標本の観察ができる。さらに、像の色毎に光軸方向の標本情報を知ることができる。ピンホール基板の回転によって標本を走査しているので、リアルタイム(ビデオレートより高速)で上記観察が可能となる。なお、ピンホール基板は、例えばニポウディスク(NIPMOWDISK)のように円盤上に多数のピンホールが形成されたものが用いられる。
【0017】
さらに、本発明において、上記の軸上色収差を発生させる光学素子を挿脱可能にすることができる。この軸上色収差を発生させる光学素子が挿入された場合、長焦点深度で標本の光軸方向を色分けして観察できる。その光学素子が光路から抜かれた場合、標本の一断面を明るく、鮮明に観察することができる。
【0018】
また、本発明の上記の軸上色収差を発生させる光学素子は、使用する波長域の中心波長に対する屈折力がほぼ0であることが望ましい。このようにすると、この光学素子により像位置や倍率等を変えることなく色収差を発生させることができる。
【0019】
また、本発明において、上記の軸上色収差を発生させる光学素子が光路から除外された場合、ピンホール基板と標本の間の光学系で発生する軸上色収差量は、対物レンズの焦点深度より小さいことが望ましい。高集積IC等の検査では、ICパターンのエッジ形状や微小な傷等を検出するために暗視野観察が使われている。本発明のピンホール基板を用いた共焦点顕微鏡での暗視野観察は、構成が複雑になる、観察像が暗いという理由から、一般には、ピンホールを光路から除外して行っている。これは、一般光学顕微鏡の暗視野観察と同じになるため、光学系に色収差が多いと暗視野観察での色のにじみが多くなり、検査が行い難くなる。したがって、色収差発生光学素子が光路から除外された場合、光学系で発生する軸上色収差量は、対物レンズの焦点深度より小さいことが望ましい。また、本発明の色収差発生光学素子により焦点深度を向上させることができるが、標本断面が色毎に分離するため、標本の分光特性や膜厚の測定等、色情報を用いた測定・検査ができなくなる。そこで、上記の色収差発生光学素子を光路から除外した場合に、光学系の色収差発生量を対物レンズの焦点深度以下にすることにより、上記の色情報を利用した測定・検査が共焦点リアルタイムで可能となる。
【0020】
また、上記の光学素子の配置位置は、ピンホール基板と対物レンズの間であり、対物レンズの後側焦点位置又はその近傍、若しくは、対物レンズの後側焦点位置に共役な位置又はその近傍であることが望ましい。このような配置により、単純な構成で、倍率色収差を発生させずに、軸上色収差を発生させることができる。
【0021】
また、上記の光学素子は少なくとも1つの凸レンズと少なくとも1つの凹レンズを含み、以下の条件を満たすことが望ましい。
|νP −νN |・(NA)2 ・fOB/f>0.01 ・・・(1)
ただし、νP 、νN はそれぞれ中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、fOBは中心波長λにおける使用対物レンズの焦点距離、NAは使用対物レンズの開口数、fは中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0022】
上記の色収差発生光学素子の色収差発生量は、その凸レンズと凹レンズのアッべ数の差や凸レンズの屈折力(焦点距離)で決まる。アッべ数差を大きくするか、凸レンズの屈折力を強くすると、色収差発生量は大きくなる。また、色収差発生量は、対物レンズの標本側焦点深度によっても変える必要がある。焦点深度が深ければ、標本面で発生させる色収差量も増やさなければならない。焦点深度はNAの2乗に比例する。以上の点と、屈折力を規格化するために使用対物レンズの焦点距離を掛け合わせることを考慮して、(1)式は構成されている。
(1)の条件の下限の0.01に達しない場合、色収差の光軸方向分離が少なく、焦点深度を深くすることはできない。
【0023】
また、上記の光学素子は凸レンズと凹レンズ各1枚で構成され、(1)の条件を満たしてもよい。この場合は、非常に簡単な構成とすることができる。
【0024】
また、上記の光学素子は平凸レンズと平凹レンズの接合レンズであり、接合面に曲率を有する構成とすることによって、より単純化を図ることができる。
【0025】
また、本発明の共焦点顕微鏡は、光源から発した光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、軸上色収差を発生させる光学素子をピンホール基板と対物レンズの間に配置するように構成できる。ピンホールと対物レンズの間には上記の光学素子を入れる空間が多く、大きさ等の制限条件がないので好ましい。
【0026】
また、上記の光学素子は、各群が少なくとも1つの凸レンズと少なくとも1つの凹レンズを含む2つの群G1、G2を有し、以下の条件を満たすことが望ましい。
|νP1−νN1|・(NA)2 ・fOB/f1 >0.01 ・・・(2)
ただし、νP1、νN1はそれぞれ一方の群G1中の中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、fOBは中心波長λにおける使用対物レンズの焦点距離、NAは使用対物レンズの開口数、f1 は一方の群G1中の中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0027】
上記の光学素子が1つの群では倍率色収差を補正できない場合があり、この場合は、レンズ群G1、G2の2つの群で軸上色収差を発生させ、倍率色収差を発生させないようにしている。また、(2)式は(1)式と同じ考え方で構成されていて、(2)式の条件の下限の0.01に達しない場合、色収差の光軸方向分離が少なく、焦点深度を深くすることはできない。
【0028】
この場合、2つの群G1、G2は一方の群G1が他方の群G2より対物レンズ後側焦点位置若しくはそれに共役な位置に近く、以下の条件を満たすことが望ましい。
|νP1−νN1|/f1 >|νP2−νN2|/f2 ・・・(3)
ただし、νP2、νN2はそれぞれ他方の群G2中の中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、f2 は他方の群G2中の中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0029】
一般に、対物レンズ後側焦点位置は対物レンズの中にあり、軸外主光線はその後側焦点位置の光軸上から射出するため、G1群と比べて対物レンズより離れているG2群を通る軸外主光線の光線高は、G1群を通る軸外主光線の光線高より高い。したがって、G2群はG1群より倍率色収差が発生しやすい。一方、軸上に結像する光線では、G1群とG2群を通過するときの光線高はほぼ変わらないため、G1群とG2群での軸上色収差の発生量は、各々の群を構成するレンズのアッべ数や焦点距離等で決まる。本発明では、倍率色収差を発生させず、軸上色収差を発生させるため、(3)の条件を満たすことが望ましい。前述したように、G2群ではG1群より倍率色収差が発生しやすいので、G2群を構成している凸レンズと凹レンズのアッべ数差をG1群より小さくするか、前記凸レンズの焦点距離を長くする等し、G1群とG2群で発生する倍率色収差を同量にし、各群を構成する凸レンズと凹レンズのアッべ数差の符号を逆にすることにより、G1群とG2群で発生する倍率色収差を打ち消している。アッべ数に対する焦点距離の比は、G1群がG2群より大きいため、軸上色収差はG1群の方がG2群より多く発生している。結果として、軸上から軸外まで均一な色収差が発生し、標本の光軸方向の分布を色分けして観察できる。(3)の条件を満たさないと、倍率色収差が増え、軸上色収差が減る。そのため、視野全体に色ムラが出やすくなり、標本の光軸方向の色分離が難しくなる。
【0030】
また、上記の光学素子は、各々の群で凸レンズと凹レンズ各1枚からなる2つの群G1、G2を有し、(2)の条件を満たすようにすることができる。このレンズ構成により、単純で安価な光学素子を提供できる。また、(2)の条件を満たすことにより、標本の光軸方向の分布を色分けして観察できる。
【0031】
また、群G1、G2は、G1群がG2群より対物レンズ後側焦点位置若しくはそれに共役な位置に近く、(3)の条件を満たすことが望ましい。
一般に、対物レンズ後側焦点位置は対物レンズの中にあり、軸外主光線はその後側焦点位置の光軸上から射出するため、G1群と比べて対物レンズより離れているG2群を通る軸外主光線の光線高は、G1群を通る軸外主光線の光線高より高い。したがって、G2群はG1群より倍率色収差が発生しやすい。一方、軸上に結像する光線では、G1群とG2群を通過するときの光線高はほぼ変わらないため、G1群とG2群での軸上色収差の発生量は、各々の群を構成するレンズのアッべ数や焦点距離等で決まる。本発明では、倍率色収差を発生させず、軸上色収差を発生させるため、(3)の条件を満たすことが望ましい。前述したように、G2群ではG1群より倍率色収差が発生しやすいので、G2群を構成している凸レンズと凹レンズのアッべ数差をG1群より小さくするか、前記凸レンズの焦点距離を長くする等し、G1群とG2群で発生する倍率色収差を同量にし、各群を構成する凸レンズと凹レンズのアッべ数差の符号を逆にすることにより、G1群とG2群で発生する倍率色収差を打ち消している。アッべ数に対する焦点距離の比は、G1群がG2群より大きいため、軸上色収差はG1群の方がG2群より多く発生している。結果として、軸上から軸外まで均一な色収差が発生し、標本の光軸方向の分布を色分けして観察できる。(3)の条件を満たさないと、倍率色収差が増え、軸上色収差が減る。そのため、視野全体に色ムラが出やすくなり、標本の光軸方向の色分離が難しくなる。
【0032】
また、本発明の共焦点顕微鏡は、異なった軸上色収差を発生させる少なくとも2つの光学素子の何れか1つをピンホール基板と標本の間に配置し、かつ、その少なくとも2つの光学素子が交換可能又は挿脱可能であるようにすることができる。
【0033】
この場合、挿入する光学素子の軸上色収差発生量によって標本の光軸方向の色分離量を決めることができるので、異なった軸上色収差を発生させる少なくとも2つの光学素子を用いることによって、焦点深度や標本の光軸方向の色分離量を変えることができる。
【0034】
また、その少なくとも2つの光学素子の少なくとも1つは上述してきたような構成、条件等を満たすことが望ましい。これによって、より最適な標本の光軸方向の観察が行えるようになる。
【0035】
さらに、本発明の共焦点顕微鏡は、対物レンズの種類の変換に伴って、以上の少なくとも2つの光学素子を変換するようにすることができる。対物レンズの焦点深度はNA等の対物レンズの種類によって変化する。また、本発明の軸上色収差を発生させる光学素子による光軸方向の色分離量は、光学素子が一定なら対物レンズ像面では変わらないが、標本側ではNAが変わるとNAの2乗に反比例して変化する。したがって、対物レンズの種類が変わるときには、標本の光軸方向の色分離量を最適化するために、軸上色収差を発生させる光学素子を変えることが望ましい。
【0036】
以上の本発明の共焦点顕微鏡は、共焦点顕微鏡の像を撮像し、その撮像データと既知の上記光学素子の色収差データを基に画像処理を行い、標本の光軸方向の像構築することができる。
【0037】
本発明の共焦点顕微鏡の特長は、色ごとに焦点面が変えられ、しかも、各色のボケ像を共焦点ピンホールによって遮断できるため、分解能を落とさずに焦点深度を深くすることができる点である。色収差発生光学素子による色収差発生量を大きくすることによって焦点深度を標本の厚さ以上にできるため、ピント合わせをすることなく標本の光軸方向の情報を一度に得ることもできる。このとき、撮像素子で得られるデータは、標本の光軸方向が色によって分離されたデータである。予め色収差量を計算又は測定しておき、標本の高さの違いで色がどのように分離するかのデータを備えておく。撮像された標本データを色収差データを基に、蓄えた色分離データを用いて光軸方向の高さ情報に変換し、標本の光軸方向の像構築を行なうことができる。色収差データを分光器等で厳密に測定し、高さ方向と対応付けておくと、精度のよい高さ測定もできる。
【0038】
また、その場合、既知の前記光学素子の色収差データを基に決めた光軸方向移動量に従って対物レンズと標本の相対位置を変え、取り込んだ画像情報を基に標本の光軸方向の像構築することもできる。
【0039】
観察又は計測する標本が焦点深度より厚い場合を考える。一般の顕微鏡では、標本と対物レンズの相対距離を徐々に変えながら画像を取り込み、標本の光軸方向の像構築をする。さらに、分解能を落とさないためには、ボケ像除去の画像処理をしなければならない。本発明では、ピンホールによってボケ像が除去されるため、ボケ像除去の画像処理をしなくとも分解能の低下は少ないため、1画面のデータを焦点深度毎に取り込み、予め蓄えた標本高さの違いによる色分離データで1画面の標本の高さ分離を行い、得られた1画面毎の標本高さデータを単純にたし合わせることによって標本全体の像構築ができる。焦点深度が深いために、通常の計算で算出される焦点深度ではなく、色収差データを基に予め計算又は測定した焦点深度量から1ステップに相当する光軸方向移動量を決め、この決められた移動量に従って標本と対物レンズの相対距離を変えながら像を取り込み、標本の光軸方向の像構築をして行く。本発明の共焦点顕微鏡は焦点深度が深いので、上記した像構築法は一般の顕微鏡より高速で標本の光軸方向の像構築をして行くことができる。
【0040】
また、この場合、共焦点像となる標本面上での光軸方向の位置を光の各波長毎に予め計算又は測定しておき、波長毎に得られる像の光軸方向位置を既知の前記標本面の光軸方向位置データを基に決定し、各々の波長毎の2次元平面画像を決定した光軸方向位置に合わせて再構成し、標本の光軸方向の像構築することもできる。
【0041】
また、光源から発した光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、軸上色収差を発生させる光学素子の挿脱を行う代わりに、対物レンズで軸上色収差を発生させ、対物レンズで発生する軸上色収差を補正する光学素子をその軸上色収差を発生させる光学素子の位置で挿脱しても、同様な効果を得ることができる。
【0042】
また、軸上色収差を発生させる光学素子の挿脱を行う代わりに、軸上色収差を発生させる対物レンズと軸上色収差の発生の少ない対物レンズとを切り替えて使用可能にしても、同様な効果を得ることができる。
【0043】
上記の軸上色収差を発生させる対物レンズの色収差発生量は、対物レンズの使用する波長域の中心波長に対する焦点深度より大きいことが望ましい。焦点深度内であると、色毎に分離されず像が重なり観察し難くなる。また、深い焦点深度が得られなくなる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の共焦点顕微鏡をいくつかの実施例に基づいて説明する。
まず、図1に本発明の共焦点顕微鏡の構成図を示す。この共焦点顕微鏡においては、水銀又はキセノン等の高輝度光源1から発した光により、ハーフミラー9を介して対物レンズ像位置にあるピンホール基板2を照明し、そのピンホール基板2のピンホールから射出する光を結像レンズ3を介して対物レンズ4に入射させる。色収差発生光学素子5が挿入されていない場合、光は対物レンズ4によって標本面6の1点に集光される。結像レンズ3と対物レンズ4の間に色収差発生光学素子5が挿入された場合、図1のように、波長によって標本への集光位置が異なる。色収差発生光学素子5が挿入された場合でも、挿入されない場合でも、標本面6で反射された光は対物レンズ4に戻り、結像レンズ3によりピンホール基板2のピンホール上に結像される。色収差発生光学素子5が挿入された場合、標本上の異なった位置に集光していた波長の異なる光は、色収差発生光学素子5を再び通過するため、ピンホール基板2上のピンホール上に揃って同じ位置に結像される。このとき、ピンホールによる共焦点効果のため、ボケ像は取り除かれる。ピンホールを通過した光は今度はハーフミラー9を通過してリレーレンズ7で接眼レンズ8手前に結像され、接眼レンズ8を通して肉眼観察する。結果として、色収差発生光学素子5が挿入された場合、標本上の複数の断面情報が同時に色毎に分離されて観察できる。色収差発生光学素子5が除去された場合、色収差発生量は少なく、色情報を用いた測定・検査が可能となる。
【0045】
また、図2に、対物レンズ4の像位置と共役な位置にピンホール基板2が配置される場合の本発明の共焦点顕微鏡の構成図を示す。この場合は、図1の場合と比較して、再結像レンズ10により対物レンズ4の像位置がピンホール基板2上に結像され、対物レンズ4の像位置とピンホール基板2が共役となる点以外は、基本的に図1と同様の構成である。
【0046】
以下に、本発明による色収差発生光学素子5の実施例1〜3について説明するが、その前に、各実施例で共通に使用している顕微鏡対物レンズについて説明する。その顕微鏡対物レンズの断面を図3に示す。対物レンズの焦点距離f=1.8mm、倍率=100×、NA=0.95、作動距離=0.77mmである。そのレンズデータを後記の表1に示す。そのレンズデータ中、r1 、r2 …は物体側から順に示した各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は物体側から順に示した各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は物体側から順に示した各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は物体側から順に示した各レンズのアッベ数である。
【0047】
さらに、上記対物レンズは、図4に断面を示すレンズ構成の結像レンズと組み合わせて使用する。この結像レンズのレンズデータを後記の表2に示す。
【0048】
また、図5は上記対物レンズと結像レンズを組み合わせ、両者の空気間隔を119mmとした場合の球面収差(a)、コマ収差(b)を表すd線、C線、F線、g線の収差図を示している。対物レンズで発生している軸上色収差は焦点深度範囲内である。なお、図中、IHは像高を表す。
【0049】
〔実施例1〕
図6に本発明の実施例1のレンズ配置を示す。ピンホール基板2から射出した光線は、結像レンズ11を通り、リレーレンズ12、13を介して対物レンズ4に入射し、標本面6に集光される。標本面6を発した光線は、同一の経路を逆にたどりピンホール基板2に達する。ピンホール基板2を透過した光線は観察側へ向かう。対物レンズ4の後側焦点位置14と共役な位置15の光路中に、軸上色収差を発生させる光学素子5が挿脱される。この光学素子5が挿入されたとき、標本の光軸方向を色ごとに分離して観察することができる。対物レンズ4、リレーレンズ13は、図1の対物レンズ4、結像レンズ3であり、各々図3、図4に示すものである。リレーレンズ12の断面図を図7に示す。後記の表3にはリレーレンズ12のレンズデータを示す。結像レンズ11は、約1.6分の1に光束径を小さくする平行光束を平行光束に変換するアフォーカルレンズ16と図4の結像レンズ3から構成されている。このアフォーカルレンズ16の断面図を図8に示す。また、このアフォーカルレンズ16のレンズデータを後記の表4に示す。さらに、軸上色収差を発生させる光学素子17の断面図を図9に示す。後記の表5に軸上色収差を発生させる光学素子17のレンズデータを示す。図7〜図9、表3〜表5に示したr1 、r2 …は物体側から順に示した各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は物体側から順に示した各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は物体側から順に示した各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は物体側から順に示した各レンズのアッベ数である。図10、図11は各々本実施例1の軸上色収差を発生させる光学素子17を除いたとき、挿入したときの球面収差(a)、コマ収差(b)を表すd線、C線、F線、g線の収差図を示している。このとき、対物レンズ4とリレーレンズ13との空気間隔は185mm、リレーレンズ13とリレーレンズ12との空気間隔は426.734mm、リレーレンズ12とアフォーカルレンズ16の空気間隔は309.605mm、アフォーカルレンズ16と図4の結像レンズ3の空気間隔は50mmである。また、軸上色収差を発生させる光学素子17はリレーレンズ12から279.605mm、アフォーカルレンズ16から対物レンズ側24mmの位置に挿入される。
【0050】
図10と図11から、軸上色収差を発生させる光学素子17を挿脱したときの軸上色収差の差は、F線で換算して標本面6上で約0.44μmである。共焦点顕微鏡の焦点深度δは、対物レンズのNA、使用波長λを用いて表すと、δ=0.72・λ/(NA)2 (点像分布関数のピーク強度が80%になる光軸方向の位置までが解像しているとして、その前後の幅を焦点深度とした。普通の顕微鏡では、δ=λ/(NA)2 である。)であり、本実施例では、NA=0.95、λ=0.55μmとして、約0.44μmとなる。したがって、本実施例のd線とF線の軸上色収差の差は焦点深度分あり、d線とF線だけをとっても焦点深度は2倍になる。また、色コマ収差も、各波長で軸上色収差と同じ量d線に対して分離しているため、観察範囲全体にわたって均一に焦点深度を深めている。
なお、本実施例において、前記(1)式の左辺を計算すると、
|41.08-61.18 |・(0.95)2 ・1.8 /118.8=0.28
となる。
【0051】
〔実施例2〕
実施例2は図1と同じレンズ構成となっている。色収差発生光学素子5が結像レンズ3と対物レンズ4の間で挿脱されるようになっている。色収差発生光学素子5は、図12に断面を示すような2つのレンズ群G1、G2からなる構成となっている。後記の表6にこの色収差発生光学素子5のレンズデータを示す。ここで、r1 、r2 …は物体側から順に示した各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は物体側から順に示した各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は物体側から順に示した各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は物体側から順に示した各レンズのアッベ数である。図13は本実施例の軸上色収差発生光学素子5を挿入したときの球面収差(a)、コマ収差(b)を表すd線、C線、F線、g線の収差図を示している(色収差発生光学素子5が挿入されていないときの収差図は図5である。)。このとき、対物レンズ4と色収差発生光学素子5の第1群G1との空気間隔は16mm、色収差発生光学素子5の第2群G2と結像レンズ3の空気間隔は10mmである。実施例1とほぼ同程度の色収差が発生し、同程度焦点深度が深くなっている。対物レンズ4が、図3の対物レンズの1/2のNAを持つ対物レンズに切り換わった場合、対物レンズ4の焦点深度は4倍になるので、色収差発生光学素子5による色収差発生量では不十分である。そのときには、色収差発生光学素子5の4倍の色収差を発生させる色収差発生光学素子に置き換えることが望ましい。
【0052】
なお、本実施例において、色収差発生光学素子5の第1群G1に対して前記(1)式の左辺を計算すると、
|41.08-61.18 |・(0.95)2 ・1.8 /33.9=0.96
となる。色収差発生光学素子5の第2群G2に対して前記(1)式の左辺を計算すると、
|61.18-41.08 |・(0.95)2 ・1.8 /118.8=0.28
となる。また、
|41.08-61.18 |/33.9>|61.18-41.08 |/118.8
から、前記(3)式も満たしている。
【0053】
〔実施例3〕
実施例3も基本レンズ構成は図1と同じになっている。ただし、色収差発生光学素子5が図14に断面を示すように構成されている。色収差発生光学素子5は2つの群G1、G2からなっており、第1群G1は対物レンズ4と結像レンズ3の間に配置され、第2群G2は結像レンズ3とピンホール基板2の間に配置されている。後記の表7にこの色収差発生光学素子5のレンズデータを示す。ここで、r1 、r2 …は物体側から順に示した各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は物体側から順に示した各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は物体側から順に示した各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は物体側から順に示した各レンズのアッベ数である。図15は本実施例の軸上色収差発生光学素子5を挿入したときの球面収差(a)、コマ収差(b)を表すd線、C線、F線、g線の収差図を示している(色収差発生光学素子5が挿入されていないときの収差図は図5である。)。このとき、対物レンズ4と色収差発生光学素子5の第1群G1との空気間隔は16mm、色収差発生光学素子5の第1群G1と結像レンズ3の空気間隔は90mm、結像レンズ3と色収差発生光学素子5の第2群G2との空気間隔は10mmである。色収差発生量並びに焦点深度増大量は、実施例1、2とほぼ同等である。ここで、色収差発生光学素子5の第1群G1と第2群G2の間隔は表7に示すように、上記間隔の90mmと10mmに結像レンズ3の厚さを加えたものになる。
【0054】
なお、本実施例において、色収差発生光学素子5の第1群G1に対して前記(1)式の左辺を計算すると、
|41.08-61.18 |・(0.95)2 ・1.8 /33.9=0.96
となる。色収差発生光学素子5の第2群G2に対して前記(1)式の左辺を計算すると、
|61.18-41.08 |・(0.95)2 ・1.8 /101.8=0.32
となる。また、
|41.08-61.18 |/33.9>|61.18-41.08 |/101.8
から、前記(3)式も満たしている。
【0055】
〔実施例4〕
実施例4の構成を図16に示す。図16においては、簡単化のために照明光学系を省いている。標本面6が照明され、標本面6から発した光は、対物レンズ4、色収差発生光学素子5、結像レンズ3を通過し、ピンホール基板2上に1次結像される。ピンホール基板2のピンホールを通過した光は、撮像レンズ18により撮像素子19に再結像される。撮像素子19に結像される像は、標本上の複数の断面情報が色毎に分離したものとなっている。撮像素子19が色情報を分離して画像として取り込むことができる素子であれば、カラー映像として画像表示装置20で焦点深度の深い像を観察できる。また、色収差の発生量や色によってピントの合う順番、深さ等を予め設計的に求めるか、実験で測定しておき、画像処理装置21等に記憶させておくと、その色収差データを基に標本の3次元像を構築することができる。さらに、色を含めた本発明の共焦点顕微鏡の焦点深度δよりも厚い標本の光軸方向の3次元像を構築する場合でも、コントローラ22、ドライバ23を介してステージ24を動かすステップをδとして、各ステップ毎に像を取り込めば、従来の顕微鏡を用いるよりも高速で標本の光軸方向の情報を取り込み、表示・計測等をすることができる。
【0056】
表1
1 = -2.2936 d1 = 1.7700 nd1 =1.88300 νd1 =40.78
2 = -2.1326 d2 = 0.1416
3 = -10.6925 d3 = 1.1000 nd2 =1.61340 νd2 =43.84
4 = 7.1166 d4 = 5.5000 nd3 =1.61800 νd3 =63.39
5 = -7.6238 d5 = 0.2000
6 = -64.2877 d6 = 1.0000 nd4 =1.52944 νd4 =51.72
7 = 10.2264 d7 = 6.2000 nd5 =1.43875 νd5 =94.97
8 = -9.6473 d8 = 0.2000
9 = 57.3942 d9 = 1.2000 nd6 =1.61340 νd6 =43.84
10= 9.2329 d10= 5.2000 nd7 =1.43875 νd7 =94.97
11= -18.4308 d11= 0.3000
12= 15.2753 d12= 2.5000 nd8 =1.56907 νd8 =71.30
13= -147.8112 d13= 0.2000
14= 13.4472 d14= 1.3000 nd9 =1.52944 νd9 =51.72
15= 5.5507 d15= 5.5000 nd10=1.43875 νd10=94.97
16= -9.4406 d16= 1.0001 nd11=1.51633 νd11=64.15
17= 4.6960 d17= 1.0000
18= 4.5949 d18= 3.2000 nd12=1.49700 νd12=81.61
19= -9.4136 d19= 1.8812 nd13=1.78650 νd13=50.00
20= 5.2173 d20= 4.5626
21= -5.3868 d21= 1.5744 nd14=1.77250 νd14=49.60
22= 9.3410 d22= 1.7000 nd15=1.80518 νd15=25.43
23= -10.1181 。
【0057】
表2
1 = 68.7541 d1 = 7.7321 nd1 =1.48749 νd1 =70.20
2 = -37.5679 d2 = 3.4742 nd2 =1.80610 νd2 =40.95
3 = -102.8477 d3 = 0.6973
4 = 84.3099 d4 = 6.0238 nd3 =1.83400 νd3 =37.16
5 = -50.7100 d5 = 3.0298 nd4 =1.64450 νd4 =40.82
6 = 40.6619 。
【0058】
表3
1 = -104.154 d1 = 4.20 nd1 =1.61340 νd1 =43.84
2 = 199.976 d2 = 4.00 nd2 =1.83400 νd2 =37.17
3 = -202.513 d3 = 0.50
4 = 157.532 d4 = 4.00 nd3 =1.80610 νd3 =40.95
5 = 82.098 d5 = 9.78 nd4 =1.43875 νd4 =94.97
6 = -134.412 。
【0059】
表4
1 = 41.314 d1 = 3.52 nd1 =1.48749 νd1 =70.21
2 = -367.18 d2 = 1.20
3 = 163.098 d3 = 3.70 nd2 =1.48749 νd2 =70.21
4 = -49.090 d4 = 3.15 nd3 =1.69895 νd3 =30.12
5 = -197.059 d5 =16.13
6 = -95.011 d6 = 2.50 nd4 =1.84666 νd4 =23.78
7 = -34.138 d7 = 1.80 nd5 =1.72916 νd5 =54.68
8 = 39.369 。
【0060】
表5
1 = ∞ d1 = 3 nd1 =1.58913 νd1 =61.18
2 = 70 d2 = 3 nd2 =1.58921 νd2 =41.08
3 = ∞ 。
【0061】
表6
1 = ∞ d1 = 4 nd1 =1.58913 νd1 =61.18
2 = 20 d2 = 6 nd2 =1.58921 νd2 =41.08
3 = ∞ d3 =70
4 = ∞ d4 = 6 nd3 =1.58913 νd3 =61.18
5 = -70 d5 = 4 nd4 =1.58921 νd4 =41.08
6 = ∞ 。
【0062】
表7
1 = ∞ d1 = 4 nd1 =1.58913 νd1 =61.18
2 = 20 d2 = 6 nd2 =1.58921 νd2 =41.08
3 = ∞ d3 =120.9572
4 = ∞ d4 = 4 nd3 =1.58913 νd3 =61.18
5 = -60 d5 = 2. nd4 =1.58921 νd4 =41.08
6 = ∞ 。
【0063】
以上の本発明の共焦点顕微鏡は例えば次のように構成することができる。
〔1〕 光源から発した光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、軸上色収差を発生させる光学素子をピンホール基板と標本の間に配置したことを特徴とする共焦点顕微鏡。
【0064】
〔2〕 前記光学素子が挿脱可能であることを特徴とする上記〔1〕記載の共焦点顕微鏡。
【0065】
〔3〕 前記光学素子は使用する波長域の中心波長に対する屈折力がほぼ0であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載の共焦点顕微鏡。
【0066】
〔4〕 前記光学素子が光路から除外された場合、ピンホール基板と標本の間の光学系で発生する軸上色収差量は、対物レンズの焦点深度より小さいことを特徴とする上記〔1〕から〔3〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
【0067】
〔5〕 前記光学素子の配置位置は、ピンホール基板と対物レンズの間であり、対物レンズの後側焦点位置又はその近傍、若しくは、対物レンズの後側焦点位置に共役な位置又はその近傍であることを特徴とする上記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
【0068】
〔6〕 前記光学素子は少なくとも1つの凸レンズと少なくとも1つの凹レンズを含み、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔1〕から〔5〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
|νP −νN |・(NA)2 ・fOB/f>0.01 ・・・(1)
ただし、νP 、νN はそれぞれ中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、fOBは中心波長λにおける使用対物レンズの焦点距離、NAは使用対物レンズの開口数、fは中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0069】
〔7〕 前記光学素子は凸レンズと凹レンズ各1枚で構成され、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔1〕から〔5〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
|νP −νN |・(NA)2 ・fOB/f>0.01 ・・・(1)
ただし、νP 、νN はそれぞれ中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、fOBは中心波長λにおける使用対物レンズの焦点距離、NAは使用対物レンズの開口数、fは中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0070】
〔8〕 前記光学素子は平凸レンズと平凹レンズの接合レンズであり、接合面に曲率を有することを特徴とする上記〔7〕記載の共焦点顕微鏡。
【0071】
〔9〕 光源から発した光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、軸上色収差を発生させる光学素子をピンホール基板と対物レンズの間に配置したことを特徴とする上記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
【0072】
〔10〕 前記光学素子は、各群が少なくとも1つの凸レンズと少なくとも1つの凹レンズを含む2つの群G1、G2を有し、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔1〕から〔4〕、〔9〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
|νP1−νN1|・(NA)2 ・fOB/f1 >0.01 ・・・(2)
ただし、νP1、νN1はそれぞれ一方の群G1中の中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、fOBは中心波長λにおける使用対物レンズの焦点距離、NAは使用対物レンズの開口数、f1 は一方の群G1中の中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0073】
〔11〕 前記2つの群G1、G2は一方の群G1が他方の群G2より対物レンズ後側焦点位置若しくはそれに共役な位置に近く、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔10〕記載の共焦点顕微鏡。
|νP1−νN1|/f1 >|νP2−νN2|/f2 ・・・(3)
ただし、νP2、νN2はそれぞれ他方の群G2中の中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、f2 は他方の群G2中の中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0074】
〔12〕 前記光学素子は、各群が凸レンズと凹レンズ各1枚からなる2つの群G1、G2を有し、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔1〕から〔4〕、〔9〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
|νP1−νN1|・(NA)2 ・fOB/f1 >0.01 ・・・(2)
ただし、νP1、νN1はそれぞれ一方の群G1中の中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、fOBは中心波長λにおける使用対物レンズの焦点距離、NAは使用対物レンズの開口数、f1 は一方の群G1中の中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0075】
〔13〕 前記2つの群G1、G2は一方の群G1が他方の群G2より対物レンズ後側焦点位置若しくはそれに共役な位置に近く、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔12〕記載の共焦点顕微鏡。
|νP1−νN1|/f1 >|νP2−νN2|/f2 ・・・(3)
ただし、νP2、νN2はそれぞれ他方の群G2中の中心波長λにおける前記凸レンズ、凹レンズのアッべ数、f2 は他方の群G2中の中心波長λにおける前記凸レンズの焦点距離である。
【0076】
〔14〕 異なった軸上色収差を発生させる少なくとも2つの光学素子の何れか1つをピンホール基板と標本の間に配置し、かつ、前記の少なくとも2つの光学素子が交換可能又は挿脱可能であることを特徴とする上記〔1〕から〔5〕、〔9〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡。
【0077】
〔15〕 前記の少なくとも2つの光学素子の少なくとも1つは、上記〔6〕〜〔8〕、〔11〕〜〔13〕何れか1項記載の光学素子と同一であることを特徴とする上記〔14〕記載の共焦点顕微鏡。
【0078】
〔16〕 対物レンズの種類の変換に伴って、前記の少なくとも2つの光学素子を変換することを特徴とする上記〔14〕又は〔15〕記載の共焦点顕微鏡。
【0079】
〔17〕 上記〔1〕ないし〔16〕の何れか1項記載の共焦点顕微鏡の像を撮像し、その撮像データと既知の前記光学素子の色収差データを基に画像処理を行い、標本の光軸方向の像構築することを特徴とする共焦点顕微鏡。
【0080】
〔18〕 既知の前記光学素子の色収差データを基に決めた光軸方向移動量に従って対物レンズと標本の相対位置を変え、取り込んだ画像情報を基に標本の光軸方向の像構築することを特徴とする上記〔17〕記載の共焦点顕微鏡。
【0081】
〔19〕 共焦点像となる標本面上での光軸方向の位置を光の各波長毎に予め計算又は測定しておき、波長毎に得られる像の光軸方向位置を既知の前記標本面の光軸方向位置データを基に決定し、各々の波長毎の2次元平面画像を決定した光軸方向位置に合わせて再構成し、標本の光軸方向の像構築することを特徴とする上記〔17〕又は〔18〕記載の共焦点顕微鏡。
【0082】
〔20〕 光源から発した光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、軸上色収差を発生させる対物レンズと対物レンズで発生する軸上色収差を補正する色収差補正光学素子とをピンホール基板と試料の間に配置させ、前記色収差補正光学素子が光路から挿脱可能であることを特徴とする共焦点顕微鏡。
【0083】
〔21〕 光源から発した光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、軸上色収差を発生させる対物レンズと軸上色収差の発生の少ない対物レンズとを切り替えて使用可能であることを特徴とする共焦点顕微鏡。
【0084】
〔22〕 前記の軸上色収差を発生させる対物レンズの色収差発生量は、前記対物レンズの使用する波長域の中心波長に対する焦点深度より大きいことを特徴とする上記〔20〕又は〔21〕記載の共焦点顕微鏡。
【0085】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、ピンホール基板を用いた共焦点顕微鏡において、ピンホール基板と標本の間に軸上色収差を発生させる光学素子を挿入することにより、標本の光軸方向の分布を色毎に分離することができると同時に、リアルタイム(ビデオレートを越える速さ)で高分解能、長焦点深度を実現することができる。
さらに、既知の色収差発生素子の色収差データを基に画像処理を行うことによって、従来よりも高速で標本の光軸方向の像構築をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共焦点顕微鏡の構成図である。
【図2】本発明のもう1つの共焦点顕微鏡の構成図である。
【図3】各実施例で共通に使用している顕微鏡対物レンズの断面図である。
【図4】各実施例で共通に使用している結像レンズの断面図である。
【図5】図3の対物レンズと図4の結像レンズを組み合わせた場合の収差図である。
【図6】本発明の実施例1のレンズ配置を示す図である。
【図7】実施例1の結像レンズ側のリレーレンズの断面図である。
【図8】実施例1のアフォーカルレンズの断面図である。
【図9】実施例1の色収差発生光学素子の断面図である。
【図10】実施例1の色収差発生光学素子を除いたときのピンホール基板上の1次像面での収差図である。
【図11】実施例1の色収差発生光学素子を挿入したときのピンホール基板上の1次像面での収差図である。
【図12】実施例2の色収差発生光学素子の断面図である。
【図13】実施例2の色収差発生光学素子を挿入したときのピンホール基板上の1次像面での収差図である。
【図14】実施例3の色収差発生光学素子の断面図である。
【図15】実施例3の色収差発生光学素子を挿入したときのピンホール基板上の1次像面での収差図である。
【図16】実施例4の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…高輝度光源
2…ピンホール基板
3…結像レンズ
4…対物レンズ
5…色収差発生光学素子
6…標本面
7…リレーレンズ
8…接眼レンズ
9…ハーフミラー
10…再結像レンズ
11…結像レンズ
12、13…リレーレンズ
14…対物レンズの後側焦点位置
15…対物レンズの後側焦点位置と共役な位置
16…アフォーカルレンズ
17…色収差発生光学素子
18…撮像レンズ
19…撮像素子
20…画像表示装置
21…画像処理装置
22…コントローラ
23…ドライバ
24…ステージ
G1…色収差発生光学素子の第1群
G2…色収差発生光学素子の第2群

Claims (2)

  1. 光源から発した白色光で対物レンズ像位置若しくはその像位置と共役な位置又はその近傍にある複数のピンホールで形成されているピンホール基板を照明し、前記ピンホール基板を通過する光を対物レンズで標本上に結像し、標本で反射される光を再び前記対物レンズを介して前記ピンホール基板又はその近傍に結像させ、前記ピンホール基板を通過する光をリレーレンズ等により標本像として再結像させ、e)前記ピンホール基板を高速に回転させることによって標本上で光を高速に走査し、標本の再生像を得ることができる共焦点顕微鏡において、
    前記ピンホール基板と前記標本の間に配置され、軸上色収差を発生させる光学素子と、前記標本像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像データと既知の前記光学素子の色収差データを基に画像処理を行い、標本の光軸方向の像構築する像構築手段とを具備することを特徴とする共焦点顕微鏡。
  2. 前記光学素子が挿脱可能であることを特徴とする請求項1記載の共焦点顕微鏡。
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