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JP3673438B2 - 米飯の保温制御方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、保温ジャー、炊飯ジャー等に適用される米飯の保温制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炊飯ジャー等の米飯保温装置では、保温温度が低くなると腐敗菌が増殖しやすく、風味が損なわれる一方、高くなると米飯は黄変ないし褐変するという問題があった。このため、食事中あるいは食事までの時間が短い場合には、保温温度を高く設定して風味が損なわれることがないようにすると共に、睡眠時等の食事までの時間が長い場合には、保温温度を若干低く設定して黄変等が生じず、かつ、腐敗菌の増殖を最小限に抑制できるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の保温方法では次のような問題があった。
【0004】
すなわち、米飯の状態のいかんに拘わらず低温保温の受付けが可能となっていた。具体的には、食事中で通常保温でなければならない場合であっても、誤操作により低温保温に移行するという問題があった。
【0005】
また、保温温度の設定が必ずしも適切ではなく、腐敗菌の増殖あるいは米飯の黄変等をもたらしていた。
【0006】
また、低温保温では内容器温度の検出のみによって通電制御しているため、米飯残量の違いに拘わらず、通電量が一定であるため、温度変化のばらつきが大きく、必ずしも適切な保温状態が得られていなかった。
【0007】
さらに、保温温度は内容器温度を調整することのみにより行っており、蓋温度は主に米飯から発生した蒸気が結露することを防止するためのいわゆる露飛ばしとして使用されている。このため、通常及び低温保温状態で確実に露飛ばしを行わせることができるように、前記蓋温度は高めに設定されている。したがって、低温保温時の加熱が過剰となり、内容器温度を低下させているにも拘わらず、米飯が黄変するという問題が発生していた。
【0008】
さらにまた、低温保温中に食事したくなった場合、適切な低温保温の解除方法が提供されていなかった。このため、風味に優れた米飯を食事することができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、米飯の風味を損なわず、黄変等の発生も防止して適切に保温することのできる米飯の保温制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、米飯を長時間保温する場合、内容器保温温度を、通常保温温度と、低温保温スイッチの操作により前記通常保温温度よりも低い低温保温温度とで保温制御する米飯の保温制御方法において、
低温保温制御から通常保温制御に復帰した場合、前記低温保温スイッチ操作ても低温保温制御に移行しないようにするものである。
【0011】
この場合、前記低温保温制御が開始から4時間未満であれば、通常保温制御に復帰した後、再度、低温保温制御に移行可能とするのが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記目的を達成するため、米飯を長時間保温する場合、内容器保温温度を、通常保温温度と、該通常保温温度よりも低い低温保温温度とで保温制御する米飯の保温制御方法において、
低温保温制御から強制的に通常保温制御に復帰させる際、低温保温温度から通常保温温度への通常の復帰時間に比べて短時間で行わせるものである。
【0014】
なお、前記低温保温制御は、8時間以内で、かつ、内容器保温温度を54〜61℃に調整して行えばよい。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
【0016】
図1は炊飯ジャーの断面図を示し、外装体1内には外容器1aに支持された内容器2が収容され、これらは外装体1の肩部に回動自在に設けた蓋体3によって閉塞されるようになっている。
【0017】
外容器1aの底には、前記内容器2の底面に圧接する加熱板4が配設されている。また、内容器2の胴部上方には胴ヒータ6が巻回されている。さらに、外容器1aの底面中央部には、内容器2の底に圧接して内容器温度を検出するためのサーミスタ等の底センサ7が配設され、検出温度は外装体1の底面に配設した温度制御装置8に入力されるようになっている。
【0018】
前記蓋体3には内蓋9が取り付けられており、この内蓋9はその上面周縁部に配設した蓋ヒータ10により加熱されるようになっており、内蓋温度はサーミスタ等の蓋センサ11で検出されるようになっている。
【0019】
前記温度制御装置8は、前記底センサ7及び蓋センサ11での検出温度の入力を受け、炊飯ヒータ5、胴ヒータ6及び蓋ヒータ10への通電量を調整することにより、米飯温度を所望温度に制御している。また、外装体1に設けたおやすみスイッチ12により下記する低温保温制御を行なう。
【0020】
次に、前記構成からなる炊飯ジャーによる炊飯終了後の通常保温制御及び低温保温制御について、図2、図3及び図4のフローチャートに従って図5のグラフ及び図6の表を参照しつつ説明する。
【0021】
すなわち、炊飯が終了すれば、ステップS1で通常保温を行なう。
【0022】
この通常保温では、炊飯ヒータ5への通電率を0.5/30、胴ヒータ6への通電率を8/10とすると共に、底センサ7での検出温度(以下、底温度という。)が65〜72℃、好ましくは67〜69℃となるように両ヒータ5,6への通電・遮断を繰り返す。
【0023】
一方、蓋ヒータ10への通電率を1とすると共に、蓋センサでの検出温度(以下、蓋温度という。)が、常に、前記底温度よりも6℃高くなるように、すなわち、71〜78℃、好ましくは73〜75℃となるように蓋ヒータ10への通電・遮断を繰り返す。これにより、米飯から発生した水蒸気が内蓋9に付着することがなく、いわゆる露飛ばしが行われる。
【0024】
ステップS2では、おやすみスイッチ12がオンされたかどうかを判断する。おやすみスイッチ12がオフ状態のままであれば、ステップS1の通常保温を続行し、オン状態となれば、図2のステップS3に移行して低温保温制御を開始する。
【0025】
ただし、所定条件下ではおやすみスイッチ12の操作によっても低温保温制御には移行しないようにしている。具体的には、▲1▼通常保温制御が全く行われていない場合(例えば、炊飯前あるいは炊飯中等)、▲2▼一旦、低温保温制御から通常保温制御に復帰している場合(この場合、低温保温制御が4時間未満であれば受付可能とする。)、▲3▼白米以外を炊く場合(例えば、玄米等)、▲4▼低温保温制御が途中で解除されることなく終了した場合等には低温保温制御は受け付けないようにする。
【0026】
前記低温保温制御は、図3のフローチャートに従って行なう。
【0027】
まず、ステップS11で、低温保温時間Hが、第1設定時間a(本実施例では、底温度が57℃になるまでの時間)になるまでステップS12において第1保温モードで保温制御する。第1保温モードでは、炊飯ヒータ5及び胴ヒータ6への通電を停止すると共に、蓋ヒータ10への通電率を1として蓋温度が底温度に比べて7℃高い64℃となるように通電・遮断を繰り返す。
【0028】
このように、低温保温制御の開始直後に蓋温度を通常保温制御時に比べて高く設定したのは、内容器2が加熱されないため、米飯温度と底温度との差が大きくなる結果、飽和温度が低下して内蓋9で凝縮しやすくなるためである。
【0029】
次に、底温度が57℃まで低下すれば、ステップS13で、低温保温時間Hが、第2設定時間b(8−(a+2)、本実施例では4時間)になるまでステップS14において第2保温モードで保温制御する。第2保温モードでは、前記通常保温と同様に、炊飯ヒータ5への通電率を0.5/30、胴ヒータ6への通電率を8/10とすると共に、底温度が57℃に維持されるように通電・遮断を繰り返す(本実施例では、通電時間は通常保温の約70%となっている。)。
【0030】
なお、前記底温度を57℃としたのは、長時間この温度に維持しても米飯に黄変が生じず、しかも、腐敗菌の発生を最小限に抑えるのに最適の温度だからである。また、蓋温度は底温度よりも4℃高く設定して、前記第1保温モードと同様に内蓋9の露飛ばしを行なうが、この場合、通常保温よりも低温で保温するため、発生する水蒸気量は少ないと考え、蓋温度は若干低めに設定している。
【0031】
続いて、第2設定時間bが経過すれば、ステップS15で8時間経過したか否かを判断する。ここで、判断する時間を8時間としたのは、腐敗菌の発生を抑えて米飯を食する状態に維持するのに最適だからである。
【0032】
そして、低温保温時間が8時間経過するまでは、ステップS16において第3保温モードで保温制御する。この第3保温モードでは、前記通常保温制御と同様に炊飯ヒータ5及び胴ヒータ6への通電を制御する。
【0033】
一方、蓋ヒータ10への通電率を1とすると共に、蓋温度が底温度よりも4℃高くなるように、通電・遮断を繰り返す。すなわち、前記炊飯ヒータ5及び胴ヒータ6への通電に伴って徐々に上昇する底温度に対して4℃高い温度を維持できるようにして内蓋9の露飛ばしを行なう。
【0034】
なお、前記低温保温時間は図示しない操作部により自由に設定可能であり、その値は最大12時間である。
【0035】
また、前記低温保温制御において、通電率を設定して所望温度が得られるように各ヒータ5,6,10への通電・遮断を繰り返すようにしたのは、通電率1により温度制御する場合に比べて温度変化のばらつきを小さく抑えるためである。
【0036】
前記低温保温制御中に、食事したくなった場合には、おやすみスイッチ12をオフ状態とすることにより、通常保温状態に復帰させることができる。すなわち,ステップS4で、低温保温中におやすみスイッチ12がオフされたか否かを判断することにより、オン状態であれば低温保温制御を続行し、オフ状態となれば、ステップS5で復帰モードに移行する。
【0037】
ステップS5の復帰モードでは、図4のフローチャートに従って保温状態を通常保温に復帰させる。
【0038】
まず、ステップS21で炊飯ヒータ5への通電率を1として内容器温度を急速に上昇させる(第1復帰モード)。この第1復帰モードは、ステップS22で復帰モードに移行してから1分経過するか、あるいは、底温度が80℃を越えるまで続行する。
【0039】
そして、ステップS22の条件のいずれか一方を満足すれば、ステップS23に移行して炊飯ヒータ5への通電率を0.5/30、胴ヒータ6への通電率を8/10とすると共に、底温度が65〜72℃、好ましくは67〜69℃となるように通電・遮断を繰り返す。
【0040】
一方、蓋ヒータ10への通電率を1とすると共に、蓋温度が底温度よりも5℃高くなるように通電・遮断を繰り返す(第2復帰モード)。この第2復帰モードは、ステップS24で復帰モードに移行してから1時間30分経過するまで行なう。
【0041】
このように、低温保温制御中であっても、おやすみスイッチ12をオフ状態とすることにより急速に米飯の保温状態を通常保温状態に復帰させ、米飯温度を食事するのに適した温度に復帰させることができる。
【0042】
なお、前記実施例では、炊飯ジャーに適用する場合について説明したが、保温専用の電子ジャーに適用してもよいことは勿論である。
【0043】
また、前記実施例では、底センサ7での検出温度に基づいて炊飯ヒータ5及び胴ヒータ6への通電率を制御することにより保温制御するフィードバック制御を行なうようにしたが、低温保温制御に移行する際の底温度の変化状態から米飯容量を推測し、この推測した米飯容量に基づいて通電制御してもよい(米飯容量の推測は、予め、底温度の単位時間当たりの温度勾配の変化に対応してデータを入力しておけばよい。)。
【0044】
すなわち、推測した米飯容量に応じて、予め、炊飯ヒータ5及び胴ヒータ6への通電率を調整しておくことにより、フィードフォアード制御するようにしてもよい。これによれば、より適切な保温温度が得られ、従来のような温度のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0045】
さらに、前記実施例において、おやすみスイッチ12のオン・オフ状態を示す表示部を設けるのが好ましい。この表示部は、外装体1の前方部に設けたLED等の表示ランプや液晶パネルによって構成することができ、特に、液晶パネルによって表示する場合には低温保温の残り時間を表示するのがよい。また、低温保温制御中におやすみスイッチ12がオフ状態とされ、強制的に通常保温制御に復帰する場合や、前述のような条件を満足せずに受付けを拒否する場合等に表示を行なうようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、低温保温制御から通常保温制御に復帰した場合、手動操作によっては低温保温制御に移行しないようにするので、誤動作を起こす心配もない。
【0047】
また、低温保温制御の初期において米飯量の違いからその後の内容器の温度変化を推測し、通電制御を行なうようにしたので、より適切な温度制御が可能となる。
【0048】
また、低温保温制御中であっても、強制的に通常保温制御に復帰させるようにしたので、米飯を最適な風味とすることができ、短時間で行わせることにより実用性を高くすることが可能である。
【0049】
特に、低温保温制御時の内容器温度を最適値に設定するようにしたので、内容器の保温を米飯に腐敗菌が発生せず、かつ、黄変等も生じないように保温することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る電気炊飯器の正面断面図である。
【図2】 図1の温度制御装置に於ける保温制御を示すフローチャートである。
【図3】 図2の低温保温を示すフローチャートである。
【図4】 図2の復帰モードを示すフローチャートである。
【図5】 低温保温制御時の時間と底温度の関係を示すグラフである。
【図6】 各保温状態での各ヒータへの通電率及び制御温度の関係を示す表である。
【符号の説明】
2 内容器
3 蓋体
5 炊飯ヒータ
6 胴ヒータ
7 底センサ
8 温度制御装置
9 内蓋
10 蓋ヒータ
12 おやすみスイッチ

Claims (4)

  1. 米飯を長時間保温する場合、内容器保温温度を、通常保温温度と、低温保温スイッチの操作により前記通常保温温度よりも低い低温保温温度とで保温制御する米飯の保温制御方法において、
    低温保温制御から通常保温制御に復帰した場合、前記低温保温スイッチ操作ても低温保温制御に移行しないようにすることを特徴とする米飯の保温制御方法。
  2. 前記低温保温制御が開始から4時間未満であれば、通常保温制御に復帰した後、再度、低温保温制御に移行可能であることを特徴とする請求項1に記載の米飯の保温制御方法。
  3. 米飯を長時間保温する場合、内容器保温温度を、通常保温温度と、該通常保温温度よりも低い低温保温温度とで保温制御する米飯の保温制御方法において、
    低温保温制御から強制的に通常保温制御に復帰させる際、低温保温温度から通常保温温度への通常の復帰時間に比べて短時間で行わせることを特徴とする米飯の保温制御方法。
  4. 前記低温保温制御は、8時間以内で、かつ、内容器保温温度を54〜61℃に調整して行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の米飯の保温制御方法。
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