JP3673465B2 - 形鋼剪断用の金型及びこの金型における孔型刃の位置調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フランジおよびウェブからなるH形鋼及び溝形鋼等の形鋼の剪断に用いる形鋼剪断用の金型及びこの金型における孔型刃の位置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フランジおよびウェブからなるH形鋼及び溝形鋼等の形鋼は、複数の面を持っており、平刃での切断は困難である。そこで、例えば、H形鋼の切断において、移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させることによりH形鋼1を剪断する方法が知られている。図19は従来のH形鋼剪断用の移動金型を示す正面図である。図19に示すように、形鋼1の断面形状に合わせた孔型刃20を有する移動刃8と、図示していない固定刃との間にH形鋼1を貫通させ、移動刃8を固定刃に対して斜め方向に移動させることによりH形鋼1を剪断する。H形鋼剪断時の移動刃8の動作は、押下げ片15が下方に押し下げられことにより、孔型刃20が、二つの案内片14でガイドされつつ復元機構17で図中左側に押し付けられている押圧片16を図中右方向に押し戻しながら図中右下方向に移動して、H形鋼を剪断する。この場合、孔型刃20の孔型にH形鋼1を貫通させるためには、孔型とH形鋼1との間に通材のための隙間が必要であり、該孔型の大きさはH形鋼のフランジ107、ウェブ108(図1参照)の厚みより大きくしておく必要がある。
【0003】
また、実際の圧延時、同一の公称寸法の圧延において、H形鋼のフランジ厚、ウェブ厚、ウェブ高さの公差内の寸法変動があり、同一公称寸法として圧延されたH形鋼を同一の刃物で切断するためには、刃物に形成する孔型の大きさを前記圧延により生ずる寸法変動の分だけ更に大きくしておく必要がある。
【0004】
しかしながら、刃物の孔型とH形鋼との間に大きな隙間がある場合、移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させてH形鋼を剪断するため、H形鋼のウェブとフランジの付け根の部分に刃物が当たらない部分が生じ、その部分のH形鋼の端面は、剪断面のない破断面のみの切断となってしまい、H形鋼の切断面に変形が生じてしまう。
【0005】
また、H形鋼のフランジ部の切断は、一方はフランジの外側から、他方はフランジの内側から切断が開始されるが、この場合、切断されるH形鋼の一方のフランジの外側から他方のフランジの内側までの寸法は、刃物の孔型寸法の方が小さい。そのため、外側から切断が開始される側のフランジが、内側から切断が開始される側のフランジよりも先に切断が開始され、H形鋼の一方のフランジは移動刃により、他方のフランジは固定刃により、それぞれ外側から圧縮を受けることになり、その結果、H形鋼のウェブの切断面に湾曲が生じてしまう。このような切断面の変形は、H形鋼の公差内寸法の変動が大きく、また、孔型とH形鋼の隙間を大きくする必要がある熱間圧延H形鋼の方が、溶接軽量H形鋼よりも生じやすい。
【0006】
これを回避するためには、同一公称寸法のH形鋼についても、製造する圧延ロッド毎のH形鋼の寸法に対して適正な隙間を持つ孔型で形成された刃物を多種類準備しておき、製造する圧延ロッド毎のH形鋼に刃物を使い分ける必要がある。その結果、公差内寸法の変動に対して適正な隙間をもつ刃物を数種類、常時準備しておかなければならず、刃物の費用が形鋼製造コストを押し上げ、実用的な技術ではなかった。
一方、前記の課題を解決することを目的として、同一公称寸法のH形鋼の圧延における圧延ロッド毎のH形鋼の寸法変動に対して、適正な孔型の隙間を調整可能とし、即ち、刃物を取り替えることなく同一の刃物で切断すると共にH形鋼の切断面の変形を小さくする技術が特開平11−285915号公報に開示されている。
【0007】
この概要は、図20に示す固定刃7と図21に示す移動刃8からなり、固定刃7は、刃物の孔型の一部分を分割し、H形鋼のウェブ高さ方向にスライドする上下の刃物受け18のそれぞれに第1の孔型刃20aと第2の孔型刃21aを水平方向に摺動自在に設け、押し下げ片15で斜め方向にスライドする移動刃8には、孔型刃20にH形鋼との間の隙間を第2の孔型刃19aをライナー19bで適宜調整可能とすることにより、良好な切断面を得ることを目的としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平11−285915号公報に開示されている固定刃7のスライダー方式による孔型隙間調整機構では、スライドさせる上下の刃物受け18は、第1の孔型刃20a及び第2の孔型刃21aからの大きな切断反力を支持しなければならないため、刃物受け18の構造は側壁の厚みが大きくなる。この側壁の厚み部分とは、剪断時、H形鋼のウェブ部に全く刃が当たらない範囲であり、それにより、その箇所は、剪断面のない破断面のみの切断面となり切断面品質が悪くなる。
【0009】
また、第2の孔型刃19aのライナー19bによる孔型調整機構では、調整側のフランジ孔型の隙間が、一方のフランジの外側から他方のフランジの内側までの寸法の公差内変動相当の、必要以上の大きさとなってしまい、そのため、H形鋼のウェブとフランジの付け根の部分の刃物が当たらない範囲が拡がり、この部分の切断面の変形が大きくなってしまう。
【0010】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、同一公称寸法の形鋼であれば、圧延ロッド間で形鋼の寸法が変動していても、同一の刃物で良好な切断面を得られる形鋼剪断用の金型及びこの金型における孔型刃の位置調整方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の形鋼剪断用の金型は、形鋼の断面形状に合わせた孔型をそれぞれ有する固定刃と移動刃とからなり、前記移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させることにより形鋼を剪断する形鋼剪断用の金型において、前記固定刃と移動刃の構成を、取付枠の内部に刃物受けを設け、該刃物受けの内部に孔型刃を設け、該孔型刃を形鋼のウェブ高さ方向に2分割すると共に、孔型のフランジ厚に相当する部分の幅を可変可能にして前記2分割された孔型刃を位置調整可能としたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明前記形鋼剪断用の金型における孔型刃の位置調整方法は、予め剪断対象の形鋼の形状に合わせて下記の第1及び第2の工程により、第1の工程:各々の孔型刃の位置を形鋼のフランジ厚の両側に同じ隙間を形成する如く位置決めする工程、第2の工程:前記位置決めされた各々の孔型刃、の位置を保持すべく刃物受けと各々の孔型刃の端面との隙間を固定する工程により各々の孔型刃の位置を調整・保持することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の形鋼剪断用の金型は、形鋼の断面形状に合わせた孔型をそれぞれ有する固定刃と移動刃とからなり、前記移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させることにより形鋼を剪断する形鋼剪断用の金型において、前記固定刃と移動刃の構成を、取付枠の内部に、刃物受けを設け、該刃物受けの内部に孔型刃を設け、該孔型刃を形鋼のウェブ高さ方向に2分割すると共に、2分割した孔型刃を更に、それぞれ、形鋼のフランジ外面に相当する部分の孔型を形成するパーツと、形鋼のフランジ内面部分の孔型を形成する上下のパーツとに分割し、孔型のフランジ厚およびウェブ厚に相当する部分の幅を可変可能にして前記6分割の孔型を位置調整可能としたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の前記6分割の孔形を位置調整可能とした形鋼剪断用の金型における孔型刃の位置調整方法は、予め剪断対象の形鋼の形状に合わせて、第1の工程:各々の孔型刃の位置を形鋼のフランジ厚の両側に同じ隙間を形成する如く位置決めする工程、第2の工程:各々の孔型刃の位置を形鋼のウェブ厚の両側に同じ隙間を形成する如く位置決めする工程、第3の工程:前記位置決めされた各々の孔型刃の位置を保持すべく刃物受けと各々の孔型刃の端面との隙間を固定する工程により、各々の孔型刃の位置を調整・保持することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
同一公称寸法の形鋼を同じ刃物で剪断する場合、刃物の孔型と形鋼との隙間を大きく取らなければならない。つまり、孔型に形成するフランジ部の隙間は、フランジ厚の公差内変動分とウェブ高さの公差内変動分の両方を加味した隙間にする必要があるからである。例えばH形鋼の場合について、以下に説明する。
【0016】
図1は、同一呼称のH形鋼の断面図を示す。同図に示すように、点線で示す左側のフランジに対して、フランジ外側の隙間はHmaxとHminの差△Hに通材に必要な隙間を加えた隙間を、フランジ内側の隙間はLmaxとLminの差△Lを、それぞれ設けなければならない。この△H、△Lの隙間は、形鋼の公差内寸法変動のために設ける隙間で、本来通材に必要な隙間という観点から見ると無駄な隙間である。特に、熱間圧延形鋼の場合、公差内寸法変動が大きいため、この無駄な隙間が大きい。この無駄な隙間があるため、剪断後の切断断面の変形が生じてしまう結果となる。そこで、この形鋼の△L、△Hの寸法変動を、刃物の側で調整することができれば、刃物孔型の隙間を本来通材に必要な隙間のみにすることができ、良好な切断面品質を得ることができる。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、実施例1を除き、実施例2以降で図示説明するものは全て移動刃であり、同一部材には同一符号を付しその説明は省略し、また、固定刃は移動機構を除いて移動刃と同じ構造であるため、その説明は省略する。
【0018】
実施例1
図2は本発明のH形鋼剪断用の金型を示し、(a)は固定刃、(b)は固定刃に相対する移動刃を示す正面縦断面図である。
【0019】
本発明のH形鋼剪断用の金型は、固定刃7と移動刃8とにより、一組の形鋼剪断用の金型が構成される。
【0020】
まず、図2(a)に示す固定刃7の構成を説明する。取付け枠13は、べースプレート10にサイドカバー11が取り付けられ、サイドカバーにトップカバー12が取り付けられて構成される。取付け枠13の内部には、口形状の内部空間を有する刃物受け18が設けられている。
【0021】
刃物受け18の内部には、H形鋼1のウェブ高さ方向に2分割された第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22が設けられている。両孔型刃21と22の間隙には位置調整手段として第1及び第2の位置決めライナー27及び28が設けられ、位置決めライナー27及び28の増減により、分割されている第1及び第2の孔型刃21及び22をH形鋼のウェブ高さ方向に位置を調整可能にすることができる。
【0022】
位置決め後の第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22と刃物受け18の内面との間隙に、それぞれ位置保持手段として、第1の位置保持ライナー31及び第2の位置保持ライナー32を挿入することにより、刃物受け18内で、両孔型刃21及び22の位置を保持することができる。
【0023】
続いて、図2(b)に示す移動刃8の構成を説明する。べースプレート10、サイドカバー11及びトップカバー12により形成された取付け枠13の内部に設けられた刃物受け18の内部には、H形鋼1のウェブ高さ方向に2分割された第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22が設けられている。14は案内片、15は押下げ片、16は押圧片であって、押圧片16は復元機構17により通常は、図中左側に押し付けられ、刃物受け18の図中右下部を支承している。
【0024】
かかる構成において、H形鋼剪断時の移動刃8の動作について説明する。
【0025】
ノッカー6の下降により、刃物受け18の上部に形成されている押下げ片15は、下方に押し下げられそれにより刃物受け18は、二つの案内片14でガイドされつつ押圧片16を図中右方向に押し戻しながら図中右下方向に移動する。このように、刃物受け18の図中右下方向への移動により、移動刃8として作用する。
【0026】
次に、2分割に配置されている第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22の位置調整の仕方について説明する。図3は、前記本発明のH形鋼剪断用の金型の正面図であり、第1の実施の形態を示す図2(a)及び(b)の孔型刃21及び第2の孔型刃22の拡大図を示す。
【0027】
図3において、実際の圧延により製造されたH形鋼において、一方のフランジ107の外側から他方のフランジ107の内側までの寸法Lが最大(=Lmax)のH形鋼(点線で示す)を切断する場合は、第2の孔型刃22の位置を実線で示す位置に調整する。また、寸法Lが最小(=Lmin)のH形鋼(細線で示す)を切断する場合には、第2の孔型刃22の位置を一点鎖線で示す位置に調整する。寸法Lがその中間の材料を切断する場合は、第2の孔型刃22の位置を中間の△Lが0となる位置に調整する。
【0028】
実施例2
図4は、図2(b)で説明した第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22の位置決め後の位置保持に使用する位置保持ライナー31及び32の代案を示す図である。
【0029】
図4において、刃物受け18にセットボルト33を螺合させ、このセットボルト33の押し込みにより、両孔型刃21及び22の位置を保持することができる。なお、セットボルト33での位置決め後、ナット34の締め付けにより位置を固定する。第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22とセットボルト33の先端部とは、接合する必要はなく面タッチでよい。
【0030】
実施例3
図5は、図2(b)で説明した第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22の位置決め後に使用する位置保持用のライナー31及び32の代案であり、刃物受け18にセットボルト33を螺合させ、このセットボルト33の先端部に、第1の位置保持ウェッジ35及び第2の位置保持ウェッジ36を接合し、このセットボルト33の進退により、両孔型刃21,22の位置を保持することができる。なお、セットボルト33での位置決め後は、ナット34の締め付けにより位置を固定する。
【0031】
実施例4
図6、図7及び図8は、図2(b)で説明した第1及び第2の孔型刃21及び22の位置決め用に使用する位置決め用のライナー27及び28に代えて位置決めウェッジを使用した例を示す図である。
【0032】
第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22の上下部に共通する傾斜状の凹部109を形成し、凹部109に第1及び第2の位置決めウェッジ38及び39を挟み、ねじ機構110によってウェッジ38及び39を出し入れするような構造にしている。なお、第1の孔型刃21及び第2の孔型刃22の位置決め後の位置保持の構造については、それぞれ図6は図2の(b)と、図7は図4と、図8は図5と同じであり、その説明は省略する。
【0033】
実施例5
図9は、本発明のH形鋼剪断用の金型を複数に分割した例を示す正面図である。 図9において、前記第1の実施例の形態で説明したH形鋼のウェブ高さ方向に2分割した孔型刃をそれぞれH形鋼のフランジ外面に相当する部分の孔型を形成するパーツである第5の孔型刃105及び第6の孔型刃106と、H形鋼のフランジ内面及びウェブ部分の孔型を形成する上のパーツである第1の孔型刃101及び第2の孔型刃102と、同様に下のパーツである第3の孔型刃103及び第4の孔型刃104からなる合計6つパーツにより孔型刃が構成される。
【0034】
また、それぞれのパーツのウェブ高さを形成する方向に位置決め用のライナー27及び28、位置保持用のライナー31及び32、及びフランジ幅を形成する方向に位置決め用のライナー29及び30をそれぞれ配設して、H形鋼の孔型を形成させるように構成する。
【0035】
次に、前記の各種ライナー27,28,29,30,31及び32の設定の仕方について説明する。ライナー32の厚みは、材料の左側の孔型の幅がフランジ厚みに、通材に必要な隙間2〜3ミリを加えた値になるようにセットする。ライナー31の厚みは、材料の右側の孔型の幅がフランジ厚みに、通材に必要な隙間を加えた値になるようにセットする。
【0036】
図3に示す△Lの寸法変動は、既にライナー27及び28の位置調整により0になっているので、フランジ部の材料と孔型の隙間は、材料の通材に必要な隙間2〜3ミリのみとなる。更にライナー29及び30の厚みを、刃物のウェブを形成する孔型が材料のウェブ厚に通材に必要な隙間2〜3ミリを加えた値になるようにそれぞれセットする。
【0037】
形鋼剪断用の金型の移動刃、固定刃及びライナーをこのように構成することにより、同一公称寸法のH形鋼の圧延における圧延ロッド毎のH形鋼の寸法変動に対して、適正な孔型の隙間を調整可能とし、即ち、刃物を取り替えることなく同一の孔型刃での隙間を本来通材に必要な隙間のみ、例えば、2〜3ミリ程度にすることができ、良好な切断面品質を得ることができる。
【0038】
図10は、図9で説明した第1〜第6の孔型刃101〜106の位置決め後に使用する位置保持用のライナー31及び32の代案であり、図4で説明したように、刃物受け18にセットボルト33を螺合させ、このセットボルト33の押し込み及びナット34の締め付けにより両孔型刃の位置を保持するものである。
【0039】
図11は、図9で説明した第1〜第6の孔型刃101〜106の位置決め後に使用する位置保持用のライナー31及び32の代案であり、図5で説明したように、刃物受け18にセットボルト33を螺合させ、このセットボルト33の先端部に、第1及び第2の位置保持ウェッジ35及び36を接合し、このセットボルト33の進退により、両孔型刃の位置を保持するものである。
【0040】
図12、図13及び図14は、図9で説明した第1〜第6の孔型刃の位置決め用に使用する位置決め用のライナー27及び28の代案であり、その構成は、図6、図7及び図8で説明したように、第1〜第4の孔型刃の上下部に共通する傾斜状の凹部109を形成し、該凹部に第1及び第2の位置決めウェッジ35及び36を挟み、ねじ機構110によってウェッジ35及び36を出し入れするような構造にしている。なお、位置決め後の第1〜第6の孔型刃の位置保持構造については、ぞれぞれ図12は図6と、図13は図7と、図14は図8と同じであり、その説明は省略する。
【0041】
実施例6
図15は、本発明のH形鋼剪断用の金型の別の分割例を示す正面図である。
【0042】
図15において、H形鋼の向きが実施例1〜5と90度転回し、横向きとなっている。
【0043】
本実施例の孔型刃は、フランジ外面に相当する部分の孔型を形成するパーツである第5の孔型刃105及び第6の孔型刃106と、H形鋼のフランジ内面及びウェブ部分の孔型を形成する右のパーツである第1の孔型刃101及び第2の孔型刃102と、同様に左のパーツである第3の孔型刃103及び第4の孔型刃104からなる合計6つパーツにより孔型刃が構成される。
【0044】
それぞれのパーツのウェブ高さを形成する方向に位置決め用のライナー27、28,29,30、及び第1の位置保持用ウエッジ35及び第2の位置保持用ウエッジ36をそれぞれ配設しボルト33及びナット34で孔型刃を固定して孔型を形成させるように構成する。
【0045】
この構造の金型は、H形鋼製造時の材料の向きと一致している溶接H形鋼の切断に適している。
【0046】
実施例7
以上前記の実施例においては、本発明の形鋼剪断用の適用金型として、H形鋼を用いて、説明したが、本発明の金型の適用する形鋼としては、これに限られることはなく、本発明の実施の形態として図16に示すように溝形鋼にも適用できる。
本実施例は、図8に示す実施例の第1の孔型刃21の孔型及び第2の孔型刃22の孔型がH形であるのに対して、溝形である点で相違するだけで、その他の孔型刃の位置決めウェッジ38,39、位置保持ウェッジ35,36の構造は同じである。
【0047】
実施例8
次に、前記H形鋼剪断用の金型において、その実際の適用例をH形鋼用のHシャーを図17を用いて説明する。図17は、H形鋼の高速切断に使用されるHシャーの要部側面図を示す。
【0048】
同図において、1はH形鋼、2はHシャー金型、3は走行制御部、4は剪断駆動部、15は押下片、6はノッカ、7は固定刃、8は移動刃、9は通材の向きをそれぞれ示す。Hシャーは、H形孔刃を有する固定刃7と移動刃8を内蔵するHシャー金型2と、切断作業時にHシャー金型2を待機位置から切断完了位置までH形鋼1の通材速度に同期させて走行させ、切断完了後は待機位置に復帰させる走行制御部3と、走行制御部3にリンクして走行しながらノッカー6で押下片15を打撃することにより移動刃8を瞬間に移動させて切断を実行する剪断駆動部4とを備える。
【0049】
図18は、本発明のH形鋼剪断用の金型を内蔵させたHシャー金型の断面図を示す。
【0050】
同図に示すように、Hシャー金型2はベースプレート10上に上流から順に固定刃7、移動刃8、移動刃8を固定刃7に摺動可能に押し付けるリテナー19を配置し、これらをサイドカバー11及びトップカバー12で保持している。そして、固定刃7の入側にはH形鋼1の進入を案内するフランジガイド112とウェブガイド113とが拡管状に設けられている。
【0051】
かかる構成において、切断作業時には、Hシャー金型2をH形鋼1の通材速度に同期させて走行させながら、図示しないノッカー6で押下片を打撃し、移動刃8を斜め右下方に瞬時に移動させる。これにより、H形鋼1は、両刃物により瞬時に切断される。
【0052】
以上の実施例において、孔型刃の位置を調整する手段として、ライナー、セットボルト、又はウェッジから選ばれる一つ、また、孔型刃の位置を保持する手段として、ライナー、セットボルト、又はウエッジから選ばれる一つとして、説明した。しかしながら、本発明の位置調整・保持の方法においては、前記の実施例に限定されるものではなく、例えば、前記の図7、図8、図13、図14、図16等に記載しているような構成のものにおいては、その位置調整・保持の方法は、予め剪断を対象とする形鋼の形状を検知し、その検知情報に基づきセットボルト、ウェッジ等を図示していないシリンダー、モーター等により自動的に進退することも可能であり、これにより現場における孔型刃の位置の調整方法が、自動化され、省力化が可能となる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、同一の刃物で孔型の隙間を本来通材に必要な隙間、例えば2〜3ミリのみに調整することができ、同一公称寸法で圧延された形鋼であれば、ロッド間で寸法が変動していても、同一の刃物で良好な切断面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 同一公称寸法で実際に圧延されたH形鋼の寸法変動を示す図である。
【図2】 本発明のH形鋼剪断用の金型を示し、(a)は固定刃、(b)は移動刃を示す縦断面図である。
【図3】 本発明のH形鋼剪断用の金型の拡大正面図である。
【図4】 位置保持用のセットボルトを使用した例を示す正面図である。
【図5】 位置保持用のウェッジを使用した例を示す正面図である。
【図6】 位置決めウェッジを使用した例を示す正面図である。
【図7】 位置決めウェッジを使用した例を示す正面図である。
【図8】 位置決めウェッジを使用した例を示す正面図である。
【図9】 本発明のH形鋼剪断用の金型を複数に分割した例を示す正面図である。
【図10】実施例5の位置保持用のライナーを示すを正面図である。
【図11】実施例5の位置保持用のウェッジを示すを正面図である。
【図12】実施例5の金型位置決め用のウェッジを示す正面図である。
【図13】実施例5の金型位置決め用のウェッジを示す正面図である。
【図14】実施例5の金型位置決め用のウェッジを示す正面図である。
【図15】本発明の横向きのH形鋼剪断用の金型を示す正面図である。
【図16】本発明の溝形鋼剪断用の金型を示す正面図である。
【図17】本発明の金型を適用したHシャーの要部側面図である。
【図18】本発明のHシャー金型の側面図である。
【図19】従来のH形鋼剪断用の移動金型を示す正面図である。
【図20】従来のH形鋼剪断用の固定刃を示す正面図である。
【図21】従来のH形鋼剪断用の移動刃を示す正面図である。
【符号の説明】
1.H形鋼 2.Hシャー金型 3.走行制御部 4.剪断駆動部
5.ハンマ6.ノッカー 7.固定刃 8.移動刃 9.通材の向き
10.べースプレート 11.サイドカバー 12.トップカバー
13.取付け枠 14.案内片 15.押下げ片 16.押圧片
17.復元機構 18.刃物受け 19.リテナー 19a.第2の孔型刃
19b.ライナー 20.孔型刃 20a.第1の孔型刃
21a.第2の孔型刃 21.第1の孔型刃 22.第2の孔型刃
27.第1の位置決めライナー 28.第2の位置決めライナー
29.第3の位置決めライナー 30.第4の位置決めライナー
31.第1の位置保持ライナー 32.第2の位置保持ライナー
33.セットボルト 34.ナット 35.第1の位置保持ウェッジ
36.第2の位置保持ウェッジ 38.第1の位置決めウェッジ
39.第2の位置決めウェッジ 101.第1の孔型刃
102.第2の孔型刃 103.第3の孔型刃 104.第4の孔型刃
105.第5の孔型刃 106.第6の孔型刃 107.フランジ
108.ウェブ 109.凹部 110.ねじ機構112.フランジガイド
113.ウェブガイド 114.溝形鋼
Claims (7)
- 形鋼の断面形状に合わせた孔型をそれぞれ有する固定刃と移動刃とからなり、前記移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させることにより形鋼を剪断する形鋼剪断用の金型において、前記固定刃と移動刃の構成を、取付枠の内部に刃物受けを設け、該刃物受けの内部に孔型刃を設け、該孔型刃を形鋼のウェブ高さ方向に2分割すると共に、孔型のフランジ厚に相当する部分の幅を可変可能にして前記2分割された孔型刃を位置調整可能としたことを特徴とする形鋼剪断用の金型。
- 分割された孔型刃どうしの隙間に位置調整手段と、分割された一方の孔型刃と刃物受けとの隙間及び他方の孔型刃と刃物受けとの隙間にそれぞれ位置保持手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の形鋼剪断用の金型。
- 位置調整手段をライナーとし、両方の位置保持手段をライナー、セットボルト又はウエッジから選ばれる一つとしたことを特徴とする請求項2記載の形鋼剪断用の金型。
- 位置調整手段をウエッジとし、これに相対する両方の位置保持手段をライナー、セットボルト又はウエッジから選ばれる一つとしたことを特徴とする請求項2記載の形鋼剪断用金型
- 形鋼の断面形状に合わせた孔型をそれぞれ有する固定刃と移動刃とからなり、前記移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させることにより形鋼を剪断する形鋼剪断用の金型において、前記固定刃と移動刃の構成を、取付枠の内部に、刃物受けを設け、該刃物受けの内部に孔型刃を設け、該孔型刃を形鋼のウェブ高さ方向に2分割すると共に、2分割した孔型刃を更に、それぞれ、形鋼のフランジ外面に相当する部分の孔型を形成するパーツと、形鋼のフランジ内面部分の孔型を形成する上下のパーツとに分割し、孔型のフランジ厚およびウェブ厚に相当する部分の幅を可変可能にして前記6分割の孔型を位置調整可能としたことを特徴とする形鋼剪断用の金型。
- 形鋼の断面形状に合わせた孔型をそれぞれ有する固定刃と移動刃とからなり、前記移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させることにより形鋼を剪断する形鋼剪断用の金型において、前記固定刃と移動刃の構成を、取付枠の内部に、刃物受けを設け、該刃物受けの内部に孔製刃を設け、該孔型刃を形鋼のウェブ高さ方向に2分割すると共に、孔型のフランジ厚に相当する部分の幅を可変可能にして前記2分割された孔型刃を位置調整可能とした形鋼剪断用の金型における孔型刃の位置調整方法であって、予め剪断対象の形鋼の形状に合わせて下記の第1及び第2の工程により、各々の孔型刃の位置を調整・保持することを特徴とする形鋼剪断用の金型における孔型刃の位置調整方法。
第1の工程:各々の孔型刃の位置を形鋼のフランジ厚の両側に同じ隙間を形成する如く位置決めする工程
第2の工程:前記位置決めされた各々の孔型刃の位置を保持すべく刃物受けと各々の孔型刃の端面との隙間を固定する工程 - 形鋼の断面形状に合わせた孔型をそれぞれ有する固定刃と移動刃とからなり、前記移動刃を固定刃に対して斜め方向に移動させることにより形鋼を剪断する形鋼剪断用の金型において、前記固定刃と移動刃の構成を、取付枠の内部に、刃物受けを設け、該刃物受けの内部に孔型刃を設け、該孔型刃を形鋼のウェブ高さ方向に2分割すると共に、2分割した孔型刃を更に、それぞれ、形鋼のフランジ外面に相当する部分の孔型を形成するパーーツと、形鋼のフランジ内面部分の孔型を形成する上下のパーツとに分割し、孔型のフランジ厚およびウェブ厚に相当する部分の幅を可変可能にして前記6分割の孔形を位置調整可能とした形鋼剪断用の金型における孔型刃の位置調整方法であって、予め剪断対象の形鋼の形状に合わせて下記の第1〜第3の工程により、各々の孔型刃の位置を調整・保持することを特徴とする形鋼剪断用の金型における孔型刃の位置調整方法。
第1の工程:各々の孔型刃の位置を形鋼のフランジ厚の両側に同じ隙間を形成する如く位置決めする工程
第2の工程:各々の孔型刃の位置を形鋼のウェブ厚の両側に同じ隙間を形成する如く位置決めする工程
第3の工程:前記位置決めされた各々の孔型刃の位置を保持すべく刃物受けと各々の孔型刃の端面との隙間を固定する工程
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