JP3674402B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン回転が直接または間接的に入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置に対して、該装置内の省スペース化を図りつつ、大きな減速比を確保するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、車両の駆動装置の従来技術としては、例えば、特開平11−103503号公報に記載のものがある。これは、一般に、シリアルハイブリッド電気自動車と呼ばれ、エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させるものである。
【0003】
また、他の従来装置としては、例えば、特開平9−226392号公報に開示された図9の如きものがある。これは、一般に、パラレルハイブリッド電気自動車と呼ばれ、例えば、エンジンからの動力の一部、または、このエンジン回転が駆動系を介して入力される発電機を電源とする電動機からの動力が前記駆動系を介して車輪を駆動させるものである。
【0004】
図9は、一般的な駆動装置として、トルクスプリット型パラレルハイブリッド電気自動車のトランスアクスルを例示したスケルトン図である。エンジン1、発電機2および電動機3は第1軸O1 上に配置され、エンジン1および電動機3の間に駆動系41が介在する。駆動系41は、トルクスプリット遊星歯車7、スプロケット組8、チェーン9、平行減速歯車組5および差動歯車6で構成される。
【0005】
エンジン1はトルクスプリット遊星歯車7のキャリア7cに接続され、電動機3はトルクスプリット遊星歯車7のリングギア7rに接続されている。電動機3の電源となる発電機2は、トルクスプリット遊星歯車7のサンギア7sに接続されている。リングギア7rは、スプロケット8aと一体に設けられ、チェーン9を介して、第2軸O2 に設けられたスプロケット8bに係合する。
【0006】
第2軸O2 には、スプロケット8bと共に歯車5aが形成され、この歯車5aは、第3軸O3 に形成された歯車5bと噛合する。また、第3軸O3 には、歯車5bと共に歯車5cが形成され、この歯車5cが第4軸O4 に設けられた差動歯車6のデフケースと一体に回転する歯車5dと噛合する。差動歯車6の2つのサイドギアにはそれぞれ、図示せぬ車輪を駆動させるためのドライブシャフト10a,10bが接続されている。
【0007】
上記駆動装置によれば、エンジン1の回転が駆動系41を介して発電機2に入力され、この発電機2を電源とする電動機3からの動力、または、エンジン1からの動力の一部が駆動系41を介して図示せぬ車輪を駆動させる。この場合、減速比を得るため、トルクスプリット遊星歯車7および平行減速歯車組5によって、第1軸O1 、第2軸O2 、第3軸O3 および第4軸O4 にわたって順次減速していく。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来装置は4軸で構成されるため、多数の歯車および軸受やチェーンが必要となり、重量、スペース、コストの面で不利な構成であった。そこで、こうした問題を解消する方法として、装置を4軸構成から2軸構成に変更する方法が考えられる。
【0009】
ところが、従来装置をそのまま2軸構成とした場合、エンジン1とドライブシャフト10との干渉を防止するため、2軸間の軸間距離を比較的大きく取らざるを得ない。また、この軸間距離では、平行減速歯車組によって大きな減速比を得ようとすると、最低地上高や本ユニットの車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こす恐れがある。
【0010】
従って、現実的には、2軸上の平行減速歯車が大きなものとなり得ず、2軸構成では、平行減速歯車組で大きな減速比を得ることは困難である。
【0011】
本発明の解決すべき課題は、上述の事実に鑑みてなされたものであり、オフセットされた入出力軸の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる車両の駆動装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的のため、第1発明による車両の駆動装置は、エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機、前記電動機、遊星減速歯車機構および第1の歯車を配置して、前記エンジンと前記発電機とを、前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第1の歯車を貫通するシャフトを介して接続すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、前記電動機からの動力は、前記遊星減速歯車機構を経て第1の歯車に入力され、この歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、前記差動機構に出力されることを特徴とするものである。
【0013】
第2発明である車両の駆動装置は、エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機、前記電動機および第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車、遊星減速歯車機構および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、前記電動機からの動力は、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して遊星減速歯車機構に入力され、該遊星減速歯車機構を経て前記差動機構に出力されることを特徴とするものである。
【0014】
第3発明である車両の駆動装置は、第1または第2発明において、前記エンジンおよび前記発電機は、前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第1の歯車から独立したユニットとして配置されることを特徴とするものである。
【0015】
第4発明である車両の駆動装置は、エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車、前記発電機、前記電動機、前記遊星減速歯車機構および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、前記エンジンを、該第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に配した前記発電機に接続し、前記第2軸上に配した前記電動機からの動力は、遊星減速歯車機構を経て前記差動機構に出力されることを特徴とするものである。
【0016】
第5発明である車両の駆動装置は、第4発明において、前記差動機構は、前記発電機および前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第2の歯車を貫通するシャフトを介して前記車輪に接続されるから、上記第4発明の作用効果に加えて、装置内の剛性を高く保つことができる。
【0017】
第6発明である車両の駆動装置は、エンジンからの動力、または、該エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機を電源とする電動機からの動力が前記駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機および前記電動機、トルクスプリット遊星歯車、遊星歯車減速機構および第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、前記エンジンおよび前記電動機を前記トルクスプリット遊星歯車の入力としてそれぞれ接続すると共に、該トルクスプリット遊星歯車の出力として前記発電機および前記遊星歯車減速機構を接続し、前記トルクスプリット遊星歯車から出力された前記エンジンからの動力の一部または電動機からの動力は、前記遊星減速歯車機構を経て前記第1の歯車に出力され、該第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、前記差動機構に出力されることを特徴とするものである。
【0018】
第7発明である車両の駆動装置は、第6発明において、前記エンジンは、前記電動機、前記第1の歯車および前記遊星歯車減速機構を貫通するシャフトを介して前記トルクスプリット遊星歯車に接続されることを特徴とするものである。
【0019】
第8発明である車両の駆動装置は、エンジンからの動力、または、該エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機を電源とする電動機からの動力が前記駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機および前記電動機、トルクスプリット遊星歯車、第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車、遊星減速歯車機構および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、前記エンジンおよび電動機を前記トルクスプリット遊星歯車の入力としてそれぞれ接続すると共に、該トルクスプリット遊星歯車の出力として前記発電機および前記第1の歯車を接続し、前記トルクスプリット遊星歯車から出力された前記エンジンからの動力の一部および電動機からの動力は、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して前記遊星減速歯車機構に入力され、該遊星減速歯車機構を経て前記差動機構に出力されることを特徴とするものである。
【0020】
第9発明である車両の駆動装置は、第8発明において、前記エンジンは、前記発電機および前記第1の歯車を貫通するシャフトを介して前記トルクスプリット遊星歯車に接続され、前記差動機構は、前記遊星減速歯車機構および前記第2の歯車を貫通するシャフトを介して前記車輪に接続されることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の効果】
第1発明による車両の駆動装置では、電動機からの動力は、第1軸上に配した遊星減速歯車機構を経て第1の減速比を与えられた後、遊星減速歯車機構から第1の歯車に入力され、この第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に第2の減速比を与えられた状態で出力される。第1の減速が行われる遊星減速歯車機構は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、リングギアを固定してサンギアからの入力をキャリアに出力する遊星減速歯車機構であれば、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0022】
つまり、第1発明の駆動装置によれば、前記電動機からの動力が、該電動機を配した第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に出力されるため、オフセットされた第1軸および第2軸の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0023】
従って、第1発明によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、第1発明によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0024】
また、第1発明による車両の駆動装置では、前記エンジンが、前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第1の歯車を貫通して前記発電機に接続されるから、上記第1発明の作用効果に加えて、装置内の剛性を高く保つことができる。
【0025】
第2発明による車両の駆動装置では、前記電動機からの動力は、第1軸上に配した第1の歯車に入力され、この第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、第1の減速比r1 が与えられた後、第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した遊星減速歯車機構を経て第2の減速比r2 を与えられて差動機構に出力される。ここで、第2の減速が行われる遊星減速歯車機構は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、リングギアを固定してサンギアからの入力をキャリアに出力する遊星減速歯車機構であれば、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0026】
つまり、第2発明の駆動装置によれば、前記電動機からの動力が、該電動機を配した第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に出力されるため、オフセットされた第1軸および第2軸の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0027】
従って、第2発明によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、第1発明によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0028】
第3発明による車両の駆動装置では、上記第1または第2発明において、前記エンジンおよび前記発電機を、前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第1の歯車から独立したユニットとして配置したから、上記第1発明の作用効果に加えて、組み立て作業性が向上する。
【0029】
第4発明による車両の駆動装置では、エンジンが前記第1の歯車および前記第2の歯車を経て発電機を駆動させ、また、前記電動機からの動力は、前記第2軸上に配した遊星減速歯車機構に入力されて減速比r1 が与えられた後、同軸上に配した差動機構に出力される。ここで、前記遊星減速歯車機構では、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比が得られる。この場合、リングギアを固定してサンギアからの入力をキャリアに出力する遊星減速歯車機構であれば、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0030】
つまり、エンジン1が第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した発電機を駆動させて電気を供給すると共に、上記第1発明と同様、前記電動機からの動力が、該電動機を配した第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に出力されるため、オフセットされた第1軸および第2軸の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0031】
従って、第4発明の駆動装置によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、第4発明によれば、大きな減速比を確保するために、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことがない。
【0032】
第5発明である車両の駆動装置は、第4発明において、前記差動機構は、前記発電機および電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第2の歯車を貫通するシャフトを介して前記車輪に接続されるから、上記第5発明の作用効果に加えて、装置内の剛性を高く保つことができる。
【0033】
第6発明による車両の駆動装置は、エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機を電源とする電動機が前記駆動系を介して車輪を駆動させる場合と、エンジンが前記駆動系を介して車輪を駆動させる場合とに使い分けることができる装置である。
【0034】
まず、電動機からの動力は、トルクスプリット遊星歯車を介して遊星減速歯車機構を経て第1の減速比r1 が与えられた後、遊星減速歯車機構に設けた第1の歯車に入力され、この第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に第2の減速比r2 を与えられた状態で出力される。
【0035】
次にエンジンからの動力は、トルクスプリット遊星歯車を経て第1の減速比r1 が与えられ、続いて、遊星減速歯車機構を経て第2の減速比r2 が与えられた後、遊星減速歯車機構から第1の歯車に入力され、この第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に第3の減速比r3 を与えられた状態で出力される。
【0036】
ここで、前記遊星減速歯車機構は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、特に、前記遊星減速歯車機構がリングギアを固定してサンギアからの入力をキャリアに出力するものであれば、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0037】
つまり、電動機からの動力およびエンジンからの動力の一部が、該電動機を配した第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に出力されるため、オフセットされた第1軸および第2軸の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0038】
従って、第6発明によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、第6発明によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0039】
第7発明による車両の駆動装置では、上記第6発明において、前記エンジンが、前記電動機、前記第1の歯車および前記遊星歯車減速機構を貫通するシャフトを介して前記トルクスプリット遊星歯車に接続されるから、上記第6発明の作用効果に加えて、装置内の剛性を高く保つことができる。
【0040】
第8発明による車両の駆動装置は、エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機を電源とする電動機が前記駆動系を介して車輪を駆動させる場合と、エンジンが前記駆動系を介して車輪を駆動させる場合とに使い分けることができる装置である。
【0041】
まず電動機からの動力は、トルクスプリット遊星歯車を介して第1軸上に配した第1の歯車に入力され、この第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、第1の減速比r1 が与えられた後、第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した遊星減速歯車機構を経て第2の減速比r2 を与えられて差動機構に出力される。
【0042】
次にエンジンからの動力は、トルクスプリット遊星歯車を経て第1の減速比r1 が与えられ、続いて、平行減速歯車組を経て第2の減速比r2 が与えられた後、第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した遊星減速歯車機構に入力され、差動機構に第3の減速比r3 を与えられた状態で出力される。
【0043】
ここで、前記遊星減速歯車機構は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、特に、前記遊星減速歯車機構がリングギアを固定してサンギアからの入力をキャリアに出力するものであれば、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0044】
つまり、第8発明の駆動装置によれば、前記電動機からの動力の一部および前記エンジンからの動力が、該電動機を配した第1軸からオフセット位置の第2軸上に配した差動機構に出力されるため、オフセットされた第1軸および第2軸の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0045】
従って、第8発明によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、第9発明によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0046】
第9発明による車両の駆動装置は、上記第8発明において、前記エンジンが、前記電動機および前記第1の歯車を貫通するシャフトを介して前記トルクスプリット遊星歯車に接続され、前記差動機構は、前記遊星減速歯車機構および前記第2の歯車を貫通するシャフトを介して前記車輪に接続されるから、上記第8発明の作用効果に加えて、装置内の剛性を高く保つことができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0048】
図1は、本発明による第1の実施形態として例示した電気自動車のパワートレーンの断面図であり、図2は、図1に示したパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【0049】
本実施形態は、エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機が駆動系を介して車輪を駆動させる駆動装置である。エンジン1は、第1軸O1 上において、動力源としての電動機3、第1の減速機構としての遊星減速歯車機構4および第2の減速機構としての平行減速歯車組5を構成する一方の小歯車5aを貫通するシャフト2fを介して発電機2に接続される。発電機2は電動機3に対する電源である。
【0050】
遊星減速歯車機構4は、中空シャフト3fに形成されたサンギア4sを入力とし、小歯車5aと一体に取り付けられたキャリア4cを出力とする。キャリア4cは、複数のピニオンギア4pを回転自在に支持される。また、遊星減速歯車機構4は、第1の減速比r1 を与え、サンギア4sに入力された電動機3の回転は、ケース100に固定されたリングギア4rの内周をピニオンギア4pが連れ回されることにより、キャリア4cに出力される。
【0051】
平行減速歯車組5は、第2の減速比r2 を与え、第1軸O1 上に設けられた第1の歯車としての小歯車5aと、第2軸O2 上に設けられた第2の歯車としての大歯車5bとで構成されている。
【0052】
このうち、小歯車5aは、中空シャフト4fを介してキャリア4cに一体に設けられ、この中空シャフト4fにシャフト2fおよび中空シャフト3fを貫通させることにより、エンジン1と、発電機2および電動機3との間に小歯車5aおよび遊星減速歯車機構4を介在させた状態に位置決めする。
【0053】
また、小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bは、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6の外周部に取り付けられている。差動機構6は、左右両側に駆動力を分散させ、左側からドライブシャフト10aを介して車輪11aを駆動させると同時に、右側からドライブシャフト10bを介して車輪11bを駆動させる。
【0054】
即ち、本実施形態における駆動系は、エンジン1を配した第1軸O1 上に、発電機2、電動機3、遊星減速歯車機構4、平行減速歯車組5の小歯車5aを配置すると共に、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に、小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bおよび差動機構6を配置したものである。
【0055】
次に、第1実施形態の作用を説明する。
【0056】
本実施形態は、電動機3からの動力が、第1軸O1 上に配した遊星減速歯車機構4を経て第1の減速比r1 が与えられた後、電動機3と遊星減速歯車機構4との間に配した小歯車5aに入力され、この小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bを介して、第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に第2の減速比r2 を与えられた状態で出力される。ここで、第1の減速が行われる遊星減速歯車機構4は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、遊星減速歯車機構4は、リングギア4rを固定してサンギア4sからの入力をキャリア4cに出力するから、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0057】
つまり、電動機3からの動力は、この電動機3を配した第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に出力されるため、オフセットされた第1軸O1 および第2軸O2 の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0058】
従って、本実施形態によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、本実施形態によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0059】
また、本実施形態では、エンジン1が電動機3、遊星減速歯車機構4および小歯車5aを貫通して発電機2に接続されているから、上記した作用効果に加えて、駆動装置内の剛性を高く保つことができる。
【0060】
図3は、本発明による第2の実施形態として例示した電気自動車のパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。なお、図1,2と同一部分は同一符号をもって説明を省略する。
【0061】
この実施形態は、前述した第1実施形態の他の実施形態であって、エンジン1は、第1軸O1 上において、遊星減速歯車機構4、小歯車5aおよび電動機3を貫通するシャフト2fを介して発電機2に接続され、エンジン1および電動機3と、発電機2との間に遊星減速歯車機構4および小歯車5aを介在させた状態に位置決めするものである。
【0062】
即ち、本実施形態における駆動系は、第1実施形態と同様、エンジン1を配した第1軸O1 上に、発電機2、電動機3、遊星減速歯車機構4、平行減速歯車組5の小歯車5aを配置すると共に、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に、小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bおよび差動機構6を配置したものである。
【0063】
次に、第2実施形態の作用を説明する。
【0064】
本実施形態は、電動機3からの動力が、第1軸O1 上に配した遊星減速歯車機構4を経て第1の減速比r1 が与えられた後、電動機3と遊星減速歯車機構4との間に配した小歯車5aに入力され、この小歯車5aと回転自在に噛み合う他方の大歯車5bを介して、第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に第2の減速比r2 を与えられた状態で出力される。
【0065】
従って、第2実施形態でも、第1実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0066】
図4は、本発明による第3の実施形態として例示した電気自動車のパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。なお、第1,2の実施形態と同一部分は同一符号をもって説明を省略する。
【0067】
本実施形態は、エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機が駆動系を介して車輪を駆動させる駆動装置である。エンジン1は、第1軸O1 上において、シャフト2fを介して発電機2と直結し、電動機3および小歯車5aと独立したユニットを構成する。電動機3はシャフト30fを介して小歯車5aと結合し、第1軸O1 上に設けられた小歯車5aと、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に設けられた大歯車5bとで平行減速歯車組5を構成する。小歯車5aおよび大歯車5bは回転自在に噛み合って、第1の減速比r1 を与える。
【0068】
遊星減速歯車機構4は、大歯車5bと一体に形成された中空シャフト40fに設けたサンギア4sを入力とし、差動機構6に取り付けられたキャリア4cを出力とする。キャリア4cは、複数のピニオンギア4pを回転自在に支持する。また、遊星減速歯車機構4は、第2の減速比r2 を与え、サンギア4sに入力された電動機3からの回転は、ケース100に固定されたリングギア4rの内周をピニオンギア4pが連れ回されることにより、キャリア4cに出力される。
【0069】
また、小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bは、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6の外周部に取り付けられている。差動機構6は、左右両側に駆動力を分散させ、左側からドライブシャフト10aを介して車輪11aを駆動させると同時に、右側からドライブシャフト10bを介して車輪11bを駆動させる。
【0070】
即ち、本実施形態における駆動系は、エンジン1を配した第1軸O1 上に、発電機2、電動機3および小歯車5aを配置すると共に、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に、小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5b、遊星減速歯車機構4および差動機構6を配置したものである。
【0071】
次に、第3実施形態の作用を説明する。
【0072】
本実施形態は、電動機3からの動力が、第1軸O1 上に配した小歯車5aに入力され、この小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bを介して、第1の減速比r1 が与えられた後、第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した遊星減速歯車機構4を経て第2の減速比r2 を与えられて差動機構6に出力される。ここで、第2の減速が行われる遊星減速歯車機構4は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、遊星減速歯車機構4は、リングギア4rを固定してサンギア4sからの入力をキャリア4cに出力するから、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0073】
つまり、電動機3からの動力は、第1,2実施形態と同様、電動機3を配した第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に出力されるため、オフセットされた第1軸O1 および第2軸O2 の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0074】
従って、本実施形態によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、本実施形態によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0075】
また、本実施形態では、エンジン1および発電機2を、電動機3、遊星減速歯車機構4、平行減速歯車組5および差動機構6から独立したユニットとして配置したから、上記作用効果に加えて、組み立て作業性が向上する。
【0076】
なお、エンジン1および発電機2を独立ユニットとする実施形態は、第1,2実施形態に採用することも可能である。
【0077】
図5は、第1,2実施形態の変形例であって、電動機3、遊星減速歯車機構4および小歯車5aを第1軸O1 上に配した実施形態に対し、エンジン1および発電機2を、電動機3、遊星減速歯車機構4、平行減速歯車組5および差動機構6から独立したユニットとして配置した第4実施形態である。この場合の組み立て作業性に関しても、独立ユニットは有効である。
【0078】
図6は、本発明による第5の実施形態として例示した電気自動車のパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。なお、第1〜3の実施形態と同一部分は同一符号をもって説明を省略する。
【0079】
本実施形態は、エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機が駆動系を介して車輪を駆動させる駆動装置である。エンジン1は、第1軸O1 上において、第1の歯車50aと結合し、この第1の歯車50aと、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に設けられた歯車50bとが回転自在に噛み合っている。歯車50bには発電機2が一体に設けられている。また、第2軸O2 上には、電動機3および遊星減速歯車機構4が設けられている。
【0080】
遊星減速歯車機構4は、電動機3と一体に形成された中空シャフト3fに設けたサンギア4sを入力とし、差動機構6に取り付けられたキャリア4cを出力とする。キャリア4cは、複数のピニオンギア4pを回転自在に支持する。また、遊星減速歯車機構4は、減速比r1 を与え、サンギア4sに入力された電動機3からの回転は、ケース100に固定されたリングギア4rの内周をピニオンギア4pが連れ回されることにより、キャリア4cに出力される。この場合、遊星減速歯車機構4は、リングギア4rを固定してサンギア4sからの入力をキャリア4cに出力するから、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0081】
差動機構6は、左右両側に駆動力を分散させ、発電機2および電動機3、遊星減速歯車機構4および第2の歯車50bを貫通するドライブシャフト10aを介して車輪11aに接続されることにより、左側からドライブシャフト10aを介して車輪11aを駆動させると同時に、右側からドライブシャフト10bを介して車輪11bを駆動させる。
【0082】
即ち、本実施形態における駆動系は、エンジン1を配した第1軸O1 上に、第1の歯車50aを配置すると共に、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に、第1の歯車50aと回転自在に噛み合う第2の歯車50b、発電機2、電動機3、遊星減速歯車機構4および差動機構6を配置したものである。
【0083】
次に、第5実施形態の作用を説明する。
【0084】
本実施形態は、エンジン1が第1の歯車50aおよび第2の歯車50bを経て第2軸O2 上に配した発電機2を駆動させ、また、電動機3からの動力は、第2軸O2 上に配した遊星減速歯車機構4に入力されて減速比r1 が与えられた後、同軸上に配した差動機構6に出力される。
【0085】
つまり、第1軸O1 上に配したエンジン1が第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した発電機2を駆動させて電気を供給すると共に、第2軸O2 上に配した電動機3からの動力が、第2軸O2 上に配した遊星減速歯車機構4を介して差動機構6に出力されるため、オフセットされた第1軸O1 および第2軸O2 の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0086】
従って、本実施形態によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、本実施形態によれば、大きな減速比を確保するために、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことがない。
【0087】
また、本実施形態では、差動機構6が、第2の歯車50b、発電機2、電動機3および遊星減速歯車機構4を貫通するドライブシャフト10aを介して車輪11aに接続されているから、上記した作用効果に加えて、駆動装置内の剛性を高く保つことができる。
【0088】
図7は、本発明による第6の実施形態として例示した電気自動車のパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。なお、第1〜3の実施形態と同一部分は同一符号をもって説明を省略する。
【0089】
本実施形態は、エンジン1からの動力、または、このエンジン1の回転が駆動系を介して入力される発電機2を電源とする電動機3からの動力が前記駆動系を介して車輪6を駆動させる駆動装置である。エンジン1を配した第1軸O1 上には、電動機3、トルクスプリット遊星歯車7、第1の減速機構としての遊星減速歯車機構4、第2の減速機構としての平行減速歯車組5を構成する小歯車5aおよび発電機2が配置されている。
【0090】
トルクスプリット遊星歯車7は、エンジン1をシャフト1fを介してキャリア7cに接続すると共に、電動機3をシャフト30fを介してリングギア7rに接続してそれぞれを入力とし、また、サンギア7sを中空シャフト20fを介して発電機2に接続すると共に、リングギア7rを中空シャフト7fを介して遊星減速歯車機構4のサンギア4sに接続してそれぞれを出力とする。
【0091】
遊星減速歯車機構4は、中空シャフト7fに形成されたサンギア4sを入力とし、小歯車5aと一体に取り付けられたキャリア4cを出力とする。キャリア4cは、複数のピニオンギア4pを回転自在に支持される。また、遊星減速歯車機構4は、第1の減速比r1 を与え、サンギア4sに入力された電動機3からの回転は、ケース100に固定されたリングギア4rの内周をピニオンギア4pが連れ回されることにより、キャリア4cに出力される。
【0092】
平行減速歯車組5は、第2の減速比r2 を与え、第1軸O1 上に設けられた小歯車5aと、第2軸O2 上に設けられた大歯車5bとで構成されている。
【0093】
このうち、小歯車5aは、中空シャフト4fを介してキャリア4cに一体に設けられ、この中空シャフト4fにシャフト1f、中空シャフト20fを貫通させることにより、エンジン1、発電機2、遊星減速歯車機構4、トルクスプリット遊星歯車7および電動機3を位置決めする。
【0094】
また、小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bは、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6の外周部に取り付けられている。差動機構6は、左右両側に駆動力を分散させ、左側からドライブシャフト10aを介して車輪11aを駆動させると同時に、右側からドライブシャフト10bを介して車輪11bを駆動させる。
【0095】
即ち、本実施形態における駆動系は、エンジン1を配した第1軸O1 上に、発電機2および電動機3、トルクスプリット遊星歯車7、遊星歯車減速機構4および小歯車5aを配置すると共に、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に、小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bおよび差動機構11を配置したものである。
【0096】
次に、第6実施形態の作用を説明する。
【0097】
本実施形態は、エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機2を電源とする電動機3が前記駆動系を介して車輪11を駆動させる場合と、エンジン1が前記駆動系を介して車輪11を駆動させる場合とに使い分けることができる。
【0098】
まず電動機3からの動力は、トルクスプリット遊星歯車7を介して遊星減速歯車機構4を経て第1の減速比r1 が与えられた後、遊星減速歯車機構4から小歯車5aに入力され、この小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bを介して、第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に第2の減速比r2 を与えられた状態で出力される。
【0099】
次にエンジン1からの動力は、トルクスプリット遊星歯車7を経て第1の減速比r1 が与えられ、続いて、遊星減速歯車機構4を経て第2の減速比r2 が与えられた後、遊星減速歯車機構4から小歯車5aに入力され、この小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bを介して、第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に第3の減速比r3 を与えられた状態で出力される。
【0100】
ここで、遊星減速歯車機構4は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、特に、遊星減速歯車機構4は、リングギア4rを固定してサンギア4sからの入力をキャリア4cに出力するから、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0101】
つまり、電動機3からの動力およびエンジン1からの動力の一部が、電動機3を配した第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に出力されるため、オフセットされた第1軸O1 および第2軸O2 の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0102】
従って、本実施形態によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、本実施形態によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0103】
また、本実施形態では、エンジン1が電動機3、小歯車5aおよび遊星減速歯車機構4を貫通するシャフト1fを介してトルクスプリット遊星歯車7に接続されているから、上記した作用効果に加えて、駆動装置内の剛性を高く保つことができる。
【0104】
図8は、本発明による第7の実施形態として例示した電気自動車のパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。なお、第1〜3の実施形態と同一部分は同一符号をもって説明を省略する。
【0105】
本実施形態は、エンジン1からの動力、または、このエンジン1の回転が駆動系を介して入力される発電機2を電源とする電動機3からの動力が前記駆動系を介して車輪6を駆動させる駆動装置である。エンジン1を配した第1軸O1 上には、電動機3、トルクスプリット遊星歯車7、第2の減速機構としての平行減速歯車組5を構成する小歯車5aおよび発電機2が配置されている。
【0106】
トルクスプリット遊星歯車7は、エンジン1をシャフト1fを介してキャリア7cに接続すると共に、電動機3をシャフト30fを介してリングギア7rに接続してそれぞれを入力とし、また、サンギア7sを中空シャフト20fを介して発電機2に接続すると共に、リングギア7rを中空シャフト7fを介して小歯車5aに接続してそれぞれを出力とする。
【0107】
平行減速歯車組5は、第2の減速比r2 を与え、第1軸O1 上に設けられた小歯車5aと、第2軸O2 上に設けられた大歯車5bとで構成されている。
【0108】
このうち、小歯車5aは、中空シャフト7fを介してリングギア7rに一体に設けられ、この中空シャフト7fにシャフト1f、中空シャフト20fを貫通させることにより、エンジン1、発電機2、小歯車5aおよび電動機3を位置決めする。
【0109】
遊星減速歯車機構4は、大歯車5bと一体に形成された中空シャフト40fに設けたサンギア4sを入力とし、差動機構6に取り付けられたキャリア4cを出力とする。キャリア4cは、複数のピニオンギア4pを回転自在に支持する。また、遊星減速歯車機構4は、第2の減速比r2 を与え、サンギア4sに入力された電動機3からの回転は、ケース100に固定されたリングギア4rの内周をピニオンギア4pが連れ回されることにより、キャリア4cに出力される。
【0110】
差動機構6は、左右両側に駆動力を分散させ、左側からドライブシャフト10aを介して車輪11aを駆動させると同時に、右側からドライブシャフト10bを介して車輪11bを駆動させる。
【0111】
つまり、本実施形態における駆動系は、エンジン1を配した第1軸O1 上に、発電機2、小歯車5a、トルクスプリット遊星歯車7および電動機3を配置すると共に、第1軸O1 とオフセット位置の第2軸O2 上に、大歯車5b、遊星減速歯車機構4および差動機構6を配置したものである。
【0112】
次に、第7実施形態の作用を説明する。
【0113】
本実施形態は、エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機2を電源とする電動機3が前記駆動系を介して車輪11を駆動させる場合と、エンジン1が前記駆動系を介して車輪11を駆動させる場合とに使い分けることができる。
【0114】
まず電動機3からの動力は、トルクスプリット遊星歯車7を介して第1軸O上に配した小歯車5aに入力され、この小歯車5aと回転自在に噛み合う大歯車5bを介して、第1の減速比r1 が与えられた後、第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した遊星減速歯車機構4を経て第2の減速比r2 を与えられて差動機構6に出力される。
【0115】
次にエンジン1からの動力は、トルクスプリット遊星歯車7を経て第1の減速比r1 が与えられ、続いて、平行減速歯車組5を経て第2の減速比r2 が与えられた後、第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した遊星減速歯車機構4に入力され、差動機構6に第3の減速比r3 を与えられた状態で出力される。
【0116】
ここで、遊星減速歯車機構4は、一般に、コンパクトな構成で大きな減速比を得られる。この場合、特に、遊星減速歯車機構4は、リングギア4rを固定してサンギア4sからの入力をキャリア4cに出力するから、最も大きな減速比を得ることができて有効である。
【0117】
つまり、エンジン1からの動力の一部および電動機3からの動力は、電動機3を配した第1軸O1 からオフセット位置の第2軸O2 上に配した差動機構6に出力されるため、オフセットされた第1軸O1 および第2軸O2 の2軸で駆動装置を構成しつつ、大きな減速比を確保することができる。
【0118】
従って、本実施形態によれば、多数の歯車および軸受やチェーンが不要となるため、重量、スペース、コストの面で有効である。加えて、本実施形態によれば、最低地上高や本装置の車両前後方向にあるステアリングラックなどと干渉を起こすことなく、大きな減速比を得ることができる。
【0119】
また、本実施形態では、エンジン1が、発電機2および小歯車5aを貫通するシャフト1fを介してトルクスプリット遊星歯車7に接続され、差動機構6は、遊星減速歯車機構4および大歯車5bを貫通するドライブシャフト10aを介して車輪11に接続されるから、上記した作用効果に加えて、駆動装置内の剛性を高く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明である車両の駆動装置の第1の実施形態を示した電気自動車のパワートレーンの断面図である。
【図2】 同実施形態におけるパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【図3】 第2の実施形態におけるパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【図4】 第3の実施形態におけるパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【図5】 第4の実施形態におけるパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【図6】 第5の実施形態におけるパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【図7】 第6の実施形態におけるパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【図8】 第7の実施形態におけるパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【図9】 従来技術である車両の駆動装置を例示した電気自動車のパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。
【符号の説明】
1 エンジン
1f シャフト
2 発電機
3 電動機
3f 中空シャフト
4 遊星減速歯車機構
4c キャリア
4f 中空シャフト
4p ピニオンギア
4s サンギア
4r リングギア
5 平行減速歯車組
5a 小歯車(第1の歯車)
5b 大歯車(第2の歯車)
7 トルクスプリット遊星歯車
7c キャリア
7p ピニオンギア
7s サンギア
7r リングギア
7f 中空シャフト
20f 中空シャフト
30f シャフト
40f シャフト
41 駆動系
50 平行歯車組
50a,50b 歯車
6 差動機構
10a,10b ドライブシャフト
11a,11b 車輪
100 ケース
O1 第1軸
O2 第2軸
Claims (9)
- エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、
前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機、前記電動機、遊星減速歯車機構および第1の歯車を配置して、前記エンジンと前記発電機とを、前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第1の歯車を貫通するシャフトを介して接続すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、
前記電動機からの動力は、前記遊星減速歯車機構を経て前記第1の歯車に入力され、この歯車と回転自在に噛み合う前記第2の歯車を介して、前記差動機構に出力されることを特徴とする車両の駆動装置。 - エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、
前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機、前記電動機および第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車、遊星減速歯車機構および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、
前記電動機からの動力は、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う前記第2の歯車を介して前記遊星減速歯車機構に入力され、該遊星減速歯車機構を経て前記差動機構に出力されることを特徴とする車両の駆動装置。 - 請求項1または2において、前記エンジンおよび前記発電機は、前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第1の歯車から独立したユニットとして配置されることを特徴とする車両の駆動装置。
- エンジン回転が入力される発電機を電源とする電動機からの動力が駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、
前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車、前記発電機、前記電動機、遊星減速歯車機構および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、
前記エンジンを、該第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車を介して、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に配した前記発電機に接続し、前記第2軸上に配した前記電動機からの動力は、前記遊星減速歯車機構を経て前記差動機構に出力されることを特徴とする車両の駆動装置。 - 請求項4において、前記差動機構は、前記発電機および前記電動機、前記遊星減速歯車機構および前記第2の歯車を貫通するシャフトを介して前記車輪に接続されることを特徴とする車両の駆動装置。
- エンジンからの動力、または、該エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機を電源とする電動機からの動力が前記駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、
前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機および前記電動機、トルクスプリット遊星歯車、遊星歯車減速機構および第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、
前記エンジンおよび前記電動機を前記トルクスプリット遊星歯車の入力としてそれぞれ接続すると共に、該トルクスプリット遊星歯車の出力として前記発電機および前記遊星歯車減速機構を接続し、前記トルクスプリット遊星歯車から出力された前記エンジンからの動力の一部または前記電動機からの動力は、前記遊星減速歯車機構を経て前記第1の歯車に出力され、該第1の歯車と回転自在に噛み合う前記第2の歯車を介して、前記差動機構に出力されることを特徴とする車両の駆動装置。 - 請求項6において、前記エンジンは、前記電動機、前記第1の歯車および前記遊星歯車減速機構を貫通するシャフトを介して前記トルクスプリット遊星歯車に接続されることを特徴とする車両の駆動装置。
- エンジンからの動力、または、該エンジン回転が駆動系を介して入力される発電機を電源とする電動機からの動力が前記駆動系を介して車輪を駆動させる車両の駆動装置において、
前記駆動系は、前記エンジンを配した第1軸上に、前記発電機および前記電動機、トルクスプリット遊星歯車、第1の歯車を配置すると共に、前記第1軸とオフセット位置の第2軸上に、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う第2の歯車、遊星減速歯車機構および車輪に駆動力を分配する差動機構を配置し、
前記エンジンおよび電動機を前記トルクスプリット遊星歯車の入力としてそれぞれ接続すると共に、該トルクスプリット遊星歯車の出力として前記発電機および前記第1の歯車を接続し、前記トルクスプリット遊星歯車から出力された前記エンジンからの動力の一部および電動機からの動力は、前記第1の歯車と回転自在に噛み合う前記第2の歯車を介して前記遊星減速歯車機構に入力され、該遊星減速歯車機構を経て前記差動機構に出力されることを特徴とする車両の駆動装置。 - 請求項8において、前記エンジンは、前記発電機および前記第1の歯車を貫通するシャフトを介して前記トルクスプリット遊星歯車に接続され、前記差動機構は、前記遊星減速歯車機構および前記第2の歯車を貫通するシャフトを介して前記車輪に接続されることを特徴とする車両の駆動装置。
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