JP3676149B2 - 雨水貯留装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雨水貯留装置の改良、より詳しくは、塵埃を多く含む降り始めの初期雨水を排除して、それ以後のきれいな雨水を貯留することができる雨水の貯留装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の屋根や屋上に降った雨水を貯留タンクに貯め、この雨水を生活用水として有効利用することが行なわれている。しかしながら、従来の雨水貯留装置は、屋根に配設された雨樋と貯留タンクとを単に連結したものであり、全ての雨水を貯留タンクに集める構造になっていたため、空気中や屋根面の塵埃を多く含んだ降り始めの初期雨水をもタンクに集めることになり、貯留した雨水が汚れてしまったり、タンク内にすぐに塵埃が溜まって頻繁に清掃しなければならないなどの難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の雨水貯留装置に上記の如き難点があったことに鑑みて為されたものであり、塵埃を多く含んだ降り始めの汚れた初期雨水を排除して、それ以後のきれいな雨水をタンクに貯留することができる、構造簡素で分解容易な雨水貯留装置を提供することを技術的課題とするものである。
【0004】
また、本発明の他の技術的課題は、塵埃を多く含んだ降り始めの汚れた初期雨水を確実に排水路へ排除することができる雨水貯留装置を提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の技術的課題は、貯留タンクが満杯になったときに、余分な雨水を、初期雨水を排除した排水路の方へ流出させることができる雨水貯留装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の技術的課題は、雨水を汚れた初期雨水ときれいな雨水とに分流する分流器を雨樋から取り外して簡単に清掃することができるメンテナンス容易な雨水貯留装置を提供することにある。
【0007】
更にまた、本発明の他の技術的課題は、雨水の貯留量を適宜に増減することができる雨水貯留装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、
雨水が流れる雨樋Gに接続され、内部で排水路11と集水路12とに分岐した分流器1と、この分流器1の集水路12に接続され、雨水を貯留する貯留タンク2とから成る雨水貯留装置であって、
この分流器1は、雨樋Gに接続される導入端部10aの部分を除いて、角形管状に成形された導入路10と、この導入路10の下方で二股に分岐した角形管状の排水路11および集水路12とを備える一方、この分流器1が前記二股に分岐する当該分岐部の下方には前記集水路 12 と排水路 11 とを連通する越流路 16 が形成されて前記貯留タンク2が満杯時の余剰雨水を排水路 11 へ排水可能であり、かつ、この排水路11と集水路12とに分岐する当該分流器1の内面には集水路12へ向けて突出した分流凸部13が形成されていると共に、この分流凸部13の上方には当該分流凸部13とは反対方向へ相向いに差し向かうごとく突出した整流凸部14を形成して導入端部10aを通じ雨樋Gから流入する雨水が導入路10の前記分流突部 13 と整流突部 14 とを流下するように構成することにより、
分水器1に流れ込む雨水量が小さくて整流凸部14および分流凸部13を流下する雨水W1 の水位が低いときには、当該雨水W1 が分流凸部13の端縁から排水路11へ流れ込ませることによって排水させ、
分水器1に流れ込む雨水量が大きくなり整流凸部14および分流凸部13を流下する雨水W2 の水位が高くなったときには、当該雨水W2 が流下慣性を得て勢いよく集水路12に注ぎ込むことによって集水できるように構成した点に特徴がある。
【0009】
また、本発明は上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加えて、排水路11と集水路12とに分岐する当該導入路10の雨水流路を挟む路壁内面に、排水路11側の側端部15aが低くて集水路12側の側端部15bが高い傾斜状の誘導凸部15が形成するという技術的手段を採用した。
【0010】
【0011】
また、本発明は上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、分流器1が合成樹脂にて一体成形されており、雨樋Gに対し着脱自在に構成されているという技術的手段を採用した。
【0012】
更にまた、本発明は上記課題を解決するために必要に応じて上記手段に加え、複数の貯留タンク2が分離可能に連結されているという技術的手段を採用したのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る雨水貯留装置を添付図面に示す実施形態に基いて詳しく説明する。なお、図1は本実施形態の雨水貯留装置の全体側面図、図2は同雨水貯留装置の分流器の全体斜視図、図3は図2中のA−A線断面図、図4は図2中のB−B線断面図、図5及び図6は同雨水貯留装置の分流器が雨水を分流する様子を示す断面模式図、図7は同雨水貯留装置の分流器が貯留タンクの余分な雨水を排水路へ越流させる様子を示す断面模式図である。
【0014】
本実施形態の雨水貯留装置は、図1に示すように、建物Hの屋根に降った雨水を集水する周知の雨樋G・G′の途中に接続された分流器1と、この分流器1に接続された貯留タンク2とから構成されている。
【0015】
本実施形態の分流器1は、図2に示すように、中空成形法によりポリエチレン樹脂で一体成形されており、雨樋Gから雨水を導入する角形管状の導入路10と、この導入路10の下方で二股に分岐した角形管状の排水路11および集水路12とから構成されている。この分流器1の導入路10の端部10aには上方の雨樋Gが着脱自在に接続され、排水路11の端部11aには下方の雨樋G′が着脱自在に接続され、集水路12の端部12aには後述する貯留タンク2が着脱自在に接続されるのである。
【0016】
この分流器1の内面には、図2及び図5に示すように、排水路11と集水路12との分岐部分に、集水路12の方へ差し懸かるごとく突出した分流凸部13が形成されていると共に、この分流凸部13の上方には、当該分流凸部13とは反対方向へ相向いに差し向かうごとく突出した整流凸部14が形成されている。なお、図中、符号13a・14aで指示するものは、これら分流凸部13および整流凸部14の各々を補強するために分流器1の導入路外面に形成した凹陥リブであり、これら凹陥リブ13a・14aの導入路内面側が分流凸部13と整流凸部14とを形成している。
【0017】
また、この分流器1の内面の分岐部には、図2及び図3に示すように、排水路11と集水路12とに分岐する当該導入路10の雨水流路を挟む路壁内面に、排水路11側の側端部15aが低くて集水路12側の側端部15bが高い傾斜状の誘導凸部15が形成されている。この誘導凸部15によって、分岐部の側面を伝う初期雨水を排水路11方向へ誘導するのである。なお、本実施形態では、分流器1の分流凸部13を挟む角形管状の導入路10の内壁面両側に、互いに対向するごとく誘導凸部15・15が形成してある。
【0018】
更にまた、この分流器1の分岐部の下方には、図2及び図5に示すように、集水路12と排水路11とを連通する越流路16が形成されていると共に、この越流路16の内側面には、図2及び図4に示すように、互いに対向し合う計二対の鉛直棒状の補助凸部17・17、18・18が形成されている。これら補助凸部17・17、18・18によって、汚れた初期雨水が越流路16の内側面を伝って集水路12側へ流れるのを防ぐと共に、きれいな雨水が越流路16の内側面を伝って排水路11側へ流れるのを防ぐのである。
【0019】
一方、本実施形態の貯留タンク2は、中空成形法によってポリエチレン樹脂で一体成形されて箱型に構成されており、図1に示すように、タンク本体の両側には各々、上下一対の連結口20・20…が突設されていて、隣り合う貯留タンク2・2の連結口20・20・…同士が連結管3によって分離可能に連結されている。このように、本実施形態の雨水貯留装置は、必要に応じて、複数の貯留タンク2を連結して雨水貯留量を適宜に増減することができるのである。なお、この貯留タンク2の連結口20には、図示しないフィルタが装着されており、タンク内へのゴミの流入や蚊等の侵入を防いでいる。
【0020】
また、この貯留タンク2の底部には、水抜栓21が設けられていて、タンク内の貯留雨水を完全に抜くことができる。このことにより貯留タンク2内に溜まったゴミや塵埃を簡単に取り除くことができ、冬期間の貯留雨水の凍結を防止する。なお、図中、符号22で指示するものは、タンク上部に設けられた上部栓であり、符号23で指示するものは、槽内の水位を目視するためのタンク内と連通した水位計であり、符号24で指示するものは、最端の貯留タンク2の連結口20に取り付けられた取水コックである。
【0021】
しかして、本実施形態の雨水貯留装置は、雨樋Gに接続した分流器1によって塵埃を多く含んだ降り始めの初期雨水を排除して、それ以後のきれいな雨水を貯留タンク2に貯留し、そして、この貯留タンク2が満杯になったときには余分な雨水を排水路へ流出させるのである。
【0022】
つまり、降り始めの初期雨水は、一般的に、その降雨強度(mm/時)が小さく、分流器1の導入路10に流入する雨水流量も小さいので(例えば、1リットル/分以下)、図5に示すように、初期雨水W1 は整流凸部14で整流されて下方に位置する分流凸部13の先端寄りに流れ落ち当該分流凸部を低い水位で流下して分流凸部13の端縁から排水路11へ流れ落ち、当該排水路11を流下して雨樋G′へ排水される。こうして、塵埃を多く含んだ降り始めの汚れた初期雨水W1 は排水路11を通じて排水されるのである。なお、このとき分岐部の側面を伝って集水路12側へ流れ込もうとする初期雨水は、誘導凸部15・15によっても排水路11方向へ誘導されるので、初期雨水W1 は確実に排水路11へ排水されるのである。
【0023】
これに対し、雨が本降りになって導入路10を流れる雨水流量が大きくなると(例えば、1リットル/分以上)、図6に示すように、この流量の大きい本降り雨水W2 は整流凸部14を流下して分流凸部13の根元寄りに流れ落ち、当該分流凸部の斜面を高い水位で滑降して流下慣性を得て勢いよく集水路12に注ぎ込ませることになる。こうして、初期雨水の後のきれいになった本降り雨水W2 は集水路12を通じて貯留タンク2に貯められる。なお、このとき、越流路16の内壁面に形成された補助凸部18・18の誘導作用により、きれいな本降り雨水W2 が当該越流路16を通じて排水路11側へ漏れてしまうこともない。
【0024】
そして、貯留タンク2に雨水が貯められてこの貯留タンク2が満杯になったときには、図7に示すように、タンクを溢れた余分な雨水W3 は、分流器1の越流路16を通じて排水路11へ排水できるのである。
【0025】
このように、本実施形態の雨水貯留装置は、分流器1によって塵埃を多く含んだ初期雨水とそれ以後のきれいな雨水とをその流量差を利用して分流することができるので、従来品の如く、塵埃を多く含み、酸性度も高めの初期雨水によってタンク内に貯留している雨水が汚れてしまうような不都合もなく、またタンク内にすぐに塵埃が溜まって頻繁に清掃しなければならないなどの難点もない。
【0026】
また、この分流器1には、排水路11と集水路12との分岐部に、排水路11側の側端部15aが下がり、集水路12側の側端部15bが上がった誘導凸部15が形成されているので、この分岐部の側面を伝って集水路12側へ流れ込もうとする初期雨水を排水路11方向へ誘導することができ、雨水流量が小さい初期雨水を確実に排水路11へ排除することができる。
【0027】
また、この分流器1には、集水路12と排水路11とを連通する越流路16が設けられているので、貯留タンク2が満杯になったときの余分な雨水を、初期雨水を排水するための排水路11を利用して流出させることができ、貯留タンク2には何らの排水機構も付加する必要がない。したがって、貯留タンク2の構造をその分、簡素化することができ、安価な雨水貯留装置を提供することが可能なのである。
【0028】
また、本実施形態の雨水貯留装置は、分流器1及び貯留タンク2が構造簡素で合成樹脂にて一体成形されており、しかも、分流器1を雨樋から簡単に取り外すことができると共に、分流器1と貯留タンク2とも簡単に分離することができるので、これらの清掃を容易に行うことができ、メンテナンスも頗る容易である。
【0029】
更にまた、本実施形態の雨水貯留装置にあっては、貯留タンク2同士を連結することができるので、必要に応じて、複数の貯留タンク2を連結して雨水貯留量を適宜に増減することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上、実施形態をもって説明したとおり、本発明に係る雨水貯留装置にあっては、分流器内面の分流凸部によって、塵埃を多く含んだ初期雨水とそれ以後のきれいな雨水とをその流量差を利用して分流することができるので、従来品の如く塵埃を多く含み、酸性度も高めの初期雨水によってタンク内に貯留している雨水が汚れてしまうような不都合もなく、またタンク内にすぐに塵埃が溜まって頻繁に清掃しなければならない難点もない。
【0031】
また、この分流器には、排水路と集水路との分岐部に、排水路側の側端部が下がり、集水路側の側端部が上がった誘導凸部が形成されているので、この分岐部の側面を伝って集水路側へ流れ込もうとする初期雨水を排水路方向へ誘導することができ、雨水流量が小さい初期雨水を確実に排水路へ排除することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の雨水貯留装置の全体側面図である。
【図2】 同雨水貯留装置の分流器の全体斜視図である。
【図3】 図2中のA−A線断面図である。
【図4】 図2中のB−B線断面図である。
【図5】 同雨水貯留装置の分流器が雨水を分流する様子を示す断面模式図である。
【図6】 同雨水貯留装置の分流器が雨水を分流する様子を示す断面模式図である。
【図7】 同雨水貯留装置の分流器が貯留タンクの余分な雨水を排水路へ越流させる様子を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 分流器
11 排水路
12 集水路
13 分流凸部
13a (分流凸部の)凹陥リブ
14 整流凸部
14a (整流凸部の)凹陥リブ
15 誘導凸部
15a (誘導凸部15の排水路11側の)側端部
15b (誘導凸部15の集水路12側の)側端部
16 越流路
2 貯留タンク
G・G′ 雨樋
W1 ・W2 雨水
Claims (4)
- 雨水が流れる雨樋に接続され、内部で排水路と集水路とに分岐した分流器と、この分流器の集水路に接続され、雨水を貯留する貯留タンクとから成る雨水貯留装置であって、この分流器は、雨樋に接続される導入端部の部分を除いて、角形管状に成形された導入路と、この導入路の下方で二股に分岐した角形管状の排水路および集水路とを備える一方、この分流器が前記二股に分岐する当該分岐部の下方には前記集水路と排水路とを連通する越流路が形成されて前記貯留タンクが満杯時の余剰雨水を排水路へ排水可能であり、かつ、この排水路と集水路とに分岐する当該分流器の内面には集水路へ向けて突出した分流凸部が形成されていると共に、この分流凸部の上方には当該分流凸部とは反対方向へ相向いに差し向かうごとく突出した整流凸部を形成して導入端部を通じ雨樋から流入する雨水が導入路の前記分流凸部と整流凸部とを流下するように構成することにより、分水器に流れ込む雨水量が小さくて整流凸部および分流凸部を流下する雨水の水位が低いときには、当該雨水が分流凸部の端縁から排水路へ流れ込ませることによって排水させ、分水器に流れ込む雨水量が大きくなり整流凸部および分流凸部を流下する雨水の水位が高くなったときには、当該雨水が流下慣性を得て勢いよく集水路に注ぎ込むことによって集水可能にしたことを特徴とする雨水貯留装置。
- 排水路と集水路とに分岐する当該導入路の雨水流路を挟む路壁内面に、排水路側の側端部が低くて集水路側の側端部が高い傾斜状の誘導凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の雨水貯留装置。
- 分流器が合成樹脂にて一体成形されており、雨樋に対し着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の雨水貯留装置。
- 複数の貯留タンクが分離可能に連結されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の雨水貯留装置。
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