JP3676938B2 - カラーエレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 - Google Patents
カラーエレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子とカラーフィルタとが組合わされて構成されるフィルタ方式のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以後「EL」と略称する)表示装置は、マトリクス表示が可能な薄形の表示装置である。前記EL表示装置は、概略的には、基板上に複数のEL素子が並べられて構成される。前記各EL素子は、一対の電極間にEL発光層を介在させてそれぞれ構成され、前記EL表示装置の画素として働く。前記一対の電極間に交流電圧が印加された場合、前記EL発光層が電界発光(Electroluminescence)を起こし、この結果前記EL発光層から光が放射される。
【0003】
モノクロ表示が可能な従来のEL表示装置として、いわゆる黄色モノクローム薄膜ELパネルが実用化されている。前記従来のモノクロEL表示装置は、一対の電極のうちの基板に近いほうの電極、すなわちいわゆる下部電極が、透明な導電体材料からなる薄膜片であり、一対の電極のうちの基板から遠いほうの電極、すなわちいわゆる上部電極、が金属材料からなり光を反射可能な薄膜片であり、かつ、前記発光層がいわゆるZnS:Mnからなる薄膜片である。この結果前記EL発光層から放射された光は、前記下部電極および前記基板を通過した後に、前記EL表示装置の外に放射される。
【0004】
近年いわゆる情報産業の発達に伴い、カラー表示が可能な薄形の表示装置の需要が高まっている。このためカラー表示が可能なEL表示装置として、並置方式、積層方式、二重基板方式、およびフィルタ方式のカラーEL表示装置が開発されている。並置方式のカラーEL表示装置は、発光層から放射された光の波長が相互に異なる複数種類のEL素子を、基板表面に平行に、並べて構成される。積層方式のカラーEL表示素子は、発光層から放射された光の波長が相互に異なる複数種類のEL素子を、基板表面に対して垂直な方向に、相互に積層して構成される。二重基板方式のカラーEL表示装置は、発光層から放射された光の波長が相互に異なる複数種類のEL素子を、複数枚の基板表面にそれぞれ配置し、かつ配置後の基板を重ね合わせて構成される。
【0005】
フィルタ方式のカラーEL表示装置は、発光層から放射された光の波長が相互に等しい1種類の複数個のEL素子を、基板表面に平行に配置し、かつ該配置後の基板と予め定める色の波長の光だけをそれぞれ通過可能な複数種類のカラーフィルタとを組合わせて構成される。各EL素子から放射される単一色の光は、該各EL素子に対応して配置される各カラーフィルタによってそれぞれ分光されるので、カラーEL表示装置全体として、複数種類の色の光を得る。フィルタ方式のカラーEL表示装置は、全てのEL素子の発光層から放射される光の波長を相互に等しくすることができるため、該全てのEL素子の発光層を相互に同じ構成にすることができる。この結果前記フィルタ方式のカラーEL表示装置は、他の方式のカラーEL表示装置よりも、EL素子の製造プロセスが簡単である。これによって前記フィルタ方式のカラーEL表示装置は製造しやすく、かつ該装置の製造コストが他の方式のカラーEL表示装置の製造コストよりも低くなる。ゆえに近年、カラーEL表示装置に、フィルタ方式が採用されることが多い。
【0006】
このようなフィルタ方式のカラーEL表示装置は、EL素子とカラーフィルタとの間の間隙に起因する視角依存性、すなわちいわゆる色ずれの発生が問題点になっている。前記視角依存性の解消のために、従来技術のフィルタ方式のカラーEL表示装置は、EL素子とカラーフィルタの間に何も介在させず、かつ、該EL素子と該カラーフィルタとをできるだけ接近させている。
【0007】
上述の構成の前記カラーEL表示装置は、製造工程中に前記EL素子と前記カラーフィルタとの位置合わせを行う際に、該EL素子と該カラーフィルタとが接触して傷を生じることがある。また前記EL素子は交流電圧印加時に該EL素子の厚さ方向に伸縮を繰返す性質があるため、前記カラーEL表示装置の使用中に、前記EL素子と前記カラーフィルタとが部分的に接触することがある。これによって前記カラーEL表示装置は、いわゆる絶縁破壊に起因する画素欠け、および電極の断線破壊に起因する線状欠陥を生じさせることがある。上述の2つの問題点を解決するために、本件出願人は以下の構造のフィルタ方式のカラーEL表示装置を提案している。
【0008】
前記カラーEL表示装置は、透光性を有する第1基板の一方面に複数のEL素子を配置し、透光性を有する第2基板の一方面にカラーフィルタを配置し、かつ、該第1基板の他方面に形成された凹部に前記カラーフィルタを介して該第2基板を貼付けて、構成される。また前記第1基板の凹部は、EL素子製造時には形成されておらず、EL素子製造後、前記第2基板の貼付けに先立ち、形成される。この結果前記第1基板の厚さは、EL素子製造時には予め定める基準厚さよりも厚く、EL素子製造後に、基準厚さになるまで掘込まれる。このような構造のカラーEL表示装置は、該装置内の前記第1基板および前記EL素子を含む部材の構造が、従来のモノクロームEL表示装置の構造とほぼ同一であるため、該モノクロームEL表示装置が備えている特徴、すなわち長寿命、高速応答および広い動作温度範囲を備えているので、信頼性が高くなっている。
【0009】
上述の構造のカラーEL表示装置において、該装置内の第1および第2基板の貼合わせ時点における前記第1基板内の凹部の厚さは、該第1基板の凹部以外の部分、たとえば第1基板の周辺部の厚さよりも薄い。このため前記カラーEL表示装置内の、前記第1基板の凹部と第2基板の端部とが接する部分(以後「近接部分」と称することがある)の機械的強度が、該装置内の他の部分よりも弱くなっている。このため、カラーEL表示装置の製造工程内の前記カラーフィルタ取付け後の工程の実行中に、またはカラーEL表示装置完成後に該装置が取扱われている最中に、前記第1基板の前記近接部分に比較的大きな応力が加わる場合、該第1基板が前記近接部分から割れやすい。このため本件出願人は、前記接する部分の破損を防止するために、第1基板の凹部と第2基板との間の堀状の間隙に比較的硬い樹脂を充填している。前記樹脂はたとえばエポキシ樹脂である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の構造のカラーEL表示装置が、前記堀状の間隙に比較的硬い樹脂から形成される樹脂層が設けられている構造である場合、前記第1基板と樹脂層の熱膨張係数に差があることがある。前記場合、前記樹脂層の形成工程中において、前記樹脂が硬化する際に、樹脂層に体積収縮が起こることがある。これらのことに起因し、前記カラーEL表示装置の信頼性試験を行ったならば、該装置内の前記近接部分から前記第1基板に亀裂が生じている。前記信頼性試験は、カラーEL表示装置の重要な特徴である信頼性の高さを確保するために必要不可欠の試験であり、具体的には、冷熱サイクル試験、振動試験、衝撃試験を含む。
【0011】
また前記カラーEL表示装置の製造工程において、前記堀状の間隙に充填された樹脂が硬化して樹脂層になる過程で、該樹脂の体積収縮に起因して、前記第1基板に前記近接部分から亀裂が入り、この結果該装置が破壊されることがある。このように前記構造のカラーEL表示装置は、歩留まりが低下しやすい。さらにまた前記カラーEL表示装置の製造工程において、前記樹脂層の具体的な製造工程は、以下のとおりである。カラーフィルタ取付け後、前記第1および第2基板の間隙の周辺部が、たとえばマスキングテープを用いてマスクされ、マスク完成後に前記間隙に樹脂が流込まれ、流込み後に、流込まれた樹脂の表面をへらなどの工具によって均し、かつ該樹脂の余剰分を除去する。さらに樹脂加工後、樹脂が半乾きの状態になるまで、該状態になった時点で前記マスキングテープを剥がし、該樹脂が完全に硬化するまで待つ。以上の工程で前記樹脂層が形成されるので、該樹脂層の形成に極めて手間がかかる。この結果、このような構造のカラーEL表示装置の製造コストが他の構造のカラーEL表示装置よりも増加し、かつ単位期間当たりのカラーEL表示装置の製造量が他の構造のカラーEL表示装置よりも減少しやすい。
【0012】
本発明の目的は、カラーEL表示装置の強度を補強しつつ信頼性試験時の装置破壊を防止することができ、かつ製造時の歩留まりを従来よりも向上させることが可能な構造のカラーEL表示装置およびその製造方法を提供することである。また本発明の目的は、前記樹脂層の製造工程を簡略化することができる構造のカラーEL表示装置を提供することである。さらにまた本発明の目的は、製造コストを従来のカラーEL表示装置よりも低下させ、かつ大量生産が可能な構造のカラーEL表示装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、透光性を有し、かつ一方面に凹部が形成された第1基板と、
前記第1基板の他方面に配置される複数のエレクトロルミネッセンス素子と、透光性を有し、かつ前記第1基板の凹部の第1基板の一方面と平行な断面の面積よりも一方面の面積が小さい第2基板と、
前記第2基板の一方面と前記第1基板の凹部の底面との間に配置され、予め定める波長の光がそれぞれ通過可能な複数のカラーフィルタと、
前記第1基板の凹部と前記第2基板との間の間隙を埋める充填層とを含み、
前記充填層は、可撓性のある材料で形成されることを特徴とするカラーエレクトロルミネッセンス表示装置である。
【0014】
第1の発明に従えば、カラーEL表示装置は上述の構成を有する。すなわち前記充填層は、カラーEL表示装置の補強のためのものであり、かつ可撓性を有する。この結果前記充填層は、前記カラーEL表示装置の製造時および信頼性試験時に、第1基板内の第2基板端部と近接する部分(以後「近接部分」と称することがある)における歪みを分散吸収することができるので、該近接部分に生じる応力の一局集中が未然に防止される。したがって前記充填層は、カラーEL表示装置を補強しつつ、製造時および信頼性試験時における該装置の破損を未然に防止することができる。したがって上述の構成のカラーEL表示装置は、該装置を含む製品使用時の該製品の信頼性を、従来技術の構成のカラーEL表示装置よりも向上させることができる。
【0015】
第2の発明のカラーEL表示装置は、前記充填層は、前記第1基板よりも柔軟な弾性体であることを特徴とする。
【0016】
第2の発明に従えば、該発明のカラーEL表示装置は、第1の発明のカラーEL表示装置と同じ構成を有し、かつ充填層の硬度が上述の範囲内から選ばれている。これは以下の理由からである。前記第2の発明のカラーEL表示装置が人の手で押された状況下で、該装置に0kg/cm2 より大きく2kg/cm2 以下の範囲内の力が加わることが、実験的に判明している。前記範囲内の力が前記カラーEL表示装置に加えられる場合、充填層の硬度が5以上50以下の硬度範囲の値であるならば、前記第1基板が割れることが防止される。ゆえに前記場合、充填層の硬度が上述の硬度範囲内の値であるならば、人がカラーEL表示装置を押すことに起因する該装置内の第1基板の割れが、未然に防止される。
【0017】
第3の発明のカラーEL表示装置は、前記充填層の硬度は、5以上50以下に選ばれることを特徴とする。
【0018】
第3の発明に従えば、該発明のカラーEL表示装置は、第1の発明のカラーEL表示装置と同じ構成を有し、かつ充填層が上述の構成になっている。すなわち前記充填層の材料の硬度は第1基板の硬度よりも小さいことが好ましい。この結果第3の発明のカラーEL表示装置の製造時、信頼性試験時、および製品化後の取扱い時に、比較的大きな応力が該表示装置の前記間隙に加えられたために前記充填層が変形した場合、該充填層は変形前の形状に容易に戻ることができ、かつ第1基板が前記近接部分から割れることが防止される。これによって前記カラーEL表示装置の歩留りが向上し、かつ該装置の製品化後の信頼性が向上する。
【0019】
第4の発明のカラーEL表示装置は、前記充填層の材料は、遮光性をさらに有することを特徴とする。
【0020】
第4の発明に従えば、該発明のカラーEL表示装置は、第1の発明のカラーEL表示装置と同じ構成を有し、かつ充填層が可撓性の他に遮光性をさらに有する構成になっている。この結果前記第4の発明のカラーEL表示装置において、前記第2基板の端面が遮光性のある充填層で覆われるので、該端面から該第2基板内部に外光が入込むことが防止される。これによって第2基板の他方面、すなわち前記カラーEL表示装置の表示面から外光が射出することが防止される。したがって前記カラーEL表示装置の視認性が外光に起因して悪化することが防止されるので、外光に起因する該表示装置の表示品位の低下が防止される。またこの結果前記第4の発明のカラーEL表示装置において、第2基板の端面が遮光性のある充填層で覆われるので、前記EL素子からの光が前記第2基板の端面で反射した後に該第2基板の他方面から射出することが防止される。したがって前記カラーEL表示装置の視認性が前記端面における反射光および散乱光に起因して悪化することが防止されるので、該反射光および散乱光に起因する該表示装置の表示品位の低下が防止される。
【0021】
第5の発明のカラーEL表示装置は、前記充填層の材料の熱分解温度は、前記カラーエレクトロルミネッセンス素子が発光する場合の前記カラーエレクトロルミネッセンス装置全体の温度よりも高いことを特徴とする。
【0022】
第5の発明に従えば、該発明のカラーEL表示装置は、第1の発明のカラーEL表示装置と同じ構成を有し、かつ充填層の材料の熱分解温度が上述の温度になっている。この結果前記第5の発明のカラーEL表示装置において、該表示装置の駆動に伴う装置温度の変化、および該表示装置の周囲の温度変化に伴う装置温度の変化に伴い、前記充填層が変質および変形することが防止される。したがって前記カラーEL表示装置は、装置温度の変化に伴う該装置全体の強度の低下を、未然に防止することができる。
【0023】
第6の発明のカラーEL表示装置は、前記充填層の材料は、シリコーンゴム系の樹脂を主成分とすることを特徴とする。
【0024】
第6の発明に従えば、該発明のカラーEL表示装置は、第1の発明のカラーEL表示装置と同じ構成を有し、かつ充填層がシリコーンゴム系の樹脂を主成分とする材料で形成される。なお本明細書において、「樹脂」とは、いわゆるゴムおよびいわゆるプラスチックを含む概念であるとする。シリコーンゴム系の樹脂を主成分とする材料は、一般的に、比較的広い温度範囲内において性質が安定しており、かつ耐熱性、耐候性、耐寒性、および耐薬品性に優れ、さらに衛生面において安全性がある。この結果前述の材料によって形成された充填層は、他の成分を主成分とする材料によって形成された充填層よりも、信頼性を長期にわたって向上することができるので、充填層の性質の経年変化に伴いカラーEL表示装置の信頼性が容易に損なわれることを、防止することができる。またシリコーンゴム系の樹脂を主成分とする材料によって充填層が形成される場合、前記カラーEL表示装置の製造工程の作業性が、他の材料を用いる場合よりも向上される。
【0025】
第7の発明のカラーEL表示装置は、前記充填層は、磁性物質をさらに含むことを特徴とする。
【0026】
第7の発明に従えば、該発明のカラーEL表示装置は、第1の発明のカラーEL表示装置と同じ構成を有し、かつ充填層が磁性物質をさらに含む構成になっている。この結果第7の発明のカラーEL表示装置の製造時に、該装置を金属製の治具に容易に固定することができるので、作業性が向上される。また前記カラーEL表示装置の製品化のために、該表示装置の表示面の周囲の部分、すなわち第2基板の他方面の周囲の部分に金属製のフレームが取付けられる場合、該表示装置と該フレームとを容易に密着して固定することができる。この結果前記カラーEL表示装置を含む製品において、該表示装置とフレームとの間に隙間が空くことに起因する不良を防止することができるので、該製品の歩留りが防止される。
【0027】
第8の発明のカラーEL表示装置は、前記充填層の材料は、前記間隙に充填される前の時点において流動性を有し、前記間隙に充填された後に硬化することを特徴とする。
【0028】
第8の発明に従えば、該発明のカラーEL表示装置は、第1の発明のカラーEL表示装置と同じ構成を有し、かつ充填層の材料が、硬化前の状態において、流動性を有する構成になっている。この結果第8の発明のカラーEL表示装置の製造時に、前記間隙内に充填された材料内に気泡が入ることが防止されるので、充填層内に混入した気泡に起因する充填層の部分的な強度劣化、すなわちいわゆる補強むらの発生を防止することができる。また前記間隙内に前記材料が充填された後、該材料の硬化前に該材料表面をへらでならした場合、該表面を滑らかにすることが容易にできるので、該間隙内の該材料の充填むらを容易に無くすことができる。これらの理由に基づき前記充填層は、前記カラーEL表示装置を均一に補強することができる。
【0029】
第9の発明は、透光性を有する平板状の第1基板の一方面に、複数のエレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、
エレクトロルミネッセンス素子形成後の第1基板の他方面に、凹部を形成する工程と、
透光性を有する第2基板の一方面に、予め定める波長の光が通過可能な複数のカラーフィルタを形成する工程と、
前記第1基板の凹部の底面と第2基板とを、少なくとも前記カラーフィルタを挟んで対向させた状態で組合わせる工程と、
前記第1基板の凹部と前記第2基板との間の間隙に、可撓性のある材料を充填する工程とを含むことを特徴とするカラーエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法である。
【0030】
第9の発明に従えば、前記製造方法で製造されるカラーEL表示装置の構成は、第1の発明のカラーEL表示装置の構成と等しい。前記製造方法において、第1基板の凹部は、EL素子の形成後に形成される。この結果EL素子の形成工程中に、第1基板にそりが生じることが防止される。また前記凹部が形成されることによって、完成したカラーEL表示装置内のEL素子およびカラーフィルタとの間隔が、凹部がない場合よりも狭くなるので、該場合よりも視野角が広がる。さらに充填層に可撓性があるので、第1の発明と同じ理由に基づき、製造時および信頼性試験時における該装置の破損を未然に防止することができる。したがって上述の製造方法は、カラーEL表示装置の歩留りを従来技術の製造方法よりも向上させ、かつ該装置を含む製品使用時の該製品の信頼性を、従来技術の製造方法で製造されたカラーEL表示装置よりも向上させることができる。
【0031】
第10の発明のカラーEL表示装置の製造方法は、前記充填層の材料は、前記間隙に充填される前の時点において流動性を有し、前記間隙内の予め定める位置に予め定める量だけ滴下され、前記間隙に充填された後に硬化することを特徴とする。
【0032】
第10の発明に従えば、前記製造方法において、充填層の材料は上述の手順で前記間隙内に充填される。これらの結果前記第10の発明の製造方法における充填層の形成工程は、前記間隙の周囲の部分をマスクする工程および前記間隙内に充填された材料をへらで均す工程を省略することができるので、従来技術の充填層の形成工程よりも、工程数が少なくなり、かつマスキングテープ等の使用を取りやめることができる。また前記第10の発明の充填層の形成工程における前記材料の利用効率は、従来技術の充填層の形成工程の前記材料の利用効率よりも向上する。これらの結果第10の発明の製造工程が用いられる場合、カラーEL表示装置の製造コストが、従来技術のカラーEL表示装置の製造コストよりも抑えられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態であるカラーEL表示装置の製造方法によって製造されたカラーEL表示装置1の断面図である。図2は、カラーEL表示装置1の平面図である。図3は、カラーEL表示装置1の底面図である。図1〜図3を合わせて説明する。
【0034】
カラーEL表示装置(以後、「表示装置」と略称することがある)1は、パネル部材3と、フィルタ側部材4とを含む。パネル部材3は、主基板5、素子部6、およびシール部7を含む。フィルタ側部材4は、フィルタ部8および対向基板9を含む。素子部6は、複数の下部電極11、1枚の下部絶縁層12、単一の発光層13、1枚の上部絶縁層14、および複数の上部電極15を含む。シール部7は、シール用基板17と、保護物質層18とを含む。フィルタ部8は、1または複数の赤用フィルタ21R、1または複数の緑用フィルタ21G、および遮光フィルタ23を含む。本明細書では、赤および緑用フィルタ21R,21Gを「色フィルタ21」と総称することがある。
【0035】
主基板5は、透光性を有する絶縁性材料の略板状の部材である。素子部6は、主基板5の一方面31上に配置される。各下部電極11および各上部電極15は帯状の膜片である。全下部電極11、下部絶縁層12、発光層13、上部絶縁層14、および全上部電極15は、主基板5の一方面31上に、この順で該一方面31に近いほうから順に積層されている。全ての下部電極11は、主基板5の一方面31上に相互に平行に並べられており、かつ、各下部電極11は、隣にある他の下部電極11との間に、予め定める幅の間隙をそれぞれあけている。全ての上部電極15は、上部絶縁層14の表面上に相互に平行に並べられており、かつ、各上部電極15は、隣にある他の上部電極15との間に、予め定める幅の間隙をそれぞれあけている。各下部電極11の長手方向と各上部電極15の長手方向とは、主基板5の一方面31の法線方向32から見て、直交している。すなわち素子部6の構造は、いわゆる単純マトリクス構造である。
【0036】
素子部6内で、各下部電極11と各上部電極15とが法線方向32から見て交差する部分が、それぞれEL素子33になる。この結果全てのEL素子33は、主基板5の一方面31上に、行列状に配置される。各EL素子33は、いわゆる二重絶縁構造の薄膜EL素子である。主基板5の法線方向32から見て、全てのEL素子33が配置されている領域を、画素領域34と称する。
【0037】
主基板5の他方面36には、凹部37が形成されている。凹部37の内部空間はたとえば略直方体であり、該凹部37の底面38は画素領域34を含む。主基板5の画素領域34に相当する部分(以後「画素部分」と称することがある)の厚さ、すなわち凹部37の底面38の少なくとも一部分と主基板5の一方面31との間の厚さは、予め定める基準厚さWCである。主基板5の周縁部は、主基板113の初期の厚さWDを保ち、基準厚さWCよりも厚い。基準厚さWCは、一般的なカラーEL表示装置内のEL素子が形成される基板の厚さよりも薄い。主基板5の凹部37は、後述するように、素子部6とシール部7とが形成される間は形成されておらず、素子部6とシール部7とが形成された後に形成される。
【0038】
シール用基板17の一方面41と主基板5の一方面31とは対向し、かつ両基板17,5の一方面41,31の周辺部は、シール用接着層42を介して貼合わされている。シール用基板17の一方面41には、凹部43が設けられている。シール用基板17の凹部43の内周面はたとえば直方体である。さらにシール用基板17には、凹部43の内部空間に連通する注入孔44が、設けられている。少なくとも注入孔44のシール用基板17の他方面45側の端部は、封止部材46によって封止されている。
【0039】
保護物質層18は、シール用基板17と主基板5との間の間隙、すなわちシール用基板17の凹部43とシール用接着層42と主基板5とからなるシール用セルの内部空間に、保護物質が充填されて形成される。前記保護物質は、たとえば絶縁性の液体で実現される。素子部6は、前記シール用セルの内部空間内に収納されている。したがって前記保護物質は素子部6の表面を覆っている。各下部および各上部電極11,15の端部は、各下部および上部電極11,15の端子として、シール部7の外に露出している。前記保護物質は、湿気に弱いEL素子を保護する役割を担っている。
【0040】
フィルタ側部材4の少なくとも一部分は、主基板5の凹部37内に配置される。フィルタ部8は、主基板5の凹部37の底面38と、対向基板9の一方面51との間に挟まれている。赤および緑用フィルタ21R,21Gは、赤および緑の波長の光だけがそれぞれ通過可能な帯状の膜片である。各下部および各上部電極11,15のうちのいずれか一方は、各色フィルタ21に、1対1でそれぞれ対応する。前記各色フィルタ21は、主基板5の凹部37の底面38の、該各色フィルタ21に対応する前記いずれか一方電極と主基板5を介して向かい合う位置に、透明接着層52を介してそれぞれ配置される。この結果全ての色フィルタ21は、該色フィルタ21の長手方向中心軸線の配列が全ての前記いずれか一方電極の長手方向中心軸線の配列と等しくなるように、主基板5の凹部37の底面38上に配置され、かつ色フィルタ21の長手方向は、前記いずれか一方電極の長手方向と平行である。本実施の形態では、色フィルタ21が上部電極15と同じ配列でかつ平行に配置されるものとする。
【0041】
遮光フィルタ23は、いわゆるブラックマスクであり、隣合う任意の2つの色フィルタ21の間の領域およびフィルタ部8の周縁部に配置される。遮光フィルタ23が設けられることによって、表示装置1のコントラストが遮光フィルタ23を設けないカラーEL表示装置よりも改善されるので、表示装置1の視認性が向上される。
【0042】
対向基板9の一方面51の面積は、主基板5の凹部37の底面38の面積よりも狭い。フィルタ側部材4は、主基板5の凹部37の底面38とフィルタ部8との間に介在される透明接着層52によって、凹部37内に固定される。透明接着層52の硬度は、EL素子33と色フィルタ21と相対位置のずれが防止可能な程度に、選ばれる。この結果EL素子33と色フィルタ21との相対位置のずれが防止されるので、該ずれに起因する表示品位の低下が防止される。さらに充填層53が、主基板5の凹部37の内表面とフィルタ側部材4との間の間隙を埋めている。充填層53は、柔軟性がある材料、すなわち可撓性がある材料で形成されている。充填層53の詳細は後述する。
【0043】
表示装置1を構成する上述の部品のうち、少なくとも、主基板5、対向基板9、下部電極11、下部絶縁層12、および透明接着層52は、透光性を有する。すなわち下部電極11は、透光性を有する導電性材料からなる薄膜片で実現される。また上部電極15は、導電性材料から形成されかつ光を反射可能な薄膜片で実現されることが好ましく、かつ該材料の光の反射率ができるだけ高いことがさらに好ましい。このために上部電極15は、たとえば金属材料で形成される。上部電極15が光を反射可能な場合、上記の5つの部品5,9,11,12,52に加えて、さらに上部絶縁層14が透光性を有する。
【0044】
いずれかの下部電極11といずれかの上部電極15との間に交流電界が印加される場合、発光層13内の該下部電極11と該上部電極15との間に挟まれた部分が、電界発光によって光を放射する。本実施の形態では、発光層13は、マンガン(Mn)が添加されたZnS(以後「ZnS:Mn」と称する)で形成されて、電界発光によって黄橙色の光を放射するとする。各EL素子33内の発光層13から放射される光のうち下部電極11側に放射される光は、従来のいわゆるモノクローム薄膜ELパネルと同様に、主基板5の他方面36側、すなわち主基板5の凹部37の底面38から、パネル部材3の外部に射出される。射出後、前記光は、2種類の色フィルタ21のうちのいずれか一方をそれぞれ通過することによって、赤または緑の光に分光される。また発光層13から放射される光のうちの上部電極15側に放射される光は、上部電極15によって反射された後、EL素子33を通過し、色フィルタ21によって分光されて、前記底面38から射出する。この結果表示装置1は、対向基板9の他方面56を表示面とし、各EL素子33と各色フィルタ21とが重なる部分を表示素子とし、赤および緑の色フィルタ21R,21Gをそれぞれ含み隣合う2つの表示素子が、1つの画素を構成する。このような構成によって表示装置1は、いわゆる多色発光を呈する。
【0045】
カラーEL表示装置1の充填層53について、以下に説明する。充填層53は、基本的には、表示装置1の補強のためおよび表示装置1の見栄えを良くするために、前述したように、主基板5の凹部37とフィルタ側部材4との間の間隙61を埋めている。本実施の形態では、主基板5の凹部37を主基板5の一方面31と平行な仮想平面で切断した場合の該凹部37の断面の面積は、画素領域34よりも広くなっている。具体的には、主基板5の凹部37の前記断面の端から画素領域34の端までの幅は、5mm以上10mm以下になっている。かつ本実施の形態では、フィルタ側部材4は、主基板5の凹部37の中央部に配置されている。これらの結果、主基板5の凹部37の内表面とフィルタ側部材4との間の間隙61は、フィルタ側部材4を取囲む枠状の溝になっている。このために本実施の形態では、充填層53は、主基板5の凹部37の内周面54とフィルタ側部材4の側面55との間に介在される。以後の説明では、主基板5の凹部37の内表面とフィルタ側部材4との間の枠状の間隙61を、「枠状溝61」と称することがある。
【0046】
充填層53は、概略的には、可撓性のある材料で形成される。本明細書では、充填層53の可撓性のパラメータの1つとして、充填層の弾性を規定するための硬度を用いる。前記硬度はJIS Aで定義されるものである。充填層53の硬度は、好ましくは、5以上かつ50以下の硬度範囲内から選ばれることが好ましい。充填層53が上述の材料で形成されるのは、以下の理由からである。
【0047】
従来技術で説明したカラーEL表示装置(以後「従来構造のカラーEL表示装置」と称することがある)は、図1のカラーEL表示装置1と比較して、充填層が比較的硬い材料、すなわち図1の充填層53よりも硬い材料で形成された点だけが異なり、他は等しい。従来構造のカラーEL表示装置は、主基板内のフィルタ側部材の端と接する部分(以後「近接部分」と称することがある)に、亀裂が生じ易い。なお本明細書では、前記従来構造のカラーEL表示装置の説明において、図1のカラーEL表示装置1内の部品と同じ構成の部品には、図1の表示装置1と同じ名称を用いかつ同じ参照符を付す。図1のカラーEL表示装置1の断面において、該表示装置1の主基板5の近接部分62およびその近傍の部分を、2点破線の丸で囲んでいる。従来構造のカラーEL表示装置において、前記亀裂の原因は、主基板5と充填層との熱膨張係数の差に起因して該表示装置の信頼性試験時に主基板5に生じる歪み、および、前記充填層が該表示装置に加えられる外的要因に起因して体積収縮するために主基板5に生じる歪みである。主基板5の近接部分62は、表示装置の構造上、上述の歪みに起因する応力が集中しやすく、かつ該部分62の厚みが比較的薄いので、該歪みによって破損しやすい。
【0048】
本実施の形態のカラーEL表示装置1は、充填層53に可撓性があるので、主基板5の近接部分62における上述の歪みを、分散吸収することができる。この結果前記歪みに起因する応力が主基板5の近接部分62に一局集中することを防止することができるので、該近接部分62に亀裂が入ることを未然に防止することができる。この結果、上述の歪みに起因するカラーEL表示装置1の破壊を防止することができるので、該表示装置の信頼性を高めることができる。以上の理由に基づき充填層53に可撓性があることが好ましいのである。
【0049】
充填層53は、好ましくは、主基板5よりも柔軟な弾性体で形成される。すなわち充填層53の硬度は、理論的には、主基板5の硬度よりも小さく、かつ充填層53として許容可能な最小の硬度以上であることが好ましい。これは以下の理由からである。前記従来技術のカラーEL表示装置の取扱い時に比較的大きな応力が該表示装置の枠状溝61に加えられたために充填層が変形した場合、充填層が主基板5よりも硬い弾性体であるならば、充填層の歪みに起因する応力が主基板5の近接部分62に集中するので、近接部分62に割れ目が生じる。本実施の形態のカラーEL表示装置1の取扱い時に比較的大きな応力が該表示装置1の枠状溝61に加えられたために充填層53が変形した場合、充填層53が主基板5よりも柔軟な弾性体であるならば、該充填層53は変形前の形状に容易に戻ることができる。かつ前記場合、充填層53が変形前の形状に戻る際に、充填層53が主基板5よりも柔軟な弾性体であるならば、主基板5の近接部分62に応力が集中しないので、主基板5が近接部分62から割れることが防止される。これらの結果カラーEL表示装置の信頼性が向上される。ゆえに充填層53は、上述の条件を満たすことが好ましいのである。
【0050】
また本実施の形態のカラーEL表示装置1は、充填層53に可撓性があるので、表示装置1の製造工程内の充填層53の形成工程におけるパネル部材3の歩留りを、従来技術のカラーEL表示装置の製造工程内の充填層の形成工程におけるパネル部材3の歩留りよりも、向上させることができる。これは以下の理由からである。従来技術のカラーEL表示装置の製造工程内の充填層の形成工程では、主基板5の近接部分62が破損する確率が高いので、歩留りが悪い。これは、充填層の厚みが1mm程度であって該表示装置内の部品のうちでは比較的厚く、かつ主基板5の近接部分62が該充填層に比べて極めて薄いので、該充填層形成に起因して該近接部分62へ外部から加わる応力が一局集中しやすいためである。
【0051】
本実施の形態のカラーEL表示装置1の製造工程内の充填層53の製造工程では、充填層53に可撓性があるので、上述の理由に基づき主基板5の近接部分62に加わる応力が充填層53に分散吸収されるため、該近接部分62に破損が生じにくい。この結果、本実施の形態のカラーEL表示装置1は、表示装置1の製造工程内の充填層53の形成工程におけるパネル部材3の歩留りを、従来技術のカラーEL表示装置の製造工程内の充填層の形成工程におけるパネル部材3の歩留りよりも、向上させることができるのである。なお、前記製造工程内の透明樹脂層52の製造工程では、透明樹脂層52の厚みが0.02mm以上0.05mm以下であるのでカラーEL表示装置の部品のうちでは比較的薄く、かつ該表示装置の部品のうちでは比較的厚い部品である対向基板9とパネル部材3とが張り合わされるので、従来技術および本実施の形態のどちらであっても、主基板5の近接部分62は破損しにくい。
【0052】
さらにまた充填層53が主基板5よりも柔軟な弾性体である場合、本実施の形態のカラーEL表示装置1は、表示装置1の製造工程内の充填層53の形成工程におけるパネル部材3の歩留りをさらに向上させることができる。これは以下の理由からである。充填層53が主基板5よりも硬い弾性体である場合、前記形成工程において充填層53の材料となる充填剤が硬化する際に、該充填剤の硬化に起因する応力が該近接部分62に集中するので、主基板5が近接部分から破損することが多い。充填層53が主基板5よりも柔軟な弾性体である場合、前記形成工程において充填層53の材料となる充填剤が硬化する際に、主基板5の近接部分62の亀裂の原因となる応力が分散されるので、パネル部材3の破壊が抑えられる。ゆえに本実施の形態のカラーEL表示装置1は、充填層53の形成工程におけるパネル部材3の歩留りをさらに向上させることができるのである。
【0053】
充填層53の材料は、可撓性の他に、遮光性をさらに有することが好ましい。これは以下の2つの理由からである。対向基板9は透光性を有し、かつ対向基板9の端面66は枠状溝61の内表面の一部分になっている。充填層53が遮光性を有しない場合、外光が、充填層53を通過して、対向基板9の端面66から対向基板9の内部に入込み、対向基板9の他方面67、すなわちカラーEL表示装置1の表示面から装置1外部に射出することがある。前記外光は、EL素子33の発光層13におけるEL発光以外の光である。このように外光が表示装置1の表示面から射出するならば、該表示装置1内の表示画素のうち、該表示画素内のEL素子33が発光していない表示画素が、若干光って見える。この結果、充填層53が遮光性を有しない場合、表示画素の実際のコントラスト比が、設計上のコントラスト比よりも低下しやすい。表示画素のコントラスト比は、該表示画素内のEL素子33が発光している状態における該表示画素の輝度と、該EL素子33が発光していない状態における該表示画素の輝度との比率である。
【0054】
充填層53が遮光性を有する場合、対向基板9の端面から対向基板9内部に外光が入込むことが防止される。この結果、外光が表示装置1の表示面から射出することが防止されるので、表示装置1の実際のコントラスト比が外光に起因して低下することが防止される。ゆえに前記場合、前記外光に起因して、表示装置1の表示面に表示される画像の視認性が悪化することが防止される。これによって、外光に起因する表示装置1の表示品位の低下が防止される。
【0055】
また充填層53の材料は、可撓性の他に、光吸収性をさらに有することが好ましい。これは以下の理由からである。EL素子33からの光は、対向基板9の一方面51から対向基板9内に入射した後、対向基板9の他方面67からそのまま射出するだけでなく、対向基板9の端面66で反射してから他方面67から射出することがある。このようにEL素子33からの光の一部は、対向基板9の端面66における反射光および散乱光となる。充填層53が遮光性を有しない場合、端面66における反射光および散乱光のために、表示装置1の表示面の少なくとも一部分または全体が、ぼんやりと光る。これによって、表示装置1の実際のコントラスト比は、設計上のコントラスト比よりも低下する。
【0056】
充填層53が遮光性を有する場合、充填層53が対向基板9の端面66における反射光および散乱光を吸収するので、EL素子33からの光が該端面66で反射した後に対向基板90の他方面67から射出することが防止される。この結果、表示装置1の実際のコントラスト比が前記反射光および散乱光に起因して低下することが防止される。ゆえに前記場合、前記反射光および散乱光に起因して、表示装置1の表示面に表示される画像の視認性が悪化することが防止される。これによって、前記反射光および散乱光起因する表示装置1の表示品位の低下が防止される。以上の2つの理由に基づき、充填層53は遮光性を有することが好ましいのである。
【0057】
一般的に、製品化されるカラーEL表示装置1は、コントラスト比を100:1と保証している。このために表示装置1の充填層53の遮光率は最低限99%以上である必要がある。充填層53の遮光率が0%以上99%未満の値である場合、EL素子33からの光が表示装置1の周辺部、すなわち対向基板9の端面およびその近傍から漏れるので、表示装置1の使用が困難な程度に該装置1のコントラストが悪化して、表示品位が悪くなる。ゆえに充填層53の遮光率の最適値は100%であり、100%に限りなく近いほど好ましい。
【0058】
また充填層53の材料の熱分解温度は、カラーEL表示装置1が駆動している時点の装置の温度よりも高いことが好ましい。すなわち充填層53の材料の熱分解温度は、表示装置1の駆動時の装置温度よりも大きく、かつ充填層の材料の熱分解温度として許容され得る最大温度以下であることが好ましい。これは以下の理由からである。
【0059】
カラーEL表示装置1の駆動時において、EL素子33は発光に伴い発熱することがあるので、該駆動時に表示装置1の装置温度は休止時よりも高くなる。また表示装置1の装置温度は、表示装置1の周辺の温度に伴い上昇することがある。これらの理由に基づき、前記駆動時のカラーEL表示装置の装置温度は、休止時のカラーEL表示装置の装置温度よりも高くなる。充填層53の材料の熱分解温度が駆動時の表示装置1の装置温度よりも高い場合、表示装置1の駆動時に充填層53が熱分解および変質することが防止される。この結果、前記駆動時に、充填層53を形成する材料が枠状溝から画素領域34内に溶出すことが防止される。また前記場合、表示装置1の駆動時に充填層53が変形することが防止されるので、該変形に伴い表示装置1の強度が低下することが防止される。ゆえに充填層53の材料の熱分解温度は上述の条件を満たすことが好ましいのである。
【0060】
カラーEL表示装置1は、EL素子33の発熱に伴い、一般的に、該表示装置1の周辺温度よりも約50℃高くなることが、知られている。またカラーEL表示装置1の駆動保証温度は、おおよそ−20℃以上70℃以下である。これらに基づき、表示装置1の駆動時の装置温度の最大値は、120℃になる。ゆえに充填層53の材料の熱分解温度は、たとえば120℃以上であることが好ましい。また充填層の材料の熱分解温度が該材料の硬化条件温度と等しい場合、充填層の形成のための装置を安価に入手することができることが知られている。充填層53の材料の熱分解温度の上限値は、熱分解温度が硬化条件温度と等しい充填層の材料の該温度の最大値であることが好ましい。熱分解温度が硬化条件温度と等しい充填層の材料の該温度の最大値は250℃である。ゆえに充填層53の材料の熱分解温度は、120℃以上250℃以下の温度であることが、より好ましい。表示装置1の安全係数が1.5に選ばれる場合、充填層53の材料の熱分解温度の最適値は、180℃である。
【0061】
また充填層53の材料となる充填剤は、シリコーンゴム系の樹脂を主成分とすることが好ましい。これは以下の理由からである。なお本明細書において、「樹脂」とは、いわゆるゴムおよびいわゆるプラスチックを含む概念であるとする。シリコーンゴムは、一般的に、比較的広い温度範囲内において安定であり、耐熱性、耐候性、耐寒性、および耐薬品性に優れ、かつ衛生面において安全性がある。ゆえにシリコーンゴム系の樹脂を主成分とする充填剤から充填層53を形成した場合、充填層53の長期信頼性を他の成分を主成分とする充填剤が用いられた場合よりも向上させることができるので、表示装置1の信頼性の経年劣化を防止することができる。またカラーEL表示装置1の製造工程において、充填剤充填後のカラーEL表示装置1が、化学薬品、たとえば有機溶媒で洗浄されるならば、洗浄時に充填層53が溶け出さない。ゆえに充填剤がシリコーンゴム系の樹脂を主成分とするならば、該製造工程の作業性を、他の充填剤を用いる場合よりも向上させることができる。以上がカラーEL表示装置1の充填層53の具体的構成の説明である。
【0062】
主基板5の画素領域34に相当する部分の厚さ、すなわち基準厚さWCは、概略的にはできるだけ薄いことが好ましい。これは、表示装置1は、主基板5が各EL素子33と各色フィルタ21との間に配置されるため、主基板5の画素部分の厚さ、すなわち基準厚さWCが厚くなるほど、表示装置1の視野角が狭くなるからである。表示装置1の視野角を実用上充分な大きさにするためには、基準厚さWCは0.05mm以上0.2mm以下であればよいことが分かっている。基準厚さWCと視野角とが上述の関係になるのは、以下の理由からである。
【0063】
各EL素子33から放射される光は、該各EL素子33に主基板5を介して対向する各色フィルタ21によって、赤および緑の波長の光に分離される。この際主基板5の前記画素部分の厚さWCが厚くなるほど,各EL素子33と該EL素子に対向するべき色フィルタ21との距離が広がる。観察者が表示装置1を主基板5の法線方向32から傾いた方向から見た場合、前記距離が広がるほど、各色フィルタ21と対向するべきEL素子33とは異なるEL素子33が該各色フィルタ21と重なって見える現象が増える。これによって表示装置1の全ての画素のうちの本来赤であるべき画素が緑に見えること、および該全ての画素のうちの本来光るべき画素が光らないことがおこるので、いわゆる色ずれが生じる。この結果表示装置1の表示品位が悪化する。前記色ずれは、前記距離が同じならば、観察者の視線と主基板5の法線方向32のなす角度が大きいほど起こり易い。以上のことによって、主基板5の前記画素部分の厚さWCが厚くなるほど、表示装置1の視野角は狭くなるのである。以上が視野角と主基板5の画素部分の厚さWCとの関係である。このような関係に基づき、前記視野角をできるだけ広くする観点からすると、主基板5の画素部分の厚さWCはできるだけ薄いことが好ましいのである。
【0064】
カラーEL表示装置31の製造方法を以下に説明する。以下の説明において、表示装置1を構成する部品の具体的な材質および寸法ならびに具体的な製造手法は例示であり、以下に述べるものに限らず他のものでもよい。
【0065】
本実施の形態では、主基板5は、たとえばガラス基板によって実現される。本実施の形態では、主基板5は、日本電気硝子(株)製のOA−2(商品名)であり、主基板5の初期厚さWDは1.1mmであるとする。主基板5が準備された時点で、主基板5に凹部37は形成されていない。
【0066】
最初に透光性を有する導電性材料の薄膜が、主基板5の一方面31に成膜され、該薄膜が予め定める形状に加工される。この結果全ての下部電極11が、主基板5の一方面31に形成される。本実施の形態では、前記導電性材料はITO(Indium-tin-Oxide:インジウム−錫酸化物)であり、前記薄膜の膜厚は、50nm以上500nm以下であり、前記薄膜の形成手法には、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、またはスプレー法が用いられ、前記薄膜はいわゆるフォトエッチング加工によって、ストライプ状に加工されるとする。
【0067】
下部電極形成後、透光性を有する絶縁性材料からなる薄膜が、下部絶縁層12として、全ての下部電極11の表面上および主基板5の一方面31の露出した部分の表面上に成膜される。本実施の形態では、下部絶縁層12は、第1および第2絶縁層が積層されて構成されるとする。また本実施の形態では、第1および第2絶縁層をそれぞれ形成する絶縁性材料はSiO2 およびSi3 N4 であり、下部絶縁層12の膜厚は200nm以上500nm以下であり、下部絶縁層12の形成手法にはスパッタ法が用いられるとする。また、少なくとも各下部電極11の端部は、下部絶縁層12に覆われず、各下部電極11の端子になる。
【0068】
下部絶縁層形成後、発光層13が下部絶縁層12上に形成される。本実施の形態では、発光層形成のために、下部絶縁層形成後の主基板5の温度が200℃以上300℃以下の温度に保持された状態で、ZnS:Mnペレットを蒸発源として、電子ビーム蒸着法を用いた成膜が行われるとする。この結果発光層13が下部絶縁層12の上に形成される。また本実施の形態では、ZnS:MnペレットはZnSに0.2wt%以上0.6wt%以下のマンガン(Mn)を添加したものであり、発光層13の膜厚は400nm以上900nm以下であるとする。
【0069】
発光層形成後、絶縁性材料から成る薄膜が、上部絶縁層14として、発光層13の上に成膜される。本実施の形態では、上部絶縁層14の構成、膜厚、材質および形成手法は、たとえば下部絶縁層12と比較して、第1および第2絶縁層の積層順が逆になっていることだけが異なり、他は等しいとする。上部絶縁層14形成後、電子ビーム蒸着法を用いて形成された発光層13の結晶性を改善するために、上部絶縁層形成後の主基板5全体に、真空中で熱処理が施される。本実施の形態では、前記熱処理の加熱温度は、450℃以上650℃以下であり、前記熱処理の加熱時間は、1時間以上6時間以下であるとする。
【0070】
熱処理後、導電性材料からなる薄膜が、上部絶縁層14の表面と主基板5の一方面31の露出する部分とを覆って成膜され、該薄膜が予め定める形状に加工される。この結果全ての上部電極15が、上部絶縁層14の上に、形成される。本実施の形態では、上部電極15は、第1および第2導電層が積層されて構成されるとする。また本実施の形態では、第1および第2導電層をそれぞれ形成する導電層材料はニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)である。また本実施の形態では、上部電極15の膜厚は100nm以上800nm以下であり、かつ前記導電性材料の薄膜はいわゆるフォトエッチング工程によってストライプ状に加工されるとする。さらにまた各上部電極15は、上部絶縁層14の端を越えて基板5の一方面31上に伸びている。各上部電極15の基板5上の部分が、各上部電極15の端子になる。下部電極11の形成から上部電極15の形成までの工程によって、主基板5の一方面31上に、素子部6が形成される。
【0071】
上述の素子部6の形成工程と平行して、あるいは前記形成工程後または前に、シール用基板17の一方面41に、凹部43が形成される。本実施の形態では、シール用基板17はガラスからなり、シール用基板17の加工前の板厚WAは1.8mmであり、凹部43の深さは0.7mmであり、前記凹部43の形成のためにシール用基板17の一方面41に砥石を用いた掘込み加工が施されるとする。シール用基板17の一方面41の周縁部は、シール用基板17を主基板5に貼合わせる際の貼合わせ用枠として、前記掘込み加工も枠状に残されている。次いで、シール用基板17に、注入孔44が設けられる。
【0072】
凹部形成後、素子部形成後の主基板5の一方面31とシール用基板17の一方面41とが対向させられ、主基板5およびシール用基板17の一方面31,41の周縁部が、接着用のシール樹脂を用いて接着される。本実施の形態では、前記接着剤はエポキシ樹脂であるとする。前記シール樹脂は硬化後にシール用接着層42になる。この結果、主基板5とシール用基板17とシール用接着層42とによって素子部6が囲まれた構成のシール用セルが完成する。素子部6は、主基板5とシール用基板17との間の間隙部分内、すなわち前記シール用セルの内部空間内に配置される。各下部電極11の端子および各上部電極15の端子は前記シール用セルの内部空間外に露出している。注入孔44は前記シール用セルの内部空間と連通している。
【0073】
基板接着後、前記シール用セルの内部空間内に保護物質が充填され、注入孔44が封止される。この結果保護物質層18が完成する。本実施の形態では、保護物質層18は以下の手順で形成されるとする。基板接着後、前記シール用セルの内部空間内の空気が排気されて、前記内部空間内が真空になる。次いで少なくともシール用セルの注入孔44が、チャンバ内に準備された槽に蓄えられた保護物質液に浸され、さらに前記チャンバ内が窒素(N2 )で満たされる。この結果前記保護物質液が、前記シール用セルの内部空間内に充填される。前記保護物質液が前記内部空間を満たした後、注入孔44が封止部材46によって密閉される。封止部材46は、本実施の形態では、接着剤によってシール用基板に接着され、該接着剤はたとえばエポキシ樹脂であるとする。以上が本実施の形態における保護物質層18の形成工程である。また本実施の形態では、前記保護物質液はシリカゲルとシリコンオイルとを混合したものであり、保護物質液内のシリカゲルの重量比は25wt%である。シール用基板17の加工から注入孔44の密閉までの工程によって、シール部7が完成する。
【0074】
シール部完成後、主基板5の他方面に凹部37が形成される。本実施の形態では、凹部37は以下の手順で形成されるとする。シール部完成後、シール部7の外側表面と、主基板5の一方面31内の各下部および上部電極11,15の端子が形成された部分と、主基板5の他方面36の周縁部とが、耐エッチング用のレジストによって覆われる。レジスト膜形成後、主基板5の他方面36がフッ酸を主成分としたエッチャントを用いた湿式のエッチング法を用いて、エッチングされる。この結果、主基板5の他方面36に、凹部37が形成される。以上が本実施の形態における凹部37の形成工程である。
【0075】
主基板5の凹部37の底面と主基板5の一方面31との間の厚み、すなわち主基板5の画素部分の厚みは、基準厚さWCである。主基板5の他方面36の周縁部は、前記凹部形成後も、枠状に残されている。本実施の形態では、基準厚さWCは0.1mmであるとする。すなわち凹部37の深さは1.0mである。以上の処理によってパネル部材3が完成する。
【0076】
上述のパネル部材3の形成工程と平行して、あるいは前記形成工程後または前に、対向基板9の一方面51に、フィルタ部8が形成される。本実施の形態では、色フィルタ21の材料は、概略的には、顔料が分散された樹脂材料であるとする。具体的には、赤用フィルタ21Rは、感光性を有しかつ赤色の顔料が分散された樹脂材料で形成され、緑用フィルタ21Gは、感光性を有しかつ緑色の顔料が分散された樹脂材料で形成される。実際には、赤用フィルタ21Rは、富士フィルムオーリン製のCR−7001(商品名)で実現され、緑用フィルタ21Gは、富士フィルムオーリン製のCG−7001(商品名)で実現される。
【0077】
本実施の形態では、フィルタ部8は以下の手順で形成されるとする。最初に、2種類の色フィルタ21R,21Gのうちのいずれか一方を形成するべき上述の顔料分散済の樹脂材料からなる薄膜が、対向基板9の一方面51上に成膜される。成膜後、前記薄膜が、フォトリソグラフィ技術を用いて、相互に平行なストライプ状の複数の第1の膜片が残るように、加工される。この際、前記薄膜内の前記各第1膜片として残される部分は、対向基板9の一方面51内の前記いずれか一方の複数の各色フィルタ21が覆うべき領域上にある該薄膜の一部分、および該一方面51内の遮光フィルタ23が覆うべき領域の上にある部分である。
【0078】
形成後、2種類の色フィルタ21R,21Gのうちのいずれか他方を形成するべき顔料分散済の樹脂材料からなる薄膜が、前記膜片形成後の対向基板9の一方面51上に形成され、かつ該薄膜が、フォトリソグラフィ技術を用いて、相互に平行なストライプ状の複数の第2膜片が残るように加工される。この際、前記薄膜内の前記各第2膜片として残される部分は、対向基板9の一方面51内の前記いずれか他方の複数の各色フィルタ21が覆うべき領域の上にある該薄膜の一部分、および該一方面51内の遮光フィルタ23が覆うべき領域の上にある該薄膜の一部分である。この結果前記第1および第2膜片は、対向基板9の一方面51内の遮光フィルタ23が覆うべき領域上で、相互に重なる。この結果前記第1および第2膜片の重合わされた部分が、遮光フィルタ23になる。以上が本実施の形態におけるフィルタ部8の形成工程である。この結果フィルタ側部材4が完成する。
【0079】
上述の2つの部材3,4の完成後、パネル部材3とフィルタ側部材4とが、対向基板9の一方面51がフィルタ部8を介して主基板5の凹部37の底面38と対向し、かつ各EL素子33と各色フィルタ21とが主基板5の前記画素部分を介してそれぞれ対向するように、位置合わせされる。位置合わせ後、フィルタ側部材44のフィルタ部8が、主基板5の凹部37の底面38に、上述の位置合わせ時点の位置関係を保ったまま、透光性を有する接着剤を用いて接着される。前記接着剤は硬化後に透明接着層52になる。接着剤硬化後、主基板5の凹部37の内周面54とフィルタ側部材4の側面55との間の空間が、枠状溝61として残る。ゆえに接着剤硬化後、枠状溝61に予め定める充填剤が充填される。充填剤の充填手順は後述する。前記充填剤は硬化後に充填層53になる。以上の工程によって表示装置1が完成する。以上が表示装置1の製造工程の説明である。
【0080】
本実施の形態では、前記充填剤として、東芝シリコーン株式会社製のTSE389のブラックタイプ(商品名)が用いられる。TSE389のブラックタイプは、シリコーンゴム系の樹脂を主成分とする充填剤のうちのいわゆる低粘度タイプのものであり、硬化後の充填剤が柔軟な弾性体になる。またTSE389のブラックタイプは、遮光性および光吸収性を備えている。具体的には、TSE389のブラックタイプの硬化前の粘度は、5500cPである。またTSE389のブラックタイプで形成された充填層の遮光率は、100%未満でかつ100%に極めて近い値である。
【0081】
TSE389のブラックタイプで形成された充填層の遮光率は、以下の手順で計測された。前記遮光率の計測のために、ガラス板が用意され、該ガラス板上にTSE389が予め定める滴下量だけ滴下され、かつ滴下後のTSE389が硬化された。前記ガラス板は日本電気硝子株式会社製のOA−2(商品名)であり、該ガラス板の厚さが1.1mmであり、該ガラス板は5mm角、すなわち該板の表面積が5mm×5mmである。TSE389の滴下量は、滴下後のTSE389の厚みが1mmになるように定められ、本測定では0.25mlである。
【0082】
TSE389硬化後、前記TSE389からなる薄膜が形成されたガラス板の透過率が計測され、該透過率に基づき遮光率が求められた。上述の測定の結果、遮光率は測定限界以下になっていたので、ほぼ100%であると考えられる。
【0083】
充填層53の形成工程の詳細を、図4を参照して以下に説明する。図4は、フィルタ側部材4が貼合わされた時点のパネル部材3を示す断面図である。本実施の形態では、充填層53の材料となる充填剤を枠状溝61に充填するために、滴下装置が用いられる。前記滴下装置は、充填剤を滴下するための滴下部71と、滴下部71を主基板5の一方面31に略平行に移動させるための図示しない移動機構とを含む。滴下部71は、ノズルと、充填剤を蓄える蓄積部と、蓄積部内部の充填剤を該ノズルから単位時間あたりに予め定める滴下量ずつ滴下するための滴下制御部とを有する。前記ノズルからの単位時間当たりの充填剤の滴下量は、操作者が任意に設定可能である。また前記滴下制御部は、任意のタイミングにおいて、前記ノズルから充填剤を滴下するか否かの制御が、可能である。前記移動機構は、たとえば、滴下部71の少なくとも前記ノズルを、相互に交差する2軸にそれぞれ平行に移動可能な機械的構成を有する。この結果前記ノズルは予め定める範囲を走査可能である。
【0084】
前記滴下装置を用いた充填剤の概略的な充填手順は以下のとおりである。充填剤の単位時間あたりの滴下量、充填剤の滴下開始タイミングおよび滴下終了タイミング、ならびに充填工程実行中の滴下部71のノズルの移動軌跡および移動速度は、枠状溝61の設計上の形状に応じて、予め定められている。たとえば滴下部71のノズルは、充填剤を滴下する間、該ノズルの軌跡が、枠状溝61の長手方向中心軸線にほぼ沿うように、移動する。またたとえば、充填剤の単位時間当たりの滴下量および滴下開始および滴下終了タイミングは、該2つのタイミングで規定される滴下期間内に滴下された充填剤の総量が、枠状溝61の容積未満でありかつ該容積とほぼ等しくなるように、設定される。前記充填剤の総量は、枠状溝61の容積と等しいことが最も好ましい。本実施の形態では、枠状溝の幅が5mmであり、枠状溝61の深さが1.0mmであり、枠状溝61の容積が3mlなので、前記充填剤の総量は3mlに選ばれる。
【0085】
2枚の部材3,4の貼合わせ後、フィルタ側基板4の貼合わせ済のパネル部材3が、該部材3内の主基板5の一方面が前記滴下装置の滴下部71のノズル移動方向、たとえば水平方向と略平行になるように、位置合わせされる。位置合わせ後、滴下部71のノズルが、前記予め定める移動軌跡にそって前記予め定める移動速度で移動しつつ、前記滴下期間内だけ、前記単位時間あたりの滴下量が前述の予め定める滴下量となるように、枠状溝61内に充填剤を滴下する。この結果前記滴下期間の終了後の時点において、枠状溝61内に、予め定める量の充填剤が滴下される。充填剤滴下後、枠状溝61内部の充填剤を硬化させるために、充填剤滴下後のパネル部材3に何らかの処理を施しても良く、そのまま放置されてもよい。この結果、枠状溝61内部に、硬化した充填剤の層、すなわち充填層53が形成される。以上が本実施の形態の概略的な充填層形成工程の説明である。
【0086】
前記滴下期間内に滴下された充填剤の総量が枠状溝61の容積とほぼ等量に設定されるのは、以下の理由からである。充填剤の総量が枠状溝61の容積を微少量だけ越える場合、枠状溝61の表面が盛上がり、かつ該表面が表面張力によって支えられるので、該溝61から充填剤は溢れない。しかしながら前記場合、充填剤硬化後、充填層53の一部分が表示装置1の表示面を含む仮想平面よりも飛び出すので、該表示装置1の製品化時に該装置1にたとえばフレームを取り付ける際、充填層の出張った部分がフレームに当たるので、製品が使いにくくなる。充填剤の総量が枠状溝61の容積よりも極めて多い場合、充填剤が枠状溝61から溢れてしまうので、表示装置1の表示面または該装置1の他の部分に充填剤が付着して、該装置1の不良の原因となる。充填剤の総量が枠状溝61の容積よりも微少量だけ少ない場合、対向基板9の端が露出するので、表示装置1の利用者が該端で手を切る可能性がある。また前記場合、枠状溝61が微少量だけへこむので、見栄えが悪くなる。充填剤の総量が枠状溝61の容積よりも極めて少ない場合、充填層53の強度が小さくなるので、主基板5の近接部分62の強度が弱くなるので、液晶パネルが破壊されやすくなる。これらの結果、充填剤の総量は枠状溝の容積とほぼ等量に設定される場合、表示装置1の見栄えを良くし、かつ充分な強度をもつことができる。
【0087】
本実施の形態では、具体的には、前記滴下装置として、武蔵エンジニアリング株式会社製のSHOTMASTER2(商品名)が用いられる。SHOTMASTER2の移動機構はステッピングモータを備え、滴下部71のノズルを、水平領域内に定義される相互に垂直な2方向、すなわち縦方向および横方向に、0.05mm単位で移動可能である。図5は、SHOTMASTER2の滴下部71の概略構成を示す図である。SHOTMASTER2の滴下部71は、窒素ガスを利用して、蓄積部内の充填剤を、ノズルから滴下する。
【0088】
図5は、SHOTMASTER2の滴下部71の概略構成を示す図である。滴下部71は、ノズル73と、シリンダ状の蓄積部74と、窒素ガス供給部75と、制御弁76と、シーケンス制御装置77と、管路78とを含む。窒素ガス供給部75と、制御弁76と、シーケンス制御装置77と、管路78とが、前述の滴下制御部に相当する。蓄積部74はシリンダ状であり、鉛直方向下方にノズル73が設けられる。管路78の一方端79は蓄積部74内部に差込まれ、回路78の他方端は窒素ガス供給部75に取付られる。制御弁76は管路78内の両端の間に設けられ、シーケンス制御装置77は、該装置に備えられるプログラムに応じて、制御弁76の開閉を制御する。窒素ガス供給部75は、窒素ガスのガス圧を予め定める圧力、たとえば2kg/cm2 に保ちつつ、該窒素ガスを管路78に供給する。制御弁76は、シーケンス制御装置77からの制御信号に応答して、開閉する。この結果制御弁76が開いている間だけ、蓄積部74内の硬化前の充填剤80に、前記窒素ガスのガス圧力と同等の圧力がかかり、制御弁76が綴じている間、充填剤80に圧力はかからない。ゆえに樹脂80は、制御弁76が開いている間だけ、ノズル73の先端から樹脂80が滴下される。
【0089】
SHOTMASTER2において、ノズルから滴下される1滴分の樹脂の平均体積、すなわち滴下量は、たとえば、窒素ガス圧、滴下部71の移動速度、ノズル73の直径、および充填剤の粘度によって規定される。図6〜図9は、滴下量と、窒素ガス圧、ノズル73の直径、充填剤80の粘度、滴下部71の移動速度との関係を示すグラフである。図6に示すように、窒素ガスのガス圧力が増大するほど、前記滴下量は増加する。図7に示すように、ノズル73の直径が増加するほど、前記滴下量は増加する。図8に示すように、充填剤80の硬化前の粘度が増加するほど、前記滴下量は減少する。図9に示すように、ノズル73の移動速度が大きいほど、前記滴下量は減少する。ゆえにこれら4つのパラメータを適宜組み合わせることによって、滴下量および滴下期間内に滴下される充填剤の総量が容易に設定される。本実施の形態において、上記4つのパラメータの具体的な値は、窒素ガス圧力が2kg/cm2 であり、ノズル73の直径が0.7mmであり、充填剤の粘度は5500cPであり、ノズル73の移動速度が20mm/sec.である。上記4つのパラメータの具体値は、充填層53をできるだけ早く作成することができ、かつ枠状溝全体に充填剤が滴下可能になるように、選ばれた。なお本実施の形態において、枠状溝61の深さは1mmであり、幅は5mmであり、全容積は3mlであるとしている。
【0090】
上述のような滴下装置を用いた充填層53の形成工程は、図1の構造を有するカラーEL表示装置における従来技術の充填層の形成工程よりも好ましい。なお従来技術の充填層の形成工程は、以下のとおりである。充填剤の充填に先立ち、枠状溝61の周囲の部分がマスキングテープを用いてマスクされる。マスク後、充填剤が枠状溝61に流込まれ、流込まれた充填剤の全表面が、へらなどの工具によって均される。この結果、流込まれた充填剤内の対向基板9の他方面67よりも突出している部分、すなわち該充填剤の表面の凸状の部分が、取除かれる。均し後、充填剤が半乾きの状態になった後に、前記周囲の部分からマスキングテープが除去され、さらに充填剤が硬化した後に、マスキングテープの残りかすがアセトンを用いて除去される。以上が従来技術の充填層の形成工程である。
【0091】
本実施の形態の充填層53の形成工程が従来技術の充填層の形成工程よりも好ましいのは、以下の理由からである。前述した従来技術の充填層の形成工程は、極めて作業数が多くかつ手間がかかるので、該形成工程の単位時間当たりの処理枚数、すなわち単位時間あたりに充填層を形成することができるカラーEL表示装置の数が極めて少ない。ゆえに単一のカラーEL表示装置に拘わる作業時間が増加しやすく、かつ該表示装置の生産性が著しく低い。たとえカラーEL表示装置の表示面の対角線が9インチである場合、従来技術の充填層の形成工程の1時間あたりの処理枚数は、2〜3枚である。また従来技術の充填層の形成工程では、マスキングテープを必要とし、かつ充填層の形成に不必要な余分な充填剤を一旦枠状溝61に流し込んだ後に除去しているので、カラーEL表示装置の製造コストが増加しやすい。また単一のカラーEL表示装置に拘わる作業時間が増加しやすいので、製造コストがさらに増加しやすい。
【0092】
本実施の形態の充填層の形成工程は、充填層53の形成に必要な分量だけ充填剤を枠状溝61に滴下しているので、無駄な充填剤が枠状溝61に充填されることが防止される。すなわち本実施の形態の充填層の形成工程における充填剤の利用効率は、従来技術の充填層の形成工程における充填剤の利用効率よりも向上している。また本実施の形態の充填層の形成工程では、充填剤の滴下時にマスキングを行っていないので、マスキングテープの貼付けおよび除去に拘わる処理が省略され、かつマスキングテープのコストが削減される。これらの結果、本実施の形態の充填層53の形成工程が用いられる場合、従来技術の充填層の形成工程が用いられる場合よりも、単位時間当たりの処理枚数が増加し、かつ単一のカラーEL表示装置の製造コストを低下させることができる。たとえばたとえカラーEL表示装置の表示面の対角線が9インチである場合、従来技術の充填層の形成工程の1時間あたりの処理枚数は、20枚以上30枚以下である。これらの理由に基づき、本実施の形態の充填層53の形成工程が好ましいのである。以上が充填層53の形成工程の詳細説明である。
【0093】
充填層53の硬度の許容範囲、すなわち硬度が5以上でかつ50以下の範囲は、以下の実験に基づき、決定された。充填層53の材料として、硬化後の硬度が2以上でかつ100以下の複数種類の充填剤が、用意された。前記充填剤は、
TORAY DOW CORNING SILICONE社製のエレクトロニクス用シリコーンである。準備後、前記複数の各充填剤をそれぞれ用い、図1と同じ構造の複数のカラーEL表示装置1を製造した。表示装置1の製造工程は、上述した製造工程と等しい。製造後、製造された複数の各表示装置1は、対向基板9と同じサイズの2枚のガラス板を介して万力に挟まれた状態で、主基板5の近接部分62が割れるまで、かつ主基板5の充填層53よりも外側の部分が押される。図10は、各表示装置1の充填層の硬度と、上述の状態で主基板5が割れた時点に該各表示装置1に加えられた力との関係をプロットしたグラフである。
【0094】
表示装置1が人の手で押される場合、該表示装置1に加わる力は、0kg/cm2 以上でかつ2kg/cm2 以下の力であることが、実験的に判明されている。図10のグラフに基づき、2kg/cm2の力が加えられた場合に主基板5が破壊されない表示装置の充填層53の硬度は、5以上でかつ50以下であることが分かる。すなわち充填層53の硬度が5以上でかつ50以下であるならば、表示装置1および該装置を組み込んだ製品を利用者が押しても、主基板5が割れない。ゆえに充填層53の硬度は上述の許容範囲であることが好ましいのである。また充填層53の硬度の最適値は、充填層53の硬度の許容範囲の上限値および下限値の中間の値であることが好ましく、具体的には27.5である。以上が充填層53の硬度に関する説明である。
【0095】
上述のように、枠状溝61に充填剤を充填して硬化させることによって充填層53を形成する場合、充填剤、すなわち充填層53の材料として、硬化前の状態において流動性がある材料が用いられることが好ましく、充填層53の材料の硬化前の状態における粘度は、できるだけ低いことがより好ましい。このように充填剤の硬化前の粘度が低いほど、充填層の形成工程において充填層53内に気泡が入ることが防止されやすい。また枠状溝61内に充填された充填剤に気泡が入った場合、充填剤の硬化前の粘度が低いほど、該気泡が自然に枠状溝61内の充填剤表面から大気中に出ていきやすい。このように充填剤の硬化前の粘度が低いほど、硬化後の充填層53内に気泡が残る可能性が低くなるので、充填層53内部の気泡に起因する充填層53の強度むらの発生が防止される。また充填剤を枠状溝61に充填した後、充填剤の硬化前に該充填剤の表面をへらで均す場合、硬化前の充填剤の粘度が低いほど、枠状溝61内の充填剤の表面が滑らかになり易いので、充填剤の充填むらを容易に軽減することができる。これらの理由に基づき、前記気泡および充填むらにそれぞれ起因する充填層53の補強むらを軽減することができるので、充填層53によって表示装置1が均一に補強される。
【0096】
上述したように、気泡の混入を軽減するため、および充填後の充填剤表面を滑らかにするために、充填剤の硬化前の粘度は0cPより大きくかつ100000cP以下であることが好ましい。充填剤の硬化前の粘度の上述の許容範囲は、以下の実験に基づいて決定された。
【0097】
前記実験のために、硬化前の粘度が10cP以上でかつ100万cP以下の複数種類の充填剤が用意され、かつ複数枚のガラス板が準備された。前記充填剤は、TORAY DOW CORNING SILICONE社製のエレクトロニクス用シリコーンである。前記各ガラス板は日本電気硝子株式会社製のOA−2(商品名)であり、該ガラス板の厚さが1.1mmであり、該ガラス板の表面積が5mm×5mmである。また前記各ガラス板は、予め、純水を用いて10分間超音波洗浄され、かつ洗浄後、アセトンを用いてさらに10分間超音波洗浄された。洗浄後、前記複数の各充填剤が予め定める量だけ量り取られ、かつ該各充填剤が洗浄済の各ガラス板上に滴下された。滴下後、各ガラス板は、該ガラス板上に滴下された充填剤の硬化条件に合わせて加熱温度が定められているオーブン内に、該充填剤の効果条件に合わせた時間内、入れられる。この結果前記各ガラス板上の充填剤が、硬化する。硬化後、複数の各ガラス板上の硬化後の充填剤、すなわち樹脂層の最大の厚さを、ノギスを用いてそれぞれ計測した。
【0098】
図11は、複数の各充填剤の粘度と、該各充填剤から形成された樹脂層の最大厚みとの関係をプロットしたグラフである。充填剤の硬化前の粘度の増加に伴い、樹脂層の最大厚さは指数関数的に増大している。充填層53の厚みは0より大きくかつ0.5mm以下であることが好ましいことが分かっている。これは、樹脂層の厚みが0.5mmより大きい場合、樹脂層の材料となった充填剤によって充填層53が形成される場合、該充填層53が枠状溝61内で凹凸を形成してしまうからである。ゆえに図11のグラフに基づき、樹脂層の厚みが0より尾大きく0.5mm以下となる範囲における粘度は、0cPより大きく10万cP以下である。ゆえに充填層53の材料の硬化前の粘度は、0より大きくかつ10万cP以上であることが好ましいのである。以上が充填層53の材料に関する説明である。
【0099】
透明接着層52は、主基板5の凹部37の底面38とフィルタ部8全面との間の空間注の画素領域34の直下の部分(以後「第1空間部分」と称することがある)全体に、少なくとも広がっていることが好ましい。これは、以下の理由からである。前記第1空間部分全体に透明接着層52が広がっていない場合、該第1空間部分内の透明接着層52がある部分の屈折率と、該第1空間部分内の透明接着層52がない部分の屈折率とが、相互に異なる。これによって表示装置1の表示面内の表示品位が部分的に異なることになるので、該表示装置1全体の表示品位が悪化する。ゆえに透明接着層は、表示任意の悪化を防止するために、前記第1空間部分全体に広がっていることが好ましいのである。
【0100】
このために透明接着層52の材料である前記接着剤は、硬化前の状態において流動性のある材料が用いられることが好ましく、該材料の粘度はできるだけ低いことがより好ましい。これは、以下の理由からである。透明接着層52は、EL素子33と色フィルタ21との間に主基板5の画素部分と共に介在されるので、前記画素部分の厚みと同様に、表示装置1の視野角に影響を及ぼす。すなわち透明接着層52の層厚が厚いほど、表示装置1の視野角が狭くなる。これらの結果、表示装置1の視野角を大きくするために、透明接着層52の層厚はできるだけ薄いことが好ましい。
【0101】
前述のパネル部材3とフィルタ側部材4との貼合わせ工程は、パネル部材3の破損を防ぎかつ工程を簡略化するために、具体的には、フィルタ側部材4を硬化前の前記接着剤を介して主基板5の上に乗せ、接着剤が硬化するまで放置する。このような工程では、パネル部材3に加わる力が比較的小さいので、パネル部材3が破損しにくい。この結果前記接着剤の硬化前の状態における粘度が高いほど、透明接着層52の層厚が厚くなり易い。上述の工程において、前記接着剤の硬化前の粘度が高いほど、パネル部材3とフィルタ側部材4とを密着させることは困難であり、かつ主基板5に歪みが生じ易い。これは、主基板5の画素部分の厚さが0.1mm程度になるように主基板5が加工されているので、前記接着剤を用いて張り合わされる面が極めて柔らかくなっているためである。これとは逆に、上述の工程において前記接着剤の硬化前の粘度が低いほど、前記接着剤に表面張力が働くので、パネル部材3とフィルタ側部材4とを容易に密着させることができる。このように、フィルタ側部材4を硬化前の前記接着剤を介して主基板5の上に乗せ、接着剤を硬化するまで放置する場合、前記接着材の硬化前の粘度が低いほど、透明接着層52の層厚を薄くすることができる。ゆえに接着剤の硬化前の粘度は、できるだけ低いことが好ましいのである。
【0102】
このために本実施の形態では、透明接着層52の材料である接着剤として、三井化学株式会社製のX−9318(商品名)が用いられる。X−9318は、硬化前の状態における流動性の粘度が比較的低い変性エポキシ樹脂である。また前記接着剤として、上述の変性エポキシ樹脂以外の他の材料、たとえば、いわゆる紫外線硬化樹脂が用いられても良く、エポキシ樹脂と紫外線硬化樹脂との混合物が用いられても良い。紫外線硬化樹脂は、一般的に、硬化前の状態における粘度が他の樹脂よりも低いので、前記接着剤として用いることが好ましいのである。
【0103】
また前記接着剤の硬化前の粘度は0cPより大きくかつ2000cP以下であることが好ましい。接着剤の硬化前の粘度の上述の許容範囲は、以下の実験に基づいて決定された。前記実験のために、硬化前の粘度が1000cP,2000cP,5000cP,10000cPの粘度になるように調整されたエポキシ樹脂が、前記接着剤として用意された。前記エポキシ樹脂は、三井化学株式会社製のX−9318(商品名)である。準備後、前記複数の各接着剤をそれぞれ用い、図1と同じ構造の複数のカラーEL表示装置1をそれぞれ製造した。表示装置1の製造工程は、上述した製造工程と等しい。製造後、製造された複数の表示装置1において、前記接着剤を用いたパネル部材3とフィルタ側部材4との接着に起因する歪みがあるか否かを調べた。
【0104】
この結果、硬化前の粘度が1000cP,2000cPのエポキシ樹脂が用いられた表示装置1に歪みは生じておらず、硬化前の粘度が5000cP,10000cPのエポキシ樹脂が用いられた表示装置1には多くの歪みが生じていた。これによって接着剤の硬化前の粘度は0cPより大きくかつ2000cP以下であることが好ましく、かつ該範囲において粘度が低いほどさらに好ましい。本実施の形態では、表示装置1の製造コスト、作成プロセスに起因する生産性、及び樹脂の量産性に基づき、接着剤の硬化前の粘度は2000cPに選ばれた。以上が透明接着層52に関する説明である。
【0105】
前述したように、主基板5の凹部37を該主基板5の一方面31に平行な仮想平面で切断した断面は、画素領域34よりも広い。これは以下の理由からである。凹部37の形成にエッチャントを用いるいわゆる化学研磨法が用いられる場合、凹部37の底面38と凹部37の内周面54との境界部分が直角になりにくく、該底面38に対してなだらかな勾配を有する面になることが多い。ゆえに主基板5の前記境界部分の厚みが主基板5の画素部分における予め定める基準厚さWCよりも厚くなりやすい。ゆえに、主基板5の画素領域34に相当する部分、すなわち主基板5の画素部分の厚みを予め定める基準厚さWCに確実にするために、主基板5の凹部37の前記断面を画素領域34よりも広くする。この結果、主基板5の画素部分が、凹部37の境界部分を含まなくなるので、凹部37の形成に化学研磨法を用いても、該画素部分の厚みが基準厚さWCに確実になるのである。このように凹部37の形成に化学研磨法を用いるのは、該凹部37の形成に化学研磨法が用いられる場合、凹部37の形成のために主基板5に加えられる力が、他の形成手法が用いられる場合よりも小さくなるので、凹部37の形成工程において主基板5の破損を防止しやすくなるからである。
【0106】
第1の実施の形態のカラーEL表示装置1内の各部品の構成は、各部品の特徴的な構成が保たれていれば、上述の具体的な構成に限らず、他の構成であってもよい。前記部品の他の具体的な構成を、以下に述べる。主基板5の画素部分の厚さ、すなわち基準厚さWCは、表示装置1の視野角を該装置の実用上充分な角度に保つために、具体的には、50μm以上200μm以下であることが好ましい。本実施の形態では、視野角を180度とするために、基準厚さWCが100μmになっている。
【0107】
EL素子33内の2つの電極11,15のうちの色フィルタ21から遠いほうの電極、すなわち上部電極15は、発光層13から放射される光を反射するための反射板を兼ねる。ゆえに前記遠いほうの電極15を形成する材料の反射率は、表示装置1の表示面の輝度を高めるために、できるだけ高いことが好ましい。またEL素子33内の2つの電極11,15のうちの色フィルタに近いほうの電極、すなわち下部電極11は、発光層13から放射される光を透過可能であれば、ITOに限らず、透光性を有する他の導電性材料で形成されていてもよい。
【0108】
発光層13と表示装置1の表示面67との間に介在される複数の部品の屈折率は、相互に等しいことが好ましい。特に透明接着層52の屈折率は主基板5の屈折率と等しいことが好ましい。これは以下の理由からである。一般に、屈折率が相互に異なる媒質でそれぞれ満たされた2つの空間内を光が順次通過する場合、前記2つの空間の境界面で光の散乱および吸収がおこる。第1の実施の形態の表示装置1において、少なくとも下部電極11、下部絶縁層12、およびフィルタ部8は、主基板5の前記画素部分および対向基板9よりもそれぞれ充分に薄い。ゆえに表示装置1内部において、発光層13から放射された光は、下部電極11、下部絶縁層12およびフィルタ部8をほぼ直進し、主基板5の一方面および凹部34の底面38、ならびに対向基板9の一方面で屈折する。このため、前記光が発光層13から表示装置1の表示面67までの間に前記境界面における屈折に起因して減衰することを防止するために、少なくとも透明接着層52の屈折率は主基板5の屈折率と等しいことが好ましいのである。
【0109】
発光層13は、発光スペクトルの改善のために、マグネシウム(Mg)を含んでいていも良い。また発光層13は、発光スペクトルを変化させるために、すなわち発光層13,93から放射される光を黄色光以外の波長の光にするために、ZnS:Mnに代わって、Ceが添加されたSrS(以後「SrS:Ce」と記載する)だけから形成されていてもよく、ZnS:Mnから形成される第1の発光層とSrS:Ceから形成される第2の発光層とが積層されて構成されていてもよい。後者の積層型の発光層から放射される光は白色光である。
【0110】
色フィルタ21を通過可能な光の波長は、赤および緑の波長の光だけに限らず、発光層13から放射される光の波長に合わせて、表示装置1が多色発光を呈するように設定されればよい。たとえば発光層13が白色光を放射する場合、すなわち発光層13がZnS:MnおよびSrS:Ceからそれぞれ形成される2層の発光層が積層されて構成されている場合、フィルタ部8は、赤、緑および青の波長の光をそれぞれ通過させる3種類の色フィルタを含めば良い。
【0111】
図12は、本発明の第2の実施の形態であるカラーEL表示装置91の断面図である。第2の実施の形態のカラーEL表示装置91は、第1の実施の形態のカラーEL表示装置1と比較して、以下に説明する構成だけが異なり、他は等しい。ゆえに第2の実施の形態のカラー表示装置91の部品のうち、第1の実施の形態のカラーEL表示装置1内の部品と同じ部品には同じ参照符を付し、説明は省略する。
【0112】
第2の実施の形態のカラーEL表示装置91は、パネル部材3とフィルタ側部材4とを含む。パネル部材3とフィルタ側部材4との位置関係は、第1の実施の形態のカラーEL表示装置1における両部材3,4の位置関係と等しい。すなわちフィルタ側部材4は、主基板5の凹部37の底面38とフィルタ部8との間に介在される透明接着層52によって、凹部37内に固定される。さらに磁性充填層93が、主基板5の凹部37の内表面とフィルタ側部材4との間の間隙、すなわち枠状溝61を埋めている。なお図12では、色フィルタ21および遮光フィルタ23の参照符の一部分が省略されている。
【0113】
磁性充填層93は、可撓性を有しかつ磁性を示す。第2の実施の形態では、磁性充填層93は、磁性層94と充填層95を組合わせて構成される。磁性層94は磁性物質だけから構成される層である。充填層95は、可撓性のある材料から構成される層であり、枠状溝61内の磁性層95以外の残余の領域を埋める。充填層95の材料となる充填剤は、第1の実施の形態のカラーEL表示装置1の充填層53の材料となる充填剤と同じ条件を満たすもので実現される。
【0114】
磁性層94は、たとえば、磁性物質だけで構成されかつ磁化された枠状の板で実現される。前記磁性物質は、磁性を示すものであればよく、たとえばニッケル(Ni),鉄(Fe),またはコバルト(Co)で実現される。本実施の形態では、磁性物質として、他の磁性物質よりも加工性および耐候性が良いニッケルを用いている。なお磁性充填層93の構成は、上述の2つの層94,95の組合わせに限らず、可撓性がありかつ磁性を示すものであれば、他の構成でもよい。たとえば磁性充填層93は、充填層95の材料と同じ性質の充填剤に粉末状の磁性物質を混入した材料で形成されてもよく、該材料と同じ性質を有しかつ磁性を示す充填剤で形成されてもよい。
【0115】
このように磁性充填層93が磁性を示す構成になっているのは、以下の理由からである。カラーEL表示装置91が製品化される状況下において、表示装置91の表示面67の周辺部、すなわち磁性充填層94および主基板5の端部を覆うためのフレームが、該周辺部にさらに取付けられることが多い。前記フレームが金属材料で形成されているならば、磁性充填層93が上述の構成になっている場合、表示装置91が金属製フレームに磁力によって容易に固定される。この結果表示装置91の製品化が容易になる。また磁性充填層93が上述の構成になっている場合、表示装置91を磁力によって金属製の治具に容易に固定することができる。ゆえに表示装置91の製品化工程中、および該表示装置91を表示部として備える装置の製造工程中の作業性を、容易に向上させることができる。
【0116】
また磁性充填層93が磁性層94および充填層95を組合わせて構成されている場合、充填層95は可撓性を少なくとも有している。この結果第1の実施の形態において説明した理由と同じ理由に基づき、充填層95は、主基板5の近接部分62への応力集中を防止するので、主基板5の近接部分62における亀裂の発生を防止することができる。この結果表示装置91の信頼性試験時に、主基板5が破損することが防止される。
【0117】
また充填層95が可撓性を有する場合、表示装置91の製造時および表示装置91の製品化時において、主基板5のそりおよび磁性層95の剥離が防止される。これは以下の理由からである。磁性層94と主基板5とは、一般的に、たとえば熱膨張係数が相互に異なる。ゆえに充填層95が可撓性を有さない場合、たとえば充填層95が比較的固い樹脂、たとえばエポキシ樹脂で形成される場合、表示装置91の製造時に主基板5にそりが生じたり、表示装置91の製造時および表示装置91の製品化時に磁性層95が表示装置91から剥離することがある。充填層95が可撓性を有する場合、たとえば前記熱膨張係数の差異に起因する歪みが充填層95に吸収されるので、前述の主基板5のそりおよび磁性層95の剥離が防止されるのである。
【0118】
第2の実施の形態のカラーEL表示装置91の製造工程を、以下に説明する。以下の説明において、表示装置91を構成する部品の具体的な材質および寸法ならびに具体的な製造手法は例示であり、以下に述べるものに限らず他のものでもよい。なお第2の実施の形態のカラーEL表示装置91の製造工程内のパネル部材3およびフィルタ側部材4の形成工程および2つの部材3,4の貼合わせ工程は、第1の実施の形態のカラーEL表示装置1の製造工程内の該形成工程および該貼合わせ工程と等しいので、これらの部材3,4の形成から両部材3,4の貼合わせまでの一連の工程の説明は省略し、両部材3,4の貼合わせ後、透明接着層52の材料である接着剤が硬化した後の工程だけを説明する。
【0119】
前記接着剤硬化後、主基板5の凹部37の内周面54とフィルタ側部材4の側面55との間の空間が、枠状溝61として残る。ゆえに接着剤硬化後、枠状溝61に、充填層95の材料となる充填剤が、予め定める量だけ導入される。前記充填剤は、たとえば、第1の実施の形態で説明した滴下装置を用いて、枠状溝に滴下される。前記充填剤の具体的な導入手順は、第1の実施の形態の表示装置1の製造工程における充填剤の導入手順と比較して、枠状溝61内に導入される充填剤の総量だけが異なり、他は等しい。第2の実施の形態における充填剤の導入総量は、たとえば、第1の実施の形態における充填剤の導入総量よりも、磁性層94の体積分だけ少ない。具体的には、第2の実施の形態における充填剤の導入総量は、枠状溝61の容積から磁性層94を除いた残余の体積になっている。本実施の形態では、具体的には、枠状溝61の容積は3mlであり、充填剤の導入総量は、枠状溝61の容積の70%,すなわち2.1mlになっている。
【0120】
充填剤滴下に先立ち、または充填剤の滴下と平行して、磁性物質だけから形成される板が、枠状溝61の形状に合わせて枠状に切出され、かつ切出し後の枠状の板が磁化される。充填剤滴下後、充填剤が固まる前に、磁化済みの枠状の板が、磁性層94として、枠状溝61内に配置される。前記板は、該板の少なくとも一部分が対向基板9の他方面67よりも表示面側に飛出さないように、枠状溝61内に押込まれている。板配置後、充填剤が硬化される。この結果、前記充填剤が硬化後に充填層95になるので、磁性充填層93が完成する。以上の工程によって表示装置91が完成する。以上が表示装置91の製造工程の説明である。
【0121】
磁性層94、すなわち前述の磁化済みの枠状の板は、枠状溝61の内部空間と相似の形状であり、かつ該内部空間よりも若干細目になっている。すなわち磁性層94の厚さは枠状溝61の深さよりも薄く、かつ磁性層94の幅W11は枠状溝61の幅W12よりも細い。本実施の形態では、磁性層94の材料はニッケルであり、枠状溝61の深さが1.0mmであり、かつ磁性層の厚さは該深さの半分、すなわち0.5mmであるとする。また枠状の板の中心を通る枠状の仮想線の形状は枠状溝61内の内部空間の中心を通る仮想線の形状とひぼ等しく、枠状の板の幅は、枠状溝61の幅よりも、幅方向両側からそれぞれ1mmずつ細くなっている。すなわち枠状溝61の幅が5mmである場合、枠状の板の幅は3mmである。磁性層94を上述のように形成しているのは、対向基板9の他方面67を含む仮想平面、すなわち表示装置91の表示面を含む仮想平面よりも枠状溝61の底面38との間に、磁性層94が常に収まるようにするためである。これは以下の理由からである。
【0122】
表示装置91を含む製品は、一般的に、表示装置91に前述のフレームを取付けた構成になっている。磁性層94が前記仮想平面よりも枠状溝61の外側に突出しているならば、表示装置91と前記フレームとの間に隙間が空くので、表示装置91を含む製品が不良品になることがある。磁性層94が前記仮想平面よりも枠状溝61の内側にあるならば、表示装置91と前記フレームとが容易に密着するので、前記製品の前記隙間に起因する不良の発生が未然に防止される。これによって前記製品の歩留りが向上される。ゆえに磁性層91となる枠状の板は、前記仮想平面よりも枠状溝61の内側にあることが好ましいのである。磁性層91が上述の形状であれば、磁性層94と枠状溝61の内表面との間に充填層95が介在されていても、該磁性層94が確実に前記仮想平面よりも枠状溝61の内側に収まるので、前述の隙間に起因する不良の発生を確実に防止することができるので、好ましいのである。
【0123】
以上説明したように、第1および第2の実施の形態の表示装置1,71およびその製造方法は、本発明のカラーEL表示装置およびその製造方法の例示である。本発明のカラーEL表示装置およびその製造方法は、主要な部分が第1および第2の実施の形態の表示装置1,91およびその製造方法と等しければ、他の様々な形で実施することができる。すなわち第1および第2の実施の形態の表示装置1,91内の各部品の構成は、各部品の特徴的な構成が保たれていれば、上述の具体的な構成に限らず、他の構成で実現されてもよい。また第1および第2の実施の形態の表示装置1,91の製造方法の各工程の詳細な手法は、各工程の特徴が保たれていれば、上述の具体的な手法に限らず、他の手法で実現されてもよい。
【0124】
【発明の効果】
以上にように第1の発明によれば、カラーEL表示装置は、一方面に凹部のありかつ他方面上にEL素子が配置された第1基板と、該第1基板の凹部の底面にカラーフィルタを介して固定される第2基板とを含み、さらに凹部と第2基板との間の間隙が、可撓性のある充填層で埋められている。また第2の発明によれば、前記充填層の硬度は、5以上50以下の範囲内から選ばれる。これらの結果カラーEL表示装置は、第1基板の破損を未然に防止するので、該装置を含む製品使用時の該製品の信頼性を、従来技術の構成のカラーEL表示装置よりも向上させることができる。
【0125】
さらにまた第3の発明によれば、前記充填層は前記第1基板よりも柔軟な男性体である。これによって前記カラーEL表示装置の歩留りが向上し、かつ該装置の製品化後の信頼性が向上する。また第4の発明によれば、前記充填層が可撓性の他に遮光性をさらに有する。これによって前記カラーEL表示装置の表示品位の低下が防止される。また第5の発明によれば、前記充填層の材料の熱分解温度はカラーEL表示装置の駆動時に装置温度よりも高い。この結果前記カラーEL表示装置は、装置温度の変化に伴う該装置全体の強度の低下を、未然に防止することができる。
【0126】
また第6の発明によれば、前記充填層がシリコーンゴム系の樹脂を主成分とする材料で形成される。これによって、前記カラーEL表示装置の信頼性の劣化を防止することができ、かつ前記カラーEL表示装置の製造工程の作業性が向上される。さらにまた第7の発明に従えば、前記充填層が磁性物質をさらに含む。この結果前記カラーEL表示装置を組み込んだ製品の歩留りの低下が防止される。また第8の発明に従えば、前記充填層の材料は、硬化前の状態において、流動性を有する。この結果前記充填層は、前記カラーEL表示装置を均一に補強することができる。
【0127】
また以上のように第9の発明によれば、カラーEL表示装置の製造方法において、充填層が可撓性のある材料で形成される。この結果前記製造方法は、カラーEL表示装置の歩留りを従来技術の製造方法よりも向上させ、かつ該装置を含む製品使用時の該製品の信頼性を、従来技術の製造方法で製造されたカラーEL表示装置よりも向上させることができる。また第10の発明によれば、前記製造方法において、充填層の材料は硬化前の粘度が低く、前記間隙内に滴下される。この結果カラーEL表示装置の製造コストが、従来技術のカラーEL表示装置の製造コストよりも抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるカラーEL表示装置1の構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態のカラーEL表示装置1の平面図である。
【図3】第1の実施の形態のカラーEL表示装置1の底面図である。
【図4】第1の実施の形態のカラーEL表示装置1の製造工程内の充填層53の形成工程を説明するための図である。
【図5】充填層53の形成工程で用いられる充填剤の滴下装置内の滴下部71の概略構成を示す図である。
【図6】図5の滴下部71において、充填剤の滴下量と、滴下部71内部に供給される窒素ガス圧力との関係を示すグラフである。
【図7】図5の滴下部71において、充填剤の滴下量と、滴下部71内のノズル73の直径との関係を示すグラフである。
【図8】図5の滴下部71において、充填剤の滴下量と、充填剤の粘度との関係を示すグラフである。
【図9】図5の滴下部71において、充填剤の滴下量と、滴下部71内のノズル73の移動速度との関係を示すグラフである。
【図10】第1の実施の形態のカラーEL表示装置1の充填層53の硬度と、該表示装置1内の主基板5を破損させる力との関係を示すグラフである。
【図11】第1の実施の形態のカラーEL表示装置1の充填層53の材料の粘度と、該材料によって形成される薄膜の厚さとの関係を示すグラフである。
【図12】本発明の第2の実施の形態のカラーEL表示装置91の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,91 カラーEL表示装置
5 主基板
9 対向基板
21 色フィルタ
33 EL素子
52 透明接着層
53,95 充填層
93 磁性充填層
94 磁性層
Claims (10)
- 透光性を有し、かつ一方面に凹部が形成された第1基板と、
前記第1基板の他方面に配置される複数のエレクトロルミネッセンス素子と、透光性を有し、かつ前記第1基板の凹部の第1基板の一方面と平行な断面の面積よりも一方面の面積が小さい第2基板と、
前記第2基板の一方面と前記第1基板の凹部の底面との間に配置され、予め定める波長の光がそれぞれ通過可能な複数のカラーフィルタと、
前記第1基板の凹部と前記第2基板との間の間隙を埋める充填層とを含み、
前記充填層は、可撓性のある材料で形成されることを特徴とするカラーエレクトロルミネッセンス表示装置。 - 前記充填層は、前記第1基板よりも柔軟な弾性体であることを特徴とする請求項1記載のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置。
- 前記充填層の硬度は、5以上50以下に選ばれることを特徴とする請求項1記載のカラーエレクトロルミネッセンス装置。
- 前記充填層の材料は、遮光性をさらに有することを特徴とする請求項1記載のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置。
- 前記充填層の材料の熱分解温度は、前記カラーエレクトロルミネッセンス素子が発光する場合の前記カラーエレクトロルミネッセンス装置全体の温度よりも高いことを特徴とする請求項1記載のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置。
- 前記充填層の材料は、シリコーンゴム系の樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1記載のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置。
- 前記充填層は、磁性物質をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置。
- 前記充填層の材料は、前記間隙に充填される前の時点において流動性を有し、前記間隙に充填された後に硬化することを特徴とする請求項1記載のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置。
- 透光性を有する平板状の第1基板の一方面に、複数のエレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、
エレクトロルミネッセンス素子形成後の第1基板の他方面に、凹部を形成する工程と、
透光性を有する第2基板の一方面に、予め定める波長の光が通過可能な複数のカラーフィルタを形成する工程と、
前記第1基板の凹部の底面と第2基板とを、少なくとも前記カラーフィルタを挟んで対向させた状態で組合わせる工程と、
前記第1基板の凹部と前記第2基板との間の間隙に、可撓性のある材料を充填する工程とを含むことを特徴とするカラーエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。 - 前記充填層の材料は、前記間隙に充填される前の時点において流動性を有し、前記間隙内の予め定める位置に予め定める量だけ滴下され、前記間隙に充填された後に硬化することを特徴とする請求項9記載のカラーエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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