JP3677480B2 - 酸素センサ素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ素子に関し、特に自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサ素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
この検出素子として、主として酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質からなり、一端が封止された円筒管の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられている。この酸素センサの代表的なものとしては、図7の概略断面図に示すように、ZrO2固体電解質からなり、先端が封止された円筒管31の内面には、センサ部として白金からなり空気などの基準ガスと接触する基準電極32が、また円筒管31の外面には排気ガスなどの被測定ガスと接触される測定電極33が形成されている。
【0004】
このような酸素センサにおいて、一般に、空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられている、いわゆる理論空燃比センサ(λセンサ)としては、測定電極33の表面に、保護層としてセラミック多孔質層34が設けられており、所定温度で円筒管31両側に発生する酸素濃度差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。この際、理論空燃比センサは約700℃付近の作動温度までに加熱する必要があり、そのために、円筒管31の内側には、センサ部を作動温度まで加熱するため棒状ヒータ35が挿入されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年排気ガス規制の強化傾向が強まり、エンジン始動直後からのCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。このような要求に対して、上述のように、ヒータ35を円筒管31内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型酸素センサでは、センサ部が活性化温度に達するまでに要する時間(以下、活性化時間という。)が遅いために排気ガス規制に充分対応できないという問題があった。
【0006】
近年、この問題を回避する方法として、図10の概略断面図に示すように平板状の固体電解質基板36の外面および内面に測定電極37と基準電極38をそれぞれ設けると同時に、セラミック絶縁層39の内部に発熱体40を埋設したヒータ一体型の酸素センサ素子が提案されている。また、かかる酸素センサ素子においては、センサ素子の他端には、リード41を介して接続された電極パッド42が形成され、この電極パッド42には、コネクタや金属ピン等がロウ付けされる。
【0007】
しかしながら、従来のヒータ一体型酸素センサは、上述の従来の間接加熱方式と異なり、直接加熱方式であるために急速昇温が可能ではあるが、その昇温速度をさらに早くすることが望まれているが、素子自体が大きいために、急速昇温化に対しても限界があり、その結果、活性化時間の短縮ができないなどの問題があった。
【0008】
本発明は、小型で、且つガス応答性の優れ急速昇温が可能な酸素センサ素子を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸素センサ素子は、長尺状のジルコニア固体電解質基板平板の一方の端部付近における対向する両面に、白金から成る測定電極と基準電極とをそれぞれ設けたセンサ部を具備し、他方の端部付近に端子電極を具備してなる酸素センサ素子において、該素子の長手方向に対して直交する方向の幅が、後端部から先端部に向かって連続的、または段階的に小さく、且つ前記一対の電極パッドの形成幅が、先端部の幅よりも大きいことによって、電極パッドへのコネクタや金属ピンの取付けを確保しつつ、センサ部やヒータ部の小型化を図り、センサ部のガス応答性、急速昇温性を高めることができる。
【0010】
また、センサ部の小型化に当たっては、測定電極の電極面積が8〜18mm2であること、また、素子の先端から5mm以上の部分における長手方向に対して直交する方向の素子の幅が、2.0〜3.5mmであることが重要である。
【0011】
また、本発明の酸素センサ素子においては、セラミック絶縁層中に発熱体を埋設したヒータ部を具備することが望ましく、このヒータ部は、前記センサ部と同時焼成して形成されてなるか、またはそれぞれ別体で形成された後、接合材によって接合し一体化されたものでもよい。
【0012】
また、このヒータ部においては、一対の発熱体をセラミック絶縁層を介して上下に形成する、より好適には1つの発熱体の長手方向に対して直交する方向の最大幅xと、酸素センサ素子の長手方向に対して直交する方向の最大幅wとが、w≦2.5xの関係とすることによって、素子の幅を小さくした場合においても発熱量を大きくすることができ、素子の急速昇温を容易に行うことができる。
【0013】
なお、前記センサ部と前記ヒータ部とは、同時焼成して形成されていても、また前記センサ部と、前記ヒータ部とそれぞれ別体で形成された後、接合材によって接合し一体化してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸素センサ素子の基本構造の例を図面をもとに説明する。図1は、本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための概略断面図であり、図2は他の例を説明するための概略断面図である。これらは、一般的に理論空撚比センサ素子と呼ばれるものであり、図1、図2の例ではいずれもセンサ部1とヒータ部2を具備するものである。
【0015】
図1の酸素センサ素子においては、ジルコニアからなる酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質基板3と、この固体電解質基板3の対向する両面には、空気に接する基準電極4と、排気ガスと接する測定電極5とが形成されており、酸素濃度を検知する機能を有するセンサ部1を形成している。
【0016】
即ち、固体電解質基板3は、先端が封止された平板状の中空形状からなり、この中空部が大気導入孔3aを形成している。そして、この中空内壁に、空気などの基準ガスと接触する基準電極4が被着形成され、この基準電極4と対向する固体電解質基板3の外面に、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極5が形成されている。
【0017】
また、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極5表面には電極保護層としてセラミック多孔質層6が形成されている。
【0018】
一方、ヒータ部2は、電気絶縁性を有するセラミック絶縁層7に発熱体8が埋設された構造からなり、図1の酸素センサ素子においては、ヒータ部2は、センサ部1とともに焼成によって一体化された構造からなり、図2の酸素センサ素子においては、センサ部1とヒータ部2とは、それぞれ別体で形成され、接合材10によって接合された構造からなる。
【0019】
特に、センサ部1の固体電解質基板3とヒータ部2のセラミック絶縁層7との熱膨張係数差が大きい場合には、図2の構造からなることが望ましく、特に、接合箇所は、発熱体8や電極4、5が形成されていない使用時において、温度の低い部分にて接合することが望ましい。また、全面にて接合する場合には、センサ部1とヒータ部2との熱膨張係数の違いによる応力を緩和するため、例えばセンサ部1のジルコニア固体電解質基板3とヒータ部2のアルミナセラミック絶縁層7との複合材料、アルミナとジルコニアとを複合化合物層を介在させることもできる。
【0020】
なお、このヒータ部2は、図1では、保温性をヒータ部2による加熱効率を高めヒータ部2は、保温と材料間の熱膨張係数の差に起因する応力を低減するために、センサ部1と接する側と反対側に固体電解質基板3と同一または類似の熱膨張係数を有するセラミック層9を形成することが望ましい。
【0021】
また、本発明の酸素センサ素子は、図3の概略平面図に示すように、固体電解質基板3の先端部付近にセンサ部1やヒータ部2が形成されており、基板3の後端部付近の表面に測定電極5や基準電極4とリード10を介して接続された一対の電極パッド11が形成されている。そして、この電極パッド11には、適宜、白金ヒータ8への電力の印加や、センサ部1の電極4、5からの信号の外部への取り出しを行なうために金属製のコネクタが用いられるが、場合によっては電圧の印加や、信号の取り出しはNi等の金属ピンをパッド部にロウ付けして用いられることもある。
【0022】
本発明の酸素センサ素子においては、素子の長手方向に対して直交する方向の幅が、後端部から先端部に向かって連続的、または段階的に小さいことを特徴とする。具体的には、図3(a)に示すように、素子の先端部から後端部にわたって連続して幅が大きくなるように、言い換えれば幅が広くなるようなもの、図3(b)に示すように、先端部から後端部の間で段差部vを境に素子の幅が広くなるようなもの、図3(c)に示すように、先端部から後端部の間でテーパ部pを設け、部分的に連続して幅が広くなるもの等が挙げられる。
【0023】
このように、電極パッド11が設けられる部分の幅を広くし、電極パッド11を形成している部分の幅L1を素子先端部の幅L2よりも大きくすることによって、センサ部の小型化とともに、電極パッド11にコネクタや金属ピンなどを容易に且つ強固に取り付けることができる。
【0024】
また、本発明によれば、素子の小型化とともに優れたガス応答性を図る上で、測定電極5の電極面積が8〜18mm2であり、素子の先端から5mm以上、特に10mm以上の部分における長手方向に対して直交する方向の幅が、2.0〜3.5mmであることが望ましい。一方、電極パッド11が形成される後端部における最大幅は、3.7〜5mm、特に4.0〜4.5mmであることが適当である。
【0025】
本発明によれば、測定電極5の面積および先端部の幅を上記の範囲に制御することによって、ヒータによる急速昇温性を高め、センサによるガス応答性を改善することができる。
【0026】
また、ヒータ部2の構造として、本発明に基づき、測定電極5の面積および素子の幅を満足する限りにおいては、特に限定するものではなく、通常、図2に示すように、白金ヒータ8は、同一平面内に形成してもよいが、同一平面の場合には、小型化に伴い、ヒータパターンの形状が非常に制約される。
【0027】
そこで、図1に示す通り、ヒータ部2の長手方向に対して直交する方向の断面における一対の発熱体8がセラミック絶縁層7aを介して形成すると、ヒータ部の小型化を図ることができる。
【0028】
より具体的には、図4の発熱体パターンの構造を説明する概略透過図に示すように、長尺状のセラミック絶縁層7内において、一端側からリード8a1が長手方向に伸び、セラミック絶縁層7の他端部付近のセンサ部1の電極形成部と対向する部分に発熱部8b1が形成され、素子の他端部で折り返された後、発熱部8b2を経由してリード8a2に接続されている。本発明においては、少なくとも発熱部8b1と8b2とがセラミック絶縁層7aを介して上下に形成されており、この発熱部8b1、8b2は、他端部においてセラミック絶縁層7aを貫通するビア8cなどの接続体によって電気的に接続されている。
【0029】
図4の発熱体パターンは、ミアンダ構造(波形)のパターンから構成され、発熱体の幅をxとした場合、図4のミアンダ構造では、発熱体8の幅xは、その波形の最大振幅に相当する。この発熱部8b1、8b2がそれぞれ所定の幅xを有する場合、一般に、これらを同一平面内に形成すると、素子全体の幅wは、発熱部8b1、8b2を絶縁層7内に埋設するためのしろ部分や発熱体8b1、8b2間のショートを防止するために、素子全体の幅wは、w≧3x程度は必要となる。
【0030】
これに対して、発熱部8b1、8b2をそれぞれ異なる層間に形成すると、平面的にみて、発熱部8b1、8b2が重なっていてもセラミック絶縁層7aによって絶縁性が保たれているために、図1および図2に示したように、素子全体の幅wは、3xよりも小さくできる。特に小型化を図る上で、w≦2.5x、さらにはw≦2xを満足することが望ましい。
【0031】
なお、上下の発熱部8a1、8b2間のセラミック絶縁層7aの厚みとしては、電気絶縁性の観点から1〜300μm、特に5〜100μm、さらには、5〜50μmが好ましい。
【0032】
なお、図4の例では、発熱体8は、素子の長手方向に直交する方向で折り返しを有するミアンダ(波形)形パターンからなるものであったが、この発熱体パターンは、これに限定されるものではなく、例えば、図5の発熱体のパターン図に示すように、素子の長手方向で折り返しを有するミアンダ形パターンであってもよい。
【0033】
さらに、本発明によれば、上記図3(c)の酸素センサ素子を用いて、例えば、図6に示すように、酸素センサ素子をホルダーに取り付ける場合の取り付け治具12をテーパ部pの部分に取り付けることができる。
【0034】
本発明の酸素センサ素子において用いられる固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。また、ZrO2中のZrの1〜20原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果がある。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0035】
固体電解質基板3の表面に被着形成される基準電極4、測定電極5は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時における電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極4、5中に混合してもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極4、5の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0036】
一方、発熱体8を埋設するセラミック絶縁層7としては、アルミナセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましい。この際、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10質量%含有していてもよいが、Na、K等のアルカリ金属の含有量としては、マイグレーションしてヒータ部2における一対のヒータ間の電気絶縁性を悪くするため酸化物重量換算で50ppm以下に制御することが望ましい。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強度を高めることができるためである。
【0037】
また、測定電極5の表面に形成されるセラミック多孔質層6は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。この多孔質層6の厚さが10μmより薄いか、あるいは気孔率が50%を超えると、電極被毒物質P、Si等が容易に電極に達して電極性能が低下する。それに対して、多孔質層6の厚さが800μmを超えるか、あるいは気孔率が10%より小さくなるとガスの多孔質層6中の拡散速度が遅くなり、電極のガス応答性が悪くなる。特に、多孔質層6の厚さとしては気孔率にもよるが、100〜500μmが適当である。
【0038】
ヒータ部2におけるセラミック絶縁層7内に埋設された発熱体8およびリード8a1,8a2は、金属として白金単味、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との合金を用いることができる。この場合、発熱体8とリード8a1、8a2の抵抗比率は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。
【0039】
また、本発明の酸素センサ素子は、素子全体の厚さとしては、0.8〜1.5mm、特に1.0〜1.2mm、素子の長さとしては45〜55mm、特に45〜50mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0040】
さらに、本発明によれば、素子の先端部を半径が100mm以下の曲面によって形成するか、または角部を0.1mm以上のC面加工することによって、耐熱衝撃性を高めることができる。
【0041】
次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法について、図3(b)の酸素センサ素子の製造方法を例にして図7の分解斜視図をもとに説明する。
【0042】
まず、固体電解質のグリーンシート13を作製する。このグリーンシート13は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製され、さらにはパンチング等によって図7のような先端部の幅が後端部から先端部に向かって段階的に小さいグリーンシートを作製する。
【0043】
次に、上記のグリーンシート13の両面に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパターン14やリードパターン15や電極パッドパターン16やスルーホール(図示せず)などを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成した後、大気導入孔17を形成したグリーンシート18およびグリーンシート19をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着材を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりセンサ部1の積層体Aを作製する。
【0044】
なお、この時に測定電極5となるパターン14の表面には、図1のセラミック多孔質層6を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成してもよい。
【0045】
次に、図7に示すようにジルコニアグリーンシート20表面にアルミナ粉末からなるペーストをスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷し、セラミック絶縁層21aを形成する。
【0046】
次に、図1のように、白金ヒータをセラミック絶縁層を介して上下に形成する場合には、まず、セラミック絶縁層21aの表面に、下側のヒータパターン22aおよびリードパターン23aを印刷塗布する。そして、アルミナなどの絶縁性ペーストを塗布してセラミック絶縁層21bを形成し、そのセラミック絶縁層21bの表面に上側のヒータパターン22bおよびリードパターン23bを印刷塗布する。そして再度、絶縁性ペーストを用いてセラミック絶縁層21cを印刷形成することにより、ヒータ部2の積層体Bを作製する。
【0047】
この際、下側のヒータパターン22aと上側ヒータパターン22bとを接続するためには、セラミック絶縁層21bを形成した後に、セラミック絶縁層21bに表面から下側のヒータパターンに至る貫通孔を形成し、上側ヒータパターンを形成するときに、この貫通孔内に導電性ペーストを充填してビア導体24を形成する。または、下側のヒータパターン22aの一部が露出するようにセラミック絶縁層21bの先端部を切り欠き、その切り欠き部に導電性ペーストを塗布して上下のヒータパターンを接続し、一本に繋がった発熱体を形成することができる。
【0048】
また、ジルコニアシート20の下面には、ヒータ用電極パッドパターン25を前記導電性ペーストを用いて印刷塗布し、ヒータ用リードパターン23a、23bとは、ビア導体24と同様にして形成されたビア導体26によって電気的に接続する。
【0049】
なお、上記のヒータ部の積層体Bを作製するにあたり、セラミック絶縁層18a,18b、18cは、上記のように絶縁性ペーストの印刷塗布によって形成する他に、アルミナなどのセラミックスラリーを用いてドクターブレード法などのシート成形方法によって絶縁性シートを形成して積層することもできる。
【0050】
この後、センサ部の積層体Aとヒータ部の積層体Bをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着材を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械的に接着することにより接着一体化した後、これらを焼成する。焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時のセンサ部Aの反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低減することができる。
【0051】
また、センサ部の積層体Aとヒータ部の積層体Bとを同時焼成して一体化する場合には、両者の熱膨張係数差による応力の発生を低減するために、例えば、センサ部を形成する固体電解質成分とヒータ部のセラミック絶縁層を形成する絶縁成分との複合材料を介在させることが望ましい。
【0052】
その後、必要に応じて、焼成後の測定電極14の表面に、プラズマ溶射法等により,アルミナ、ジルコニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスを形成することによってヒータ部が一体化された酸素センサ素子を形成することができる。
【0053】
なお、上記の方法では、ヒータ部はセンサ部と同時焼成して形成した場合について説明したが、センサ部とヒータ部とはそれぞれ別体で焼成した後、ガラスなどの適当な無機接着材で接合することによって一体化することも可能である。
【0054】
【実施例】
図1に示すλセンサを、図7に従い以下のようにして作製した。
【0055】
まず、市販の純度が99.9%アルミナ粉末と、Siを0.1重量%含む5モル%Y2O3含有のジルコニア粉末と、平均粒子径が0.1μmで8モル%のイットリアを含むジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末▲1▼と、アルミナ粉末を20体積%含有する白金粉末▲2▼をそれぞれ準備した。
【0056】
まず、5モル%Y2O3含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後の厚さが0.4mmになるようなジルコニアのグリーンシート13を作製した。
【0057】
その後、グリーンシート13の両面に、白金粉末▲1▼を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷して、測定電極と基準電極のパターン14、リードパターン15および電極パッドパターン16を印刷形成した後、大気導入孔17を形成したグリーンシート18、およびグリーンシート19をアクリル樹脂の接着剤により積層しセンサ部用積層体Aを得た。この際、測定電極は焼成後5〜30mm2となるように面積を変化させた。
【0058】
次に、ジルコニアグリーンシート20表面に上述のアルミナ粉末からなるペーストを用いてスクリーン印刷してセラミック絶縁層21aを焼成後約10μmになるように形成した後、一方のヒータパターン22aおよびリードパターン23aを、アルミナを含有する白金を含有する導電性ペースト▲2▼を用いてスクリーン印刷で印刷形成し、さらにこの表面にもう一度アルミナ粉末からなるペーストをスクリーン印刷してセラミック絶縁層21bを形成した。この後、さらに他方のヒータパターン22bおよびヒータリード23bおよびグリーンシート20の下面にヒータ電極パッド25を、白金を含有する導電性ペーストを用いてスクリーン印刷で印刷形成し、さらにもう一度セラミック絶縁層21cを形成することにより、ヒータ部用積層体Bを作製した。なお、ヒータパターン22a、22b間はセラミック絶縁層21bに形成したビア導体24によって、またヒータリード23a,23bとヒータ電極パッド25とはセラミック絶縁層20、21a、21bに形成したビア導体26によって接続した。
【0059】
この後、前述の製造方法に従いセンサ部用積層体Aとヒータ部用積層体Bを接合してヒータ一体化センサ素子の積層体を1500℃、1時間焼成してヒータ一体化センサ素子を作製した。この際、センサ部用積層体とヒータ部用積層体の幅を変化させて、幅L2(=w)が1.8〜3.8mmの理論空燃比型(λ型)のヒータ一体化の酸素センサ素子を作製した。なお、各酸素センサ素子のセンサ用の電極パッドおよびヒータ用電極パッドを形成する部分の素子の幅は、すべて5mmとし、電極パッドの形成幅L1は4.5mmとした。
【0060】
さらに、各センサ用の電極パッドおよびヒータ用電極パッドにNiからなる金属ピンをロウ付けした。
【0061】
この後、水素、メタン、窒素、酸素の混合ガスを用いて空燃比が11と23の混合ガスを0.5秒間隔で交互にセンサ素子に吹き付けがら、素子のヒータに12V印加させて素子の活性化時間の測定を行った。この際、図8に示すようにヒータに電圧を印加した時間をゼロとし、まず素子が空燃比11で0.6Vを示し、次に空燃比23で0.3Vを示すまでの時間tを素子の活性化時間とした。
【0062】
【表1】
【0063】
本発明の酸素センサ素子は、いずれもなんら支障なく電極パッドに金属ピンを取り付けることが可能であった。また、素子の大きさにおいては、表1の結果より、素子の測定電極の面積が8〜18mm2、および素子の幅が2〜3.5mmの範囲とすることによって、活性化時間を10秒以下と小型な素子であり且つ優れた特性を有するセンサ素子を得ることができた。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、素子の長手方向に対して直交する方向の幅を後端部から先端部に向かって連続的、または段階的に小さく、且つ前記一対の電極パッドの形成幅を先端部の幅よりも大きくすることによって、酸素センサ素子におけるセンサ部およびヒータ部の小型化が可能となり、ガス応答性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の酸素センサ素子の他の例を説明するために概略断面図である。
【図3】本発明における酸素センサ素子の概略平面図である。
【図4】本発明における発熱体パターンの構造を説明するための概略透過図である。
【図5】本発明における発熱体パターンの他の構造を説明するための透過図である。
【図6】本発明の酸素センサ素子の応用例を説明するための概略斜視図である。
【図7】図3(b)の酸素センサ素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図8】活性化時間の測定方法を説明するためのグラフである。
【図9】従来のヒータ一体型酸素センサ素子の構造を説明するための概略断面図である。
【図10】従来の他のヒータ一体型酸素センサ素子の構造を説明するための(a)概略断面図と、(b)概略平面図である。
【符号の説明】
1 センサ部
2 ヒータ部
3 固体電解質
4 基準電極
5 測定電極
6 セラミック多孔質層
7 セラミック絶縁層
8 白金ヒータ
Claims (6)
- 長尺状の固体電解質基板の先端部付近における対向する両面に、白金から成る測定電極と基準電極とをそれぞれ設けたセンサ部を具備し、前記固体電解質基板の後端部付近の表面に一対の電極パッドを具備してなる酸素センサ素子において、前記測定電極の電極面積が8〜18mm 2 、素子の先端から5mm以上の部分における長手方向に対して直交する方向の素子の幅が、2.0〜3.5mmであるとともに、該素子の長手方向に対して直交する方向の素子の幅が、後端部から先端部に向かって連続的、または段階的に小さく、且つ前記一対の電極パッドの形成幅が、先端部の幅よりも大きいことを特徴とすることを特徴とする酸素センサ素子。
- セラミック絶縁層中に発熱体を埋設したヒータ部を具備することを特徴とする請求項1記載の酸素センサ素子。
- 前記ヒータ部において、一対の発熱体がセラミック絶縁層を介して上下に形成されていることを特徴とする請求項2記載の酸素センサ素子。
- 前記発熱体の長手方向に対して直交する方向の最大幅xと、酸素センサ素子の長手方向に対して直交する方向の最大幅wとが、w≦2.5xの関係を有することを特徴とする請求項2または請求項3記載の酸素センサ素子。
- 前記センサ部と前ヒータ部とが同時焼成して形成されてなることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか記載の酸素センサ素子。
- 前記センサ部と、前記ヒータ部とそれぞれ別体で形成した後、接合材によって接合し一体化してなることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか記載の酸素センサ素子。
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