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JP3677486B2 - 永久磁石回転子およびその製造方法 - Google Patents
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JP3677486B2 - 永久磁石回転子およびその製造方法 - Google Patents

永久磁石回転子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は永久磁石回転子およびその製造方法に関し、より具体的にはブラシレスモータなどの回転子における永久磁石の取り付け構造およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層鋼板からなるヨークに界磁用の永久磁石が収容されるべきスロットを穿設してなる永久磁石回転子においては、回転するときも永久磁石が破損・欠落しないように、永久磁石をスロット内に確実に保持する必要がある。
【0003】
その意図から、実開昭58−172376号公報記載の技術においては、永久磁石の外周を樹脂で被覆すると共に、永久磁石を収納すべきスロットの形状寸法に応じて機械加工して収容することを提案している。また、特許公報第2748694号公報記載の技術は、スロットに塑性変形自在な突出部を形成し、その突出部で永久磁石を保持する構成を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開昭58−172376号公報記載の技術においては、樹脂で被覆された永久磁石を機械加工して得られる修正量は僅少であることから、スロットおよび永久磁石の形状寸法を厳密に管理する必要があった。即ち、積層鋼板からヨークを型抜きしてスロットを穿設する場合、鋼板間にある程度の段差が生じることから、型抜きした後に研磨して仕上げるなどの工程が必要になって生産性が低下するなどの不都合があった。
【0005】
さらに、特許公報第2748694号公報記載の技術においては、上記したようにスロットに塑性変形自在な突出部を形成する必要があると共に、鋼板からの型抜きに際して突出部が変形することがあったり、鋼板から形成される突出部が永久磁石の表面を削ったり、傷を付けたりするという不都合があった。
【0006】
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消することにあり、ステータに隣接して回転自在に設けられると共に、積層鋼板からなるヨークを備え、そのヨークに界磁用の永久磁石が収容されるべきスロットが穿設されてなる永久磁石回転子およびその製造方法において、製作を容易にして生産性を向上させつつ、永久磁石をスロット内に確実に保持するようにした永久磁石回転子およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を解決するために請求項1項にあっては、ステータに隣接して回転自在に設けられると共に、積層鋼板からなるヨークを備え、前記ヨークに界磁用の永久磁石が収容されるべきスロットが穿設されてなる永久磁石回転子において、前記永久磁石を被覆材で被覆した被覆層を設け、前記被覆層の外側に前記スロット内壁面に係合する被切削自在な凸部を設けるように構成した。また、同様に請求項8項にあっては、ステータに隣接して回転自在に設けられると共に、積層鋼板からなるヨークを備え、前記ヨークに界磁用の永久磁石が収容されるべきスロットが穿設されてなる永久磁石回転子の製造方法において、前記永久磁石を被覆材で被覆して被覆層を形成すると共に、前記被覆層の外側に被切削自在な凸部を形成し、よって前記永久磁石を前記スロットに挿入して収容するにあたり、前記凸部を前記スロットの内壁面で切削させつつ係合させて前記永久磁石を前記スロットに収容するように構成した。
【0008】
永久磁石を被覆材で被覆して被覆層を形成すると共に、その外側に被切削自在な凸部を形成し、よって永久磁石をスロットに挿入して収容するにあたり、凸部をスロットの内壁面で切削させつつ係合させ、換言すれば、永久磁石とスロットの形状寸法差を凸部の削り代として持つように構成し、凸部を削りながら、永久磁石をスロットに収容するように構成したので、永久磁石をスロットに隙間なく収容することができ、そこに確実に保持することができる。また、機械加工を行う必要もないので、製作が容易であって生産性が向上すると共に、コスト面での低減も図ることができる。また、被覆材の素材として永久磁石とスロットの熱伸び差による空隙を補完するような素材を選択すれば、永久磁石をスロットに収容した後も、そこに一層確実に保持することができる。
【0009】
請求項2項にあっては、前記凸部は、その高さが前記永久磁石の挿入端で最小となるようにテーパ状に形成される如く構成した。
【0010】
凸部は、その高さが永久磁石の挿入端で最小となるようにテーパ状に形成される如く構成したので、永久磁石のスロットへの挿入が容易となって作業性を向上させることができる。
【0011】
請求項3項にあっては、前記凸部は、前記被覆層の外側の少なくとも1面に部分的に形成される如く構成した。
【0012】
凸部は、被覆層の外側の少なくとも1面に部分的に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、スロット内壁面での凸部の切削が容易となって永久磁石のスロットへの挿入における押圧力を軽減できると共に、被覆層に使用される材料の量を少なくすることができる。
【0013】
請求項4項にあっては、前記永久磁石を金属メッキしてメッキ層を形成すると共に、前記メッキ層の上に前記被覆層が形成される如く構成した。
【0014】
永久磁石を金属メッキしてメッキ層を形成すると共に、メッキ層の上に被覆層が形成される如く構成したので、永久磁石をスロットに挿入するとき、スロットの内壁面に突き当たっても損傷することがないと共に、例えば、遠心力が最も強く作用する面にメッキ層を形成して遠心力を受ける、換言すれば、そこに被覆層を形成しないようにすることで遠心力による被覆層の破損を効果的に防止することができる。
【0015】
請求項5項にあっては、前記被覆層は、前記永久磁石が前記スロットに収容されるときに前記回転子の外周面に最も接近する面を除く、前記永久磁石の残余の面に形成されると共に、前記凸部は、前記回転子の外周面から最も離間する面に形成される如く構成した。
【0016】
被覆層は、永久磁石がスロットに収容されるときに回転子の外周面に最も接近する面を除く、換言すれば、回転時に遠心力が最も強く作用する面を除く、永久磁石の残余の面に形成されると共に、凸部は、回転子の外周面から最も離間する面に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、高回転型の永久磁石回転子であっても、直ぐ上に述べたように、遠心力を永久磁石のメッキ面(層)で受けることで被覆層の破損を効果的に防止することができる。
【0017】
請求項6項にあっては、前記被覆層は、前記永久磁石が前記スロットに収容されるときに前記回転子の外周面から最も離間する面を除く、前記永久磁石の残余の面に形成されると共に、前記凸部は、前記回転子の外周面に最も接近する面に形成される如く構成した。
【0018】
被覆層は、永久磁石が前記スロットに収容されるときに回転子の外周面から最も離間する面を除く、永久磁石の残余の面に形成されると共に、凸部は、回転子の外周面に最も接近する面に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、遠心力を被覆層で受けることができ、永久磁石の破損を防止することができる。
【0019】
請求項7項にあっては、前記被覆材が、樹脂および金属の少なくともいずれかである如く構成した。
【0020】
前記した効果に加え、被覆材の素材として樹脂および金属の少なくともいずれかであって、例えば、永久磁石とスロットの熱伸び差による空隙を補完するような素材を選択すれば、永久磁石をスロットに収容した後も、そこに一層確実に保持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、その発明の一つの実施の形態に係る永久磁石回転子をロータ、ステータなどに分解して概略的に示す斜視図である。尚、図示例の場合、永久磁石回転子は、ブラシレスモータ(交流同期電動機)用のロータとして構成される。
【0023】
図において、符号10はそのブラシレスモータを示し、ブラシレスモータ10は、ステータ12と、ロータ(回転子)14と、ロータ14のスロット(後述)に収容されるべき永久磁石16を備える。図2に示す如く、ロータ14は、ステータ12内に収容される。
【0024】
ステータ12の内周には18個のステータ磁極12aがステータ12の中心に向けて突設される。ステータ磁極12aのそれぞれには、コイル(図示せず)が嵌装される。ステータ12の外周側には3個の突起12bが突設され、そこに穿設された孔にボルト(図示せず)を挿通してハウジング(図示せず)に固定される。
【0025】
ロータ14はヨーク14aからなり、ヨーク14aは後述するようにケイ素鋼板を多数枚、積層されてなる。ロータ14には、12個のロータ磁極14bが、前記ステータ磁極12aに対向するように突設される。ロータ磁極14bのそれぞれにはスロット14cが穿設され、そこに界磁用の永久磁石16が収容される。
【0026】
このように、ロータ(回転子)14は、ステータ12に隣接して回転自在に設けられると共に、積層鋼板からなるヨーク14aを備え、ヨーク14aに界磁用の永久磁石16が収容されるべきスロット14cが穿設された突極型の永久磁石回転子として構成される。
【0027】
かく構成される永久磁石回転子を用いたブラシレスモータ10は全体として薄型のインナーロータ型のブラシレスモータとして構成され、ロータ14の中心側の取付面18のボルト締結部18a(図2に示す)が車両のエンジンのクランクシャフト(図示せず)の一端にボルト締結されると共に、ロータ14の外周側の取付面20のボルト締結部20a(図2に示す)が変速機(図示せず)にボルト締結され、ハイブリッド車両の駆動源の一つとして使用される。
【0028】
図3は永久磁石16の拡大平面図、図4は紙面上方向から見たその側面図、図5は図3のV−V線断面図である。
【0029】
図示の如く、永久磁石16は、平面視および側面視において矩形状を呈し、大略プレート状に形成される。永久磁石16は、希土類金属、例えば、ネオジウム・鉄・ボロンなどを焼結させて製作される。
【0030】
図6は永久磁石16がロータ14に穿設されたスロット14cに収容された状態を示す説明断面模式図であリ、図7は永久磁石16がスロット14cに挿入される状態を示す説明断面模式図である。尚、図示の便宜のため、図6以降において一部の部位の厚みは誇張して示す。
【0031】
この発明に係るロータ(回転子)14において特徴的なことは、ロータ14に穿設されたスロット14cに永久磁石16を確実に保持するように構成したことにあるので、以下その点に焦点をおいて説明する。
【0032】
図13に示す如く、スロット14cは、多数のケイ素鋼板100を積層してなるヨーク14aを型抜きして穿設されるが、図示の如く、型抜き加工では段差22が伴う。鋼板100の厚みを0.35mmとすると、段差22は、例えば、最大40μm程度となる。従って、前記した実開昭58−172376号公報記載の技術で提案されるように永久磁石16の外周を樹脂102で被覆してスロット14cに挿入すると、永久磁石16が突出する鋼板100aなどに突き当たり、挿入が困難であった。
【0033】
そこで、この出願に係るロータ(回転子)14においては、図6および図7に示す如く、永久磁石16を樹脂からなる被覆材で被覆して被覆層24を形成すると共に、被覆層24の外側に、被覆層24を構成する被覆材(樹脂)を延長させることによって、被切削自在な凸部24aを形成し、よって永久磁石16をスロット14cに挿入して収容するとき、凸部24aをスロット14cの内壁面14c1で切削させつつ係合させ、換言すれば、永久磁石16とスロット14cの形状寸法差を凸部24aの削り代として持つように構成し、よって永久磁石16をスロット14cに確実に収容して保持するようにした。
【0034】
具体的には、図6および図7に示す如く、凸部24aは、被覆層24の外側の少なくとも1面に少なくとも部分的に形成される。より具体的には、被覆層24は、永久磁石16がスロット14cに収容されるときにロータ14の外周面14dに最も接近する面16cを除く、永久磁石16の5面に形成されると共に、凸部24aは、ロータ14の外周面14dから最も離間する面16dに形成されるようにした。
【0035】
また、図7に示す如く、凸部24aは、その高さが、永久磁石16のスロット14cへの挿入端で最小となるようにテーパ状に形成される。より具体的には、凸部24aは、その高さが永久磁石16の挿入端で最小にされると共に、徐々に増加されるテーパ状を呈し、永久磁石16の中央部位に相当する付近で平坦に形成された後、後端に向けて再び減少するテーパ状を呈するように形成される。
【0036】
さらに、図6および図7に示す如く、凸部24aは、挿入方向に沿って延びると共に、相互に離間して配置された3本のレール形状にされ、そのそれぞれが上記したようなテーパ状を呈するように形成される。
【0037】
さらに、永久磁石16を金属メッキしてメッキ層26を形成すると共に、メッキ層26の上に被覆層24が形成されるようにした。メッキ層26は、永久磁石16の硬度を増加させて挿入時に永久磁石16が突出する鋼板100aに突き当たるときも損傷しないような金属材、例えば、ニッケル・鉄系などの金属材を用いて形成される。
【0038】
ここで、被覆層24と凸部24aを構成する樹脂の素材について説明すると、被切削自在な(切削性に優れた)、換言すれば、永久磁石16とスロット14cの形状寸法差を削り代として持つことができるような素材である必要がある。
【0039】
さらに、ブラシレスモータ10は前記したように、ハイブリッド車両に用いられるとき、高温、例えば150℃以上の温度に曝されると共に、エンジンオイルなども付着する。また、永久磁石16は吸引力を有する。従って、樹脂は、そのような使用環境でも経年劣化が少ないものを選択する必要がある。
【0040】
さらに、ケイ素鋼板100を積層してなるヨーク14aと、希土類金属を焼結してなる永久磁石16とでは熱膨張率が異なることから、温度の変化に起因する膨張・収縮の差(熱伸び差)により、永久磁石16をスロット14cに収容した後も、スロット14cの内壁面14c1と永久磁石16との間に空隙が発生する恐れがある。従って、樹脂はそのような熱伸び差による空隙を補完する性質も持つことが望ましい。上記を勘案し、被覆層24および凸部24aを構成する樹脂の素材としては、例えば、液晶ポリマ系あるいはナイロン系の樹脂を用いることとする。
【0041】
このように、この実施の形態においては、永久磁石16を樹脂からなる被覆材で被覆して被覆層24を形成すると共に、被覆層24の外側に、被覆層24を構成する被覆材(樹脂)を延長させることによって、被切削自在な凸部24aを形成し、凸部24aをスロット14cの内壁面14c1で切削させつつ係合させて永久磁石16をスロット14cに収容するようにしたので、換言すれば、凸部24aを削りながら、永久磁石16をスロット14cに挿入するようにしたので、永久磁石16をスロット14cに隙間なく挿入して収容することができ、そこに確実に保持することができる。
【0042】
また、機械加工を行う必要もないので、製作が容易であって生産性が向上すると共に、コスト面での低減を図ることもできる。さらに、樹脂として上記したような素材を選ぶことで、収容した後も、永久磁石16がスロット14cから脱落したり、破損することがない。
【0043】
さらに、永久磁石16を金属メッキすることで、永久磁石16をスロット14c1に挿入するとき、その内壁面14c1で突出する鋼板100aに突き当たるときも、永久磁石16を破損から効果的に防止することができる。
【0044】
さらに、被覆層24は、永久磁石16がスロット14cに収容されるときにロータ14の外周面14dに最も接近する面16dを除く、永久磁石16の5面に形成される、換言すれば、回転時に遠心力が作用する面16dはメッキ層26でスロット14cの内壁面14c1に直接、接触するようにしたので、被覆層24の破損を効果的に防止することができる。ブラシレスモータ10はハイブリッド車両に使用されるとき、回転数が最大で6000rpm程度に達する恐れがあるが、そのような高回転にあっても、被覆層24の破損を効果的に防止することができる。
【0045】
さらに、凸部24aが3本のレール形状に形成されると共に、そのそれぞれがテーパ状に形成されるようにしたので、永久磁石16をスロット14cに挿入するときの作業が容易となる。
【0046】
尚、レール形状の凸部24aの個数は3本に限定されるものではなく、2本あるいは4本以上であっても良い。より具体的には、永久磁石16をスロット14cに安定して挿入できれば、レール形状部の個数は何個であっても良い。さらには、テーパ形状も挿入を容易とするものであれば、図示の形状に限定されないことは、いうまでもない。
【0047】
図8および図9は、この発明に係る永久磁石回転子およびその製造方法の第2の実施の形態を示す、6および図7と同様の説明図である。
【0048】
以下、第1の実施の形態と相違する点に焦点をおいて説明すると、第2の実施の形態にあっては、凸部24aを相互に離間配置された3本のレール形状ではなく、被覆層24の外側の少なくとも1面の全域、即ち、ロータ14の外周面14dから最も離間する面16dに全面的に形成されるように構成した。
【0049】
それに伴って凸部24aの形状も若干相違しているが、凸部24aは永久磁石16の挿入端で高さが最小となるテーパ状であることは、第1の実施の形態の場合と同様である。残余の構成は第1の実施の形態と同様であり、効果も同様である。
【0050】
図10は、この発明に係る永久磁石回転子およびその製造方法の第3の実施の形態を示す、図6と同様の説明図である。
【0051】
以下、第1の実施の形態と相違する点に焦点をおいて説明すると、第3の実施の形態にあっては、被覆層24は、永久磁石16がスロット14cに収容されるときにロータ14の外周面14dから最も離間する面16dを除く、永久磁石16の残余の5面に形成されると共に、凸部24aは、ロータ14の外周面14dに最も接近する面16cに形成されるように構成した。
【0052】
即ち、遠心力を被覆層24で受けることになるので、永久磁石16の破損を防止することができる。尚、この実施の形態の場合、被覆層24の遠心力に対する耐久性や伸縮性により、最高回転数が決定されることになる。尚、残余の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0053】
図11および図12は、この発明に係る永久磁石回転子およびその製造方法の第4の実施の形態を示す、図6および図7と同様の説明図である。
【0054】
以下、第1の実施の形態と相違する点に焦点をおいて説明すると、第4の実施の形態にあっては、被覆層24と凸部24aを構成する被覆材として、樹脂に代えて金属を用いるようにした。金属としては、樹脂と同様に、被切削自在、より具体的には切削性に優れると共に、経年劣化に対する耐性に優れ、さらに熱伸び差による空隙の発生を補完する性質を備えるものならばどのようなもので良いが、例えば、アルミニウムを使用する。
【0055】
尚、残余の構成は第1の実施の形態と同様であり、効果も同様である。また、第4の実施の形態を、第2の実施の形態の構成において樹脂を金属に代えることで示したが、第1の実施の形態において樹脂を金属に代えるようにしても良い。
【0056】
第1から第4の実施の形態は上記の如く、ステータ12に隣接して回転自在に設けられると共に、積層鋼板100からなるヨーク14aを備え、前記ヨークに界磁用の永久磁石16が収容されるべきスロット14cが穿設されてなる永久磁石回転子(ロータ14)において、前記永久磁石を被覆材で被覆して被覆層24を形成すると共に、前記被覆層24の外側に被切削自在な凸部24aを形成し、よって前記永久磁石16を前記スロット14cに挿入して収容するにあたり、前記凸部24aを前記スロットの内壁面14c1で切削させつつ係合させて前記永久磁石16を前記スロット14cに収容するように構成した。
【0057】
また、前記凸部24aは、その高さが前記永久磁石16の挿入端で最小となるようにテーパ状に形成される如く構成した。
【0058】
また、前記凸部24aは、前記被覆層24の外側の少なくとも1面に部分的に形成される如く構成した。
【0059】
また、前記永久磁石16を金属メッキしてメッキ層26を形成すると共に、前記メッキ層の上に前記被覆層24が形成される如く構成した。
【0060】
また、前記被覆層24は、前記永久磁石16が前記スロット14cに収容されるときに前記回転子(ロータ14)の外周面14dに最も接近する面16cを除く、前記永久磁石16の残余の面(換言すれば5面)に形成されると共に、前記凸部24aは、前記回転子の外周面14dから最も離間接近する面16dに形成される如く構成した。
【0061】
また、前記被覆層24は、前記永久磁石16が前記スロット14cに収容されるときに前記回転子(ロータ14)の外周面14dから最も離間する面16dを除く、前記永久磁石の残余の面に形成されると共に、前記凸部24aは、前記回転子の外周面に最も接近する面16cに形成される如く構成した。
【0062】
また、前記被覆材が、樹脂および金属の少なくともいずれかである如く構成した。
【0063】
尚、第1から第4の実施の形態において、被覆層24と凸部24aを構成する素材を同一にし、換言すれば、被覆層24から連続的に凸部24aを構成するようにしたが、被覆層24と凸部24aを形成する素材を異ならせても良い。
【0064】
また、上記において、永久磁石回転子をインナーロータ型のブラシレスモータ用の回転子として示したが、アウタロータ型のそれであっても良い。さらには、モータ(電動機)の回転子として示したが、発電機の回転子であっても良い。
【0065】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、永久磁石を被覆材で被覆して被覆層を形成すると共に、その外側に被切削自在な凸部を形成し、よって永久磁石をスロットに挿入して収容するにあたり、凸部をスロットの内壁面で切削させつつ係合させ、換言すれば、永久磁石とスロットの形状寸法差を凸部の削り代として持つように構成し、凸部を削りながら、永久磁石をスロットに収容するように構成したので、永久磁石をスロットに隙間なく収容することができ、そこに確実に保持することができる。また、機械加工を行う必要もないので、製作が容易であって生産性が向上すると共に、コスト面での低減も図ることができる。また、被覆材の素材として永久磁石とスロットの熱伸び差による空隙を補完するような素材を選択すれば、永久磁石をスロットに収容した後も、そこに一層確実に保持することができる。
【0066】
請求項2項にあっては、凸部は、その高さが永久磁石の挿入端で最小となるようにテーパ状に形成される如く構成したので、永久磁石のスロットへの挿入が容易となって作業性を向上させることができる。
【0067】
請求項3項にあっては、凸部は、被覆層の外側の少なくとも1面に部分的に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、スロット内壁面での凸部の切削が容易となって永久磁石のスロットへの挿入における押圧力を軽減できると共に、被覆層に使用される材料の量を少なくすることができる。
【0068】
請求項4項にあっては、永久磁石を金属メッキしてメッキ層を形成すると共に、メッキ層の上に被覆層が形成される如く構成したので、永久磁石をスロットに挿入するとき、スロットの内壁面に突き当たっても損傷することがないと共に、例えば、遠心力が最も強く作用する面にメッキ層を形成して遠心力を受ける、換言すれば、そこに被覆層を形成しないようにすることで遠心力による被覆層の破損を効果的に防止することができる。
【0069】
請求項5項にあっては、被覆層は、永久磁石がスロットに収容されるときに回転子の外周面に最も接近する面を除く、換言すれば、回転時に遠心力が最も強く作用する面を除く、永久磁石の残余の面に形成されると共に、凸部は、回転子の外周面から最も離間する面に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、高回転型の永久磁石回転子であっても、直ぐ上に述べたように、遠心力を永久磁石のメッキ面(層)で受けることで被覆層の破損を効果的に防止することができる。
【0070】
請求項6項にあっては、被覆層は、永久磁石が前記スロットに収容されるときに回転子の外周面から最も離間する面を除く、永久磁石の残余の面に形成されると共に、凸部は、回転子の外周面に最も接近する面に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、遠心力を被覆層で受けることができ、永久磁石の破損を防止することができる。
【0071】
請求項7項にあっては、前記した効果に加え、被覆材の素材として樹脂および金属の少なくともいずれかであって、例えば、永久磁石とスロットの熱伸び差による空隙を補完するような素材を選択すれば、永久磁石をスロットに収容した後も、そこに一層確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一つの実施の形態に係る永久磁石回転子をロータなどに分解して概略的に示す斜視図である。
【図2】 図1に示す永久磁石回転子を組み立てた状態を示す正面図である。
【図3】 図1に示す永久磁石の拡大平面図である。
【図4】 図3に示す永久磁石を紙面上方向から見たその側面図である。
【図5】 図3のV−V線断面図である。
【図6】 図1などに示す永久磁石がロータに穿設されたスロットに収容された状態を示す説明断面模式図である。
【図7】 図1などに示す永久磁石がロータに穿設されたスロットに挿入される状態を示す説明断面模式図である。
【図8】 この発明の第2の実施の形態に係る永久磁石回転子およびその製造方法において、永久磁石がロータに穿設されたスロットに収容された状態を示す説明断面模式図である。
【図9】 この発明の第2の実施の形態に係る永久磁石回転子およびその製造方法において、永久磁石がロータに穿設されたスロットに挿入される状態を示す説明断面模式図である。
【図10】 この発明の第3の実施の形態に係る永久磁石回転子およびその製造方法において、永久磁石がロータに穿設されたスロットに収容された状態を示す説明断面模式図である。
【図11】 この発明の第4の実施の形態に係る永久磁石回転子およびその製造方法において、永久磁石がロータに穿設されたスロットに収容された状態を示す説明断面模式図である。
【図12】 この発明の第4の実施の形態に係る永久磁石回転子およびその製造方法において、永久磁石がロータに穿設されたスロットに挿入される状態を示す説明断面模式図である。
【図13】 従来技術に係る永久磁石回転子およびその製造方法において、永久磁石がロータに穿設されたスロットに挿入される状態を示す説明断面模式図である。

Claims (8)

  1. ステータに隣接して回転自在に設けられると共に、積層鋼板からなるヨークを備え、前記ヨークに界磁用の永久磁石が収容されるべきスロットが穿設されてなる永久磁石回転子において、前記永久磁石を被覆材で被覆した被覆層を設け、前記被覆層の外側に前記スロット内壁面に係合する被切削自在な凸部を設けたことを特徴とする永久磁石回転子。
  2. 前記凸部は、その高さが前記永久磁石の挿入端で最小となるようにテーパ状に形成されることを特徴とする請求項1項記載の永久磁石回転子。
  3. 前記凸部は、前記被覆層の外側の少なくとも1面に部分的に形成されることを特徴とする請求項1項または2項記載の永久磁石回転子。
  4. 前記永久磁石を金属メッキしてメッキ層を形成すると共に、前記メッキ層の上に前記被覆層が形成されることを特徴とする請求項1項から3項のいずれかに記載の永久磁石回転子。
  5. 前記被覆層は、前記永久磁石が前記スロットに収容されるときに前記回転子の外周面に最も接近する面を除く、前記永久磁石の残余の面に形成されると共に、前記凸部は、前記回転子の外周面から最も離間する面に形成されることを特徴とする請求項4項記載の永久磁石回転子。
  6. 前記被覆層は、前記永久磁石が前記スロットに収容されるときに前記回転子の外周面から最も離間する面を除く、前記永久磁石の残余の面に形成されると共に、前記凸部は、前記回転子の外周面に最も接近する面に形成されることを特徴とする請求項4項記載の永久磁石回転子。
  7. 前記被覆材が、樹脂および金属の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1項から6項のいずれかに記載の永久磁石回転子。
  8. ステータに隣接して回転自在に設けられると共に、積層鋼板からなるヨークを備え、前記ヨークに界磁用の永久磁石が収容されるべきスロットが穿設されてなる永久磁石回転子の製造方法において、前記永久磁石を被覆材で被覆して被覆層を形成すると共に、前記被覆層の外側に被切削自在な凸部を形成し、よって前記永久磁石を前記スロットに挿入して収容するにあたり、前記凸部を前記スロットの内壁面で切削させつつ係合させて前記永久磁石を前記スロットに収容するようにしたことを特徴とする永久磁石回転子の製造方法
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