JP3677544B2 - 脂肪族系ポリエステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料、園芸、農業、酪農、漁業、土木材料、及び医療材料として有用な脂肪族系ポリエステル共重合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
γ−ブチロラクトン−ラクチド共重合体の製造する方法としては、γ−ブチロラクトンの重合能が低いため、また、ラクチドのγ−ブチロラクトンへの低い溶解性のために、両者の共重合体の製造は困難で、その共重合体は未だ報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工業的に大量に生産される安価なγ−ブチロラクトとラクチドとの開環共重合体及びその製造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以下に示すγ−ラクトン−ラクチド共重合体及びその製造方法が提供される。
(1)下記一般式(1)
【化5】
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す)
で表されるγ−ラクトンと、下記式(2)
【化6】
で表されるラクチドとの開環共重合体であって、5000以上の数平均分子量を有することを特徴とするγ−ラクトン−ラクチド共重合体。
(2)分子中に含まれるγ−ブチロラクトン由来のユニット量が30モル%以上であることを特徴とする前記(1)に記載のγ−ラクトン−ラクチド共重合体。
(3)該ラクチドがL−ラクチドであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のγ−ラクトン−ラクチド共重合体。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の共重合体の製造方法であって、
下記一般式(1)
【化7】
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6までのアルキル基を示す)
で表されるγ−ラクトンと、下記式(2)
【化8】
で表されるラクチドとを、重合触媒の存在下及び高圧下で30〜200℃に加熱して開環重合することを特徴とする数平均分子量が5000以上であるγ−ラクトン−ラクチド共重合体の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明においては、前記一般式(1)で表されるγ−ラクトンと前記式(2)で表されるラクチドとを開環共重合反応させるが、通常はモノマーだけの塊状重合が用いられる。また条件により、反応溶媒としてクロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒を使用しても構わない。重合開始触媒としては、ルイス酸、金属アルコキシド、金属カルボン酸塩、有機配位子金属化合物等が用いられる。ルイス酸には、ホウ素のハロゲン化物、金属のハロゲン化物等が包含される。ルイス酸は、必要に応じ、有機溶媒と混合して用いることができる。
【0006】
ホウ素のハロゲン化物としては、三フッ化ホウ素(BF3)が挙げられる。この三フッ化ホウ素は、アルキルエーテルとの錯体として好ましく用いられる。
【0007】
金属のハロゲン化物としては、塩化物やフッ化物が挙げられる。この場合、金属としては、アルミニウム、銅、鉄、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、亜鉛等が挙げられる。本発明では、これらの金属ハロゲン化物は、ヘキサン、ジクロロメタン、トルエン、ジエチルエエーテル等の有機溶媒中に溶解させて用いることができる。
【0008】
金属アルコキシドとしては、下記一般式(3)で表されるものが用いられる。
M(OR)n (3)
前記式中、Mは金属元素であり、Rはアルキル基であり、nは金属元素Mの価数に対応する数である。
金属元素Mには、アルミニウム、銅、鉄、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等が包含される。
アルキル基Rとしては、炭素数1〜8、好ましくは1〜4のものが挙げられる。
【0009】
金属のカルボン酸塩としては下記一般式(4)で表されるものが用いられる。
(RCOO)nM (4)
前記式中、Mは金属元素であり、Rはアルキル基であり、nは金属元素Mの価数に対応する数である。
金属元素Mには、錫、カルシウム、イットリウム等が包含される。
アルキル基Rとしては、炭素数0〜11、好ましくは3〜7のものが挙げられ、分岐構造を有していてもよい。特に2−エチルヘキサン酸の金属塩(炭素数7)が挙げられる。
【0010】
有機配位子金属化合物としては下記一般式(5)で表されるものが用いられる。
RnM (5)
前記式中、Mは金属元素であり、Rはアルキル基、アリール基、アミノ基であり、nは金属元素Mの配位数に対応する数である。
金属元素Mには、錫、鉛、ゲルマニウム等が包含される。
アルキル基Rとしては、炭素数1〜12、好ましくは1〜4のものが挙げられる。アリール基Rとしてはフェニル基、置換フェニル基等が挙げられる。アミノ基Rとしてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
有機配位子金属化合物を用いた。
【0011】
触媒の使用割合は、ラクトンモノマーに対して、0.01〜5モル%、好ましくは0.01〜1モル%である。
【0012】
本発明で用いるγ−ラクトンの割合は、γ−ラクトンとラクチドの合計量に対して、20〜95モル%、好ましくは50〜95モル%である。
本発明の開環重合によりポリγ−ラクトン−ラクチド共重合体を得るには、重合触媒の存在下、高圧で、40〜200℃、好ましくは70〜160℃に加熱すればよい。
本発明においては、反応圧力としては高圧が採用されるが、この場合の高圧は1000気圧以上、好ましくは2000気圧以上であり、その上限値は特に制約されないが、1.5万気圧程度である。
反応時間は、通常、10〜200時間、好ましくは15〜100時間程度である。
【0013】
本発明により、γ−ラクトンとラクチドとラクチドが開環重合したγ−ラクトン−ラクチド共重合体が得られるが、本発明の場合、そのポリマーの分子量は高められたもので、数平均分子量で、5000以上、好ましくは1万以上であり、その上限値は、通常、10万程度である。
【0014】
本発明の共重合体は、γ−ラクトン由来のユニットとラクチド由来のユニットがランダム共重合した構造を有するが、本発明の場合、γ−ラクトン由来のユニットの割合は、30〜95モル%である。
本発明の共重合体において、ラクチドとしては、L−ラクチドの使用が好ましい。L−ラクチドを用いて得られる共重合体は、分岐しているメチル基が揃った構造をとるため、融点のピークがでるなど熱物性の挙動に優れている等の利点を有する。
【0015】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、例中のポリマー組成はNMR(核磁気共鳴スペクトル)により決定した。また、分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラム)装置を用いて標準ポリスチレンで校正して分子量を得た。融点はDSC(示差走査熱量測定計)にて、ガラス転移温度はTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析計)にて得た。
【0016】
実施例1
γ−ブチロラクトン(γ−BL)1.47gとラクチド(LA)0.43g(仕込みのモル比γ−BL:LA=85:15)と三フッ化ホウ素エチルエーテル0.015gをテフロンチューブに充填し、1.3GPa、100度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.85g(モノマーに基づく収率44%)を得た。
【0017】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LA=85:15であり、数平均分子量(Mn)7,500、重量平均分子量(Mw)12,500であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.66であった。
【0018】
実施例2
γ−ブチロラクトン(γ−BL)1.46gとラクチド(LA)0.43g(仕込みのモル比γ−BL:LA=85:15)と三フッ化ホウ素エチルエーテル0.015gをテフロンチューブに充填し、1.3GPa、100度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.54g(モノマーに基づく収率28%)を得た。
【0019】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LA=90:10であり、数平均分子量(Mn)10,700、重量平均分子量(Mw)16,200であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.52であった。
【0020】
実施例3
γ−ブチロラクトン1.46gとラクチド(LA)0.44g(仕込みのモル比γ−BL:LA=85:15)とチタンテトライソプロポキシド0.003gをテフロンチューブに充填し、1.3GPa、100度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.68g(モノマーに基づく収率36%)を得た。
【0021】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LA=74:26であり、数平均分子量(Mn)7,100、重量平均分子量(Mw)10,100であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.42であった。
【0022】
実施例4
γ−ブチロラクトン2.94gとラクチド(LA)0.86g(仕込みのモル比γ−BL:LA=85:15)と2−エチルヘキサン酸錫0.041gをテフロンチューブに充填し、800MPa、160度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.43g(モノマーに基づく収率11%)を得た。
【0023】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LA=66:34であり、数平均分子量(Mn)5,400、重量平均分子量(Mw)8,600であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.59であった。
【0024】
実施例5
γ−ブチロラクトン2.93gとラクチド(LA)0.87g(仕込みのモル比γ−BL:LA=85:15)と2−エチルヘキサン酸錫0.088gをテフロンチューブに充填し、800MPa、130度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.43g(モノマーに基づく収率11%)を得た。
【0025】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LA=53:47であり、数平均分子量(Mn)7,500、重量平均分子量(Mw)9,300であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.24であった。
【0026】
実施例6
γ−ブチロラクトン(γ−BL)0.56gとL−ラクチド(LLA)0.50g(仕込みのモル比γ−BL:LLA=65:35)と三フッ化ホウ素エチルエーテル0.006gをテフロンチューブに充填し、800MPa、130度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.12g(モノマーに基づく収率11%)を得た。
【0027】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=44:56であり、数平均分子量(Mn)7,000、重量平均分子量(Mw)9,800であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.39であった。
【0028】
実施例7
γ−ブチロラクトン0.57gとL−ラクチド(LLA)0.50g(仕込みのモル比γ−BL:LLA=65:35)と2−エチルヘキサン酸錫0.020gをテフロンチューブに充填し、800MPa、160度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.44g(モノマーに基づく収率41%)を得た。
【0029】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=41:59であり、数平均分子量(Mn)9,200、重量平均分子量(Mw)24,400であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は2.64であった。
【0030】
実施例8
γ−ブチロラクトン0.57gとL−ラクチド(LLA)0.51g(仕込みのモル比γ−BL:LLA=65:35)とテトラフェニル錫0.021gをテフロンチューブに充填し、800MPa、160度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.54g(モノマーに基づく収率50%)を得た。
【0031】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=32:68であり、数平均分子量(Mn)35,600、重量平均分子量(Mw)73,400であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は2.06であった。
【0032】
実施例9
γ−ブチロラクトン0.57gとL−ラクチド(LLA)0.51g(仕込みのモル比γ−BL:LLA=65:35)とテトラキス(ジメチルアミノ)錫0.014gをテフロンチューブに充填し、800MPa、130度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.40g(モノマーに基づく収率37%)を得た。
【0033】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=31:69であり、数平均分子量(Mn)13,100、重量平均分子量(Mw)23,100であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.77であった。
【0034】
実施例10
モル比γ−BL:LLA=65:35に調整したγ−ブチロラクトン−L−ラクチド(LLA)混合液1.06gと2−エチルヘキサン酸錫0.020gをテフロンチューブに充填し、800MPa、130度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.38g(モノマーに基づく収率36%)を得た。
【0035】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=19:81であり、数平均分子量(Mn)31,500、重量平均分子量(Mw)63,300であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は2.01であった。このポリエステルの融点は137.4度であり、ガラス転移温度は31.2度であった。
【0036】
実施例11
γ−ブチロラクトン0.43gとL−ラクチド(LLA)0.72g(仕込みのモル比γ−BL:LLA=50:50)とテトラフェニル錫0.021gをテフロンチューブに充填し、400MPa、160度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.70g(モノマーに基づく収率61%)を得た。
【0037】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=13:87であり、数平均分子量(Mn)57,400、重量平均分子量(Mw)155,000であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は2.71であった。このポリエステルの融点は154.3度であり、ガラス転移温度は43.4度であった。
【0038】
実施例12
γ−ブチロラクトン1.21gとL−ラクチド(LLA)0.11g(仕込みのモル比γ−BL:LLA=95:5)と三フッ化ホウ素エチルエーテル0.011gをテフロンチューブに充填し、1.3GPa、100度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.51g(モノマーに基づく収率39%)を得た。
【0039】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=90:10であり、数平均分子量(Mn)7,700、重量平均分子量(Mw)11,500であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.50であった。このポリエステルの融点は48.0度であり、ガラス転移温度は−41.7度であった。
【0040】
実施例13
γ−ブチロラクトン0.56gとL−ラクチド(LLA)0.50g(仕込みのモル比γ−BL:LLA=65:35)2−エチルヘキサン酸錫0.020gをテフロンチューブに充填し、0.1MPa、130度に20時間保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.32g(モノマーに基づく収率30%)を得た。
【0041】
得られたポリエステルは、組成(モル比)がγ−BL:LLA=4:96であり、数平均分子量(Mn)10,000、重量平均分子量(Mw)24,500であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は2.44であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、数平均分子量が5000以上であるγ−ブチロラクトン−ラクチド共重合体が提供される。この共重合体は、生分解性を有するので環境保全の点から有利なポリマーである。また、この共重合体の融点(又は軟化点)は共重合体組成により幅広く変えることができバインダー用途から、耐熱性用途と様々な用途に利用できる点からも有利なポリマーである。
Claims (3)
- 該ラクチドがL−ラクチドであることを特徴とする請求項1に記載のγ−ラクトン−ラクチド共重合体。
Priority Applications (1)
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| JP2002058189A JP3677544B2 (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 脂肪族系ポリエステル共重合体及びその製造方法 |
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| JP2002058189A JP3677544B2 (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 脂肪族系ポリエステル共重合体及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003252967A JP2003252967A (ja) | 2003-09-10 |
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| JP2002058189A Expired - Lifetime JP3677544B2 (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 脂肪族系ポリエステル共重合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
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|---|---|---|---|---|
| RU2426749C1 (ru) * | 2009-12-25 | 2011-08-20 | Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования Российский химико-технологический университет им. Д.И. Менделеева (РХТУ им. Д.И. Менделеева) | Способ получения биоразлагаемого сополимера |
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2002
- 2002-03-05 JP JP2002058189A patent/JP3677544B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| JP2003252967A (ja) | 2003-09-10 |
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