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JP3677966B2 - 車両用内装品の製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アームレストなどの車両用内装品の製造方法に関し、詳しくは表皮と芯材の接合方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車のアームレストは、例えば図8にその断面図を示すように、樹脂製の芯材100と、芯材100を被覆する表皮101と、表皮101と芯材100の間に介在されたウレタンパッド102とから構成され、ウレタンパッド102により弾力のある触感が付与されている。
【0003】
このようなアームレストを製造するには、予め射出成形などにより芯材100を形成するとともに、ポリ塩化ビニルシートやファブリックの縫製などにより表皮101を形成し、さらに別に発泡成形の後所定形状に切断することでウレタンパッド102を形成する。そして芯材100の所定位置にウレタンパッド102を接着し、表皮101によりウレタンパッド102の表面から芯材100の裏面側を被覆して、表皮101の周縁部を芯材100の裏面に接着剤やタッカーなどで接合することで製造されている。
【0004】
また近年では、芯材100及び表皮101を金型内に配置して発泡ウレタン樹脂による一体発泡成形によりウレタンパッド102を形成する方法も開発されているが、コストの面から上記した三つの部材を結合して形成する方法も広く行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した製造方法において、表皮101の周縁部を芯材100の裏面に接合するには、接着剤が用いられている。ところが接着剤による接着では、表皮101と芯材100を貼り合わせた後、接着強度が発現するまで両者を圧着した状態を維持する必要がある。また皺を防止するために表皮101を引張って伸ばしながら接着するため、表皮101には引張り応力が存在し、接着強度が発現するまで両者を圧着した状態を維持するのに工数が多大となっている。
【0006】
そこで接着剤で接合する部分の上から、さらにタッカーを打って接合することも行われている。ところがタッカーを打つ場合には、図9に示すように、予めタッカーを打つ部分の表皮101を芯材100裏面に当接させておく必要があるために、表皮101を芯材100の裏面側へ引張ってその位置で固定しておく治具200と、タッカーガン300との両方を芯材100の裏面側に配置する必要がある。したがって工数が多大となるとともに、省人化しようとするにも治具200の配置が困難となる場合があり、かつ治具200の配置が可能となっても多大なスペースが必要となる。さらに、芯材100の裏面には取付け用のボス103などが存在する場合が多く、ボス103の存在により治具200などを配置することが困難となる場合もある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、タッカーを用いずとも表皮と芯材を素早く接合でき、省スペース化、省人化可能とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の車両用内装品の製造方法の特徴は、熱可塑性樹脂製の芯材表面に表皮を配置し、表皮の周縁部を芯材の裏面側へ巻き込んで芯材と接合する車両用内装品の製造方法であって、表皮の周縁部で芯材と対向する表面の少なくとも一部には引裂強度が0.5kgf/cm以上、引張り強さが0.7kgf/cm 2 以上の網状体が表皮と一体的に積層され、芯材の裏面側の一部表面を加熱溶融させて溶融部を形成し、溶融部に網状体を当接させ溶融部の溶融樹脂を網状体に含浸させて冷却固化することで表皮と芯材とを接合することにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法では、表皮の周縁部で芯材と対向する表面の少なくとも一部には網状体が表皮と一体的に積層され、芯材の裏面側の一部表面を加熱溶融させて溶融部を形成し、溶融部に網状体を当接させ溶融部の溶融樹脂を網状体に含浸させて冷却固化することで表皮と芯材とが接合される。
【0010】
すなわち、溶融樹脂が網状体に含浸して固化した部分の投錨効果により、表皮が芯材に接合される。したがって接合強度の発現までの時間は、溶融樹脂が冷却固化するまでの時間でよく、溶融部の面積を小さくすればその時間を僅かなものとすることができ、しかも高い接合強度が得られるためタッカーなどを不要とすることができる。
【0011】
そして本発明の方法を利用して省人化するためには、表皮の周縁部を溶融部に当接させ、溶融部の溶融樹脂が冷却固化するまで保持するための治具が必要となるが、その治具は芯材の外側から接合部分を把持する程度のものでよい。したがって芯材の裏面にボスなどが存在しても、芯材の外側から把持すればボスの存在が邪魔になることがないので、治具の使用が可能となり、省スペースで省人化することが可能となる。
【0012】
表皮の溶融部への接合時には、表皮を単に溶融部に当接させて溶融部と接触させるだけでもよいが、表皮を溶融部に圧接することが好ましい。この圧接の力により溶融部の溶融樹脂が一層深く網状体内へ含浸するため、接合強度が一層向上する。
表皮としては、従来と同様にポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマなどの軟質樹脂、あるいは織布、不織布、皮革などから形成されたものが用いられる。裏面側にスラブフォームなどの発泡層が積層されたものが多く用いられ、一般には真空成形などで所定形状に賦形されたものが用いられる。
【0013】
網状体としては、芯材が溶融して形成された溶融樹脂が含浸可能なものであれば、その材質、形状などには特に制限されない。例えば不織布、織布、金網、発泡体などが例示される。この網状体は、表皮の芯材裏面側と対向する部分の裏面の少なくとも一部に積層される。もちろん表皮の裏面全面に積層されていてもよい。
【0014】
この網状体は、引裂強度が0.5kgf/cm以上、引張り強さが0.7kgf/cm2 以上である。網状体の強度がこの値より低くなると、芯材との接合部分の強度が他の部分に比べて最も低くなり、その接合部分で界面剥離が生じるようになるため好ましくない。
芯材の材質としては、従来と同様にポリプロピレン(PP)、ABS、ナイロンなどの熱可塑性樹脂、あるいはこれらの樹脂にフィラーを混合したものなどが例示される。この芯材は、射出成形、熱プレス成形、トランスファ成形などで形成することができる。
【0015】
車両用内装品の意匠表面側に配置される表皮の裏面には、弾力のある触感を付与するために、表皮と芯材との間に発泡体を介在させることが好ましい。このような発泡体としては従来と同様にウレタン発泡体が代表的に例示されるが、その他、発泡ゴムなどを用いることもできる。この発泡体は、発泡成形により芯材とは別に形成されたものが一般に用いられるが、場合によっては表皮と芯材とを金型内に配置して、発泡成形により一体成形することも可能である。
【0016】
芯材の裏面側に溶融部を形成するには、熱風を当てたり、加熱された棒や板を接触させたりすることで行うことができる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
図1及び図2に本実施例の製造方法で製造されたアームレストを示す。このアームレストは、PP製の芯材1と、芯材1表面に被覆された軟質の表皮2とから構成されている。
【0018】
以下、このアームレストの製造方法を説明する。
先ず、図3に示す表皮2を用意し、真空成形により所定形状に賦形する。この表皮2は、ポリ塩化ビニルからなる表皮層20と、表皮層20の裏面全体に一体的に積層されたスラブウレタン層21と、スラブウレタン層21の表面全体に一体的に積層されたポリエステル系不織布層22とから構成されている。
【0019】
一方、射出成形によりガラス繊維強化PPから芯材1を形成する。この芯材1の裏面には、車体への取付用のボス10が複数個形成されている。
次に、芯材1の表面にスラブウレタン層21が対向するように、芯材1と表皮2とを重ねる。その状態では、図4に示すように表皮2の周縁部が芯材1の周縁部より突出している。
【0020】
そして図4に示すように、ノズル3により芯材1の裏面の周縁部(図4の範囲Aの部分)の一部に150℃以上の熱風を当て、その部分を溶融して図5に示す溶融部11を形成する。
溶融部11が形成されたら直ちにノズル3を除去し、図5に示すように折り返し治具4を前進させる。折り返し治具4は、基部40と、基部40から鋭角に曲折した曲折部41とからなり、先ず図5に示すように、先ず曲折部41の先端が表皮1の周縁部に当接し、次いで芯材1の端面に沿うように内側(図示X方向)へ移動して表皮1を図4の状態から図5の状態へ略鋭角に折り曲げる。
【0021】
そして、曲折部41の先端が芯材1裏面側へ所定長さ移動した時点で、図5に示すように図示Y方向へ移動して表皮2の周縁部をさらに略直角に、図4に示す状態からは略180度反対側へ折り曲げる。その後、図6に示すようにX方向と反対方向に僅かに移動して、表皮2の周縁部を溶融部11に押圧保持する。この時点で溶融部11はまだ溶融状態にあるように、前述のノズル3からの熱風の温度と量、及び折り返し治具4の駆動速度が適切に設定されている。
【0022】
これにより図7に示すように、溶融部11の溶融樹脂は圧接された部分の不織布層22に含浸し、その状態で冷却固化することで投錨効果により表皮2と芯材1とが接合される。なお、表皮2の溶融部11への圧着時間は10秒足らずで十分な接合強度が得られる。
すなわち本実施例の製造方法によれば、折り返し治具4を芯材1の外側に配置して前進、下降及び後退駆動するだけで、表皮2の周縁部を芯材1裏面に確実に接合することができる。したがってボス10の存在が邪魔になるようなことがなく、省スペースで省人化を行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
したがって本発明の車両用内装品の製造方法によれば、工数を低減でき、かつ省スペースで省人化が可能となる。したがって生産性が向上し、接着剤やタッカーなども不要となるので、生産コストの低減を図ることができる。
さらに表皮と芯材とは材質に関わらず接合することが可能であるので、接着剤の選定などの工数も低減でき、表皮及び芯材の材質の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で製造されたアームレストの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例で製造されたアームレストの断面図である。
【図3】本発明の一実施例で用いた表皮の断面図である。
【図4】本発明の一実施例において溶融部を形成している状態を示す説明断面図である。
【図5】本発明の一実施例において表皮を曲折している途中の状態を示す説明断面図である。
【図6】本発明の一実施例において表皮を溶融部に圧着している状態を示す説明断面図である。
【図7】本発明の一実施例で製造されたアームレストの要部拡大断面図である。
【図8】従来の製造方法で製造されたアームレストの断面図である。
【図9】従来の製造方法において表皮の周縁部を芯材の裏面に接合しようとしている状態を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1:芯材 2:表皮 3:ノズル
4:折り返し治具 10:ボス 11:溶融部
20:表皮層 21:スラブウレタン層 22:不織布層(網状体)

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂製の芯材表面に表皮を配置し、該表皮の周縁部を該芯材の裏面側へ巻き込んで該芯材と接合する車両用内装品の製造方法であって、
    該表皮の周縁部で該芯材と対向する表面の少なくとも一部には引裂強度が0.5kgf/cm以上、引張り強さが0.7kgf/cm 2 以上の網状体が該表皮と一体的に積層され、該芯材の裏面側の一部表面を加熱溶融させて溶融部を形成し、該溶融部に該網状体を当接させ該溶融部の溶融樹脂を該網状体に含浸させて冷却固化することで該表皮と該芯材とを接合することを特徴とする車両用内装品の製造方法。
  2. 前記網状体は不織布である請求項1に記載の車両用内装品の製造方法。
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