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JP3678066B2 - インクリメンタル型エンコーダ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ACサーボモータなどの回転位置センサとして用いられるインクリメンタル型エンコーダの信号逓倍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に光学式エンコーダは、位置検出方法の違いによりインクリメンタル型とアブソリュート型の二種に大別される。
【0003】
近年、設備機器の高性能化にともないACサーボモータはインクリメンタル型エンコーダの信号を逓倍し、高分解能化を図っている。
【0004】
以下、従来の逓倍式インクリメンタル型エンコーダの一般的な例について説明する。
【0005】
図4において、疑似正弦波信号と、疑似正弦波信号とおよそ90°、およそ180°の位相差を有する2相の疑似正弦波信号の合計3相の疑似正弦波信号を生成する原信号生成手段101、原信号生成手段101によって生成される3相の疑似正弦波信号を抵抗分割による演算を実行することによって位相の異なる複数の疑似正弦波信号を生成する正弦波信号生成手段102、正弦波信号生成手段102にて生成された位相の異なる複数の疑似正弦波信号をそれぞれ二値化する比較手段103、比較手段103によって二値化された信号を論理処理することにより逓倍信号を得る信号逓倍手段104を有している。
【0006】
原信号生成手段101はさらに、発光素子1011、モータ軸に固定され、明暗のスリットを有する回転板1012、モータブラケットに固定され、回転板1012と同様のスリットを少なくとも4セグメント有する固定板1013、少なくとも固定板1013のセグメントに対応する受光部を有する受光素子1014、受光素子からの出力電流を電圧に変換する電流電圧変換部1015、電流電圧変換部1015にて電圧変換された信号の差算を実行する差動回路部1016からなっている。発光素子1011から出射された光が回転板1012と固定板1013のスリットを透過して受光素子1014に入射し、入射光に応じた電流が出力される。回転板1012が回転することにより出力される電流がおよそ90°の2相の疑似正弦波信号aとb及びそれらの逆相信号/aと/bとなるよう、回転板1012のスリット及び固定板1013の各セグメントのスリットを構成しておく。受光素子1014から出力された2相の疑似正弦波信号及びそれらの逆相信号は電流電圧変換部1015によってリファレンス電圧を基準とした電圧信号に変換される。さらに光信号のオフセット成分を消すために差動回路部1016においてリファレンス電圧を基準としてa−/a(=CA)、b−/b(=CB)、/a−a(=−CA)の演算がなされ、CA及びCBがおよそ90°、CA及び−CAがおよそ180°の位相差を有する計3相の疑似正弦波信号として出力される。正弦波信号生成手段102は抵抗分割部1021により構成されている。正弦波信号生成手段102においては、CAとCB、CBと(−CA)をそれぞれ抵抗分割することにより演算を行い、位相の異なる複数の疑似正弦波信号dn(n:整数)を得る。
【0007】
一般にエンコーダの出力信号であるA相信号、B相信号という逓倍信号を得るために必要な疑似正弦波信号の数は偶数であり、例えば、エンコーダの出力として4逓倍信号を得る場合の抵抗分割部1021の詳細図(図5)とタイミングチャート(図6)を示す。
【0008】
この場合、n=0,1,,,,,7とし、CAからの位相ずれをそれぞれn×360°/16とするように抵抗分割部1021の回路定数比を決定する。
【0009】
また、エンコーダの出力として8逓倍信号を得る場合は、n=0,1,,,,15とし、CAからの位相ずれをそれぞれn×360°/32とするように抵抗分割部の回路定数比を決定する。
【0010】
次に比較手段103においては、位相の異なる複数の疑似正弦波信号dnをリファレンス電圧にて二値化処理を行い、デジタル信号Dn(n=0,1,,,,7)を得る。そして信号逓倍手段104においてDnを論理処理することにより、原信号生成手段101によって生成された疑似正弦波信号を二値化した信号の周期の1/4の周期をもち、互いにおよそ90°の位相差を有する信号すなわち逓倍信号であるA相信号、B相信号が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の方式においては、正弦波信号生成手段内の抵抗分割部の出力である各疑似正弦波信号の信号線の出力インピーダンスが異なっており、次段の比較手段の入力容量とのCR結合に応じて発生する時間遅れが、各信号間において異なり、特に高速回転時や高分解能信号生成時といった最終出力信号である逓倍信号の周期が小さい場合に、時間遅れの差異の影響が大きくなり、ひいては逓倍信号の位相がアンバランスになるという問題を有している。
【0012】
本発明は上記従来例の課題を解決するものであり、特に高速回転時や、高分解能信号生成時といった最終出力信号である逓倍信号の周期が小さい場合にも、逓倍信号の位相の安定したインクリメンタル型エンコーダを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、正弦波信号生成手段と比較手段の間に配置され、前記正弦波信号生成手段の出力の各信号線の出力インピーダンスを整合するインピーダンス整合手段を各信号線に直列に挿入された抵抗器によって形成したインクリメンタル型エンコーダである。
【0014】
【発明の実施の形態】
この課題を解決するために本発明は、疑似正弦波信号と前記疑似正弦波信号とそれぞれ略90°,略180°の位相差を有する2相の疑似正弦波信号の計3相の疑似正弦波信号を生成する原信号生成手段、前記原信号生成手段によって生成される3相の疑似正弦波信号を抵抗分割による演算を実行することによって互いに位相の異なる複数の疑似正弦波信号を生成する正弦波信号生成手段、前記正弦波信号生成手段にて生成された位相の異なる複数の疑似正弦波信号をそれぞれ二値化する比較手段、前記比較手段によって二値化された信号を論理処理により逓倍信号を得る信号逓倍手段を有するインクリメンタル型エンコーダにおいて、前記正弦波信号生成手段と前記比較手段の間に配置され、前記正弦波信号生成手段の出力の各信号線の出力インピーダンスを整合するインピーダンス整合手段を各信号線に直列に挿入された抵抗器によって形成したインクリメンタル型エンコーダである。
【0015】
このように、正弦波信号生成手段内の抵抗分割部の出力である各疑似正弦波信号の信号線の出力インピーダンスを整合するインピーダンス整合手段に抵抗器を備えているために、出力インピーダンスと次段の比較手段の入力容量とのCR結合に応じて発生する時間遅れを整合させることができ、その結果、最終出力信号である逓倍信号の周期が小さい場合にも、逓倍信号の位相が安定するという作用を有する。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
【0017】
図1において、1は疑似正弦波信号とそれぞれおよそ90°、およそ180°の位相差を有する2相の疑似正弦波信号の計3相の疑似正弦波信号を生成する原信号生成手段、2は原信号生成手段1によって生成される3相の疑似正弦波信号を演算することによって互いに位相の異なる複数の疑似正弦波信号を生成する正弦波信号生成手段、3は正弦波信号生成手段2にて生成された互いに位相の異なる複数の疑似正弦波信号をそれぞれ二値化する比較手段、4は比較手段3によって二値化された信号を論理処理することにより逓倍信号を得る信号逓倍手段である。5は正弦波信号生成手段2と比較手段3の間に配置され、正弦波信号生成手段2の出力の各信号線の出力インピーダンスを整合するインピーダンス整合手段である。
【0018】
次にそれらの作用について説明する。まず、原信号生成手段1は図4における従来例と同等の作用にて、CA、CAとおよそ90°の位相差を有するCB、CAとおよそ180°の位相差を有する−CAの計3相の疑似正弦波信号を出力する。次に、従来例の抵抗分割部と同様の正弦波信号生成手段2内の抵抗分割部21において、CAとCB,CBと−CAをそれぞれ抵抗分割することにより、互いに位相の異なる複数の疑似正弦波信号dnを生成する。
【0019】
例えば、エンコーダの出力として4逓倍信号を得る場合、抵抗分割部21の回路図は図5と同等、タイミングチャートは図6と同等である。
【0020】
この場合も、n=0,1,,,7とし、CAからの位相ずれをそれぞれn×360°/16とするように抵抗分割部21の回路定数比を決定することも同等である。
【0021】
次に、インピーダンス整合手段の作用について説明する。図2において、原信号生成手段1の差動回路部16、抵抗分割部21、抵抗器を用いたインピーダンス整合手段5で、疑似正弦波信号CA,CB,−CAの差動回路部16の出力インピーダンスをZ、抵抗分割部21の出力信号のdn(n=0,1,,,7)の信号線の出力インピーダンスをZn、インピーダンス整合手段5の出力信号のdn’(n=0,1,,,7)の信号線の出力インピーダンスをZn’とすると、Znは下記式にて表わされる。
【0022】
Z0=Z (式1)
Z1=(Z+R01)//(Z+R12+R23+R34) (式2)
Z2=(Z+R01+R12)//(Z+R23+R34) (式3)
Z3=(Z+R01+R12+R23)//(Z+R34) (式4)
Z4=Z (式5)
Z5=(Z+R45)//(Z+R56+R67+R78) (式6)
Z6=(Z+R45+R56)//(Z+R67+R78) (式7)
Z7=(Z+R45+R56+R67)//(Z+R78) (式8)
ここで、()//()は、()内のインピーダンスの並列の合成インピーダンスを示す。またZn’は下式にて表わされる。
【0023】
Z0’=Z+R0 (式9)
Z1’=(Z+R01)//(Z+R12+R23+R34)+R1(式10)
Z2’=(Z+R01+R12)//(Z+R23+R34)+R2(式11)
Z3’=(Z+R01+R12+R23)//(Z+R34)+R3(式12)
Z4’=Z+R4 (式13)
Z5’=(Z+R45)//(Z+R56+R67+R78)+R5(式14)
Z6’=(Z+R45+R56)//(Z+R67+R78)+R6(式15)
Z7’=(Z+R45+R56+R67)//(Z+R78)+R7(式16)
通常は、R01〜R78の抵抗器に流れる電流が差動回路部16の出力電流容量以下となるように、R01〜R78は数百Ω〜数十kΩの抵抗値が使用され、また、差動回路部16にはオペアンプの差動増幅回路が使用されるため、その出力インピーダンスZは数Ω以下である。すなわちR01〜R78に比べてZは十分小さく無視できるため、(式1)〜(式16)は下記式と近似できる。
【0024】
Z0=0 (式17)
Z1=(R01)//(R12+R23+R34) (式18)
Z2=(R01+R12)//(R23+R34) (式19)
Z3=(R01+R12+R23)//(R34) (式20)
Z4=0 (式21)
Z5=(R45)//(R56+R67+R78) (式22)
Z6=(R45+R56)//(R67+R78) (式23)
Z7=(R45+R56+R67)//(R78) (式24)
Z0’=R0 (式25)
Z1’=(R01)//(R12+R23+R34)+R1 (式26)
Z2’=(R01+R12)//(R23+R34)+R2 (式27)
Z3’=(R01+R12+R23)//(R34)+R3 (式28)
Z4’=R4 (式29)
Z5’=(R45)//(R56+R67+R78)+R5 (式30)
Z6’=(R45+R56)//(R67+R78)+R6 (式31)
Z7’=(R45+R56+R67)//(R78)+R7 (式32)
この時、インピーダンス整合手段5の出力信号の信号線の出力インピーダンスを整合するためにはZn’が全て等しくなるようにRnを決定すれば良く、R0=Rとすると、Rnは下式の値となる。
【0025】
R0=R (式33)
R1=R−(R01)//(R12+R23+R34) (式34)
R2=R−(R01+R12)//(R23+R34) (式35)
R3=R−(R01+R12+R23)//(R34) (式36)
R4=R (式37)
R5=R−(R45)//(R56+R67+R78) (式38)
R6=R−(R45+R56)//(R67+R78) (式39)
R7=R−(R45+R56+R67)//(R78) (式40)
このようにRnを決定すると出力インピーダンスが整合され、各dn’信号の時間遅れが同一となる。以降の信号処理方法及びタイミングチャートは従来例と同様である。各dn’信号の時間遅れが同一となると比較手段3において各dn’信号を二値化して得られる各Dn信号の時間遅れも同一となり、信号逓倍手段4において各Dn信号を論理処理して生成される逓倍信号のA相信号、B相信号の位相差が安定する。
【0026】
なお、インピーダンス整合手段5の抵抗器と比較手段3の入力段に一般的に使用されている入力抵抗器を合成し、1つの抵抗器として構成しても同様の効果が得られる。
【0027】
次に、インピーダンス整合手段にバッファー回路を用いた参考実施例を図3に示す。
【0028】
ここで、疑似正弦波信号CA,CB,−CAの差動回路部16の出力インピーダンスをZ、抵抗分割部21の出力信号のdn(n=0,1,,,7)の信号線の出力インピーダンスをZn、インピーダンス整合手段51の出力信号のdn’(n=0,1,,,7)の信号線の出力インピーダンスをZn’とすることは上述の図2の場合と同じであり、バッファー回路として出力インピーダンスをZ’の回路を用いると、
Zn’=Z’=0,1,,,7) (式41)となり、インピーダンスが整合される。出力インピーダンスが整合されると、抵抗器を用いたインピーダンス整合手段の場合と同様にして逓倍信号のA相信号、B相信号の位相差が安定する。
【0029】
ここで、バッファー回路としては、オペアンプを用いた反転増幅回路や非反転増幅回路等が用いられるのが一般的であるが、アナログのバッファー回路としてインピーダンスを変換できるのであれば、特に回路構成は問わない。
【0030】
なお、Z=Z’となるようにバッファー回路を決定すると、d0,d4の信号ラインのバッファー回路はなくても出力インピーダンスは整合され、同様の効果が得られる。
【0031】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように本発明によれば、正弦波信号生成手段内の抵抗分割部の出力である各dnの信号線の出力インピーダンスを整合するインピーダンス整合手段を備えているために、出力インピーダンスと次段の比較手段の入力容量のCR結合に応じて発生する時間遅れが整合され、その結果、特に高速回転時や、高分解能信号生成時といった最終出力信号である逓倍信号の周期が小さい場合にも、逓倍信号の位相が安定するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示すブロック図
【図2】 本発明の実施例の要部回路図
【図3】 本発明の参考実施例の要部回路図
【図4】 従来例のブロック図
【図5】 従来の実施例の要部回路図
【図6】 従来の実施例のタイミングチャート
【符号の説明】
1 原信号生成手段
2 正弦波信号生成手段
3 比較手段
4 信号逓倍手段
5 インピーダンス整合手段

Claims (1)

  1. 疑似正弦波信号と前記疑似正弦波信号とそれぞれ略90°,略180°の位相差を有する2相の疑似正弦波信号の計3相の疑似正弦波信号を生成する原信号生成手段、前記原信号生成手段によって生成される3相の疑似正弦波信号を抵抗分割による演算を実行することによって互いに位相の異なる複数の疑似正弦波信号を生成する正弦波信号生成手段、前記正弦波信号生成手段にて生成された位相の異なる複数の疑似正弦波信号をそれぞれ二値化する比較手段、前記比較手段によって二値化された信号を論理処理により逓倍信号を得る信号逓倍手段を有するインクリメンタル型エンコーダにおいて、前記正弦波信号生成手段と前記比較手段の間に配置され、前記正弦波信号生成手段の出力の各信号線の出力インピーダンスを整合するインピーダンス整合手段を各信号線に直列に挿入された抵抗器によって形成したインクリメンタル型エンコーダ。
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