JP3679360B2 - 移動体の構体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両、自動車(バス等)、船舶等の移動体の屋根構体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鉄道車両等の移動体の屋根構体としては、移動体の外壁をなす外板と、該外板の内側面上に相互に略平行となるよう配置・固定された長尺状の形状を有する複数の長桁と、長尺状の形状を有し、長桁の長手方向に対して夫々が略直交するよう長桁に対して配置・固定された複数の垂木と、からなるものがあることが知られている。
【0003】
図5は、このような移動体の屋根構体の一例としての鉄道車両の屋根構体100の従来における構成を示す図である。ここで、図5(a)は、垂木120の長手部分が正面から見えるよう屋根構体100を切断してなる屋根構体100の横断面図であり、図5(b)は、長桁110の長手部分が正面から見えるよう屋根構体100を切断してなる屋根構体100の縦断面図である。
【0004】
尚、図5においては、長桁110及び垂木120が共に1つだけ示されているが、実際には、図5に示す長桁110に対し略平行となるよう外板105の内側面105a上に配置・固定された他の長桁や、垂木120に対し略平行となるよう外板105の内側面105a上や長桁110に配置・固定された他の垂木が、外板105の内側面105aに対して設けられている。
【0005】
図5に示すように、この屋根構体100においては、長桁110が、外板105の内側面105aから下方に突出し、外板105の縦方向(換言すれば、鉄道車両の前後方向)に延在する板材として構成されている。
また、垂木120は、長桁110の長手方向に対して略垂直な方向である外板105の横方向(換言すれば、鉄道車両の周方向)に延在する板材として構成されている。
【0006】
垂木120は、内側面105aに沿って配置される固定板部122と、固定板部122の側端部から延出された板材を下方に折り曲げてなる形状を有する下方延出板部124と、下方延出板部124の下端から延出された板材を内側面105aに略平行となるよう折り曲げてなる部分を有するフランジ板部126と、からなる。
【0007】
垂木120は、溶接やリベット等により固定板部122を内側面105aに固定することで、内側面105a上に配置・固定される。
また、垂木120における長桁110と交差する部分には、長桁110が垂木120の部分を通過して延在できるよう切欠130が設けられている。
【0008】
従って、屋根構体100では、長桁110が垂木120との交差部分においても途切れることなく延在できるよう構成されている分だけ、例えば、逆に、長桁110がこのような交差部分において垂木120の配置を許容するための途切れた部分を有するような場合に比べ、屋根構体100の曲げ剛性(詳しくは、屋根構体100を長桁110の長手方向に延在するはりと見立てた場合の当該はりの曲げ剛性)が向上されるよう構成されている。
【0009】
また、垂木120における下方延出板部124は、固定板部122から下方に延出された一枚の板材として構成されており、フランジ板部126を含んだ下方延出板部124の下端部分は他の部材に支えられることのない自由端とされている。従って、垂木120を固定するために、単に、固定板部122を内側面105aに固定するだけとするという構成を採った場合には、下方延出板部124に当該下方延出板部124の倒れを生じさせ得る縦方向(図5(a)に関して言えば、紙面に垂直な方向)の負荷(力)がかかった際に、下方延出板部124が倒れ変形を起こす場合がある。
【0010】
よって、この屋根構体100においては、上記のような下方延出板部124(垂木120)の倒れを防止することで屋根構体100の剛性(詳しくは、屋根構体100の垂木120部分の曲げ剛性)を好適なものとするため、図5中に示すクリップ部材140にて、垂木120と長桁110とを結合するようにしている。
【0011】
尚、クリップ部材140は、下方延出板部124の切欠130近傍の部分に沿って配置される板状の部材である垂木側板部142と、垂木側板部142から延出された板状の部材であり、長桁110の側面部分に沿って配置される長桁側板部144と、からなり、垂木側板部142を下方延出板部124に溶接、リベット等にて固定し、長桁側板部144を長桁110に溶接、リベット等にて固定することで、垂木120と長桁110とを一体に結合するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の移動体の屋根構体としての屋根構体100では、長桁110が垂木120との交差部分においても途切れることなく延在できるようにするため、垂木120の所定箇所に切欠130を設けなければならず、このような切欠130を設ける加工を垂木120に施す必要がある分だけ、屋根構体100の製作工数が多くなるという問題があった。
【0013】
また、上記の屋根構体100では、下方延出板部124(垂木120)の倒れを防止するため、外板105、長桁110、垂木120に加え、垂木120と長桁110とを結合するためのクリップ部材140も屋根構体100を構成する部品として用意しなければならず、クリップ部材140が必要となる分だけ部品点数の増加、コストアップとなるといった問題もあった。
【0014】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、製作工数を少なくでき、部品点数も少なく構成できる移動体の屋根構体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる目的を達成するために、請求項1に記載の移動体の屋根構体は、移動体の屋根部分の外壁をなす外板と、前記外板の内側面上に長尺状の形状を有する部材として夫々突設され、相互に略平行となるよう前記外板の内側面に沿って配置・固定された複数の長桁と、長尺状の形状を有し、前記長桁の長手方向に対して夫々が略直交するよう前記長桁に対して配置・固定された複数の垂木と、前記垂木に対して位置決めされた内装パネルと、からなる移動体の屋根構体であって、夫々の前記長桁は、前記外板と反対側の端部に、当該長桁の長手方向に延在し、前記外板に略平行な面を有する平坦部を備え、夫々の前記垂木は、板材を山型に折り曲げてなる断面形状を有し、該山型の部分の両端には、前記平坦部と略平行な方向に延びる平坦縁部が設けられ、前記長桁と前記垂木とは、前記平坦部と前記平坦縁部とを接合することで一体に固定され、夫々の前記垂木における前記山型の部分の先端部には、当該垂木の長手方向に延在し、前記外板に略平行な面を有する平坦頂部が設けられ、前記内装パネルは、前記垂木の平坦頂部に対して位置決めされたことを特徴とする。
【0016】
本発明の移動体の屋根構体では、上記のように、長桁が、外板と反対側の端部に平坦部を有しており、垂木は、当該垂木の一部分である平坦縁部を長桁の平坦部に接合することで長桁(延いては、外板)に配置・固定される。つまり、本発明では、垂木が、長桁の平坦部上に積み上げられるような態様で、長桁(延いては、外板)に配置・固定される。
【0017】
そして、このように、本発明の移動体の屋根構体においては、垂木が長桁上に積み上げられるように配置・固定されることから、移動体の屋根構体の曲げ剛性を好適なものとするため長桁が垂木との交差部分において途切れることなく延在できるよう構成する場合においても、垂木が外板の内側面に直接接合されていた従来の場合と異なり、長桁が垂木の部分を通過して延在できるようにするための切欠を垂木に設ける必要はなくなる。
【0018】
従って、本発明によれば、このように切欠を垂木に設ける必要がなくなった分だけ、従来の場合に比べ、移動体の屋根構体を製作する際に必要な工数を低減することができる。
また、本発明の移動体の屋根構体においては、垂木が、板材を山型に折り曲げてなる断面形状を有しており、該山型の部分の両端に延設された平坦縁部は長桁の平坦部に接合される。
【0019】
即ち、本発明において、垂木は、長桁に固定された2つの平坦縁部夫々から延出された2枚の板材が、平坦縁部と反対側の端部(換言すれば、当該垂木の山型の部分の先端部に相当する箇所)において会合することで、相互に支え合う形状を有していると言える。
【0020】
よって、本発明によれば、上記のように、垂木が相互に支え合う2枚の板材を有しているものである分だけ、外板から延出された1枚の板材として構成された部材(下方延出板部)を有する従来の垂木を採用した場合と異なり、垂木と長桁とを接合するクリップ部材を設けなくても、垂木に当該垂木の倒れを生じさせ得る負荷(具体的には、例えば、垂木の長手方向に略垂直、且つ、外板に略平行な方向の力)がかかった場合において、垂木に倒れ変形が起き難くなる。
【0021】
そして、このように、本発明の移動体の屋根構体によれば、クリップ部材を設けなくても垂木に倒れ変形が起き難くでき、その分だけ当該移動体の屋根構体の剛性(詳しくは、当該移動体の屋根構体の垂木部分の曲げ剛性)を好適なものとすることができることから、当該屋根構体の部品から上記のクリップ部材に相当する部品を省くことが可能となり、その分だけ、当該屋根構体の部品点数、製造コストを従来の場合に比べて低減することができる。
また、本発明の移動体の屋根構体では、夫々の垂木における山型の部分の先端部に、当該垂木の長手方向に延在し、外板に略平行な面を有する平坦頂部が設けられている。そして、内装パネルが、垂木の平坦頂部に対して位置決めされている。
本発明によれば、垂木における山型の部分の先端部に内装パネルが容易かつ安定的に位置決め及び接合できる。
つまり、例えば、垂木における山型の部分の先端部が平坦な部位を有さない尖った部位として構成されている場合には、垂木に対して内装パネルを位置決め及び接合できるようにするためのフランジ材を別途用意してこれを垂木に設置した上でなければ、垂木に対する内装パネルの安定的な取り付けは困難であるが、本発明のように、垂木における山型の部分の先端部に平坦頂部を設ければ、平坦頂部が内装パネルの位置決め及び接合を行い易い平坦面を有していることから、上記のフランジ材を用いなくても、平坦頂部に内装パネルを容易に位置決め及び接合することができる。
また、垂木における山型の部分の先端部に平坦頂部を設ける場合と、当該先端部を平坦部分のない尖った部位として構成する場合とを比べると、平坦頂部を設ける場合の方が、垂木の断面における山型部分の先端部の部分の断面積が平坦頂部の断面積分だけ大きくなる。
従って、本発明の如く、垂木における山型の部分の先端部に平坦頂部を設けた場合には、当該先端部を平坦部分のない尖った部位として構成する場合等よりも、平坦頂部の断面積分だけ垂木の断面2次モーメントが大きくなり、その分だけ、垂木の曲げ剛性を向上させることができる。
【0022】
次に、請求項2に記載の移動体の屋根構体は、上記請求項1に記載の構成に加え、夫々の前記長桁は、前記外板から突出する2枚の側方板であって、両者間に所定の間隔を置きつつ当該長桁の長手方向に延びる2枚の側方板と、該2枚の側方板における前記外板と反対側の端部間を繋ぐように設けられた前記平坦部と、からなることを特徴とする。
【0023】
このようにすれば、長桁は、所定の間隔を置いて外板上に突設された2枚の板材たる側方板にて平坦部を支持してなる構成を有することになるので、例えば、外板上に突設された1枚の板材であって、長桁の長手方向に延びる1枚の板材にて平坦部を支持してなる構成を採用するような場合に比べ、長桁に当該長桁の倒れを生じさせ得る負荷(具体的には、例えば、長桁の長手方向に略垂直、且つ、外板に略平行な方向の力)がかかった場合において、長桁に倒れ変形が起き難くなる。そして、このように長桁の倒れを起き難くできる分だけ、当該移動体の屋根構体の剛性を向上させることができる。
【0028】
次に、請求項3に記載の移動体の屋根構体は、上記請求項1又は請求項2に記載の構成に加え、夫々の前記垂木は押出型材として成形され、夫々の前記長桁は、前記外板と一体化した状態の押出型材として成形されたことを特徴とする。
【0029】
このようにすれば、移動体の屋根構体の製作コストを好適に低減させることができる。
つまり、まず、垂木、長桁及び外板の製造方法としては、所定形状の板材に曲げ加工等を加えることで垂木、長桁及び外板となすものも考えられるが、垂木、長桁及び外板を上記のように押出型材として構成すれば、曲げ加工等を介さなくても垂木、長桁及び外板の製造が可能となり、その分だけ、垂木、長桁及び外板の製造コスト(延いては、移動体の屋根構体の製造コスト)を低減させることが可能となる。
【0030】
また、長桁を外板と一体化した状態の押出型材とすれば、例えば、長桁と外板とを別部材として構成した場合に比べ、長桁と外板とを接合する工程が不要となる分だけ、当該移動体の屋根構体の製造コストを低減させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
本実施例は、移動体の屋根構体の一例としての鉄道車両の屋根構体1に本発明を適用したものである。尚、本実施例の屋根構体1の構成は、鉄道車両以外の他の移動体(例えば、自動車(バス等)、船舶等)の屋根構体の構成としても適用可能である。
【0032】
図1は、本実施例の移動体の屋根構体としての屋根構体1の部分的な構成を示した斜視図であり、図2は、この屋根構体1の部分を側方から見た状態を示す図である。
尚、以下においては、図1及び図2中の矢印Xの方向を縦方向とし、図1中の矢印Yの方向を横方向とし、図1及び図2中の矢印Zの方向を下方向として説明する。
【0033】
屋根構体1は、鉄道車両の屋根部分の外壁をなす外板10と、外板10の内側面10a上に突設された複数の長桁20と、長桁20に対して接合された複数の垂木30と、からなる。
このうち、長桁20は、外板10の内側面10a上に長尺状の形状を有する部材として配置・固定されたものであり、夫々の長桁20は、相互に略平行となるよう、縦方向(換言すれば、鉄道車両の前後方向)に延在している。
【0034】
本実施例の屋根構体1において、長桁20は、屋根構体1の曲げ剛性(詳しくは、屋根構体1を長桁20の長手方向に延在するはりと見立てた場合の当該はりの曲げ剛性)を好適なものとするため、垂木30との接合部分(交差部分)に当たる箇所においても途切れることなく延在している。
【0035】
夫々の長桁20は、図1に示すように断面略L字状の部材として構成されたものであり、内側面10aから下方に突出しつつ外板10の縦方向に延びる板状部材としての支持部22と、支持部22の下端部全体から延出された板状部材を外板10と略平行となるよう折り曲げてなる形状を有する平坦部24と、からなる。
【0036】
一方、垂木30は、長尺状の形状を有する部材であり、夫々の垂木30は長桁20の長手方向に対して略垂直な方向である横方向(換言すれば、鉄道車両の周方向)に延在するよう長桁20に対して配置・固定されている。
夫々の垂木30は、板材を山型に折り曲げてなる断面形状を有している。
【0037】
具体的には、垂木30は、板材を下方に突出するよう折り曲げてなる形状を有する山型部32を有しており、この山型部32は、平坦頂部34と、2つのウェブ部36a,36bと、からなる。
ここで、平坦頂部34は、山型部32の先端である下端において、外板10に略平行な面34aを有する板状部分として構成されており、垂木30の長手方向の全長全体に渡って延在している部分である。また、2つのウェブ部36a,36bは、平坦頂部34の縦方向上の両端から上方に延出された板状部分として構成されており、垂木30の長手方向の全長全体に渡って延在している部分である。
【0038】
そして、山型部32の両端をなす2つのウェブ部36a,36bの上端には、平坦部24(内側面10a)と略平行な方向に延びる平坦縁部38a,38bが相反する方向に延設されており、垂木30の長桁20に対する配置・固定は、リベット結合、FSW(摩擦攪拌接合)、スポット溶接等の溶接接合等の手法により、平坦縁部38a,38bを平坦部24に接合することにより行われている。
【0039】
尚、夫々の垂木30においては、図2に示すように、平坦頂部34の部分をなす板状部分の厚みt1が、ウェブ部36a,36b、平坦縁部38a,38bをなす板状部分の厚みt2よりも大きくなるよう(即ち、t1>t2>0となるよう)構成されている。
【0040】
また、夫々の垂木30は、当該垂木30の長手方向たる横方向を押出方向とする押出型材として成形されたものであり、夫々の長桁20は、当該長桁20の長手方向たる縦方向を押出方向として、外板10と一体化した状態の押出型材として成形されたものである。
【0041】
このように構成された屋根構体1においては、平坦縁部38a,38bと平坦部24とを接合することで長桁20と垂木30との接合が行われ、垂木30は、長桁20の平坦部24に積み上げられるような態様で長桁20に対して配置・固定されている。
【0042】
従って、屋根構体1においては、本実施例のように、屋根構体1の曲げ剛性を好適なものとするため長桁20が垂木30との接合部分(交差部分)において途切れることなく延在している場合においても、垂木120が外板105の内側面105aに直接接合されていた従来の場合と異なり、長桁20が垂木30の部分を通過して延在できるようにするための切欠を垂木30に設ける必要はない。
【0043】
従って、本実施例の屋根構体1においては、このように切欠を垂木30に設ける必要がない分だけ、従来の場合に比べ、屋根構体1を製作する際に必要な工数が低減されることになる。
また、本実施例の屋根構体1においては、垂木30が、長桁20に固定された2つの平坦縁部38a,38b夫々から下方に延出された2つのウェブ部36a,36bを有しており、2つのウェブ部36a,36bは、その下端で平坦頂部34を介して会合することで、相互に支え合う状態とされている。
【0044】
従って、本実施例の屋根構体1においては、垂木30が相互に支え合う2つのウェブ部36a,36bを有している分だけ、従来のように垂木の倒れを防止するためのクリップ部材を用いなくても、垂木30に当該垂木30の倒れを生じさせ得る負荷(具体的には、例えば、図1、図2中の矢印Xに平行な方向の力)がかかった場合における垂木30の倒れ変形は起き難くなる。
【0045】
そして、このように、本実施例の屋根構体1においては、従来のようなクリップ部材を設けなくても垂木30の倒れ変形を起き難くでき、屋根構体1の垂木30の部分の曲げ剛性を好適なものとすることができることから、従来におけるクリップ部材に相当する部品を屋根構体1の部品から省くことができ、その分だけ、屋根構体1の部品点数、製造コストを従来の場合に比べて低減することができる。
【0046】
また、垂木30における山型部32の先端部には、外板10に略平行な面34aを有する平坦頂部34が設けられているので、垂木30における山型部32の先端部に鉄道車両の内装パネル等の部材を容易に位置決め及び接合できる。
つまり、例えば、垂木30における山型部32の先端部に平坦頂部34が設けられておらず、当該先端部が尖った部位として構成されている場合には、垂木30に対して内装パネル等の部材を位置決め及び接合できるようにするためのフランジ材(図示省略)を別途用意してこれを垂木30に設置した上でなければ、垂木30に対する内装パネル等の部材の安定的な取り付けは困難であるが、本実施例では、平坦頂部34が内装パネル等の部材の位置決め及び接合を行い易い平坦面たる面34aを有していることから、上記のフランジ材を用いなくても、平坦頂部34(垂木30)に内装パネル等の部材を容易に位置決め及び接合することができる。
【0047】
また、本実施例のように垂木30における山型部32の先端部に平坦頂部34を設ける場合と、当該先端部を2つのウェブ部36a,36bの下端が直接会合してなる尖った部位として構成する場合とを比べると、本実施例のように平坦頂部34を設ける場合の方が、垂木30の縦断面における山型部32の先端部の部分の断面積が平坦頂部34の断面積分だけ大きくなる。
【0048】
従って、本実施例では、垂木30における山型部32の先端部に平坦頂部34が設けられている分だけ、当該先端部を2つのウェブ部36a,36bの下端が直接会合してなる尖った部位として構成する場合等に比べて、垂木30の断面2次モーメントが大きくされ、その分だけ、垂木30の曲げ剛性が向上される。
【0049】
特に、本実施例では、垂木30における平坦頂部34の部分をなす板状部分の厚みt1が、垂木30における他の部分をなす板状部分の厚みt2よりも大きくされているので、垂木30の重量増加が最低限に抑制されつつも垂木30の曲げ剛性が効果的に向上される。
【0050】
つまり、垂木30の重量増加を最低限に抑えながらも垂木30の断面2次モーメントを増加させるためには、垂木30の最も下方の部分、即ち、平坦頂部34の部分の厚さを大きくしつつ、垂木30の平坦頂部34以外の部分の厚さを比較的小さくすることが、最も効果的である。従って、本実施例では、このように垂木30の断面2次モーメントが効果的に増加されている分だけ、垂木30の曲げ剛性が効果的に向上されることになる。
【0051】
尚、垂木30の曲げ剛性を向上させるためには、垂木30の上下長h1(図2参照)をできるだけ大きくすることが好ましいが、長桁20の上下長h2との関係上、上下長h1をあまりに大きくすると、鉄道車両の内部空間が狭くなってしまう。
【0052】
そこで、本実施例の屋根構体1では、外板10、長桁20及び垂木30が一体構造とみなされる程、長桁20と垂木30との結合が強固に行われることが好ましい。
つまり、垂木30の曲げ剛性を構造力学的に考える上で、屋根構体1の垂木30部分の上下長を(h1+h2)とみなせる程度にまで長桁20と垂木30との結合が強固になされれば、垂木30の上下長h1自体を極度に大きくしなくても、垂木30のみかけの曲げ剛性が効果的に向上されるのである。従って、外板10、長桁20及び垂木30を構造力学的に一体構造とみなせる程度にまで、長桁20と垂木30との結合が強固に行われることが好ましい。
【0053】
また、本実施例では、夫々の垂木30が押出型材として成形されたものであり、夫々の長桁20が外板10と一体化した状態の押出型材として成形されたものなので、屋根構体1の製作コストが好適に低減されることになる。
つまり、垂木30、長桁20及び外板10の製造方法としては、本実施例によるもの以外に、例えば、所定形状の板材に曲げ加工等を加えることで垂木30、長桁20及び外板10となすものも考えられるが、垂木30、長桁20及び外板10を本実施例のように押出型材として成形すれば、曲げ加工等を介さなくても垂木30、長桁20及び外板10の製造が可能となり、その分だけ、垂木30、長桁20及び外板10の製造コスト(延いては、屋根構体1の製造コスト)が低減されることになる。
【0054】
また、本実施例のように夫々の長桁20を外板10と一体化した状態の押出型材とすれば、例えば、夫々の長桁20と外板10とを別部材として構成した場合に比べ、長桁20と外板10とを接合する工程が不要となる分だけ、屋根構体1の製造コストが低減されることになる。
【0055】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、夫々の長桁20が、断面略L字状の部材であるとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、断面略逆T字状の部材であっても良い。
【0056】
図3に示す屋根構体1’における夫々の長桁50は、内側面10aから下方に突出しつつ縦方向に延びる板状部材としてなる支持部52と、支持部52の下端部全体から外板10と略平行となるよう左右両方向に同じ長さだけ延在した板状部材としてなる平坦部54と、からなる。
【0057】
このように構成された長桁50を有する屋根構体1’においては、上記実施例と同様の効果が得られる。また、図3に示すように長桁50の断面形状は左右対称の形状であるため、当該断面形状が左右非対称の形状である上記実施例の場合等に比べ、長桁50部分の押出成形時の押出し性が向上するという効果(換言すれば、長桁50部分を押出成形時に所定の押出し方向に押し出し易くなるという効果)等も得られる。
【0058】
また、上記実施例の屋根構体1における長桁20を、図4に示す長桁60のように構成しても良い。
図4に示す屋根構体1’’における夫々の長桁60は、2枚の側方板62a,62bと、平坦部64とからなる。
【0059】
2枚の側方板62a,62bは、内側面10aから下方に突出した2枚の板状部材として構成されたものであり、両者は横方向に所定の間隔を置きつつ縦方向に延びるよう配設されている。
また、平坦部64は、2枚の側方板62a,62bの下端部間を繋ぐように設けられた板状部材として構成されたものである。
【0060】
このように構成された長桁60を有する屋根構体1’’においても、上記実施例と同様の効果が得られる。また、この屋根構体1’’の長桁60においては、平坦部64が、2枚の側方板62a,62bに支持されているので、例えば、上記実施例の屋根構体1の長桁20の場合のように、平坦部24が1枚の板状部材としての支持部22に支持される場合に比べ、長桁に倒れを生じさせ得る負荷(具体的には、例えば、図4中の矢印Yに平行な方向の力)がかかった場合においても、長桁に倒れ変形は起き難くなるという効果も得られる。
【0061】
また、一方、上記実施例の屋根構体1においては、平坦頂部34及び2つのウェブ部36a,36bに囲まれる空間部39(図2参照)に断熱・防音材等の充填物(図示省略)を詰めた上で、垂木30を長桁20に対して配置・固定するよう構成しても良い。このようにすれば、垂木30が有する空間部39を有効利用できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の移動体の屋根構体としての屋根構体の部分的な構成を示した斜視図である。
【図2】 実施例の移動体の屋根構体としての屋根構体の部分の側面図である。
【図3】 他の実施例の移動体の屋根構体としての屋根構体の部分の正面図である。
【図4】 他の実施例の移動体の屋根構体としての屋根構体の部分の正面図である。
【図5】 従来の移動体の屋根構体としての屋根構体の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,1’,1’’…屋根構体、10…外板、10a…内側面、20,50,60…長桁、24,54,64…平坦部、30…垂木、30…垂木、32…山型部、34…平坦頂部、38a,38b…平坦縁部、62a,62b…側方板
Claims (3)
- 移動体の屋根部分の外壁をなす外板と、
前記外板の内側面上に長尺状の形状を有する部材として夫々突設され、相互に略平行となるよう前記外板の内側面に沿って配置・固定された複数の長桁と、
長尺状の形状を有し、前記長桁の長手方向に対して夫々が略直交するよう前記長桁に対して配置・固定された複数の垂木と、
前記垂木に対して位置決めされた内装パネルと、
からなる移動体の屋根構体であって、
夫々の前記長桁は、前記外板と反対側の端部に、当該長桁の長手方向に延在し、前記外板に略平行な面を有する平坦部を備え、
夫々の前記垂木は、板材を山型に折り曲げてなる断面形状を有し、該山型の部分の両端には、前記平坦部と略平行な方向に延びる平坦縁部が設けられ、
前記長桁と前記垂木とは、前記平坦部と前記平坦縁部とを接合することで一体に固定され、
夫々の前記垂木における前記山型の部分の先端部には、当該垂木の長手方向に延在し、前記外板に略平行な面を有する平坦頂部が設けられ、
前記内装パネルは、前記垂木の平坦頂部に対して位置決めされたことを特徴とする移動体の屋根構体。 - 夫々の前記長桁は、前記外板から突出する2枚の側方板であって、両者間に所定の間隔を置きつつ当該長桁の長手方向に延びる2枚の側方板と、該2枚の側方板における前記外板と反対側の端部間を繋ぐように設けられた前記平坦部と、からなることを特徴とする請求項1に記載の移動体の屋根構体。
- 夫々の前記垂木は押出型材として成形され、夫々の前記長桁は、前記外板と一体化した状態の押出型材として成形されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体の屋根構体。
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