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JP3680430B2 - (メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法 - Google Patents
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(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアクリル酸メチル、メタクリル酸メチルに代表される(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、通常のラジカル重合開始剤によってラジカル重合法により得られることが知られている。
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサエート等の有機過酸化物系開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;さらには過酸化物開始剤とアミン類、メルカプタン類等の還元性化合物を主成分として組み合わされた公知のレドックス系開始剤;また、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、1−ヒドロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、アシルホスフェノキサイド、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、チオキサントン類等に必要に応じて光増感剤を併用する光重合開始剤系等がある。これらの重合開始剤は、水の存在下でも活性は衰えず重合することができる。
【0003】
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、ある種の有機金属化合物を開始剤としてイオン重合法により得られることが知られている。
メタクリル酸メチルを例にとると、有機アルカリ金属化合物を開始剤とする方法(Adv. Polym. Soc., 31, 1 (1979)) 、チーグラー型触媒を開始剤とする方法(特公昭45-40059号公報、同46-9351 号公報)、メタロセン型触媒を開始剤とする方法(特開平2-258808号公報、同3-255116号公報)等が報告されている。
これらの重合に用いられる開始剤は、等量の水とすばやく反応し分解する。そのためこれらの重合は、開始剤を溶媒に対して0.1mol%程度添加し重合するが、溶媒中の水を取り除くために、ベンゾフェノンNa等の有機金属を用いて蒸留した溶媒、無水有機溶媒を用いて重合することが必要とされる。
【0004】
更に、希土類金属トリフラートとケテンシリルアセタールを重合開始剤とし、無水溶媒中でのメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の重合が報告されている(Polym. Prep.(Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem.) 36(2), 286(1995))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法においては、水の存在下で重合を行い、用いた開始剤を回収、再利用が不可能であった。例えば、ラジカル重合法では、水の存在下で重合を行うことが可能であるが、添加したラジカル重合開始剤が重合体末端に取り込まれ開始剤を回収することは出来ない。
また、イオン重合法では、無水溶媒中重合しなければならず、工業的に適用するには適していない。
さらに、上記の希土類金属トリフラートとケテンシリルアセタールを重合開始剤として用いる方法も、無水溶媒中で行われ、重合開始剤の回収については何ら開示されていない。
【0006】
かかる事情に鑑み、本発明者は重合開始剤の回収が可能で工業的に有利な(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法について鋭意検討した結果、重合開始剤として希土類金属トリフラートを用い、含水溶媒の存在下に重合することにより、無水溶媒中で行うよりも収率が向上すると共に、希土類金属トリフラートを回収、再使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)(メタ)アクリル酸エステル単量体を溶媒の存在下、重合開始剤として希土類金属トリフラートを用いて重合する際に、希土類金属トリフラート1モルに対して1〜10000モルの水を添加して重合することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法。
(2)シリルケテンアセタールの共存下に重合する前記(1)記載の製造方法。
(3)重合終了後、希土類金属トリフラートを回収し、再使用する前記(1)記載の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸またはメタクリル酸エステル類である。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2ーエチルヘキシル、メタクリル酸2ーヒドロキシルエチル等のメタクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2ーエチルヘキシル、アクリル酸2ーヒドロキシルエチル等のアクリル酸エステル類がある。さらに、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル、アクリル酸2−ヒドロキシルエチル等水酸基を含有するエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等エポキシ基を含有するエステル等が挙げられる。
上記の(メタ)アクリル酸エステルを2種類以上用いて重合を行っても良い。
【0009】
本発明で用いる希土類金属トリフラートは、下記の式 化1で示される化合物であり、公知の方法、例えば、 J. Org. Chem., 59, 3590 (1994) に記載の方法により合成することが出来る。
【0010】
【化1】
M(OSO2 CF3 )3
式中、Mは希土類金属元素を表わし、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu元素から選ばれる1種である(以下、M(OTf)3 と表わす。)
【0011】
希土類金属トリフラートは、(メタ)アクリル酸エステル単量体1モルに対して0.001〜0.1モル用いられる。水が少な過ぎると重合速度が遅くなり、また多過ぎてもそれに見合った効果は得にくい。
【0012】
水の添加量は重合開始剤である希土類金属トリフラート1モルに対して1〜10000モルである。水が少な過ぎても、多くなり過ぎても重合収率が低下する傾向にあり、また多くなり過ぎると生成した重合体が析出し沈澱するので好ましくない。
【0013】
本発明で用いる溶媒としては、水と相互に溶解する溶媒であり、生成する重合体を溶解する溶媒が好ましい。これらの例としては、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
【0014】
本発明で用いるシリルケテンアセタールは、下記の式 化2で示される化合物であり、例えば1−エトキシ−1−トリエチルシロキシエテンが挙げられる。
【0015】
【化2】
Figure 0003680430
(式中、R1 、R2 、R4 は水素または炭素数1〜6のアルキル基、R3 は炭素数1〜6のアルキル基、トリアルキルシリル基またはトリアルキルシロキシエチル基を表す。)
【0016】
このシリルケテンアセタールは、通常、希土類金属トリフラートと等モル程度用いられる。
【0017】
(メタ)アクリル酸エステルの重合温度は、特に制限されるものではないが、好ましくは、室温〜120℃。さらに好ましくは、40〜100℃である。
【0018】
(メタ)アクリル酸エステル単量体、重合開始剤等の添加順序、添加方法は特に制限されるものではない。例えば、重合開始剤を溶媒に溶解し、(メタ)アクリル酸エステルを添加、さらに必要に応じてシリルケテンアセタールを添加し、所定の重合温度に保持することで重合は進行する。
重合系の撹拌は、重合発熱の除熱のため行うことが好ましい。
【0019】
重合の停止は、温度を室温に戻し、残存する(メタ)アクリル酸エステル、溶媒を留去することで行う。
生成した重合体はアセトンに溶解し、メタノールに混合することで重合体を沈澱させ、これを濾別することで重合体と希土類金属トリフラート等を含有する溶液に分離することができる。
希土類金属トリフラート等は溶液中のメタノール等を留去することで回収し、再利用することが可能である。
溶媒および希土類金属トリフラート等は、その水分が希土類金属トリフラート1モルに対して1〜10000モルになるよう回収し、そのまま再利用するのが好ましい。
【0020】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、従来の重合開始剤に希土類金属トリフラートを用いて重合する方法に比べ、重合収率が向上すると共に、重合開始剤を回収、再利用することが可能であり、効率的な方法である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
なお、分子量は次の方法で求めた。
ゲルパーミネイションクロマトグラフィー(GPC;ウォータズ社製、150−CV)を使用して溶媒としてTHFを用いて測定した。分子量は標準ポリメタクリル酸メチル試料により作成した検量線より算出した。
【0022】
実験例1
(1)ネオジウムトリフラートの合成
窒素置換したジムロート冷却管を付けた100mlの2口フラスコにイオン交換水3.6ml、トリフルオロメタンスルホン酸3.6mlを添加した。そこに、酸化ネオジウム(III) 30mlを入れ100℃、2時間撹拌した。室温で濾過し、水で洗浄しながら未反応の酸化物を除いた。濾液をエバポレーターで留去し、得られたネオジウムトリフラート水和物(Nd(OTf)3(H20)n)をクゲルローリーを用いて0.5mmHg、200℃で40hr乾燥を行い、無水物のネオジウムトリフラート(Nd(OTf)3)を得た。
【0023】
(2)ネオジウムトリフラートによるアクリル酸メチルの重合
三方コックを付けた30mlのフラスコに、Nd(OTf)3を0.25mmol投入し、窒素置換した。予め窒素雰囲気下でベンゾフェノンNaから蒸留した1,4−ジオキサンを8mlとイオン交換水2mlを加えてNd(OTf)3を溶解した。
アクリル酸メチル25mmolを加え、さらに1−エトキシ−1−トリエチルシロキシ−エテン0.25mmolを加えて、撹拌しながら90℃に加熱し、20時間反応させて重合体を得た。
重合完了後、溶媒、残存アクリル酸メチルを留去し、アセトン5mlにより再溶解した。この溶液をメタノール50mlに加えて重合体を沈澱させ、次いで濾過し、メタノールで洗浄後、真空乾燥器で溶媒を乾燥さた。
得られた重合体の重量を仕込んだアクリル酸メチルの重量で除して収率を算出した。さらにGPCにより分子量を測定した。
結果を表1に示した。
また、メタノール中に溶解したNd(OTf)3を、溶媒を留去することで回収、乾燥した。この回収Nd(OTf)3を重合に用いたところ新触媒と同程度の活性を有していた。
【0024】
実験例2
1,4−ジオキサンとイオン交換水の量を表1に示すとおりに代えた以外は実験例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0025】
実験例3、4
1−エトキシ−1−トリエチルシロキシ−エテンを添加しなかった以外は、実験例1、2と同様に行った。結果を表1に示した。
【0026】
実験例5
ネオジウムトリフラート(Nd(OTf)3)に代えて、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf)3)を用いた以外は実験例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0027】
実験例6
1−エトキシ−1−トリエチルシロキシ−エテンを添加しなかった以外は、実験例5と同様に行った。結果を表1に示した。
【0028】
実験例7
アクリル酸メチルの代わりにメタクリル酸メチルを用いた以外は実験例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0029】
実験例8
1−エトキシ−1−トリエチルシロキシ−エテンを添加しなかた以外は実験例7と同様に行った。結果を表1に示す。
【0030】
実験例9
ネオジウムトリフラート(Nd(OTf)3)に代えて、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf)3)を用いた以外は実験例7と同様に行った。結果を表1に示す。
【0031】
実験例10
1−エトキシ−1−トリエチルシロキシ−エテンを添加しなかた以外は実験例9と同様に行った。結果を表1に示す。
【0032】
実験例11、12
ネオジウムトリフラート(Nd(OTf)3)に代えてランタントリフラート(La(OTf)3)、サマリウムトリフラート(Sm(OTf)3)を用いた以外は実験例7と同様に行った。結果を表1に示す。
【0033】
実験例13、14
ネオジウムトリフラート(Nd(OTf)3)に代えて,ガドリニウムトリフラート(Gd(OTf)3)、イットリウムトリフラート(Y(OTf)3) を用いた以外は実験例8と同様に行った。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003680430

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸エステル単量体を溶媒の存在下、重合開始剤として希土類金属トリフラートを用いて重合する際に、希土類金属トリフラート1モルに対して1〜10000モルの水を添加して重合することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル重合体の製造方法。
  2. シリルケテンアセタールの共存下に重合する請求項1記載の製造方法。
  3. 溶媒が1,4−ジオキサンである請求項1記載の製造方法。
  4. (メタ)アクリル酸エステルがアクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルである請求項1記載の製造方法。
  5. 重合終了後、希土類金属トリフラートを回収し、再使用する請求項1記載の製造方法。
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