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JP3681557B2 - 車両のステアリング装置 - Google Patents
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JP3681557B2 - 車両のステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車速に応じて舵角比(操向輪の角度/ハンドルの操舵角)を可変できる可変舵角比機構と、操舵トルクに応じてステアリング系に補助操舵力を作用し、ドライバの手動操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置と、を備えた車両のステアリング装置に係り、特に可変舵角比機構に異常が発生した場合に補助操舵力を変化させてドライバに通知する車両のステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車のステアリング装置は、特開昭62−46772号公報に開示されているように、ハンドルの舵角に対する車輪舵角を変化させる伝達比可変手段と、自動車の運転状態を検出する運転状態検出手段と、この運転状態検出手段からの信号に応じて伝達比可変手段を制御するコントローラとを備えたもので、操舵アシスト力を発生するパワーステアリング機構を設けるとともに、ハンドルの操舵速度に応じてハンドル操舵に対する手応え力を変化させる手応え装置が設けられている。
【0003】
なお、特開昭62−46772号公報に開示された自動車のステアリング装置のパワーステアリング機構は、油圧のパワーステアリング機構で構成されている。
【0004】
特開昭62−46772号公報に開示された自動車のステアリング装置は、ハンドルを操舵して車輪を転舵させると、ハンドル操舵に伴ってパワーステアリング機構が作動され、操舵力がアシストされながら車輪が転舵されるとともに、運転状態検出手段の信号を受けたコントローラにより、伝達比可変手段が作動制御され、ハンドル舵角に対する車輪舵角の伝達比が可変制御される。
【0005】
特開昭62−46772号公報に開示された自動車のステアリング装置は、ハンドルの操舵速度に応じて手応え装置によるハンドル操舵に対する手応え力が可変制御され、手応え力の可変制御をハンドルの操舵速度が速くなるほど手応え力が大きくなるようにすると、ハンドルを素速く操舵しても操舵速度は実質的に低く抑えられて油圧式パワーステアリング機構への圧油流量が十分に確保され、圧油流量不足に起因する車輪の転舵遅れが有効に回避されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭62−46772号公報に開示された自動車のステアリング装置は、手応え装置を備え、圧油流量不足に起因する車輪の転舵遅れが有効に回避されるが、伝達比可変手段に異常が発生し、実際の伝達比(実舵角比)が目標伝達比(目標舵角比)に一致しない場合には、ハンドル操舵に対応して車輪舵角が大き過ぎたり、または小さ過ぎたりして操舵フィーリングが低下する課題がある。
【0007】
また、伝達比可変手段に異常が発生した場合に、ドライバは伝達比(舵角比)のずれを車両挙動の変化から認識することになるが、初心者にとって車両挙動の変化を正確に認識することが難しく、伝達比(舵角比)のずれが感知しずらい場合が多い。
【0008】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、その目的は可変舵角比機構の異常を補助操舵力の変化としてドライバに伝えることができる車両のステアリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る車両のステアリング装置は、制御手段が、ハンドル操作してから設定時間経過しても可変舵角比機構の実舵角比が目標舵角比に一致しない場合に異常を表すタイマ信号を出力する計時手段と、計時手段から供給される異常を表すタイマ信号に基づいて、可変舵角比機構の異常時に操舵トルク信号により求まる操舵補助力を変更する操舵力変更手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明に係る車両のステアリング装置は、制御手段に、可変舵角比機構の異常時には、操舵トルク信号により求まる操舵補助力を変更する操舵力変更手段を備えたので、可変舵角比機構の実舵角比が目標舵角比に一致しない場合には、可変舵角比機構の異常と判断し、目標舵角比と実舵角比の偏差に基づいて操舵補助力を変更してドライバに操舵反力の変化として感知させることができる。
【0011】
また、この発明に係る操舵力変更手段は、電動機をPWM(Pulse Width Modulation)駆動するPWM信号のデューティ比を一定の周期で変化させる周期変更手段を備え、操舵補助力を変更することを特徴とする。
【0012】
この発明に係る操舵力変更手段は、電動機をPWM(Pulse Width Modulation)駆動するPWM信号のデューティ比を一定の周期で変化させる周期変更手段を備えたので、可変舵角比機構の異常を振動する操舵反力の変化としてドライバに感知させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、本発明はハンドルの操舵角(α)と車輪の転舵角(β)の比である舵角比(C=β/α)を可変する可変舵角比機構と、ステアリング系に操舵補助力を作用させてドライバの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置とを備え、可変舵角比機構の異常時に電動パワーステアリング装置の補助操舵力を変更し、可変舵角比機構の異常を操舵反力の変化でドライバに伝達し、適切な操舵を実行させるものである。
【0014】
図1はこの発明に係る車両のステアリング装置の実施の形態基本構成図である。
図1において、車両のステアリング装置1は、可変舵角比機構2と、電動パワーステアリング装置3とから構成する。
車両のステアリング装置1は、ハンドル4、ステアリングシャフト5、自在継ぎ手6、可変操舵比機構2の入力軸7および出力軸(ピニオン)8、出力軸8のピニオンと係合するラック軸9、操向車輪10を備える。
【0015】
また、車両のステアリング装置1は、可変操舵比機構2のセンサ系を構成し、車両の車速Yを検出する車速センサ11、実舵角比CJを検出する舵角比センサ12を備える。
さらに、車両のステアリング装置1は、電動パワーステアリング装置3のセンサ系を構成する操舵トルクセンサ13を備える。
なお、車速センサ11は、電動パワーステアリング装置3のセンサ系も構成する。
【0016】
車両のステアリング装置1は、可変操舵比機構2の制御系である舵角比制御手段14と、電動パワーステアリング装置3の制御系である制御手段15を備える。
また、車両のステアリング装置1は、可変操舵比機構2の駆動系である舵角比用電動機M2と、電動パワーステアリング装置3の駆動系である電動機M1を備える。
【0017】
ドライバがハンドル4を操作すると、ハンドル舵角に応じた回転角(ねじれ)がステアリングシャフト5および自在継ぎ手6を介して可変操舵比機構2の入力軸7に伝達される。
【0018】
入力軸7の外周には、入力軸7の中心(A)を偏心させながら中心(O)で回転する可動ハウジング(図示せず)を備え、この可動ハウジングは舵角比用電動機M2に接続されたウォームギア(図示せず)により回転される。
ウォームギアにより回転された可動ハウジングの変位量を舵角比センサ12で検出し、この変位量に対応した電気信号を可変舵角比機構2の実舵角比信号CJとして舵角比制御手段14に供給する。
また、車速センサ11が検出した車速に対応した電気信号を車速信号Vとして舵角比制御手段14に供給する。
【0019】
舵角比制御手段14は、車速センサ11から供給される車速信号Vに対応した目標舵角比信号(CS)を発生し、この目標舵角比信号(CS)と実舵角比信号CJとの偏差(CS−CJ)に基づいて電動機電圧VM2を制御し、舵角比用電動機M2をPWM駆動してウォームギアを介して可動ハウジングを回転し、実舵角比信号CJと目標舵角比信号(CS)が等しくなるよう制御する。
【0020】
目標舵角比信号(CS)とは、ハンドル4の操舵角(α)に対する操向輪10の転舵角(β)の目標とする比を規定するものであり、例えば仮に目標舵角比信号(CS)が0.5に設定された状態で、操舵角(α)を60度に設定すると転舵角(β)は30度に設定されるような目標の値である。
【0021】
また、実舵角比信号(CJ)とは、目標舵角比信号(CS)が車速信号Vで設定されると、可変操舵比機構2で実際に具現化される値であり、ハンドル4の実際の操舵角(α)に対する出力軸8のピニオンの回転運動をラック軸9の直線運動に変換して操向輪10を転舵した場合の実際の転舵角(β)の比である。
【0022】
可変操舵比機構2の原理を図2に基づいて説明する。
図2はこの発明に係る可変操舵比機構の動作原理説明図である。
図2において、A点は入力軸7の回転中心であり、既に説明したように車速信号Vに対応した目標舵角比信号(CS)に基づいて舵角比用電動機M2を駆動することにより、可動ハウジングを回転させてX1方向またはX2方向に移動させることができる。
【0023】
B点は出力軸8の回転中心であってC点はB点から一定距離だけ偏心した位置にあり、C点とB点の関係を石臼に例えるとC点が作用点、B点が石臼の中心となる。
また、A点の回転はC点に伝わるので、B点からA点の距離をa、B点からC点の距離をbとすると、操舵角αとピニオンの回転角γの関係は数1で表される。
なお、転舵角β=K*γ(K:定数)で表わされる。
【0024】
【数1】
b*sinγ=(b*cosγ−a)*tanα
【0025】
なお、図2はハンドル4を時計回り方向(右操舵)の場合について示したものであるが、反時計回り方向(左操舵)の場合にも同様な関係にある。
なお、可変舵角比機構2の具体的構成については、特開平7−257406号公報により公知であるので、詳細な説明は割愛する。
【0026】
図3はこの発明に係る可変操舵比機構の操舵角α−ピニオンの回転角γ特性図である。
図3において、操舵角αに対するピニオンの回転角γは、例えば車速Vが低車速領域ではB点からA点の距離a=aO(=0)で、ピニオンの回転角γと操舵角αの比は1である。
【0027】
また、車速が中車速領域ではB点からA点の距離a=a1で、ピニオンの回転角γと操舵角αの比(転舵角比)は1より小さい値となる。
【0028】
さらに、車速が高車速領域ではB点からA点の距離a=a2で、ピニオンの回転角γと操舵角αの比(転舵角比)は1より更に小さい値となる。
【0029】
このように、可変操舵比機構2は操舵角αに対するピニオンの回転角γ(結果として転舵角β)を車速が低車速から高車速になるにつれて小さく設定するので、低車速では速い操舵特性が得られ、高車速では安定した操舵特性が得られる。
【0030】
可変操舵比機構2は、車速をパラメータとした操舵角αに対するピニオンの回転角γを1対1の関係に設定するが、場合によってはドライバがハンドル4を操舵する際の操舵力が増加する場合がある。
ドライバの操舵力を軽減するため、電動パワーステアリング装置3が必要とされる。
【0031】
図1に戻り、電動パワーステアリング装置3は、操舵トルクセンサ13でハンドル4の操舵トルクを検出し、電気信号に変換した操舵トルク信号Tを制御手段15に供給する。
また、車速センサ11で車両の車速を検出し、電気信号に変換した車速信号Vを制御手段15に供給する。
【0032】
制御手段15は、車速信号Vをパラメータとして操舵トルク信号Tに基づいて目標トルク信号(IT)を発生し、目標トルク信号(IT)に対応した電動機電圧VM1で電動機M1をPWM駆動する。
【0033】
電動機M1の電動機トルクでラック軸に補助操舵力を作用することにより、ドライバの操舵力を軽減する。
【0034】
可変操舵比機構2に何等かの原因で異常が生じた場合には、目標舵角比信号(CS)と実舵角比信号CJとの偏差Δ(=CS−CJ)が0値にならないため、この偏差Δを電動パワーステアリング装置3の制御手段15に取り込み、制御手段15で電動機M1を駆動する電動機電圧VM1(PWM)のデューティ比を変更し、操舵補助力を変更することによってドライバに可変操舵比機構2の異常を操舵反力の変化で伝える。
【0035】
図4はこの発明に係る車両のステアリング装置の実施の形態要部ブロック構成図である。
図4において、車両のステアリング装置1は、可変舵角比機構2と、電動パワーステアリング装置3とからなる。
【0036】
まず、可変舵角比機構2について説明する。
可変舵角比機構2は、車速センサ11、舵角比センサ12、舵角比制御手段14、舵角比用電動機M2を備える。
車速センサ11は、車両のスピードメータ等で構成し、車速を電気信号に変換し、車速信号Vとして舵角比制御手段14に供給する。
【0037】
舵角比センサ12は、変位センサ等で構成し、舵角比用電動機M2で可変舵角比機構2のウォームギアの回転に伴って回転する可変ハウジングの変位量TMを検出し、この変位量を電気信号に変換し、実舵角比信号CJとして舵角比制御手段14の偏差演算手段22に供給する。
【0038】
舵角比制御手段14は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、メモリ、アナログ回路等で構成し、目標舵角比設定手段21、偏差演算手段22、舵角比駆動制御手段23、舵角比用電動機駆動手段24を備える。
【0039】
目標舵角比設定手段21は、ROM等のメモリで構成し、予め設計値や実験値に基づいて決定した図14に示す車速信号V−目標舵角比CSデータを記憶しておき、車速センサ11から車速信号Vが供給されると対応する目標舵角比CSデータを読み出し、目標舵角比信号CSを偏差演算手段22に供給する。
【0040】
なお、目標舵角比信号CSは、図1に示すハンドル4の操舵角αに対する操向車輪10の目標転舵角βSの比(βS/α)を表し、図14に示すように、車速信号Vが大きくなるに従って減少するように設定する。
また、実舵角比信号CJは、目標舵角比信号CSによって可変舵角比機構2が駆動され、ハンドル4の操舵角αに対する操向車輪10の実転舵角βJの比(βJ/α)を表す。
【0041】
偏差演算手段22は、減算機能を備え、目標舵角比設定手段21から供給される目標舵角比信号CSと舵角比センサ12から供給される実舵角比信号CJとの偏差ΔC(=CS−CJ)を演算し、偏差信号ΔCを舵角比駆動制御手段23および電動パワーステアリング装置3の制御手段15(計時手段28および操舵力変更手段29)に供給する。
【0042】
舵角比駆動制御手段23は、PID(比例・積分・微分)コントローラ、PWM信号,オン信号,オフ信号の混成信号を発生する制御信号発生手段等で構成し、偏差演算手段22から供給される偏差信号ΔCに基づいて駆動制御信号V02を舵角比用電動機駆動手段24に供給する。
【0043】
舵角比用電動機駆動手段24は、比較的小電力の容量を有する4個のFET(電界効果トランジスタ)またはIGBT(絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ)等で構成し、舵角比駆動制御手段23から供給される駆動制御信号V02に基づいてPWM(パルス幅変調)の電動機電圧VM2を発生して舵角比用電動機M2をPWM駆動し、舵角比用電動機M2を正回転または逆回転させる。
【0044】
なお、舵角比制御手段14は、舵角比センサ12から実舵角比信号CJを偏差演算手段22に供給することにより、負帰還(NFB:Negative Feedback)制御を形成する。
【0045】
この負帰還(NFB:Negative Feedback)制御により、可変舵角比機構2は、短い時間で目標舵角比信号CSと実舵角比信号CJとの偏差ΔC(=CS−CJ)は0となり、実舵角比信号CJは目標舵角比信号CSに一致(CJ=CS)する。
例えば、舵角比が0.5に設定されている場合、図1に示すハンドル4を30度回転(操舵角30°)させると操向輪10も追従して30度(転舵角30°)回転することになる。
【0046】
次に、電動パワーステアリング装置3について説明する。
電動パワーステアリング装置3は、車速センサ11、操舵トルクセンサ13、制御手段15、電動機M1を備える。
操舵トルクセンサ13は、差動トランス等を用いた変位センサ等で構成し、図1に示すハンドル4に加えられる操舵トルクを電気信号に変換し、操舵トルク信号Tを制御手段15に供給する。
また、車速センサ11は、車速信号Vを制御手段15に供給する。
【0047】
電動機トルク検出手段45は、電動機M1に流れる電動機電流IMから対応する電動機トルク信号IMTを発生し、電動機トルク信号IMTを制御手段15に供給する。
【0048】
制御手段15は、マイクロプロセッサを基本にした各種演算手段、処理手段、メモリ、アナログ回路等で構成し、目標トルク信号設定手段25、偏差演算手段46、駆動制御手段26、電動機駆動手段27、計時手段28、操舵力変更手段29を備える。
【0049】
目標トルク信号設定手段25は、ROM等のメモリで構成し、予め設計値や実験値に基づいて決定した図13に示す車速信号Vをパラメータとした操舵トルク信号T−目標トルク信号ITデータを記憶しておき、操舵トルクセンサ13から操舵トルク信号Tと車速センサ11から車速信号Vが供給されると対応する目標トルク信号ITデータを読み出し、目標トルク信号ITを偏差演算手段46に供給する。
【0050】
偏差演算手段46は、減算機能を備え、目標トルク信号設定手段25から供給される目標トルク信号ITと電動機トルク検出手段45から供給される電動機トルク信号IMTとの偏差ΔI(=IT−IMT)を演算し、偏差信号ΔIを駆動制御手段26に供給する。
【0051】
駆動制御手段26は、PID(比例・積分・微分)コントローラ、PWM信号,オン信号,オフ信号の混成信号を発生する電動機制御信号発生手段等で構成し、偏差演算手段46から偏差信号ΔIが供給されると、偏差信号ΔIにPID(比例・積分・微分)制御を施し、PWM信号,オン信号,オフ信号の混成信号である電動機制御信号VO1を電動機駆動手段27に供給する。
【0052】
また、駆動制御手段26は、電動機制御信号発生手段にPWM信号を発生するPWM信号発生手段を備え、操舵力変更手段29から供給されるデューティ比係数KDに基づいてPWM信号のデューティを変更し、変更したデューティのPWM信号を電動機制御信号VO1として電動機駆動手段27に供給する。
【0053】
図5はこの発明に係る駆動制御手段の一実施の形態要部ブロック構成図である。
図5において、駆動制御手段26は、PIDコントローラ31、電動機制御信号発生手段32を備える。
PIDコントローラ31は、偏差演算手段46から偏差信号ΔIが供給されると、偏差信号ΔIにPID(比例・積分・微分)制御を施し、PID制御信号IHを電動機制御信号発生手段32に提供する。
【0054】
電動機制御信号発生手段32は、オン・オフ信号発生手段33、PWM信号発生手段34を備える。
オン・オフ信号発生手段33は、PIDコントローラ31から供給されるPID制御信号IHに基づいてオン信号VON(例えば、Hレベル)、オフ信号VOF(例えば、Lレベル)を発生し、電動機制御信号VO1として電動機駆動手段27に供給する。
【0055】
PWM信号発生手段34は、デューティ比設定手段、乗算手段等を備える。
デューティ比設定手段は、PIDコントローラ31から供給されるPID制御信号IHに対応したデューティ比(DH)を決定し、決定したデューティ比(DH)を乗算手段に供給する。
乗算手段は、操舵力変更手段29から供給されるデューティ比係数KDとデューティ比(DH)を乗算(KD*DH)したデューティ比(DHO)を決定し、デューティ比(DHO)のPWM信号VPWMを電動機制御信号VO1として電動機駆動手段27に供給する。
【0056】
電動機駆動手段27は、大電力の容量を有する4個のFET(電界効果トランジスタ)またはIGBT(絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ)等で構成し、駆動制御手段26から供給される駆動制御信号V01に基づいてPWM(パルス幅変調)の電動機電圧VM1を発生して電動機M1をPWM駆動し、電動機M1を正回転または逆回転させる。
【0057】
計時手段28は、タイマ手段で構成し、舵角比制御手段14の偏差演算手段22から供給される偏差信号ΔC(=CS−CJ)をトリガとして計時を開始し、偏差信号ΔCが予め設定した設定時間TKを超えて継続する場合には、例えばHレベルのタイマ信号TOを操舵力変更手段29に供給する。
また、計時手段28は、偏差信号ΔCの継続時間が設定時間TK以下の場合には、Lレベルのタイマ信号TOを操舵力変更手段29に供給する。
【0058】
なお、設定時間TKは、可変舵角比機構2が正常な場合に図1に示すハンドル4を操作した後に、目標舵角比信号CSと実舵角比信号CJとの偏差ΔCが0となるまでの時間よりわずか長めの時間に設定する。
【0059】
偏差信号ΔC(=CS−CJ)は、可変舵角比機構2が正常な場合には設定時間TK経過後には常に0値となる。
一方、偏差信号ΔC(=CS−CJ)は、可変舵角比機構2に異常が発生した場合には実舵角比信号CJとの偏差ΔCが0値とならず、プラス(ΔC>0)またはマイナス(ΔC<0)の有限値となり、この有限値の状態が設定時間TKを超えて継続する。
【0060】
操舵力変更手段29は、絶対値変換手段、信号発生手段、係数発生手段等を備え、計時手段28から供給されるタイマ信号TO、および舵角比制御手段14の偏差演算手段22から供給される目標舵角比信号CSと実舵角比信号CJとの偏差ΔCである偏差信号ΔC(=CS−CJ)の絶対値|ΔC|に基づいて、定数1のデューティ比係数KD(=1)、一定の周期で変化するデューティ比係数KD(=KD1)、定数1を超えるデューティ比係数KD(=KD2)または定数1を下回るデューティ比係数KD(=KD3)を駆動制御手段26(PWM信号発生手段34の乗算手段)に供給する。
【0061】
操舵力変更手段29は、Hレベルのタイマ信号TOが供給された場合には有限値の偏差信号ΔC(=CS−CJ)を取り込み、偏差信号ΔCの絶対値|ΔC|に対応したデューティ比係数KD1,KD2,KD3を駆動制御手段26(PWM信号発生手段34の乗算手段)に供給する。
また、操舵力変更手段29は、Lレベルタイマ信号TOが供給された場合には、定数1のデューティ比係数KDを駆動制御手段26(PWM信号発生手段34の乗算手段)に供給する。
【0062】
図6はこの発明に係る操舵力変更手段の一実施の形態要部ブロック構成図である。
図6において、操舵力変更手段29は、周期変更手段35、係数発生手段36を備える。
【0063】
周期変更手段35は、絶対値変換手段、電圧(V)−周波数(f)変換手段を備え、プラス(+)またはマイナス(−)の極性を有する偏差信号ΔC(=CS−CJ)を絶対値|ΔC|に変換し、絶対値|ΔC|(電圧値)に対応した周波数fOの信号に変換して周波数信号fOを係数発生手段36に提供する。
【0064】
係数発生手段36は、レベルシフト手段、係数出力手段を備え、周期変更手段35から供給される周波数信号fOの基準を定数1とした一定振幅(例えば、波高値1)の一定の周期(TX=1/fO)で変化(例えば、正弦波)するデューティ比係数KD1を出力する。
【0065】
図7はこの発明に係る操舵力変更手段の特性図である。
(a)に偏差の絶対値|ΔC|−周波数fO特性図、(b)図にデューティ比係数KD1の時間t特性図を示す。
(a)図において、周波数fOは偏差の絶対値|ΔC|に比例した特性を示し、偏差ΔCOでは周波数fOAの信号を発生する。
【0066】
(b)図において、一例としてデューティ比係数KD1は、定数1を中心に波高値1の正弦波信号を形成する。
【0067】
図8は図6に示す操舵力変更手段のデューティ比係数KD1で変更されたPWM信号の波形図である。
図8において、PWM信号発生手段34のデューティ比設定手段で決定されるデューティ比(DH)に基づくPWM信号VPWMO(実線表示)は、デューティ比係数KD1でデューティ比が一定の周期で変更され、PWM信号VPWM(破線表示)となる。
【0068】
PWM信号VPWM(破線表示)は、図7の(b)図に示すデューティ比係数KD1のレベルがそれぞれ1.2,1.5,1.2,1,0.8,0.5の場合を表す。
PWM信号VPWM(破線表示)は一定の周期で変化するので、ドライバは、操舵力が周期的に変化し、操舵反力が振動的に変化することから可変舵角比機構2の異常を感知することができる。
【0069】
なお、本実施の形態ではデューティ比係数KD1を正弦波で構成したが、鋸歯状波(Saw-Tooth Wave)や三角波等の周期関数波形で構成してもよい。
また、周波数fOを偏差の絶対値|ΔC|に拘らず一定値としてもよい。
さらに、偏差の絶対値|ΔC|が増大するに伴い、デューティ比係数KD1の波高値を増大するようにしてもよい。
【0070】
この発明に係る車両のステアリング装置1は、制御手段15に、可変舵角比機構2の異常時には、操舵トルク信号Tにより求まる操舵補助力を変更する操舵力変更手段29を備えたので、可変舵角比機構2の実舵角比が目標舵角比に一致しない場合には、可変舵角比機構2の異常と判断し、目標舵角比と実舵角比の偏差に基づいて操舵補助力を変更してドライバに操舵反力の変化として感知させることができる。
【0071】
また、この発明に係る操舵力変更手段29は、電動機M1をPWM(Pulse Width Modulation)駆動するPWM信号VPWMのデューティ比を一定の周期で変化させる周期変更手段29を備えたので、可変舵角比機構2の異常を振動する操舵反力の変化としてドライバに感知させることができる。
【0072】
さらに、この発明に係る制御手段15は、計時手段28を備え、ハンドル4を操作してから設定時間TK経過しても実舵角比CJが目標舵角比CSに一致しない場合には、操舵補助力を変更するので、可変舵角比機構2の異常を確実に判定してから操舵補助力を変更することができる。
【0073】
図9はこの発明に係る操舵力変更手段の別実施の形態要部ブロック構成図である。
図9において、操舵力変更手段37は、比較手段38、デューティ増加手段39を備える。
比較手段38は、絶対値変換手段、コンパレータ等を備え、計時手段28から供給されるタイマ信号TOがHレベルの時に、偏差信号ΔCを絶対値|ΔC|に変換し、この絶対値|ΔC|と基準値CKを比較し、絶対値|ΔC|が基準値CKを超える(|ΔC|>CK)場合、Hレベルの比較信号HO1をデューティ増加手段39に供給する。
【0074】
また、比較手段38は、タイマ信号TOがLレベルの時もしくは絶対値|ΔC|が基準値CK以下(|ΔC|≦CK)場合には、Lレベルの比較信号HO1をデューティ増加手段39に供給する。
なお、基準値CKは0値(CK=0)に設定してもよい。
【0075】
デューティ増加手段39は、デューティ比増加係数発生手段を備え、比較手段38からHレベルの比較信号HO1が供給される場合には、定数1を一定の値増加したデューティ比係数KD2(>1)を出力する。
また、デューティ増加手段39は、比較手段38からLレベルの比較信号HO1が供給される場合には、定数1のデューティ比係数KD2(=1)を出力する。
【0076】
図10は図9に示す操舵力変更手段のデューティ比係数KD2特性図およびデューティ比係数KD2で変更されたPWM信号の波形図である。
(a)図に比較信号HO1−デューティ比係数KD2特性図、(b)図にデューティ比係数KD2で変更されたPWM信号の波形図を示す。
【0077】
(a)図において、デューティ比係数KD2は、比較信号HO1がHレベルの場合には例えば1.5のデューティ比係数KD2を出力し、比較信号HO1がLレベルの場合には1のデューティ比係数KD2を出力する。
【0078】
(b)図において、PWM信号VPWMO(実線表示)は、デューティ比係数KD2でデューティ比が変更され、PWM信号VPWM(破線表示)となる。
偏差信号ΔCの絶対値|ΔC|が基準値CKを超え、デューティ比係数KD2が1.5に変更された場合、PWM信号VPWM(破線表示)のデューティ比はPWM信号VPWMO(実線表示)の1.5倍となり、補助操舵力が大きくなる結果、ドライバは、ハンドルの操舵力が急に軽くなり、操舵反力が急に小さくなることから可変舵角比機構2の異常を認識することができる。
【0079】
このように、この発明に係る操舵力変更手段37は、電動機8をPWM駆動するPWM信号のデューティ比を一定の値増加させるデューティ増加手段39を備えので、可変舵角比機構2の異常を操舵反力を小さくしてドライバに感知させることができる。
【0080】
図11はこの発明に係る操舵力変更手段の別実施の形態要部ブロック構成図である。
図11において、操舵力変更手段40は、比較手段41、デューティ減少手段42を備える。
比較手段41は、絶対値変換手段、コンパレータ等を備え、計時手段28からのタイマ信号TOがHレベルの時に、偏差信号ΔCを絶対値|ΔC|に変換し、この絶対値|ΔC|と基準値CKを比較し、絶対値|ΔC|が基準値CKを超える(|ΔC|>CK)場合、Hレベルの比較信号HO2をデューティ減少手段42に供給する。
【0081】
また、比較手段41は、タイマ信号TOがLレベルの時もしくは絶対値|ΔC|が基準値CK以下(|ΔC|≦CK)場合には、Lレベルの比較信号HO2をデューティ減少手段42に供給する。
なお、基準値CKは0値(CK=0)に設定してもよい。
【0082】
デューティ減少手段42は、デューティ比減少係数発生手段を備え、比較手段41からHレベルの比較信号HO2が供給される場合には、定数1を一定の値減少したデューティ比係数KD3(<1)を出力する。
また、デューティ減少手段42は、比較手段41からLレベルの比較信号HO2が供給される場合には、定数1のデューティ比係数KD3(=1)を出力する。
【0083】
図12は図11に示す操舵力変更手段のデューティ比係数KD3特性図およびデューティ比係数KD3で変更されたPWM信号の波形図である。
(a)図に比較信号HO2−デューティ比係数KD3特性図、(b)図にデューティ比係数KD3で変更されたPWM信号の波形図を示す。
【0084】
(a)図において、デューティ比係数KD3は、比較信号HO2がHレベルの場合には例えば0.5のデューティ比係数KD3を出力し、比較信号HO2がLレベルの場合には1のデューティ比係数KD3を出力する。
【0085】
(b)図において、PWM信号VPWMO(実線表示)は、デューティ比係数KD3でデューティ比が変更され、PWM信号VPWM(破線表示)となる。
偏差信号ΔCの絶対値|ΔC|が基準値CKを超え、デューティ比係数KD3が0.5に変更された場合、PWM信号VPWM(破線表示)のデューティ比はPWM信号VPWMO(実線表示)の0.5倍となり、補助操舵力が小さくなる結果、ドライバは、操舵力が急に重くなり、操舵反力が急に大きくなることから可変舵角比機構2の異常を認識することができる。
【0086】
このように、この発明に係る操舵力変更手段40は、電動機8をPWM駆動するPWM信号のデューティ比を一定の値減少させるデューティ減少手段42を備えたので、可変舵角比機構2の異常を操舵反力を大きくしてドライバに感知させることができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る車両のステアリング装置は、制御手段に、可変舵角比機構の異常時には、操舵補助力を変更する操舵力変更手段を備え、可変舵角比機構の実舵角比が目標舵角比に一致しない場合には、可変舵角比機構の異常と判断し、操舵補助力を変更してドライバに操舵反力の変化として感知させることができるので、可変舵角比機構の異常を操舵反力の変化としてドライバに確実に伝えることができる。
【0088】
また、この発明に係る操舵力変更手段は、電動機をPWM(Pulse Width Modulation)駆動するPWM信号のデューティ比を一定の周期で変化するので、可変舵角比機構の異常を操舵反力の変化としてドライバに確実に伝えることができる。
【0089】
よって、操舵反力の変化により、ドライバに可変舵角比機構の異常を正確に伝えることができる車両のステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両のステアリング装置の実施の形態基本構成図
【図2】この発明に係る可変操舵比機構の動作原理説明図
【図3】この発明に係る可変操舵比機構の操舵角α−ピニオンの回転角γ特性図
【図4】この発明に係る車両のステアリング装置の実施の形態要部ブロック構成図
【図5】この発明に係る駆動制御手段の一実施の形態要部ブロック構成図
【図6】この発明に係る操舵力変更手段の一実施の形態要部ブロック構成図
【図7】この発明に係る操舵力変更手段の特性図
【図8】図6に示す操舵力変更手段のデューティ比係数KD1で変更されたPWM信号の波形図
【図9】この発明に係る操舵力変更手段の別実施の形態要部ブロック構成図
【図10】図9に示す操舵力変更手段のデューティ比係数KD2特性図およびデューティ比係数KD2で変更されたPWM信号の波形図
【図11】この発明に係る操舵力変更手段の別実施の形態要部ブロック構成図
【図12】図11に示す操舵力変更手段のデューティ比係数KD3特性図およびデューティ比係数KD3で変更されたPWM信号の波形図
【図13】操舵トルク信号T−目標トルク信号ITデータ特性図
【図14】車速信号V−目標舵角比CSデータ特性図
【符号の説明】
1…車両のステアリング装置、2…可変舵角比機構、3…電動パワーステアリング装置、4…ハンドル、7…入力軸、8…出力軸(ピニオン)、9…ラック軸、10…操向車輪、11…車速センサ、12…舵角比センサ、13…操舵トルクセンサ、14…舵角比制御手段、15…制御手段、21…目標舵角比設定手段、22,46…偏差演算手段、23…舵角比駆動制御手段、24…舵角比用電動機駆動手段、25…目標トルク信号設定手段、26…駆動制御手段、27…電動機駆動手段、28…計時手段、29,37,40…操舵力変更手段、31…PIDコントローラ、32…電動機制御信号発生手段、33…オン・オフ信号発生手段、34…PWM信号発生手段、35…周期変更手段、36…係数発生手段、38,41…比較手段、39…デューティ増加手段、42…デューティ減少手段、45…電動機トルク信号検出手段。

Claims (2)

  1. 車速センサからの車速信号に基づいて目標舵角比を決定し、実際の舵角比を検出する舵角比センサからの実舵角比を目標舵角比に一致させるように舵角比用電動機の駆動を制御する舵角比制御手段を備えた可変舵角比機構と、操舵トルクセンサからの操舵トルク信号に基づいて目標トルク信号を発生し、この目標トルク信号に基づいてステアリング系に補助操舵力を作用させる電動機の駆動を制御する制御手段を備えた電動パワーステアリング装置と、からなる車両のステアリング装置において、
    前記制御手段は、ハンドル操作してから設定時間経過しても前記可変舵角比機構の実舵角比が目標舵角比に一致しない場合に異常を表すタイマ信号を出力する計時手段と、前記計時手段から供給される異常を表す前記タイマ信号に基づいて、前記可変舵角比機構の異常時に操舵トルク信号により求まる操舵補助力を変更する操舵力変更手段を備えたことを特徴とする車両のステアリング装置。
  2. 前記操舵力変更手段は、前記電動機をPWM(Pulse Width Modulation)駆動するPWM信号のデューティ比を一定の周期で変化させる周期変更手段を備え、操舵補助力を変更することを特徴とする請求項1記載の車両のステアリング装置。
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