JP3681809B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、色剤粒子を絶縁性液体キャリアに分散させてなるインクに静電気力を作用させ、インク滴を記録媒体上に飛翔させて画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
WO93/11866号公報には、絶縁性の液体中にトナー粒子を分散させたインクを用い、このインク中のトナー粒子を記録媒体に向けて絶縁性液体から分離飛翔させて記録を行う技術が開示されている。
【0003】
このような記録技術においては、▲1▼インクを吐出させるための吐出電極先端でインクメニスカスを形成する、▲2▼インクメニスカス中のトナー粒子濃度を濃縮する、▲3▼記録媒体が載置される対向電極と吐出電極との間で電界を形成して、凝集したトナー粒子を飛翔させるという一連の工程を有している。
【0004】
しかし従来は、インクメニスカス中でトナー粒子を効率良く濃縮することができず、画像濃度の低下を引き起こすという問題があった。
またインクメニスカス中でトナー粒子を効率良く濃縮するためには一定量のインクを吐出電極先端に供給し、吐出電極先端から溢れ出る余剰のインクを回収する必要がある。
しかしながら、従来はインクの回収時に、回収するインクがこぼれて記録装置中を汚染するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した通り、従来は、トナー粒子を効率良く凝集させることが困難であるという問題があった。また、余剰インク回収時に記録装置内が汚染されるといった問題があった。
この発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、装置内部の汚染がなく、また記録濃度の低下しない画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る画像形成装置は、記録媒体を略水平に搬送せしめる搬送手段と、上記搬送手段にて略水平に搬送された記録媒体の下面側で所定距離離間して配置され、略中央に開口を有する下に凸の凹面状のインク受け部を上記記録媒体に対向せしめて形成した吐出電極と、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させて成るインクを、上記吐出電極の下方から上記開口を介して上記インク受け部へ供給し、上記記録媒体に向かうインクメニスカスを形成するインク供給手段と、上記インク供給手段にて形成されたインクメニスカスの中央近くへ上記インク内の色剤粒子を凝集せしめるための第1のバイアス電圧を上記吐出電極に印加する第1の電圧印加手段と、上記インクメニスカスの中央に凝集された色剤粒子を含むインクを上記記録媒体に向けて飛翔させるための上記第1のバイアス電圧より高い第2のバイアス電圧を上記吐出電極に印加する第2の電圧印加手段と、を備え、上記インク受け部は、上記吐出電極に上記第2のバイアス電圧を印加した際に上記記録媒体上の所定の被記録点へ電界を集中せしめる形状を有している。
【0007】
上記画像形成装置において、吐出電極に第2のバイアス電圧を印加すると、インクを飛翔させるための記録媒体に向かう電界が形成される。この際、インク受け部の形状を、上記電界が記録媒体上の被記録点に集中するように形成していることから、飛翔されたインクが上記被記録点に向けて安定して飛翔される。
【0008】
例えば、上記インク受け部は、略半球形の凹面状に形成され、或いはインク受け部の縁から上記開口に向けて下方に傾斜された少なくとも1つの平面を有している。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、この発明の画像形成装置としてのインクジェットプリンタ1は、ハウジング2を備えている。ハウジング2内の所定位置には、記録媒体としての記録紙Pを所定方向に搬送せしめるための搬送手段として作用する円筒形のプラテンローラ4が配設されている。対向電極として作用するプラテンローラ4は、導電性材料から成り、接地され、或いは必要に応じて所定の電位が与えられている。
【0020】
プラテンローラ4の鉛直方向下方に所定距離離間した位置には、プラテンローラ4により搬送される記録紙Pにインクを飛翔せしめて画像を形成するための後述する記録ヘッド10が対向配置されている。
【0021】
記録ヘッド10の下方であってハウジング2の底部には、インクを収容したインク収容部12が配設されている。また、ハウジング2の左側底部には、インク供給管11を介して、インク収容部12内のインクを記録ヘッド10へ汲み上げるためのポンプ14が配設されている。ポンプ14は、所定のインク供給圧力で記録ヘッド10へインクを供給するようになっている。
【0022】
記録ヘッド10には、記録ヘッド10に供給されて使用されなかった余剰インクをインク収容部12へ回収するためのインク回収管13が接続されている。また、インク収容部12には吸引装置16が接続され、吸引装置16は、インク収容部12内のインク面上方の領域に負圧を生じさせるように作用する。そして、この負圧によって、インク回収管13を介して余剰インクがインク収容部12へ回収されるようになっている。
【0023】
ここで、上述したインクの成分について説明する。つまり、インクは、帯電された色剤粒子としてのトナーを絶縁性液体としてのキャリア液内に分散させて構成されている。キャリア液は、例えばイソパラフィン系溶媒(例えば、100ボルトの電圧を印加した場合の直流電気抵抗が1012〜1013オーム・センチ以上であるアイソパーG、H、L(商品名))からなる分散媒であり、トナーは、例えば0.01〜5μm程度の粒子径を有し、所定の電位(ここでは正電位)に帯電され、少なくとも着色成分を有する樹脂粒子である。このインクは、基本的には電子写真等で用いられている液体現像剤と同じであるが、液体現像剤より電気抵抗の高いものが要求されている。
【0024】
上記インクは、ポンプ14によってインク収容部12から汲み上げられ、インク供給管11を介して記録ヘッド10へ供給される。記録ヘッド10により飛翔されなかった余剰インクは、吸引装置16による負圧によってインク回収管13を介して吸引され、インク収容部12へ回収される。このように、インクは記録ヘッド10内を循環されて使用される。
【0025】
インク収容部12に回収されたインクは、画像形成によってトナーの濃度が薄くなっており、再使用のためインク濃度を調整する必要がある。また、インク内のトナー粒子はキャリア液より比重が低いためインク収容部12内のインクを常時攪拌する必要がある。
【0026】
このため、インク収容部12とポンプ14との間のバイパス管15、およびインク供給管11の途中には、流れるインク内のトナー濃度を検出する検出手段として作用する検出器18が設けられている。また、インク収容部12の上方には、予めトナー濃度を所定の値に調整した高濃度インクをインク収容部12に補給するための調整手段としてのインク補給容器17が配設されている。しかして、検出器18の検出結果に従って高濃度インクを所定量補給することにより、インク収容部12内のインク濃度を所定の値に保持している。
【0027】
また、インク収容部12内には、インク収容部12内に収容されたインクを攪拌するための攪拌装置19が設けられている。そして、インク収容部12内のインクは、攪拌装置19によって常時攪拌されてトナー粒子がインク内で均一に分散された状態でポンプ14により汲み上げられて記録ヘッド10へ供給されるようになっている。
【0028】
上記プラテンローラ4の右側に隣接した位置には、複数枚の記録紙Pを積層状態で収容した記録紙収容カセット21(以下、単に給紙カセット21とする)が配設されている。給紙カセット21のプラテンローラ4側の端部近くには、給紙カセットに収容された記録紙Pを最上端のものから取り出すための給紙ローラ24が回動可能に設けられている。また、給紙カセット21内には、記録紙Pの搬送方向先端を給紙ローラ24に向けて押し上げるための機構(図示せず)が設けられている。
【0029】
給紙カセット21の先端とプラテンローラ4の間には、給紙ローラ24によって給紙カセット21から取り出された記録紙Pをプラテンローラ4に向けて一旦整位して搬送する一対のレジストローラ26が設けられている。
【0030】
プラテンローラ4の下流側には、記録ヘッド10を通過されて画像が形成された記録紙Pを排紙する排紙トレー28が設けられている。また、プラテンローラ4と排紙トレー28との間には、プラテンローラ4を介して搬送された記録紙Pを排紙トレー28に向けて搬送する一対の排紙ローラ27が設けられている。
【0031】
しかして、給紙ローラ24の回転により給紙カセット21から取り出された記録紙Pは、レジストローラ26によって挟持搬送されてプラテンローラ4と記録ヘッド10との間に供給される。この際、搬送される記録紙Pは、プラテンローラ4の外周面に沿って移動され、記録ヘッド10に対向する位置で略水平を成すようになっている。プラテンローラ4の外周面に沿って搬送された記録紙Pは、排紙ローラ27によって挟持搬送され、排紙トレー28に排出される。
【0032】
尚、上述した給紙カセット21から排紙トレー28に向かう記録紙Pの搬送路上には、複数の搬送ガイド25およびガイドローラ29が設けられている。
ハウジング2の右上側であって給紙カセット21の上方には、上述したインクジェットプリンタ1の各機構を駆動制御するためのコントローラ20が設けられている。また、コントローラ20は、後述する記録ヘッド10の各吐出電極を選択的に駆動せしめるための画像信号を発生する。
【0033】
次に、第1の実施の形態に係る記録ヘッド10について詳細に説明する。記録ヘッド10は、プラテンローラ4によって搬送される記録紙Pに向けて画像信号に応じてインク滴を飛翔させるための記録ユニット31(図2参照)を有している。
【0034】
図3に示すように、記録ユニット31は、プラテンローラ4の外周面4a上の最下点p(以下、被記録点pとする)から鉛直下方に所定距離離間して、鉛直方向に延びて配設された略円柱形の支持部材32を備えている。支持部材32の中心には、支持部材32がプラテンローラ4に対向した上端の中央から支持部材32の下端近くまで同軸に延びたインク流路33が形成されている。また、支持部材32の底部近くには、外部からインク流路33に連通したインク供給管11が連結されている。尚、これらのインク供給管11およびインク流路33は、上述したポンプ14とともにこの発明のインク供給手段として作用する。
【0035】
支持部材32の上端には、この上端を覆いインク流路33の途中まで下方に延びた吐出電極34が形成されている。吐出電極34が支持部材32の上端を覆った部分34aは、この発明のインク受け部として作用し、下方に延びた部分は延出部として作用する。インク受け部34aは、インク流路33を上昇されたインクを受けるべく下に凸の凹面状に形成されている。
【0036】
インク受け部34aの形状は、吐出電極34とプラテンローラ4との間に電界を形成せしめた場合に、プラテンローラ4の外周面4a上の被記録点pに電気力線が集中するように決定されている。尚、本実施の形態ではこのインク受け部34aの形状は略半球形の凹面を成し、インク受け部34aの中央にはインク流路33に連通した開口34bが形成されている。また、吐出電極34には、コントローラ20からの画像信号に応じて所定の電圧を選択的に印加するための電源36(第1の電圧印加手段または第2の電圧印加手段)が図示しないICを介して接続されている。
【0037】
支持部材32の外側には、支持部材32を保持するとともに、支持部材32の上端に形成された上記インク受け部34aの縁から溢れた余剰インクを回収するためのインク回収路37を形成せしめた略円筒形のガイド部材38(ガイド手段)が支持部材32と同軸に設けられている。ガイド部材38は、互いに同軸に設けられた内側の円筒部分38a(第1のガイド部材)と外側の円筒部分38b(第2のガイド部材)とから構成され、これら各円筒部分38a、38bの間でインク回収路37を規定している。内側の円筒部分38aの先端は、インク受け部34aの縁に向かって収束され、外側の円筒部分38bの先端は、少なくともインク受け部34aの縁の高さまで延びている。また、インク回収路37の下端には、上述したインク回収管13が接続されている。
【0038】
しかして、インク供給管11を介して記録ユニット31に供給されたインクは、所定のインク供給圧を伴ってインク流路33を上昇され、開口34bを介してインク受け部34aに流入される。インク受け部34aに供給されたインクは、インク供給圧、インク受け部34aの縁径、およびインクの表面張力に応じたインクメニスカスを形成する。インクは、インク受け部34aの容量よりも多くインク受け部34aに供給され、インクの供給に伴いインク受け部34aの縁から溢れたインクは、ガイド部材38の上端からインク回収路37内に流入され、インク回収路37に沿って下方に流れてインク回収管13を介してインク収容部12にて回収される。
【0039】
尚、上述した支持部材32およびガイド部材38は、いずれも絶縁材により構成され、インクの濡れ性が良好な材料が用いられている。
次に、上記のように構成された記録ユニット31において、吐出電極34に電圧を印加してインク内のトナー粒子を含むインク滴を記録紙Pに向けて飛翔させる場合の飛翔動作について図4を用いて説明する。
【0040】
記録ユニット31にインクを循環させてインク受け部34aに供給されたインク41によりインクメニスカス42を形成した状態で、電源36により吐出電極34にバイアス電圧Vb(第1のバイアス電圧)を印加すると、図中矢印Eで示すような電界が形成される。この場合、電気力線はプラテンローラ4の外周面4a上の被記録点pに集中している。
【0041】
この電界Eおよびインク41の表面張力により、インク41内のトナー粒子43がインクメニスカス42の中央に集められる。トナー粒子43がインクメニスカス42の中央に集められると、集められたトナー凝集物44に電界Eによる強い静電気力が作用し、インクメニスカス42の中央にテーラーコーン45が形成される。この場合、電界により発生される静電気力によりトナー凝集物44を含むインク滴46が飛翔することがないようにバイアス電圧Vbを設定している。
【0042】
このようにテーラーコーン45を形成せしめた状態で、電源36によりバイアス電圧Vbより高い記録電圧Vej(第2のバイアス電圧)を吐出電極34に印加すると、電界Eによりトナー凝集物44に作用する静電気力がインク41の表面張力に打ち勝ち、トナー凝集物44を含むインク滴46がテーラーコーン45の先端からプラテンローラ4上の被記録点pに向けて飛翔される。
【0043】
以上のように、本実施の形態に係る記録ユニット31によると、インクの吐出位置、即ち吐出電極34の先端に形成される電界の向き(電気力線の方向)を、飛翔したインクを到達せしめる被記録点pに集中させることができる。これにより、飛翔するインクのトナー濃度を高めることができ、且つインクの飛翔方向および着弾位置を安定させることができる。
【0044】
次に、上記記録ユニット31に凝集電極52を追加した第2の実施の形態に係る記録ユニット51ついて図5を参照して説明する。尚、ここでは記録ユニット31と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施の形態の記録ユニット51は、インク流路33の底部に凝集電極52を備えている。凝集電極52は、吐出電極34と非接触状態で離間され、吐出電極34に対して鉛直下方に設けられている。また、凝集電極52には、吐出電極34に印加されるバイアス電圧Vbより高く、記録電圧Vejより低い凝集電圧Vepを印加するための電源54が接続されている。
【0046】
しかして、電源36により吐出電極34にバイアス電圧Vbを印加し、電源54により凝集電極52にバイアス電圧Vbより高い凝集電圧Vepを印加すると、図中矢印E´で示すように凝集電極52から吐出電極34に向かう(図中上方に向かう)電界が形成される。これにより、インク流路33の底部近傍に滞留したトナー粒子43を吐出電極34方向に上昇せしめ、インクメニスカス42近傍のトナー濃度をより高めることができる。
【0047】
従って、本実施の形態に係る記録ユニット51を用いると、インクメニスカス42にトナー粒子43を迅速に集めることができ、飛翔されるインク滴のトナー濃度をより高めることができ、高濃度で滲みのない良質な画像を形成できる。
【0048】
次に、第1の実施の形態に係る記録ユニット31における吐出電極34を絶縁物によりコーティングした第3の実施の形態に係る記録ユニット61について図6を参照して説明する。尚、ここでは記録ユニット31と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
本実施の形態の記録ユニット61は、吐出電極34がインク流路33に露出した表面上に絶縁性部材からなるコーティング62を有している。コーティング62は、例えば、Ti N、Si O2 等の金属酸化物やポリイミド、ポリカーボネイト等の樹脂などを1〜10μm程度の被膜に形成して成る。
【0050】
このように、吐出電極34の露出表面上にコーティング62を設けることにより、吐出電極34からインク中のキャリア液に対して不所望に電荷が注入されることを防止でき、キャリア液の帯電によるキャリア液の飛翔を防止できる。従って、本実施の形態に係る記録ユニット61を用いると、飛翔されるインク滴に含まれるキャリア液の量を抑えてトナー濃度を高めることができ、高濃度で滲みのない良質な画像を形成できる。
【0051】
また、吐出電極34にコーティング62を設けることにより、吐出電極34の表面へのトナー付着を防止でき、インクの目詰まりを防止できる。
次に、上述した第1乃至第3の実施の形態に係る記録ユニット(ここでは第1の実施の形態に係る記録ヘッド31を代表して説明する)を一列に並べて記録ヘッド10をマルチチャンネル化した場合について図7乃至図10を用いて説明する。
記録ヘッド10をマルチチャンネル化する場合、上記のように構成された記録ユニット31を、各記録ユニット31のインク飛翔方向が記録紙Pに向かって互いに平行となるように先端を揃え、その先端の吐出位置が記録紙Pの搬送方向を横切る方向に一列に並ぶように配置する(図7)。この場合、記録ユニット31の個数を記録紙Pの幅に応じて任意に設定できる。
【0052】
また、図8に示すように、所定個数の支持部材32を一列に並べてこれらを単一のガイド部材38’によって保持する構成とすることにより、記録ヘッドの構成を簡略化でき、部品点数を削減できる。更に、図9に示すように、複数の吐出電極34を単一の支持部材32’により支持し、且つこの支持部材32’を単一のガイド部材により保持する構成とすることにより、記録ヘッドの構成をより簡略化できる。また更に、図10に示すように、複数の吐出電極34が並んだ方向に沿って吐出電極34および支持部材32’を分割した構成とすることにより、記録ヘッドの製造が容易になる。つまり、分割したそれぞれの支持部材に吐出電極34を形成した後、各支持部材を貼り合わせるため、電極の製造が容易となる。
【0053】
次に、この発明の第4の実施の形態に係る記録ユニット71ついて図11および図12を用いて説明する。尚、基本的な構成は上記第1の実施の形態と同じであるので、第1の実施の形態と同一の部分については同一符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図11に示すように、記録ユニット71は、プラテンローラ4の外周面4a上の被記録点pから鉛直下方に所定距離離間して、鉛直方向に延びて配設された略四角柱形の支持部材72を備えている。支持部材72の中心には、支持部材72がプラテンローラ4に対向した上端の中央から支持部材72の下端近くまで同軸的に延びた断面長方形のインク流路73が形成されている。また、支持部材72の底部近くには、外部からインク流路73に連通したインク供給管11が連結されている。
【0055】
支持部材72の上端には、この上端を覆いインク流路73の途中まで下方に延びた吐出電極74が形成されている。吐出電極74が支持部材72の上端を覆った部分が、この発明のインク受け部74aを形成している。本実施の形態におけるインク受け部74aは、支持部材72の矩形の上端の対向する一対の縁から下方に傾斜した一対の平面を有し、これら平面がインク流路73に連通した位置に開口74bが形成されている。尚、インク受け部74aの形状は、吐出電極74とプラテンローラ4との間に電界を形成せしめた場合に、プラテンローラ4の外周面4a上の被記録点pに電気力線が集中するように決定されており、本実施の形態においては、概ね断面V字形に形成せしめてある。また、吐出電極74には、コントローラ20からの画像信号に応じて所定の電圧を選択的に印加するための電源36が図示しないICを介して接続されている。
【0056】
支持部材72の外側には、支持部材72を保持するとともに、支持部材72の上端に形成された上記インク受け部74aの縁から溢れた余剰インクを回収するためのインク回収路77を形成せしめた略四角筒形のガイド部材78が支持部材72と同軸的に設けられている。ガイド部材78は、互いに同軸的に設けられた内側の四角筒部分78aと外側の四角筒部分78bとから構成され、これら各四角筒部分78a、78bの間でインク回収路77を規定している。内側の四角筒部分78aの先端は、インク受け部74aの縁に向かって収束され、外側の四角筒部分78bの先端は、少なくともインク受け部74aの縁の高さまで延びている。また、インク回収路77の下端には、インク回収管13が接続されている。
【0057】
しかして、インク供給管11を介して記録ユニット71に供給されたインクは、所定のインク供給圧を伴ってインク流路73を上昇され、開口74bを介してインク受け部74aに流入される。インク受け部74aに供給されたインクは、インク供給圧、インク受け部74aの形状、およびインクの表面張力に応じたインクメニスカスを形成する。インクの供給に伴いインク受け部74aの縁から溢れたインクは、ガイド部材78の上端からインク回収路77内に流入され、インク回収路77に沿って下方に流れてインク回収管13を介してインク収容部12にて回収される。
【0058】
尚、上述した支持部材72およびガイド部材78は、いずれも絶縁材により構成され、インクの濡れ性が良好な材料が用いられている。
次に、上記のように構成された記録ユニット71において、吐出電極74に電圧を印加してインク内のトナー粒子を含むインク滴を記録紙Pに向けて飛翔させる場合の飛翔動作について説明する。
【0059】
記録ユニット71にインクを循環させてインク受け部74aに供給されたインク41によりインクメニスカス42を形成した状態で、電源36により吐出電極74にバイアス電圧Vbを印加すると、図中矢印Eで示すような電界が形成される。この場合、電気力線はプラテンローラ4の外周面4a上の被記録点pに集中している。
【0060】
この電界Eおよびインク41の表面張力により、インク41内のトナー粒子43がインクメニスカス42の中央に集められる。トナー粒子43がインクメニスカス42の中央に集められると、集められたトナー凝集物44に電界Eによる強い静電気力が作用し、インクメニスカス42の中央にテーラーコーン45が形成される。この場合、電界により発生される静電気力によりトナー凝集物44を含むインク滴46が飛翔することがないようにバイアス電圧Vbを設定している。
【0061】
このようにテーラーコーン45を形成せしめた状態で、電源36によりバイアス電圧Vbより高い記録電圧Vejを吐出電極74に印加すると、電界Eによりトナー凝集物44に作用する静電気力がインク41の表面張力に打ち勝ち、トナー凝集物44を含むインク滴46がテーラーコーン45の先端からプラテンローラ4上の被記録点pに向けて飛翔される。
【0062】
以上のように、本実施の形態に係る記録ユニット71によると、インクの吐出位置、即ち吐出電極74の先端に形成される電界の向き(電気力線の方向)を、飛翔したインクを到達せしめる被記録点pに集中させることができる。これにより、飛翔するインクのトナー濃度を高めることができ、且つインクの飛翔方向および着弾位置を安定させることができる。
【0063】
次に、上記記録ユニット71に凝集電極82を追加した第5の実施の形態に係る記録ユニット81ついて図13を参照して説明する。尚、ここでは記録ユニット71と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0064】
本実施の形態の記録ユニット81は、インク流路73の底部に凝集電極82を備えている。凝集電極82は、吐出電極74と非接触状態で離間され、吐出電極74に対して鉛直下方に設けられている。また、凝集電極82には、吐出電極74に印加されるバイアス電圧Vbより高く、記録電圧Vejより低い凝集電圧Vepを印加するための電源84が接続されている。
【0065】
しかして、電源36により吐出電極74にバイアス電圧Vbを印加し、電源84により凝集電極82にバイアス電圧Vbより高い凝集電圧Vepを印加すると、図中矢印E´で示すように凝集電極82から吐出電極74に向かう(図中上方に向かう)電界が形成される。これにより、インク流路73の底部近傍に滞留したトナー粒子43を吐出電極74方向に上昇せしめ、インクメニスカス42近傍のトナー濃度をより高めることができる。
【0066】
従って、本実施の形態に係る記録ユニット81を用いると、インクメニスカス42にトナー粒子43を迅速に集めることができ、飛翔されるインク滴のトナー濃度をより高めることができ、高濃度で滲みのない良質な画像を形成できる。
【0067】
次に、第4の実施の形態に係る記録ユニット71における吐出電極74を絶縁物によりコーティングした第6の実施の形態に係る記録ユニット91について図14を参照して説明する。尚、ここでは記録ユニット71と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0068】
本実施の形態の記録ユニット91は、吐出電極74がインク流路73に露出した表面上に絶縁物からなるコーティング92を有している。コーティング92は、例えば、Ti N、Si O2 等の金属酸化物やポリイミド、ポリカーボネイト等の樹脂などを1〜10μm程度の被膜に形成して成る。
【0069】
このように、吐出電極74の露出表面上にコーティング92を設けることにより、吐出電極74からインク中のキャリア液に対して不所望に電荷が注入されることを防止でき、キャリア液の帯電によるキャリア液の飛翔を防止できる。従って、本実施の形態に係る記録ユニット91を用いると、飛翔されるインク滴に含まれるキャリア液の量を抑えてトナー濃度を高めることができ、高濃度で滲みのない良質な画像を形成できる。
【0070】
また、吐出電極74にコーティング92を設けることにより、吐出電極74の表面へのトナー付着を防止でき、インクの目詰まりを防止できる。
次に、この発明の第7の実施の形態に係る記録ユニット101ついて図15を用いて説明する。尚、本実施の形態に係る記録ユニット101は、上述した第4の実施の形態に係る記録ユニット71とインク受け部の形状が異なる以外は同一の構成を有している。
【0071】
つまり、吐出電極74の上端の縁から下方に傾斜した面が湾曲してあり(曲面を形成し)、インク受け部102の断面形状が略U字形に形成せしめてある。これにより、上述した記録ユニット71と同様に、インクの吐出位置、即ち吐出電極74の先端に形成される電界の向き(電気力線の方向)を、飛翔したインクを到達せしめる被記録点pに集中させることができる。従って、飛翔するインクのトナー濃度を高めることができ、且つインクの飛翔方向および着弾位置を安定させることができる。
【0072】
次に、上述した第7の実施の形態に係る記録ユニット101を一列に並べて記録ヘッド10をマルチチャンネル化した場合について図16乃至図18を用いて説明する。
記録ヘッド10をマルチチャンネル化する場合、上記のように構成された記録ユニット101を、各記録ユニット101のインク飛翔方向が記録紙Pに向かって互いに平行となるように先端を揃え、その先端の吐出位置が記録紙Pの搬送方向を横切る方向に一列に並ぶように配置する(図16)。この場合、記録ユニット101の個数を記録紙Pの幅に応じて任意に設定できる。
【0073】
また、図17に示すように、複数の吐出電極74を単一の支持部材72’により支持し、且つこの支持部材72’を単一のガイド部材78’により保持する構成とすることにより、記録ヘッドの構成をより簡略化でき、部品点数を削減できる。更に、図18に示すように、複数の吐出電極74が並んだ方向に沿って吐出電極74および支持部材72’を分割した構成とすることにより、記録ヘッドの製造が容易になる。つまり、分割したそれぞれの支持部材に吐出電極74を形成した後、各支持部材を貼り合わせるため、電極の製造が容易となる。
【0074】
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、インク受け部の形状は、上述した形状に限らず、プラテンローラ4との間に形成した電界が記録媒体上の被記録点に集中するような形状であれば良い。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の画像形成装置は、上記のような構成および作用を有しているので、吐出電極の先端から溢れた余剰インクにより装置の内部を汚染することがない。また、この発明の画像形成装置によると、記録濃度を低下することなく、高濃度で且つ安定した記録ができ、良質な画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の画像形成装置としてのインクジェットプリンタを示す概略図。
【図2】図2は、図1のインクジェットプリンタの要部を示す斜視図。
【図3】図3は、図2の記録ユニットの記録動作を説明するための図。
【図4】図4は、図2の記録ユニットの先端近くにおけるインクの挙動を示す図。
【図5】図5は、この発明の第2の実施の形態に係る記録ユニットの記録動作を説明するための図。
【図6】図6は、この発明の第3の実施の形態に係る記録ユニットの記録動作を説明するための図。
【図7】図7は、複数の記録ユニットを並べてマルチチャンネル化した記録ヘッドを示す斜視図。
【図8】図8は、複数の記録ユニットを並べてマルチチャンネル化した記録ヘッドを示す斜視図。
【図9】図9は、複数の記録ユニットを並べてマルチチャンネル化した記録ヘッドを示す斜視図。
【図10】図10は、複数の記録ユニットを並べてマルチチャンネル化した記録ヘッドを示す斜視図。
【図11】図11は、この発明の第4の実施の形態に係る記録ユニットの先端部分を示す斜視図。
【図12】図12は、図11の記録ユニットの記録動作を説明するための図。
【図13】図13は、この発明の第5の実施の形態に係る記録ユニットの記録動作を説明するための図。
【図14】図14は、この発明の第6の実施の形態に係る記録ユニットの記録動作を説明するための図。
【図15】図15は、この発明の第7の実施の形態に係る記録ユニットの先端部分を示す斜視図。
【図16】図16は、図15の記録ユニットを複数並べてマルチチャンネル化した記録ヘッドを示す斜視図。
【図17】図17は、複数の記録ユニットを並べてマルチチャンネル化した記録ヘッドを示す斜視図。
【図18】図18は、複数の記録ユニットを並べてマルチチャンネル化した記録ヘッドを示す斜視図。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ、
4…プラテンローラ、
10…記録ヘッド、
11…インク供給管、
12…インク収容部、
13…インク回収管、
31…記録ユニット、
32…支持部材、
33…インク流路、
34…吐出電極、
34a…インク受け部、
34b…開口、
36…電源、
37…インク回収路、
38…ガイド部材、
52…凝集電極
62…コーティング
P…記録紙、
p…被記録点、
E…電界。
Claims (3)
- 記録媒体を略水平に搬送せしめる搬送手段と、
上記搬送手段にて略水平に搬送された記録媒体の下面側で所定距離離間して配置され、略中央に開口を有する下に凸の凹面状のインク受け部を上記記録媒体に対向せしめて形成した吐出電極と、
帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させて成るインクを、上記吐出電極の下方から上記開口を介して上記インク受け部へ供給し、上記記録媒体に向かうインクメニスカスを形成するインク供給手段と、
上記インク供給手段にて形成されたインクメニスカスの中央近くへ上記インク内の色剤粒子を凝集せしめるための第1のバイアス電圧を上記吐出電極に印加する第1の電圧印加手段と、
上記インクメニスカスの中央に凝集された色剤粒子を含むインクを上記記録媒体に向けて飛翔させるための上記第1のバイアス電圧より高い第2のバイアス電圧を上記吐出電極に印加する第2の電圧印加手段と、を備え、
上記インク受け部は、上記吐出電極に上記第2のバイアス電圧を印加した際に上記記録媒体上の所定の被記録点へ電界を集中せしめる形状を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 上記インク受け部は、略半球形の凹面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記インク受け部は、このインク受け部の縁から上記開口に向けて下方に傾斜された少なくとも1つの平面を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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