JP3683066B2 - 油圧ジャッキ同調駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の油圧ジャッキを互いに同調させながら重量物を昇降させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平7−137994号公報によって、複数の油圧ジャッキにより重量物を水平を維持したまま、上下させる方法が提案されている。
【0003】
各油圧ジャッキにストロークセンサを取付けておき、最大値と最小値との偏差が所定値を越えたときは、各高圧回路に設けたソレノイドバルブを開閉することより、油圧ジャッキ間の偏差を無くし、常に水平を維持しつつ重量物を上下させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この方法では各油圧ジャッキ間のストローク偏差を修正するためにソレノイドバルブがオンオフ的に開弁したり閉弁したりするため、そのときに衝撃(ショック)が発生しやすく、安定して重量物を上下させられないという問題があった。
【0005】
とくに、複数の油圧ジャッキにより支持される重量物の負荷バランスが悪くて各油圧ジャッキの支持荷重が均等になりにくい場合は、とくにこの傾向が強く、例えば上昇時には負荷の小さい部分の油圧ジャッキが速くストローク(伸長)し、また下降時には負荷の大きい部分の油圧ジャッキが速くストローク(収縮)しやすく、これらの間のストローク偏差を解消するために、上記した修正動作が頻繁に繰り返されることになる。
【0006】
このような問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、重量物を支持するための複数の油圧ジャッキと、各油圧ジャッキに対する供給及び排出作動油の流量を制御する主流量制御弁と、同じく各油圧ジャッキに対する供給及び排出作動油の流量を制御する補助流量制御弁と、前記主及び補助流量制御弁のそれぞれ上流に配置され、作動油を供給側と排出側に切り換えられる切換弁と、各油圧ジャッキのストロークを検出する手段と、各油圧ジャッキ間のストローク偏差が所定値を越えないように前記補助流量制御弁側の切換弁を切換作動させて偏差を吸収する同調制御手段とを備える。第2の発明は、第1の発明において、前記油圧ジャッキに対しては主、補助流量制御弁からの作動油が増圧シリンダを介して増圧されて供給され、この増圧シリンダが受圧面積の大きい油室と、小さい油室をもち、かつこれら各油室に配置されるピストンが互いに連結される往復動型シリンダで構成され、大きい油室に主、補助流量制御弁からの油圧が導入され、小さい油室が油圧ジャッキに接続する。第3の発明は、第1または第2の発明において、前記油圧ジャッキの負荷荷重を測定する手段と、油圧ジャッキの負荷荷重が予め決めた設定値に達したときには排出側に接続する下降弁を開いて設定荷重の範囲まで低下させる負荷荷重調整手段とを備える。第4の発明は、第3の発明において、重量物を初期浮上させる行程で、まず補助流量制御弁を介して各油圧ジャッキを一斉に所定量だけ初期ストロークさせ、この初期ストローク後に各油圧ジャッキの負荷荷重を判断し、設定荷重を越えたものがあるときには、いったん全部の油圧ジャッキのストロークを停止させたまま、設定荷重を越えた油圧ジャッキの下降弁を介して設定荷重内に収まるまで油圧を解放する。第5の発明は、第3の発明において、重量物の同調上昇または下降行程で、主流量制御弁を制御して各油圧ジャッキに作動油を給排し、各油圧ジャッキのストローク量を検出し、各油圧ジャッキのストローク速度が基準速度に対して所定の偏差値内に入るように各油圧ジャッキの補助流量制御弁を制御して供給量を増減し、各油圧ジャッキのストローク偏差を一定値内に維持したまま上昇または下降させる。第6の発明は、第5の発明において、各油圧ジャッキの負荷荷重を判断し、負荷荷重が設定値を越えたものがあるときは、いったん全部の油圧ジャッキのストロークを停止させ、設定荷重を越えた油圧ジャッキの下降弁を介して設定荷重に収まるまで油圧を解放し、その後に再び各油圧ジャッキのストローク偏差を一定値内に維持したまま上昇または下降させる。
【0014】
【発明の作用・効果】
第1の発明では、各油圧ジャッキのストローク偏差が所定値を越えることのないように、補助流量制御弁により流量が修正され、このとき補助流量制御弁は主流量制御弁に対して微小流量を制御するように設定することで、修正に伴う油圧の変動を抑制し、ショックの無い安定した同調制御が可能となる。また、主、補助流量制御弁の上流には、作動油を供給側と排出側に切換えられる切換弁が配置され、かつ主、補助流量流量弁は供給側、排出側の両方向において流量制御が行えるように構成されるので、油圧ジャッキにより上昇、下降のいずれについても、安定的に同調制御を行うことができる。
第2の発明では、油圧ジャッキに対しては主、補助流量制御弁からの作動油が増圧シリンダを介して増圧されて供給されるので、圧力コントロールが容易となり、高圧に対応できる。第3の発明では、一つでも油圧ジャッキの負荷荷重が所定値に達したときには、その油圧ジャッキの負荷圧力を設定荷重の範囲まで低下させるので、過大な負荷により油圧ジャッキが損傷することが未然に防止される。第4の発明では、重量物に固着などがあっても、補助流量制御弁を介して微小ストロークだけ初期浮上させることにより、固着を解消でき、かつこのとき、一つの油圧ジャッキにも過大な負荷がかからないようにでき、安全に浮上させられる。第5の発明では、重量物の同調上昇または下降行程で、各油圧ジャッキのストローク速度が基準速度に対して所定の偏差値内に入るように制御するので、予定された時間内で能率的かつ安定的に上昇または下降を完了させられる。第6の発明では、重量物の同調上昇または下降行程で、一つでも油圧ジャッキの負荷荷重が設定値に達したときは、いったん全部の油圧ジャッキのストロークを停止させ、その状態で荷重オーバの油圧ジャッキの負荷荷重を自動的に低減するので、同調制御中に各油圧ジャッキに過大負荷がかからず、かつ安定した能率の高い同調制御が行える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0022】
図1において、1は油圧ポンプ、2は油圧タンク、3はフィルタ、4はプレッシャゲージ、5はメインリリーフバルブであり、油圧ポンプ1の吐出回路には、後述する主流量制御弁11に対する作動油の給排を切換制御するための第1の切換弁6と、補助流量制御弁12に対する作動油の給排を切換制御する第2の切換弁7とが設けられる。
【0023】
第1の切換弁6は主流量制御弁11に対して、aポジションで作動油を供給し、bポジションで排出し、cポジションで供給側から遮断する。第2の切換弁7は補助流量制御弁12に対して、aポジションで作動油を排出(アンロード)し、bポジションで供給する。
【0024】
主流量制御弁11は増圧シリンダ8に対して流量を制御しつつ作動油を供給するもので、増圧シリンダ8からは油圧ジャッキ9に対して増圧された油圧が供給され、これに応じて油圧ジャッキ9が伸び出す。また、補助流量制御弁12からの流量制御された作動油も増圧シリンダ8に送り込まれ、したがって増圧シリンダ8は両流量に応じて作動する。
【0025】
主流量制御弁11にはパイロットチェック弁13を介して作動油が送り込まれ、また、この主流量制御弁11は作動油の供給側、排出側のいずれの方向についても流量を制御できるように、互いに並列に配置された1対づつのチェック弁と、可変オリフィスとから構成されている。
【0026】
補助流量制御弁12についても、主流量制御弁11と同じように構成され、パイロットチェック弁14を介して作動油が供給されると共に、その上流には第3の切換弁10が設けられる。この第3の切換弁10は、aポジションで作動油を供給し、bポジションで排出し、さらにcポジションで供給側を遮断する。
【0027】
なお、この実施形態にあっては、油圧ジャッキ9は4組用意されており、これら油圧ジャッキ9を同調制御するために、上記した主流量制御弁11、補助流量制御弁12、増圧シリンダ8、第3切換弁10は、各油圧ジャッキ9に対して互いに同一の回路構成により、メイン回路16と17に対して、並列的に回路接続されている。
【0028】
主流量制御弁11と補助流量制御弁12と増圧シリンダ8とを結ぶ回路21には、負荷荷重を検出するための荷重センサ(圧力センサ)22と、プレッシャスイッチ23とが設けられる。なお、27は回路の解放側との間に介装した下降弁である。
【0029】
増圧シリンダ8は、受圧の面積の大きい油室8a、小さい油室8bと、これら各油室8a,8bに配置された互いに連結されるピストン8c、8dとで構成される往復動型シリンダであり、大油室8aには回路21からの作動油が導入され、また小油室8bからは連結ホース25を経由して作動油が油圧ジャッキ9に送り込まれる。このとき、増圧シリンダ8はピストン8c,8dの面積比に応じて油室8aに供給される油圧を増圧した油圧を油室8bに発生させる。
【0030】
油圧ジャッキ9は作動油に供給により伸びだし、そのストローク量はロータリエンコーダなどのストロークセンサ24により測定される。油圧ジャッキ9は伸長時には油圧の供給を受け、収縮時には油圧ジャッキ9にかかる負荷荷重により押し戻される。
【0031】
なお、増圧シリンダ8を収縮させるときは、油圧ジャッキ9からの荷重を受けて大油室8aから排出する作動油流量を制御することにより、スプリングが無くても収縮する。
【0032】
増圧シリンダ8と油圧ジャッキ9とを接続する連結ホース25は一対の連結カップリング25a,25bを介して着脱可能に連結される。また、26は、連結ホース25を接続するときなどにエア抜きを行うためのエア抜き弁で、開いたときには回路28からの作動油が送り込まれる。なお、29はエア抜きのため、カップリング25bと連結するエア抜きポートで、油圧ジャッキ9の数だけ設定される。
【0033】
油圧ジャッキ9を伸長動作させるときは、主流量制御弁11からの作動油が増圧シリンダ8の大油室8aに送り込まれると増圧シリンダ8が作動し、ピストン8cと8dとの受圧面積比に応じて小油室8bの油圧を増圧し、この油圧が油圧ジャッキ9に送り込まれ、油圧ジャッキ9が伸長動作する。この場合、油圧ジャッキ9の伸長速度を速めるときは、補助流量制御弁12から作動油を追加供給すればよく、逆に遅くしたり、収縮側に調整するときには補助流量制御弁12から作動油を逃がす。
【0034】
また、油圧ジャッキ9を収縮動作させるときは、主流量制御弁11を経由して増圧シリンダ8からの作動油を排出すれば、油圧ジャッキ9にかかる負荷荷重により油圧ジャッキ9が押され、排出量に応じた速度で収縮する。このとき補助流量制御弁12からも作動油を排出すれば、油圧ジャッキ9の収縮速度が速まり、また、逆に速度を遅くしたりするときは、補助流量制御弁12から作動油を送り込めば、主流量制御弁11からの排出量は所定量に決まっているため、油圧ジャッキ9の収縮速度が低下する。
【0035】
本発明にあっては、これら複数の油圧ジャッキ9を互いに同調させながら、油圧ジャッキ9によって支持する重量物を水平を保ったまま昇降させるため、コントローラ30が設けられる(図6参照)。このコントローラ30は荷重センサ22、ストロークセンサ24からの信号を受け、前記した第1の切換制御弁6、第2の切換制御弁7、第3の切換制御弁10等の作動を制御する。
【0036】
なお、コントローラ30の操作パネルには、各種作動ボタン、ジャッキ選択スイッチなどが配置されている。
【0037】
ここで、図2から図5のフローチャートにしたがってコントローラ30で実行される制御内容について説明する。
【0038】
図2は、例えば図7に示すように重量物Wに対して、4組の油圧ジャッキ9を配置し、これらにより重量物Wを上昇させる場合の準備行程であり、ステップ1では油圧ジャッキ9の設置を確認したら、ステップ2でストロークセンサ24としてのロータリエンコーダのゼロセットを行い、準備を完了する。
【0039】
図3は、重量物Wを最初に予め定めた一定量だけ初期浮上させるための行程を示す。重量物Wが例えば大型タービンの分割ハウンジングのように、本体側にボルト結合されており、タービンの点検整備のために、分割ハウンジングを取り外す場合など、ボルトを外しても分割面が密着することがある。あるいは、重量物Wにあてがう各油圧ジャッキ9の初期隙間が一定せず、ジャッキの支持荷重にバラツキが出たり、連結ホース25の膨張量が一定せず、供給流量と油圧ジャッキ9の初期的なストローク量が不揃いとなったりすることがある。
【0040】
これらを修正するために、まず一定量でけ浮上させ、初期調整を行う。
【0041】
ステップ11では操作盤の油圧ジャッキ選択スイッチにより全部の油圧ジャッキが作動状態に選択されたことを確認し、さらにステップ12でジャッキ上昇が選択されたことを読み取る。
【0042】
ステップ13ではポンプが起動され、ステップ14で初期上昇制御が行われ、第1の切換弁6をcポジション、第2の切換弁7をbポジション、第3の切換弁10をaポジションにする。これにより、回路17にポンプ吐出油が送り込まれ、補助流量制御弁12を経由して少量づつの作動油が増圧シリンダ8に圧送され、これがピストン面積比に応じて増圧されて油圧ジャッキ9に送られる。この場合、主流量制御弁11からの作動油の供給はなく、このため、ステップ15で油圧ジャッキ9が緩やかに上昇し、このストローク量はストロークセンサ出力から読み取られる。
【0043】
ステップ17で全部の油圧ジャッキ9の荷重が圧力に基づいて読み取られ、ステップ19において、各荷重の表示が行われる。また、ステップ17で各油圧ジャッキ荷重が予め設定された設定荷重と比較される。
【0044】
この設定荷重は、図7にもあるように、4本の油圧ジャッキ9で重量物Wを支持するものとして、その総重量が100トン、各油圧ジャッキ9の支持能力が30トンだとすると、ジャッキ設定荷重は例えば28トンに設定される。
【0045】
どこかひとつでも設定荷重をオーバしていると、ステップ20で荷重のオーバ表示を行うと共に、ステップ25、26で第2切換弁7と第3切換弁10をaとcポジションにして作動油の供給を遮断し、全部の油圧ジャッキ9をその位置に停止させる。
【0046】
この状態で設定荷重をオーバしている油圧ジャッキ9の荷重を下げるため、ステップ27で荷重オーバジャッキを指定し、ステップ28でその油圧ジャッキ9の下降弁27を開く。下降弁27が開かれると、増圧シリンダ8の大油室8aからの作動油が抜け出し、これに伴って油圧ジャッキ9が収縮を始める。これにより、油圧ジャッキ9の荷重が減り、ステップ29で設定荷重に達したかどうか判断し、設定荷重まで低下したら、ステップ30で下降弁27を閉じ、作動油の排出を停止する。
【0047】
このようにして、油圧ジャッキ9の荷重が設定荷重に戻ったら、ステップ14に戻り、全部の油圧ジャッキ9に対する作動油の供給を再開する。
【0048】
一方、前記したステップ17で各油圧ジャッキ9の支持荷重が設定値を越えていないときは、ステップ18で各油圧ジャッキ9のストローク量が、設定ストローク値に達したかどうか判断する。設定ストローク値としては、例えば1mmとかの非常に小さな値が設定される。これは、前にも述べたように、重量物Wが分割ハウジングのように、ボルトを外しても固着している場合など、初期浮上行程ではとりあえずこの固着状態を解除すればよいためである。
【0049】
設定ストローク値に達するまでは、ステップ16からの動作を繰り返し、設定ストローク値に達したら、ステップ21から24において、全部の油圧ジャッキ9を停止させるため、第2切換弁7、第3切換弁10を最初のポジションに戻し、作業選択スイッチがオフの状態に切換え、油圧ポンプ1の駆動を停止する。
【0050】
このようにして、初期浮上行程を終了したら、次ぎに図4の同調上昇行程により、互いの油圧ジャッキ9のストローク量を同一状態に維持しつつ、一斉に上昇させる。
【0051】
そのためまず、ステップ31で全部の油圧ジャッキ9を作動させるための選択を行い、ステップ32で油圧ポンプ1を起動する。ステップ33で油圧ジャッキ9の上昇を選択し、第1切換弁6をaポジション、第2切換弁7をbポジションに切り換える。ただし、第3切換弁10は遮断位置のcポジションとする。
【0052】
これにより、回路16にポンプ吐出圧が供給され、主流量制御弁11によって予め決まった比較的大きな流量の作動油が、回路21を経由して増圧シリンダ8に送り込まれる。増圧シリンダ8により油圧が増圧され、これが油圧ジャッキ9に供給され、油圧ジャッキ9は比較的速い設定速度で伸長動作を開始する。これは、ステップ34において、ストロークセンサ出力から検出できる。
【0053】
ステップ35ではこのストローク量を表示する。そして、ステップ36において、予め設定された基準となるストローク速度に対して所定の幅をもった偏差値(図8参照)と、ストローク速度(量)とが比較され、もし、偏差値よりも高いときは、ステップ37に進み減速のため第3切換弁10をbポジションに切換え、回路21から一部の作動油を補助流量制御弁12によって流量制御しつつ、タンク側に逃がす。このようにして増圧シリンダ8に対する供給流量を相対的に減少させる結果、油圧ジャッキ9の伸長速度が減速される。
【0054】
これに対して、ステップ36において、油圧ジャッキ9のストローク速度が偏差値よりも低いときは、ステップ38で第3切換弁10をaポジションに切換える。すると、補助流量制御弁12から少量づつの流量制御された作動油が回路21に送り込まれ、主流量制御弁11からの流量と共に増圧シリンダ8に供給される。このため、増圧シリンダ8から油圧ジャッキ9に送り込まれる流量が増え、油圧ジャッキ9の伸長速度が加速される。
【0055】
このようにして、油圧ジャッキ9の伸長速度が設定値となるようにコントロールされ、偏差値内に収まっているときは、ステップ39において、第3切換弁10が遮断位置のcポジションに切換えられる。この状態では主流量制御弁11からの供給流量にしたがった設定速度でもって油圧ジャッキ9は上昇する。
【0056】
ステップ40では全部の油圧ジャッキ9の負荷荷重を読み込み、ステップ42で表示し、また、ステップ41で設定荷重と比較する。この設定荷重は前記した図3のフローチャートにおけるステップ17での設定荷重と原則として同じ値に設定され、各油圧ジャッキ9の分担荷重が適正な範囲に入っているかどうか判断する。もし、設定荷重をオーバしているものがあれば、ステップ44で荷重のオーバ表示を行うと共に、ステップ48に移り、全部の油圧ジャッキ9の作動を停止させるべく、ステップ49で第1切換弁6と第2切換弁7とを遮断位置、つまり、cポジションとaポジションにそれぞれ切り換える。
【0057】
そして、ステップ50では荷重オーバ油圧ジャッキ9を指示し、この負荷荷重を下げるため、その油圧ジャッキ9の下降弁27を開く。これにより、一部の作動油が増圧シリンダ8の大油室8aから逃げ出し、油圧ジャッキ9がわずかに下降し、負荷荷重が低下する。ステップ52ではこのようにして低下した荷重オーバ油圧ジャッキ9が設定荷重に戻ったら、ステップ53に進み、下降弁27を閉じる。
【0058】
この後、再び、ステップ33に戻り、全部の油圧ジャッキ9に対して、上記と同じ操作を継続し、同調的に伸長動作させる。
【0059】
一方、各油圧ジャッキ9の荷重が設定荷重範囲に入っているときは、ステップ43において、上限設定ストロークに達したかどうかを判断する。全部の油圧ジャッキ9が所定の上限まで伸びたら上昇を停止させるためで、到達するまでの間はステップ35〜43を繰り返す。上限に達したら、ステップ45〜47において、全部の油圧ジャッキ9の作動を停止すべく指示し、第1切換弁6と第2切換弁7を遮断位置に切換え、ポンプ1の駆動を停止し、上昇行程を終了する。
【0060】
上記した説明では、各油圧ジャッキ9を同調させながら上昇させる行程について述べたが、重量物Wを支持しつつ同調下降させるときも、同じようにして制御することができる。ただし、この場合は、第1切換弁6をbポジションにして主流量制御弁11から作動油の排出量を制御し、このとき、第2切換弁7はbポジションにしておき、もし、下降速度が設定偏差値よりも速いときは、第3切換弁10をaポジションにして作動油を補充し、速度を緩め、逆に下降速度が遅いときは第3切換弁10をbポジションにして排出量を増やし、油圧ジャッキ9の下降速度を速める。
【0061】
次に、図5によって、油圧ジャッキ9を連結ホース25により増圧シリンダ8と連結するときのエア抜き動作について説明する。
【0062】
油圧ジャッキ9をセットするときには、油圧ジャッキ9は油圧源と切り離して準備動作が行われ、この状態では、切り離した連結ホース25の内部にエアが溜まることがあり、このエアを抜き出す操作である。
【0063】
ステップ61で連結ホース25のカップリング25bをエア抜きポート29に連結し、エア抜き弁26を開く(ステップ62)。ステップ63でポンプ1を起動し、作業選択スイッチをエア抜き動作に設定し、第1切換弁6をbポジション、第2切換弁7をbポジションにする。このため、回路28からの作動油がエア抜き弁26を介して増圧シリンダ8の小油室8bに送り込まれ、さらに連結ホース25へと流れ、カップリング25bからエア抜きポート29へと循環する。この過程で、主として連結ホース25に溜まっているエアが押し出され、タンク側へと放出される(ステップ65)。
【0064】
次にステップ66でポンプ1の作動を停止し、ステップ67では連結ホース25のカップリング25bをエア抜きポート29から外し、油圧ジャッキ9と連結する。エア抜き弁26を閉じ、作業選択スイッチをオフ、つまり、第1切換弁6と第2切換弁7とを遮断位置に戻す。
【0065】
このようにして、連結ホース25などに溜まったエアを抜くことで、次のジャッキ動作を確実なものとすることができる。
【0066】
次に全体的な作用について説明する。
【0067】
まず、重量物を微小ストロークだけ浮上させる初期浮上行程にあっては、補助流量制御弁12を介して作動油を供給し、これにより、増圧シリンダ8を介して油圧ジャッキ9に増圧された作動油が送り込まれ、油圧ジャッキ9は微小速度でもって伸長する。このとき、油圧ジャッキ9のうち一つでもが負荷荷重が設定荷重を越えたときには、全部の油圧ジャッキ9の作動をいったん停止させ、荷重オーバの油圧ジャッキ9の下降弁27を開き、油圧ジャッキ9を僅かに縮め、負荷荷重を設定範囲まで下げる。このようにして、各油圧ジャッキ9の分担荷重が設定範囲内に収まった状態で、所定の初期浮上量だけ上昇したら、全ての油圧ジャッキ9の作動を停止し、その位置に保持する。
【0068】
このようにして、重量物が固着しているときなどでも、各油圧ジャッキ9の荷重が上限を越えることのないようにゆっくりと上昇制御しつつ、固着を解除し、切り離す。
【0069】
次に、この初期浮上行程が終了したら、今度は同調上昇行程に移る。
【0070】
この場合には、補助流量制御弁12に比較して流量の大きい主流量制御弁11から作動油を供給し、増圧シリンダ8を介して油圧ジャッキ9に高圧作動油を供給する。油圧ジャッキ9は比較的速い速度で上昇するが、全ての油圧ジャッキ9について、基準となる上昇速度に対して所定の偏差値内に収まるようにストローク量が監視され、もし、基準速度の偏差値よりも速いときは、補助流量制御弁12が開かれ、増圧シリンダ8に供給される作動油の一部が逃がされ、これによりその油圧ジャッキ9の速度が減速側に補正される。また、基準速度の偏差値よりも遅いときは、補助流量制御弁12からも作動油が供給され、主流量制御弁11に加算されることにより、油圧ジャッキ9の速度が加速側に補正される。
【0071】
このようにして、油圧ジャッキ9の伸長速度は基準速度と一致するようにそれぞれ制御され、このため油圧ジャッキ9は互いに同調しながら、同一速度で伸長し、重量物を水平を維持しつつ上昇させる。
【0072】
この場合、油圧ジャッキ9の速度修正は、補助流量制御弁12により微小流量づつ流量制御して行うので、流量変動により油圧的なショックが発生することがなく、安定してスムーズな同調制御が保証される。
【0073】
また、油圧ジャッキ9の伸長速度は、基準となる速度に対して所定の偏差値内に収まるように制御されるので、いつも一定の時間内に上昇動作を終了でき、例えば最も遅い油圧ジャッキ9を基準とするのに比較すれば時間がかかり過ぎることもなく、逆に最も速いものを基準とするのに比較すれば、早過ぎて不安定となることも無い。
【0074】
この同調上昇時にも、各油圧ジャッキ9の負荷荷重が検出され、設定荷重を越えたときには、その油圧ジャッキ9の負荷荷重を減らすように作動油の供給が減じられ、修正動作が行われるので、一部の油圧ジャッキ9に過度の負荷がかかることなく、安定的に上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図2】準備の制御動作を示すフローチャートである。
【図3】初期浮上の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】同調上昇の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】エア抜きの制御動作を示すフローチャートである。
【図6】コントローラの概略図である。
【図7】重量物を4本の油圧ジャッキで支持する説明図である。
【図8】油圧ジャッキのストローク特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ
6 第1切換弁
7 第2切換弁
8 増圧シリンダ
9 油圧ジャッキ
10 第3切換弁
11 主流量制御弁
12 補助流量制御弁
22 圧力センサ
24 ストロークセンサ
26 エア抜き弁
27 下降弁
Claims (6)
- 重量物を支持するための複数の油圧ジャッキと、各油圧ジャッキに対する供給及び排出作動油の流量を制御する主流量制御弁と、同じく各油圧ジャッキに対する供給及び排出作動油の流量を制御する補助流量制御弁と、前記主及び補助流量制御弁のそれぞれ上流に配置され、作動油を供給側と排出側に切り換えられる切換弁と、各油圧ジャッキのストロークを検出する手段と、各油圧ジャッキ間のストローク偏差が所定値を越えないように前記補助流量制御弁側の切換弁を切換作動させて偏差を吸収する同調制御手段とを備えることを特徴とする油圧ジャッキ同調駆動装置。
- 前記油圧ジャッキに対しては主、補助流量制御弁からの作動油が増圧シリンダを介して増圧されて供給され、この増圧シリンダが受圧面積の大きい油室と、小さい油室をもち、かつこれら各油室に配置されるピストンが互いに連結される往復動型シリンダで構成され、大きい油室に主、補助流量制御弁からの油圧が導入され、小さい油室が油圧ジャッキに接続する請求項1に記載の油圧ジャッキ同調駆動装置。
- 前記油圧ジャッキの負荷荷重を測定する手段と、油圧ジャッキの負荷荷重が予め決めた設定値に達したときには排出側に接続する下降弁を開いて設定荷重の範囲まで低下させる負荷荷重調整手段とを備える請求項1または2に記載の油圧ジャッキ同調駆動装置。
- 重量物を初期浮上させる行程で、まず補助流量制御弁を介して各油圧ジャッキを一斉に所定量だけ初期ストロークさせ、この初期ストローク後に各油圧ジャッキの負荷荷重を判断し、設定荷重を越えたものがあるときには、いったん全部の油圧ジャッキのストロークを停止させたまま、設定荷重を越えた油圧ジャッキの下降弁を介して設定荷重内に収まるまで油圧を解放する請求項3に記載の油圧ジャッキ同調駆動装置。
- 重量物の同調上昇または下降行程で、主流量制御弁を制御して各油圧ジャッキに作動油を給排し、各油圧ジャッキのストローク量を検出し、各油圧ジャッキのストローク速度が基準速度に対して所定の偏差値内に入るように各油圧ジャッキの補助流量制御弁を制御して供給量を増減し、各油圧ジャッキのストローク偏差を一定値内に維持したまま上昇または下降させる請求項3に記載の油圧ジャッキ同調駆動装置。
- 各油圧ジャッキの負荷荷重を判断し、負荷荷重が設定値を越えたものがあるときは、いったん全部の油圧ジャッキのストロークを停止させ、設定荷重を越えた油圧ジャッキの下降弁を介して設定荷重に収まるまで油圧を解放し、その後に再び各油圧ジャッキのストローク偏差を一定値内に維持したまま上昇または下降させる請求項5に記載の油圧ジャッキ同調駆動装置。
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