JP3689012B2 - 水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海水を淡水化したり、水に含まれた油分を分解して浄化するなど、不純物が含まれた水からその不純物を分離又は分解する水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本など人口密度の高い国では、人口一人当りの年間降雨量が少なくなるため、水道の利用量が増える夏場には慢性的に水不足になりやすい。
このような水不足解消のため、雑用水・中水道の循環利用が考えられている。特に、東京などの大都市では、雑用水に使用される水の割合が全使用量の36%と高いため、延べ面積3万m2 以上の大規模なビルなどでは上水道と下水道の他に、雑用水として使用する中水道設備を設けることが推奨されている。
【0003】
一般に、中水道に供給する雑用水は、風呂排水、洗面排水、手洗い排水、清掃流し排水、湯沸し排水などの雑排水と、クーリングタワー排水、厨房排水などがあり、これらをビルの地下や敷地内に設置した雑用水処理施設で浄化した後、中水道配管に供給するようにしている。
【0004】
しかし、この雑用水処理施設は、(1)スカムを除去する加圧浮上処理施設、(2)大径粒子を取り除く一次スクリーン、(3)そのろ液を8〜16時間滞留させる調整水槽、(4)比較的小径の粒子まで除去する二次スクリーン、(5)そのろ液を1〜2時間曝気処理する活性汚泥反応槽、(6)活性汚泥・高分子有機物・浮遊物質を除去するUFモジュール、(7)透過水を滅菌して貯留する雑用水貯留槽などからなり、これら各槽を接続する夫々の配管には処理した水を送給するポンプが介装されているため、かなり複雑で大掛かりなプラントとなるだけでなく、その設備費も数千万円に達する。
【0005】
このため本出願人は、油分を含む水を浄化処理することのできる極めて安価で簡単な構造の水処理装置を提案した(特開2000−237746号公報参照)。
この水処理装置31は、図2に示すように、未処理水を沸点以上に熱して過熱蒸気を生成する処理室32と、その上方に配された貯留タンク33が、処理室32側壁の底面近傍に開口された導入管34を介して接続されると共に、処理室32内の底面近傍から略垂直上方に向かって立設された排気凝縮管35が、貯留タンク33より高位置を通り浄水回収タンク36に接続されてなる。
【0006】
これによれば、油分などが混ざった厨房排水などを貯留タンク33から供給すると、処理室32内で液面高さが排気凝縮管35の開口部35aに達し、次いで、その排水は排気凝縮管35を上昇して貯留タンク33の液面高さに達する。
【0007】
ここで、ヒータ37に通電して処理室32を200〜300℃に加熱すると、処理室32内の排水の量は僅かであるから短時間で加熱され、排水に含まれた水が沸点より高温の200〜300℃の過熱蒸気となり、油分が高温条件下で過熱蒸気、酸素、水素に曝され、加熱分解、加水分解されてより低級の脂肪酸に分解される。
【0008】
処理室32内の水は、過熱蒸気となって排気凝縮管35を通って外部へ順次排出され、当該管35内で凝縮されて回収タンク36へ滴下されたり、処理室32内の突沸により排気凝縮管35内の水が吹き上げられて排気凝縮管35の頂点を通り回収タンク36に導出される。
その結果、貯留タンク33の液面と処理室32内の液面とで水頭差を生ずるので、これらが等しくなるように、貯留タンク33から処理室32内に未処理状態の排水が自動的に供給されて、貯留タンク33内の排水は順次処理されていく。
【0009】
このようにして一次処理された水を有機物分解酵素を分泌する微生物などを用いて生物学的に二次処理したところ、前述の複雑な雑用水処理施設と同等の水質が得られた。
また、この水処理装置31を用いて海水を処理したところ、処理室32内に塩分が溜まり、回収タンク36に淡水が回収されたので、小型船舶用の海水淡水化装置(造水機)として使用可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この水処理装置31の排水の流れを観察していると、処理室32から過熱蒸気が排出されるたびに、貯留タンク33から処理室32に流入したり、貯留タンク33へ逆流したりを繰り返す。
【0011】
すなわち、処理室32は貯留タンク33及び排気凝縮管35を介して大気に開放されており、夫々の液面に作用する大気圧は一定であるが、処理室32内の圧力は過熱蒸気の体積膨張や排気に伴って変動する。
このため、処理室32内の圧力が大気圧まで下がったときは、水頭差を生じて排水が処理室32に流入し、大気圧より高くなったときは処理室32内の高温排水が貯留タンク33へ逆流する。
したがって、排水を処理室32に強制的に流入させることができず、その分、処理時間がかかるという問題があった。
【0012】
導入管34に逆止弁などの方向制御弁を介装すれば、排水が逆流することはないが、方向制御弁は構造が複雑なため、様々なものが混ざる可能性のある排水に使用した場合に、詰まったり動作不良に陥ったりと故障し易い。
さらに、ポンプを設ければ、排水を強制的に送給することができるが、設備が大掛かりになるという問題がある。
【0013】
そこで本発明は、逆止弁やポンプを使用することなく、貯留タンクに貯留された未処理水を処理量に応じた適当量を強制的に且つ確実に処理室に送給することにより、逆流の無駄を無くして処理時間を短縮することを技術的課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明に係る水処理装置は、貯留タンクから未処理水を加熱処理室に導入する導入管と、加熱処理室で加熱された未処理水の蒸気を外部に排出して凝縮させる排気凝縮管が、当該加熱処理室の底面近傍から立設されると共に、加熱処理室の外部へ延設された前記排気凝縮管の排水端側が下向きに曲げられて成り、前記導入管の途中に管内圧調整用のサージタンクが介装され、前記サージタンク内には充填される液体の容積によって体積変化する体積可変容器が配されると共に、体積可変容器の液体供給口がサージタンク外に形成されて成り、運転時に貯留タンクが前記導入管のみを介して開口されると共に、加熱処理室が前記排気凝縮管のみを介して大気に開放されることを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、貯留タンクから導入管を介して加熱処理室に落とし込まれた未処理水が当該導入管の下端開口部まで溜まると、その出口が塞がれるので、未処理水の供給が一時的に止まる。
ここで、加熱処理室を沸点以上の200〜300℃に加熱すると、処理室内の未処理水の量は僅かであるから短時間で加熱され、蒸気は沸点より高温の200〜300℃に過熱されて過熱蒸気となる。
【0016】
したがって、油分が含まれている場合には、その油分が高温条件下で過熱蒸気、酸素、水素に曝され、加熱分解・加水分解されて、より低級の脂肪酸に分解される。
また、非揮発性の溶質が溶解されている場合に、その溶媒となる水が瞬時に蒸発されるので、加熱処理室内に溶質が析出していく。
【0017】
そして、沸騰に伴い液中から気化が起きるとその気泡により水面が乱れて導入管の下端開口部と水面の間に隙間ができたり、その気泡が導入管に直接入るなどして、蒸気が導入管から貯留タンクに流入する。
これにより、ポンプなどを使用するまでもなく、貯留タンクが空になるまで、貯留タンクに流入した気泡の体積に応じて未処理水が少しずつ強制的に加熱処理室に供給されることとなる。
【0018】
一方、沸騰に伴い高温の過熱蒸気が排気凝縮管を介して流出されると、蒸気は徐々に冷却されて凝縮し、排気凝縮管の頂点まで達したものは排水端側から外部に滴下されて蒸留されることになる。
したがって、加熱処理室内の蒸気は順次排気凝縮管から外部に排出され、これが凝縮されて浄化された水が回収される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明にかかる水処理装置を示す説明図である。
【0020】
本例の水処理装置1は、海水や油分など不純物が含まれた水からその不純物を分離又は分解して海水を淡水化したり汚水を浄化するものである。
未処理水を沸点以上に上昇させる加熱処理室2には、貯留タンク3から未処理水を導入する導入管4及び当該加熱処理室2で生成された蒸気を外部に排出して凝縮させる排気凝縮管5が、加熱処理室2の底面2a近傍から天井面2bを貫通するように略垂直に立設されている。
【0021】
加熱処理室2はアルミ鋳物で成形され、その底面2aに電熱ヒータHが埋め込まれると共に、処理室2内の未処理水が完全に蒸発したか否かを室内温度により検知する温度センサSが配されている。
【0022】
導入管4及び排気凝縮管5は、夫々の下端開口部4a及び5aが、加熱処理室2の底面2a近傍の略同じ高さ(例えば底面2aから1cm程度)のところに開口されている。
【0023】
導入管4の上端4bには、未処理水を貯める貯留タンク3が加熱処理室2の上方に位置するように形成されている。
貯留タンク3は、その上面に密封可能な蓋6が形成されると共に、その底面に流出口7が形成され、当該流出口7に前記導入管4が接続されて、前記蓋6を閉じた状態で、前記導入管4のみを介して開口され、加熱処理室2に連通されている。
また、導入管4の途中には管内圧調整用のサージタンク10が介装されており、具体的には、導入管4が上流側導入管4Uと下流側導入管4Dに分断されて、それぞれが、管内圧調整用のサージタンク10の流入口10 in 及び流出口10 out に接続されている。
サージタンク10には、内部に充填される液体の容積によって体積変化する耐熱バッグなどの体積可変容器11が配され、その液体供給口12がサージタンク10外に形成されてなる。
これにより、サージタンク10の外部から体積可変容器11に油等を供給してサージタンク10の容積を調整することができる。
サージタンク10は、特に貯留タンク3として容積が大きなもの(直径1m程度のタンク)ほど効果を発揮する。
即ち、処理能力を向上させようとして、貯留タンク3の容量を大きくしたところ思うよ うに処理量が増えなかかったが、このサージタンク10を設けることにより処理容量が向上し、約3t/hrの処理量が得られた。
このサージタンク10を設けることにより、導入管4を介して貯留タンク3側から供給される未処理水の供給量と、加熱処理室2で処理されて排気凝縮管5から排出される排気量がバランスし、処理に適した圧力状態が得られたものと考えられる。
ただし、サージタンク10の容量によって処理効率が異なるので、タンク10内に体積可変容器11を設けて、サージタンク10を適正な容量に調整できるようにすることが好ましい。
なお、下流側導入管4Dには、管路を遮断/導通する耐熱バルブ8が介装されている。
【0024】
また、加熱処理室2は、排気凝縮管5のみを介して大気に開放され、排気凝縮管5は、貯留タンク3より高位置を通り、その排水端5b側が下向きに曲げられて、当該排水端5bから凝縮液を浄水回収タンク9に滴下できるようになっている。
【0025】
以上が本発明の一構成例であって、次にその作用を説明する。
耐熱バルブ8を閉じ、貯留タンク3の蓋6を開けて淡水化処理又は浄化処理しようとする海水や汚水などの未処理水を入れ、蓋6を閉じる。
このとき、貯留タンク3は気密状態になるが、まず、サージタンク10にその流入口10 in が塞がれるまで未処理水が流入し、次いで、耐熱バルブ8を開くと、導入管4の下端開口部4aと加熱処理室2の底面2aには隙間があるので、導入管4の下端開口部4aから加熱処理室2内の空気がサージタンク10を介して貯留タンク3に流入すると同時に、当該タンク3内の未処理水が流出口7から導入管4内を流れてサージタンク10を介して加熱処理室4に落とし込まれる。
そして、未処理水が加熱処理室2内に溜まって、その液面で導入管4の下端開口部4aが塞がれると、それ以上、貯留タンク3内に空気が流入しなくなるので、未処理水の供給が停止される。
【0026】
次いで、電熱ヒータHに通電し、加熱処理室2内を200〜300℃まで上昇させると、加熱処理室2内の未処理水は僅かであるから短時間で沸騰する。
そして、沸騰により液中から気化が起きると、その気泡により水面が乱れて導入管4及び排気凝縮管5の下端開口部4a及び5aと水面の間に隙間ができたり、その気泡が導入管4及び排気凝縮管5に直接入るなどして、加熱処理室2内の蒸気が導入管4から貯留タンク3に流入し、または、大気へ逃げる。
【0027】
これにより、貯留タンク3内圧が加熱処理室2より高くなったときに、その差圧分だけ、未処理水が加熱処理室2内に落とし込まれる。
したがって、ポンプなどを使用するまでもなく、貯留タンク3が空になるまで、貯留タンク3に流入した気泡の体積に応じて未処理水が少しずつ強制的に加熱処理室2に供給されることとなる。
【0028】
また、加熱処理室2の内圧が貯留タンク3より高くなっても、貯留タンク3は大気に開放されていないので、加熱処理室2の蒸気は排気凝縮管5を介して大気側に逃げ、貯留タンク3に未処理水が逆流することはない。
【0029】
即ち、導入管4を大気に開放せず、排気凝縮管5を大気に開放したため、一切のポンプや方向制御弁を使用することなく、導入管4の上端に形成された貯留タンク3から未処理水を加熱処理室2に強制的に供給することができ、さらに、加熱処理室2で蒸発した蒸気が排気凝縮管5を介して大気へ排出されるという一方通行の流れが形成されることになる。
【0030】
そして、排気凝縮管5を上昇した蒸気が、その頂点5cまで達して凝縮されると、水滴となった浄水が排水端5bから浄水回収タンク9に滴下されて回収される。
このようにして、未処理水は、貯留タンク3から加熱処理室2に対し強制的に少しずつ供給され、加熱処理室2で過熱蒸気となり、不純物が含まれた未処理水からその不純物を分離又は分解して、排気凝縮管5を介して浄水が回収される。
【0031】
なお、加熱処理室2は200〜300℃に達し、未処理水蒸気は沸点より温度の高い過熱蒸気となり、この過熱蒸気が排気凝縮管5から自由に外部へ逃げることができないので、加熱処理室2は高圧高温雰囲気になる。
したがって、未処理水に油分が含まれている場合には、その油分が高圧高温条件下で過熱蒸気、酸素、水素に曝され、加熱分解・加水分解されてより低級の脂肪酸に分解されるので、これらが蒸気と共に排出されて凝縮され、浄水回収タンク9には低級の脂肪酸を含む水が回収される。
【0032】
また、非揮発性の溶質が溶解されている場合に、その溶媒となる水が瞬時に蒸発されるので、加熱処理室2内に溶質が短時間で析出していく。例えば、未処理水として海水を用いた場合、加熱処理室2内の塩分濃度が徐々に高くなって最終的には塩が残り、浄水回収タンク9には淡水が回収される。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ポンプや方向制御弁を使用することなく、貯留タンクが空になるまで未処理水を強制的に少しずつ加熱処理室に供給することができ、処理すべき未処理水を短時間で確実に処理することができるという大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水処理装置を示す説明図。
【図2】従来装置を示す説明図。
【符号の説明】
1………水処理装置
2………加熱処理室
2a……底面
3………貯留タンク
4………導入管
5………排気凝縮管
5b……排水端
7………流出口
8………耐熱バルブ
9………浄水回収タンク
10………サージタンク
11………体積可変容器
Claims (2)
- 貯留タンクから未処理水を加熱処理室に導入する導入管と、加熱処理室で加熱された未処理水の蒸気を外部に排出して凝縮させる排気凝縮管が、当該加熱処理室の底面近傍から立設されると共に、加熱処理室の外部へ延設された前記排気凝縮管の排水端側が下向きに曲げられて成り、前記導入管の途中に管内圧調整用のサージタンクが介装され、前記サージタンク内には充填される液体の容積によって体積変化する体積可変容器が配されると共に、体積可変容器の液体供給口がサージタンク外に形成されて成り、運転時に貯留タンクが前記導入管のみを介して開口されると共に、加熱処理室が前記排気凝縮管のみを介して大気に開放されることを特徴とする水処理装置。
- 前記貯留タンクの上面に、開閉可能な密閉蓋が形成されると共に、導入管には、加熱処理室とサージタンクの間に、当該管路を導通/遮断する耐熱バルブが介装されてなる請求項1記載の水処理装置。
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|---|---|---|---|
| JP2001083696A JP3689012B2 (ja) | 2001-03-22 | 2001-03-22 | 水処理装置 |
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