JP3689476B2 - 重質油類水素化分解用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の性状を有する重質油類水素化分解用活性炭素と鉄化合物とが単に混合されてなることを特徴とする重質油類水素化分解用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、世界的な石油事情として製品の軽質化傾向があり、有用な軽質留分を取り去った後の、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、接触分解残油等の残油等あるいはオイルサンド油、石炭液化油等の重質油等については、資源の有効利用の点から、これら残油等および重質油等を水素化分解してさらに有用な中間留分に転化することの重要性が益々増加してきている。
上記常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、接触分解残油等の残油等あるいはオイルサンド油、石炭液化油等の重質油等は、硫黄分や金属類の不純物またレジン分やアスファルテン分さらには残留炭素分等の劣質成分が多く含まれているため、これら残油等や重質油等に対して充分な活性を示し、コークの生成が少なく、中間留分として有用な生成油の液収率が高く、また、触媒使用量の削減を図ることのできる水素化分解用触媒の開発が待たれていた。
上記残油等や重質油等を水素化分解するための触媒としては、例えば、特公平6−96710号、特開平6−165935号等が提案されている。
特公平6−96710号は、酸化鉄、高炉ダスト、原油のガス化処理からの灰、鉄を含有する天然の無機鉱物、すす、石炭又は褐炭からの活性コークス、ラテライト、及びリモナイトよりなる群から選ばれた1個以上の成分を重質油等に添加し水素化転換を行うに際し、添加する上記成分を微粒子と粗大粒子の2種の粒子サイズに厳格に分画し、さらに、微粒子と各々の使用割合を厳格に制御して作用させることにより、水素化転換反応を阻害する泡形成を減少させようとするものである。そして、この泡形成を減少する作用は、粗大粒子が寄与すること、また、粗大粒子として使用する石炭、褐炭からの活性コークス等は、比較的小さい活性成分か不活性成分を使用することも開示されている。
しかし、この技術は、水素化転換反応を阻害する泡形成を減少させようとするのを目的としており、本発明の目的である添加率の上昇に従い多量に発生するコークを抑制することとは目的を異にする。本発明者らの知見では、添加物の粒度分画とその使用割合を制御するだけでは高転化率において生成する多量のコークを抑制するのは極めて困難であると思料する。
【0003】
先に本願出願人の一部は、接触水素化分解プロセスに属する技術の改良の一つとして、重質油類水素化分解用触媒およびその触媒を用いた水素化分解法を特開平6−165935号にて提案した。金属が担持された該提案の触媒は、炭素担体に脱水素能をもたせ、アスファルテンやプレアスファルテンのコーク前駆体から脱水素した水素が該担体上を移動し、水素化能を有する金属上で炭化水素を水素化する逆スピルオーバー効果を有するものであった。該触媒を使用する特長としては、以下が挙げられる。
(1)水素消費量が少ないこと、
(2)触媒を処理すべき原料に対し10wt%程度用いれば、コークは発生するが、その生成量が少ないこと
なお、実施圧力は、約70kg/cm2G、使用する触媒の量としては、処理すべき原料に対し10wt%であることが、該提案の実施例4に開示されている。
【0004】
該提案の触媒は、灰分が3重量%未満の褐炭を炭酸ガス気流中で400 〜800 ℃にて乾留して得られた乾留炭を、さらに、炭酸ガスもしくは炭酸ガス、水蒸気共存下で600 〜900 ℃にて活性化させて得られた炭素担体に周期律表VIII族より選ばれた1ないし1以上の金属を担持させた後、水素にて還元し、次いで硫化処理をして得られものであった。特に、活性化は、炭酸ガスで800 〜900 ℃で処理されるのが効果的である、とされ、該提案の触媒の物性の一例として該提案の実施例1にて下記が挙げられている。
比表面積 840 m2/g
細孔容積 0.18cm3/g
MCH転化率 70.7%
メソポアの占める容積 30%
平均細孔直径 25Å
なお、MCH転化率の定義に関しては、後で詳述する。
また、該炭素担体としては、灰分が3重量%未満の好ましい褐炭としてヤルーン炭(Yallourn)および3重量%未満に脱灰したモーエル炭(Morwell)があげられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術には、以下に記載するなお改善すべき課題があった。
(1)先に提案の触媒は、金属を担持して用いられる。従って、炭素担体をある濃度の金属イオンを含む水溶液に浸し、さらに、乾燥するという金属を担持する工程が必要であった。
(2)先に提案の触媒は、金属を担持させた後、水素にて還元し、次いで硫化処理する工程が必要であった。
(3)触媒として使用される量が、処理すべき重質炭化水素原料に対し10wt%必要であり、その使用量の削減が求められている。
(4)生成物の性状の改善が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、後述に定義されるMCH転化率が高い炭素担体が必ずしも良い重質油類水素化分解用炭素担体であるとは言えず、中程度のMCH転化率があればよくかつ、比表面積、細孔容積、メソポアーの占める容積、平均細孔直径の最適範囲を持つ炭素担体が有効であるという知見を得た。また、同一圧力下、例えば、100 kg/cm2Gで鉄化合物のみで石油系重質炭化水素類の接触水素化分解試験を行うと、後述の比較例3−1〜比較例3−3に示すように、ある転化率まではコークの生成を抑制するが、ある転化率を越えるとコークの生成抑制能が低下するという知見も得た。更に、これらの知見に基づき特定の性状を有す重質油類水素化分解用炭素担体(以下、重質油類水素化分解用活性炭素と称す)と鉄化合物とを単に混合して用いると、ある転化率を越えてもコーク生成の抑制ができ、かつ、生成物の性状が向上することを見いだした。
上記知見に基づき試行錯誤を繰り返した結果、本発明の重質油類水素化分解用触媒に至った。
本発明は、上記課題である各工程の省略が図れ、触媒としての使用量が削減され、生成物の性状の改善が図れる特定の性状を持った重質油素類水素化分解用活性炭素と鉄化合物が単に混合されてなる重質油類水素化分解用触媒を提案するものである。
【0007】
即ち本発明は、下記のAなる特定の性状を有する重質油類水素化分解用活性炭素と下記Bの中から選択された少なくとも1種の鉄化合物とが単に混合されてなることを特徴とする重質油類水素化分解用触媒である。
B:硫化鉄、天然パイライト、酸化鉄
本発明は、重質油類原料に対し1.0 wt%以上5.0 wt%以下から選択される特定の性状を有する重質油類水素化分解用活性炭素と重質油類原料に対し鉄として0.25wt%以上3.0 wt%以下から選択される鉄化合物とからなる上記重質油類水素化分解用触媒を含む。
尚、本発明では、上記活性炭素と鉄化合物は、バインダーを用いて造粒したり、担持することなく単に混合され重質油類原料と混合状態で使用されるものである。即ち、本発明で言う「単に混合されてなる状態」とは、触媒成分が非担持状態で存在することを意味し、具体的には上記活性炭素と鉄化合物との間に物理的ないし化学的結合が実質的に存在せずに双方が重質油類原料中において分散状態で存在することを意味する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる重質油類としては、石油系の常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、接触分解残油、減圧重質残油、また、石炭液化油、オイルサンド油、オイルシェール油、ビスブレーキング油等が挙げられ、アスファルテンや残留炭素を有する劣質な重質油類である。
本発明の特定の性状を有す活性炭素の原料としては、褐炭が用いられる。褐炭としてヤルーン炭(Yallourn)、3重量%未満に脱灰したモーエル炭(Morwell)等があげられる。
これらを350 〜840 μmにふるい分け、下記の賦活流体で処理した。
上記褐炭から本発明の特定の性状を有す重質油類水素化分解用活性炭素(以下、単に特定の性状を有す活性炭素と称す)を製造する方法として、一般に、ロータリー・キルンを用いる方法や流動層を用いて賦活する方法が知られている。ここでは、その代表例として、水蒸気、水蒸気と空気の混合流体により該褐炭を市販のロータリー・キルンを用い賦活する方法について説明するが、水蒸気と空気と二酸化炭素の混合流体(以下、酸化性ガスと称す)を用いても良いのは言うまでもない。
【0009】
第一に賦活用流体として水蒸気を用いる場合には、まず、褐炭の所定量をキルン内に充填し、水蒸気流通下600 ℃で1時間保持する。例えば、褐炭の充填量190 gに対し水蒸気は、3.5 〜12g/minの割合で流通され、水蒸気流通下600 ℃で1時間保持される。この時間は、該褐炭中に含有される水分や揮発分を追い出すためのものであり、特に制限される時間ではない。ロータリー・キルンの温度が安定すれば、昇温工程に移る。なお、以下に記載の各種賦活流体を用いる時もこの工程は保持温度が異なる場合でも同様に行う。
ついで、昇温工程では所定の温度に毎分10℃の速度で昇温し、所定温度到達後、所定時間保持される。ここで、所定温度とは、700 〜1000℃をいい、所定時間は、所定温度到達からの時間をいい、3時間〜0時間が選択される。後述の式で定義される固定炭素減少率は、賦活流体の総量と賦活温度の組み合わせで決定される。以下に記載の賦活流体においても共通である。
【0010】
第二に賦活用流体として水蒸気と空気の混合流体を用いる場合には、褐炭の充填量190 gに対し水蒸気は、3.5 〜12g/minの割合で流通される。空気を用いる場合には、酸素として4vol%以下が含有されることが望ましく、所定温度は500 〜700 ℃から、所定時間は120 分〜10分から選択される。酸素として4vol%を越えると、得られる活性炭素の細孔径で20〜500 Åであるメソポアの占める容積が減少し、マクロポアが増加し避けるべきである。なお、酸素として4vol%以下が含有されることが望ましく、所定温度は500 〜700 ℃から、所定時間は120 分〜10分から選択されるのは、酸化性ガスを賦活流体に用いる場合も同じである。
上記のいずれの賦活流体を選択するにしても、所定の温度、所定の時間にかかわらず、次式で定義される固定炭素減少率との関係で以下に述べる物性が整理できる。
【0011】
【数1】
【0012】
以上のようにして得られた活性炭素の諸物性を、触媒基礎測定法、触媒工学講座4、地人書館(昭和53年発行)に記載の方法でベット吸着法による比表面積、細孔容積、ベット吸着法または水銀圧入法による平均細孔直径を測定した。ここで、平均細孔直径とは、細孔容積Vと比表面積Sの関係として4V/Sで算出された値である。
【0013】
なお、国際純正・応用化学連合(IUPAC)で規定される20〜500 Åのメソポアの占める容積率(%)も求めた。MCH転化率は、当業者によって良く知られた図1に示す触媒性能測定装置によって測定された。なお、MCH転化率とは、メチル・シクロヘキン(MCH)が脱水素されトルエンになるピーク面積と全ピーク面積の割合をいう。反応管に詰められる活性炭素の充填量は、約0.2 g、反応温度は、500 ±1℃に保持され、メチル・シクロヘキン(MCH)はマイクロシリンジで0.4 マイクロ・リッター打ち込まれる。その他必要な測定条件は、以下の通りである。
MCH注入量;0.4nm3(μL)
脱水素反応温度(AC充填カラム温度);773K(500 ℃)
AC充填量;0.2 ×10-3kg
分離カラム温度;363K(90℃)
キャリアガス(N2)2次圧力;270kPa
(オーブン内温度が所定温度時)
以下に、諸物性について説明する。
【0014】
MCH転化率は、固定炭素減少量との関係で整理でき固定炭素減少率30%以上ではMCH転化率はほぼ一定となっている。この傾向は、他の原料炭においても同様であった。なお、同一固定炭素減少率では、二酸化炭素により賦活された活性炭素のMCH転化率は、水蒸気により賦活された活性炭素のMCH転化率に比較して高い値をとる結果となったが、MCH転化率は85%を越えることはなかった。
MCH転化率であるが、後述する実施例4−1〜4−4および比較例4−2に示すように、MCH転化率が40%以上85%以下である方がよいことが分かる。なお、比較例4−1はMCH転化率および比表面積の条件を満たしているが、後述の細孔容積、メソポア比等の物性を満たしていない。
MCH転化率40%以上の活性炭素を選択し、比表面積、細孔容積および平均細孔直径等の諸物性の関係をさらに探索した。
比表面積、細孔容積および平均細孔直径は、固定炭素減少率が増加すれば、数値的に増加する傾向を示す。しかし、後述の実施例4−1〜実施例4−4及び比較例4−1および比較例4−2に示すように、特定の性状を有す活性炭素としては、その比表面積が800 〜1000m2/gであり、その細孔容積が0.7 〜1.4 cm3/gであり、かつ、20〜500 Åであるメソポアの占める容積が70%以上であり、その平均細孔直径が30〜60Åである特定の性状を有することが好ましいことが分かる。
【0015】
特定の性状を有する活性炭素を製造するための褐炭は、後述の表1に示す実施例1−1〜実施例1−7からヤルーン炭及びモーエル炭が良いことが分かる。その使用量は、後述の表6に示す実施例3−3〜実施例3−7から1.0 wt%以上5.0 wt%以下がよいことが分かる。1.0 wt%未満であると、比較例3−1〜実施例3−3に示すようにコークの生成量が増加し、コークの付着状況についても良くないことが分かる。また、5.0 wt%を越えても効果に変わりがない。
【0016】
鉄化合物の種類は、硫化鉄、天然パイライト及び酸化鉄から選択される。後述の表6に示すように実施例3−6と実施例3−9および実施例3−8と実施例3−12からいずれを用いてもよいことが分かる。
その使用量は、実施例3−6〜8および実施例3−12から鉄として0.25wt%以上3.0 wt%以下であることが分かる。0.25wt%未満であればコークの生成量が増加し、3.0 wt%を越えても効果は変わらない。
【0017】
次に、特定の性状を有す活性炭素の粒径および鉄化合物の粒径について説明する。
特定の性状を有す活性炭素の粒径であるが、後述の実施例5で示すように、37μm以上840 μm以下が適当である。37μm未満であると、分解油からの分離が極めて困難となり、840 μmを越えると反応時、重質油類との接触効率が悪くなりコーク生成量が増加する傾向を示すため、避けるべきである。
鉄化合物の粒径であるが、後述の実施例6で示すように、37μm以上149 μm以下が適当である。37μm未満であっても効果は変わらず粉砕動力を要すのみであり、149 μmを越えると反応時、重質油類との接触効率が悪くなり、コーク生成量が増加する傾向を示すため、避けるべきである。
【0018】
以上のようにして使用される本発明の重質油類水素化分解用触媒の使用量は、表3に示す実施例2−1および従来の触媒を使用した参考例2−1および参考例2−2から、従来の触媒の使用量より少ないことが分かる。
また、表3に示す実施例2−2および参考例2−3の生成物収率と生成物性状を表4に示すが、本発明の重質油類水素化分解用触媒の方が優れていることが分かる。
【0019】
特定の性状を有す活性炭素の量、鉄化合物の量、特定の性状を有す活性炭素の粒径および鉄化合物の粒径を変えつつ、以下の条件下で反応試験を行った。
反応全圧 70〜150 kg/cm2G
反応温度 425 〜435 ℃
反応器は容量1000ccであり、上記圧力下で水素が流通できる機能を有す。この反応器内に特定の性状を有す活性炭素と重質炭化水素原料あるいは上記触媒と重質油類原料、または、鉄化合物と重質油類原料のそれぞれ所定量を充填し、一定時間で所定温度まで昇温する。この間、内温が50℃に達すると、撹拌器を250 rpmで作動させた。なお、撹拌速度は、この装置において後述の鉄化合物が撹拌器で充分径内に分散できるのを別途確認して決定した回転数であり、この装置の固有の数値である。所定温度に到達後、所定時間保持し、所定時間経過後、一定時間で室温まで冷却し、反応器から発生コークを分離しつつ内容物を取り出した。コークは、分解物の全量を5ミクロンのフィルターで濾過し、濾過物をトルエンで数回洗浄し8〜15torr、130 ℃、一時間の条件下で真空乾燥後、重量を測定した。さらに、コークの全発生量に加え、撹拌器に付着したコークの付着状況も同時に観察した。これは、以下に記載の理由による。すなわち、接触水素化分解触媒を用いた重質炭化水素の分解プロセスを組み立てる場合、反応器内ではコークが発生するが、該コークが反応器の内部に付着しコーキングするという不具合が想定できるからである。撹拌器に付着するコーク量をこの目安とした。言うまでもなく、コークが触媒上に析出すれば該不具合は発生しない。
一方、内容物の沸点範囲は蒸留ガスクロマトグラム装置(GCD法)で測定し、各留分の収率を決定し転化率を求めた。以上で求めた転化率にたいするコーク生成量を比較し触媒性能を評価した。
また、得られた分解油等の性状は、石油製品に用いられる通常の方法で測定した。
【0020】
【実施例】
本発明をさらに詳細に実施例で説明する。
なお、本発明は、以下に記載の実施例にのみに制限されることがないのは、言うまでもないことである。
実施例1
ヤルーン炭チャーを原料として賦活した本発明の特定の性状を有する活性炭素(以下、単に活性炭素と称す)を用意した。賦活条件と測定した活性炭素の性状を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例2
重質油類原料としてその代表を表2に示す。
本発明の触媒の触媒使用量と従来技術による触媒の使用量を比較した結果を表3に示す。
実施例2−1と参考例2−1および参考例2−2から本発明の触媒は、従来の触媒に比較して活性炭素の使用量が少ないことがわかる。さらに、実施例2−2と参考例2−3のオイル性状等を表4〜5に示す。この表から本発明の触媒を用いると全体の液収率がよく、Gas Oil留分、VGO留分が増加する。また、分解生成油の脱硫効果が良いため、オイル性状が良好で、かつ、VR留分の性状も良いことが分かる。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
実施例3
実施例1の表1に記載の活性炭素を下記の鉄化合物と混合して重質油類水素化分解用触媒として用いた。鉄化合物は、硫化鉄、天然パイライトおよび酸化鉄を選択して反応試験を行った。また、比較のため、鉄化合物のみでも実施した。これらの試験後のコーク付着状況も観察した。試験結果を併せて表6に示す。なお、上記活性炭素の粒径および鉄化合物の粒径は、それぞれ37〜840 μm、37〜149 μmのものを用いた。
【0028】
【表6】
【0029】
実施例4
実施例1で得たy物性の異なる活性炭素を用いて反応試験を行った。試験条件、物性およびその試験結果を併せて表7に示す。
比較例4−1および比較例4−2
実施例3−6の活性炭素をy1からそれぞれy4およびd1に変えた以外は実施例3ー6と同様に実施した。結果を表7に併記する。
【0030】
【表7】
【0031】
比較例3−6A(粒径について)
実施例3−6の活性炭素y1の粒径を37〜840 μmから840 〜1680μmに変えた以外は実施例3−6と同様に実施した。結果を表8に示す。
比較例3−6B(粒径について)
実施例3−6の鉄化合物の粒径を37〜149 μmから149 〜350 μmに変えた以外は実施例3−6と同様に実施した。結果を表8に併記する。
【0032】
【表8】
【0033】
【発明の効果】
本発明の特定の性状を有する重質油類水素化分解活性炭素と鉄化合物とを単に混合されてなる重質油類水素化分解用触媒を用いると、以下に記載の効果がある。
(1)高転化率においてもコークの生成を抑制できるので、有用な中間留分に富んだ軽質化炭化水素を液収率よく得られる。また、分解生成油の脱硫効果が良いため、オイル性状が良好で、かつ、VR成分の性状も良い。
(2)使用する触媒の量が削減できる。
(3)使用する触媒が、含浸・担持工程や乾燥工程を必要としない。そのため、触媒の製造に要する繁雑な工程を省略でき、省エネルギー、かつ、労力の削減ができる。
(4)触媒の使用に当たり、水素による還元工程や硫化工程の前処理工程が省略できる。そのため、使用方法が簡単で経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において、MCH転化率を測定するのに用いた触媒性能測定装置の概念図である。
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