JP3689866B2 - Cmd及びcmd搭載ccd装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)に係わり、より詳細にはCMD(Charge Multiplying Device)に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDは、周知のように、半導体基板の表面付近に信号電荷を蓄積してこの信号電荷をつぎつぎと転送していくことができる半導体デバイスである。一方、CMDは、1994年8月9日付け発行の米国特許第5,337,340号で開示された発明に係わるもので、CCDセル内で電荷増倍または信号増幅機能を奏することができるCCD応用の半導体デバイスである。
【0003】
図10に、CMDの仕組みを示す。CMDの基本単位またはCMDユニットUCMDとして、図示のように、シリコン基板上に絶縁膜たとえばシリコン酸化膜100を介して複数個たとえば4個の電極G1,G2,G3,G4が一列に配置される。これらの電極G1,G2,G3,G4には図11に示すような位相およびサイクル関係を有する駆動電圧P1,P2,P3,P4がそれぞれ印加される。これらの駆動電圧のうち、P1,P2,P4はクロック動作のパルス電圧として与えられ、P3は一定レベルの直流電圧として与えられる。ここで、特徴的な点は、電極G4に対する駆動電圧P4が他の駆動電圧P1,P2,P3と比較して著しく高いHレベル電圧(VCMG)を有することである。一例として、P1,P2がHレベル=5V、Lレベル=−4Vに設定され、P3が0V(グランド電位)に設定されるとき、P4はHレベル(VCMG)=14V、Lレベル=1.5Vに設定される。
【0004】
駆動電圧P2がHレベルで駆動電圧P1がLレベルになっている時は、図10に示すように、シリコン基板表面上の信号電荷は電極G1の下から電極G2の下に移され、電極G1の下には浅いポテンシャルで画素分離障壁(Pixel Separation Barrier)102が形成されるとともに、電極G2の下には比較的深いポテンシャルで一時蓄積井戸(Temporary Storage Well)104が形成される。この時、電極G3の下には、上記画素分離障壁102よりも幾らか深いポテンシャルで電荷転送障壁(Charge Transfer Barrier)106が形成されている。
【0005】
この状態の下で、駆動電圧P4がLレベルからHレベルに変わると、電極G4の下に非常に深いポテンシャルで、つまり一時蓄積井戸104よりも数倍以上深いポテンシャルで、電荷収集井戸(Charge Collection Well)108が形成される。そして、直後にP2がHレベルからLレベルに変わると、一時蓄積井戸104のポテンシャルが点線104’のレベルまで持ち上がる。そうすると、電極G2直下の一時蓄積井戸104に蓄積されていた信号電荷が、横方向つまり転送方向の高電界の下で、電荷転送障壁106の上を通って電極G4直下の電荷収集井戸108に引き込まれ、この井戸108の中でシリコン原子(Si)と勢いよく衝突することで、電子−正孔対の二次電子を発生させる。いわゆるインパクトイオン化(Impact Ionization)である。このインパクトイオン化によって発生した電子−正孔対のうち、正孔はシリコン基板の奥または付近の電極に吸収され、電子は電荷収集井戸108の中に留まる。
【0006】
こうして電荷収集井戸108で電荷増倍(Charge Multiplication)が行われる。次に、駆動電圧P1がLレベルからHレベルに変わると、図示省略するが、電極G1の下に一時蓄積井戸104が形成される。その直後に駆動電圧P4がHレベルからLレベルに変わると、電荷収集井戸108の底が持ち上がるようにして一時蓄積井戸104よりも浅くなり、電荷収集井戸108から信号電荷が電極G1の下に移動する。以後、上記と同様の動作が繰り返される。
【0007】
このように、共通のクロックに同期した同一サイクルまたは周期の駆動電圧(パルス)P1,P2,P4が所定の位相差をもってそれぞれ対応する電極P1,P2,P4に与えられ、CMDユニットUCMDにおいては1サイクル毎に1画素分の転送と電荷増倍が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のCMDは、上記のようなCMDユニットUCMD(G1,G2,G3,G4)を電荷転送方向に多段に(繰り返して)配列し、各ユニットUCMDで1サイクル毎に上記のようなインパクトイオン化による電荷増倍動作を行う。したがって、CMDを通過する信号電荷はCMDユニットUCMDの段数(総数)に等しい回数だけインパクトイオン化(電荷増倍)を受ける。かかる従来のCMDでは、CMD全体の信号増幅率を制御するために、電極G4に対する電荷収集井戸バイアス電圧つまり駆動電圧P4のHレベル電圧(VCMG)を可変制御する。
【0009】
しかしながら、図12に示すように、CMDにおける電荷増倍率は電荷収集井戸バイアス電圧(VCMG)に対して急峻に変化する特性を示し、大きな増幅率が得られるレンジではバイアス電圧(VCMG)のわずかな変化によって増幅率が激しく変動する。このため、電圧制御によって信号増幅率を精細に制御することは非常に難しい課題となっている。
【0010】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、信号増幅率の制御を簡単かつ精細に行えるCMDおよびCMD搭載CCD装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のCMDは、半導体基板上に絶縁膜を介して複数個の電極を配列し、前記複数個の電極に位相の異なる一組の駆動電圧を印加し、インパクトイオン化を生じさせるための第1相の駆動電圧を他相の駆動電圧に比して間欠的に与える構成とした。
【0012】
本発明のCMDでは、第1相の駆動電圧の間欠サイクルを可変制御することにより、電極列の下で半導体基板上を転送する信号電荷に対してインパクトイオン化を施す周期または回数を調整し、電荷増倍率または信号増幅率を任意に調整することができる。
【0013】
本発明のCMDにおいて、好ましくは、1つの画素の信号電荷が前記複数個の電極を一端から他端まで通過する間に前記他相の駆動電圧が与えられる回数をM、前記第1相の駆動電圧の1サイクルに含まれる前記他相の駆動電圧のサイクル数をNとすると、NはMの約数としてよい。この条件を満たすことにより、CMDを通過する全ての画素の信号電荷に対して同一回数の間欠的インパクトイオン化(電荷増倍)を施し、バラツキのない均一な信号増幅率を得ることができる。
【0014】
また、好ましい一態様として、信号電荷の転送方向において、前記第1相の駆動電圧を印加する第1の電極の下流側隣に第2の電極を配置し、前記第2の電極の下流側隣に第3の電極を配置し、前記第3の電極の下流側隣に前記第1の電極を配置し、前記第2および前記第3の電極にはその直下に信号電荷を一時的に蓄積するためのポテンシャル井戸と相前後する画素間での信号電荷の混合を防止するためのポテンシャル障壁とを所定のタイミングで交互に形成するための第2相および第3相の駆動電圧をそれぞれ印加する構成としてよい。かかる構成においては、信号電荷が第3の電極の下から第1の電極の下に移動する際に第1の電極に対する第1相の駆動電圧がアクティブなレベルになると、第1の電極の直下付近でインパクトイオン化が起こり、1回分の電荷増倍が行われる。第1の電極と第2の電極との間、第2の電極と第3の電極との間では通常の電荷転送が行われる。
【0015】
また、好ましい一態様として、前記第3の電極と前記第1の電極との間に第4の電極を配置し、前記第4の電極にはその直下に電荷転送用のポテンシャル障壁を形成するための直流電圧を印加する構成も可能である。
【0016】
また、好ましくは、信号増幅率を調整するために前記Nの値を可変制御するサイクル数制御手段を有してよく、さらには前記第1相の駆動電圧のアクティブな電圧レベルを可変制御する駆動電圧制御手段を有してもよい。
【0017】
本発明のCMD搭載CCD装置は、本発明のCMDと、前記CMDの入力端の電極および/または出力端の電極との間で信号電荷を直接に転送可能に接続されたCCDを有する。
【0018】
本発明のCMD搭載CCD装置では、CMDとその前段および/後段に直結されたCCDとが同期して信号電荷を同一方向に転送し、CCDでは通常の電荷転送動作だけが行われ、CMDでは電荷転送動作と本発明による間欠的電荷増倍動作が行われる。
【0019】
本発明のCMD搭載CCD装置において、好ましくは、前記CCDが、前記第2相の駆動電圧および前記第3相の駆動電圧をそれぞれ印加される第5および第6の電極を交互に配置してなる。この場合、信号電荷を転送する方向において前記第6の電極と前記第5の電極の間に前記直流電圧を印加される第7の電極を有する構成も可能である。
【0020】
また、好ましい一態様として、前記CMDの入力端側に接続される前記CCDが、複数個の前記電極に信号電荷をパラレルに入力し、入力した前記信号電荷を前記CMDに向けてシリアルに出力するパラレル入力/シリアル出力型CCDを含む構成であってよい。この場合、前記パラレル入力/シリアル出力型CCDの出力端と前記CMDの入力端との間に接続されるシリアル入力/シリアル出力型のCCDを含む構成も好ましい。さらに、1つの画素の信号電荷が前記シリアル入力/シリアル出力型のCCDを通過する際に前記第2相および第3相の駆動電圧が与えられるサイクル数をKとすると、KはNの倍数とする構成も好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図9を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0022】
図1に、本発明の一実施形態におけるCMD搭載CCD装置の基本構成を示す。このCMD搭載CCD装置10は、図示のようにCMD12の前段(入力側)および/または後段(出力側)にCCD14,16を直列に接続する。ここで、CMD12およびCCD14,16は同一または共通の半導体基板上に同一のプロセスで形成されてよく、基板表面上で前段CCD14の出力端の電極の下からCMD12の入力端の電極の下に信号電荷が直接に転送され、CMD12の出力端の電極の下から後段CCD16の入力端の電極の下に信号電荷が直接に転送されるようになっている。後段CCD16の出力端には信号電荷を電気信号に変換するための出力部が設けられており、該出力部より取り出された電気信号は増幅器18で増幅されてから出力されるようになっている。前段CCD14は、入力信号または電荷をシリアルに入力する形態だけでなく、パラレルに入力する形態も可能である。また、後段CCD16は、出力信号または電荷をシリアルに出力する形態だけでなく、パラレルに出力する形態も可能である。
【0023】
CMD12は、1単位で電荷増倍動作の可能なCMDユニットUを直列に複数段たとえばM段(U1〜UM)配列してなる。各段のCMDユニットUiは、たとえば図10のユニットUCMDと同様の構成、つまりシリコン基板上に絶縁膜たとえばシリコン酸化膜100を介して複数個たとえば4個の電極G1,G2,G3,G4を一列に配置してなる構成でよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、これらの電極G1,G2,G3,G4には図2に示すようなタイミング(位相およびサイクル)関係を有する駆動電圧P1,P2,P3,P4がそれぞれ印加される。これらの駆動電圧のうち、P1,P2,P4はクロック動作のパルス電圧として与えられ、P3は一定レベルの直流電圧として与えられる。駆動電圧P1,P2は、1サイクル毎に1画素の信号電荷を1ユニット分だけ転送するような位相差を有している。インパクトイオン化のための電極G4に対する駆動電圧P4のHレベル(VCMG)は、他の駆動電圧P1,P2,P3と比較して著しく高い電圧値に設定される。たとえば、P1,P2がHレベル=5V、Lレベル=−4Vに設定され、P3が0V(グランド電位)に設定されるとき、P4はHレベル(VCMG)=14V、Lレベル=1.5Vに設定されてよい。
【0025】
この実施形態において特徴的なことは、インパクトイオン化のための電極G4に対する駆動電圧P4が他相の駆動電圧P1,P2に比して間欠的に与えられる点である。つまり、転送クロックの1サイクルの時間(周期)をTckとすると、駆動電圧P1,P2の1サイクルはTckであるのに対して、駆動電圧P4の1サイクルはNTck(Nは2以上の整数)である。
【0026】
したがって、各段のCMDユニットUiにおいては、各Nサイクル中の1サイクル内でのみ図10につき上述したようなインパクトイオン化による電荷増倍が行われ、各Nサイクル中の他の全てのサイクルではインパクトイオン化の電荷増倍が行われることなく通常の電荷転送動作つまりCCD転送動作が行われる。
【0027】
この実施形態では、たとえば図2の時刻t1,t2,t3の時間に各段のCMDユニットUiにおいてCCD転送動作が行われる。図3〜図5につきこのCCD転送動作の作用を説明する。
【0028】
図2において、時刻t1では、P1がLレベル、P2がHレベル、P4がLレベルである。この時は、図3に示すように、シリコン基板表面において、電極G2の下に比較的深いポテンシャルで一時蓄積井戸104が形成され、直前に電極G1の下から移動して来た信号電荷がこの井戸104の中に一時的に蓄積される。電極G1の下には浅いポテンシャルで画素分離障壁102が形成され、電極G3の下には画素分離障壁102よりも幾らか深いポテンシャルで電荷転送障壁106が形成され、電極G4の下には電荷転送障壁106よりも幾らか深いポテンシャルで電荷転送井戸またはバッファ110が形成される。
【0029】
この状態から駆動電圧P2がHレベルからLレベルに変わると、電極G2の下で一時蓄積井戸104の底が点線104’のレベルまで持ち上がって、この井戸104に蓄積されていた信号電荷が画素分離障壁106を越えて電極G4の下の電荷転送バッファ110側に移動する。
【0030】
次に、駆動電圧P1がLレベルからHレベルに変わって、時刻t2では、図4に示すように、シリコン基板表面において、電極G1の下に一時蓄積井戸104が形成され、電極G4直下の電荷転送バッファ110を通って移動した来た信号電荷がこの一時蓄積井戸104に蓄積される。なお、当該CMDユニットUiの電極G4直下の電荷転送バッファ110から信号電荷が下流側隣のCMDユニットUi+1の電極G1直下の一時蓄積井戸104へ移動する一方で、上流側隣のCMDユニットUI-1の電極G4直下の電荷転送バッファ110からの信号電荷(後続画素に対応する信号電荷)が当該CMDユニットUiの電極G1直下の一時蓄積井戸104に移動してくる。
【0031】
次に、駆動電圧P2がLレベルからHレベルに変わって、時刻t3では、図5に示すように、シリコン基板表面において、電極G1の下だけでなく電極G2の下にも延長して一時蓄積井戸104が形成され、この延長した一時蓄積井戸104の中で信号電荷は電極G2の下に拡散移動する。
【0032】
次に、駆動電圧P1がHレベルからLレベルに変わると、シリコン基板表面の各部のポテンシャルは図3と同じになり、電極G2直下の一時蓄積井戸104に信号電荷が局所的に蓄積される。以後、駆動電圧P4がディスエーブル状態(Lレベル)の間は、転送クロックの各サイクルで上記と同様のCCD転送動作が繰り返される。
【0033】
このように、駆動電圧P4が間欠している間、つまり転送クロックの(N−1)サイクルの期間中は、(N−1)個の画素の信号電荷がインパクトイオン化による電荷増倍を受けることなく各段のCMDユニットUiをCCD転送動作でそのまま通り過ぎる。
【0034】
各画素の信号電荷についてみると、CMD12におけるM段のユニット列U1〜UMを通過する間に、(N−1)個置きのユニットUでのみインパクトイオン化による電荷増倍を受けることになる。したがって、Nの値つまり駆動電圧P4の間欠サイクル数を変えることで、CMD12におけるインパクトイオン化(電荷増倍)の回数を制御して、CMD12全体の電荷増倍率または信号増幅率を任意に調整することができる。
【0035】
この実施形態における好適な条件は、インパクトイオン化のための駆動電圧P4の間欠サイクル数NをCMD12に含まれるCMDユニットUの段数Mの約数に選ぶことである。ここで、CMD12にCMDユニットUの段数Mは、1つの画素の信号電荷がCMD12を通過する間に駆動電圧P1,P2の与えられるサイクル数でもある。
【0036】
したがって、たとえばMが400の場合は、Nを400の約数である2,4,5,8,10‥‥のいずれかに設定することが好ましい。かかる数値条件を満たすことにより、CMD12を通過する全ての画素の信号電荷を均一な電荷増倍率で増幅することができる。
【0037】
図6および図7につき、M=400、N=4の場合におけるCMD12の作用を説明する。図6のタイミング図から理解されるように、N=4に設定すると、各段のCMDユニットUiでは、4サイクル周期(4Tck)でインパクトイオン化による電荷増倍が行われる。
【0038】
図7において、駆動電圧P4が或る時点で1回目のHレベルになった時、CMD12の前端部における4個のユニットU4,U3,U2,U1内に信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3がそれぞれ位置していたとすると、それらの信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3はユニットU4,U3,U2,U1でそれぞれインパクトイオン化による電荷増倍を施される。
【0039】
このインパクトイオン化の後は、クロックの1サイクル毎に信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3はCCD転送によりそれぞれ1つ下流側隣のユニットUに移動する。そして、4サイクル経過した時に、信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3は前回のインパクトイオン化を受けた位置から4つ先のユニットU8,U7,U6,U5にそれぞれ到達する。ここで、駆動電圧P4が2回目のHレベルになる。これにより、信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3はユニットU8,U7,U6,U5でそれぞれインパクトイオン化による電荷増倍を施される。
【0040】
以後も上記の動作が繰り返され、信号電荷Qjが先頭ユニットU1に入力された時から400サイクルの時間が経過して信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3が後端部のユニットU400,U399,U398,U397にそれぞれ到達すると、駆動電圧P4が100回目のHレベルになる。これにより、信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3はU400,U399,U398,U397でそれぞれインパクトイオン化による電荷増倍を施される。
【0041】
こうして、4個の信号電荷Qj,Qj+1,Qj+2,Qj+3のいずれも400段のCMDユニットU1〜U400を通過する間に等しく計100回のインパクトイオン化(電荷増倍)を受ける。要するに、CMD12に入力された各信号電荷Qが、400段のCMDユニットU1〜U400を通過する間に4つのパターン[U1,U5,U9,‥‥U397]、[U2,U6,U10,‥‥U398]、[U3,U7,U11,‥‥U399]、[U4,U8,U12,‥‥U400]のいずれかで3段または3サイクル置きに計100回のインパクトイオン化(電荷増倍)を受ける。
【0042】
上記の例はN=4に選んだ場合であったが、N=5に選んだ場合は各入力信号電荷Qが、CMD12を通過する間に、つまり400段のCMDユニットU1〜U400を通過する間に、4段または4サイクル置きに計80回のインパクトイオン化(電荷増倍)を受ける。また、N=8に選んだ場合は、入力信号電荷Qのいずれも、CMD12を通過する間に、7段または7サイクル置きに計50回のインパクトイオン化(電荷増倍)を受ける。
【0043】
このように、この実施形態のCMD12においては、駆動電圧P4の間欠サイクル数NをCMDユニットUの総数Mの約数に選ぶという条件下で可変制御することで、CMD12を通過する全ての信号電荷Qに同じ回数(M/N)のインパクトイオン化による電荷増倍を施しつつ、つまりバラツキのない均一の電荷増倍率を確保しつつ、CMD12全体の信号増幅率を精細に可変調整することができる。この意味で、この実施形態では、CMDユニットUの総数Mが、単に約数を有する数であるだけでなく、上記の例の「400」のように約数を多くとれる数であることが好ましい。
【0044】
なお、駆動電圧P4のアクティブレベル(VCMG)は一定値(好ましくは最大値付近)に固定されてよい。もっとも、信号増幅率の粗調整として駆動電圧P4のアクティブレベル(VCMG)を可変制御し、本実施形態による駆動電圧P4の間欠サイクル数制御を信号増幅率の微調整に用いる方法も有効である。
【0045】
図1において、CMD12の前段および/または後段に設けられるCCD14,16には、図示省略するが、シリコン基板上に酸化膜100を介して電極G1,G2,G3からなる転送専用ユニットつまりCCDユニットが転送方向に多数段繰り返して配置される。これらの電極G1,G2,G3には、CMD12の電極G1,G2,G3に対するのと同一の駆動電圧P1,P2,P3がそれぞれ印加される。このCMD搭載CCD装置10に対して図2に示すような駆動電圧P1,P2,P3.,P4が与えられるときは、CMD12で上記のようなCCD転送動作および間欠的電荷増倍動作が行われるのと並行して、CCD14,16では各1サイクル毎に1画素の信号電荷をCCDユニット1段だけ転送する仕方で通常の電荷転送動作またはCCD転送動作が持続的に行われる。
【0046】
図8に、本実施形態によるCMD搭載CCD装置の一応用例としてCCD撮像装置の構成を模式的に示す。図9に、このCCD撮像装置20の周辺回路例を示す。このCCD撮像装置20は、いわゆるフレーム転送方式のもので、感光部22、蓄積部24および水平転送CCD26を有している。
【0047】
感光部22は、1フレーム分の画素に相当する多数の光電変換素子をマトリクス状に配置してなり、撮像レンズ28を通って受光面に結像された光学像を各光電変換素子の光電変換により電荷像に変換する。こうして感光部22で生成されかつ蓄積された全画素の信号電荷は所定のタイミングで蓄積部24にすばやく垂直転送される。そして、蓄積部24から信号電荷が1水平ラインずつ水平転送CCD26に垂直転送される。水平転送CCD26では、信号電荷を1水平ラインずつ水平転送して出力部から電気信号(映像信号)として出力する。
【0048】
このCCD撮像装置20より出力された映像信号は映像信号処理回路34で所定の信号処理を受けてから、表示出力装置または映像信号記録装置等(図示せず)に送られる。駆動回路32は、タイミング回路30の制御の下でCCD撮像装置20の感光部22および蓄積部24に垂直転送用の駆動電圧(AG1,AG2)、(SG1,SG2)を供給する。
【0049】
このCCD撮像装置20では、水平転送CCD26に本実施形態のCMD搭載CCD装置10を適用できる。駆動回路32は、水平転送CCD26(10)に水平転送および電荷増倍用の駆動電圧P1,P2,P3,P4を与える。駆動回路32は、本実施形態による駆動電圧P4の間欠サイクル数Nを可変制御する機能を有しており、さらには駆動電圧P1,P2,P3,P4のレベルを調整する機能、特にP4のアクティブレベル(VCMG)を可変制御する機能を有してもよい。
【0050】
水平転送CCD26(10)において、CMD12の前段に設けられるCCD14は、蓄積部24に直結されるパラレル入力/シリアル出力型のCCD14aと、このパラレル入力/シリアル出力型CCD14aとCMD12との間に転送冗長部を形成するシリアル入力/シリアル出力型のCCD14bとに分割される。蓄積部24からの1水平ライン分の信号電荷はパラレル入力でCCD14aに垂直転送され、このCCD14aからシリアル方向つまり水平方向に冗長部CCD14b、CMD12および出力側の冗長部CCD16を通って増幅器18より映像信号として読み出される。上記したように、各CCD14a,14b,16ではCCD転送動作だけが行われ、CMD12ではCCD転送動作および間欠的電荷増倍動作が行われる。
【0051】
このCCD撮像装置20では、水平読み出しレートを上げるために、1水平ライン分の信号電荷が冗長部CCD14b、CMD12および冗長部CCD16の範囲内に在る間に、その水平転送動作を一時中断し(つまり駆動電圧P1〜P4の供給を中断し)、この水平転送動作の中断時間中に蓄積部24より後続の1水平ライン分の信号電荷をCCD14aに垂直または並列転送することができる。この時、後段側の冗長部CCD16内で停留している信号電荷は既にCMD12により所望またはフル(full)の電荷増倍率まで増幅されている。また、CMD12内で停留している信号電荷はその進入位置に応じた途中または中間の電荷増倍率まで増幅されている。前段側の冗長部CCD14b内で停留している信号電荷は未だ電荷増倍を受けてはいない。
【0052】
上記のようにして蓄積部24よりCCD14aへの1水平ライン分の信号電荷の並列転送が行われた後、水平転送動作が再開される。すなわち、CCD14aから1水平ライン分の信号電荷がシリアルに送り出されると同時に、冗長部CCD14b、CMD12および冗長部CCD16内でそれまで留め置きされていた1つ前の1水平ライン分の信号電荷が出力側に向って移動し始める。CMD12内の途中位置から転送を再開した信号電荷は、残りのCMDユニットで(N−1)段置きのインパクトイオン化(電荷増倍)を転送再開の位置に応じた残りの回数だけ受けることで、結果的にはCMD12に入ってから出る間に所定回数(M/N)のインパクトイオン化(電荷増倍)を受けることになり、所望またはフル(full)の電荷増倍率まで増幅される。
【0053】
上記のような水平転送動作の中断・再開で好適な条件は、クロック動作の駆動電圧P1,P2,P4のタイミングまたは位相を中断時と再開時とで連続させることである。この条件を満たすことで、CMD12内の任意の位置で水平転送の中断・再開に遭遇した信号電荷に対しても、CMD12を転送中断なしで一気に通り抜けた信号電荷に対するのと同じ電荷増倍率を与えることができる。
【0054】
また、水平ライン毎のCMD12における信号増幅率のバラツキをなくすために、各水平ラインの信号電荷が同一のタイミングまたは位相でCMD12に入力するのが好ましい。この条件を満たすためには、冗長部CCD14bにおけるCCDユニットの段数つまり1つの画素の信号電荷が冗長部CCD14bを通り抜ける間に駆動電圧P1,P2の与えられるサイクル数をKとすると、KをN(駆動電圧P4の間欠サイクル数)の倍数に設定すればよい。たとえば、M=400、N=4の場合は、K=100と設定すればよい。
【0055】
この実施形態のCCD撮像装置20では、水平転送CCD26に本実施形態のCMD12を搭載することにより、感光部22で生成された全ての信号電荷を同一の増幅率で増幅することができる。もっとも、必要に応じて、本実施形態のCMD12を感光部22または蓄積部24内のCCDに搭載することも可能である。また、本実施形態のCMD12およびCMD搭載CCD10は、フレーム転送方式のCCD撮像装置だけでなく、インタライン転送方式等の他の方式のCCD撮像装置にも適用可能であり、さらには撮像装置以外の画像処理装置にも適用可能である。
【0056】
上記実施形態におけるCMD12およびCMD搭載CCD10の構成は一例であり、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。たとえば、上記実施形態では、CMD12の基本単位またはユニットUCMDを4個の電極G1,G2,G3,G4で構成した。しかし、直流電圧P3によって定常的な電荷転送障壁106を形成するための電極G3を省いて、駆動電圧P1,P2,P4によりクロック動作する電極G1,G2,G4だけでCMDユニットUCMDを構成することも可能である。また、電極G1,G2,G3,G4間の配置関係も種々の変形が可能であり、たとえば相隣接する電極を上下に重ねる構成も可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のCMDまたはCMD搭載CCD装置によれば、信号増幅率の制御を簡単かつ精細に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるCMD搭載CCD装置の基本構成を模式的に示す図である。
【図2】実施形態のCMD搭載CCD装置における駆動電圧のタイミング(位相およびサイクル)関係を示す信号波形図である。
【図3】実施形態のCMD搭載CCD装置におけるCCD転送動作の一段階を示す模式的な断面図である。
【図4】実施形態のCMD搭載CCD装置におけるCCD転送動作の一段階を示す模式的な断面図である。
【図5】実施形態のCMD搭載CCD装置におけるCCD転送動作の一段階を示す模式的な断面図である。
【図6】実施形態のCMD搭載CCD装置における駆動電圧のタイミング(位相およびサイクル)関係を示す信号波形図である。
【図7】実施形態のCMD搭載CCD装置における間欠的電荷増倍動作の回数を説明するための図である。
【図8】一実施形態におけるCCD撮像装置の構成を模式的に示す図である。
【図9】図9のCCD撮像装置の周辺回路を示すブロック図である。
【図10】CMDの原理を説明するための模式的な断面図である。
【図11】従来のCMDにおける駆動電圧のタイミング(位相およびサイクル)を示す信号波形図である。
【図12】CMDにおける電荷収集井戸バイアス電圧に対する電荷増倍率の特性を示す図である。
【符号の説明】
10 CMD搭載CCD装置
12 CMD
14,16 CCD
22 感光部
24 蓄積部
26 水平転送CCD
14a パラレル入力/シリアル出力型CCD
14b シリアル入力/シリアル出力型CCD
32 駆動回路
34 タイミング回路
G1,G2,G3,G4 電極
Claims (12)
- 半導体基板上に絶縁膜を介して複数個の電極を配列し、
前記複数個の電極に位相の異なる一組の駆動電圧を印加し、
インパクトイオン化を生じさせるための第1相の駆動電圧を他相の駆動電圧に比して間欠的に与えるCMD(Charge Multiplying Device)。 - 1つの画素の信号電荷が前記複数個の電極を一端から他端まで通過する間に前記他相の駆動電圧の与えられるサイクル数をM、前記第1相の駆動電圧の1サイクルに含まれる前記他相の駆動電圧のサイクル数をNとすると、NはMの約数である請求項1に記載のCMD。
- 信号電荷の転送方向において、前記第1相の駆動電圧を印加する第1の電極の下流側隣に第2の電極を配置し、前記第2の電極の下流側隣に第3の電極を配置し、前記第3の電極の下流側隣に前記第1の電極を配置し、前記第2および前記第3の電極にはその直下に信号電荷を一時的に蓄積するためのポテンシャル井戸と相前後する画素間での信号電荷の混合を防止するためのポテンシャル障壁とを所定のタイミングで交互に形成するための第2相および第3相の駆動電圧をそれぞれ印加する請求項1または2に記載のCMD。
- 前記第3の電極と前記第1の電極との間に第4の電極を配置し、前記第4の電極にはその直下に電荷転送用のポテンシャル障壁を形成するための直流電圧を印加する請求項3に記載のCMD。
- 信号増幅率を調整するために前記Nの値を可変制御するサイクル数制御手段を有する請求項2〜4のいずれか一項に記載のCMD。
- 信号増幅率を調整するために前記第1相の駆動電圧のアクティブな電圧レベルを可変制御する駆動電圧制御手段を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のCMD。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のCMDと、
前記CMDの入力端の電極および/または出力端の電極との間で信号電荷を直接に転送可能に接続されたCCD(Charge Coupled Device)を有するCMD搭載CCD装置。 - 前記CCDが、前記第2相の駆動電圧および前記第3相の駆動電圧をそれぞれ印加される第5および第6の電極を交互に配置してなる請求項7に記載のCMD搭載CCD装置。
- 前記CCDが、信号電荷を転送する方向において前記第6の電極と前記第5の電極の間に前記直流電圧を印加される第7の電極を有する請求項8に記載のCMD搭載CCD装置。
- 前記CMDの入力端側に接続される前記CCDが、複数個の前記電極に信号電荷をパラレルに入力し、入力した前記信号電荷を前記CMDに向けてシリアルに出力するパラレル入力/シリアル出力型CCDを含む請求項7〜9のいずれか一項に記載のCMD搭載CCD装置。
- 前記CMDの入力端側に接続される前記CCDが、前記パラレル入力/シリアル出力型CCDの出力端と前記CMDの入力端との間に接続されるシリアル入力/シリアル出力型のCCDを含む請求項10に記載のCMD搭載CCD装置。
- 1つの画素の信号電荷が前記シリアル入力/シリアル出力型のCCDを通過する際に前記第2相および第3相の駆動電圧の与えられるサイクル数をKとすると、KはNの倍数である請求項11に記載のCMD搭載CCD装置。
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