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JP3690206B2 - 光量測定装置及びカラー画像形成装置 - Google Patents
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JP3690206B2 - 光量測定装置及びカラー画像形成装置 - Google Patents

光量測定装置及びカラー画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光量測定装置及びカラー画像形成装置にかかり、特に、光源によりスポット光を対象物に照射し、その反射光を集光レンズにより受光素子に集光させ光量を測定する光量測定装置、及び光量測定装置を備えたカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータを中心としたネットワーク技術の進展により、画像出力装置としてのネットワークプリンタが急速に普及している。特に、出力する画像のカラー化に伴い、近年、カラープリンタの開発が盛んになっており、カラー画質の維持安定性の向上、複数のカラープリンタ間におけるカラー画質の均一化などの要求が高まって来ている。最近では、色再現性に関して、設置環境、経時変化、機差によらず高い安定性が求められている。
【0003】
一般に、人間の色差に対する感度は極めて高い。例えば、時間的・距離的に隣接していない画像であっても、比較すべき画像の色差がL***表色系において色差△E=5程度で観測者や状況によらず識別され、その差を認識不能とするためには色差△E=3程度(色差認識限界)必要であることが知られている(D.H.Alman,R.S.Berns,G.D.Snyder and W.A.Larsen,Performance ttesting of Color-Difference Metrics Using a Color Tolerance Dataset,COLOR research and application,vol.14, Number 3,June 1989)。
【0004】
このため、画像再現性の目標レベルを人間の色差認識限界以下に設定しようとすると、画像形成装置に対する要求値は色差△E=3以下という非常に高いものになる。
【0005】
しかしながら、周知のように従来の電子写真方式では各プロセスが不安定であり、色差△E=3以下という要求値をみたすことは困難であった。これは、そもそも電子写真方式が静電現象を利用しているため、温度や湿度等の環境条件、また感光体や現像剤等の経時的な劣化等の処理材料条件等により、装置自体の画像出力状態が変動し、画像再現性が変動するためである。
【0006】
このため、電子写真方式を用いた画像形成装置では、画像濃度を最適に保つためのフィードバック制御が行われている。一般的なフィードバック制御では、濃度パッチにより濃度再現状況や装置内の環境条件をモニタして目標濃度との誤差分を求め、これにフィードバックゲインを乗じることによって、制御用アクチュエータの設定値補正量を算出している。例えば、特開平1−169467号公報には濃度パッチを測定して露光条件や現像バイアス条件を制御することで所望の画像濃度を得ることが開示されている。
【0007】
上記濃度パッチとしては、現像工程後における未定着なトナー像濃度パッチ、または用紙等の記録媒体上に形成された定着工程後の画像濃度パッチが用いられる。トナー像濃度パッチは、用紙上に作成される転写像や定着像に比較して、現像像の作成および消去が簡単であること等により用いられるが、トナー像濃度パッチと定着画像濃度との相関が高いとはいえ、後工程である転写工程や定着工程における変動に関しては、その影響を検知することが困難である。
【0008】
一方、定着画像濃度パッチは、画像の形態として最終的にユーザーが手にする定着画像そのものであり、転写工程や定着工程における変動要因を含めて画像品質を評価できる。一例として、特開昭62−296669号公報、特開昭63−185279号公報、特開平5−199407号公報には、定着画像濃度をモニタするものとして、装置本体に組み込まれた画像読み取り部を利用する技術が開示されている。
【0009】
しかしながら、定着画像濃度のモニタでは、画像を検知するために、一旦出力された画像を画像読み取り部に戻して再度読み取りを行うという作業をユーザー自身が行わねばならず、日常の画質管理としては甚だ煩わしいものであった。また、プリンタなどのように画像読み取り部を備えていない画像形成装置の場合、原理的に画像を検知することができなかった。
【0010】
そこで、本出願人等は、定着工程後にオンラインでの出力画像モニタを可能にする手段として、カラー画像モニタ用センサを提案している(特開平9-171279号)。このセンサは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)の各トナー単色に対応した、ブルー(B)、グリーン(G)、レッド(R)の発光ダイオード(可視光LED、以下、LEDという)を光源として、出力画像からの反射光をフォトダイオードによって受光する構成としたものである。
【0011】
一般に、LEDの発光スペクトルはRGBフィルタなどによる分光にくらべ帯域が狭く、全色域を高精度で分光することは困難であると言われている。ところが、センサの使用条件として、モニタ用出力画像をYMCなどのトナー単色のカラーパッチとして形成し、各単色トナーの濃度検知に限定することにより、全色域を分光してフルカラーの各色を識別している従来のカラーセンサにくらべてコストおよびサイズの点ではるかに有利であり、しかも性能的にも必要かつ十分なモニタ用センサを提供することができる。
【0012】
しかしながら、画像形成装置のオンライン上で出力画像をモニタしようとする場合には、対象物である画像形成媒体としての出力用紙の被測定面の上下動、つまり、用紙の進行方向に垂直な方向の変動が問題となり、正確な測定ができないおそれがある。これは、画像モニタ用検知手段を用いて、検知対象である用紙上濃度パッチをモニタする場合、接触による画像へのダメージを防ぎ、かつモニタ用センサ周辺への付加的な機構を排除するために、検知手段と検知対象とを非接触でモニタする必要があるためである。
【0013】
ところで、通常の光学的センサにおいて光源、レンズ、受光素子(光電変換素子)を組み合せた光学系を用いて、上下変動する被測定面を測定した場合、例えば、紙面が上下にわずかに1mm程度変動した場合でも、受光素子の出力は15%程度も変化してしまうことがわかっている。このような出力変動があると、検知対象である用紙上濃度パッチの微少な差異を検知することは困難である。
【0014】
このため本出願人等は、紙面での反射光をレンズの焦点位置に設置した光電変換素子で受光することにより、特定の条件を満たす領域においては紙面の光軸方向への変動に依存しない出力を得ることを可能とする技術を提案している(特開平10−175330号)。この技術に、LEDを用いたカラー画像モニタ用センサを組み合わせることにより、高精度な非接触オンライン画像モニタの実現が可能となった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最終的な色再現精度の要求レベルすなわち色差は、色差認識限界以下(△E≦3)が必要であり、このような極めて高いレベルでは、モニタ用センサに対する読取精度はさらに厳しくなる。ところで、色差の要求レベルを各要因に公差配分してセンサの反射率精度に換算すると、1%以下の反射率読取り精度が必要となることが分かっている。
【0016】
センサの読取誤差を生じさせる要因としては様々なものがあるが、読取精度の要求レベルが高くなるのに従って、センサ光源(例えばLED素子)の波長のばらつきが無視できなくなる。汎用的なLED素子は、その製造工程に起因する発光スペクトルのばらつきを有している。この発光スペクトルのばらつきは、低コストであることが大きなメリットであるLED素子を使用する上では避けることができない。
【0017】
発光スペクトルのばらつきの抑制は、LED素子を選別することによって達成されるが、選別のための手間が膨大であることや歩留まりが極端に低下すること等により、LED素子のコストが大幅に増加するので好ましくない。
【0018】
この問題を解決するものとして、着色ガラスをモールド樹脂内に組込んだLED素子が考案されている(特開平8−162676号参照)。この技術では、着色ガラスがバンドバスフィルターとして機能するため、発光スペクトルの半値幅が狭くなり色純度が向上する。しかしながら、着色ガラスやゼラチンフィルター等の吸収フィルターは、波長の選択すなわち波長域が限定的であると共に、制御性に乏しく、さらに透過性や耐久性が制限されるために、要求される高精度な読取精度を得ることができない。
【0019】
ところで、波長選択性や半値幅の制御性に優れた干渉型バンドパスフィルターとして知られている光学フィルターがあるが、この干渉型バンドパスフィルターでも中心波長は数nm〜10nm程度のばらつきを有している。従って、ばらつきを解消できるものではない。
【0020】
また、干渉型バンドパスフィルターを用いることで半値幅による透過帯域を狭くして波長域のばらつきを低減することは可能であるが、透過帯域が狭くなることによる光量の減少により、センサ出力レベルが低下するのでSNが劣化する。この結果、ある程度ばらつきを抑えることはできても、ばらつき以外のノイズ成分が増加するため、精度を上げることができない。
【0021】
さらに、光学フィルターを追加すると、センサに必要とする総コストが増加するので、高コスト化を避けることができない。
【0022】
本発明は、上記事実を考慮して、小型でかつ低コストの光量測定装置及びそれを用いたカラー画像形成装置の提供を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、再現性良く高精度なフルカラー画像品質を維持するために本発明に到達したものであり、本発明では、小型でかつ低コストの画像モニタ用センサを用いて、上下変動する搬送中の用紙上濃度パッチに対して、非接触で高精度のオンラインモニタを行うことが可能な光量測定装置及びそれを用いたカラー画像形成装置を提供するものである。
【0024】
本発明の光量測定装置は、光源により光が照射された対象物からの反射光を受光素子で検出して光量を測定する光量測定装置において、複数の対象物からの反射光量の各々に基づいて、前記光源の発光スペクトルの波長ばらつきに対応する前記受光素子の出力ばらつきを検知すると共に、検知した出力ばらつき量と予め定めた標準検知量との相対値を求める演算手段を含む検知手段と、予め定めた標準対象物からの反射光量を検出すると共に、該反射光量及び前記相対値を用いて出力ばらつき量を前記検知手段で検知した出力ばらつき量に復元し復元した出力ばらつき量に基づいて前記受光素子の出力値を、前記光源の基準発光スペクトルの光照射による出力値となるように補正する補正手段と、を備えている。
【0025】
また、他の発明の光量測定装置は、光源によりスポット光を対象物に照射し、前記対象物からの反射光を集光レンズにより該集光レンズの焦点位置に設けられた受光素子に集光して光量を測定する光量測定装置において、複数の対象物からの反射光量の各々に基づいて、前記光源の発光スペクトルの波長ばらつきに対応する前記受光素子の出力ばらつきを検知すると共に、検知した出力ばらつき量と予め定めた標準検知量との相対値を求める演算手段を含む検知手段と、予め定めた標準対象物からの反射光量を検出すると共に、該反射光量及び前記相対値を用いて出力ばらつき量を復元し復元した出力ばらつき量に基づいて前記受光素子の出力値を、前記光源の基準発光スペクトルの光照射による出力値となるように補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の光量測定装置は、光源により光が照射された対象物からの反射光を受光素子で検出して光量を測定する。また、他の発明の光量測定装置は、反射光量を安定的に受光するための構成として、光源により照射された光による対象物の反射光を集光レンズによりその焦点位置に設けられた受光素子に集光して光量を測定することができる。これらにおいて、対象物はその濃度に応じて反射光量が異なる。そこで、検知手段は、複数の対象物からの反射光量の各々に基づいて、光源の発光スペクトルの波長ばらつきに対応する受光素子の出力ばらつきを検知する。個々の光源には発光スペクトルがあり、各々について波長ばらつきを有している。このため、同一光量であっても、波長ばらつきにより受光素子に出力ばらつきが生じる。従って、対象物からの反射光量は、光源の発光スペクトルの波長ばらつきにより受光素子の出力がばらつく。この場合、標準または基準の発光スペクトルに対しては標準または基準の出力が得られるべきである。そこで、標準または基準の出力からの差異が波長ばらつきに対応する受光素子の出力ばらつきであり、これを検知する。受光素子の出力ばらつきが検知されたので、補正手段は、受光素子の出力値を、光源の基準発光スペクトルの光照射による出力値となるように補正する。すなわち、受光素子の出力のばらつき度合いを検知し、検知したばらつき度合いに応じて出力値を補正する。これによって、光源が発光スペクトルの波長ばらつきを有していても、これを補正でき、発光スペクトルの波長ばらつきに依存しない出力値を得ることができる。
【0027】
本発明の光量測定装置では、前記光源として、発光ダイオードを用いることができる。光量測定装置では光源が果たす役割は大きい。例えば、高精度で測定しようとすると、高価な光源を用いて精度よく光を照射することが考えられるが、高価な光源を用いることによって、光量測定装置が高コスト化する。本発明では、光源の発行スペクトルの波長ばらつきを補正できるので、安価な発光ダイオードを採用することができ、光量測定装置が低コスト化することができる。波長ばらつきに対応する補正量を検知することができるため、小型かつ安価な発光ダイオードを使用する上で避けることのできない発光スペクトルの波長ばらつきに起因したセンサ間出力差(すなわち機差)を補正することができる。この結果、LED等の発光ダイオードを光源として用いた場合にもセンサ間出力差(機差)を考慮する必要はない。
【0028】
なお、光源は、赤色、緑色、青色の可視光発光ダイオードのうち、少なくとも一種類の可視光発光ダイオードを採用することができる。発光ダイオードは、発光スペクトルがRGBフィルタなどによる分光にくらべ帯域が狭いが、入手しやすく波長帯域を特定しやすい。そこで、濃度測定すなわち光量測定に限定すれば、性能的にも必要かつ十分な光源として用いることができる。また、複数の異なる可視光発光ダイオードを用いることで、光源が有する波長帯域を広げることができ、より安定した光を得ることができる。さらに、対象物の色が複数ある場合には、各々の色毎にすなわち波長帯域に応じて光源の波長帯域を対応させることにより、対象物の色あいにあった光源を得ることができる。
【0029】
また、前記受光素子には、フォトダイオードまたはフォトトランジスタを用いることができる。フォトダイオードやフォトトランジスタは、入手しやすく光量に応じた出力値を得易い。そこで、濃度測定すなわち光量測定に限定すれば、性能的にも必要かつ十分な受光素子として用いることができる。
【0030】
本発明の光量測定装置では、前記検知手段として、濃度が既知の異なる校正板を前記複数の対象物として用いて前記受光素子の出力ばらつきを検知することができる。出力ばらつきを検知するには、対象物が特定されていることが好ましい。そこで、濃度が既知の異なる校正板を複数の対象物として用いれば、その反射光量の差から受光素子の出力ばらつきを検知でき、検知したばらつき度合いに応じて受光素子の出力値を補正することで、発光スペクトルの波長ばらつきに依存しない出力値を得ることができる。この校正板には、検知用校正板と比較用校正板とを含むことができる。
【0031】
前記校正板の少なくとも1つは、少なくとも前記光源の発光スペクトルの波長領域に波長依存しない色の校正板を用いることができる。波長依存しない色の校正板により、波長に依存することなく安定的に受光素子の出力を得ることができる。反射光量に波長依存性を有しない色の校正板としてはグレーパッチ等のグレー濃度の対象物がある。このグレーパッチを用いれば、光源の発光スペクトルの波長に略依存することなく、濃度に対応した反射光量を得ることができる。従って、これを基準の校正板に用いることができる。
【0032】
また、前記校正板の少なくとも1つは、少なくとも前記光源の発光スペクトルの波長領域に波長依存する色の校正板を用いることができる。波長依存する色の校正板により、光源の発光スペクトルの波長領域に対応した受光素子の出力を得ることができる。光源は、任意の波長領域である発光スペクトルを有するのが一般的である。その波長領域に対応する波長域(例えば補色域)の校正板を用いることで、光源の発光スペクトルのばらつきが顕著に現れる場合がある。そこで、校正板として、光源の発光スペクトルの波長領域に波長依存する色の校正板を用いることにより、波長依存する受光素子の出力を得ることができ、光源の発光スペクトルのばらつきに、より則した補正が可能となる。
【0033】
前記検知手段は、検知した出力ばらつき量と予め定めた標準検知量との相対値を求める演算手段をさらに備えることができる。検知手段によって、対象物からの反射光量から光源の発光スペクトルの波長ばらつきに対応する受光素子の出力ばらつきを検知できるが、その出力ばらつきは、光源固有のものであるため、対象物の違いにも適用可能である。このためには、出力ばらつきを相対的に用いることが好ましい。そこで、演算手段によって、検知した出力ばらつき量と予め定めた標準検知量との相対値を求めれば、標準検知量に相当する対象物の検知にみによって、容易に補正が可能となる。
【0034】
この場合、前記検知手段が、予め定めた標準板をさらに検知し、前記演算手段は、前記標準板の検知量を標準検知量として演算することが好ましい。すなわち、前記予め定めた標準検知量を、標準板をさらに検知することによって得る。これによって、標準検知量を予め定める必要はなく、検知のみによって実施できる。
なお、前記補正手段は、前記標準対象物として標準白色板を用いることができる。
【0035】
本発明の光量測定装置は、前記相対値を記憶するための記憶手段をさらに備え、前記補正手段は、前記記憶手段に記憶した相対値に基づいて補正することができる。すなわち、予め検知した出力ばらつき量を保持し、これをもとに補正動作時の出力ばらつき量を算出できる。このようにすれば、一度検知した出力ばらつきの検知量を再利用することができる。
【0036】
前記補正手段は、予め定めた濃度における出力ばらつき量の検知結果から、他の濃度域における出力ばらつき量を推定する推定手段と、推定結果に基づいて前記出力値を補正する推定補正手段とを含むことができる。反射光量による検知は、その対象物の濃度によるが、その濃度を多数用意することは煩雑である。一方、濃度と反射光量との間の関係である濃度特性は、予め計測が可能であり、一定の分布になる。このため、推定手段では、予め定めた濃度における出力ばらつき量の検知結果から他の濃度域における出力ばらつき量を推定できる。この推定結果に基づいて推定補正手段が出力値を補正することで、少ない濃度における出力ばらつき量から、発光スペクトルの波長ばらつきに依存しない出力値を得ることができる。
【0037】
前記推定補正手段は、予め定めた線型特性または非線型特性によって推定することができる。前述のように、濃度特性は、予め計測が可能であり、一定の分布になるが、その分布は、線型特性に近似することで演算負荷を軽減でき、また非線型特性に近似することでより繊細な補正を行うことができる。
【0038】
前記光量測定装置を用いれば、容易かつ低コストなカラー画像形成装置を得ることができる。具体的には、出力されたカラー画像を検知して、その検知結果に応じて前記カラー画像の形成条件を制御するカラー画像形成装置において、前記カラー画像を前記形成条件に基づいて複数の色材によって形成する画像形成手段と、前記に記載の光量測定装置を備え、前記複数の色材のうち少なくとも何れかの色材を用いたサンプル画像の光量を検出する検出手段と、前記検出結果に応じて前記形成条件を制御する制御手段と、を備える。
【0039】
カラー画像形成装置では、形成条件に基づいて複数の色材を用いて画像形成手段によりカラー画像を形成する。この形成条件は、カラー画像を検知して定められ、制御手段により制御される。制御手段は、光量測定装置を備えた検出手段により検出された、複数の色材のうち少なくとも何れかの色材を用いたサンプル画像の光量に応じて形成条件を制御する。従って、再現性良く高精度なフルカラー画像品質を維持できる画像形成装置を提供することができる。
【0040】
この場合、前記検出手段は前記画像形成手段の最終工程の下流側に設けることができる。このようにすることによって、出力されたカラー画像自体を容易に利用することができる。
【0041】
また、前記画像形成手段は、色材として、少なくともサイアン、マゼンタ、イエロー、および黒の色材のうち何れかによって前記カラー画像を形成することができる。また、前記校正板は、前記色材のうち少なくともいずれかの色材を用いることができる。
【0042】
また、前記検出手段は、前記色材に対応して前記補正することを選択する選択手段を含むことができる。
【0043】
このように、本発明では、受光素子の出力のばらつき度合いを正確かつ簡便に検知するための検知手段と、検知したばらつき度合いに応じて受光素子の出力の補正を行う補正手段を設けることによって、受光素子の出力ばらつきを補正している。一例として、校正板にトナー単色パッチとグレーパッチを用いてそれぞれ読取り、これらの出力差から理想反射率値とのばらつき量を検知することができ、これをもとに全ての濃度域における補正量を検知することができる。これにより、小型かつ低コストなにLED素子を使用する上で避けることのできないLED発光波長ばらつきに起因したセンサ間出力差(機差)を補正することができる。この結果、LED等の発光ダイオードを光源として用いた場合にもセンサ間出力差(機差)のない高精度オンラインモニタを行えるため、センサの小型化・低コスト化が可能となる。
【0044】
また、初期校正のみにより機差補正が可能なため、装置内に校正板や校正のための機構を設ける必要がなく、画像出力の生産性に対する影響も排除することができる。これによって画像形成装置全体の小型化・低コスト化を図ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は画像形成装置に本発明を適用したものである。
【0046】
図2には、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の要部を示し、特に、電子写真方式による画像出力部イメージアウトプットターミナル(以下、画像出力部IOTという。)の概略構成を示した。本実施の形態の画像形成装置は、画像出力部IOT及び定着画像濃度センサ10を備えており、画像出力部IOTは、レーザ出力部30、現像器32、転写装置34、クリーナ36、スコロトロン帯電器38、定着器40、及び感光体42を備えている。
【0047】
次に、画像出力部IOTにおける画像形成手順を説明する。まず、スキャナ等の画像読取装置(図示せず)で原稿を読み取ったり、外部のコンピュータ等(図示せず)で作成されたりする入力部50(図3)から入力された原画像信号に、画像処理部(図示せず)で適切な処理を行う。これにより得られる入力画像信号は、レーザ出力部30に入力され、レーザ光を変調する。このようにして、入力画像信号によって変調されたレーザ光が、感光体42上にラスタ照射される。
【0048】
感光体42はスコロトロン帯電器38で一様に帯電され、一様に帯電された感光体42に、レーザ光が照射されると、その表面に入力画像信号に対応した静電潜像が形成される。そして、現像器32により静電潜像がトナー現像され、転写装置34によって現像されたトナー像が用紙P上に転写され、定着器40によって定着される。その後、感光体42はクリーナ36によりクリーニングされ、一回の画像形成動作が終了する。定着画像濃度センサ10は、定着器40の下流側に設置されており、定着後の画像濃度を検出する。
【0049】
次に、定着画像濃度センサ10の検知結果をもとに、帯電量、露光量、現像バイアス、現像ロール回転数、トナー供給係数等の操作量を制御して所望の画像品質を得る過程を、図3の画像形成装置の制御にかかる要部のブロック図と共に説明する。
【0050】
図3に示すように、画像形成装置は、装置内を統括制御するためのCPU66を有している。また、画像形成装置は、機能的に、画像制御部56及び画像出力部68とに分類されている。画像制御部56は、色変換制御部60、画像濃度制御部62、及び基準画像信号発生部64から構成されており、画像出力部58は、コントロール部58A及び機構部58Bから構成されている。画像出力部58のコントロール部58Aは、色変換処理部68、光量コントローラ70、現像コントローラ72、及びグリッド電源74から構成されており、機構部58Bは、露光ユニットとして機能するレーザ出力部30、現像器32及び帯電器38を含んで構成されている。
【0051】
色変換制御部60は、入力部50から入力される入力画像信号について色変換マトリクスの変換係数を補正制御するためのものである。画像濃度制御部62は、帯電量、露光量、現像バイアス、現像ロール回転数、トナー供給係数等の操作量を制御するためのものである。基準画像信号発生部64は、予め定めた基準画像信号を発生するためのものである。色変換処理部68は、変換係数による色変換マトリクスによって入力画像信号を、出力画像信号に変換するものである。光量コントローラ70は、出力画像信号を、その画素値に応じてパルス幅変調されたレーザオンオフ信号に変換するものであり、レーザオンオフ信号は露光ユニットであるレーザ出力部30に出力される。すなわち、光量コントローラ70は、レーザ出力部30から射出されるレーザ光の光量を制御するためのものである。現像コントローラ72は、現像バイアス、現像ロール回転、及びトナー供給量等を制御するためのものである。グリッド電源74は、スコロトロン帯電器38のグリッド電圧を制御するためのものである。
【0052】
画像形成装置の制御動作の一例を説明する。まず、画像濃度制御部62からの指示により基準画像信号発生部から基準画像信号が画像出力部58に出力され、サンプル画像として用紙P上に各色のカラーパッチが形成される。次に、定着画像濃度センサ10によってカラーパッチの定着画像濃度が測定され、その検出値が画像濃度制御部62に送られる。画像濃度制御部62では、測定された定着画像濃度と、予めメモリ内にある基準画像の定着画像濃度目標値との差異に応じて、帯電量、露光量、現像バイアス、現像ロール回転数、トナー供給係数のうち少なくとも何れかの操作量を用いて画像出力部58を制御することにより、所望の画像品質を得ることができる。
【0053】
また、測定された定着画像濃度と、予めメモリ52内にある基準画像(基準パターン)の定着画像濃度目標値との差異に応じて、各変換処理部にフィードバックして、色変換マトリクスの変換係数を補正することにより、所望の画像品質を得ることも可能である。
【0054】
次に、定着画像濃度センサ10を説明する。本実施の形態では、定着画像濃度センサ10は各トナー単色(例えば、イエロー、マゼンタ、サイアン、黒)に対応して4組を備えている。図5に示すように、定着画像濃度センサ10は、LED12B,12G,12R,12K、集光レンズ(図示省略)、フォトダイオード18B,18G,18R,18Kを各々有するセンサブロックから構成されている。各色の濃度パッチを各トナー単色に対応させてイエローパッチ24Y、マゼンタパッチ24M、サイアンパッチ24C、黒パッチ24Kとしたとき、LED12の光源色(光源スペクトル)を各トナー単色の補色、すなわち青、緑、赤とすれば、各色濃度検出精度を向上させることができる。
【0055】
これら濃度パッチに対応されたセンサブロックの一例は、図4に示すように、ブロック取付部材10Pに取り付けたものがある。センサブロック10BはLED12B、集光レンズ14B及びフォトダイオード18Bを有しており、センサブロック10GはLED12G、集光レンズ14G及びフォトダイオード18Gを有しており、センサブロック10RはLED12R、集光レンズ14R、フォトダイオード18Rを有しており、センサブロック10KはLED12K、集光レンズ14K、フォトダイオード18Kを有している。なお、ブロック取付部材10Pに、用紙Pに対して垂直方向(図4の矢印H方向)に広げられた長穴25を複数箇所(4箇所)設け、定着画像濃度センサ10を全体的に上下調整(図4の矢印H方向に移動)が可能とされ、個々のセンサブロック10B、10G、10R、10Kも長穴26により調整が可能とされている。
【0056】
これらセンサブロックは略同様の構成のため、以下の説明では、特記しないかぎり、1色についてのセンサブロックを定着画像濃度センサ10として説明する。なお、この場合、符号の英字部分は省略して説明する。
【0057】
図10には、1色についての定着画像濃度センサ10の概略構成を示した。定着画像濃度センサ10は、LED(発光ダイオード)12を備えており、その射出側には表面にカラーパッチ24が形成されたサンプル画像25が位置している。LED12は、サンプル画像25に対して理想的には45度傾けられることが好ましい。LED12によるカラーパッチ24の反射側には、集光レンズ14及びフォトダイオード18が位置しており、フォトダイオード18は集光レンズ14を介してサンプル画像25のカラーパッチ24の表面からの反射光を受光する。なお、フォトダイオード18は、ケーシング内部に実質的に光を受光する受光素子16を備えている。
【0058】
なお、上記定着画像濃度センサ10は本発明の光量測定装置に相当し、カラーパッチ24は本発明の対象物に相当し、フォトダイオード18は本発明の受光手段に相当し、LED12は本発明の光源に相当する。また、画像制御部56の一部の構成は、本発明の補正手段及び検知手段の一部に相当する。
【0059】
図6には、濃度パッチと光源のスペクトルの関係を示した。黒パッチ用光源は、原理的には青、緑、赤または白色のいずれの光源色を用いても良く、本実施の形態では、受光素子の感度が高く、比較的安価である赤色LEDを採用している。
【0060】
ここで、紙面P等の媒体が変位しても、その変動量に依存することなくセンサ出力が一定となる原理について説明する。なお、この原理については、特開平10−175330号公報にも詳細に説明されている。
【0061】
図10に示すように、LED12から照射された光は、用紙P上濃度パッチ24の表面で略完全拡散反射される。これらの反射光を、集光レンズ14を介して集光レンズ14の後方のフォトダイオード18の受光素子16に入射させる。ここで、受光素子16を集光レンズ14の後側焦点面の位置に設けることにより、濃度パッチ24による反射光のうち、レンズ光軸方向に対して特定の角度範囲内にある光線のみが受光素子16に入射する。この特定された入射光線の角度は、集光レンズと紙面との間の距離に依存しないため、濃度パッチからの反射光量は常に一定に維持される。
【0062】
図7には基本原理図を示した。図中、集光レンズ14について中心をO、前側焦点をFa、後側焦点をFb、前側焦点距離をfa、後側焦点距離をfbとし、受光素子の端点をC、Fb−C間距離をr、とする。また、便宜上集光レンズ14は収差がなく、厚みはゼロ、幅は無限大と仮定している。
【0063】
ここで、紙面上の濃度パッチ24における反射点Ai(i=1,2,3,・・・)から反射して、集光レンズ14を通して結像面で結像される点Bi(i=1,2,3,・・・)までの光線を考える。この場合、反射点Aiにおいて、受光素子16の端点Cを通る光線と、後側焦点Fbを通る光線とのなす角度Siは、他のパラメータに全く依存せず、常に一定となる。すなわち、図7においては、紙面上の反射点A1やA2がどの位置にあっても、角度s1とs2は常に等しくなる。
【0064】
図8には、上記説明した原理による定着画像濃度センサ10の実際の出力特性を示した。横軸aは紙面変動距離であり、縦軸Vは光電変換素子の出力である。図から理解されるように、センサ出力は紙面変動量が数mmの間で略一定となる平坦部を有しており、紙面変動量が数mm程度あっても、出力の変化量は△E≦3相当である0.2%以下に抑えられている。
【0065】
次に、図9を参照してレンズ幅が有限である場合を説明する。センサ出力がもっとも制約を受けると考えられるのは、レンズ光軸に垂直な方向に対してである。反射点位置がレンズ幅よりも外側にあると、反射光は集光レンズ14のエッジでけられるので、受光素子16に到達する光量が減少する。また、光量が一定となる反射光はレンズ光軸に対して片側で角度sだけ広がって集光レンズ14に入射するため、この広がりを見込む必要がある。これにより、出力が一定になる反射点位置範囲tは以下のように示すことができる。
【0066】
t≦u−2d
ここで、uは集光レンズ14のレンズ幅、dは角度sで広がった反射光の集光レンズ14の位置における幅である。但し、幅dの値は受光素子16や集光レンズ14の仕様により決まる数字で、一般的にはレンズ幅uの1/10以下であるため、反射点位置範囲は基本的に集光レンズ14のレンズ幅で決定される。この条件を満たすためには、レンズ幅uに比べて十分小さい範囲内に反射点、すなわち照射光のスポットエリアを設定すれば良い。
【0067】
ここで、光源として可視光のLEDを用いることにより、低コストかつ小型のセンサを得ることができるが、読取精度の要求レベルが高くなるのに伴い、LEDの発光波長ばらつきによる影響が無視できなくなる。カタログ等によれば、ブルーやグリーンのLEDの場合、ビーク波長で約20nm程度のばらつきを有している。また、メーカー側で予め波長を分類したLEDを入手できたとしても、約10mm程度はばらつくことがわかっている。図11には、ブルーLEDの発光スペクトルのばらつきを示した。このように、実際に入手可能なLEDの発光スペクトルは、ばらつきを有している。
【0068】
次に、発光スペクトルのばらつきによるセンサ出力の影響を説明する。一般的に、分光学的な観点から反射型光学センサの出力は、光源の発光スペクトル、対象物の反射スペクトル、及び受光部の分光感度を各波長毎に掛け合わせ、それらを波長に関して積分することによって得られることが知られている。これらの各スペクトルの関係を図12に示す。ここで、光源はブルーLED、対象物はイエロー単色のハイライト・ミッド・シャドーの各濃度パッチ、受光部はSiフォトダイオードである。
【0069】
このとき、対象物であるイエローパッチの反射スペクトルは、理想とは異なり補色領域においても緩やかに変化している。このため、本来補色であるはずのブルーの発光スペクトル領域においても、反射スペクトルカーブが勾配を有しているため、その掛け合わせによって得られるはずであるセンサ出力値は発光スペクトルの波長方向のずれ(例えばピーク波長のずれ)に影響を受けることになる。
【0070】
このように、LEDは発光ばらつきを有しているため(図11参照)、同色であっても異なるLEDのもとでは同じ濃度や色のパッチを読取ってもセンサ出力値が変動する。すなわち、センサ間出力差(機差)を生じることになる。機差の程度としては、図11に示したばらつきに対し、センサの反射率として最大で5%以上のばらつきを示すことになる。これは色差△Eで10以上に相当する値である。
【0071】
また、この機差量は読取対象であるパッチ(対象物)の濃度に依存して変動するため、一律に補正することが難しい。これは、発光スペクトル領域におけるパッチ反射スペクトルのカーブ形状が濃度ごとに微妙に異なることに起因しており、機差への影響の度合いも濃度ごとに変化するためである。
【0072】
このように、複雑な挙動を示す出力ばらつきを補正することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、出力ばらつきの補正を、第1段階として、センサ出力のばらつき度合いを正確かつ簡便に検知すること、第2段階として、検知したばらつき度合いに応じてセンサ出力補正を行うこと、の2段階に分けて段階的に行っている。以下、説明を簡単にするため、ブルーLEDを用いてイエローのパッチを読取る場合についての具体例を説明する。なお、ブルーLEDを用いてイエローのパッチを読取る場合を説明するが、他のLEDや他のパッチに適用できることはいうまでもない。
【0073】
図1には、出力ばらつきの補正処理の流れをフローチャートとして示した。図1では、段階的に行う出力ばらつきの補正について、第1のセンサ出力のばらつき度合いを正確かつ簡便に検知することを初期校正によるばらつき検知として示し(図1のステップ100〜110)、第2にのばらつき度合いに応じてセンサ出力補正を行うことをセンサ出力補正として示した(図1のステップ112〜118)。
【0074】
図1のステップ100では、検知用校正板であるイエローパッチを読み取って出力値R(Yc)を得て、次のステップ102で比較用校正板であるグレーパッチを読み取って出力値R(Gc)を得る。次のステップ104では、ステップ100及び102で得た出力値の出力差から初期時点での反射率差△Rを求める。
【0075】
この反射率差△Rの値をこのまま絶対値として保持した場合には、LED光量や回路ゲインなどの経時変化によってセンサ出力レベルが初期値から変化する場合がある。そこで、次のステップ106では白色用紙などの常時読取り可能な標準白色板の反射率を読み取って出力値R(W)を得る。そして次のステップ108では、上記ステップ104で求めた反射率差△Rの値を、ステップ106で読み取った標準白色板の反射率値(出力値R(W))に対する相対比率(△R/R(W))として求め、次のステップ110においてその相対値(△R/R(W))をメモリに保持する。すなわち、反射率差△Rの値を、白色用紙などの常時読取り可能な標準白色板の反射率値に対する相対比率としてメモリに保持する。
【0076】
次のステップ112では、サンプル画像(本実施の形態ではイエローパッチ)を読み取って出力値R(Ys)を得る。次のステップ114では、白色用紙などの標準白色板の反射率を読み取って現時点における出力値R’(W)を得る。そして、次のステップ116において、上記ステップ110で保持した相対値を読み出し出力値R’(W)に乗算することによって、反射率差△Rを復元する。すなわち、機差補正を行う場合には、その時点で用紙白などの標準白色板の反射率値である出力値R’(W)を検知して、これにメモリ内に保持した相対値である相対比率(△R/R(W))の値を掛けてやれば変動を相殺することができる。これは、一般的に、LEDの発光原理が半導体におけるキャリアのバンド間遷移によることから考えると、光量変化に比べると発光スペクトルの経時変化はほとんどないものと考えられるため、相対値を保持する限り、経時的な変動は無視することができる。
【0077】
次のステップ118では、上記ステップ116で復元した反射率差を用いてサンプル画像の読み取り値を補正する。詳細は後述するが、復元した反射率差△Rから全濃度域での反射率差△Rを求め、ステップ112で読み取ったサンプル画像の濃度(出力値R(Ys))に対応する反射率差△R’(Ys)を求める。そして、ステップ112で読み取ったサンプル画像の濃度(出力値R(Ys))から反射率差△R’(Ys)を減算することで、補正した反射率差△Rを求めて出力する。
【0078】
以上の手順によって、初期校正のみによって各センサに固有の機差量を保持できるため、経時変化によらず常に適正な反射率差△Rの値を得ることができる。
【0079】
上記処理を詳述すると、出力ばらつきの補正の第1段階である、ばらつき量の検知では、各濃度における理想的な反射率と実際の反射率の差△Rを検知する(ステップ100〜104)。ここで、理想的な反射率の求め方としては、統計的に意味を有する程度の数量のLEDを用いて、平均的な反射率を算出することが考えられるが、環境や測定条件によってLED光量が変動するため測定値の出力レベルが変動する。このため、測定値の出力レベルが変動するたびに測定やデータ処理などを行わねばならず、実際の作業が膨大になり現実的でない。
【0080】
そこで、本実施の形態では、検知用校正板であるイエローパッチの読み取りと、比較用校正板として発光ばらつきによらず常に一定のセンサ出力を示すカラーパッチを準備して、これらの読取りを行い比較する。これらの反射率の差から、発光スペクトルのばらつき度合いを検知する。
【0081】
上記、常に一定のセンサ出力を示すためには、少なくともLED発光スペクトル領域においてブロードな反射スペクトルを有する必要があるが、この代表的な例としてグレーパッチがある。図13には、グレーパッチの各濃度の反射スペクトルを示した。このグレーパッチを読取る場合には、発光スペクトルのばらつきがあってもセンサ出力への影響はない。このとき、本実施の形態で用いているイエローパッチにおける理想的な反射率と同様の反射率を示すように、グレーパッチの濃度を選定しておけば、そのグレーパッチとイエローパッチを読取ったときの反射率差が△Rそのものとなる。この場合、短時間内に両パッチの読取りを行うことができれば、環境や測定条件による変動は無視することができるため、センサ出力のばらつき度合いを正確かつ簡便に検知することが可能となる。
【0082】
以上により、任意の濃度(本実施形態で用いた校正板の濃度:Dc)における反射率差△R(Dc)を求めることができる。
【0083】
しかしながら、実際の反射率差△Rは濃度(反射率)に依存して変動する。このため、全ての濃度(反射率)に渡って反射率差△Rを求めなければならないが、それらの作業を行うことは効率的でない。そこで、本実施の形態では、任意の濃度(反射率)における△R(Dc)を用いて、全ての濃度域で補正を可能にする反射率差△Rの導出を可能にしている。
【0084】
図14には、反射率差△Rの反射率依存性を示した。縦軸は反射率差△Rのピーク値を100%とした相対値である。反射率差△Rは濃度(反射率)によって変化することは既に述べた。ところが、そのメカニズムから考えると、発光スペクトル領域におけるパッチ反射スペクトルの曲線形状の濃度(反射率)による変化が常に同じであれば、反射率差△Rの反射率依存性は変化しないはずである。すなわち、画像形成装置で同じトナーを用いている限り、反射率差△Rの反射率依存性には再現性があることになる。以上のことから、任意の濃度における反射率差△R(Dc)が正確に検知できれば、全ての濃度域での反射率差△Rを推定することができる。そこで、本実施の形態では、パッチ反射スペクトルの曲線形状を関数や多項式によって予め記憶している。従って、任意の濃度における反射率差△R(Dc)が正確に検知できれば、パッチ反射スペクトルの曲線形状から、全濃度域における反射率差△Rを求めることができ、補正すなわち理想の反射率値への補正が可能となる。
【0085】
すなわち、反射率差△Rは反射率に対して非線型な変化を示すため(図14)、この特性の曲線の近似式を求めておき、非線型な補正をかけることにより、出力ばらつきを略完全になくすことができる。
【0086】
なお、この場合は用いる校正板の濃度によって、補正の効果は異なったものになる。一般的には、読取り反射率目標値が最も厳しい濃度域(例えばシャドー領域など)の校正板を用いた方がより効果的であるが、反射率差△Rの反射率依存は曲線形状との兼ね合いによって最適な校正板濃度を選択すれば良い。
【0087】
上記の非線型な補正は、処理が複雑になるため、より簡便な方法として、直線近似によって補正することができる。直線近似による補正は、反射率差△Rの反射率依存性の曲線形状や補正目標レベルによっては有効である。
【0088】
図15には直線近似による補正結果を示した。ここでは、校正板として用いるイエローパッチの濃度をハイライト・ミッド・シャドーとした場合の違いも示している。この結果、濃度がミッドまたはシャドーの校正板を用いた場合に反射率機差は1%以下になることが理解される。
【0089】
次に、校正板による反射率差△R(Dc)の検知タイミングについて説明する。LEDの光量が経時変化等によって変化することを考慮すると、機差補正を行うたびに反射率差△R(Dc)の検知を行うことが望ましい。ただし、常時この校正(反射率差△R(Dc)の検知)を行うためには、本センサがオンラインモニタあることを考えると、校正板自体はもちろん、これを読取るための機構も含めて装置内に設置する必要があり、コストやサイズに対して影響を及ぼすと考えられる。また、この校正作業によって装置自体の基本性能である画像出力の生産性に対して影響するおそれがある。従って、装置全体として考えると、機差補正として校正作業を常時行うことは好ましくない。
【0090】
そこで、本実施の形態では、常時校正板を用いなくとも機差補正を可能にしている(ステップ100〜110)。これによれば、センサの組立検査時などに校正作業を行うことにより、装置内にセンサを組込む以前に反射率差△R(Dc)の検知を行うことができるため、装置内に校正に必要な機構を設置する必要がない。
【0091】
すなわち、初期校正作業として検知用校正板であるイエローパッチと比較用校正板であるグレーパッチの読取りを行い、これらの出力差から初期時点での反射率差△R(Dc)を求める(ステップ100〜104)。反射率差△R(Dc)の値をこのまま絶対値として保持すると、LED光量や回路ゲインなどの経時変化によってセンサ出力レベルが初期値から変化する場合がある。そこで、この反射率差△R(Dc)の値を、用紙白などの常時読取り可能な標準白色板の反射率値に対する相対比率としてメモリに保持しておく(ステップ106〜110)。そして、機差補正を行う場合には、その時点で用紙白などの標準白色板の反射率値を検知して(ステップ112〜114)、これにメモリ内の相対値を乗算することにより(ステップ116)、変動をキャンセルすることができる。一般的には、LEDの発光原理が半導体におけるキャリアのバンド間遷移によることから考えると、光量変化に比べると発光スペクトルの経時変化は殆どないものと考えられるため、相対値として保持する限り、経時的な変動は無視することができる。
【0092】
以上の手順によって、初期校正のみによって各センサに固有の機差量を保持できるため、経時変化によらず常に適正な△R(Dc)の値を得ることができる。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態ではセンサ出力のばらつき度合いを正確かつ簡便に検知し、検知したばらつき度合いに応じてセンサ出力の補正を行うので、小型かつ低コストなLED素子を使用する上で避けることのできなかった、LED発光波長ばらつきを補正することが可能となった。
【0094】
この結果、小型・低コストの画像モニタ用センサを用いて、センサ間出力差(機差)のない高精度オンラインモニタを行えるため、再現性良く高精度なフルカラー画像品質を維持できる画像形成装置を提供することが可能となった。
【0095】
なお、本実施の形態では、常に一定のセンサ出力を得るカラーパッチとしてグレーパッチを用いた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともLED発光スペクトル領域においてブロードな反射スペクトルを有するパッチ(校正板)であればよい。
【0096】
また、本実施の形態では、校正板としてイエローパッチを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、出力のばらつき量を感度良く検知するために、発光スペクトル領域においてより顕著な出力差が得られるような反射スペクトル形状を示す特殊色の校正板を用いてもよい。
【0097】
また、本実施の形態では、全濃度域の反射率差△Rの補正として、検知した反射率差△R(Dc)をもとに反射率に対する直線近似による線型な補正を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、検知した反射率差△R(Dc)をレベルによってクラス分けを行い、クラス毎に準備したLUTにより補正を行ってもよい。また、非線型な補正を行ってもよい。
【0098】
また、本実施の形態では、初期校正により反射率差△R(Dc)を検知した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コスト・スペース等に問題がなければ、常時校正または一定期間毎に校正するようにしてもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、光源として可視光LEDを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可視光以外のLEDを光源に用いてもよい。
【0100】
また、本実施の形態では、サンプル画像を用いて定着画像濃度の検知を行っているが、読み取り用のサンプル画像を予め用意することなく、画像信号等から判断するなどして、通常の出力画像を用いて定着画像濃度検知を行ってもよい。
【0101】
また、本実施の形態では、センサからの検知情報に基づいて、帯電量、露光量、現像バイアス中現像ロール回転数、トナー供給係数のうち少なくともいずれかの操作量により制御しているが、これ以外の操作量を用いてもよい。また、本センサからの検知情報を用いる制御対象としては、画像濃度制御用以外の制御であってもよい。
【0102】
また、本実施の形態では、検知した値を目標値との差異に応じた単純フィードバック制御を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これ以外の制御方法、すなわちファジー制御やニューロ制御、また学習推論型制御などの制御方法であってもよい。
【0103】
また、本実施の形態では、色変換マトリクスの変換係数を補正することより色変換処理を制御しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これ以外の方法として、例えば各色の階調性制御により補正を行つてもよい。
【0104】
また、本実施の形態では、用途として本センサからの検知情報を用いて何らかの制御を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これ以外の用途、例えば判断や警告表示等であってもよい。
【0105】
また、本実施の形態では、画像形成として静電転写方式を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の画像形成方式すなわちインクジェット方式、感熱フィルム方式などであってもよい。
【0106】
以上説明したように、本実施の形態では光軸光路の位置関係を最適化するための機構を設けることによって、低コストなLED素子を使用する上で避けることのできなかった、光源の発光スペクトルのばらつきを補正することが可能となった。
【0107】
この結果、小型・低コストの画像モニタ用センサを用いて、上下変動する搬送中の用紙上濃度パッチに対して非接触で高精度のオンラインモニタを行えるため、再現性良く高精度なフルカラー画像品質を維持できる画像形成装置を提供することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検知手段によって受光素子の出力のばらつき度合いを正確かつ簡便に検知し、検知したばらつき度合いに応じて補正手段が受光素子の出力を補正するので、小型かつ低コストな光源を使用する上で避けることのできない発光波長ばらつきを補正することが可能となった。これにより、LED等の発光ダイオードを光源として用いた場合にもセンサ間出力差(機差)のない高精度オンラインモニタを行えるため、センサの小型化・低コスト化が可能となった。
【0109】
また、小型・低コストの光量測定用センサを画像形成装置内の画質制御用画像モニタとして用いることによって高精度のオンラインモニタを行えるため、再現性良く高精度なフルカラー画像品質を維持できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における、出力ばらつきの補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】 本実施の形態における画像形成装置における画像出力部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 本実施の形態における画像形成装置の画像制御部を含めた全体ブロック図である。
【図4】 複数のセンサブロックを備えた定着画像濃度センサの概略構成を示すブロック図である。
【図5】 トナー単色のカラーパッチとセンサとの組み合わせの説明図である。
【図6】 イエロー・マゼンタ・サイアンの各カラーパッチの反射スペクトル、及びRGB各色のLED発光スペクトルの関係を示す特性図である。
【図7】 定着画像濃度センサ周辺の光学系の原理説明図である。
【図8】 定着画像濃度センサによる測定結果を示す線図である。
【図9】 定着画像濃度センサにおける照射領域範囲の説明図である。
【図10】 本実施の形態にかかる定着画像濃度センサの概略構成を示すブロック図である。
【図11】 ブルーLEDの発光スペクトルのばらつきを示す線図である。
【図12】 光源の発光スペクトルと対象物の反射スペクトルと受光部の分光感度の関係を示す線図である。
【図13】 グレーパッチ各濃度の反射スペクトルを示す線図である。
【図14】 反対率差(△R)の反射率特性を示す線図である。
【図15】 反射率差(△R)の直線近似によるセンサ出力ばらつき補正結果を示す線図である。
【符号の説明】
10 定着画像濃度センサ(光量測定装置)
12 LED(光源)
14 集光レンズ
18 フォトダイオード(受光素子)
56 画像制御部(検知手段、補正手段)

Claims (14)

  1. 光源により光が照射された対象物からの反射光を受光素子で検出して光量を測定する光量測定装置において、
    複数の対象物からの反射光量の各々に基づいて、前記光源の発光スペクトルの波長ばらつきに対応する前記受光素子の出力ばらつきを検知すると共に、検知した出力ばらつき量と予め定めた標準検知量との相対値を求める演算手段を含む検知手段と、
    予め定めた標準対象物からの反射光量を検出すると共に、該反射光量及び前記相対値を用いて出力ばらつき量を前記検知手段で検知した出力ばらつき量に復元し復元した出力ばらつき量に基づいて前記受光素子の出力値を、前記光源の基準発光スペクトルの光照射による出力値となるように補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする光量測定装置。
  2. 光源によりスポット光を対象物に照射し、前記対象物からの反射光を集光レンズにより該集光レンズの焦点位置に設けられた受光素子に集光して光量を測定する光量測定装置において、
    複数の対象物からの反射光量の各々に基づいて、前記光源の発光スペクトルの波長ばらつきに対応する前記受光素子の出力ばらつきを検知すると共に、検知した出力ばらつき量と予め定めた標準検知量との相対値を求める演算手段を含む検知手段と、
    予め定めた標準対象物からの反射光量を検出すると共に、該反射光量及び前記相対値を用いて出力ばらつき量を復元し復元した出力ばらつき量に基づいて前記受光素子の出力値を、前記光源の基準発光スペクトルの光照射による出力値となるように補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする光量測定装置。
  3. 前記光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1または2に記載の光量測定装置。
  4. 前記検知手段は、濃度が既知の異なる校正板を前記複数の対象物として用いて前記受光素子の出力ばらつきを検知することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光量測定装置。
  5. 前記校正板の少なくとも1つは、少なくとも前記光源の発光スペクトルの波長領域に波長依存しない色の校正板であることを特徴とする請求項4に記載の光量測定装置。
  6. 前記校正板の少なくとも1つは、少なくとも前記光源の発光スペクトルの波長領域に波長依存する色の校正板であることを特徴とする請求項4または5に記載の光量測定装置。
  7. 前記補正手段は、前記標準対象物として標準白色板を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の光量測定装置。
  8. 前記検知手段は、予め定めた標準板をさらに検知し、前記演算手段は、前記標準板の検知量を標準検知量として演算することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の光量測定装置。
  9. 前記相対値を記憶するための記憶手段をさらに備え、前記補正手段は、前記記憶手段に記憶した相対値に基づいて補正することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の光量測定装置。
  10. 前記補正手段は、予め定めた濃度における出力ばらつき量から、他の濃度域における出力ばらつき量を推定する推定手段と、推定結果に基づいて前記出力値を補正する推定補正手段とを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の光量測定装置。
  11. 前記推定補正手段は、予め定めた線型特性または非線型特性によって推定することを特徴とする請求項10に記載の光量測定装置。
  12. 出力されたカラー画像を検知して、その検知結果に応じて前記カラー画像の形成条件を制御するカラー画像形成装置において、
    前記カラー画像を前記形成条件に基づいて複数の色材によって形成する画像形成手段と、
    請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の光量測定装置を備え、前記複数の色材のうち少なくとも何れかの色材を用いたサンプル画像の光量を検出する検出手段と、
    前記検出結果に応じて前記形成条件を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  13. 前記検出手段は、前記画像形成手段の最終工程の下流側に設けたことを特徴とする請求項12に記載のカラー画像形成装置。
  14. 前記検出手段は、前記色材に対応して前記補正することを選択する選択手段を含むことを特徴とする請求項12または13に記載のカラー画像形成装置。
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