JP3691764B2 - オートクレーブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡を消毒、滅菌するためのオートクレーブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オートクレーブ装置による消毒・滅菌はランニングコストが安価、有害物質の発生が無い等の理由から、多分野に広く浸透し、硬性の内視鏡の消毒・滅菌にも用いられている。上記オートクレーブ装置は、消毒・滅菌の工程では槽内が高圧・高湿になるばかりでなく、又上記工程の前に槽内を真空状態とし、水蒸気の流入を促進しているものもある。
【0003】
例えば、特開平5−285103号公報では、内視鏡を収納し、高温、高圧の蒸気によって内視鏡を消毒及び滅菌を行う槽と、前記槽内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の出力信号に応じて、前記槽内に収納される内視鏡の圧力を制御する圧力制御手段と、を備えることにより、前記圧力制御手段により内視鏡の圧力を制限して内視鏡内部に悪影響を及ぼさない状態に保持して消毒及び滅菌などを行えるオートクレーブ装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、オートクレープ装置はその行程内容がユーザによってある程度変更できるようになっているものが多い。その行程の設定によっては、全体の行程時間を短くできるなどの利点もある反面、内視鏡の耐久性が落ちる可能性もある。
【0005】
しかしながら、先行技術では、オートクレーブ装置のチャンバ内圧力と内視鏡内の圧力との調整で内視鏡の耐久性を確保する例が述べられているが、行程のバリエーションと内視鏡の耐久性との関連が述べられていない。
【0006】
また、先行技術では、内視鏡内部気体の乾燥状態の制御について述べられていない。内視鏡をオートクレーブした後の、内視鏡内部の乾燥状態は、内視鏡の耐久性に大きく関わる。湿気が多く残っていると、耐久性が低下する傾向がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、オートクレーブ行程のパリエーションによる内視鏡の耐久性劣化を防ぐことのできるオートクレーブ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるオートクレーブ装置は、情報を読み書き可能な記憶部を有する内視鏡を収納し、蒸気で加温加圧して前記内視鏡を滅菌する滅菌工程と、前記蒸気で加湿された前記内視鏡を乾燥する乾燥工程とを実施するオートクレーブ装置において、
実施された前記工程のうち少なくともオートクレーブ実施回数を含む条件を来歴情報として前記記憶部に書き込む書き込み手段と、前記記憶部に記憶された前記来歴情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段で読み取る前記来歴情報に基づき、前記工程に関する条件を算出する工程条件算出手段と、前記工程条件算出手段の算出結果から実施工程を推奨する推奨工程を告知する告知手段と、前記告知手段により告知された前記推奨工程を選択する選択手段と、を具備して構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0010】
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は内視鏡装置の構成を示す構成図、図2は図1の内視鏡をオートクレーブ滅菌処理するオートクレーブ装置の構成を示す構成図、図3は図2のオートクレーブ装置によるオートクレーブ工程の時間的流れを示す図、図4は図2のオートクレーブ装置によるオートクレーブ工程の流れを示すフローチャートである。
【0011】
図1に示すように、内視鏡装置1は撮像手段を備えた内視鏡2と、内視鏡2に着脱自在に接続されて内視鏡2に設けられたライトガイドに照明光を供給する光源装置3と、内視鏡2と信号ケーブル4を介して接続されて内視鏡2の撮像手段を制御すると共に撮像手段から得られた信号を処理するビデオプロセッサ5と、ビデオプロセッサ5から出力される被写体像に対応する映像を表示するモニタ6から構成されている。内視鏡2は観察や処置に使用された後には、洗滌された後に高圧蒸気滅菌にて滅菌を行うことが可能に構成されている。
【0012】
内視鏡2は可撓性を有する細長の挿入部7と、挿入部7の基端側に接続された操作部8と、操作部8の側部から延出した可撓性を有する連結コード9と、連結コード9の端部に設けられた前記光源装置3と着脱自在に接続されるコネクタ部10と、コネクタ部10の側部に設けられた前記ビデオプロセッサ5と接続された前記信号ケーブル4が着脱自在に接続可能な電気コネクタ部11とを有している。電気コネクタ部11には内視鏡2の内部と外部とを連通する図示しない通気部が設けられている。
【0013】
挿入部7と操作部8の接続部には接続部の急激な曲がりを防止する弾性部材を有する挿入部側折れ止め部材12が設けられており、操作部8と連結コード9の接続部には同様の操作部側折れ止め部材13と、連結コード9とコネクタ部10の接続部には同様のコネクタ部側折れ止め部材14とが設けられている。
【0014】
挿入部7は可撓性を有する柔軟な可撓管部15と、可撓管部15の先端側に設けられ操作部8の操作により湾曲可能な湾曲部16と、先端に設けられ図示しない観察光学系、照明光学系などが配設された先端部17から構成されている。
【0015】
先端部17には送気操作、送水操作によって図示しない観察光学系の外表面の光学部材に向けて洗濠液体や気体を噴出するための送気送水ノズル18と、挿入部7に配設された処置具を挿通したり体腔内の液体を吸引するための図示しない処置具チャンネルの先端側の開口である吸引口19が設けられている。また、観察対象物に向けて開口した液体を噴出するための送液口20とが設けられている。
【0016】
コネクタ部10には光源装置3に内蔵された図示しない気体供給源と着脱自在に接続される気体供給口金21と、液体供給源である送水タンク22と着脱自在に接続される送水タンク加圧口金23及び液体供給口金24とが設けられている。また、前記吸引ロ19より吸引を行うための図示しない吸引源と接続される吸引口金25が設けられている。
【0017】
また、送液口20より送水を行うための図示しない送水手段と接続される注入口金26が設けられている。
【0018】
また、高周波処置等を行った際に内視鏡に高周波漏れ電流が発生した場合に漏れ電流を高周波処置装置に帰還させるためのアース端子口金27が設けられている。
【0019】
操作部8には送気操作、送水操作を操作する送気送水操作ボタン28と吸引操作を操作するための吸引操作ボタン29と、前記湾曲部の湾曲操作を行うための湾曲操作ノブ30と、前記ビデオプロセッサ5を遠隔操作する複数のリモートスイッチ31、前記の図示しない処置具チャンネルに連通した開口である処置具挿入口32が設けられている。
【0020】
内視鏡2の電気コネクタ部11には圧力調整弁付きの防水キャップ33が着脱自在に接続可能である。防水キャップ33には圧力調整弁33aが設けられている。
【0021】
高圧蒸気滅菌の際には前記内視鏡2を収納する滅菌用収納ケース34を用いる。滅菌用収納ケース34はトレイ35と、蓋部材36から構成されている。トレイ35と蓋部材36には複数の図示しない通気孔が設けられており、この通気孔を通じて水蒸気が透過できるようになっている。
【0022】
コネクタ部10には内視鏡2の形状に対応した図示しない規制部が形成されている。規制部は内視鏡2のそれぞれの部分が所定の位置に収まるように形成されている。規制部には可撓性を有する細長の挿入部7が収納される図示しない挿入部規制部が設けられている。
【0023】
高圧蒸気滅菌の代表的な条件としては米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米国規格ANSI/AAMI ST37−1992ではプレバキユームタイプで滅菌工程1 3 2°Cで4分、グラビティタイプで滅菌工程1 3 2 °Cで10分とされている。
【0024】
高圧蒸気滅菌の滅菌工程時の温度条件については高圧蒸気滅菌装置の形式や滅菌工程の時間によって異なるが、一般的には1 1 5 °Cから138°C程度の範囲で設定される。滅菌装置の中には142°C程度に設定可能なものもある。
【0025】
時間条件については滅菌工程の温度条件によって異なるが、一般的には3分〜60分程度に設定される。滅菌装置の種類によっては1 0 0分程度に設定可能なものもある。この工程での滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して+0.2MPa程度に設定される。
【0026】
一般的なプレバキュームタイプの高圧蒸気滅菌工程には滅菌対象機器を収容した滅菌室内を滅菌工程の前に減圧状態にするプレバキューム工程と、この後に滅菌室内に高圧高温蒸気を送り込んで滅菌を行う滅菌工程が含まれている。
【0027】
プレバキューム工程は、後の滅菌工程時に滅菌対象機器の細部にまで蒸気を浸透させるための工程であり、滅菌室内を減圧させることによって滅菌対象機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るようになる。プレバキューム工程における滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して−0.07MPa〜−0.09MPa程度に設定される。
【0028】
滅菌後の滅菌対象機器を乾燥させるために滅菌工程後に滅菌室内を再度減圧状態にする乾燥工程が含まれているものがある。この工程では滅菌室内を減圧して滅菌室内から蒸気を排除して滅菌室内の滅菌対象機器の乾燥を促進する。この工程における滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して−0.07〜−0.09MPa程度に設定される。
【0029】
内視鏡2を高圧蒸気滅菌する際には圧力調整弁付きの防水キャップ33を電気コネクタ部11に取り付けた状態で行う。
【0030】
この状態では前記防水キャップ33の圧力調整弁33aは閉じており、通気口が防水キャップ33にて塞がれて、内視鏡2の内部は外部と水密的に密閉される。
【0031】
プレバキューム工程を有する滅菌方法の場合にはプレバキューム工程において滅菌室内の圧力が滅少して内視鏡2の内部より外部の方が圧力が低くなるような圧力差が生じると前記圧力調整弁33aが開き、通気口を介して内視鏡2の内部と外部が連通して内視鏡2の内部と滅菌室内の圧力に大きな圧力差が生じるのを防ぐ。このことにより内視鏡2は内部と外部の圧力差によって破損することがない。
【0032】
滅菌工程においては滅菌室内が加圧され内視鏡2の内部より外部の方が圧力が高くなるような圧力差が生じると前記圧力調整弁33aが閉じる。このことにより高圧高温の蒸気は防水キャップ33と通気口を介しては内視鏡2の内部には積極的には侵入しない。
【0033】
しかし、高温高圧蒸気は高分子材料で形成された前記可撓管の外皮や内視鏡2の外装体の接続部に設けられたシール手段であるフッ素ゴムやシリコンゴム等から形成されたOリング等から内部に徐々に侵入する。
【0034】
尚、内視鏡2の外装体にはプレバキューム工程で減圧された圧力と滅菌工程での加圧された圧力とが加算された外部から内部に向けた圧力が生じた状態となる。
【0035】
滅菌工程後に減圧工程を含む方法の場合には減圧工程において滅菌室の圧力が滅少して内視鏡2の内部より外部の方が圧力が低くなるような圧力差が発生するのとほぼ同時に前記圧力調整弁33aが開き、通気口を介して内視鏡2の内部と外部が連通して内視鏡2の内部と滅菌室内の圧力に大きな圧力差が生じるのを防ぐ。このことにより内視鏡2は内部と外部の圧力差によって破損することがない。
【0036】
減圧工程が終わり、滅菌室内が加圧され内視鏡2の内部より外部の方が圧力が高くなるような圧力差が生じると前記圧力調整弁33aが閉じる。
【0037】
高圧蒸気滅菌の全ての工程が終了すると、内視鏡2の外装体には減圧工程で減圧された分外部から内部に向けた圧力が生じた状態となる。
【0038】
前記防水キャップ33を挿入部側折れ止め部材12から取り外すと通気口により内視鏡2の内部と外部とが連通して内視鏡2の内部は大気圧となり、内視鏡2の外装体に生じていた圧力による負荷がなくなる。
【0039】
図2に示すように、オートクレーブ装置40には、内視鏡2を収納しオートクレーブ処理を行うチャンバ41の他に、図示しない水タンクと蒸気発生装置と吸引ポンプが内蔵されている。
【0040】
また、オートクレーブ装置40には、行程選択部42、行程表示部43、内視鏡データ読み取り装置44、内視鏡データ表示部45が設けられている。行程選択部42には、A、B、Cなど複数のボタンが設けられている。もちろん3つ以上あってもいいし、2つでもいい。
【0041】
内視鏡データ読み取り装置44は、柔軟なコードでつながれ、内視鏡2の電気コネクタ部11に着脱可能となっている。コネクタ部10の内部には、メモリ部46が内蔵されており、内視鏡データ読み取り装置44を電気コネクタ部11に接続することで、メモリ部46の内容をオートクレーブ装置40が読み取れるようになっている。
【0042】
なお、オートクレーブ装置40のメモリ部46に対するデータの読み書きは、非接触的にできるようになっていてもいい。
【0043】
次に、このように構成された本実施の形態の作用を説明する。
【0044】
図3にオートクレーブ装置40によってなされるオートクレーブ滅菌行程の一例を簡単に示す。グラフの縦軸は圧力状態で(0は大気圧)、横軸は時間の経過である。
【0045】
おおざっぱにいうと、1回のオートクレーブ滅菌行程は、チャンバ41内を負圧にするプレバキューム行程(PV行程)と、高圧蒸気滅菌行程(S行程)と、負圧乾燥行程(D行程)とからなる。
【0046】
PV行程では、負圧にした後に蒸気を注入することで、内視鏡2に設けられた細い管踏内にも十分に蒸気を行き渡らせることができる。負圧になった時、内視鏡2内部はチャンバ41内部より圧力が高くなろうとするが、防水キャップ33の圧力調整弁33aの作用で、チャンバ41内圧力に近い圧力状態に保たれるので、湾曲部16が破裂するなど不具合は起きない。
【0047】
S行程では、圧力最大時に温度も135°Cなど、滅菌温度に到達する。この行程において、軟性の可撓管部15や、所々の軟性のシール部より内視鏡2の内部に多少の蒸気が侵入する(内視鏡2内部の圧力より、外部の圧力(チャンバ41内圧力)が圧倒的に高い)。
【0048】
D行程では、負圧にしながら、チャンバ41内を熱風などで乾燥させる。負圧にすることで、圧力調整弁33aが作用し、S行程で内視鏡2内に侵入した蒸気をかなり取り除くことができる。
【0049】
さて、図4には、メモリ部46に記憶されたデータのやり取りに開するステップを示す。これらステップと合わせて、一連のプロセス作業の流れを説明する。
【0050】
まず、ステップS1の「内視鏡の固有データの読み取り」で、洗浄後の内視鏡2の防水キャップ33を一旦外し、電気コネクタ部11に内視鏡データ読み取り装置44を接続する。すると、メモリ部46に記憶された情報をオートクレーブ装置40が読み取る。
【0051】
その情報とは、例えば、過去に実施されたオートクレーブ行程のPV行程時間と負圧レベル、S行程時間と温度、D行程時間と負圧レベルなどである。ここで、この過去の例えば10回分の情報が内視鏡データ表示部45に表示されるようになっていてもいい。
【0052】
次に、ステップS2の「推奨オートクレーブ行程の算出」で、この読み取ったデータをもとに、オートクレーブ装置40内で、次に実施するオートクレーブ行程として推奨すべき行程を算出する。例えば、過去にD行程時間が本来あるべき時間より短くなされたと判断されれば、次の行程はD時間が比較的長い行程を推奨するようにする。
【0053】
そして、ステップS3の「推奨行程の表示」で、その推奨内容を行程表示部43に表示し、ユーザに伝達する。
【0054】
なお、内視鏡2をチャンバ41内に投入する前には、防水キャップ33を電気コネクタ部11に取り付ける。
【0055】
次に、ステップS4の「ユーザによる設定・入力」に移行する。ここで、行程選択部42に設けられているポタンは、A、B、Cという3種類のオートクレーブ行程のパターンを示すものとする。
【0056】
例えば、パターンAは内視鏡2にとって最も適した行程であるが、D時間が長い。パターンBは少し急いでいる時に使用する行程で、D時間が比較的短い。パターンCは本来内視鏡2よりも、その付属品や洗浄具、処置具などの内視鏡2よりも単純な構造の機具をオートクレーブするための行程で、PV時間、D時間ともに非常に短くなっている。つまりオートクレープの全行程をかなり矩い時間で終えることができる。この行程は、特に急いでいる時に内視鏡2に用いることも可能だが、D時間が非常に短いので、あまりこの行程を内視鏡2に適用すると、内視鏡2内部に湿気がたまり、内視鏡2の耐久性を低下させる恐れがある。
【0057】
そこでステップS4の「ユーザによる設定・入力」では、例えば、過去に内視鏡2がAパターンで連続的に処理されていれば、行程表示部43にはA〜Cのいずれのパターンでも良いといった表示がなされる。それを見たユーザはその時に特に急いでいればCパターンを選択できる。
【0058】
ただし、前回Cパターンで実施されていると、そのデータを続んだオートクレーブ装置40は、次は行程表示部43にAパターンを推奨する内容を表示する。そこで、ユーザはボタンAを押すことになる。場合によっては、ユーザがボタンA以外のボタンを押してもオートクレーブ装置40が作動しないようにしてしまってもいい。
【0059】
ユーザがあるオートクレーブ行程を選択すると、ステップS5の「オートクレーブ行程実施」に移行し、オートクレープが開始される。
【0060】
そして、「オートクレーブ行程実施」行程が終了すると、ステップS6の「行程結果情報を内視鏡に書き込み」で、内視鏡2をチャンバ41から取り出し、電気コネクタ部11から、防水キャップ33を外し、再び電気コネクタ部11に内視鏡データ読み取り装置44を接続すると、この実施された行程内容がメモリ部46に書き込まれる。
【0061】
以上のように、毎回のオートクレーブ行程の少なくとも一部の情報を内視鏡ごとに管理し、そのデータをもとに次のオートクレーブ行程を決めるようにすることで、内視鏡2の耐久性を確保できる。特にD行程は内視鏡2内部の湿気を極力残さないようにするのに重要な行程であり、ユーザが時間を急ぐ余り、D行程時間を不十分にしてしまうと内視鏡2の耐久性低下に大きく影響してしまう。
【0062】
また、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病の患者の場合、S行程の温度や時間を通常のオートクレーブ条件より高い温度にしたり、かなり長い時間にして対応する必要がある。患者数は非常に少ないものの、このような非常に過酷なオートクレーブ条件は、多数回を同じ内視鏡に用いるとその内視鏡を破損させる恐れがあるので、各内視鏡ごとに、このような特殊条件を何回、どのような頻度で実施したか記録し、同じ内視鏡に、多数回の実施が集中しないようにすることも本実施の形態では可能である。
【0063】
なお、オートクレーブ行程パターンのA、B、Cは、「軟性鏡」「硬性鏡」「鉗子類」といった適用製品を推奨する表示になっていてもいい。更に、「軟性鏡」「硬性鏡」「鉗子類」「リネン」などのボタンがあって、チャンバ41に投入した物が鉗子類とリネンであれば、「鉗子類」「リネン」のボタンをユーザが押すと、その2つの投入物をオートクレープするのに適した行程をオートクレーブ装置40が算出し、自動的に作動するようになっていてもいい。
【0064】
このように本実施の形態では、ユーザがその時のニーズに合わせてオートクレーブ行程を選択できるとともに、内視鏡の耐久性を確保できる。
【0065】
図5及び図6は本発明の第2の実施の形態に係わり、図5は内視鏡をオートクレーブ滅菌処理するオートクレーブ装置の構成を示す構成図、図6は図5のオートクレーブ装置によるオートクレーブ工程の流れを示すフローチャートである。
【0066】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0067】
図5に示すように、本実施の形態では、オートクレーブ装置40が、内視鏡洗浄機47、中央管理装置48と信号線49によってつながっている。つまり、オートクレーブ装置40自体はデータの管理、処理を行なわず、それらは中央管理装置48で処理される。
【0068】
オートクレーブ装置40や内視鏡洗浄機47は複数台あってもよく、その場合も共通の中央管理装置48でデータ管理・処理がなされる。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0069】
次に、このように構成された本実施の形態の作用を説明する。
【0070】
ステップS11で内視鏡2をチャンバ41に投入する前に、内視鏡データ読み取り装置44を電気コネクタ部11に接続することで、メモリ部46から、その内視鏡固有のID番号を中央管理装置48で読み取る。
【0071】
中央管理装置48には、過去のそのID番号に関する記録があるので、ステップS12で例えば、過去に実施されたオートクレーブ行程のPV行程時間と負圧レベル、S行程時間と温度、D行程時間と負圧レベルなどデータを読み出し、その後中央管理装置48においてステップS13で「推奨オートクレーブ行程の算出」の処理がなされる。
【0072】
そして、ステップS14で推奨行程に関する情報をオートクレーブ装置40に送り、行程表示部43に表示する。
【0073】
次に、ステップS15でユーザが実施する行程を設定(入力)するが、第1の実施の形態では42のボタンを選ぶようにしていたが、行程選択部42がタッチパネルになっていて、ユーザが、例えばD行程時間を分単位で自由に入力できるようになっていてもいい。そしてその入力内容が、行程表示部43で表示された推奨行程内容と異なる場合、中央管理装置48でそれを判断して、行程表示部43で警告表示をするなどしてもよいし、オートクレーブ装置40が作動しないように中央管理装置48がオートクレーブ装置40を制御してもよい。
【0074】
さて、ステップS16でオートクレープが実施され終了するると、ステップS17でその実施された行程に関する情報が中央管理装置48に上記ID番号に開するものとして記録される。
【0075】
ここで、オートクレーブ装置40が実際に正常に運転できたかといった管理情報としてチャンバ41内に設けた温度センサ、圧力センサの情報を記録してもいい。仮に異常があったら、行程を中断し、点検するように行程表示部43に表示するなどの制御を中央管理装置48が行なう。
【0076】
また、オートクレーブ装置40の正常な作動だけでなく、仮に圧力調整弁33aがうまく作動しなくて、湾曲部16が破裂した場合、チャンバ41内の圧力が瞬間的に変わるので、それを検知することで内視鏡2の異常も検知可能である。あるいはチャンバ41に音センサが設けられていて、破裂音を検知できるようになっていてもいい。
【0077】
なお、オートクレーブ減菌を行なう前に内視鏡2を内視鏡洗浄機47で洗浄するが、内視鏡洗浄機47にも内視鏡データ読み取り装置44を設け、どのような洗浄を行なったかなどの情報を央管理装置48で管理するようにしてもいい。
【0078】
さらに、中央管理装置48はビデオプロセッサ5にもつなげ、ユーザが検査時に信号ケーブル4と電気コネクタ部11を接続すると、その内視鏡が正常に洗浄・滅菌されたものであるかどうかがすぐにかつ正確にわかるようになっていてもいい。
【0079】
以上のように、共通の中央管理装置48で複数の内視鏡2、内視鏡洗浄機47、オートクレーブ装置40を管理・制御できることで、メモリ部46もより簡単な構造にできるし、オートクレーブ装置40、内視鏡洗浄機47のコンピユータ(情報処理部・制御部)はいらなくなり、特に大きな病院にとっては総合的に、コストを極力かけずに、正確な情報管理と内視鏡の耐久性を確保できる。
【0080】
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、オートクレーブ装置40などが複数ある場合に、効率的なシステムが提供できる。
【0081】
図7は本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡をオートクレーブ滅菌処理するオートクレーブ装置の構成を示す構成図である。
【0082】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0083】
図7は内視鏡2をチャンバ41に投入したときの模式的な図であって、本実施の形態においては、ここでは、防水キャップ33の代わりに、オートクレーブ装置40に設けられた内視鏡接続部50を電気コネクタ部11に接続する。そのことで、メモリ部46とオートクレーブ装置40の制御部51が通信可能となっている。また、内視鏡2内部の気体は管路52に連通しており、管路52は制御弁53を介してオートクレーブ装置40外部に連通している。
【0084】
チャンバ41には管路54が連通し、雑菌を通さないフィルタ55を介して制御弁56に至る。
【0085】
制御弁53は管路57により制御弁56につながり、制御弁56は吸引ポンプ58につながっている。
【0086】
制御部51は制御弁53,制御弁56,吸引ポンプ58の制御、及び図示しない蒸気発生装置などの制御を行なう。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0087】
次に、このように構成された本実施の形態の作用を説明する。
【0088】
管路接続部50を防水キャップ11に接続することで、第1の実施の形態と同様、メモリ部46の情報を読み取り、制御部51で処理することができる。
【0089】
オートクレーブ行程中のチャンバ41内の圧力変化に対しては、内視鏡接続部50により、例えば、チャンバ41が吸引ポンプ58により負圧にしている時は、制御弁53の制御により、内視鏡2内もチャンバ41内と同様の圧力にすることができる(内視鏡2内も吸引ポンプ58で負圧にする)。
【0090】
さて、オートクレーブ行程が終了したら、内視鏡2内の湿気を速やかになくすために、制御弁53を制御して、まず吸引ポンプ58で内視鏡2内を負圧にした後に、オートクレーブ装置40外の外気を注入することができる。
【0091】
あるいは、チャンバ41内が完全に乾燥状態になっていたら、吸引ポンプ58で内視鏡2内を負圧にした後に、チャンバ41内の気体を制御弁56,制御弁53を経て内視鏡接続部50から内視鏡2内に送り込み、換気してもよい。外気は必ずしも乾燥状態が高いとはいえないので、このように高いレベルの乾燥状態にしたチャンバ41内の気体を内視鏡2内へ用いることで、より高いレベルの換気が行なえる。
【0092】
以上の仕組みにおいて、内視鏡接続部50から内視鏡2内に送り込む気体が内視鏡2内にもともとあった気体より温度が低ければ、冷却も速やかに行なえるようになり、検査までの準備時間を短縮できる。また、例えば管路52の途中に冷却器があって、冷たい気体を内視鏡2内におくりこんで更に速やかに冷却するようにしてもよい。
【0093】
以上のように、チャンバ41内の圧力制御に使用する吸引ポンプ58を用いて内視鏡2内の換気が行なえることは、内視鏡2内の換気に別のポンプを必要としないので、低コストですむ。
【0094】
また、管路52、制御弁53、管路57、制御弁56、管路54の流路のどこに吸引ポンプ58を設けてもオートクレーブ装置40外部の外気をフィルタ55を介してチャンバ41に送り込み内視鏡2を冷却してもよい。この場合、冷却の工程はチャンバ41内を乾燥状態にする乾燥工程の後に行うのが望ましく、結露が無く冷却も早い。
【0095】
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、内視鏡内を容易に換気でき、耐久性を確保できる。
【0096】
なお、これまで述べてきた全実施の形態において、オートクレーブ装置40には内視鏡2を洗浄する機能が一体的に設けられていてもいい。そうすれば、内視鏡2固有の洗浄・滅菌の情報を一回のセッテイングで管理できる。
【0097】
[付記]
(付記項1) オートクレーブ滅菌可能な内視鏡と、
前記内視鏡に設けられたメモリ部と、
前記メモリ部に格納された少なくともオートクレーブ行程の一部の情報にアクセスするアクセス手段を有するオートクレーブ装置と
を備えたことを特徴とするオートクレーブ装置システム。
【0098】
(付記項2) 付記項1のオートクレーブ装置システムであって、
前記情報は少なくとも乾燥に関するものを含む。
【0099】
(付記項3) 付記項1のオートクレーブ装置システムであって、
前記アクセス手段は内視鏡の挿入部以外にアクセス可能とした。
【0100】
(付記項4) 付記項1のオートクレーブ装置システムであって、
アクセスした情報は別体の管理部に送信可能とした。
【0101】
(付記項5) 付記項1のオートクレーブ装置システムであって、
アクセスした情報処理結果をユーザヘ告知する手段を設けた。
【0102】
(付記項6) チヤンバ内において、内視鏡と接続し内視鏡内部気体を吸引する吸引手段と、吸引後に内視鏡内部とは別の気体を内視鏡内部に注入する注入手段と
を有することを特徴とするオートクレーブ装置。
【0103】
(付記項7) 付記項6のオートクレーブ装置あって、
前記吸引手段は前記チヤンバ内を吸引する手段と同一である。
【0104】
(付記項8) 付記項6のオートクレーブ装置あって、
前記別の気体は前記チヤンバ内の乾燥気体である。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、オートクレーブ行程のパリエーションによる内視鏡の耐久性劣化を防ぐことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図2】内視鏡をオートクレーブ滅菌処理するオートクレーブ装置の構成を示す構成図
【図3】図2のオートクレーブ装置によるオートクレーブ工程の時間的流れを示す図
【図4】図2のオートクレーブ装置によるオートクレーブ工程の流れを示すフローチャート
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡をオートクレーブ滅菌処理するオートクレーブ装置の構成を示す構成図
【図6】図5のオートクレーブ装置によるオートクレーブ工程の流れを示すフローチャート
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡をオートクレーブ滅菌処理するオートクレーブ装置の構成を示す構成図
【符号の説明】
2…内視鏡
33…防水キャップ
33a…圧力調整弁
40…オートクレーブ装置
41…チャンバ
42…行程選択部
43…行程表示部
44…内視鏡データ読み取り装置
45…内視鏡データ表示部
46…メモリ部
Claims (1)
- 情報を読み書き可能な記憶部を有する内視鏡を収納し、蒸気で加温加圧して前記内視鏡を滅菌する滅菌工程と、前記蒸気で加湿された前記内視鏡を乾燥する乾燥工程とを実施するオートクレーブ装置において、
実施された前記工程のうち少なくともオートクレーブ実施回数を含む条件を来歴情報として前記記憶部に書き込む書き込み手段と、
前記記憶部に記憶された前記来歴情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段で読み取る前記来歴情報に基づき、前記工程に関する条件を算出する工程条件算出手段と、
前記工程条件算出手段の算出結果から実施工程を推奨する推奨工程を告知する告知手段と、
前記告知手段により告知された前記推奨工程を選択する選択手段と、
を具備したことを特徴とするオートクレーブ装置。
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