JP3692007B2 - 水易溶性カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水に易溶性のカルボキシメチルセルロースナトリウム(以降CMC−Naと記す)の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的にCMC−Naは、水に対する分散性が悪いため、水中へ投入したとき継粉(ママコ)になりやすく、このため水に溶解しようとする際には、充分攪拌しながら少量ずつ添加しなければならないという欠点がある。
【0003】
そこで従来から継粉の発生を防止する方法が種々研究され、その一つにCMC−Naをグリオキザールで処理する方法があるが、この処理には非常に手数がかかり、かつ媒質である水のpHをアルカリ側にしなければ完全な溶解は望めない。加えて、添加成分のグリオキザール自体、食品添加物として好ましいものではない。これらの理由から、グリオキザール処理物は食品添加物用としておのずと制限を受ける結果となる。
【0004】
また、継粉の発生を防止する別の方法として、CMC−Naを熱処理することにより水分散性を向上させる手段が報告されている。この方法は、遊離のカルボキシル基を加熱処理によってエステル結合を生成させることを特徴としているため、水溶液のpHが酸性側になりやすい。このため、食品添加物基準の定めるpH6.0〜8.5に適合させるためには、たとえばpH調整などの煩雑な操作を必要とする欠点を有する。
【0005】
このように、従来技術で得られるCMC−Naは、pH調整などのため煩雑な操作を必要とするのみでなく、用途的にも制限を受けるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の事情に鑑み、本発明は、pH調整などが比較的簡単で、しかも用途的に制限のない水易溶性CMC−Naを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる課題を解決するため鋭意研究した結果、
粉末状のCMC−Naに、該CMC−Naに対して10〜50重量%の低級アルコールを添加し湿潤させたのち、さらに水を混合し、乾燥させることを特徴とする水易溶性CMC−Naの製造法(請求項1)、
また、水の配合量が前記CMC−Naに対して10〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の水易溶性CMC−Naの製造法(請求項2)
により、水に対する分散性がよく、継粉になりにくいCMC−Naが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
【発明の実施の形態】
CMC−Naの溶解性を向上させる最もよい方法は、水に対する継粉を生成させないことであり、かつCMC−Naと水との接触面を大きく保つことである。この2つを完成させる方法として、CMC−Naを低級アルコールで湿潤させた上で水を添加することにより、水がCMC−Naと瞬間的に接触しないようになり継粉にならず、均一な水分散ができる。そののち、残った水が蒸発するので、CMC−Naと水のみで比重の小さい粉末ができる。この状態で加熱すると低級アルコールのみが揮散する。そののち、残った水が蒸発するので、CMC−Naと水のみで混練したときのような比重の大きい状態にはならず、比重の小さい粉末ができあがる。さらに、50〜850μmの粒度とすることで、粒子径が大きいために起こる溶解時間延長も抑えることができる。
【0009】
本発明に用いられる原料の粉末状CMC−Naは、粒子径(粒度)が50〜300μmであることが好ましいが、エーテル化度、粘度や純度などは限定されない。
【0010】
本発明に用いられる低級アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数が4以下のアルコールをいい、これらのアルコールを混合して使用することができ、さらには炭素数5以上のアルコールを合わせて用いることもできるが、本発明に基づき得られたCMC−Naを、食品、医薬、香化粧品用途に用いる場合にはメタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールが好ましい。また、低級アルコールは、水に対する相溶性が大きいことと溶液粘性が小さいことを考慮すると、80重量%以上の水溶液として用いることが好ましい。
【0011】
本発明にかかるCMC−Naの製造法としては、まず粉末状のCMC−Naに10〜50重量%の低級アルコールを加え充分に湿潤させたのち、さらに水を加える。
【0012】
低級アルコールの添加量がCMC−Naに対して、50重量%より多くなるとCMC−Naが溶解を生じダンゴ状になるという欠点が生じ、10重量%より少ないと充分な湿潤効果が得られない。また、水の添加量が不足するとCMC−Naに水が作用し低比重の粉末を形成できないことがあり、水の添加量が多すぎるとCMC−Naが溶解を生じダンゴ状になり著しく比重が高くなる点を考慮すると、CMC−Naに対して10〜50重量%とすることが好ましいが、CMC−Naの粉末比重調整効果を考慮すると、低級アルコールと同量とすることがより好ましい。また、低級アルコールと水の合計量はCMC−Naの粉末形状・比重を左右することから、CMC−Naに対して少ない方が好ましく、たとえばCMC−Naに対して50〜150重量%とすることができる。
【0013】
水を添加したのち、攪拌し均一に混合したものを乾燥し、揮発分が10重量%以下の粉末状とする。つぎに、篩処理して粗大粒子を除く。得られたCMC−Naの粒度は、溶解時間に影響することから50〜850μmとすることが好ましい。
【0014】
本発明に基づき得られるCMC−Naは、既に使用されている分野、たとえば土木ボーリング用泥水増粘安定剤、種薬安定化剤、錠剤用崩壊剤、パップ剤、乳飲料などの食品用増粘剤、繊維壁用糊剤、飼料用バインダー、染毛、歯磨などの分野に使用することができるが、用途はこれらの分野に限定されない。
【0015】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0016】
実施例1〜8および比較例1〜11
まず、実施例1〜8および比較例5〜11について評価用のサンプルをつぎの手順で作成した。
【0017】
(1)加熱装置付の3L容一軸リボンブレンダーにCMC−Naを200g仕込む。
(2)20rpmで攪拌しながら、メタノール5〜150gを添加し、室温で約10分間攪拌する。
(3)そののち、水5〜150gを徐々に添加したのち、室温で約20分間攪拌する。
(4)そののち、ジャケット温度を110℃に加熱し、CMC−Naの揮発分を10重量%以下にする。揮発分は途中でのチェックが難しいので、2時間加熱を継続し、ケット水分計で揮発分を確認した上で、10重量%以上の場合はさらに加熱を続ける。
(5)揮発分が10重量%以下になったCMC−Naは、粒子径の大きなものも混在しているため、850μmの篩で篩処理してサンプルとする。
【0018】
比較例1〜4については、未処理の原料CMC−Naを評価用のサンプルとした。
【0019】
CMC−Naは、つぎの方法で評価した。
【0020】
揮発分:ケット水分計により分析した。
粘度:1重量%無水物水溶液について、BM型粘度計で測定した(60rpm、25℃)。
エーテル化度:灰化法にて測定した。
溶解時間:1Lビーカーに1Lの水を入れ、回転式攪拌機により400rpmで攪拌しながら、CMC−Naサンプル5gを添加する。目視で確認し、完全に溶解するまでの所要時間を溶解時間とした(分)。
粒度:JIS K0069にて実施した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】
本発明により、用途的にも制限されない水易溶性のCMC−Naを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水に易溶性のカルボキシメチルセルロースナトリウム(以降CMC−Naと記す)の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的にCMC−Naは、水に対する分散性が悪いため、水中へ投入したとき継粉(ママコ)になりやすく、このため水に溶解しようとする際には、充分攪拌しながら少量ずつ添加しなければならないという欠点がある。
【0003】
そこで従来から継粉の発生を防止する方法が種々研究され、その一つにCMC−Naをグリオキザールで処理する方法があるが、この処理には非常に手数がかかり、かつ媒質である水のpHをアルカリ側にしなければ完全な溶解は望めない。加えて、添加成分のグリオキザール自体、食品添加物として好ましいものではない。これらの理由から、グリオキザール処理物は食品添加物用としておのずと制限を受ける結果となる。
【0004】
また、継粉の発生を防止する別の方法として、CMC−Naを熱処理することにより水分散性を向上させる手段が報告されている。この方法は、遊離のカルボキシル基を加熱処理によってエステル結合を生成させることを特徴としているため、水溶液のpHが酸性側になりやすい。このため、食品添加物基準の定めるpH6.0〜8.5に適合させるためには、たとえばpH調整などの煩雑な操作を必要とする欠点を有する。
【0005】
このように、従来技術で得られるCMC−Naは、pH調整などのため煩雑な操作を必要とするのみでなく、用途的にも制限を受けるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の事情に鑑み、本発明は、pH調整などが比較的簡単で、しかも用途的に制限のない水易溶性CMC−Naを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる課題を解決するため鋭意研究した結果、
粉末状のCMC−Naに、該CMC−Naに対して10〜50重量%の低級アルコールを添加し湿潤させたのち、さらに水を混合し、乾燥させることを特徴とする水易溶性CMC−Naの製造法(請求項1)、
また、水の配合量が前記CMC−Naに対して10〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の水易溶性CMC−Naの製造法(請求項2)
により、水に対する分散性がよく、継粉になりにくいCMC−Naが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
【発明の実施の形態】
CMC−Naの溶解性を向上させる最もよい方法は、水に対する継粉を生成させないことであり、かつCMC−Naと水との接触面を大きく保つことである。この2つを完成させる方法として、CMC−Naを低級アルコールで湿潤させた上で水を添加することにより、水がCMC−Naと瞬間的に接触しないようになり継粉にならず、均一な水分散ができる。そののち、残った水が蒸発するので、CMC−Naと水のみで比重の小さい粉末ができる。この状態で加熱すると低級アルコールのみが揮散する。そののち、残った水が蒸発するので、CMC−Naと水のみで混練したときのような比重の大きい状態にはならず、比重の小さい粉末ができあがる。さらに、50〜850μmの粒度とすることで、粒子径が大きいために起こる溶解時間延長も抑えることができる。
【0009】
本発明に用いられる原料の粉末状CMC−Naは、粒子径(粒度)が50〜300μmであることが好ましいが、エーテル化度、粘度や純度などは限定されない。
【0010】
本発明に用いられる低級アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数が4以下のアルコールをいい、これらのアルコールを混合して使用することができ、さらには炭素数5以上のアルコールを合わせて用いることもできるが、本発明に基づき得られたCMC−Naを、食品、医薬、香化粧品用途に用いる場合にはメタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールが好ましい。また、低級アルコールは、水に対する相溶性が大きいことと溶液粘性が小さいことを考慮すると、80重量%以上の水溶液として用いることが好ましい。
【0011】
本発明にかかるCMC−Naの製造法としては、まず粉末状のCMC−Naに10〜50重量%の低級アルコールを加え充分に湿潤させたのち、さらに水を加える。
【0012】
低級アルコールの添加量がCMC−Naに対して、50重量%より多くなるとCMC−Naが溶解を生じダンゴ状になるという欠点が生じ、10重量%より少ないと充分な湿潤効果が得られない。また、水の添加量が不足するとCMC−Naに水が作用し低比重の粉末を形成できないことがあり、水の添加量が多すぎるとCMC−Naが溶解を生じダンゴ状になり著しく比重が高くなる点を考慮すると、CMC−Naに対して10〜50重量%とすることが好ましいが、CMC−Naの粉末比重調整効果を考慮すると、低級アルコールと同量とすることがより好ましい。また、低級アルコールと水の合計量はCMC−Naの粉末形状・比重を左右することから、CMC−Naに対して少ない方が好ましく、たとえばCMC−Naに対して50〜150重量%とすることができる。
【0013】
水を添加したのち、攪拌し均一に混合したものを乾燥し、揮発分が10重量%以下の粉末状とする。つぎに、篩処理して粗大粒子を除く。得られたCMC−Naの粒度は、溶解時間に影響することから50〜850μmとすることが好ましい。
【0014】
本発明に基づき得られるCMC−Naは、既に使用されている分野、たとえば土木ボーリング用泥水増粘安定剤、種薬安定化剤、錠剤用崩壊剤、パップ剤、乳飲料などの食品用増粘剤、繊維壁用糊剤、飼料用バインダー、染毛、歯磨などの分野に使用することができるが、用途はこれらの分野に限定されない。
【0015】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0016】
実施例1〜8および比較例1〜11
まず、実施例1〜8および比較例5〜11について評価用のサンプルをつぎの手順で作成した。
【0017】
(1)加熱装置付の3L容一軸リボンブレンダーにCMC−Naを200g仕込む。
(2)20rpmで攪拌しながら、メタノール5〜150gを添加し、室温で約10分間攪拌する。
(3)そののち、水5〜150gを徐々に添加したのち、室温で約20分間攪拌する。
(4)そののち、ジャケット温度を110℃に加熱し、CMC−Naの揮発分を10重量%以下にする。揮発分は途中でのチェックが難しいので、2時間加熱を継続し、ケット水分計で揮発分を確認した上で、10重量%以上の場合はさらに加熱を続ける。
(5)揮発分が10重量%以下になったCMC−Naは、粒子径の大きなものも混在しているため、850μmの篩で篩処理してサンプルとする。
【0018】
比較例1〜4については、未処理の原料CMC−Naを評価用のサンプルとした。
【0019】
CMC−Naは、つぎの方法で評価した。
【0020】
揮発分:ケット水分計により分析した。
粘度:1重量%無水物水溶液について、BM型粘度計で測定した(60rpm、25℃)。
エーテル化度:灰化法にて測定した。
溶解時間:1Lビーカーに1Lの水を入れ、回転式攪拌機により400rpmで攪拌しながら、CMC−Naサンプル5gを添加する。目視で確認し、完全に溶解するまでの所要時間を溶解時間とした(分)。
粒度:JIS K0069にて実施した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】
本発明により、用途的にも制限されない水易溶性のCMC−Naを提供することができる。
Claims (2)
- 粉末状のカルボキシメチルセルロースナトリウムに、該カルボキシメチルセルロースナトリウムに対して10〜50重量%の低級アルコールを添加し湿潤させたのち、さらに水を混合し、乾燥させることを特徴とする水易溶性カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法。
- 水の配合量が前記カルボキシメチルセルロースナトリウムに対して10〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の水易溶性カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法。
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000082452A JP3692007B2 (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | 水易溶性カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法 |
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|---|---|
| JP2001261702A JP2001261702A (ja) | 2001-09-26 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000082452A Expired - Fee Related JP3692007B2 (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | 水易溶性カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法 |
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|---|---|
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