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JP3699367B2 - 廃液の処理方法 - Google Patents
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JP3699367B2 - 廃液の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電用ボイラを有機酸系洗浄液で洗浄した際に排出される洗浄廃液であって、有機化合物および重金属類を含有する廃液を処理する際に副生する汚泥量を低減し、簡易、且つ低コストで洗浄廃液を高度浄化処理する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から発電プラントなどで使用されている大型ボイラには、貫流型ボイラなど多管式ボイラが多用されている。この様な多管式ボイラでは、蒸発管管外を流通する高温ガスと、管内を流通する液体との間で熱交換を行なっているため、高いボイラ効率を維持するには伝熱量を損なわないことが重要である。しかしながらボイラの運転に伴っての蒸発管内表面にはFe34などの固体微粒子が付着,堆積して硬質の金属酸化皮膜(以下、「スケール」という)が形成されるため、該スケールが管内の流れを阻害したり、伝熱面の熱伝達を阻害してボイラの熱効率を低下させるなど様々な問題を生じさせたりする原因となっていた。そのため定期的にボイラの洗浄を行なってスケールなどの不純物を除去している。ボイラの洗浄方法としては酸液などによる化学洗浄が行なわれている。また蒸発管の腐食を防止する観点から酸液としてはクエン酸やグリコール酸などの有機酸系洗浄液が用いられている。有機酸系洗浄液によって蒸発管内に堆積したスケールなどの不純物は除去されるが、洗浄後の洗浄廃液はCOD(化学的酸素要求量)が高く、強酸性であり、しかも重金属類が含まれているため、該洗浄廃液にはCOD成分の除去,重金属類の除去,pHの調整などの浄化処理が施されている。特に洗浄廃液の浄化処理方法としてはフェントン法が採用されている。例えば有機酸系洗浄廃液の処理方法としては該廃液に硫酸第一鉄などを添加した後、過酸化水素水を供給して廃液中の有機物を酸化分解(COD低下)し、更に該処理後の廃液に消石灰などを添加して廃液のpHを上昇させてから凝集剤を添加することによって該廃液に含まれる重金属類を凝集沈殿させ、残存する上澄み液を濾過などの処理工程に付すと共に、凝集沈殿した沈殿物(汚泥)を別途処理工程に付す方法が知られている。しかしながらフェントン法を用いた処理方法では、廃液のCODに対して数倍の過酸化水素水と硫酸第一鉄などを必要とするためコストが高くなる。また廃液に含まれている鉄に加えて硫酸第一鉄などや消石灰などの添加物が沈殿物として副生するため、大量の汚泥が生じるという問題があった。特に発電用ボイラの洗浄廃液量は数千トン単位であるので、この様に大量の洗浄廃液の処理にフェントン法を用いると、数十トン単位の汚泥が発生するため、該汚泥処理にかかるコストも高くなっていた。特に該汚泥は鉄などを大量に含有しているため高粘度で取扱い性が悪いため汚泥処理設備の洗浄,補修など2次的な処理に要するコストが高くなり、結果として洗浄廃液処理に係るコストが全体として高くなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は洗浄廃液の処理時に生じる汚泥量を減少させ、また簡易、且つ低コストで洗浄廃液を浄化処理する技術を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる廃液の処理方法は、発電用ボイラを有機酸系洗浄液で洗浄した際に排出される洗浄廃液であって、有機化合物および重金属類を含有する廃液に過酸化水素水を接触させる工程と、前記過酸化水素水と接触させた廃液を、発電設備の運転に伴って生成される廃水であって、化学的酸素要求量が低く重金属類を実質的に含有しない廃水を希釈用の廃水として用いて希釈する工程と、希釈された廃液に凝集剤を添加して該希釈廃液中に存在する重金属類を凝集沈殿させる工程と、前記凝集沈殿工程の後、残存する廃液の一部または全部を、活性炭に接触させて吸着処理する工程とを含むことを特徴とする。
【0005】
上記方法において、前記希釈用の廃水として、発電用ボイラから排出されたボイラブロー水、或いは前記凝集沈殿工程で生成される上澄み廃液を用いることができる。また、本発明の方法を実施するにあたっては、高分子凝集剤を用いて前記希釈廃液中の重金属類を凝集沈殿せしめることが推奨され、更に前記廃液処理工程の前または後に廃液のpHを廃水基準値に調整するpH調整工程を設けることも望ましい実施態様である。
【0006】
本発明では、前記廃液に過酸化水素水を供給する装置として、過酸化水素水供給ホース、及び長手方向の側面に複数の孔を形成したノズルを有し、更に該ノズルには過酸化水素水供給時に該ノズルが接地状態を維持できる重しを付設した装置が推奨される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者らは発電用ボイラを有機酸系洗浄液で洗浄した際に排出される洗浄廃液であって、有機化合物および重金属類を含有する廃液の処理方法について鋭意研究を重ねた結果、該廃液に過酸化水素水を接触させた後、該廃液を発電設備の運転に伴って生成される廃水であって、化学的酸素要求量(COD)が低く重金属類を実質的に含有しない廃水を希釈用の廃水として用いて希釈し、該希釈廃液に凝集剤を添加して該希釈廃液中に存在する重金属類を凝集沈殿せしめれば、浄化処理時に副生する汚泥量を低減できることを見出した。更に該凝集沈殿後残存する廃液(上澄み液)を廃液処理工程に付すことによって効率的、且つ低コストで高度浄化し得ることを見出し本発明に至った。
【0008】
以下、本発明の廃液処理方法を図1に例示される処理手順にしたがって説明するが、本発明の廃液処理方法は以下の例示に限定する趣旨ではなく、本発明の処理効果を達成し得るのでれば、適宜変更を加えることもできる。
【0009】
本発明において処理対象となる廃液は、発電用ボイラを有機酸系洗浄液で洗浄した際に排出される洗浄廃液であって、有機化合物および重金属類を含有する廃液である。なお、有機化合物および重金属類以外に他の物質を含有していてもよい。ここで、有機酸系洗浄液とは酸性を示す有機化合物を含有する公知の有機酸系洗浄液であり、クエン酸やグリコール酸などを含有する洗浄液が例示される。この様な有機酸系洗浄液を用いてボイラを洗浄することによって蒸発管内表面に付着しているスケールなどを効率的に除去できるが、該洗浄により排出される洗浄廃液には、鉄(重金属類として「鉄」を例示表記する。)が含有されており、しかも強酸性であり、CODも高い。尚、本発明の方法によれば発電用ボイラの洗浄廃液が、CODが2,000mg/L以上,鉄500mg/L以上,pH2〜4程度であっても優れた汚泥発生量低減効果、及び高い廃液処理効率を発揮する。
【0010】
洗浄廃液を過酸化水素水と接触させることによって該廃液の有機物を酸化分解せしめて低COD化を図ることができる。本発明では洗浄廃液を過酸化水素水と接触させる手段として、発電用ボイラから排出された廃液を処理槽に移送し、該処理槽中の廃液に過酸化水素水を供給する方法を用いて説明するが、該接触手段としては例えば廃液の移送中に過酸化水素水を供給してもよく、要するに廃液と過酸化水素水を接触させることができるのであれば、方法,手段については特に限定されない。
【0011】
発電用ボイラから排出された洗浄廃液は移送ラインを介して処理槽に供給される。処理槽には過酸化水素水と廃液との接触効率を高めるために攪拌手段、例えばバブリング装置を付設することが望ましく、間欠曝気,連続曝気など任意の方法で攪拌すればよい。
【0012】
過酸化水素水の添加方法については特に限定されないが、過酸化水素水供給ホース、及び長手方向の側面に複数の孔を形成したノズルを有し、更に該ノズルに過酸化水素水供給時に該ノズルが接地状態を維持できる重しを付設した供給装置を用いれば、高効率且つ高分散率で過酸化水素水を供給できる。この様な供給装置を用いた供給方法としては例えば図2に示されている様に、過酸化水素水供給源(図中、タンクローリー1)に過酸化水素水供給ホース2を接続し、該接続ホース2の他の先端に、長手方向の側面に複数の孔を形成したノズル部3、更に該ノズル部3に過酸化水素水供給時に該ノズルが接地状態を維持できる程度の重し4を付設した供給装置を介して過酸化水素水を供給すればよい。ノズル長手方向の側面に複数の孔6を形成することによって、過酸化水素水を拡散供給が可能となり、洗浄廃液との接触効率を高めることができる。ノズルに形成する孔の数,サイズ,配列は特に限定されず、適宜決定すればよいが、該孔を介した拡散供給効率を上げるためには、図3に示す様にノズル先端径面7が閉塞していることが望ましいが側面に設けた孔6と同様に小径の孔を設けてもよい。尚、供給装置には、過酸化水素水と反応性を有しない材料で構成することが望ましく、ノズル部3や重し4にはステンレス系の材料を用いて構成することが推奨される。また過酸化水素水供給ホースには塩化ビニル製,ポリエチレン製,テフロン製,フッ素樹脂製など耐薬品性に優れた材料を用いることが推奨される。
【0013】
また短時間で効率よく過酸化水素水を供給するためには、過酸化水素水をコンプレッサーなどの加圧手段(図示せず)で加圧(0.1〜0.2MPa程度)して供給すればよいが、加圧するとノズル部3が不安定になるので、過酸化水素水供給時に該ノズルが処理槽底部との接地状態を維持できる様に重し4を該ノズル部3に付設することが望ましい。この際、安定した接地状態を維持するためには、重し4としては図3に示す様に複数の接地支持部材をノズルに付設すると共に、ノズル部3が加圧によって移動したり、浮遊しない十分な重さを付与することが望ましい。
【0014】
尚、廃水に過酸化水素水を供給すると酸化分解による反応熱によって廃液の温度が上昇するため、温度上昇による沸騰を防止するために適宜廃液の温度調節をすることが望ましい。廃液の上限温度としては廃液の組成や過酸化水素水の添加量など種々の要因を考慮して沸騰を生じない温度を選定すればよいが、発電用ボイラ洗浄廃液の場合、具体的な廃液の温度上限の目安としては40℃程度とすることが望ましい。したがって廃液の温度が40℃近傍まで上昇した時点で流量調節弁5などによって過酸化水素水の供給量を調節して該洗浄廃液の温度を降下させた後、過酸化水素水の供給を再開すればよい。この際の降下温度については特に限定されず、2〜4℃程度降下させればよい。また過酸化水素水の供給量については特に限定されないが、過酸化水素水の添加量の増加にともなって、酸化分解量が増加して廃液のCODも低下し、反応効率が低下するので、後記する希釈量や吸着処理効率にもよるが、供給時の廃液のCODが好ましくは50%以上分解された時点、より好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上分解された時点で過酸化水素水の供給を停止すればよい。過酸化水素水の濃度,供給量は特に限定されず、廃液のCOD等に応じて濃度を適宜決定すればよく、35〜60%過酸化水素水が例示される。また供給量についも上記温度,CODとの関係で適宜決定すればよい。廃液中のCOD測定はJISK0102に規定する方法によって測定すればよい。
【0015】
本発明の方法によれば、過酸化水素水に加えて洗浄廃液に硫酸第一鉄などを添加する必要がないので、後記する凝集沈殿した沈殿物(汚泥)は実質的に該廃液に含まれる鉄などの重金属類に由来する沈殿物(汚泥)であり、したがってフェントン法に比べて汚泥発生量を大幅に低減することができる。
【0016】
過酸化水素水と接触させた廃液は、発電設備の運転に伴って生成される廃水であって、CODが低く重金属類を実質的に含有しない希釈用の廃水によって希釈される。廃液を希釈して該廃液に含まれる鉄等の重金属類濃度を下げれば、後記する凝集沈殿による沈殿物の粘度を低減できる。また希釈によって後記する廃液(上澄み液)処理工程での該希釈廃液処理効率を向上できるので望ましい。
【0017】
本発明では廃液の希釈方法として該廃液を廃水槽に移送し、任意の廃水と希釈する方法について説明するが、該希釈手段としてはこれに限定されず、例えば廃水槽を設けずに、洗浄廃液をパイプなどを介して凝集沈殿槽へ移送する過程で任意の位置から廃水を供給して該廃液を希釈することもでき、適宜変更できる。
【0018】
また上記処理槽と同様にバブリング装置などの攪拌手段を廃水槽に設けると混合希釈効率が向上するので望ましい。
【0019】
希釈倍率としては特に限定されないが、洗浄廃液に含まれる重金属類濃度を好ましくは5倍以上、より好ましくは7倍以上、最も好ましくは10倍以上希釈すると凝集沈殿による沈殿物の粘度を低減できる。また同様に洗浄廃液のCODを低減すれば廃液(上澄み液)処理効率、特に吸着処理効率が向上するので望ましく、具体的な希釈後のCODとしては処理効率の観点から好ましくは100mg/L,より好ましくは50mg/L,最も好ましくは30mg/Lである。したがって廃水の供給量は汚泥量低減を目的とするのであれば上記重金属類濃度を達成し得る程度の供給量とすることが望ましい。また凝集沈殿後の廃液(上澄み液)の高度浄化処理を達成するには、上記希釈後CODを達成し得る程度の供給量とすることが望ましい。
【0020】
本発明において希釈用の廃水とは、廃液の重金属類濃度、或いは更にCODを低減できる廃水である。この様な廃水として、本発明では発電設備の運転に伴って生成される廃水(例えばボイラブロー水,純水装置再生廃水,デミ再生廃水など)が用いられる。また、かかる廃水には、後記する凝集沈殿処理した後の廃液(上澄み廃液)が含まれる。この様な発電設備の運転に伴って生成する廃水を用いて廃液を希釈すれば、簡易且つ低コストで廃液の重金属類濃度、或いは更にCODを低減でき、しかも少ない廃水量で上記希釈目的が達成できるので、希釈後の廃液(以下、「希釈廃液」という。)の処理量を低減できる。即ち、希釈用廃水のCODが低く(例えば上記例示した発電設備の運転に伴って生成する廃水であれば2〜5mg/L程度)、鉄をほとんど含有していなければ、単純に該廃水を洗浄廃液に供給して所望の倍率に希釈すれば、COD及び鉄濃度を同時に所望の倍率に希釈することが容易である。また該希釈によって廃液中に残存している過酸化水素はほぼ完全に消費されるので、凝集沈殿処理後の希釈廃液を後記する廃液処理工程(活性炭を用いた吸着処理工程)に付しても、過酸化水素による処理効率低下(活性炭劣化)が生じない。
【0021】
廃液の希釈後、該希釈廃液に凝集剤を添加して該希釈廃液中に存在する重金属類を凝集沈殿させる。本発明では該凝集沈殿方法として、該希釈廃液を凝集沈殿槽に移送して凝集沈殿させるが、該凝集沈殿方法としてはこれに限定されず、例えば希釈廃液を移送せずに廃水槽にて凝集沈殿処理をおこなうこともでき、適宜変更できる。
【0022】
本発明において凝集剤とは希釈廃液中に存在する重金属類を凝集沈殿できるものであれば特に限定されず、公知の凝集剤を用いればよく、また凝集効率を向上させるために必要に応じて適宜希釈廃液のpHを調節すればよい。上記した様に希釈廃液に重金属類として鉄が含有されていれば塩化第2鉄などの鉄塩系の無機凝集剤を用いなくても有機高分子凝集剤を用いれば高い凝集沈殿効率を発揮でき、しかも該無機凝集剤に由来する沈殿物が生じない。高分子凝集剤としては特に限定されないが、アニオン系高分子凝集剤(例えばポリアクリル酸ナトリウム,ポリアクリル酸アンモニウム,ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなど)を用いると優れた凝集沈殿効果(凝集・沈殿速度,凝集物の結合強度など)が得られるので推奨される。尚、アニオン系高分子凝集剤の添加に先立って希釈廃液に水酸化ナトリウムなどのアルカリ性物質を添加して該廃液のpHを好ましくは8〜10,より好ましくはpH8〜9としておけば、該凝集剤の凝集沈殿効果を高めることができ、しかも該凝集剤の添加量も低減できるので望ましい。凝集剤の添加量としては特に限定されず、希釈廃液中の重金属類を十分凝集沈殿できる量を添加すればよい。尚、十分な凝集沈殿とは、該凝集沈殿処理後の上澄み液(廃液処理工程に付す場合は該供給廃液)の重金属類含有量が0mg/L,少なくとも1mg/L未満であることを意味する。したがってこの様な重金属含有量を達成する様に適宜凝集剤添加量を調整すればよいが、例えばアニオン系凝集剤を用いる場合、希釈廃液中の重金属類(鉄)含有量が100mg/Lであれば、該凝集剤を1〜2mg/L程度添加すれば十分に凝集沈殿させることができる。尚、重金属類含有量の測定方法としてはJISK0102に規定されている方法を用いればよい。
【0023】
尚、凝集沈殿せしめた沈殿物(汚泥)は凝集槽から取り出され任意の処理工程に付せばよい。本発明の方法によって得られる沈殿物量はフェントン法による処理よって副生する沈殿物量の1/10程度であるので処理コストが低減できる。また本発明の沈殿物の粘度は上記の如くフェントン法による沈殿物の粘度よりも低いため、該沈殿物をフィルタープレスなどによって水分除去した後の沈殿物(ケーキ)は粘着性が低く、取扱いが容易である。
【0024】
また凝集沈殿せしめた後、残存する廃液(上澄み液)の一部または全部を廃液処理工程に付して処理することで、洗浄廃液を高度浄化処理できる。ここで廃液の一部または全部とは、廃液の一部を前記の如く廃液の希釈に用いてもよく、あるいは他の工程で処理してもよいという意味である。
【0025】
上記廃液処理工程とは、該残存廃液のCODなど該廃液中の不純物を酸化・分解などによって取り除いて浄化処理する工程であるが、本発明においては吸着処理工程をいう。この吸着処理工程とは、上澄み液中の有機化合物などの不純物を吸着除去する工程であって、具体的には、廃液を活性炭に接触させて吸着処理を行うものである。この吸着処理工程において、活性炭を用いることで、有機化合物などの不純物に対する高い吸着率が発揮され、しかも浄化処理効率を高くすることができる。この様な活性炭としては、例えば木炭を水蒸気で活性化したものや、ヤシガラ活性炭が例示され、粒状の炭素質が望ましいが特に限定されない。また処理工程には公知の処理装置を用いればよく、具体的な処理装置は限定されない。
【0026】
活性炭を用いた吸着処理工程によって処理すれば、得られる被処理液は有機化合物などの不純物をほとんど含まず(COD:0〜2mg程度)、高度な浄化処理を達成できる。尚、凝集沈殿処理時にpHを調整した場合、例えば上記の如くpHを8〜9に調整した場合、必要に応じて該廃液処理工程の前または後に廃液のpHを廃水基準値に調整するpH調整工程を設けることが推奨される。この際のpH調整方法については特に限定されないが、該廃液のpHに応じて廃水基準値、即ちpH6〜8,より好ましくはpH6.6〜7.7となる様に適宜アルカリ性物質或いは酸性物質を添加すればよい。
【0027】
以下、本発明の方法を実施例に基づいて詳述するが、本発明の方法は以下の実施例に限定される趣旨ではない。
【0028】
【実施例】
発電用ボイラ(貫流型ボイラ)を有機酸系洗浄液(クエン酸1.5%,グリコール酸1.5%,腐食抑制剤0.3%,還元剤0.1%)で洗浄した。洗浄後排出された洗浄廃液(830m3)をバブリング装置を備えた処理槽(容量1000m3)に移送して以下の処理を行なった。尚、洗浄廃液はCOD:2300mg/L,pH:3.4,鉄:980mg/Lであった。
【0029】
過酸化水素水供給源(タンクローリー)から過酸化水素水(35%過酸化水素水)をコンプレッサーで加圧(0.12MPa)しながら処理槽の洗浄廃液に供給(過酸化水素水の供給量0.9m3/h)した。この際、図4に示す様な供給装置を用いて過酸化水素水を処理槽に供給し、バブリング装置で攪拌した。洗浄廃液と過酸化水素水との反応により、洗浄廃液の温度が上昇したが、40℃付近まで上昇した時点で、過酸化水素水の供給を休止し、洗浄廃液の温度が2〜4℃低下した後、過酸化水素水の供給を再開し、洗浄廃液のCODが300mg/Lになるまで過酸化水素水の供給を繰り返した。その後、該洗浄廃液を廃水槽(容量2000m3)に移送すると共に、発電用ボイラから排出されたボイラブロー水(COD2mg/L,鉄0mg/L)を供給ラインを介して供給(50m3/h)し、廃水槽でバブリング装置を用いて混合した。尚、希釈後廃液のCODは30mg/L,鉄濃度100mg/Lであった。混合後、希釈廃液を移送ラインを介して凝集沈殿槽に移送し、該廃液に含まれる鉄の凝集沈殿処理を行なった。この際、該廃液のpHが8〜9を維持する様に適宜水酸化ナトリウム(440mg/L)を添加するとともに、高分子凝集剤(栗田工業株式会社:EDPフロック351)を2mg/Lとなる様に該廃液に添加して3時間滞留させた。滞留後、沈殿槽内では鉄が凝集沈殿して沈殿物層を形成していた。このときの廃液(上澄み液)のCODは20mg/L,鉄含有量は1mg/Lであった。該廃液のみをpH調整槽に移送して硫酸を添加して洗浄廃液のpHが7前後となる様に調整した後、活性炭吸着塔(ヤシガラ活性炭を25m3充填,下向流型)に通水量45m3/hとなる様に供給して吸着処理を行なった。該吸着処理後の洗浄廃液(処理水)はCOD:0〜2mg/L,pH:6〜8,鉄1mg/L未満であり、不純物をほとんど含まない高度に浄化された処理水が得られた。尚、沈殿槽内に凝集沈殿している沈殿物は廃液1m3中1.2kg(総沈殿物量1000kg)であり、粘性を有していなかった。該沈殿物をフィルタープレス脱水処理したが詰まりなどの問題は生じなかった。また得られた沈殿物ケーキは他の処理工程で別途処理したが粘性がほとんどないため、取扱いが容易であった。
【0030】
比較例
発電用ボイラ(貫流型ボイラ)を有機酸系洗浄液(クエン酸2.3%,グリコール酸2.3%,腐食抑制剤0.3%,還元剤0.1%)で洗浄した。洗浄後排出された洗浄廃液(840m3)を処理槽(容量1000m3)に移送して以下の処理を行なった。尚、洗浄廃液はCOD:3800mg/L,pH:3.1,鉄:850mg/Lであった。
【0031】
処理槽の洗浄廃液にCOD処理準備剤を330kgを添加して脱臭,消泡し、その後該洗浄廃液に62.5%硫酸(2640kg)と硫酸鉄塩(5500kg)とを添加してpHを1.5〜2.0に調整した。pH調整後、更に該廃液に35%過酸化水素水を供給し、該廃液のCODが8mg/Lになるまで廃液の温度を調整しながら供給した。その後、消石灰を添加(4000kg)してpHを8.8に調整し、高分子凝集剤(栗田工業株式会社:クリマイティ202)を供給(2mg/L)して48時間沈殿させた。沈殿後、沈殿槽内では鉄が凝集沈殿して沈殿物層を形成していた。このときの廃液(上澄み液)のCODは5.2mg/L,鉄含有量は1mg/Lであった。沈殿槽内に凝集沈殿している沈殿物は廃液1m3中15.8kg(総沈殿物量13300kg)であり、高粘性であるため手動で搬出した。また該沈殿物をフィルタープレス脱水処理したが粘性が高いため詰まりなどの問題が生じ、随時メンテナンスを要した。尚、脱水後得られた沈殿物は他の処理工程で別途処理したが高粘性であるため、取扱いが困難であった。また廃液(上澄み液)はpHを6〜8に調整し、活性炭吸着処理した。得られた処理水のCOD:0〜2mg/L,pH:6〜8,鉄1mg/L未満であった。
【0032】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、廃液の処理時に生じる汚泥量を減少させることができる。本発明の廃液処理方法によれば、高効率でしかも廃液の高度浄化を低コストで達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の廃液処理方法の概略を例示する工程図である。
【図2】 本発明の過酸化水素水の供給方法を例示する概略説明図である。
【図3】 本発明の過酸化水素供給装置を例示する概略見取り図((a)は側面図,(b)は斜視図)である。
【符号の説明】
1 過酸化水素水供給源
2 接続ホース
3 ノズル部
4 重し
5 流量調節弁
6 孔
7 ノズル先端径面

Claims (6)

  1. 発電用ボイラを有機酸系洗浄液で洗浄した際に排出される洗浄廃液であって、有機化合物および重金属類を含有する廃液に過酸化水素水を接触させる工程と、
    前記過酸化水素水と接触させた廃液を、発電設備の運転に伴って生成される廃水であって、化学的酸素要求量が低く重金属類を実質的に含有しない廃水を希釈用の廃水として用いて希釈する工程と、
    希釈された廃液に凝集剤を添加して該希釈廃液中に存在する重金属類を凝集沈殿させる工程と、
    前記凝集沈殿工程の後、残存する廃液の一部または全部を、活性炭に接触させて吸着処理する工程とを含むことを特徴とする廃液の処理方法。
  2. 発電用ボイラから排出されたボイラブロー水を、前記希釈用の廃水として用いることを特徴とする請求項1に記載の廃液の処理方法。
  3. 前記凝集沈殿工程で生成される上澄み廃液を、前記希釈用の廃水として用いることを特徴とする請求項1に記載の廃液の処理方法。
  4. 高分子凝集剤を用いて前記希釈廃液中の重金属類を凝集沈殿させることを特徴とする請求項1に記載の廃液の処理方法。
  5. 前記吸着処理工程の前または後に、廃液のpHを所定値に調整するpH調整工程を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の廃液の処理方法。
  6. 前記廃液に過酸化水素水を供給する装置を用いた方法であって、該装置は過酸化水素供給ホース、及び長手方向の側面に複数の孔を形成したノズルを有し、更に該ノズルには過酸化水素水供給時に該ノズルが接地状態を維持できる重しを付設したものである請求項1〜5のいずれかに記載の廃液の処理方法。
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