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JP3699489B2 - チキソトロピック性接着剤ゲル - Google Patents
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JP3699489B2 - チキソトロピック性接着剤ゲル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、紙、板紙、布および木材のような多孔質および多少多孔質の基質用の清澄でチキソトロピックな水性の汎用ポリビニルアルコール接着剤ゲルに関する。
【0002】
背景技術
紙のような多孔質および多少多孔質の基質に付着させるのに多種類の汎用接着剤が用いられる。しかし、幼児が教室内にあるような壁板および他の垂直な面で行う課題実習で用いるには、該接着剤には欠点がある。
【0003】
本発明の接着剤ゲルは、実質的に、水;部分加水分解ポリビニルアルコール;ポリビニルアルコールと相溶しうる水に可溶な増粘剤ポリマー;水に可溶な消泡剤;およびゲルの清澄性をそこなわないポリビニルアルコールの水に可溶な可塑剤よりなる。場合により、ゲルの有利な性状をそこなわない他の成分を加えることもできる。相溶性のある防腐剤が通常ゲルに添加される。
【0004】
1980年、Mc Graw−Hill,Inc.発行のR.L.Davidson著「The Handbook of Water−Soluble Gums and Resins」は20−20頁に、接着剤として、部分加水分解ポリビニルアルコールを開示し、さらに20−18頁に、多孔質基質内へのポリビニルアルコール溶液の浸透を制御するため、または浸漬による塗料の逃げを阻止するためにある種のゲル化剤の使用を開示する一方、該資料の20−19頁には、ポリビニルアルコールについて消泡剤の使用を開示している。該Handbookの21−15頁および21−16頁にはポリビニルピロリドン(PVP)の接着性が記載されている。該資料は、数ある欠点の中で、ポリビニルアルコールについて、チキソトロピー剤の使用を述べてもいなければまた、本発明の有利な性状を得るのに用いられる成分の比率も述べていない。
【0005】
P.Columbusらの米国特許第3,442,845号(1969年5月6日)は、冷水または温水中に再分散可能なポリ酢酸ビニル接着剤に関するものである。該特許の接着剤組成物はポリ酢酸ビニルの融着防止剤として、ポリビニルアルコール、水に可溶のガム、およびセルロースエーテル類を使用している。プロピレングリコールおよび他のポリヒドロキシ化合物が、ポリビニルアルコールの可塑剤として挙げてある。しかし、本発明の接着剤ゲルに関連する数ある欠点の中で、米国特許第3,442,845号の接着剤は本発明の接着剤ゲルのチキソトロピック性、清澄性、または固化速度を有していない。
【0006】
P.Columbusの米国特許4,251,400号(1981年2月17日)も、乾燥フィルム状になったものを、温水および冷水中に再分散可能であり、かつ融着防止剤としてポリビニルピロリドンおよび不揮発性で水に可溶な可塑剤を使用するポリ酢酸ビニル接着剤に関するものである。該特許は、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルピロリドンに加えて、接着剤組成物中に、ポリビニルアルコール、プロピレングリコールのみならず水に可溶なエーテル類の使用に言及している。米国特許第4,251,400号の接着剤は固化速度、清澄性、およびチキソトロピック性のような本発明の接着剤ゲルの多くの性状を欠いている。
【0007】
約83%の水;14%の部分加水分解ポリビニルアルコール;0.2%の水に可溶なポリアルコキシル化ポリエーテル消泡剤;1.8%のプロピレングリコールならびに全体の約0.25%の増粘剤としてのホウ酸およびクエン酸を含有する粘質物は周知の商品である。さらに、この粘質物は本発明の接着剤ゲルのチキソトロピーおよびウェットタックのような性質を欠いている。
【0008】
1987年1月28日に発行されたLocktiteの欧州特許出願公報第0210052号は、一度に1または2滴の速度でシアノアクリレートのような反応性接着剤を分与する種々のチューブに関するものである。該特許は、弾力のあるプラスチックチューブディスペンサーに言及し、一般的に、接着剤がチキソトロピックでありうることを述べている。
【0009】
【発明の要約】
本発明の一つの態様においては、ゲルにチキソトロピック性を付与する水に可溶な高粘度の増粘剤ポリマー、接着剤ポリマーの水に可溶な可塑剤、および水に可溶な消泡剤を含有する清澄な水性ポリビニルアルコール接着剤ゲルが提供される。チキソトロピック性があるために、フレキシブルチューブまたはスクィーズボトルを指で押すと接着剤の粘度が低下して、たとえば直径が約0.06ないし0.15インチの小さなオリフィスから容易に押出すことができるほどの低粘度になる。所望量の接着剤がオリフィスから流出した後、圧力を除くと、接着剤は急速にほぼ原のゲル状態に戻り、その結果ゲルの水平線を、紙のような多孔質の基質の垂直面に塗布しても流れない。
【0010】
別の態様では、接着剤ゲルは無色明澄または透明である。
【0011】
さらに他の態様では、接着剤ゲルはウェットタックが強く、固化速度がおそい。この接着剤ゲルは、ゲルを両基質に接触させた後、接着剤の固化によって、永続的な付着力および紙を引裂くような結合が生まれるまで、第2の基質を動かして再位置決めすることができる長い間、垂直面をなす第1の基質の所定の位置に第2の基質を保持する。
【0012】
本発明の別の態様では、ポリビニルアルコール接着剤ポリマーの一部がポリビニルピロリドンで置換される。
【0013】
さらに別の態様では、直径が約0.06ないし0.15インチのオリフィスを有し、指の圧力で接着剤を分与できるフレキシブルディスペンサーに本発明の接着剤ゲルを収容する製造品が提供される。
【0014】
さらに他の態様では、フレキシブルディスペンサーのオリフィスが、ゲルのチキソトロピー指数および粘度と相互に関係づけられ、ディスペンサーに指の圧力を加えることによって、フレキシブルディスペンサーからゲルの押出しを可能にし、さらに、押出されたゲルは、垂直面をなす紙上に水平線状に塗布しても流れないビードを形成する。
【0015】
本発明のこれ以外の態様は明細書全体およびクレームを読めば明らかとなろう。
【0016】
本発明の利点には次のものがある。(1)本接着剤ゲルは、多孔質および多少多孔質の垂直面に適用しても流れず、また汎用の学校用糊として用いてもこぼれない。(2)本接着剤ゲルは、フレキシブルチューブやスクィーズボトルを指で圧すと小さなオリフィスから容易に、かつ定常流となって、押し出され、指の圧力を除くとゲルに戻る。(3)接着剤ゲルとディスペンサーの小さな、たとえば直径の約0.06インチないし0.15インチの開口部との組合せは、接着剤が乾燥しても、紙のしわをほとんどまたはまったく無くす。(4)清澄な弾力あるプラスチックディスペンサー中の接着剤は、ディスペンサー内部では淡色を含むこともある清澄のように見えることができる。(5)本接着剤ゲルは、好ましくは無色明澄であるか、または清澄な淡色を有し、かつ清澄な乾燥フィルムとなる。(6)接着剤の乾燥フィルムはフレキシブルで、曲げても割れない。(7)本接着剤ゲルは乾燥する間両紙面を互いに離れないようにするような強いウェットタックがある。(8)本接着剤ゲルは、紙を引裂くような永続的結合が生じる前に、基質を動かして、再位置めができるように、固化速度が遅い。(9)本接着剤ゲルのみならず乾燥フィルムも温水または冷水中で洗い落される。(10)本接着剤ゲルは無毒の水に可溶な染料で容易に染めることができる。(11)本接着剤ゲルは連邦有害物質法に規定されているように有毒でなく、また皮膚や目を刺激しない。
【0017】
図1は、容量が約3液体オンスのクリンプされた密閉端14がついた清澄な中空チューブ部分12を有する通常のフレキシブルなプラスチックの低密度ポリエチレンチューブディスペンサー10を示す。ポリエチレンの壁厚は0.018インチである。密閉端14はクリンプ14よりも先に、ディスペンサー10を吊して陳列したり貯蔵したりできるように、切り込み部分18のついた延長フラップ16がある。チューブ12の分与端20には、キャップ端部24をひねりながらキャップ22を所定の位置に保つことによってオリフィス26を開閉させることができる通常のねじ山付きディスペンサーのキャップ22がある。ディスペンサー10は本発明の接着剤ゲル40を含有し、ディスペンサーを見ると、チューブ12に接する接着剤40は清澄な外観を呈する。
【0018】
図2はキャップ24の端にあるディスペンサー開口部26をさらに明確に示す。
【0019】
図3は、容量が4液体オンスの清澄で、通常のフレキシブルなプラスチックの低密度ポリエチレン製スクィーズボトル30を示す。ボトル30には通常のねじ山付き開口端(図示せず)を有するネック部32がある。通常のディスペンサーキャップ22にはネック部32のねじ山とかみ合う内面ねじ山がある。キャップ22は、図1および図2と同様に、キャップ端部24をひねることによってオリフィス26を開閉させることができる。ディスペンサーボトル30は清澄なゲル状接着剤40を含有している。接着剤40を含有するボトル30の部分の清澄性すなわち透明性は図1の場合と同様である。
【0020】
図4はキャップ24の端にあるディスペンサー開口部26をさらに明確に示す。
【0021】
フレキシブルプラスチックチューブまたはスクィーズボトルの代りに、変形可能で、延性のある金属チューブのような他のディスペンサーを使用することができるが、このようなチューブは清澄性を与えない。
【0022】
本発明の好ましい接着剤ゲルは清澄である。「清澄性」という用語は、本明細書では不透明性と対照的に使用する。「清澄性」という用語は透明性、すなわち、透視性だけでなく半透明性をも含む。
【0023】
本明細書で使用する「水に可溶」という用語は、水に溶解または混和可能で、使用濃度において清澄な溶液となる固体または液体の溶液を指す。
【0024】
「チキソトロピー指数」はゲルを動揺させない状態と力によってゲルが変位しつつある状態とのゲルの粘度差である。本明細書で使用する「チキソトロピック」という用語は、また擬似塑性を含むつもりである。本発明で用いられるチキソトロピー指数は、チューブまたはスクィーズボトルのようなフレキシブルディスペンサーに指の圧力を加えることによって、ディスペンサー開口部からのゲルの押出しを可能にする。接着剤はオリフィスから押出された後、急速に高粘度に戻る。接着剤ゲルを、本発明に用いられるディスペンサーの小さいオリフィスから押出して、垂直面状にある紙に適用すると、0.15インチ未満、好ましくは0.1インチ未満のような少量のクリープはありうるけれども、外力を適用しないと、流れない。すなわち広がらない。直径が0.1インチ未満、たとえば直径が0.73インチのオリフィスのような小さいオリフィスのディスペンサーではクリープが最小限になる。
【0025】
本発明の接着剤ゲルのチキソトロピー指数は、約1.5から4.5まで、好ましくは約1.5から4まで、とくには1.8から2.5まで変動する。本明細書で用いるチキソトロピー指数は、RVF型ブルックフィールド粘度計によりNo.6スピンドルを用いて、25℃における2RPM(毎分の回転数)のゲル粘度の読みを20RPMの粘度の読みで除して得た値である。粘度の読みは、ゲルが、攪拌または他のゲル構造の動揺後、ある時間、たとえば12時間、ゲルを静止状態、たとえば動揺しない状態に置いた後に行う。チキソトロピー指数の測定方法が異なると、違った結果が生じることに注意しなければならない。
【0026】
本発明の接着剤ゲルの粘度は、RVF型ブルックフィールド粘度計により、No.6スピンドルを用いて、2RPM(毎分の回転数)で測定すると、25℃において約30,000cps(センチポアズ)ないし100,000cps、好ましくは25℃において約50,000cpsないし90,000cpsである。RVF型ブルックフィールド粘度計により、No.6スピンドルを用いて、20RPMで測定すると、チキソトロピック指数がここに示された範囲内にあれば、粘度は25℃において、約15,000cpsないし60,000cps、好ましくは約20,000cpsないし40,000cpsである。
【0027】
本発明の接着剤ゲルの主成分は水である。水の量は、接着剤ゲルの約70重量%ないし93重量%、好ましくは75重量%ないし93重量%、とくには約80重量%ないし90重量%というような広範囲に及ぶことができる。
【0028】
ポリビニルアルコール接着剤ポリマー
本発明で用いられる接着剤は部分加水分解ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドン(PVP)を含む該ポリビニルアルコール(ただし、PVPはポリビニルアルコールの最大約1/2を置換する)である。ポリビニルアルコールは通常、約25,000ないし100,000、好ましくは約40,000ないし80,000の分子量を有している。ポリビニルアルコールの粘度は、4%水溶液において、LVF型ブルックフィールド粘度計により、No.1スピンドルを用い、20℃において、60RPMで測定すると、業界で、低粘度と呼ばれる、約5ないし6cpsのような粘度から、業界で高粘度と呼ばれる40ないし50cpsのような粘度まで広範囲にわたることができる。部分加水分解ポリビニルアルコールの好ましい加水分解度は87%ないし89%である。
【0029】
PVPは、分子量をK値で表わすと、K値が約26ないし100というような広範囲にわたる分子量を有する。
【0030】
ゲル中のポリビニルアルコールまたはPVPを含むポリビニルアルコールの量は、接着剤ゲルの約5重量%ないし25重量%、好ましくは約5重量%ないし20重量%、とくには接着剤ゲルの10重量%ないし15重量%というような広範囲にわたることができる。
【0031】
高粘度増粘剤ポリマー
高粘度増粘剤ポリマーは、ポリビニルアルコールと相溶可能であって、本発明の接着剤ゲルのチキソトロピー指数および粘度の範囲内で、チキソトロピック性または擬似塑性を付与する任意の水に可溶な増粘剤ポリマーであることができる。「相溶可能」とは、ゲル中の成分の分離を生じないという点で混合可能という意味である。高粘度増粘剤ポリマーの実例としては、本明細書で単にCMCともいう、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム、およびキサンタンガムを挙げることができる。増粘剤の量は、接着剤ゲルに所望のチキソトロピー指数および粘度を与えるだけの量である。該量は、通常、接着剤ゲルの約0.5重量%から1.5重量%、好ましくは接着剤ゲルの0.85重量%から1.25重量%にわたる。
【0032】
水に可溶な可塑剤
ゲルの清澄性をそこなわないポリビニルアルコールの水に可溶な可塑剤が本発明の使用に適当である。該可塑剤はポリビニルアルコールを軟化させ、接着剤を粘着性にし、さらに乾燥フィルムを衣料から洗い落しやすくするのを助ける。該可塑剤の実例としては、プロピレングリコール;グリセロール;エチレングリコール;およびジエチレングリコールのような炭素原子が2ないし5個および水酸基が2ないし3個のアルカン類を挙げることができるが、エチレングリコールおよびジエチレングリコールにはいくらか毒性のあることがある。水に可溶な可塑剤の量はポリビニルアルコールを可塑化させるだけの量で、おおむね、接着剤ゲルの約0.5重量%から3重量%に及ぶ。
【0033】
水に可溶な消泡剤
本発明において、たとえばブトキシポリオキシエチレン−プロポキシルプロピレングリコールといったポリアルコキシル化ポリエーテル類のような通常の水に可溶な消泡剤を使用することができる。シラン消泡剤も使用可能であるが、ゲルの透明性に悪影響を及ぼすことがある。消泡剤の量は、ゲルの清澄性をそこなう濃度の、ゲル中の気泡を排除するだけの量である。概して、消泡剤の量はゲル組成物の約0.05重量%から0.35重量%にわたる。消泡剤は、また、ゲルの密度を保持し、製造過程における過度の泡を防いで、ディスペンサーへのゲルの充填を容易にする。
【0034】
ディスペンサーを操作するには、オリフィス26を開くようにキャップ端部24をひねり、親指と人指し指または親指と他の指との指の圧力を用いて、ゲル40をディスペンサーチューブ12またはディスペンサースクィーズボトル30から紙のような基質上に分与する。ディスペンサーキャップのオリフィス26の直径は、約0.06ないし0.15インチ、好ましくは0.07ないし0.10インチ、とくには約0.07ないし0.08インチである。チキソトロピックなゲル状接着剤40は、動揺していない状態では高粘度であるにもかかわらず、チキソトロピック性があるために、指で圧すと、定常流となって、キャップのオリフィス26から流出する。ディスペンサー開口部が、ゲルのチキソトロピー比および粘度に関して、フレキシブルディスペンサーを指で押すとゲルを押出すことができ、一方垂直に取付けた紙片上に水平線状の押出しゲルのビードが流れない横断面をもちさえすれば、分与開口部は円形である必要はない。該開口部の面積は約0.011ないし約0.12平方インチとする必要がある。
【0035】
ゲルを垂直面をなす基質に適用する場合には、ゲルのチキソトロピック性によってゲルは流れることなく、かつ最小量のクリープを有する。該クリープは概して、0.15インチ未満であって、0.1インチ未満のことが多い。ディスペンサーの小さい開口部から適用されるチキソトロピックなゲルの能力によって、色画用紙のような第1の基質上に、接着剤の量だけでなく乾燥時の紙のしわを出来るだけ少なくする薄い接着剤層を付与することができる。他の色画用紙のような第2の基質を、付着させるために、第1の基質に、押付けると、ゲルの強いタックは垂直面上の所定の位置に第2の基質を保持する。遅い固化速度によって、恒久的に、両基質を所定の位置に保持する繊維を引裂くような結合が、両基質間に生成する前に、たとえば第2の面を第1の面の上に動かすことによって第2の基質を位置決めする長い時間が可能となる。
【0036】
当業者がここに示す本発明を、さらによく理解できるように、下記の実施例を示す。実施例中のみならず本出願のほかのどこかにある部および百分率はすべて、とくに断らなければ、重量単位のものである。また、「ウェットタック」および「固化速度」を測定する方法も下記に示す。
【0037】
ウェットタックを測定する方法
この方法はグレード1またはグレード2のシロマツのブロックを使用し、各ブロックの長さは2インチ、高さが0.75インチ、および幅が1.75インチである。木の木目はブロックの長さに平行で、高さ0.75インチおよび長さが2インチの側面はかんなをかけて滑らかにしてある。該側面をここでは試験側面という。したがって各試験側面は1.5平方インチの表面になる。
【0038】
一連の試験を前記の木のブロックについて行い、試験ごとにブロック2個を必要とする。各試験では、各ブロックの試験側面の1つの中心にアイスクリューを置く。次にゲル状接着剤が1.5平方インチの表面全体を被覆するように、試験ブロックの1つのアイスクリューの反対面にゲル状接着剤を置く。第2のブロックのアイスクリューとは反対側の第2のブロックの試験側面および接着剤を付けた第1のブロックの側面を滑動させて互いに圧しつけ、同時に1つのブロックの端が他のブロックの端よりも外に出ないように正しく重ねる。第1のブロックのアイスクリューにはかりを取付け、他方第2のブロックのアイスクリューにおもりを付ける。次にオペレーターははかりを上に揚げて、おもりが揚がるように2つのブロックを垂直に揚げる。このようにオペレーターが手ではかりを揚げると、次には、はかりがアイスクリューによって、第1のブロックを揚げる。これにより、次には接着剤のウェットタックによって第2のブロックが揚り、さらに第2ブロックのアイスクリューに付いているおもりが揚がる。この試験をきれいな木のブロックで繰返し、2つのブロック間の接着剤が第2ブロックおよび付着したおもりを揚げることができなくなるまで、毎回おもりを増す。この試験で揚げられた最後のおもりを接着剤のウェットタックの量または単にウェットタックという。この試験は、接着面に垂直の方向のウェットタックを測定するものである。この試験について長々と述べたけれども、本試験は、オペレーターが迅速に行うことが可能であり、しかも信頼性を期待して行われる。木のブロック間でウェットタックを測定するときの接着剤は、ディスペンサーのオリフィスに残った場合の接着剤の物理的化学的状態に極めて類似する。ウェットタックは、しばしば接着剤の定着力と呼ばれるものの尺度である。基質を、垂直面をなす別々の基質と接着剤でくっつける場合には、最低量のウェットタックが必要であり、さもないと、所定の位置に保持されないで、むしろ位置決めのために湿潤接着剤に依存している基質は第1の基質の垂直面から滑り落ちるであろう。本発明のゲルのウェットタックは、約225g/平方インチから600グラム/平方インチ以上、好ましくは約250グラム/平方インチから500グラム/平方インチにわたるのが好ましい。
【0039】
固化速度の測定方法
固化速度の測定は白色の写生帳の上で行う。5.5×8.5インチの写生帳の平滑な白い紙の上に接着剤層を置く。写生帳のほぼ中央で、紙の長さに平行に1つの接着剤層を置く。Leneta Companyが供給するNo.22 WIRE−CATORを用いてこの接着剤を平らに広げる。WIRE−CATORはワイヤを巻付けたロッド(wire wrap rod)とも呼ばれる。WIRE−CATORは単一の接着剤層から均一な厚さのフィルムに引き伸ばす。No.22 WIRE−CATORを用いて接着剤層を1.5ミルの厚さに引き伸ばす。
【0040】
同一の紙の第2の紙片を、指で掴めるように、一方の細い端を立てた。第2の紙片を第1の紙片の上に押し付ける。次に、第2の紙片の立てた端を持ち上げ、かつ第1の紙片を所定の位置に抑えつけることによって、二枚の紙片を徐々に引きはがす。繊維を引き裂くような結合を見いだすのに要する時間が固化速度である。本発明のゲルの好ましい固化速度は約16秒ないし35秒で、約18秒ないし32秒が好ましい。
【0041】
ここに挙げるウェットタックと固化速度の値はいずれも温度25℃および相対湿度35%で得たものである。
【0042】
実 施 例 1
この実施例は、本発明の接着剤ゲルの組成、調製法および性質のみならず本発明の物品の使用法を示す。
【0043】
成分 重量部
脱イオン水 83.51
ポリビニルアルコール1 13.33
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩2 1.00
消泡剤3 0.25
パラヒドロキシ安息香酸エチル 0.05
安息香酸 0.10
プロピレングリコール 1.75
青色染料4 0.01
1 Air Products and Chemicals,Inc.より供給される部分加水分解ポリビニルアルコールであるVINOL 523。
【0044】
2 デラウェア州、WilmingtonのAqualon Companyより供給されるCMC 7HX4。
【0045】
3 ニュージャージー州、RidgefieldのThomas W.DunnCorpより供給される一官能ポリアルコキシル化ポリエーテル消泡剤である
DEFOAMER 622。
【0046】
4 ニュージャージー州、South PlainfieldのWarnerJenkinson Cosmetic Colorsより供給される No.5601,FD&C Blue No.1。
【0047】
実施例1の接着剤は、攪拌機を備えたジャケット付タンクの中で、急速に攪拌しながら、ポリビニルアルコールおよびCMCを徐々に水に添加することによって調製した。CMCは、水に加える前に、ポリビニルアルコールの一部とドライブレンドするのが好ましい。次に消泡剤を加えた。ゲル中の全量の水の一部は、混合物を水蒸気と接触させながら加熱するときに、水蒸気の凝縮によって得ることができる。パラヒドロキシ安息香酸エチルおよび安息香酸を次に組成物中に混合して、混合物の温度を85℃ないし90℃に上げて、組成物が滑らかで均質になるまで、緩やかに攪拌しながら約15ないし20分加熱した。ついで、絶えずゆるやかに攪拌しながら組成物を50℃に冷却した。次に、染料2部と水98部とを混合して、あらかじめ調製しておいた青色染料を添加した。混合はバッチの色が均一になるまで続けた。
【0048】
次に、接着剤を、キャップ22、ノズル24および直径が0.073インチの開口部26を有する3液体オンスの清澄な低密度ポリエチレンチューブ12に充填した。充填後、チューブ12の後端をヒートシールして、図1および図2に示すようにフラップ16が延びているクリンプ14を形成させた。ゲル40と直接接触しているチューブ12の部分は透明で、若干青味がかっていた。ゲルと直接接触していなかったチューブ12の部分は半透明であった。
【0049】
本明細書に示す実施例はすべて実施例1とほぼ同様に行った。
【0050】
実施例1の接着剤ゲルは透明で青味を帯び、オリフィス26の直径が0.073インチの弾力性のあるプラスチックチューブ12から指の圧力で容易に分与できる。ゲルのウェットタックは435g(グラム)/平方インチで、固化時間は25秒であった。ゲルには気泡がなく、該チューブのオリフィスから垂直に保持した紙片上に分与すると、ゲルは流れない接着剤の均一で、薄い水平なビードを形成し、乾燥して清澄なフィルムになると、繊維を引き裂くような結合を生じた。強力なウェットタックは垂直面の所定の位置に第2の紙片を保持し、同時に、長い固化時間は、恒久的な接着層が形成しない中に、第1の紙片上に第2の紙片を動かして、再位置決めすることを可能にした。ゲルは乾燥前だけでなく乾燥後にも衣料から洗い落せた。この生成物は前記の発明の要約で説明した利点をすべて示した。そのチキソトロピー指数は約2であった。RVF型ブルックフィールド粘度計により、No.6スピンドルを用いて25℃で測定したときの接着剤ゲルの粘度は次の通りであった。
【0051】
製造後当初、2RPMの速度では50,000ないし60,000cpsの粘度。
【0052】
製造後当初、20RPMの速度では24,000ないし28,000cpsの粘度。
【0053】
約12時間放置後、2RPMの速度では70,000ないし80,000cpsの粘度。
【0054】
約12時間放置後、20RPMの速度では30,000ないし40,000cpsの粘度。
【0055】
製造から1ケ月後、2RPMの速度で測定したときには、粘度は100,000cpsを超えなかった。
【0056】
本発明の接着剤のpHは4.8であった。
【0057】
実 施 例 2
本実施例は、本発明の有利な性質を有する別の配合を提供し、低粘度のポリビニルアルコールの使用を示す。青色染料、CMCおよび消泡剤は実施例1と同一であった。
【0058】
成分 重量%
脱イオン水 76.84
青色染料 0.01
ポリビニルアルコール* 20.00
CMC 1.0
消泡剤 0.25
パラヒドロキシ安息香酸エチル 0.05
安息香酸 0.10
プロピレングリコール 1.75
*Air Products and Chemicals,Inc.から供給される製品のVINOL 205。
【0059】
このゲルはブルックフィールドRVF型粘度計によりNo.6スピンドルを用いて、25℃で測定したときの粘度は、2RPMで67,500cps、20RPMで21,000cpsであった。チキソトロピー指数は2.4でウェットタックは250g/平方インチであった。
【0060】
実 施 例 3
本実施例は本発明の有利な性質を有する生成物を得た少量のポリビニルアルコールおよびCMCの使用を示すものである。
【0061】
成分 重量部
脱イオン水 85.4
青色染料 0.01
消泡剤 0.25
ポリビニルアルコール* 11.6
CMC 0.87
プロピレングリコール 1.75
防腐剤** 0.10
*Air Products and Chemicals,Inc.から供給されるVINOL 540で、高粘度で加水分解率が87ないし98%の部分加水分解ポリビニルアルコール。
【0062】
**Rohm and Haas Co.より供給される5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物であるKATHON LX1.5。
【0063】
実施例3で使用した青色染料、消泡剤およびCMCは実施例1と同じであった。
【0064】
実 施 例 4
本実施例は、かなりの量のポリビニルピロリドンを含有する本発明の組成物の配合を示す。
【0065】
成分 重量部
脱イオン水 83.51
消泡剤 0.25
ポリビニルアルコール 6.67
CMC 1.00
ポリビニルピロリドン* 6.66
プロピレングリコール 1.75
青色染料 0.01
パラヒドロキシ安息香酸エチル 0.05
安息香酸 0.10
* B.A.S.F.Atkiengesellschaftより供給されるLUVISOL K−90。
【0066】
本実施例4の接着剤ゲルの粘度は、ブルックフィールドRVF型粘度計を用いて、No.6スピンドルで、25℃において測定したとき、2RPMで35,000cps、20RPMで20,000cpsであった。チキソトロピー指数は1.75で、ウェットタックは250g/平方インチであった。ポリビニルアルコール、CMC、および青色染料は実施例1で用いたものと同じであった。
【0067】
実 施 例 5
本実施例は、増粘剤ポリマーとしてキサンタンガムを用いた本発明の組成物を示す。
【0068】
成分 重量部
脱イオン水 83.51
青色染料 0.01
ポリビニルアルコール 13.33
キサンタンガム1 1.00
消泡剤 0.25
パラヒドロキシ安息香酸エチル 0.05
安息香酸 0.10
プロピレングリコール 1.75
1 Merck & Co.のKelco部より供給される工業用キサンタンガムであるKALZAN。
【0069】
実施例5のゲルは、チキソトロピー指数が約4.6の場合に、粘度が62,000cpsおよび13.500cpsであった。この粘度はブルックフィールドPVF型粘度計を用いて、No.6スピンドルで、25℃において測定したものである。本生成物のウェットタックは400グラム/平方インチであった。
【0070】
実 施 例 6
本実施例は、本発明のゲル状接着剤を調製するための増粘剤ポリマーとして、アルギン酸ナトリウムの使用を示すものである。残りの成分は実施例1で用いたものと同じである。
【0071】
成分 重量部
脱イオン水 83.51
青色染料 0.01
ポリビニルアルコール 13.33
アルギン酸ナトリウム* 1.00
消泡剤 0.25
パラヒドロキシ安息香酸エチル 0.05
安息香酸 0.10
プロピレングリコール 1.75
1 Merck & Co.のKelco部より供給されるKELGIN MV。
【0072】
本実施例6のゲルの粘度は、ブルックフィールドRVF型粘度計において、No.6スピンドルを用いて25℃で測定したとき、2RPMおよび20RPMでそれぞれ35,000cpsおよび23,000cpsであった。ゲルのチキソトロピー指数は約1.5、ウェットタックは335g/平方インチであった。
【0073】
実 施 例 7
本実施例は増粘剤ポリマーとしてのヒドロキシプロピルメチルセルロースの不適合性を示すものである。この配合は、ヒドロキシメチルセルロースの厚い層が、分離されて、試料上面に生成されたので不満足なものであった。
【0074】
成分 重量部
脱イオン水 83.51
FD&C No.1(2%水溶液) 0.01
ポリビニルアルコール 13.33
ヒドロキシプロピルメチルセルロース* 1.00
消泡剤 0.25
パラヒドロキシ安息香酸エチル 0.05
安息香酸 0.10
プロピレングリコール 1.75
* Dow Chemical Co.より供給されるMETHOCELL K15 MS。
【0075】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース以外の残りの成分は実施例1の成分と同じであった。
【0076】
実 施 例 8
実施例7の配合中、ヒドロキシメチルセルロースの代りにヒドロキシエチルセルロースを置き換えても、ヒドロキシエチルセルロースの厚い層が配合物から分離したので、これも不満足な結果を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着剤ゲルを含有するフレキシブルチューブディスペンサーの側面図である。
【図2】図1に示したフレキシブルチューブディスペンサーの平面図である。
【図3】本発明の接着剤ゲルを含有するフレキシブルスクィーズボトルディスペンサーの側面図である。
【図4】図3に示したフレキシブルスクィーズボトルディスペンサーの平面図である。

Claims (12)

  1. (A)70ないし93%の水;
    (B)5ないし25%の部分加水分解ポリビニルアルコール;
    (C)そのポリビニルアルコールと相溶性である0.5ないし1.5%の増粘剤ポリマー、前記増粘剤ポリマーはカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム及びキサンタンガムより成る群より選ばれる、
    (D)そのポリビニルアルコール用の0.5ないし3%の水溶性可塑剤;及び
    (E)0.05ないし0.35%の水溶性消泡剤
    から本質的になるチキソトロピック性、清澄な接着剤ゲル。
  2. RVF型ブルックフィールド粘度計により、No.6スピンドルを用いて測定して、25℃において、20RPMのゲルの粘度を該ゲルの2RPMにおける粘度で割るときに、約1.5ないし4.5のチキソトロピー指数となるだけの増粘剤の量である請求項1のゲル。
  3. チキソトロピー指数が約1.5ないし4.0である請求項1の接着剤ゲル。
  4. ウェットタックが少なくとも225グラム/平方インチであり、そして温度25℃および相対湿度35%において、固化速度が16ないし35秒である請求項1の接着剤ゲル。
  5. 可塑剤が2ないし5個の炭素原子および2ないし3個の水酸基を有するアルカンである請求項1の接着剤ゲル。
  6. その消泡剤が一官能ポリアルコキシル化ポリエーテルであることを特徴とする請求項1の接着剤ゲル。
  7. 乾燥した後も、ゲルを温水または冷水で衣料から洗い落すことができる請求項1の接着剤ゲル。
  8. そのポリビニルアルコールの5ないし50重量%がポリビニルピロリドンで置き換えられることを特徴とする請求項1の接着剤ゲル。
  9. (A)70ないし93重量%の水;
    (B)5ないし25重量%の部分加水分解ポリビニルアルコール;
    (C)そのポリビニルアルコール用の0.5ないし3重量%の水溶性可塑剤;
    (D)気泡がゲルの清澄性をそこなうのを防ぐために十分な量の水溶性消泡剤及び
    (E)そのゲルに1.5〜4.5チキソトロピー指数を付与するため、そのポリビニルアルコールと相溶性である0.5ないし1.5重量%の増粘剤ポリマー、前記増粘剤ポリマーはカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム及びキサンタンガムより成る群より選ばれる、
    から本質的になるチキソトロピック性、清澄な接着剤ゲル。
  10. 水の量がゲルの75ないし95重量%で、ポリビニルアルコールがゲルの5ないし20重量%である請求項9の接着剤ゲル。
  11. その増粘剤がカルボキシメチルセルロースナトリウム又はキサンタンガムある請求項9の接着剤ゲル。
  12. そのポリビニルアルコールの5ないし50重量%がポリビニルピロリドンで置き換えられることを特徴とする請求項9の接着剤ゲル。
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