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JP3700665B2 - モータ制御装置、モータ制御方法およびモータ制御プログラム - Google Patents
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JP3700665B2 - モータ制御装置、モータ制御方法およびモータ制御プログラム - Google Patents

モータ制御装置、モータ制御方法およびモータ制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、状態推定器(オブザーバ)を使用したフィードバック制御によってモータを制御するモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、状態推定器を使用したフィードバック制御によってモータを制御するモータ制御装置が利用されている。状態推定器を使用したフィードバック制御では、図7に示したように、まず、状態推定器Oが、モータMに入力する制御信号で示される制御入力uと、モータMが駆動する制御対象Aの実際の動作状態を示す制御出力yとに基づいて、制御対象Aの内部状態を表す状態量xを推定する。そして、推定された状態量xにゲインgを積算した値と、目標となる制御量を示す目標値rと制御出力yとの偏差(積分)にゲインgを積算した値とに基づいて、モータMに入力する制御信号が生成され、これによって、制御出力yが目標値rに一致するようにモータMの動作が制御される。
【0003】
ここで、制御対象Aの動作状態は、通常、モータMが所定量回転することに伴いエンコーダ信号を出力するエンコーダによって検出しており、エンコーダ信号のカウント値が制御出力yとして検出される。また、制御信号を入力されたモータMは、制御信号で示される制御入力uが正の値である場合、制御入力uの絶対値に応じて順方向(通常の使用状態において回転する方向)の角速度を増加させる。一方、制御信号で示される制御入力uが負の値である場合、制御入力uの絶対値に応じて逆方向の角速度を増加、つまり、順方向の角速度を減少させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のようなモータ制御装置では、モータ(または制御対象)を同一方向にのみ回転(または動作)させる状況である場合に、モータ(または制御対象)を一時的に反対方向へ回転(または動作)させてしまう恐れがあった。
【0005】
制御対象の動作状態を検出するエンコーダは、エンコーダ信号を出力した直後にモータの回転が停止した状態から、再度、モータの回転を再開させると、モータが回転を再開してから所定量回転するまで最初のエンコーダ信号を出力できない。また、エンコーダ信号を出力する直前にモータの回転が停止した状態から、再度、モータの回転を再開させると、モータが回転を再開した直後に最初のエンコーダ信号を出力できる。このように、エンコーダが最初のエンコーダ信号を出力するタイミングは、以前にモータの回転が停止した状態によって、遅くなったり、早くなったりする。
【0006】
例えば、エンコーダが最初のエンコーダ信号を遅く出力する場合、最初のエンコーダ信号が出力されるまでの間、状態推定器で推定された状態量xだけが増加していくため、モータには角速度を更に増加させる制御信号が入力される。これによって、エンコーダ信号のカウント値(制御出力y)が増加すると、今度は、エンコーダ信号のカウント値が状態推定器で推定された状態量xよりも大きくなるため、モータには角速度を減少させる制御信号が入力される。モータが回転を開始した過渡期においては、モータの角速度が充分に速くないため、減少させるべき角速度の値が大きすぎると、モータの回転を止めるだけでなく、回転方向が逆転してしまう恐れがある。
【0007】
一方、エンコーダが最初のエンコーダ信号を早く出力する場合、状態推定器で推定された状態量xが増加する前に、エンコーダ信号のカウント値(制御出力y)が増加するため、モータには角速度を減少させる制御信号が入力される。この場合も、エンコーダが最初のエンコーダ信号を遅れて出力する場合と同様に、減少させるべき角速度の値が大きすぎると、モータの回転を止めるだけでなく、回転方向が逆転してしまう恐れがある。
【0008】
このようにモータの回転方向が逆転した後は、エンコーダのカウント値(制御出力y)よりも状態推定器で推定する状態量xの方が増加して、モータには角速度を増加させる制御信号が入力されるため、回転方向の逆転はすぐに収まる。しかし、こうした一時的な回転方向の逆転は、制御対象を一時的に反対方向に動作させてしまい、モータおよび制御対象を大きく振動させる要因となってしまう。
【0009】
例えば、プリンタなどの紙送り機構を制御対象とした場合、モータの回転方向が一時的に逆転することは、紙送り機構が用紙を搬送している際に、用紙を反対方向に戻してしまい、用紙の停止精度が低下する要因となる恐れがあった。本発明は、モータ(または制御対象)を同一方向にのみ回転(または動作)させる状況である場合に、モータ(または制御対象)が反対方向に回転(または動作)してしまうことを抑制できるモータ制御装置、モータ制御方法、および、これらにおいて利用可能なモータ制御プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記問題を解決するため請求項1に記載のモータ制御装置は、制御対象をモータで制御するための目標値を入力する目標入力手段と、制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された検出結果と前記目標入力手段によって入力された前記目標値とに基づいて、第1制御信号を生成する第1信号生成手段と、モータに入力する制御信号と前記検出手段によって検出された検出結果とに基づいて、制御対象の動作状態を示す状態量を推定する推定手段と、該推定手段により推定された状態量に基づいて、第2制御信号を生成する第2信号生成手段と、前記第1信号生成手段と前記第2信号生成手段とから、モータに入力する制御信号を生成する生成手段と、制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作が所望の動作方向となっている状況において、前記生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、制御対象の反対方向の動作が制限されるように修正した制御信号をモータに入力する制限入力手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
このように構成されたモータ制御装置によれば、生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合、制限入力手段によって、制御対象の動作が制限されるように修正した制御信号がモータに入力される。そのため、制御対象を同一方向にのみ動作させるべき状況である場合に、制御対象が所望の方向とは反対方向に動作してしまうことを抑制できる。
【0012】
なお、上述した所望の動作方向とは、例えば、通常の使用状態で制御対象が動作する方向や、あらかじめ定められた動作方向などのことである。また、検出手段は、制御対象またはモータの動作を検出する手段であって、例えば、ロータリーエンコーダやリニアエンコーダなどを利用することができ、この場合、制御対象またはモータの動作を示す制御出力としてエンコーダ信号のカウント値が検出される。
【0013】
また、生成手段は、モータに入力する制御信号を生成する手段であって、第1信号生成手段により生成された第1制御信号と、第2信号生成手段により生成された第2制御信号とに基づいて制御信号を生成する手段である。なお、この生成手段は、第1(または第2)信号生成手段により第1(または第2)制御信号が生成されていない場合に、第2(または第1)信号生成手段により生成された第2(または第1)制御信号のみに基づいて制御信号を生成するように構成してもよい。
【0014】
また、制限入力手段は、制御対象の動作が制限されるように修正した制御信号をモータに入力する手段である。ここでは、制御対象が所望の動作方向とは反対方向に動作することを制限できればよく、例えば、モータが反対方向に回転しなくなるような制御信号に修正すればよい。また、この制限入力手段は、生成手段により生成された制御信号を直接モータに入力するように構成してもよいし、例えば、モータを駆動する駆動回路などを介して制御信号を間接的にモータに入力するように構成してもよい。
【0015】
また、本発明における制限入力手段は、生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、制御信号を修正する手段である。しかし、生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向以外の方向に動作させる制御信号である場合に、制御信号を修正するように構成しても同様の効果を得ることができる。
【0016】
また、請求項2に記載のモータ制御装置は、前記制限入力手段は、前記生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向に動作させる制御信号である場合には、該制御信号をモータに入力することを特徴とする。
【0017】
このように構成されたモータ制御装置によれば、生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向に動作させる制御信号である場合、この制御信号をそのままモータに入力することができる。ところで、制限入力手段は、制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号を、モータが回転を開始した以降、常に修正するように構成すればよい。しかし、モータが回転を開始した以降に、モータが制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる状況が発生することがある。例えば、速い速度で動作している制御対象の動作を停止させる際に、モータが制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させるような制御入力をモータに与えることによって、制御対象の動作にブレーキをかけるといった場合である。
【0018】
そこで、制限入力手段を、モータが回転を開始してから所定の期間を経過するまでの間だけ、制御信号を修正するように構成するとよい。具体的な構成としては、請求項3に記載のように、前記制限入力手段は、前記生成手段により生成された制御信号が制御対象を前記反対方向に動作させる制御信号である場合に、モータが回転を開始してから所定の期間を経過するまでの間だけ、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正するとよい。
【0019】
このように構成されたモータ制御装置によれば、モータが回転を開始してから所定の期間を経過するまでの間だけ制御信号が修正される。制御対象が所望の方向とは反対の方向に動作してしまうことは、モータが回転を開始した直後の過渡期において発生する。そのため、この過渡期に相当する期間を、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間としておけば、モータが回転を開始した以降、モータにブレーキをかける必要がある状況が発生した際に、ブレーキをかけられなくなってしまうことを防止できる。
【0020】
即ち、モータが回転を開始した直後の過渡期を過ぎた後は、制限入力手段による制御信号の修正を行わないため、過渡期を過ぎた後に制御対象の動作にブレーキを必要とする場合に適切な制動力が得られ、高速な動作が可能となる。なお、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間としては、例えば、所定の時間が経過するまでの期間、検出手段による検出結果を示す値が所定の値になるまでの期間などを考えることができる。また、このような期間は、あらかじめ定められた期間であればよいが、何らかの条件によって変更されるように構成してもよい。例えば、目標入力手段により入力される目標値によって変更するように構成することを考えることができる。
【0021】
具体的な構成としては、例えば、請求項4に記載のように、前記制限入力手段は、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値に応じて変更するように構成すればよい。このように構成されたモータ制御装置によれば、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を、目標入力手段により入力される目標値によって変更することができる。
【0022】
なお、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)は、通常、目標入力手段により入力される目標値に応じて決まる。例えば、目標値が大きい、つまり、制御対象の動作量(またはモータの回転量)が多くなる場合、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)は速く、また、目標値が小さい、つまり、制御対象の動作量(またはモータの回転量)が小さくなる場合、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)は遅くなる。
【0023】
また、モータが回転を開始した直後の過渡期において、制御対象(またはモータ)が所望する方向とは反対の方向に動作(または回転)してしまうタイミングは、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)が速いほど早くなる。また、制御対象が所望する方向とは反対の方向に動作してしまうまでに制御対象が動作する動作量(またはモータの回転量)は、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)が速いほど多くなる。
【0024】
これらのことから、目標入力手段により入力される目標値が大きいほど、制御対象が所望する方向とは反対の方向に動作してしまうタイミングは早く、また、制御対象が所望する方向とは反対方向に動作してしまうまでの制御対象の動作量(またはモータの回転量)は多いことになる。
【0025】
そのため、例えば、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を所定の修正時間が経過するまでの期間とする場合であって、目標値の大小にかかわらず動作開始から一定の回転量に達するまでの期間を修正期間としたい場合には、制限入力手段は、目標入力手段により入力される目標値が大きいほど、修正時間が短くなるように変更すればよい。また、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を検出手段による検出結果を示す値が所定の値(以降、修正値とする)になるまでの期間とする場合であって、目標値の大小にかかわらず動作開始から一定時間が経過するまでの期間を修正期間としたい場合には、制限入力手段は、目標入力手段により入力される目標値が大きいほど、修正値が多くなるように変更すればよい。
【0026】
また、請求項5に記載のモータ制御装置は、前記第1信号生成手段は、前記目標値と前記検出手段により検出された検出結果との偏差を積分演算する積分部と、該積分部による演算値に所定の第1ゲインを積算する第1ゲイン積算部とからなり、前記第2信号生成手段は、前記推定手段により推定された状態量を示す値に所定の第2ゲインを積算する第2ゲイン積算部からなることを特徴とする。
【0027】
このように構成されたモータ制御装置によれば、第1信号生成手段、第2信号生成手段および推定手段によって、検出手段による検出結果が、目標入力手段により入力された目標値に一致するようにフィードバック制御を行うことができる。
【0028】
また、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、何らかの条件によって変更する別の構成として、請求項6に記載のような構成を考えることができる。請求項6に記載のモータ制御装置は、前記第1ゲイン積算部における前記第1ゲインの値が変更可能に構成されており、前記制限入力手段は、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第1ゲインの値とに応じて変更することを特徴とする。
【0029】
このように構成されたモータ制御装置によれば、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を、目標入力手段により入力された目標値だけでなく、第1ゲイン積算部における第1ゲインの値に応じて変更することができる。なお、上述のように、目標入力手段により入力される目標値が大きい、つまり、制御対象の動作量(またはモータの回転量)が多くなるほど、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)は速くなる。ここで、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)は、第1ゲイン積算部における第1ゲインの値が大きいほど速くなる。
【0030】
そのため、例えば、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を所定の修正時間が経過するまでの期間とする場合であって、目標値の大小にかかわらず動作開始から一定時間が経過するまでの期間を修正期間としたい場合には、制限入力手段は、第1ゲイン積算部における第1ゲインの値が大きいほど、修正時間が短くなるように変更すればよい。また、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を検出手段による検出結果が所定の修正値になるまでの期間とする場合であって、目標値の大小にかかわらず動作開始から一定の回転量に達するまでの期間を修正期間としたい場合には、制限入力手段は、第1ゲイン積算部における第1ゲインの値が大きいほど、修正値が多くなるように変更すればよい。
【0031】
また、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、何らかの条件によって変更する別の構成として、請求項7に記載のような構成を考えることができる。請求項7に記載のモータ制御装置は、前記第2ゲイン積算部における前記第2ゲインの値が変更可能に構成されており、前記制限入力手段は、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第2ゲインの値とに応じて変更することを特徴とする。
【0032】
このように構成されたモータ制御装置によれば、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を、目標入力手段により入力された目標値だけでなく、第2ゲイン積算部における第2ゲインの値に応じて変更することができる。なお、上述のように、目標入力手段により入力される目標値が大きい、つまり、制御対象の動作量(またはモータの回転量)が多くなるほど、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)は速くなる。ここで、制御対象の動作速度(またはモータの角速度)は、第2ゲイン積算部における第2ゲインの値が大きいほど速くなる。
【0033】
そのため、例えば、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を所定の修正時間が経過するまでの期間とする場合であって、目標値の大小にかかわらず動作開始から一定時間が経過するまでの期間を修正期間としたい場合には、制限入力手段は、第2ゲイン積算部における第2ゲインの値が大きいほど、修正時間が短くなるように変更すればよい。また、制限入力手段により制御信号の修正を行う期間を検出手段による検出結果が所定の修正値になるまでの期間とする場合であって、目標値の大小にかかわらず動作開始から一定の回転量に達するまでの期間を修正期間としたい場合には、制限入力手段は、第2ゲイン積算部における第2ゲインの値が大きいほど、修正値が多くなるように変更すればよい。
【0034】
また、上述した検出手段は、制御対象またはモータの動作を検出できるように構成すればよいが、例えば、制御対象の動作を検出するためには、請求項8に記載のように構成することが考えられる。請求項8に記載のモータ制御装置は、制御対象が、モータと共に回転する回転体を備えており、前記検出手段が、前記回転体に取り付けられていることを特徴とする。
【0035】
このように構成されたモータ制御装置によれば、検出手段によって、制御対象が備える回転体の回転状態を検出することができる。また、検出手段により、モータの動作を検出するためには、請求項9に記載のように構成することが考えられる。
【0036】
請求項9に記載のモータ制御装置は、前記検出手段が、モータの回転軸に取り付けられていることを特徴とする。このように構成されたモータ制御装置によれば、検出手段によって、モータの回転状態を直接検出することができる。
【0037】
また、請求項10に記載のモータ制御方法は、制御対象をモータで制御するための目標値を入力して、制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作を検出して、該検出結果と、前記入力された前記目標値とに基づいて、第1制御信号を生成して、モータに入力する制御信号と前記検出結果とに基づいて、該制御対象の動作状態を示す状態量を推定して、該推定した状態量に基づいて、第2制御信号を生成して、前記第1制御信号と、前記第2制御信号とから、モータに入力する制御信号を生成して、制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作が所望の動作方向となっている状況において、前記生成した制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、制御対象の反対方向の動作が制限されるように修正した制御信号をモータに入力することを特徴とする。
【0038】
このようなモータ制御方法でモータを制御すれば、請求項1に記載のモータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御方法を、前記生成した制御信号が制御対象を所望の動作方向に動作させる制御信号である場合には、該制御信号をモータに入力するようにしてもよい。
【0039】
このようなモータ制御方法でモータを制御すれば、請求項2に記載のモータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御方法を、前記生成した制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、モータが回転を開始してから所定の期間を経過するまでの間だけ、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正するようにしてもよい。
【0040】
このようなモータ制御方法でモータを制御すれば、請求項3に記載のモータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御方法を、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値に応じて変更するようにしてもよい。
【0041】
このようなモータ制御方法でモータを制御すれば、請求項4に記載のモータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御方法を、前記目標値と前記検出結果との偏差を積分演算し、該積分演算値に所定の第1ゲインを積算し、前記推定された状態量を示す値に所定の第2ゲインを積算して、前記第1ゲインを積算された演算値と前記第2ゲインを積算された演算値とに基づいて、モータに入力する制御信号を生成するようにしてもよい。
【0042】
このようなモータ制御方法でモータを制御すれば、請求項5に記載のモータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御方法を、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第1ゲインの値とに応じて変更するようにしてもよい。
【0043】
このようなモータ制御方法でモータを制御すれば、請求項6に記載のモータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御方法を、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第2ゲインの値とに応じて変更するようにしてもよい。
【0044】
このようなモータ制御方法でモータを制御すれば、請求項7に記載のモータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。
また、請求項11に記載のモータ制御プログラムは、コンピュータシステムに、制御対象をモータで制御するための目標値を入力する目標入力手順と、制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作を検出する検出手順と、該検出手順において検出された検出結果と前記目標入力手順において入力された前記目標値とに基づいて、第1制御信号を生成する第1信号生成手順と、モータに入力する制御信号と前記検出手順において検出された検出結果とに基づいて、制御対象の動作状態を示す状態量を推定する推定手順と、該推定手順において推定された状態量に基づいて、第2制御信号を生成する第2信号生成手順と、前記第1信号生成手順において生成された前記第1制御信号と、前記第2信号生成手順において生成された前記第2制御信号とから、モータに入力する制御信号を生成する生成手順と、制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作が所望の動作方向となっている状況において、前記生成手順において生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、制御対象の反対方向の動作が制限されるように修正した制御信号をモータに入力する制限入力手順とを実行させるためのプログラムである。
【0045】
このようなプログラムによって制御されるコンピュータシステムは、請求項1に記載のモータ制御装置と同様の構成であるため、同モータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御プログラムを、前記制限入力手順において、前記生成手順で生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向に動作させる制御信号である場合には、該制御信号をモータに入力するプログラムとしてもよい。
【0046】
このようなプログラムによって制御されるコンピュータシステムは、請求項2に記載のモータ制御装置と同様の構成であるため、同モータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御プログラムを、前記制限入力手順において、前記生成手順で生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、モータが回転を開始してから所定の期間を経過するまでの間だけ、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正するプログラムとしてもよい。
【0047】
このようなプログラムによって制御されるコンピュータシステムは、請求項3に記載のモータ制御装置と同様の構成であるため、同モータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御プログラムを、前記制限入力手順において、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値に応じて変更するプログラムとしてもよい。
【0048】
このようなプログラムによって制御されるコンピュータシステムは、請求項4に記載のモータ制御装置と同様の構成であるため、同モータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御プログラムを、前記第1信号生成手順において、前記目標値と前記検出手順において検出された検出結果との偏差を積分演算し、該積分演算値に所定の第1ゲインを積算して、前記第2信号生成手順において、前記推定手順で推定された状態量を示す値に所定の第2ゲインを積算するプログラムとしてもよい。
【0049】
このようなプログラムによって制御されるコンピュータシステムは、請求項5に記載のモータ制御装置と同様の構成であるため、同モータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御プログラムを、前記制限入力手順において、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第1ゲインの値とに応じて変更するプログラムとしてもよい。
【0050】
このようなプログラムによって制御されるコンピュータシステムは、請求項6に記載のモータ制御装置と同様の構成であるため、同モータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、このモータ制御プログラムを、前記制限入力手順において、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第2ゲインの値とに応じて変更するプログラムとしてもよい。
【0051】
このようなプログラムによって制御されるコンピュータシステムは、請求項7に記載のモータ制御装置と同様の構成であるため、同モータ制御装置と同様の作用・効果を得ることができる。なお、上述したモータ制御プログラムは、例えば、FD、CD−ROMなどの記録媒体、インターネットなどの通信回線網を介して、上述のモータ制御装置自身またはモータ制御装置を利用する利用者に提供されるものである。
【0052】
また、モータ制御プログラムを実行するコンピュータシステムとしては、例えば、上述のモータ制御装置の備えるCPUなどからなるコンピュータシステムを利用してもよいし、有線・無線を介してモータ制御装置に接続されるコンピュータシステムを利用してもよい。
【0053】
【発明の実施の形態】
次に、本発明をプリンタに備えられている紙送り機構を駆動するLF(Line Feed)モータの制御に採用した場合の実施形態を説明する。
[全体構成]
プリンタ1は、図1に示すように、用紙搬送ローラとしてのメインローラ(本発明における回転体)10、メインローラ10の回転状態を検出するロータリーエンコーダ(以降、単にエンコーダとする)12、排紙ローラ14b、LFモータ20などからなる紙送り機構(本発明における制御対象)を備えている。
【0054】
エンコーダ12は、メインローラ10と共に回転する回転板12a、回転板12aが回転したことを検出するフォトインタラプタ12bなどにより構成されている。このエンコーダ12は、回転板12aが所定の角度回転する毎にエンコーダ信号を出力するように構成されており、回転板12aがメインローラ10と共に回転することから、エンコーダ信号は、メインローラ10により用紙が所定量(本実施形態においては1/1,500inch)搬送される毎に出力される。
【0055】
LFモータ20は、メインローラ10に直結し、メインローラ10を駆動する駆動プーリ(図示せず)との間に掛け渡されたベルト16aを介して、メインローラ10および回転板12aを回転させると共に、駆動プーリ(図示せず)の回転を伝達するためのベルト16b及びアイドルギア14aを介して、排紙ローラ14bを回転させることができる(図1における矢印c、d参照)。メインローラ10にはピンチローラ10aが圧接され、排紙ローラ14bには排出拍車14cが圧接されており、用紙は、それぞれの圧接点を通過し、メインローラ10と排紙ローラ14bの間(の経路中)で画像を記録された後、排紙ローラ14b、排出拍車14cの圧接点から排出される(図1における矢印e参照)。LFモータ20は、メインローラ10を、順方向(図1における矢印a参照)に回転させることによって、メインローラ10から排紙ローラ14bに向けて用紙を外部に向けて搬送することができる。
【0056】
また、プリンタ1には、図2に示すように、プリンタ1全体の動作を制御するCPU30、LFモータ20を駆動するモータ駆動回路40、モータ駆動回路40に入力するPWM信号を生成する信号生成回路100などが内蔵されており、これらによって、本発明におけるモータ制御装置を構成している。
【0057】
信号生成回路100は、いわゆるASIC(Application Specific Integrated Circuit)であり、LFモータ20の制御に用いる各種パラメータを格納するレジスタ群110、エンコーダ12から入力したエンコーダ信号に基づき用紙の搬送状態をチェックする搬送状態チェック部120、LFモータ20を制御するための制御信号を生成する信号生成部130、信号生成部130により生成された制御信号をPWM信号に変換する信号変換部140、クロック信号を信号生成回路100全体に供給可能なクロック生成部150などにより構成されている。なお、クロック生成部150は、エンコーダ12から入力されるエンコーダ信号の最短周期よりも短い周期のクロック信号を生成するように構成されている。
【0058】
これらのうち、レジスタ群110は、信号生成回路100を起動するための起動設定レジスタ111、後述する制御信号を生成する手順(図5)を行うタイミングを示す演算時間toをセットするタイミング設定レジスタ112、用紙の目標搬送量として目標搬送量に相当するエンコーダ信号の数を示す目標値rをセットする目標設定レジスタ113、後述する制御信号修正演算(図6)で制御信号を修正する期間を示す修正時間trをセットする修正設定レジスタ114、信号生成部130が制御信号を生成する際に利用する積分ゲインF1、状態フィードバックゲインF2をセットする第1ゲイン設定レジスタ115、第2ゲイン設定レジスタ116などからなる。なお、各レジスタのうちの起動設定レジスタ111は、信号生成回路100を起動するための指令が書き込まれるレジスタであって、この起動設定レジスタ111への書き込みが行われることによって、信号生成回路100全体が起動する。
【0059】
また、搬送状態チェック部120は、エンコーダ12からエンコーダ信号を入力したことを検出する検出部121、検出部121により検出されたエンコーダ信号の数をカウントするカウンタ122、用紙の搬送量が目標搬送量に到達した際に停止割込信号をCPU30へ出力する割込処理部123などからなる。この割込処理部123は、カウンタ122によるカウント値yが、目標設定レジスタ113にセットされている目標値r以上となった際に停止割込信号を出力する。
【0060】
また、信号生成部130は、LFモータ20を制御するための制御信号を生成する演算処理部131、演算処理部131により生成された制御信号を修正する制限修正部132、クロック生成部150により生成されたクロック信号に基づいて時間をカウントする第1、第2タイマー133、134などからなる。
【0061】
[CPU30による処理手順]
以下に、用紙を搬送する際にCPU30が行う処理手順を図3に基づいて説明する。まず、CPU30は、レジスタ群110の各レジスタにパラメータをセットする(s11)。この処理においては、タイミング設定レジスタ112に演算時間toがセットされ、目標設定レジスタ113に目標値rがセットされ、修正設定レジスタ114に修正時間trがセットされ、第1ゲイン設定レジスタ115に積分ゲインF1がセットされ、第2ゲイン設定レジスタ116に状態フィードバックゲインF2がセットされる。
【0062】
このとき、CPU30は、目標値r毎にあらかじめ決められた値の積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2を各レジスタ115、116にセットする。ここでは、目標値rが大きいほど、絶対値の大きな積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2が各レジスタ115、116にセットされる。これら各ゲインF1、F2の絶対値は、LFモータ20の角速度に関係する数値であり、大きくなるほど角速度が速くなる。そのため、目標値rが大きいほど、絶対値の大きな各ゲインF1、F2が各レジスタ115、116にセットされることは、目標値rが大きく、LFモータ20の回転量が多くなるほど、LFモータ20の角速度が速くなることを示している。
【0063】
また、CPU30は、目標値r、積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2の組み合わせ毎にあらかじめ決められた値の修正時間trを修正設定レジスタ114にセットする。ここでは、目標値r、積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2の各絶対値が大きいほど、短い修正時間trが修正設定レジスタ114にセットされる。
【0064】
なお、修正時間trは、後述する制御信号修正演算(図6)で制御信号を修正する期間を示す時間であって、LFモータ20が用紙を戻す方向に紙送り機構を動作させる状況が発生しない期間である。この期間は、LFモータ20の角速度、つまり、紙送り機構の動作速度が速いほど短くなる。ここで、「用紙を戻す方向に紙送り機構を動作させる状況」とは、例えば、用紙を速い速度で搬送している紙送り機構の動作を停止させる際に、LFモータ20が用紙を戻す方向に紙送り機構を動作させて、紙送り機構の動作にブレーキをかけるといった状況である。このような状況は、通常、LFモータ20が回転を開始した直後の過渡期においては発生しないため、修正時間trは、この過渡期に相当する時間として決められている。
【0065】
次に、CPU30は、信号生成回路100を起動させる(s12)。この処理においては、レジスタ群110を構成する起動設定レジスタ111への書き込みが行われ、これによって、信号生成回路100全体が起動する。こうして、信号生成回路100が起動した後、信号生成回路100を構成する信号生成部130が、後述する手順(図4)に従って、制御信号を生成する。そして、この制御信号が信号変換部140を介してモータ駆動回路40に入力され、LFモータ20が用紙の搬送を開始する。この後、制御信号が繰り返しモータ駆動回路40に入力された後、用紙の搬送量が目標搬送量に到達すると、信号生成回路100を構成する搬送状態チェック部120の割込処理部123から、停止割込信号が出力されてくる。
【0066】
そして、CPU30は、搬送状態チェック部120の割込処理部123から停止割込信号を入力するまで待機し(s13:NO)、停止割込信号を入力したら(s13:YES)、本処理を終了する。[信号生成部130により制御信号を生成する手順]以下に、信号生成回路100の信号生成部130が制御信号を生成する手順を図4に基づいて説明する。この手順による制御信号の生成は、図3におけるs12の処理で起動設定レジスタ111への書き込みが行われた後に開始される。なお、信号生成回路100は、いわゆるASICからなり、ハードウェアとして動作するものであるが、ここでは理解を容易にするため、ハードウェアの動作をフローチャートに置き換えて説明する。
【0067】
まず、信号生成部130は、第1タイマー133をスタートする(s21)。次に、信号生成部130は、第2タイマー134をスタートする(s22)。次に、信号生成部130は、演算を行うタイミングとなるまで待機する(s23:NO)。ここでは、第2タイマー134による計測時間t2がタイミング設定レジスタ112にセットされている演算時間toに到達するまで(t2<toの間)待機する。
【0068】
このs23の手順において、演算を行うタイミング(t2≧to)となったら(s23:YES)、信号生成部130は、用紙の搬送量が目標搬送量に到達しているかどうかをチェックする(s24)。ここでは、カウンタ122によるカウント値yと、目標設定レジスタ113にセットされている目標値rとが比較され、カウント値yが目標値rより小さければ(y<r)、用紙の搬送量が目標搬送量に到達していないと判断し、一方、カウント値yが目標値r以上であれば(y≧r)、用紙の搬送量が目標搬送量に到達したと判断される。
【0069】
このs24の手順において、用紙の搬送量が目標搬送量に到達していなければ(s24:NO)、信号生成部130は、演算処理部131によって、モータ駆動回路40に入力すべき制御信号を生成する(s25)。ここで、演算処理部131が制御信号を生成する詳細な手順は、後述の[演算処理部131による制御信号の生成](図5)において説明する。
【0070】
次に、信号生成部130は、制限修正部132によって、制御信号を修正する(s26)。この処理は、本制御信号を生成する手順を開始してから修正時間trが経過するまでの間に、LFモータ20が用紙を戻す方向に紙送り機構を動作させるような制御信号を、紙送り機構の動作が制限されるような制御信号に修正する処理である。なお、このs26の手順における詳細な内容は、後述の[制限修正部132による制御入力修正演算](図6)において説明する。
【0071】
次に、信号生成部130は、制御信号を信号変換部140に出力する(s27)。制御信号を入力した信号変換部140では、制御信号をPWM信号に変換した後、モータ駆動回路40に出力する。次に、信号生成部130は、第2タイマー134をストップおよびリセットした後(s28)、s22の手順に戻る。
【0072】
そして、s22からs28の手順が繰り返し行われた後、s24の手順において、用紙の搬送量が目標搬送量に到達したら(s24:YES)、信号生成部130は、第1タイマー133及び第2タイマー134をストップおよびリセットして(s29)、本制御信号を生成する手順を終了する。
【0073】
[演算処理部131による制御信号の生成]
以下に、演算処理部131により制御信号を生成する手順を図5に基づいて説明する。
信号生成部130の演算処理部131は、カウンタ122によるカウント値yが目標設定レジスタ113にセットされている目標値rと一致するようにフィードバック制御を行うものであって、第1加算器add1、積分器int、第1ゲイン積算器g1、状態推定器obs、第2ゲイン積算器g2、第2加算器add2などにより構成されている。
【0074】
この演算処理部131では、まず、第1加算器add1によって、目標設定レジスタ113にセットされている目標値rとカウンタ122によるカウント値yとの偏差(r−y)が演算される。次に、積分器intによって、第1加算器add1により演算された偏差をタイミング設定レジスタ112にセットされている演算時間toで離散積分した値、つまり、偏差の累積値(∫(r−y)dto)が演算される。
【0075】
次に、第1ゲイン積算器g1によって、積分器intにより演算された累積値と、第1ゲイン設定レジスタ115にセットされている積分ゲインF1とを積算した値「u1(=−F1*∫(r−y)dto)」を有する第1制御信号が生成される。
【0076】
また、状態推定器obsによって、モータ駆動回路40に入力する制御信号で示される制御入力uとカウンタ122によるカウント値yとに基づいて紙送り機構の内部状態を表す状態量xが推定される。次に、第2ゲイン積算器g2によって、状態推定器obsにより推定された状態量xと第2ゲイン設定レジスタ115にセットされている状態フィードバックゲインF2とを積算した値「u2(=−F2*x)」を有する第2制御信号が生成される。
【0077】
そして、第2加算器add2によって、第1制御信号と第2制御信号とを加算した値「u(=u1+u2)」を制御入力uとする制御信号が生成される。これによって、制御信号の制御入力uの値に応じた回転方向・角速度でLFモータ20が回転し、この回転に伴って、メインローラ10および排紙ローラ14bが回転する。ここで、LFモータ20は、制御信号の制御入力uが正の値である場合、制御入力uの絶対値に相当する速度だけメインローラ10の順方向(図1における矢印a参照)への角速度を増加させる。一方、制御信号の制御入力uが負の値である場合、制御入力uの絶対値に相当する速度だけメインローラ10の逆方向(図1における矢印b参照)への角速度を増加、つまり、順方向への角速度を減少させる。
【0078】
[制限修正部132による制御入力修正演算]
以下に、制限修正部132により行われる制御入力修正演算を図6に基づいて説明する。まず、制限修正部132は、制御信号を修正する期間中であるかどうかをチェックする(s31)。ここでは、第1タイマー133による計測時間t1が、修正設定レジスタ114にセットされている修正時間trに到達していなければ(t1<tr)、制御信号を修正する期間中であると判断され、一方、修正時間trに到達した後であれば(t1≧tr)、制御信号を修正する期間中ではないと判断される。
【0079】
このs31の手順において、制御信号を修正する期間中であれば(s31:YES)、制限修正部132は、演算処理部131により生成された制御信号の制御入力uをチェックする(s32)。このs32の手順において、制御入力uが負の値(u<0)であれば(s32:YES)、制限修正部132は、制御信号の制御入力uを制限する(s33)。ここでは、制御信号の制御入力uが「0」に修正される。これによって、LFモータ20がメインローラ10の逆方向への角速度を増加させないような制御信号に修正されたことになる。
【0080】
こうして、s33の手順を終えた後、s31の手順において制御信号を修正する期間中ではないとき(s31:NO)、または、s32の手順において制御信号の制御入力uが正の値であるとき(s32:NO)、本制御入力修正演算を終了する。
【0081】
[本発明との対応関係]
上述したエンコーダ12は、本発明における検出手段であり、エンコーダ信号を、制御対象である紙送り機構の動作として検出する。また、演算処理部131の第1ゲイン積算器g1は本発明における第1信号生成手段および第1ゲイン積算部、第2ゲイン積算器g2は本発明における第2信号生成手段および第2ゲイン積算部、状態推定器obsは本発明における推定手段、第2加算器add2は本発明における生成手段、積分器intは本発明における積分部である。また、第1ゲイン積算器g1において積算される積分ゲインは本発明における第1ゲイン、第2ゲイン積算器g2において積算される状態フィードバックゲインは本発明における第2ゲインである。
【0082】
また、制限修正部132は、本発明における制限入力手段である。また、図4におけるs11の処理で、目標設定レジスタ113に目標値rをセットするCPU30は、本発明における目標入力手段である。また、メインローラ10から排紙ローラ14bに向けて用紙を外部に向けて搬送させる際には、メインローラ10が順方向に回転することになるが、このメインローラ10の順方向への回転が本発明における所望の動作方向であり、メインローラ10の逆方向への回転が本発明における所望の動作方向とは反対方向の動作である。
【0083】
[効果]
このように構成されたプリンタ1によれば、図6におけるs33の手順で、制御入力uが負の値となっている制御信号が、制御入力uが「0」となるように修正される。そのため、この制御信号によって、LFモータ20がメインローラ10の逆方向への角速度を増加させ、用紙を戻す方向に紙送り機構を動作させるといったことを抑制することができる。
【0084】
また、制御信号の制御入力uが正の値となっている場合、この制御信号をそのままモータ駆動回路40をに入力することができる。また、図6においては、制御信号を修正する期間中だけ、制御入力uが負の値となっている制御信号が修正される。制御信号を修正する期間とは、制御信号を生成する手順を開始してから修正時間trが経過するまでの間であり、LFモータ20が回転を開始した直後の過渡期に相当する時間である。このような過渡期においては、通常、LFモータ20が用紙を戻す方向に紙送り機構を動作させるといった状況が発生しない。そのため、この過渡期に相当する期間を、制御信号を修正する期間としておけば、過渡期を過ぎた後にLFモータ20にブレーキをかける必要がある状況が発生した場合に、ブレーキをかけられなくなってしまうことを防ぐことができる。
【0085】
即ち、過渡期を過ぎた後は、制御信号の修正が行われないため、過渡期を過ぎた後に制御対象の動作にブレーキを必要とする場合に適切な制動力が得られ高速な動作が可能となる。また、図3におけるs11の処理で、目標値rが大きいほど、絶対値の大きな積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2が各レジスタ115、116にセットされる。このように、積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2を、目標設定レジスタ113にセットされる目標値rによって変更することができる。
【0086】
また、s11の処理で、目標値r、積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2の各絶対値が大きいほど、短い修正時間trが修正設定レジスタ114にセットされる。このように、制御信号を修正する期間を示す修正時間trを、目標設定レジスタ113にセットされる目標値rによって変更することができる。
【0087】
また、信号生成部130の演算処理部131によって、カウンタ122によるカウント値yが目標設定レジスタ113にセットされている目標値rと一致するようにフィードバック制御を行うことができる。また、エンコーダ12によって、メインローラ10の回転状態を検出することができる。
【0088】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。例えば、本実施形態においては、本発明のモータ制御装置を、プリンタ1に備えられている紙送り機構を駆動するLFモータ20の制御に採用した場合の実施形態を例示した。しかし、本発明のモータ制御装置を、制御対象としてプリンタ1の備えるキャリッジを動作させるために利用することもできる。
【0089】
また、本実施形態においては、紙送り機構の動作をロータリーエンコーダ12によって検出するように構成されているものを例示した。しかし、紙送り機構の動作を検出するためには、ロータリーエンコーダ12以外の検出手段として、例えば、リニアエンコーダなどを利用することもできる。
【0090】
また、本発明においては、エンコーダ12がメインローラ10に取り付けられており、メインローラ10と共に回転板12aが回転するように構成されたものを例示した。しかし、このエンコーダ12を、LFモータ20の回転軸に取り付け、LFモータ20と共に回転板12aが回転するように構成してもよい。この場合、エンコーダ12によって、LFモータ20の回転状態を直接検出することができる。
【0091】
また、図3におけるs11の手順では、目標値r、積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2の絶対値が大きいほど、短い修正時間trが修正設定レジスタ114にセットされるように構成されたものを例示した。しかし、このs11の手順で、目標値r、積分ゲインF1および状態フィードバックゲインF2の各値に拘わらず、一定の修正時間trが修正設定レジスタ114にセットされるように構成してもよい。
【0092】
また、本実施形態においては、図3に示した処理をCPU30が実行するように構成されたものを例示した。しかし、図3に示した処理は、有線・無線を介してプリンタ1に接続されるコンピュータシステムが実行するように構成してもよい。
【0093】
また、本実施形態においては、制御信号を生成する手順(図4)がASICからなる信号生成部によってハードウェア的に行われるものを例示した。しかし、制御信号を生成する手順を行うためのプログラムに従って、CPU30またはプリンタ1に無線・有線を介して接続されるコンピュータシステムによりソフトウェア的に行われるように構成してもよい。
【0094】
また、本実施形態においては、制御入力修正演算(図6)が制限修正部によってハードウェア的に行われるものを例示した。しかし、制御入力修正演算を行うためのプログラムに従って、CPU30またはプリンタ1に無線・有線を介して接続されるコンピュータシステムによりソフトウェア的に行われるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタの紙送り機構を示す側面図
【図2】プリンタの制御系統を示すブロック図
【図3】用紙を搬送する際にCPUが行う処理手順を示すフローチャート
【図4】信号生成部により制御信号を生成する手順を示すフローチャート
【図5】演算処理部の制御ブロックを示す図
【図6】制限修正部による制御入力修正演算の手順を示すフローチャート
【図7】状態推定器を利用してモータを制御する制御ブロックを示す図
【符号の説明】
1・・・プリンタ、10・・・メインローラ、10a・・・ピンチローラ、12・・・ロータリーエンコーダ、12a・・・回転板、12b・・・フォトインタラプタ、14a・・・アイドルギア、14b・・・排紙ローラ、14c・・・排出拍車、16a、16b・・・ベルト、20・・・LFモータ、30・・・CPU、40・・・モータ駆動回路、100・・・信号生成回路、110・・・レジスタ群、111・・・起動設定レジスタ、112・・・タイミング設定レジスタ、113・・・目標設定レジスタ、114・・・修正設定レジスタ、115・・・第1ゲイン設定レジスタ、116・・・第2ゲイン設定レジスタ、120・・・搬送状態チェック部、121・・・検出部、122・・・カウンタ、123・・・割込処理部、130・・・信号生成部、131・・・演算処理部、132・・・制限修正部、133・・・第1タイマー、134・・・第2タイマー、140・・・信号変換部、150・・・クロック生成部。

Claims (11)

  1. 制御対象をモータで制御するための目標値を入力する目標入力手段と、
    制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作を検出する検出手段と、
    該検出手段によって検出された検出結果と前記目標入力手段によって入力された前記目標値とに基づいて、第1制御信号を生成する第1信号生成手段と、
    モータに入力する制御信号と前記検出手段によって検出された検出結果とに基づいて、制御対象の動作状態を示す状態量を推定する推定手段と、
    該推定手段により推定された状態量に基づいて、第2制御信号を生成する第2信号生成手段と、
    前記第1信号生成手段と前記第2信号生成手段とから、モータに入力する制御信号を生成する生成手段と、
    制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作が所望の動作方向となっている状況において、前記生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、制御対象の反対方向の動作が制限されるように修正した制御信号をモータに入力する制限入力手段とを備えている
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制限入力手段は、前記生成手段により生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向に動作させる制御信号である場合には、該制御信号をモータに入力する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制限入力手段は、前記生成手段により生成された制御信号が制御対象を前記反対方向に動作させる制御信号である場合に、モータが回転を開始してから所定の期間を経過するまでの間だけ、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制限入力手段は、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値に応じて変更する
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記第1信号生成手段は、前記目標値と前記検出手段により検出された検出結果との偏差を積分演算する積分部と、該積分部による演算値に所定の第1ゲインを積算する第1ゲイン積算部とからなり、
    前記第2信号生成手段は、前記推定手段により推定された状態量を示す値に所定の第2ゲインを積算する第2ゲイン積算部からなる
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のモータ制御装置。
  6. 前記第1ゲイン積算部における前記第1ゲインの値が変更可能に構成されており、前記制限入力手段は、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第1ゲインの値とに応じて変更する
    ことを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記第2ゲイン積算部における前記第2ゲインの値が変更可能に構成されており、前記制限入力手段は、制御対象の動作が制限されるように制御信号を修正する期間を、前記目標値と前記第2ゲインの値とに応じて変更する
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 制御対象が、モータと共に回転する回転体を備えており、前記検出手段が、前記回転体に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のモータ制御装置。
  9. 前記検出手段が、モータの回転軸に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のモータ制御装置。
  10. 制御対象をモータで制御するための目標値を入力して、
    制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作を検出して、
    該検出結果と、前記入力された前記目標値とに基づいて、第1制御信号を生成して、
    モータに入力する制御信号と前記検出結果とに基づいて、該制御対象の動作状態を示す状態量を推定して、
    該推定した状態量に基づいて、第2制御信号を生成して、
    前記第1制御信号と、前記第2制御信号とから、モータに入力する制御信号を生成して、
    制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作が所望の動作方向となっている状況において、前記生成した制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、制御対象の反対方向の動作が制限されるように修正した制御信号をモータに入力する
    ことを特徴とするモータ制御方法。
  11. コンピュータシステムに、
    制御対象をモータで制御するための目標値を入力する目標入力手順と、
    制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作を検出する検出手順と、
    該検出手順において検出された検出結果と前記目標入力手順において入力された前記目標値とに基づいて、第1制御信号を生成する第1信号生成手順と、
    モータに入力する制御信号と前記検出手順において検出された検出結果とに基づいて、制御対象の動作状態を示す状態量を推定する推定手順と、
    該推定手順において推定された状態量に基づいて、第2制御信号を生成する第2信号生成手順と、
    前記第1信号生成手順において生成された前記第1制御信号と、前記第2信号生成手順において生成された前記第2制御信号とから、モータに入力する制御信号を生成する生成手順と、
    制御対象または該制御対象を駆動するモータの動作が所望の動作方向となっている状況において、前記生成手順において生成された制御信号が制御対象を所望の動作方向とは反対方向に動作させる制御信号である場合に、制御対象の反対方向の動作が制限されるように修正した制御信号をモータに入力する制限入力手順と
    を実行させるためのモータ制御プログラム。
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