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JP3700800B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents
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JP3700800B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧燃料を一種のサージタンクであるコモンレールに蓄圧し、この蓄圧された高圧燃料を内燃機関に噴射するようにした電磁制御式の蓄圧式燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高圧供給ポンプによってコモンレールに高圧燃料を加圧圧送して蓄圧し、コモンレールで蓄圧された高圧燃料を内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)に噴射する電磁制御式の燃料噴射装置として、特開平3−964号公報、特開平7−317625号公報、特開平1−224458号公報に示されるものが知られている。これら燃料噴射装置は、噴孔を開閉する弁部材の反噴孔側に圧力制御室を設け、この圧力制御室と低圧側空間とを電磁弁で断続することにより、噴孔からの燃料噴射時期および燃料噴射量を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、エンジン小型化の要求によりシリンダヘッドとエンジンヘッドカバーの間の空間の大きさは制限されており、この空間を占める各種部品、例えばカムシャフト、カム、バルブスプリング、ロッカーアーム、燃料噴射装置としてのインジェクタ等が互いに近接して配設されている。このような限られた空間に他部品と干渉することなくインジェクタを搭載するために、インジェクタの小径化がますます必要になってきている。
【0004】
しかしながら、特開平3−964号公報に開示される燃料噴射装置では、電磁弁の可動部材を付勢するスプリングが電磁弁のコア内に収容される構成であるため、スプリングを収容する空間をコアの中心部に設ける必要がある。したがって、コアの外径、つまりインジェクタの外径が大きくなるという問題がある。
電磁弁のコア部の大径化を防ぐため、特開平7−317625号公報の燃料噴射装置では、コアに対してアーマチャと同じ側にスプリングを配設している。しかしこの構成では、電磁弁の閉弁方向に電磁弁の可動部材を付勢するスプリングの係止部材がアーマチャとスプリングとの間に必要になる。したがって、電磁弁内の構造が複雑になることにより組付けが繁雑になるとともに製造コストが増加するという問題がある。
【0005】
特開平1−224458号公報に開示される燃料噴射装置では、アーマチャと電磁弁の可動部材を付勢するスプリングとがコアの軸方向反対側に配設されているので、コア径を増大させずに電磁弁の構成を単純化し、組付けを容易にしている。しかし、電磁弁の可動部材をコアが往復移動可能に支持する構成であるため、可動部材と圧力制御室の低圧側開口部とを正確に位置合わせするためにはコアを高精度に加工および組付けることが要求される。したがって、特開平1−224458号公報では、高精度に加工することが困難な珪素鋼板を積層する方法でコアを形成できないので、渦電流の発生を抑制することが困難になり渦電流の発生による電力損を被る。また、組付精度を確保するためにヨークにコアをねじ止めする構造を採用しているが、ヨークの径方向厚みが増加することにより電磁弁が大径化する。さらにねじ加工による加工工数の増加、ならびに組付工数の増加という問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、簡単な構造で小径化可能な燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の燃料噴射装置によると、コアに対しアーマチャと付勢手段とを軸方向反対側に配設したことによりコアに付勢手段を収容する空間を設ける必要がなくなるので、コアを小径化し燃料噴射装置を小径化可能である。さらに、アーマチャと付勢手段とを同じ側に配設する構成に比べ付勢手段による付勢構造が簡単化され、組付けが容易になる。
【0008】
また、電磁弁の可動部材をコア外で往復移動可能に支持しコアで支持しない構成にしているので、コアを高精度に組付けなくても可動部材の位置精度を確保できる。したがって、コアの組付け構造が簡単になるので、電磁弁の要求性能を満たし可動部材を貫挿できる範囲でコアの径を極力小さくすることにより、燃料噴射装置を小径化可能である。さらに、コアを加工および組付ける際に高い精度を要求されないので製造コストを低減できる。また、例えばコアを珪素鋼板を積層して形成できるので、渦電流の発生を抑制し電磁弁への供給電力を効率よく磁力に変換できる。したがって、電磁弁を小径化し燃料噴射装置を小径化できる。
【0009】
このように小径化された電磁制御式の燃料噴射装置は、各種形式および大きさを有するエンジンに他部品と干渉することなく取付けられるので、エンジン毎にインジェクタを開発・製造する必要がない。したがって、大量生産により燃料噴射装置の製造コストを低減できる。
さらに、可動部材の第1の可動部と第2の可動部とを別体に形成することにより、軸長の短い第1の可動部および第2の可動部をそれぞれ別々に加工することができる。したがって、第1の可動部と第2の可動部とを一体に形成する場合に比べ第1の可動部および第2の可動部の加工が容易になり、かつ加工精度の向上が簡単になる。
【0010】
本発明の請求項2または3記載の燃料噴射装置によると、別体に形成した可動部材の第1の可動部と第2の可動部との嵌合部を、凹状のテーパ面と凸状のテーパ面との嵌合構造にすることにより、第1の可動部と第2の可動部との位置決めが容易である。したがって、組付け作業が簡単化されるので、ロボット等を用いた自動化製造ラインを構成し易くなる。また付勢手段により第1の可動部と第2の可動部とが互いに押圧されているので、第1の可動部と第2の可動部とが位置ずれを起こしにくい。また、位置ずれが生じても適正位置に戻ることができる。
【0011】
また、第1の可動部または第2の可動部の切削加工時において、基準として用いたセンタ穴を凹状のテーパ面としてそのまま用いることができるので、加工工数の増加を抑制することができる。
本発明の請求項4記載の燃料噴射装置によると、電磁弁の可動部材の内部に余剰燃料を排出する燃料排出通路を設けることにより電磁弁の外周に燃料排出通路を設ける必要がないので、燃料噴射装置を小径化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による燃料噴射装置を図1〜図4に示す。
図3および図4は、第1実施例の燃料噴射装置としてのインジェクタ1をDOHC4気筒のエンジンに取り付けた状態を示している。インジェクタ1はシリンダヘッド100に設けた取付け孔100aに嵌合しており、インジェクタ1の後述する噴孔が燃焼室120に面している。図4に示すように二股の固定部材101がインジェクタボディ13の係止部13aを係止しながら切欠部13bを挟持している。ボルト102を締めつけることにより固定部材101がシリンダヘッド100にインジェクタ1を固定している。
【0013】
インジェクタ1には、図示しないコモンレールで蓄圧された一定圧の高圧燃料が燃料配管103からインレット60を通って供給されている。エンジンヘッドカバー110とインジェクタ1との間は、それぞれシール部材121、122によりシールされている。
インジェクタ1は電磁制御式であり、図示しないエンジン制御装置からインジェクタ1に制御信号を送出するワイヤハーネス104がコネクタ70に接続されている。燃料排出管105はインジェクタ1内の余剰燃料を排出するものであり、ユニオン73の継手73aに接続されている。ユニオン73はインジェクタ1の後述するハウジング50の回収接続部50aに嵌合固定されている。
【0014】
インジェクタ1の周囲には、排気用のカムシャフト111、カム113、吸気用のカムシャフト112、カム114が配設されている。排気弁115、吸気弁116はカム113、114により駆動される。
図2に示すように、インジェクタ1の噴孔側に設けられた噴射ノズル10のノズルボディ11には、噴孔11aを開閉するニードル弁20が往復移動可能に収容されている。ノズルボディ11およびインジェクタボディ13はディスタンスピ−ス12を挟んでリテーニングナット14で結合されている。ニードル弁20の反噴孔側にはプレッシャピン21が配設されており、プレッシャピン21の反噴孔側にはプレッシャピン21に接触あるいは連結する制御ピストン22が配設されている。ニードル弁20、プレッシャピン21および制御ピストン22は、特許請求の範囲に記載した「弁部材」を構成している。プレッシャピン21はスプリング23内に貫挿されており、スプリング23はプレッシャピン21を図2の下方、つまり噴孔閉塞方向に付勢している。制御ピストン22の反噴孔側には圧力制御室62が設けられている。
【0015】
インレット60内に収容された燃料フィルタ61から導入された高圧燃料は、高圧燃料通路63と高圧燃料通路64とに分岐する。高圧燃料通路63に分岐した高圧燃料はニードル弁20の周囲に環状に形成された燃料溜まり24に供給され、高圧燃料通路64に分岐した高圧燃料は圧力制御室62に供給されている。燃料溜まり24内の高圧燃料の圧力は図2の上方、つまり燃料溜まり24と噴孔11aとが連通するリフト方向にニードル弁20を付勢し、圧力制御室62内の高圧燃料の圧力は図2の下方、つまりニードル弁20が噴孔11aを閉塞する方向に制御ピストン22を付勢する。
【0016】
低圧燃料通路65は制御ピストン22およびニードル弁20の摺動クリアランスからのリーク燃料を回収するための燃料通路であり、低圧側空間としての低圧燃料室68に連通している。ハウジング50に形成された燃料排出通路69はインジェクタ内の余剰燃料を低圧燃料室68からインジェクタ1の外部に排出するための通路である。
【0017】
図1に示すように、ディスタンスピース51、52はインジェクタボディ13とバルブシリンダ45との間に挟持されている。第1の絞り孔66はディスタンスピース51に形成され、高圧燃料通路64から圧力制御室62への流入燃料量を規制している。第2の絞り孔67はディスタンスピース52に形成され、圧力制御室62から低圧燃料室68への流出燃料量を規制している。
【0018】
ディスタンスピース51、52は、ディスタンスピース51、52を貫通してインジェクタボディ13に設けた図示しない穴に挿入された図示しないピンによってインジェクタボディ13に対して正確に位置決めされている。
電磁弁30は、圧力制御室62と低圧燃料室68とを断続する電磁二方弁であり、リーテーニングナット59とインジェクタボディ13との間に配設されている。ピン53はコア31とハウジング50との回転方向の位置決めを行うものであり、かつリテーニングナット59を締めつけるときにコア31とハウジング50とが互いに相対回動しコイル32に給電する図示しない給電ターミナルに負荷が加わることを防止するものである。
【0019】
コイル32はコア31内に巻装されており、コネクタ70に埋設されたターミナル71から電力が供給される。コア31は厚さ0.2mm程度の珪素鋼板をスパイラル状に積層して形成したものであり、内周に配設した円筒部材33に珪素鋼板が溶接されている。後述する可動部材40の押圧部材42は円筒部材33の内部に貫挿されている。円筒部材33は、押圧部材42を支持する必要はなくコア31を構成する珪素鋼板を溶接できればよいので磁性材である必要はなく、非磁性のSUS等で薄肉に形成可能である。円筒部材33を薄肉に形成できるので、押圧部材42を収容する収容孔近傍までコア31の内径を小さくし磁気回路を構成できる。したがって、コア31を小径化しても所望の性能を得ることができる。
【0020】
可動部材40は第1の可動部としての弁軸41、第2の可動部としての押圧部材42、球状部材43および支持部材44からなる。弁軸41と押圧部材42とは圧力制御室62の燃料圧力から受ける力およびスプリング47の付勢力により互いに押圧されており、別体に形成されてはいるが離反しないで往復移動する。押圧部材42は磁気回路への影響を避けるために非磁性ステンレス等で構成されている。弁軸41はコア31の噴孔側に配設されたバルブシリンダ45に往復移動可能に支持されており、耐摩耗性に優れた材質で形成されている。弁軸41は磁気回路外にあるので磁性体で構成してもかまわない。弁軸41のコア側には径方向および軸方向に正確に位置決めされたアーマチャ34が圧入、かしめ、溶接のいずれかまたは複数の手段で固定されており、弁軸41はアーマチャ34とともに往復移動する。アーマチャ34は耐摩耗性よりも磁気回路の一部としての特性が要求されるので、例えば珪素鋼により形成されている。アーマチャ34には燃料中の移動抵抗を低減するために4〜20個の貫通孔34aが形成されている。
【0021】
可動部材40のリフト量はスペーサ54の軸長を変更することにより調整できる。可動部材40の最大リフト位置は、弁軸41が円筒部材33に係止されることにより規定される。このとき、アーマチャ34とコア31との間にはエアギャップが確保されるので、コイル33への通電をオンからオフにするときに速やかに可動部材40が図1の下方に移動する。
【0022】
図1に示すように、弁軸41の先端部には円筒状に形成された支持部材44が圧入または溶接等で固定されている。支持部材44と球状部材43との間には数μmのクリアランスが形成されており、球状部材43は弁軸41の先端に形成された円錐状凹面と支持部材44の内壁とにより回動自在に組み付けられている。支持部材44の先端部をかしめることにより球状部材43は支持部材44からの脱落を防止されている。球状部材43は、セラミックまたは超硬合金の球の一部分に平面部が加工された構造になっており、弁軸41のリフト量は50〜150μm程度であるから、弁軸41のリフト位置に関わらず球状部材43が所定角度以上回転しようとしても球状部材43の平面部がディスタンスピース52に係止される。したがって、球状部材43の平面部は常に第2の絞り孔67に面している。球状部材43はディスタンスピース52との平面同士の当接により第2の絞り孔67を閉塞するので、球状部材43とディスタンスピース52とのシール面積が大きくなり圧力制御室62からの燃料リーク料を低減することができる。また、球状部材43と第2の絞り孔67との位置や相対角度がずれた場合にも確実に球状部材43が第2の絞り孔67を閉塞できる。
【0023】
押圧部材42は、摺動クリアランスよりも大きなクリアランスを円筒部材33と形成して円筒部材33に往復移動自在に貫挿されている。押圧部材42の反アーマチャ側に係止部42aが形成されており、この係止部42aとシム46との間にスプリング47が挟持されている。スプリング47は球状部材43が第2の絞り孔67を閉塞する方向に押圧部材42を付勢している。スプリング47の付勢力はシム46の厚みを変更することにより調節できる。これ以外に、スプリング47の係止位置を外部からのねじ締めにより変更し、スプリング47の付勢力を調節することも可能である。
【0024】
弁軸41と押圧部材42との嵌合は、弁軸41に形成された凹状のテーパ面41aと押圧部材42に形成された凸状のテーパ面42bとにより成される。この凹凸のテーパ面同士の嵌合により、常に軸中心に向かう力が押圧部材42に加わる。したがって、押圧部材42が円筒部材33に支持されていなくても弁軸41と押圧部材42との位置ずれは起こりにくく、押圧部材42が軸中心からずれたとしても確実に適正位置に戻ることができる。弁軸41のテーパ面41aは弁軸41を切削加工するときに基準として用いたセンタ穴をそのまま用いることもできる。
【0025】
バルブシリンダ45、弁軸41、押圧部材42の内部にそれぞれ形成された燃料通路45a、41b、42cは低圧燃料室68の余剰燃料を燃料排出通路69からインジェクタ外部に排出するための通路である。
次に、インジェクタ1の組付け手順について説明する。
(1) ノズルボディ11、ディスタンスピース12、プレッシャピン21、制御ピストン22、スプリング23、ディスタンスピース51、52、燃料フィルタ61等は予めインジェクタボディ13に組み込まれている。インジェクタボディ13にバルブシリンダ45をねじ締め固定することにより、インジェクタボディ13とバルブシリンダ45との間がシールされる。
【0026】
(2) バルブシリンダ45に弁軸41を嵌め込み、弁軸41の外周にスペーサ54を組付ける。
(3) インジェクタボディ13側とは別に、コイル32を巻回したコア31、押圧部材42、スプリング47、シム46、ハウジング50、ピン53、リテーニングナット59を組立て、コネクタ70を樹脂成形する。
【0027】
(4) 別々に組み立てられたインジェクタボディ側と電磁弁側とをリテーニングナット59をバルブシリンダ45にねじ締めすることにより結合する。このとき、弁軸41の凹状テーパ面41aに押圧部材42の凸状テーパ面42bが自動的にかつ確実に嵌合するので、短時間でインジェクタボディ側と電磁弁側とを結合することができる。そして、Oリング72およびユニオン73をハウジング50の回収接続部50aに取付け、サークリップ74でユニオン73を固定してインジェクタ1の組付けが完成する。
【0028】
次に、シリンダヘッド100へのインジェクタ1の取付け手順について説明する。
(1) 排気弁115、吸気弁116、カムシャフト111、112はシリンダヘッド100にインジェクタ1を取り付ける前に既に組付けられている。
(2) 取付け孔100aにインジェクタ1を嵌合し、固定部材101によりシリンダヘッド100にインジェクタ1を押圧しながら固定する。これにより、インジェクタ1は燃焼室120と同軸上に配設される。
【0029】
(3) シール部材121、122を取り付けたエンジンヘッドカバー110をインジェクタ1の上から覆いかぶせる。
(4) インレット60に燃料配管103を接続し、回収接続部50aにユニオン73を介して燃料排出管105を接続し、コネクタ70にワイヤハーネス104を接続することでエンジンヘッド100へのインジェクタ1の取付けが完了する。
【0030】
次に、燃料噴射装置の作動について説明する。
(1) コイル32への通電オフ時、スプリング47の付勢力により押圧部材42が図1の下方に押下される。球状部材43はディスタンスピース52に着座し、圧力制御室62と低圧燃料室68との連通が遮断される。
制御ピストン22の受圧面積はニードル弁20の受圧面積よりも大きく、スプリング23の付勢力は噴孔閉塞方向に働いているので、圧力制御室62の燃料圧力から制御ピストン22が噴孔閉塞方向に受ける力とスプリング23の付勢力との和は、燃料溜まり24の燃料圧力からニードル弁20がリフト方向に受ける力よりも大きい。したがって、ニードル弁20により噴孔11aは閉塞され燃料噴射は行われない。
【0031】
(2) コイル32への通電をオンすると、コイル32に発生するアーマチャ34を吸引する電磁力と圧力制御室62の燃料圧力から可動部材40が開弁方向に受ける力との和がスプリング47の付勢力よりも大きくなるので可動部材40がリフトし球状部材43はディスタンスピース52から離座する。球状部材43がディスタンスピース52から離座すると、第2の絞り孔67と低圧燃料室68とが連通し、圧力制御室62の燃料が第2の絞り孔67から低圧燃料室68に流出する。第2の絞り孔67の通路抵抗は第1の絞り孔66の通路抵抗よりも小さいので、球状部材43がディスタンスピース52から離座し圧力制御室62と低圧燃料室68とが連通すると圧力制御室62の燃料圧力が低下する。圧力制御室62の燃料圧力が低下し、圧力制御室62の燃料圧力から制御ピストン22が噴孔閉塞方向に受ける力とスプリング23の付勢力との和が、燃料溜まり24の燃料圧力からニードル弁20がリフト方向に受ける力よりも小さくなると、ニードル弁20がリフトし、噴孔11aから燃料が噴射される。
【0032】
以上説明した本発明の第1実施例では、コア31に対してアーマチャ34を噴孔側に配設し、アーマチャ34に対してスプリング47をコア外部の反噴孔側に配設したことにより、コア31の内部にスプリング47を収容する空間を設ける必要がないのでコア31を小径化できる。さらに、可動部材40を付勢するための構造が簡単になるので電磁弁30の組付けが容易になる。
【0033】
また、可動部材40をコア31で支持せず、コア外部のバルブシリンダ45で支持することにより、コア31を高精度に加工および組付けなくてもなく弁軸41の位置精度を確保できる。したがって、コア31の位置決めを行うための複雑な構造をコア31およびコア31の支持部に設ける必要がなく電磁弁30の組付け構造を簡単化することができるので、インジェクタ1を小径化でき、かつ製造コストを低減できる。さらに、渦電流の発生を抑制する珪素鋼板を積層してコア31を形成できるので、渦電流の発生による電力損が低減し、供給電力が効率よく磁力に変換される。したがって、電磁弁を小径化しても所望の性能を得ることができる。
【0034】
また、バルブシリンダ45、弁軸41、押圧部材42の内部に燃料排出通路69に余剰燃料を導く燃料通路45a、41b、42cを設けたので、電磁弁30の外周側に排出用の燃料通路を設ける必要がなく、インジェクタをさらに小径化できる。
小径化されたインジェクタ1は、図3および図4に示したようにインジェクタ周囲に配設される各種部品と干渉しないので、搭載スペースを制約された小型、小排気量のエンジンに搭載するにおいて特に有効である。また、各種形式、大きさを有するエンジンに同じインジェクタを用いることができるので、大量生産によりインジェクタの製造コストを低減できる。
【0035】
また、バルブシリンダ45に弁軸31、スペーサ54、弁軸31を除いた電磁弁30、ハウジング50を順に積み上げ、リテーニングナット59により締結するだけでよいので、組付作業が容易になる。
また、別体に形成した可動部材40の弁軸41と押圧部材42との嵌合は、凹凸状テーパ面同士により成されるので、弁軸41と押圧部材42との位置決めが容易であるとともに、押圧部材42が常に軸中心に力を受けるので押圧部材42が位置ずれを起こしにくく、位置ずれを起こしても速やかに適正位置に戻ることができる。
【0036】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図5に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
電磁弁80の可動部材90は、弁軸91、押圧部材92、球状部材43、支持部材44からなる。弁軸91は第1の可動部91aおよび第2の可動部91bからなり、一体に形成されている。第1の可動部91aはバルブシリンダ45に往復移動自在に支持されており、第2の可動部91bは円筒部材33の内周に円筒部材33に支持されることなく貫挿されている。押圧部材92は第2の可動部91bの反噴孔側端部に嵌合しており、スプリング47の付勢力を弁軸91に伝達している。
【0037】
第2実施例においても、可動部材90はコア31に支持されていないので、第1実施例と同様にインジェクタを小径化することができる。
第2実施例では、スプリング47の径が小さい場合にはスプリング47の可動部材側受け部材である押圧部材を小径に形成できるので、弁軸の端部に直接ばね受け部を形成し、押圧部材を設けることなく弁軸で直接スプリングを係止することも可能である。
【0038】
また、押圧部材92と弁軸91との嵌合を第1実施例と同様に凹凸テーパ面同士の嵌合にしてもよい。
以上説明した本発明の実施の形態を示す上記複数の実施例では、コアの噴孔側で可動部材を往復移動自在に支持したが、可動部材の第1の可動部および第2の可動部を一体に形成した場合、コアの反噴孔側で可動部材を往復移動自在に支持することも可能である。また、コアの噴孔側にアーマチャを配設し、コアの反噴孔側に可動部材を付勢する付勢手段としてのスプリングを配設したが、コイルへの通電磁および非通電磁における電磁弁の開閉状態を逆転すれば、コアの噴孔側にスプリングを配設し、コアの反噴孔側にアーマチャを配設することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるインジェクタの主要部を示す断面図である。
【図2】第1実施例のインジェクタを示す断面図である。
【図3】第1実施例のインジェクタをシリンダヘッドに搭載した状態を示す断面図である。
【図4】図3のIV方向矢視断面図である。
【図5】本発明の第2実施例によるインジェクタの主要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インジェクタ(燃料噴射装置)
10 噴射ノズル
11a 噴孔
20 ニードル弁(弁部材)
21 プレッシャピン(弁部材)
22 制御ピストン(弁部材)
30 電磁弁
31 コア
32 コイル
34 アーマチャ
40 可動部材
41 弁軸(第1の可動部)
42 押圧部材(第2の可動部)
43 球状部材(可動部材)
44 支持部材(可動部材)
47 スプリング(付勢手段)
63、64 高圧燃料通路
65 低圧燃料通路
66 第1の絞り孔
67 第2の絞り孔
68 低圧燃料室
90 可動部材
91 弁軸(可動部材)
91a 第1の可動部
91b 第2の可動部

Claims (4)

  1. コモンレールで蓄圧された高圧燃料を内燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、
    蓄圧された高圧燃料を噴孔に供給可能な高圧燃料通路と前記噴孔とを断続する弁部材と、
    コイルを巻回したコア、低圧側空間と前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方向に付勢する圧力制御室とを断続し前記コアに軸方向に貫挿される可動部材、前記コアの一方の軸方向端部側に前記可動部材とともに往復移動可能に配設され前記コイルへの通電時に前記コアに吸引されるアーマチャ、および前記コアの反アーマチャ側に配設され前記アーマチャの前記コアへの吸引方向と反対方向に前記可動部材を付勢する付勢手段を有する電磁弁とを備え、
    前記可動部材は、前記コア外で往復移動可能に支持される第1の可動部、および前記コアに支持されることなく貫挿される第2の可動部を有し、
    前記第1の可動部と前記第2の可動部とは別体に形成されていることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 前記第1の可動部の前記第2の可動部との嵌合部は凹状のテーパ面を有し、前記第2の可動部の前記第1の可動部との嵌合部は凸状のテーパ面を有することを特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 前記第1の可動部の前記第2の可動部との嵌合部は凸状のテーパ面を有し、前記第2の可動部の前記第1の可動部との嵌合部は凹状のテーパ面を有することを特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 前記可動部材の内部に余剰燃料を排出する燃料排出通路を設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の蓄圧式燃料噴射装置。
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