JP3701726B2 - ユニット式建物の配管構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニット式建物の配管構造に係り、例えば、便器に接続される汚水管や、流し台、浴槽に接続される排水管に利用できる。
【0002】
【背景技術】
図5には、ユニット式建物おける汚水管70の従来の配管構造が示されている。
ユニット式建物を構成する上階建物ユニット80は、四隅に立設された四本の柱81(二本のみを図示)の下端間に架け渡された四本の床梁82(三本のみを図示)と、二本の床梁82(一本のみを図示)間に架け渡された複数の根太83とを備えている。これら根太83の上面には各床梁82の上面にまで延びた床面材84が張られ、これにより上階建物ユニット80の床86が形成されている。そして、床面材84上には便器85が設置されている。
【0003】
一方、下階建物ユニット90は、柱91の上端間に架け渡された天井梁92と、天井梁92間に架け渡された複数の天井小梁93とを備えている。これら天井小梁93の下面には各天井梁92にまで延びた天井面材94が張られ、これにより下階建物ユニット90の天井96が形成されている。
【0004】
また、上階建物ユニット80の床下空間86Aには、上端が便器85に接続された竪管71が配管され、この竪管71の下端にはエルボ72を介して横管73の一端が接続され、さらに、この横管73の他端にはエルボ72を介して別の竪管74が接続されている。そして、これら竪管71,74、エルボ72、横管73により汚水管70が形成されている。この際、下階建物ユニット90にはパイプシャフト95が設けられており、このパイプシャフト95が床下空間86Aおよび天井裏空間96Aと連通しているとともに、竪管74がパイプシャフト95および天井裏空間96Aにわたって配管されている。
【0005】
さらに、上階建物ユニット80では、根太83のうちの根太83Aが他の建物ユニットでも用いられる通常の大きさとされた木製になっているが、床下空間86Aに横管73が配管されることから、根太83Bは上下寸法が小さくとも床強度を満足させることのできる金属製のチャンネル材になっている。そして、横管73を確実に支持するために、木製の根太83Cには横管73が挿通される挿通孔87が設けられている。
また、下階建物ユニット90の天井小梁93は、天井面材94を支持するだけの強度有していればよいので、その上下寸法等は根太83Aに比して小さくなっている。
【0006】
このような配管構造のでは、工場で上階建物ユニット80を生産する際に、便器85を設置するとともに、竪管71、エルボ72、横管73を床下空間86Aに配管しておく。また、下階建物ユニット90を生産する際に、竪管74をパイプシャフト95、天井裏空間96Aに配管しておく。次いで、建築現場で上、下階建物ユニット80,90を上下に積重した際、竪管74とエルボ72とを接続することにより汚水管70を完成させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工場で上建物ユニット80を生産する際、横管73を床下空間86Aへ配管する作業は上向き姿勢で行わなければならず、その作業に手間がかかるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、工場での配管作業を容易に行うことができるユニット式建物の配管構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のユニット式建物の配管構造は、図面を参照して説明すると、工場で生産された複数の建物ユニット12,13が建築現場で少なくとも上下方向に積重されて建てられるとともに、内部に略水平な横管73と、この横管73の一端に下端が接続された鉛直な竪管41とが配管されているユニット式建物10の配管構造であって、横管73を複数の建物ユニット12,13のうちの下階側の建物ユニット12Aの天井裏空間19Aに配管し、竪管41をその下階側の建物ユニット12Aの直上に配置される上階側の建物ユニット13Aの床下空間22Aに配管し、少なくとも上階側の建物ユニット13Aを、平行な二本の床梁53間に架け渡された複数の根太54を含んで構成し、各根太54の上下寸法を床梁53の上下寸法と同じにし、複数の建物ユニット12,13のうちの横管73が配管される下階側の建物ユニット12Aと隣接した別の下階側の建物ユニット12Bに、床梁53と同じ断面寸法を有する平行な二本の天井梁52を設け、これらの天井梁52間に根太54と同じ外形形状を有する天井小梁56を架け渡し、この天井小梁56の上面に床面材84を張り、下面には天井面材94を張り、その天井梁52が設けられた建物ユニット12Bの直上に、床梁が無くかつ底の部分が開口とされた無底建物ユニット13Bを積重することを特徴とするものである。
このような本発明においては、横管73を下階側の建物ユニット12Aの天井裏空間19Aに配管することにより、工場での横管73の配管作業を通常の作業姿勢で容易に行えるようになる。
また、横管73が上階側の建物ユニット13Aの床下空間22Aに配管されていないことにより、それら複数の根太54を外形寸法等、全て同じものに統一可能となり、部材の種類が低減される。特に、他の建物ユニット12Aにも根太が設けられている際には、それらの根太を全て同じものにすることにより、部材の種類の低減が一層促進される。
そして、根太54の上下寸法が設計可能な範囲で最大となるから、根太54の強度が増し、床22にかかる垂直荷重に対して有効に抗することが可能になる。
さらに、建物ユニット12Bにおいては、天井梁52と床梁53とで共通化され、また、根太54と天井小梁56とで共通化されるため、部材の種類がより一層低減される。
さらにまた、建物ユニット12Bでは天井小梁56の上面に床面材84を張り、この建物ユニット12Bの直上に無底建物ユニット13Bを積重することにより、その床面材84によって建物ユニット13Bの床22が形成されるようになるから、直上の建物ユニット13Bには床22から天井20までの高さが高い内部空間15が形成されるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、従来と同じ構成部材には同一符号を付し、それらの説明を簡略化または省略する。
図1は、本実施の形態に係る配管構造が適用されたユニット式建物10の縦断面図であり、このユニット式建物10は、基礎11上に配置された複数の一階建物ユニット12と、これら一階建物ユニット12の上部に積重された二階建物ユニット13とを備えた二階建ての建物である。なお、二階建物ユニット13の上部には、図示略の屋根が設けられるようになっている。
【0016】
一、二階建物ユニット12,13の内部空間14,15と建物の外部とは一、二階建物ユニット12,13の各々の側面に設けられた外壁パネル16で仕切られており、これら外壁パネル16は、例えば、オートクレーブ養生された軽量気泡コンクリート(ALC)製である。
【0017】
各一、二階建物ユニット12,13の内部空間14,15には各々天井19,20および床21,22が設けられているとともに、一、二階建物ユニット12,13の天井裏は天井裏空間19A,20Aとなっており、二階建物ユニット13のうちの二階建物ユニット13Aの床下は床下空間22Aとなっている。
【0018】
一、二階建物ユニット12,13の各天井19,20には照明器具23が設けられ、各内壁面にはそれら照明器具23のスイッチ23Aおよびコンセント24が設けられている。
各一階建物ユニット12の天井裏空間19A、二階建物ユニット13Aの床下空間22A、および、二階建物ユニット13Bの床22に近い内壁には、スイッチ回路等が内蔵された電線ユニット25が配置あるいは埋設されており、照明器具23、スイッチ23A、コンセント24と電線ユニット25とは電線26で結線されている。
【0019】
また、これら電線ユニット25のうちの二階建物ユニット13Aの電線ユニット25には電線27Aの一端が結線され、二階建物ユニット13Bの内壁に埋設された電線ユニット25には電線27Bの一端が結線され、これら電線27A,27Bの他端同士が各二階建物ユニット13A,13Bの境界近傍で接続されている。そして、この接続部分はキャップ部材28で絶縁されているとともに、電線27A,27Bで電線27が形成されている。
【0020】
さらに、その二階建物ユニット13Aの電線ユニット25、および、各一階建物ユニット12の電線ユニット25には、電線29の一端が結線され、この電線29の他端が一階建物ユニット12のうちの一階建物ユニット12A内に設けられた配電盤30に結線されている。
この際、一、二階建物ユニット12B,13Aの各電線ユニット25と配電盤30との間に配線された電線29は、一端が配電盤30に結線された電線29Aと、一端が電線ユニット25に結線された電線29Bとからなり、これら電線29A,29Bの他端同士が一階建物ユニット12A,12Bの境界近傍で接続され、各接続部分がキャップ部材28で絶縁されている。
【0021】
さて、二階建物ユニット13Aの床22には便器85が設置されており、この便器85には汚水管40の一端が接続され、この汚水管40の他端が一階建物ユニット12Aのパイプシャフト95を通って図示略の下水道管に接続されるようになっている。
【0022】
この汚水管40が配管された一、二階階建物ユニット12A,13Aは、図2に示すように、直方体状の骨組み50を有しており、この骨組み50は、四隅に立設された四本の柱51と、これら四本の柱51の上端間に架け渡された四本の天井梁52と、下端間に架け渡された四本の床梁53とを含んで構成され、長辺側の天井梁52間には従来と同じ複数の天井小梁93が架け渡され、長辺側の床梁53間には複数の根太54が架け渡されている。そして、根太54の上面および天井小梁93の下面には、床面材84および天井面材94が張られ、これにより、図1で示した床21,22および天井19,20が形成されるようになっている。
【0023】
骨組み50を構成する天井梁52および床梁53は、図3に示すように、同じ断面寸法のチャンネル材から製作されたものでるとともに、各根太54は、全て同じ外形形状を有する木製のとされ、また、根太54の上下寸法が床梁53の上下寸法と同じになっている。
【0024】
図3において、汚水管40は、便器85の下部に上端が接続された竪管41と、この竪管41の下端にエルボ72を介して一端が接続された横管73と、この横管73の他端にエルボ72を介して上端が接続された別の竪管44とから構成されている。そして、竪管41は二階建物ユニット13Aの床下空間22A に配管されているとともに、その下端が床梁53の下面と略同じ高さレベルとされ、横管73は一階建物ユニット12Aの天井裏空間19A内であって、天井小梁93と上方の根太54との間に配管され、竪管44は天井裏空間19Aとパイプシャフト95とにわたって配管されている。ここで、図中の符号55は、パイプシャフト95と一階建物ユニット12Aの内部空間14とを仕切る間仕切り壁である。
【0025】
ところで、この図において、一階建物ユニット12Bは、天井小梁56を除いて一、二階建物ユニット12A,13Aと同様な柱51、天井梁52を備えている。すなわち、一階建物ユニット12Bの天井梁52間に架け渡された天井小梁56は、一、二階建物ユニット12A,13Aの根太54と同じ外形寸法を有し、材質も同じ木製とされている。そして、これら天井小梁56の下面には天井面材94が張られ、また、上面には床面材84が張られ、これにより、一階建物ユニット12Bの天井19および二階建物ユニット13Bの床22が形成されている。なお、ここでは図示を省略するが、以上の根太54、天井小梁56には適宜な位置に切欠部が設けられ、それらの切欠部を利用して前述の電線27,29が配線されるようになっている。
【0026】
その二階建物ユニット13Bは、図4にも示すように、骨組み60を有しており、この骨組み60は、四隅に立設された四本の柱61と、これら四本の柱61の上端間に架け渡された四本の天井梁62とを含んで構成され、下端間には床梁が存在しない。また、長辺側の天井梁62間には、一、二階建物ユニット12A,13Aと同様に、天井小梁93が架け渡され、さらに、天井小梁93の下面に天井面材94が張られて二階建物ユニット13Bの天井20が形成されるようになっている。すなわち、この二階建物ユニット13Bは、床となる底部分が無い無底建物ユニットになっており、一階建物ユニット12Bとは柱51,61間でボルト締めを行うことにより連結されている。
【0027】
このような本実施の形態においては、以下のようにして、ユニット式建物10内における電線26,27,29の配線作業および汚水管40の配管作業を行う。
配線作業については、先ず、工場で各一、二階建物ユニット12,13毎に電線26,27,29を配線しておくが、この際、一階建物ユニット12Aの配電盤30に各電線29Aの一端を結線しておき、一、二階建物ユニット12B,13Aの電線ユニット25に各電線29Bの一端を結線しておき、同様に、二階建物ユニット13Aの電線ユニット25に電線27Aの一端を、二階建物ユニット13Bの電線ユニット25に電線27Bの一端を、各々結線しておく。そして、各電線27A,27Bの他端を各二階建物ユニット13における床22同士の境界近傍まで配線し、また、各電線29A,29Bの他端を各一階建物ユニット12における天井裏空間19Aの境界近傍まで配線する。
次いで、建築現場で一、二階建物ユニット12,13を組み合わせた後、電線27A,27Bの他端同士および電線29A,29Bの他端同士を各々接続し、最後に、それらの接続部分をキャップ部材28で絶縁する。
【0028】
一方、配管作業については、先ず、工場で竪管44を一階建物ユニット12Aのパイプシャフト95および天井裏空間19Aにわたって配管しておくとともに、この天井裏空間19Aに上方から横管73を設置し、これら竪管44と横管73とをエルボ72を介して接続し、横管73の他端にもエルボ72を取り付けておく。そして、竪管41を二階建物ユニット13Aの床下空間22Aに配管し、この竪管41の上端を便器85の下部に接続しておく。
次いで、建築現場で一階建物ユニット12Aに二階建物ユニット13Aを積重した後、横管73の端部に取り付けられたエルボ72と竪管41の下端とを接続する。
【0029】
このような本実施の形態によれば以下のような効果がある。
すなわち、汚水管40の横管73が一階建物ユニット12Aの天井裏空間19Aに配管されているため、この横管73の工場での配管作業は、横管73を一階建物ユニット12Aの上方から配置した後に通常の姿勢で行われるようになり、その配管作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0030】
また、横管73が天井裏空間19に配管されていることで、二階建物ユニット13Aの根太54を同じ外形形状を有するものに統一でき、部材の種類を低減することができる。
【0031】
そして、この根太54が一階建物ユニット12Aにも使用されているため、この点からも、部材の種類を低減することができる。
【0032】
さらに、この根太54と一階建物ユニット12Bの天井小梁56とは、外形形状や材質が同じになっているため、これらの部材を共通化することにより、部材の種類をより一層低減することができる。
【0033】
この際、天井小梁56の上下寸法が天井梁52の上下寸法とも同じになっているから、天井小梁52の上面に床面材84を張ることで、二階建物ユニット13Bの内部空間15を天井高さの高い空間にできる。
【0034】
また、この二階建物ユニット13Bが床梁の無い無底建物ユニットになっているため、その床22を二階建物ユニット13Bにおける床本来の広さを確実に確保することができる。
【0035】
そして、根太54、天井小梁56の上下寸法が床梁53、天井梁52の上下寸法と同じであるから、それら根太54、天井小梁56の上下寸法は設計可能な範囲で最も大きくなっている。このため、根太54、天井小梁56の強度を大きくすることができ、二階建物ユニット13の各床22にかかる垂直荷重に対して有効に抗することができる。
【0036】
さらに、電線27A,27B,29A,29Bの端部が全てユニット式建物10の中央に集約されているため、これら電線27A,27B,29A,29Bの端部同士を接続するにあたっては、ユニット式建物10内の一箇所で行うことができ、建築現場での配線作業を効率よく行うことができる。
【0039】
そして、前記実施の形態では、汚水管40の配管構造および配管方法について述べたが、本発明の配管構造および配管方法は、例えば、流し台や浴槽に接続される排水管にも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、下階側の建物ユニットの天井裏空間に横管を配管したため、その配管作業を通常の姿勢で容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る配管構造が適用されたユニット式建物を示す縦断面図である。
【図2】前記ユニット式建物を構成する建物ユニットの骨組みを示す斜視図である。
【図3】前記配管構造を拡大して示す縦断面図である。
【図4】前記ユニット式建物を構成する他の建物ユニットの骨組みを示す斜視図である。
【図5】従来の配管構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 ユニット式建物
12A 下階側の建物ユニットである一階建物ユニット
13A 上階側の建物ユニットである二階建物ユニット
13B 無底建物ユニットである二階建物ユニット
19A 天井裏空間
22A 床下空間
41 竪管
52 天井梁
53 床梁
54 根太
56 天井小梁
73 横管
Claims (1)
- 工場で生産された複数の建物ユニットが建築現場で少なくとも上下方向に積重されて建てられるとともに、内部に略水平な横管と、この横管の一端に下端が接続された鉛直な竪管とが配管されているユニット式建物の配管構造であって、
前記横管が前記複数の建物ユニットのうちの下階側の建物ユニットの天井裏空間に配管され、前記竪管が前記下階側の建物ユニットの直上に配置される上階側の建物ユニットの床下空間に配管され、
少なくとも前記上階側の建物ユニットは、平行な二本の床梁間に架け渡された複数の根太を含んで構成され、
前記根太の上下寸法が前記床梁の上下寸法と同じとされ、
前記複数の建物ユニットのうちの前記横管が配管される下階側の建物ユニットと隣接した別の下階側の建物ユニットには、前記床梁と同じ断面寸法を有する平行な二本の天井梁が設けられ、これらの天井梁間には前記根太と同じ外形形状を有する天井小梁が架け渡され、
この天井小梁の上面には床面材が張られ、下面には天井面材が張られ、
前記天井梁が設けられた建物ユニットの直上には、床梁が無くかつ底の部分が開口とされた無底建物ユニットが積重されている
ことを特徴とするユニット式建物の配管構造。
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