JP3703452B2 - 妨害波生成装置および妨害波除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ放送信号に含まれた妨害波映像信号に相当する信号成分を生成する妨害波生成装置、および、テレビ放送信号から妨害波映像信号に相当する信号成分を除去する妨害波除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ放送において、隣接する地域に異なるテレビ放送信号を送信する際、それぞれのテレビ放送信号を同一チャネルの搬送波で送信しなければならない場合がある。このような場合には、一方の地域へ送信するテレビ放送信号が、他方の地域へ送信するテレビ放送信号を妨害しないように、一方の地域へ送信するテレビ放送信号の搬送波を、他方の地域へ送信するテレビ放送信号の搬送波よりも一定周波数(10.01kHz:以降、オフセット周波数とする)だけオフセットさせることが行われている。
【0003】
ただし、このように搬送波の周波数をオフセットさせると、一方のテレビ放送信号には、オフセットされた他方のテレビ放送信号が妨害波映像信号として含まれてしまい、この成分がテレビ放送に基づく映像に縦方向の縞を発生させるなど画質を低下させる要因となっていた。
【0004】
そこで、上述の妨害波映像信号(オフセットビート信号)をテレビ放送信号から除去するための妨害波除去装置が種々提案されている。例えば、IF(Intermediate Frequency)帯域のテレビ放送信号(入力テレビジョン信号)を直交検波して生成した直交成分のQ(Quadrature phase)信号(妨害波)から、オフセット周波数(10.01kHzおよび20.02kHz)の信号成分をフィルタで抽出し、この抽出した信号成分を再度IF帯域に変調(変換)することにより、テレビ放送信号から除去すべき除去信号(周波数混合出力信号)を生成して、この生成した除去信号をテレビ放送信号から減算する、といった構成の妨害波除去装置(オフセットビートキャンセラ)が提案されている(特許文献1)。このような妨害波除去装置を利用すれば、テレビ放送信号から、オフセット周波数の信号成分を除去することができるため、テレビ放送に基づく映像の画質を向上させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−055671号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の妨害波除去装置は、オフセット周波数の信号成分を除去信号として生成することはできるが、この除去信号には、妨害波映像信号そのものは含まれないため、テレビ放送信号から妨害波映像信号を充分に除去することができているとはいえない。妨害波映像信号は、その信号レベルによっては、テレビ放送信号に基づく映像に不要な妨害映像を重畳させてしまう恐れがあるため、テレビ放送信号に基づく映像の画質を向上させるためには除去できることが望ましい。
【0007】
本発明は、テレビ放送信号から除去すべき信号として、テレビ放送信号に含まれるオフセット周波数の信号成分だけでなく妨害波映像信号そのものが含まれた成分の信号を生成するための技術、および、テレビ放送信号からオフセット周波数の信号成分だけでなく妨害波映像信号そのものをも除去するための技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため請求項1に記載の妨害波生成装置は、テレビ放送信号から生成されるQ信号に基づいて、第2搬送波に重畳された妨害波映像信号に相当する信号成分を生成するものである。ここで、Q(Quadrature phase)信号とは、希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数だけオフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるテレビ放送信号から第1搬送波を再生し、再生した第1搬送波を90度移相して検波することにより生成される信号である。なお、上述のように生成されるQ信号は、妨害波映像信号の成分、および、第2搬送波が第1搬送波に対してオフセットされている周波数の成分からなる信号成分である。
【0009】
この妨害波生成装置は、第2搬送波が第1搬送波に対してオフセットされている周波数と同一周波数の正弦波信号、および、この正弦波信号に対して90度移相した余弦波信号を出力する発振部を備えており、まず、この発振部から出力される正弦波信号とQ信号とを入力した第1乗算部が、両信号を乗算した信号を出力する。なお、この第1乗算部から出力される信号は、Q信号の周波数帯域が発振部の発振周波数分だけシフトされた信号であって、発振部から出力される各信号はQ信号と同期していないことから、Q信号に対して位相がズレた信号となっている。
【0010】
続いて、第1乗算部から出力された信号を入力した第1フィルタ部が、この信号のうちの水平同期周波数および水平同期周波数の高調波に相当する成分の通過を阻止し、この阻止した成分以外の成分を選択的に通過させて出力する。また、第1乗算部から出力された信号を入力した第2フィルタ部が、この信号のうちの第1フィルタ部を通過しない特定の周波数成分を選択的に通過させて出力する。なお、上述の第1フィルタ部から出力される信号は、Q信号に含まれる水平同期周波数および水平同期周波数の高調波(以降、水平周波数とする)に相当する成分(水平周波数に発振部の発振周波数を加えた周波数の成分)を、Q信号から除去した残りの信号成分である。このような信号成分は、妨害波映像信号から水平周波数の成分が除去された残りの成分である(だだし、この段階では、周波数帯域が発振部の発信周波数分だけシフトしている)。また、第2フィルタ部から出力される信号は、Q信号に含まれる成分のうち、第1フィルタ部を通過しない特定の周波数成分、つまり、水平周波数に発振部の発振周波数を加えた周波数の成分の一部が含まれた信号成分である。このような信号成分は、妨害波映像信号における水平周波数の成分のうちの一部である(ただし、この段階では、周波数帯域が発振部の発信周波数分だけシフトしている)。
【0011】
続いて、第1フィルタ部から出力される信号、および、第2フィルタ部から出力される信号を入力した第1加算部が、両信号を加算した信号を出力する。このとき、第1レベル変更手段が、第2フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合は、第2フィルタ部から第1加算部へ出力(入力)される信号の信号レベルを所定の第1レベルとする一方、所定のしきい値より大きい場合には、第2フィルタ部から第1加算部へ出力(入力)される信号の信号レベルを、第1レベルよりも高い第2レベルとする。なお、この第1レベル変更手段は、第2フィルタ部から出力される信号の信号レベルのみに基づき、第1加算部へ入力される信号の信号レベルを変更するように構成すればよい。また、第2フィルタ部および第1フィルタ部から出力される信号の信号レベルそれぞれに基づき、第1加算部へ入力される信号の信号レベルを変更するように構成してもよい。この場合、例えば、第2フィルタ部から出力される信号の信号レベルと、第1フィルタ部から出力される信号の信号レベルとの比を示す値が特定の値以下である場合に、信号レベルを第1レベルとし、特定の値より大きい場合に、信号レベルを第2レベルとするように構成すればよい。このとき、上述の「しきい値」は、第2,第1フィルタ部から出力される信号の信号レベルそれぞれの比を示す値が特定の値となった状態のときに、第2フィルタ部から出力される信号の信号レベルを示す値となる。
【0012】
そして、第1加算部から出力される信号、および、この信号に発振部から出力される余弦波信号を同期させた信号(発振部から出力される余弦波信号を第1加算部から出力される信号に同期させた信号)を入力した第2乗算部が、両信号を乗算した信号を出力する。なお、この第2乗算部から出力される信号は、第1加算部から出力された信号の周波数帯域が、発振部の発振周波数分だけシフトし直された信号である。
【0013】
また、発振部から出力される余弦波信号とQ信号とを入力した第3乗算部が、両信号を乗算した信号を出力する。なお、この第3乗算部から出力される信号は、Q信号の周波数帯域が発振部の発振周波数分だけシフトされた信号であって、第1乗算部から出力される信号と同様に、Q信号に対して位相がズレている。
【0014】
続いて、第3乗算部から出力された信号を入力した第3フィルタ部が、この信号のうちの水平同期周波数および水平同期周波数の高調波に相当する成分の通過を阻止し、該成分以外の成分を選択的に通過させて出力する。また、第3乗算部から出力された信号を入力した第4フィルタ部が、この信号のうちの第3フィルタ部を通過しない特定の周波数成分を選択的に通過させて出力する。なお、上述の第3フィルタ部から出力される信号は、Q信号に含まれる水平周波数(水平同期周波数および水平同期周波数の高調波)に相当する成分(水平周波数に発振部の発振周波数を加えた周波数の成分)を、Q信号から除去した残りの信号成分である。このような信号成分は、妨害波映像信号から水平周波数の成分が除去された残りの成分である(だだし、この段階では、周波数帯域が発振部の発信周波数分だけシフトしている)。また、第4フィルタ部から出力される信号は、Q信号に含まれる成分のうち、第3フィルタ部を通過しない特定の周波数成分、つまり、水平周波数に発振部の発振周波数を加えた周波数の成分の一部が含まれた信号成分である。このような信号成分は、妨害波映像信号における水平周波数の成分のうちの一部である(ただし、この段階では、周波数帯域が発振部の発信周波数分だけシフトしている)。
【0015】
続いて、第3フィルタ部から出力される信号、および、第4フィルタ部から出力される信号を入力した第2加算部が、両信号を加算した信号を出力する。このとき、第2レベル変更手段が、第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合は、第4フィルタ部から第2加算部へ出力(入力)される信号の信号レベルを所定の第3レベルとする一方、所定のしきい値より大きい場合には、第4フィルタ部から第2加算部へ出力(入力)される信号の信号レベルを、第3レベルよりも高い第4レベルとする。なお、この第2レベル変更手段は、第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルのみに基づき、第2加算部へ入力される信号の信号レベルを変更するように構成すればよい。また、第4フィルタ部および第3フィルタ部から出力される信号の信号レベルそれぞれに基づき、第2加算部へ入力される信号の信号レベルを変更するように構成してもよい。この場合、例えば、第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルと、第3フィルタ部から出力される信号の信号レベルとの比を示す値が特定の値以下である場合に、信号レベルを第3レベルとし、特定の値より大きい場合に、信号レベルを第4レベルとするように構成すればよい。このとき、上述の「しきい値」は、第4,第3フィルタ部から出力される信号の信号レベルそれぞれの比を示す値が特定の値となった状態のときに、第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルを示す値となる。
【0016】
そして、第2加算部から出力される信号、および、この信号に発振部から出力される正弦波信号を同期させた信号(発振部から出力される余弦波信号を第2加算部から出力される信号に同期させた信号)を入力した第4乗算部が、両信号を乗算した信号を出力する。なお、この第4乗算部から出力される信号は、第2加算部から出力された信号の周波数帯域が発振部の発振周波数分だけシフトし直された信号である。
【0017】
こうして、第2乗算部から出力される信号、および、第4乗算部から出力される信号を入力した差成分生成部が、両信号の差を示す成分の信号を妨害波映像信号に相当する信号成分として出力する。なお、この差成分生成部により生成される信号は、第1,第2搬送波のオフセットされた周波数(以降、オフセット周波数とする)の成分、および、妨害波映像信号における水平周波数の成分のうちの一部が含まれた信号である。また、この信号は、第2乗算部から出力される信号および第4乗算部から出力される信号それぞれの差をとることによって、各信号のQ信号に対する位相のズレが打ち消された信号となっている。
【0018】
このように構成された妨害波生成装置によれば、オフセット周波数の成分、および、妨害波映像信号における成分の一部が含まれた信号を、妨害波映像信号に相当する信号成分(つまり、テレビ放送信号から除去すべき信号成分)として生成することができる。よって、こうして生成された信号成分をテレビ放送信号から除去すれば、オフセット周波数の信号成分だけでなく、妨害映像信号そのものの成分をも含んだ信号を、テレビ放送信号から除去することができるため、従来よりもテレビ放送信号に基づく映像の画質を向上させることができる。
【0019】
また、上述した各フィルタのうち、第2,第4フィルタは、第1,第3フィルタ部を通過しない特定の周波数成分を選択的に通過させるため、妨害波映像信号に相当する信号成分として、妨害波映像信号における水平周波数の成分のうちの一部が含まれた信号を生成することができる。そのため、こうして生成された信号成分をテレビ放送信号から除去すれば、妨害波映像信号における水平周波数の成分をテレビ放送信号から除去することができる。例えば、妨害波映像信号に基づく映像に、縦方向に同一色で形成された領域(例えば、字幕など)が含まれている場合、この領域が、妨害波映像信号の信号レベルに応じた縦方向の妨害映像となって、希望波映像信号に基づく映像に重なってしまうことがある。テレビ放送における映像は、水平同期周波数の周期で走査することで形成されることから、妨害波映像信号における水平周波数の成分を除去できることは、上述した妨害映像を除去して、テレビ放送信号に基づく映像の画質をより一層向上させるために好適である。
【0020】
さらに、第1,第2レベル変更部によって、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルに応じて、第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へ入力される信号の信号レベルを変更することができる。そのため、例えば、第2,第4フィルタ部から出力される信号、つまり、妨害波映像信号における水平周波数の信号成分に基づく映像が、妨害映像として視覚的に大きな影響を与えると想定される信号レベルを、上述のしきい値として設定しておけばよい。このようなしきい値を設定すれば、妨害波映像信号における水平周波数の成分に基づく妨害映像が視覚的に大きな影響を与えない場合は、妨害波生成装置が生成する信号に含まれる水平周波数の成分を少なくすることができ、妨害映像が視覚的に大きな影響を与える場合には、妨害波生成装置が生成する信号に含まれる水平周波数の成分を多くすることができる。
【0021】
ところで、本妨害波生成装置においては、第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へ入力される信号の信号レベルが大きい場合、妨害波映像信号に相当する信号成分として生成される信号に含まれる水平周波数成分が、本来妨害波映像信号に含まれている水平周波数成分よりも多くなってしまう場合がある。このような場合には、本妨害波除去装置により生成した信号成分をテレビ放送信号から除去する際、希望波映像信号に含まれる成分の一部をも除去してしまう恐れがある。
【0022】
そこで、請求項2に記載のように、第2,第4フィルタ部それぞれを特定の周波数成分が通過する際の減衰度を、第1,第3フィルタ部の減衰度よりも高く設定しておくとよい。
このように構成された妨害波除去装置によれば、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルは、第1,第3フィルタ部から出力される信号の信号レベルよりも大きく減衰されるため、第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へ入力される信号の信号レベルが大きくなりにくい。よって、妨害波映像信号に相当する信号成分として生成される信号に含まれる水平周波数成分が、本来妨害波映像信号に含まれている水平周波数成分よりも多くなるといったことも起こりにくい。
【0023】
なお、上述した第1,第2レベル変更部は、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルに応じて、第2,第4フィルタ部から第1加算部へ出力(入力)される信号のレベルを、第1,第3レベルまたは第2,第4レベルに変更する手段であって、具体的には、請求項3に記載のように構成するとよい。
【0024】
請求項3に記載の妨害波生成装置は、第1,第2レベル変更部それぞれが、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合、第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベル(第1,第3レベル)を「0」とする一方、所定のしきい値より大きい場合、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルを、そのまま第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベル(第2,第4レベル)とする。
【0025】
このように構成された妨害波生成装置によれば、第1,第2レベル変更部によって、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値より大きい場合のみ、第2,第4フィルタ部から出力される信号を第1,第2加算部へそれぞれ入力することができる。上述したように、妨害波映像信号における水平周波数の成分は、信号レベルに応じた縦方向の妨害映像となるため、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが小さいほど、希望波映像信号に基づく映像に重なる妨害映像の視覚的な影響が小さくなる。そのため、視覚的に影響がなくなると想定される信号レベルを上述のしきい値に設定しておけば、妨害映像の視覚的な影響があると想定される場合のみ、第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へ信号が入力されるようにすることができる。
【0026】
また、上述した第1,第2レベル変更部は、請求項4に記載のように構成してもよい。
請求項4に記載の妨害波生成装置は、第1,第2レベル変更部それぞれが、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合、第2,第4フィルタ部それぞれを特定の周波数成分が通過する際の減衰度を、所定の第1減衰度に変更することによって、第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベルを第1,第3レベルとする。また、信号レベルが所定のしきい値より大きければ、第2,第4フィルタ部それぞれを特定の周波数成分が通過する際の減衰度を、第1減衰度よりも低い第2減衰度に変更することによって、第2,第4フィルタ部から第1,2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベルを第2,第4レベルとする。
【0027】
このように構成された妨害波生成装置によれば、第1,第2レベル変更部によって、第2,第4フィルタ部から出力される信号レベルに応じて、第2,第4フィルタ部の減衰度を変更することで第1,第2加算部へ入力される信号の信号レベルを変更することができる。
【0028】
また、請求項5に記載の妨害波除去装置は、直交検波部、妨害波生成部および妨害波除去部からなり、まず、直交検波部が、希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数オフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるIF(Intermediate Frequency)帯域のテレビ放送信号を直交検波することによって、このテレビ放送信号における第1搬送波の同相成分であるI(In phase)信号および直交成分であるQ信号を生成する。続いて、妨害波生成部が、直交検波部により生成されたQ信号に基づいて、テレビ放送信号の第2搬送波に重畳された妨害波映像信号に相当する信号成分を生成する。そして、妨害波除去部が、直交検波部により生成されたI信号から、妨害波生成部により生成された妨害波映像信号に相当する信号成分を除去する。この妨害波除去装置における妨害波生成部は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の妨害波生成装置により構成されている。
【0029】
このように構成された妨害波除去装置によれば、妨害波生成部によって、請求項1から請求項4のいずれかに記載の妨害波生成装置が生成する信号成分と同様の信号成分を生成することができる。そのため、妨害波除去部により、妨害波生成部により生成された信号成分をI信号から除去することによって、テレビ放送信号(I信号)から、オフセット周波数の信号成分だけでなく、妨害映像信号そのものの成分をも含んだ信号を除去することができ、従来よりもテレビ放送信号に基づく映像の画質を向上させることができる。
【0030】
また、この妨害波除去装置は、請求項6に記載のように、RF(Radio Frequency )帯域のテレビ放送信号を選局・受信してIF帯域に変換し、該IF帯域のテレビ放送信号を直交検波部へ出力するチューナ部と、妨害波除去部により妨害波映像信号に相当する信号成分が除去されたI信号をRF帯域に変調するRF変調部とを備えているとよい。
【0031】
このように構成された妨害波除去装置によれば、チューナ部によって、RF帯域のテレビ放送信号を選局・受信してIF帯域に変換することができ、RF変調部によって、I信号を再度RF帯域に変調し直すことができる。
また、請求項7に記載の妨害波除去装置は、Q信号生成部、妨害波生成部、IF変調部および妨害波除去部からなり、まず、Q信号生成部が、希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数オフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるIF帯域のテレビ放送信号から、テレビ放送信号における第1搬送波を再生し、この再生した第1搬送波を90度移相して検波することによりQ信号を生成する。続いて、妨害波生成部が、Q信号生成部により生成されたQ信号に基づいて、テレビ放送信号の第2搬送波に重畳された妨害波映像信号に相当する信号成分を生成する。続いて、IF変調部が、妨害波生成部により生成された妨害波映像信号に相当する信号成分をIF帯域に変調する。そして、妨害波除去部が、IF帯域のテレビ放送信号から、IF変調部により変調されたIF帯域の信号成分を除去する。この妨害波除去装置において、妨害波生成部は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の妨害波生成装置により構成されている。
【0032】
このように構成された妨害波除去装置によれば、妨害波生成部によって、請求項1から請求項4のいずれかに記載の妨害波生成装置が生成する信号成分と同様の信号成分を生成することができる。そのため、妨害波除去部により、妨害波生成部により生成された信号成分をテレビ放送信号から除去することによって、テレビ放送信号から、オフセット周波数の信号成分だけでなく、妨害映像信号そのものの成分をも含んだ信号を除去することができ、従来よりもテレビ放送信号に基づく映像の画質を向上させることができる。さらに、請求項5に記載の妨害波除去装置とは異なり、I信号の生成・処理に構成が必要ないため、妨害波除去装置としての構成を単純化できる。
【0033】
また、この妨害波除去装置は、請求項8に記載のように、希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数オフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるRF帯域のテレビ放送信号を選局・受信してIF帯域に変換するチューナ部と、妨害波除去部により妨害映像信号に相当する信号成分が除去されたテレビ放送信号をRF帯域に変調するRF変調部とを備えているとよい。
【0034】
このように構成された妨害波除去装置によれば、チューナ部によって、RF帯域のテレビ放送信号を選局・受信してIF帯域に変換することができ、RF変調部によって、テレビ放送信号を再度RF帯域に変調し直すことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
妨害波除去装置1は、図1に示すように、チューナ部10、直交検波部20、アナログ−デジタル(以降、A/Dとする)変換部32,34、デジタル−アナログ(以降、D/Aとする)変換部36、信号処理部40、RF変調部50および音声遅延調整部60などを備えている。
【0036】
チューナ部10は、RF(Radio Frequency )帯域のテレビ放送信号を選局・受信してIF(Intermediate Frequency)帯域に変換し、この変換したIF帯域のテレビ放送信号を直交検波部20へ出力する。ここで、チューナ部10がIF帯域に変換したテレビ放送信号は、映像信号として、希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数(10.01kHz;以降、オフセット周波数とする)オフセットされた第1,第2搬送波に重畳された信号である。なお、このテレビ放送信号に含まれる音声信号については、チューナ部10によりIF帯域に変換された後、音声遅延調整部60により遅延調整されてからRF変調部50へ出力される。
【0037】
直交検波部20は、チューナ部10から入力されたIF帯域のテレビ放送信号に基づき第1搬送波を再生するキャリア再生部22、キャリア再生部22により再生された第1搬送波でテレビ放送信号を検波することにより第1搬送波の同相成分であるI(In phase)信号を生成する第1検波部24、キャリア再生部22により再生された第1搬送波の位相を90度(π/2rad)移相させる移相部26、移相部26で移相された第1搬送波でテレビ放送信号を検波することにより第1搬送波の直交成分であるQ(Quadrature phase)信号を生成する第2検波部28などからなる。この直交検波部20は、I信号をA/D変換部32を介して信号処理部40へ出力し、Q信号をA/D変換部34を介して信号処理部40へ出力する。なお、直交検波部20により生成されるI信号は、希望波映像信号の成分、妨害波映像信号の成分、および、オフセット周波数の成分からなる信号成分であって、Q信号は、妨害波映像信号の成分、および、第2搬送波が第1搬送波に対してオフセットされている周波数の成分からなる信号成分である。
【0038】
信号処理部40は、図2に示すように、直交検波部20からA/D変換部34を介して入力したQ信号に基づきテレビ放送信号の第2搬送波に重畳された妨害波映像信号に相当する信号成分を生成する妨害波生成部42、直交検波部20からA/D変換部32を介して入力したI信号の遅延調整を行うI信号遅延調整部44、I信号遅延調整部44で遅延調整されたI信号から妨害波生成部42で生成した信号成分を減算して除去する妨害波除去部46などからなる集積回路である。また、この信号処理部40は、妨害波除去部46により妨害波映像信号に相当する信号成分を除去したI信号を、D/A変換部36を介してRF変調部50へ出力する。なお、D/A変換部36から出力される信号はベースバンド帯域の信号となる。
【0039】
RF変調部50は、D/A変換部36を介して入力したIF帯域の信号、および、チューナ部10から音声遅延調整部60を介して入力したIF帯域の音声信号を混合した後、RF帯域に変調して端末装置(例えば、テレビなど)へ出力する。
【0040】
以下に、上述した信号処理部40における妨害波生成部42の各構成を図2に基づいて説明する。この妨害波生成部42は、発振部100、第1乗算部110、第1フィルタ部112、第2フィルタ部114、第1加算部116、第2乗算部118、余弦遅延調整部120、第3乗算部210、第3フィルタ部212、第4フィルタ部214、第2加算部216、第4乗算部218、正弦遅延調整部220、レベル変更部310、差成分生成部320などで構成される。なお、この妨害波生成部42は、本発明における妨害波生成装置に相当するものである。
【0041】
これらのうち、発振部100は、オフセット周波数(10.01kHz)の正弦波信号、および、この正弦波信号に対して90度移相した余弦波信号を出力する。
また、第1乗算部110は、A/D変換部34を介して直交検波部20から入力されたQ信号、および、発振部100から出力される正弦波信号を入力して、両信号を乗算した信号を出力する。なお、この第1乗算部110から出力される信号は、Q信号の周波数帯域が発振部100の発振周波数分だけシフトされた信号であって、発振部100から出力される各信号はQ信号と同期していないことから、Q信号に対して位相がズレた信号となっている。
【0042】
また、第1フィルタ部112は、水平同期周波数および水平同期周波数の高調波(以降、水平周波数とする)の成分を選択的に通過させて出力する特性の櫛型フィルタである(図3(a)参照;縦軸−ゲイン、横軸−周波数)。この第1フィルタ部112は、第1乗算部110から信号を入力して、この信号のうち水平周波数に相当する成分(水平周波数に発振部100の発信周波数を加えた周波数の成分)、および、オフセット周波数の成分の通過を阻止して、この阻止した成分以外の成分を通過させる。こうして、第1フィルタ部112から出力される信号は、Q信号から、水平周波数に相当する成分およびオフセット周波数の成分を除去した残りの信号成分である。このような信号成分は、妨害波映像信号から水平周波数の成分およびオフセット周波数の成分が除去された残りの成分について、周波数帯域を発振部100の発信周波数分だけシフトした信号成分を示している。
【0043】
また、第2フィルタ部114は、通過可能な周波数が第1フィルタ部112を通過可能な周波数よりも水平周波数の1/2だけズレており、また、ゲインが第1フィルタ部112よりも低く設定(第1フィルタ部112「1」に対して「0.5」)された櫛型フィルタである(図3(b)参照;縦軸−ゲイン、横軸−周波数)。この第2フィルタ部114は、第1乗算部110から信号を入力して、この信号のうち、水平周波数に発振部100の発信周波数および水平同期周波数の1/2を加えた周波数付近の成分、具体的には、水平周波数に相当する成分の一部を通過させる。こうして、第2フィルタ部114から出力される信号は、Q信号のうちの水平周波数に相当する信号成分の一部である。このような信号成分は、妨害波映像信号における水平周波数の信号成分の一部について、周波数帯域を発振部100の発信周波数分だけシフトした信号成分を示している。
【0044】
また、第1加算部116は、第1フィルタ部112から出力される信号、および、第2フィルタ部114から出力される信号を入力して、両信号を加算した信号を出力する。
また、第2乗算部118は、第1加算部116から出力される信号、および、この信号に発振部100から出力される余弦波信号を同期させた信号(余弦遅延調整部120によって、発振部100から出力される余弦波信号を第1加算部116から出力される信号に同期させた信号)を入力して、両信号を乗算した信号を出力する。こうして、第2乗算部118から出力される信号は、第1加算部116から出力された信号の周波数帯域がオフセット周波数分だけシフトし直された信号である。
【0045】
また、第3乗算部210は、A/D変換部34を介して直交検波部20から入力されたQ信号、および、発振部100から出力される余弦波信号を入力して、両信号を乗算した信号を出力する。なお、この第3乗算部210から出力される信号は、第1乗算部110から出力される信号と同様に、Q信号の周波数帯域がオフセット周波数分だけシフトされた信号であって、Q信号に対して位相がズレた信号となっている。
【0046】
また、第3フィルタ部212は、上述の第1フィルタ部112と同じ特性の櫛型フィルタである(図3(a)参照)。この第3フィルタ部212から出力される信号は、第1フィルタ部112と同様に、Q信号から、水平周波数に相当する成分およびオフセット周波数の成分を除去した残りの信号成分である。
【0047】
また、第4フィルタ部214は、上述の第2フィルタ部114と同じ特性の櫛型フィルタである(図3(b)参照)。この第4フィルタ部214から出力される信号は、第2フィルタ部114と同様に、Q信号のうちの水平周波数に相当する信号成分の一部である。
【0048】
また、第2加算部216は、第3フィルタ部212から出力される信号、および、第4フィルタ部214から出力される信号を入力して、両信号を加算した信号を出力する。
また、第4乗算部218は、第2加算部216から出力される信号、および、この信号に発振部100から出力される正弦波信号を同期させた信号(正弦遅延調整部220によって、発振部100から出力される正弦波信号を第2加算部216から出力される信号に同期させた信号)を入力して、両信号を乗算した信号を出力する。こうして、第4乗算部218から出力される信号は、第2加算部216から出力された信号の周波数帯域がオフセット周波数分だけシフトし直された信号である。
【0049】
また、レベル変更部310は、各フィルタ部から出力される信号の信号レベルに基づいて演算を行う演算部312、第2フィルタ部114から第1加算部116へ至る経路を開閉する第1スイッチ部314、第4フィルタ部214から第2加算部216へ至る経路を開閉する第2スイッチ部316、第1,第2スイッチ部314,316を動作させる動作指令部318などからなる。このレベル変更部310は、演算部312による演算結果に応じて、動作指令部318により第1,第2スイッチ部314,316をON側またはOFF側に切り替える。ここで、演算部312は、第1フィルタ部112の出力X1、第2フィルタ部114の出力X2、第3フィルタ部212の出力Y1、第4フィルタ部214の出力Y2として、「k=(X22+Y22)/(X12+Y12)」で示される演算式により演算値kを演算する。そして、動作指令部318は、演算部312の演算結果で演算値kがしきい値「0.15」以上であれば、第1,第2スイッチ部314,316をON側に切り替えて各経路を閉じる。一方、演算値kが「0.15」より小さければ、第1,第2スイッチ部314,316をOFF側に切り替えて各経路を開く。なお、このレベル変更部310は、本発明における第1,第2レベル変更手段であって、各フィルタ部から出力される信号の信号レベルそれぞれの比に基づいて決まる値がしきい値「0.15」となった状態のときに、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルを示す値が、本発明において第2,第4フィルタ部から第1,第2加算部へ出力される信号の信号レベルを変更する際の「しきい値」である。
【0050】
そして、差成分生成部320は、第2乗算部118から出力される信号、および、第4乗算部218から出力される信号を入力して、両信号の差を示す成分の信号を妨害波映像信号に相当する信号成分として出力する。ここでは、第2乗算部118の出力信号から、第4乗算部218の出力信号を減算することによって、両信号の差を示す信号成分を生成する。こうして、差成分生成部320により出力(生成)される信号は、オフセット周波数の成分、および、妨害波映像信号における水平周波数の成分のうちの一部が含まれた信号である。また、この信号は、第2,第4乗算部118,218から出力される信号それぞれの差をとることによって、各信号のQ信号に対する位相のズレが打ち消された信号となっている。
【0051】
このような構成の妨害波生成部42へI信号およびQ信号が入力される毎にレベル変更部310が実行する処理手順を図4に基づいて説明する。
まず、各フィルタ部からの出力に基づいて演算を行う(s110)。ここでは、上述した演算式(k=(X22+Y22)/(X12+Y12))により演算部312が演算値kを演算する。
【0052】
次に、s110の処理で演算された演算値kが「0.15」以上(0.15≦k)であれば(s120:YES)、第1,第2スイッチ部314,316をON側に切り替えることによって、第2フィルタ部114から第1加算部116へ至る経路、および、第4フィルタ部214から第2加算部216へ至る経路を閉じる(s130)。これによって、第1加算部116からは、第1,第2フィルタ部112,114それぞれから出力された信号が加算された成分が出力され、第2加算部216からは、第3,第4フィルタ部212,214それぞれから出力された信号が加算された成分が出力されるようになる。
【0053】
一方、s110の処理で演算された演算値kが「0.15」より小さい(k<0.15)であれば(s120:NO)、第1,第2スイッチ部314,316をOFF側に切り替えることによって、第2フィルタ部114から第1加算部116へ至る経路、および、第4フィルタ部214から第2加算部216へ至る経路を開く(s140)。これによって、第1加算部116からは、第1フィルタ部112から出力された信号が加算された成分のみが出力され、第2加算部216からは、第3フィルタ部212から出力された信号が加算された成分のみが出力されるようになる。
【0054】
[効果]
このように構成された妨害波除去装置1によれば、信号処理部40の妨害波生成部42によって、オフセット周波数(第1,第2搬送波のオフセットされた周波数)の成分、および、妨害波映像信号における成分の一部が含まれた信号を、妨害波映像信号に相当する信号成分(つまり、テレビ放送信号(I信号)から除去すべき信号成分)として生成することができる。そして、こうして妨害波生成部42により生成された信号成分を、妨害波除去部46によりI信号から除去することによって、オフセット周波数の信号成分だけでなく、妨害映像信号そのものの成分をも含んだ信号をI信号から除去することができる。そのため、従来よりもテレビ放送信号に基づく映像の画質を向上させることができる。
【0055】
また、妨害波生成部42の各フィルタのうち、第2,第4フィルタ部114,214は、第1フィルタ部112よりも水平同期周波数の1/2だけズレ周波数を選択的に通過させるため、妨害波生成部42により生成される信号成分には、妨害波映像信号における水平周波数の成分のうちの一部が含まれることになる。そして、こうして妨害波生成部42により生成された信号成分を妨害波除去部46によりI信号から除去することによって、妨害波映像信号における水平周波数の成分をI信号から除去することができる。例えば、妨害波映像信号に基づく映像に、縦方向に同一色で形成された領域(例えば、字幕など)が含まれている場合、この領域が、妨害波映像信号の信号レベルに応じた縦方向の妨害映像となって、希望波映像信号に基づく映像に重なってしまうことがある。テレビ放送における映像は、水平同期周波数の周期で走査することで形成されることから、妨害波映像信号における水平周波数の成分を除去できることは、上述した妨害映像を除去して、テレビ放送信号に基づく映像の画質をより一層向上させるために好適である。
【0056】
また、妨害波生成部42のレベル変更部310によって、第2,第4フィルタ部114,214から出力される信号を第1,第2加算部116,216へそれぞれ入力させるか否かを演算値kに応じて変更することができる。具体的には、演算値kがしきい値(0.15)より小さい場合は、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216へそれぞれ出力される信号の信号レベル(本発明における第1,第3レベル)を「0」とすることができる。一方、演算値kがしきい値以上の場合には、第2,第4フィルタ部114,214から出力される信号の信号レベルを、そのまま第2、第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,118へそれぞれ出力される信号の信号レベル(本発明における第2,第3レベル)とすることができる。上述したように、妨害波映像信号における水平周波数の成分は、信号レベルに応じた縦方向の妨害映像となるため、第2,第4フィルタ部114,214から出力される信号の信号レベルが小さいほど、希望波映像信号に重なる妨害映像の視覚的な影響が小さくなる。そのため、視覚的に影響がなくなる信号レベルとなったときの演算値kを上述のしきい値に設定しておけば、妨害映像の視覚的な影響があると想定される場合のみ、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216へ信号が入力されるようにすることができる。
【0057】
このように構成された妨害波除去装置によれば、第2,第4フィルタ部114,214から出力される信号の信号レベルは、第1,第3フィルタ部112,212から出力される信号の信号レベルよりも大きく減衰されるため、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216へ入力される信号の信号レベルが大きくなりにくい。よって、妨害波映像信号に相当する信号成分として生成される信号に含まれる水平周波数成分が、本来妨害波映像信号に含まれている水平周波数成分よりも多くなるといったことも起こりにくい。上述の妨害波生成部42においては、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216へ入力される信号の信号レベルが大きい場合、妨害波生成部42が生成する信号成分に含まれる水平周波数の成分が、本来妨害波映像信号に含まれている水平周波数の成分よりも大きな信号レベルになってしまう場合がある。このような場合には、妨害波生成部42により生成した信号成分を妨害波除去部46によりI信号から除去すると、希望波映像信号に含まれる成分の一部をも除去してしまう恐れがある。そのため、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216へ入力される信号の信号レベルが大きくなりにくくなっていることは、テレビ放送信号に基づく映像の画質を向上させるためには好適である。
【0058】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態においては、妨害波除去部46がI信号から差成分生成部320の出力信号を減算することによって、妨害波映像信号に相当する信号成分を除去するように構成されたものを例示した。しかし、妨害波除去部46は、差成分生成部320からの出力によっては、I信号に差成分生成部320の出力信号を加算することによって、妨害波映像信号に相当する信号成分を除去するように構成してもよい。ここで、「差成分生成部320からの出力によって」とは、例えば、差成分生成部320が、妨害波映像信号に対して180度移相した信号成分を出力するように構成されている場合などである。
【0059】
また、上記実施形態においては、妨害波生成部42のレベル変更部310が、「k=(X22+Y22)/(X12+Y12)」で示される演算式により演算値kを演算するように構成されたものを例示した。しかし、演算値kを演算するための演算式は、特に限定されない。例えば、「k=(|X2|+|Y2|)/(|X1|+|Y1|)」で示される演算式を採用してもよい。
【0060】
また、上記実施形態において、妨害波生成部42のレベル変更部310が第1,第2スイッチ部314,316をON側またはOFF側に切り替えるためのしきい値は、任意に変更可能に構成するとよい。
また、上記実施形態においては、妨害波生成部42のレベル変更部310が、各フィルタ部から出力される信号の信号レベルに基づいて、第1,第2スイッチ部314,316をON側またはOFF側に切り替えるように構成されたものを例示した。しかし、レベル変更部310は、第1,第2フィルタ部112,114、または、第3,第4フィルタ部212,214それぞれから出力される信号の信号レベルのみに基づいて、第1,第2スイッチ部314,316をON側またはOFF側に切り替えるように構成してもよい。この場合、第1,第2フィルタ部112,114それぞれの出力の比(X2/X1)を示す値、または、第3,第4フィルタ部212,214それぞれの出力の比(Y2/Y1)を示す値が、特定の値以上であれば各経路を閉じて、特定の値より小さければ各経路を開くようにすればよい。
【0061】
また、上記実施形態においては、レベル変更部310が、第1,第2スイッチ部314,316をON側またはOFF側に切り替えることによって、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216へ入力される信号の信号レベルを変更するように構成されたものを例示した。しかし、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216へ入力される信号の信号レベルを変更するためには、例えば、図5に示した妨害波生成部58のように、第2,第4フィルタ部114,214を外部からの指令でゲインを変更可能に構成すると共に、第1,第2スイッチ部314,316の替わりに、第2,第4フィルタ部114,214に対してゲインの変更を指令する変更指令部412が設けられたレベル変更部410を備えるとよい。そして、演算値kがしきい値より小さい場合は、第2,第4フィルタ部114,214それぞれのゲインを「0」(つまり、信号が通過する際の減衰度を最大)に変更させることによって、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216それぞれへ入力される信号の信号レベルを「0」に変更する。一方、演算値kがしきい値以上の場合には、第2,第4フィルタ部114,214それぞれのゲインを「1」(つまり、信号が通過する際の減衰度を最小)に変更させることによって、第2,第4フィルタ部114,214から第1,第2加算部116,216それぞれへ入力される信号の信号レベルを、第2,第4フィルタ部114,214から出力された信号の信号レベルそのものに変更する。
【0062】
このように構成すれば、レベル変更部410によって、第2,第4フィルタ部114,214から出力される信号レベルに応じて、第2,第4フィルタ部114,214のゲイン(減衰度)を変更することで第1,第2加算部116,214へ入力される信号の信号レベルを変更することができる。
【0063】
また、上記実施形態においては、テレビ放送信号における希望波映像信号および妨害波映像信号が、全て信号処理部40によりデジタル信号として処理されるように構成されたものを例示した。しかし、希望波映像信号および妨害波映像信号は、一部信号成分がアナログ信号として処理されるように構成してもよい。具体的な構成としては、例えば、図6に示す妨害波除去装置2のように、チューナ部10、Q信号生成部70、A/D変換部34、妨害波生成部42、D/A変換部36、AM変調部80、映像遅延調整部82、妨害波除去部84、音声遅延調整部60、第1周波数変換部86、加算部88、第2周波数変換部90などにより構成する。なお、上記実施形態と同一の添え字となっている構成は、実施形態と同一の構成であるため詳細な説明は省略する。
【0064】
この構成の妨害波除去装置2において、妨害波生成部42は、上述の妨害波除去装置1の信号処理部40を構成する妨害波生成部42のみで構成される集積回路である。また、AM変調部80は、妨害波生成部42により生成された妨害波映像信号に相当する信号成分を、Q信号生成部70のキャリア再生部72により再生された第1搬送波に基づいてAM変調する。また、妨害波除去部84は、上述の妨害波除去装置1の信号処理部40を構成する妨害波除去部46と同様に、映像遅延調整部82により遅延されたIF帯域のテレビ放送信号からAM変調部80により変調された信号成分を減算して除去する。また、第1周波数変換部86は、音声遅延調整部60により遅延された音声信号を、テレビ放送信号と重ならないように周波数変換する。また、加算部88は、妨害波除去部84により妨害波映像信号に相当する信号成分が除去されたテレビ放送信号と、第1周波数変換部86から入力した音声信号とを加算する。また、第2周波数変換部90は、加算部88から入力した信号成分の周波数帯域を所定のチャネルにおける周波数帯域に変換する。また、Q信号生成部70は、チューナ部10から入力されたIF帯域のテレビ放送信号に基づき第1搬送波を再生するキャリア再生部72、キャリア再生部72により再生された第1搬送波の位相を90度(π/2rad)移相させる移相部76、移相部76で移相された第1搬送波でテレビ放送信号を検波することにより第1搬送波の直交成分であるQ信号を生成する検波部78などからなる。
【0065】
このように構成しても妨害波除去装置1と同様の作用・効果を得ることができる。さらに、I信号の生成・処理に拘わる構成が必要ないため、妨害波除去装置としての構成(特に、集積回路)を単純化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における妨害波除去装置の制御系統を示すブロック図
【図2】信号処理部の制御系統を示すブロック図
【図3】第1,第3フィルタ部(a)および第2,第4フィルタ部(b)の特性を示すグラフ
【図4】妨害波生成部のレベル変換部により実行される処理手順を示すフローチャート
【図5】別の実施形態における妨害波生成部の制御系統を示すブロック図
【図6】別の実施形態における妨害波除去装置の制御系統を示すブロック図
【符号の説明】
1・・・妨害波除去装置、10・・・チューナ部、20・・・直交検波部、22・・・キャリア再生部、24・・・第1検波部、26・・・移相部、28・・・第2検波部、32,34・・・A/D変換部、36・・・D/A変換部、40・・・信号処理部、42・・・妨害波生成部、44・・・I信号遅延調整部、46・・・妨害波除去部、50・・・RF変調部、58・・・妨害波生成部、60・・・音声遅延調整部、70・・・Q信号生成部、72・・・キャリア再生部、76・・・移相部、78・・・検波部、80・・・IF変調部、82・・・妨害波除去部、84・・・映像遅延調整部、100・・・発振部、110・・・第1乗算部、112・・・第1フィルタ部、114・・・第2フィルタ部、116・・・第1加算部、118・・・第2乗算部、120・・・余弦遅延調整部、210・・・第3乗算部、212・・・第3フィルタ部、214・・・第4フィルタ部、216・・・第2加算部、218・・・第4乗算部、220・・・正弦遅延調整部、310・・・レベル変更部、312・・・演算部、314・・・第1スイッチ部、316・・・第2スイッチ部、318・・・動作指令部、320・・・差成分生成部、410・・・レベル変更部、412・・・変更指令部。
Claims (8)
- 希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数オフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるテレビ放送信号から前記第1搬送波を再生し、該再生した第1搬送波を90度移相して検波することにより生成されるQ信号に基づいて、前記第2搬送波に重畳された妨害波映像信号に相当する信号成分を生成する妨害波生成装置であって、
前記第2搬送波が前記第1搬送波に対してオフセットされている周波数と同一周波数の正弦波信号、および、該正弦波信号に対して90度移相した余弦波信号を出力する発振部と、
前記Q信号および前記発振部から出力される正弦波信号を入力し、両信号を乗算した信号を出力する第1乗算部と、
該第1乗算部から出力される信号を入力し、該信号のうちの水平同期周波数および水平同期周波数の高調波に相当する成分の通過を阻止し、該成分以外の成分を選択的に通過させて出力する第1フィルタ部と、
前記第1乗算部から出力される信号を入力し、該信号のうちの前記第1フィルタ部を通過しない特定の周波数成分を選択的に通過させて出力する第2フィルタ部と、
前記第1フィルタ部から出力される信号、および、前記第2フィルタ部から出力される信号を入力し、両信号を加算した信号を出力する第1加算部と、
前記第2フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合は、前記第2フィルタ部から前記第1加算部へ出力される信号の信号レベルを所定の第1レベルとする一方、所定のしきい値より大きい場合には、前記第2フィルタ部から前記第1加算部へ出力される信号の信号レベルを、前記第1レベルよりも高い第2レベルとする第1レベル変更手段と、
前記第1加算部から出力される信号、および、該信号に前記発振部から出力される余弦波信号を同期させた信号を入力し、両信号を乗算した信号を出力する第2乗算部と、
前記Q信号および前記発振部から出力される余弦波信号を入力し、両信号を乗算した信号を出力する第3乗算部と、
該第3乗算部から出力される信号を入力し、該信号のうちの水平同期周波数および水平同期周波数の高調波に相当する成分の通過を阻止し、該成分以外の成分を選択的に通過させて出力する第3フィルタ部と、
前記第3乗算部から出力される信号を入力し、該信号のうちの前記第3フィルタ部を通過しない特定の周波数成分を選択的に通過させて出力する第4フィルタ部と、
前記第3フィルタ部から出力される信号、および、前記第4フィルタ部から出力される信号を入力し、両信号を加算した信号を出力する第2加算部と、
前記第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合は、前記第4フィルタ部から前記第2加算部へ出力される信号の信号レベルを所定の第3レベルとする一方、所定のしきい値より大きい場合には、前記第4フィルタ部から前記第2加算部へ出力される信号の信号レベルを、前記第3レベルよりも高い第4レベルとする第2レベル変更手段と、
前記第2加算部から出力される信号、および、該信号に前記発振部から出力される正弦波信号を同期させた信号を入力し、両信号を乗算した信号を出力する第4乗算部と、
前記第2乗算部から出力される信号、および、前記第4乗算部から出力される信号を入力し、両信号の差を示す成分の信号を前記妨害波映像信号に相当する信号成分として出力する差成分生成部と、を備えている
ことを特徴とする妨害波生成装置。 - 前記第2,第4フィルタ部それぞれを特定の周波数成分が通過する際の減衰度は、前記第1,第3フィルタ部の減衰度よりも高く設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の妨害波生成装置。 - 前記第1,第2レベル変更部それぞれは、
前記第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合、前記第2,第4フィルタ部から前記第1,第2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベルを「0」とする一方、
所定のしきい値より大きい場合、第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルを、そのまま前記第2、第4フィルタ部から前記第1,第2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベルとする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の妨害波生成装置。 - 前記第1,第2レベル変更部それぞれは、
前記第2,第4フィルタ部から出力される信号の信号レベルが所定のしきい値以下である場合、前記第2,第4フィルタ部それぞれを特定の周波数成分が通過する際の減衰度を、所定の第1減衰度に変更することによって、前記第2,第4フィルタ部から前記第1、第2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベルを前記第1,第3レベルとする一方、
所定のしきい値より大きければ、前記第2,第4フィルタ部それぞれを特定の周波数成分が通過する際の減衰度を、前記第1減衰度よりも低い第2減衰度に変更することによって、前記第2,第4フィルタ部から前記第1,2加算部へそれぞれ出力される信号の信号レベルを前記第2,第4レベルとする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の妨害波生成装置。 - 希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数オフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるIF帯域のテレビ放送信号を直交検波することによって、該テレビ放送信号における前記第1搬送波の同相成分であるI信号および直交成分であるQ信号を生成する直交検波部と、
該直交検波部により生成された前記Q信号に基づいて、前記テレビ放送信号の前記第2搬送波に重畳された妨害波映像信号に相当する信号成分を生成する妨害波生成部と、
前記直交検波部により生成されたI信号から、前記妨害波生成部により生成された信号成分を除去する妨害波除去部と、からなる妨害波除去装置であって、
前記妨害波生成部は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の妨害波生成装置により構成されている
ことを特徴とする妨害波除去装置。 - RF帯域のテレビ放送信号を選局・受信してIF帯域に変換し、該IF帯域のテレビ放送信号を前記直交検波部へ出力するチューナ部と、
前記妨害波除去部により信号成分が除去された前記I信号をRF帯域に変調するRF変調部と、を備えている
ことを特徴とする請求項5に記載の妨害波除去装置。 - 希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数オフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるIF帯域のテレビ放送信号から、該テレビ放送信号における前記第1搬送波を再生し、該再生した第1搬送波を90度移相して検波することによりQ信号を生成するQ信号生成部と、
該Q信号生成部により生成されたQ信号に基づいて、前記テレビ放送信号の前記第2搬送波に重畳された妨害波映像信号に相当する信号成分を生成する妨害波生成部と、
該妨害波生成部により生成された信号成分をIF帯域に変調するIF変調部と、
前記IF帯域のテレビ放送信号から、前記IF変調部により変調されたIF帯域の信号成分を除去する妨害波除去部と、からなる妨害波除去装置であって、
前記妨害波生成部は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の妨害波生成装置により構成されている
ことを特徴とする妨害波除去装置。 - 希望波映像信号および妨害波映像信号それぞれが所定の周波数オフセットされた第1,第2搬送波に重畳されてなるRF帯域のテレビ放送信号を選局・受信してIF帯域に変換するチューナ部と、
前記妨害波除去部により信号成分が除去された前記テレビ放送信号をRF帯域に変調するRF変調部と、を備えている
ことを特徴とする請求項7に記載の妨害波除去装置。
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