JP3703482B2 - 固定ベーン回転圧縮機 - Google Patents
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Description
本発明は、固定ベーンを有する回転圧縮機に関し、詳細には、シリンダ内でピストンが円形並進運動を行う、この種の圧縮機のピストンベーンアセンブリ用の新規構成に関する。
発明の背景
固定ベーンを有する回転密封圧縮機では、バネなどの駆動手段の作用によってローリング・ピストンの外部表面にベーンの頂部が押し付けられたときに頂部がローリング・ピストンの変位に従うので、シリンダ内部で、ローリング・ピストンとシリンダの間とローリング・ピストンと固定ベーンの間の接触線に従って、高圧チャンバまたは吐出チャンバと低圧チャンバまたは吸込みチャンバとが分離する。
やはり、圧縮機ケース内部(システムの高吐出圧力に維持される)とシリンダ内部との高い圧力差は大部分の圧縮サイクル中、より低い圧力に維持されているが、この圧力差により固定ベーンは、ローリング・ピストンの外部表面に押し付けられる。この力の作用と、ベーン頂部の形状のために、ローリング・ピストンと固定ベーンとの間の潤滑が制限され、すなわち、流体くさびの形成と部品間の金属接触の間の中間相がもたらされる。その結果、そのような潤滑が不十分なものになり、部品間に金属接触が発生し、そのため、固定ベーンの頂部とローリング・ピストンの外部接触表面とが磨耗し、その結果、ピストンの直径が変化し、ピストンの有効寿命が短くなり、したがって、圧縮機の信頼性が低下する。
そのような接触によって、減衰させるのが困難な摩擦雑音が発生するだけでなく、圧縮機のエネルギ損失が増大し、したがって、圧縮機の効率が低下する。
さらに、ローリング・ピストンと固定ベーンとの間の接触形状のために、圧縮機の圧縮チャンバと吸込みチャンバとの間で漏れが発生し、前記圧縮機の容積が減少する。
ローリング・ピストンと固定ベーンとの間の磨耗の問題を最小限に抑える周知の解決策は、固定ベーンの製造により耐磨耗性の高い材料を使用するものである。耐久性が高いだけでなく、比重が低く、かつ摩擦係数が小さいという利点を有する複合材料を使用することもできる。それにもかかわらず、特殊な材料を使用して接触部品を構築する解決策、たとえば、ローリング・ピストンに接触するように設計され、より耐磨耗性の高い材料でできているインサートが固定ベーンの自由端に設けられたブラジル特許出願PI9102901号に記載された解決策では、材料の費用が高価であるために圧縮機の費用が増大する。
このような解決策では、ベーンおよびローリング・ピストン間の磨耗の問題は軽減されるが、圧縮機の雑音およびエネルギー損失の問題が最小限に抑えられることはない。
発明の開示
したがって、本発明の一般的な目的は、圧縮機のエネルギー効率を失うことなく、回転圧縮機のベーンの頂部とピストンの外部表面の間の金属接触および磨耗を低減させることである。
本発明の他の目的は、圧縮機の通常の動作条件を修正せずに、相互に相対運動する接触部品を構築するために特殊な材料を使用する必要のない、前記で引用した問題に対する解決策を提示することである。
また、本発明の具体的な目的は、前記ベーンの接触表面とピストンの接触表面との間に永久密封油膜が形成されるようにし、それによって、摩擦雑音を低減させるだけでなく、圧縮機の圧縮チャンバと吸込みチャンバとの間の漏れを最小限に抑えるベーンピストン・アセンブリを提供することである。
本発明で使用する回転圧縮機は、偏心軸によって駆動され、シリンダの内部表面に沿って円形並進運動を行うピストンを含むタイプのものであり、固定ベーンを収容する半径方向スロットを有し、固定ベーンの開放端が、ピストンの横面と常に接触する湾曲表面を有し、ピストンの横面の周辺拡張部の少なくとも一部が、ベーンの接触端面の曲率に実質的に等しく、かつ曲率と同心の曲率を有する輪郭を有し、ピストンが、その並進運動時に、シリンダの半径方向スロットを含む直径方向平面の両側部に対して、およびベーンの接触端面の周りで揺動するとき、ピストンがその軸の周りで回転運動しないようにピストンおよび固定ベーンに作用し、曲率を有するピストンの横面の周辺拡張部のある接触部分だけが固定ベーンの接触端面との接触を維持するようにする係合手段が設けられる。
この新規解決策を用いた場合、固定ベーンの接触表面とピストンの接触表面との間に永久油膜が与えられるために、固定ベーンとピストンの外部表面との断続的な金属接触がかなり低減され圧縮機の動作時に接触によって発生する磨耗および雑音が最小限に抑えられ、その結果、圧縮機の効率および信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で使用されるタイプの固定ベーンを組み込んだ回転密封圧縮機の部分縦断面図である。
第2図は、第1図の線II−IIに従ってとった、従来技術によるピストンベーンアセンブリを示す部分断面図である。
第3図は、第2図の部分断面図に類似しているが、本発明によって構築されピストンと共に動作する固定ベーンを示す部分断面図である。
第4図は、本発明の実施例による、固定ベーンとピストンとの間の接触領域の拡大図である。
第5図は、本発明の他の実施例を示す第4図に類似の図である。
第6図は、本発明の他の実施例を示す第4図に類似の図である。
発明の実施の最良の形態
前記で引用した図によれば、回転密封圧縮機は、円筒形ケース1を備え、円筒形ケース内部にシリンダ10がしっかりと固定され、かつ円筒形ケース内部で、シリンダ10は、偏心軸2によって駆動され、主軸受3および二次軸受4によって支持されるピストン20を収容する。
偏心軸2は、電動機のロータ5によって駆動され、電動機のスタータ6は、ケース1の内壁に取り付けられる。
シリンダ10は、半径方向スロット11を備え、このスロット内に固定ベーン30が収容される。固定ベーンは、半径方向摺動スロット11内部で往復運動する間、バネ40によって、ピストン20の横面21上のベーン自由端31の永久接触位置に常にバイアスされる。
ケース1の下部は、相互に相対運動する圧縮機の機械構成要素の潤滑に必要な潤滑油の油だめ7として働く。第2図に示したように、固定ベーン30は、シリンダ10内部と、ピストン20の周囲と、主軸受3の内面と二次軸受4の内面の間に、二次軸受4に設けられたオリフィスを通してケースの内部と連通する吐出スロット51を有する圧縮チャンバ50と、二次軸受4を通過し吸込みコネクタ62が接続された(第1図)吸込みオリフィス61を有する吸込みチャンバ60を画定する。
従来技術によれば、圧縮機の動作時に、ピストン20は、シリンダ10の内面に沿って並進・回転運動を行う。この運動は、シリンダの中心の周りで行われる並進とシリンダ自体の軸の周りでの回転の結果として生じるものとして説明することができ、ピストン20の回転速度(WR)は、速度Wで回転する偏心軸2によってもたらされる抗力と、ベーン、シリンダ、ピストン20の横壁との接触によってもたらされる拘束によって決定される。ピストン20が回転運動する結果、ピストンとベーン自由端31が摩擦接触し、摩擦のための磨耗とパワー損失が発生する。磨耗は、ピストン20とベーン自由端31の間の相対速度(Vt)のために生じる。摩擦接触は、接触表面の形状と、ピストン20と固定ベーン30との間の相対運動の結果である、接触表面間の接線方向接触のために、表面間に油膜を維持するのが困難であるために生じる。
本発明によれば、ベーン自由端31の湾曲接触表面とピストン20の横面21の間の接触面積を増加させ、前述のようなピストンとベーンの間の相対運動をほぼ無くする係合手段をピストン20と固定ベーン30との間に設けることによってベーン自由端31での磨耗を低減させることができる。係合手段によって、ピストン20と固定ベーン30との間の相対周方向ロックがもたらされ、そのため、ピストン20がその軸の周りで回転することが防止されるが、ピストンとベーンとの間の相対運動が可能になり、その結果、ピストン20が、シリンダ10の内面に沿って並進変位する。
この解決策では、ピストン20は、偏心軸2の回転によってもたらされる従来技術のピストンの軸の周りでの回転運動は行わず、偏心軸2の回転によってもたらされ前記で引用した並進運動を生じさせる揺動運動を、シリンダ10内で固定ベーン30との係合点の周りで行う。揺動運動は、シリンダ10の軸に対して横向きに、半径方向スロット21と固定ベーン30の両方に共通の直径方向平面の一方の側から他方の側へ行われる。この揺動時に、ピストン20がシリンダ10中のベーンスロットに近い位置にあるとき、ピストンの運動は主としてころがり変位である。逆の部分での運動は滑り変位である。
第3図および第4図に示したような本発明を実施する方法では、ピストンベーン係合手段は、ピストン20の軸方向拡張部に沿って設けられ、輪郭の曲率が保持凹部22自体の曲率にほぼ等しくかつこの曲率と同心であるベーン自由端31の少なくとも一部がはめ込まれる保持凹部22として規定される。この構成では、保持凹部22は、固定ベーン30の幅全体を覆うために、曲率がベーン自由端31の接触端面の凸形状に類似している凹形状を有し、最低でも、ベーン自由端31の対応する周方向拡張部に等しい周方向拡張部を有する。
図示していないが、ピストン20の運動時に保持凹部22とベーン自由端31との接触領域に油膜を維持できるように、ベーン自由端31との接触部分が、ベーン自由端31の形状と同じ形状を有する限り、保持凹部22は、任意の多角形断面を有することができる。保持凹部22の周方向拡張部は、その断面とは独立に、ベーン自由端31の周方向拡張部よりも大型のものとし、それによって、ピストン20が並進運動する際に揺動運動に作用できるようにし、運動時にピストン20と固定ベーン30との間のアセンブリが外れないようにすべきである。
他の可能な実施例のベーン自由端31は、より複雑な構成を有するが、ピストン20の横面21に組み込まれ、あるいは取り付けられたピストン20の対応する突起部を受容する凹状保持凹部を、自由端自体の長さの一部に備えることができる。この構成は、ピストン20の軸方向長さに沿って非接線方向の連続接触領域を維持するように設計される。
第3図および第4図に示した実施例では、半径方向スロット11の直径方向平面の両側に対してピストン20が揺動運動できるように、保持凹部22は、ベーン自由端31の周方向拡張部よりも大きな周方向拡張部を有し、そのため、凹部22および固定ベーン30によって規定される両表面の相互接触部分に関して横方向ギャップが生成され、固定ベーン30とピストン20とが外れることがなくなる。第5図に示した本発明の他の実施例では、ベーン自由端部は、ブラジル特許出願PI9102901号に記載されたようなインサート70を備える。インサート70は、この構成では、ピストン20の横面21に接触し後述のロッキング手段80によってこの位置にロックされた凹面71を有し、さらに、凹状対向面72を有する。凹状対向面72の表面は、ベーン自由端31に設けられ固定ベーン30の幅および厚さ全体を占有する保持凹部32の凹状接触端面の曲率に等しい曲率を有する。インサート70とベーン自由端31の相互接触表面間に油膜が維持され、そのため、相互に相対運動する部品間の磨耗摩擦がなくなる。この構成では、ピストン20の周方向ロッキングは、ベーン自由端31にインサート70を保持することによって得られる。ピストン20とインサート70の間の周方向ロッキングは、ピストン20に設けられた半径方向スロット23に収容される端部と、インサート70の接触面71に設けられた半径方向スロット23に収容される対向端部とを有する鍵形のロック80によって行われ、スロットは、ピストン20の軸方向拡張部の少なくとも一部およびインサート70を占有するように設計される。図示しない他の実施例では、ロック80は、ピストン20に取り付けられた端部と、ベーン自由端31に取り付けられた対向端部とを有することができる。第6図に示した本発明の他の実施例では、ピストン20および固定ベーン30は、好ましくは円筒形のインサート90を収容するそれぞれの保持凹部22、32を有する。円筒形インサート90と各保持凹部22、32との接触表面の間に油膜が維持され、そのため、吸込みチャンバ50と吐出チャンバ60との間の磨耗摩擦およびガス漏れがなくなる。この構成では、インサート90は、ピストン20と固定ベーン30の間の周方向ロッキング要素として働き、ピストン20がシリンダ10の内面に沿って並進運動する際、部品が外れないようにする。
提示したどの解決策でも、ベーン自由端との係合点の周りでのピストンの相対揺動運動に関連して、固定ベーン30とピストン20の間の接触面積が増加するため、部品間に油膜を維持することができ、そのため、ベーン自由端31の磨耗とこの磨耗の影響が軽減される。
これらの構成を用いた場合、ピストンがシリンダ10の内面に沿って並進運動する際、ピストンとの接触を維持するのは、ベーン自由端31と共に動作するピストン20の横面21の周方向拡張部の接触部分だけである。
提示した解決策では、係合手段と、関連するいずれかの部品との間での、固定ベーン30の長手方向の相対運動は、主軸受3および二次軸受け4によって規定されたシリンダ10の端壁によってなくなる。
Claims (3)
- ベーン(30)を有する回転圧縮機であって、回転ピストン(20)を含み、該ピストンは、シリンダ(10)の内面に沿った円形並進運動するように偏心軸(2)によって駆動され、前記シリンダは、前記ベーン(30)を摺動自在に収容する半径方向スロット(11)を有し、前記ベーン(30)の自由端が、湾曲端面を有して、前記ピストン(20)の横面(21)の接触部分と永久的に接触し、前記ピストン(20)の横面(21)と前記ベーン(30)の端面とは、前記ピストン(20)が並進運動する間、該ピストン(20)がその軸の周りで回転しないように阻止して、前記ベーン(30)の自由端の周りでのピストン(20)の揺動を可能にするように、前記ピストン(20)及び前記ベーン(30)に作用する係合手段を備えており、該係合手段は、前記ピストン(20)を前記ベーン(30)に対して周方向にロックするように、前記ベーン(30)の端面に設けられた保持凹部(32)と、該ベーン(30)の端面に結合されて前記保持凹部(32)にはめ込まれる、独立したインサート(70)によって規定される対応突起部とを含んでおり、前記ベーン(30)は、バネ手段(40)によって前記ピストン(20)の横面(21)の方へ常に偏倚されており、前記インサート(70)は、前記ピストン(20)の横面(21)に対して設置されており、前記インサート及び前記ピストン間に装着されたロック(80)によって規定される保持手段が、前記インサート(70)と前記ピストン(20)との間の相対移動を阻止すべく、該インサート及び該ピストンに同時に作用することを特徴とする圧縮機。
- 前記ロック(80)が、前記ピストン(20)と前記インサート(70)とに取り付けられることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧縮機。
- 前記ロック(80)が鍵形であり、その一部が、前記ピストン(20)の横面(21)に設けられた半径方向スロット(23)に収容され、他の部分が、前記インサート(70)の隣接端部に設けられたスロット(73)に収容され、前記各スロット(23、73)が、前記ピストン(20)の軸方向拡張部の少なくとも一部と前記インサート(70)を占有することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の圧縮機。
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