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JP3704082B2 - 液中比重分離装置 - Google Patents
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JP3704082B2 - 液中比重分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複合廃棄物を構成する部分の比重の差を利用して、廃棄物の構成部分を液中で比重分離するための装置に関し、好ましくは、プラスチック廃棄物、特に、ペットボトル廃棄物破断片を有効に分別するための液中比重分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の膨大な量のプラスチック廃棄物の中で、プラスチック材質毎に分別して利用することがなされている。特に、プラスチック容器の中で、ペットボトル入り各種の飲料水が、市中の店舗や自動販売機等を通じて多量に販売され、これに伴って大量の使用済みペットボトルが廃棄されている。ペットボトル以外のその他の包装材のプラスチックも多量に廃棄されている。わが国では、2000年には包装物リサイクル法が施行されて、廃棄物のリサイクル化の技術確立が必要になり、石油製品への再利用のためにも、プラスチック廃材から、特定種類の樹脂片を回収して、プラチック成形に再利用することが要求されている。
【0003】
そのような例として、使用済みペットボトルからポリエチレンテレフタレートを分離、回収して再生ペットボトルの製造や繊維再生の原料に再使用することが挙げられる。ここに、ペットボトルとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする樹脂(PET樹脂)から成形された容器、特に、液用容器を言うことにするが、ペットボトルは、本体がPET樹脂であるけれども、本体に付属・付着する部材は、別種の材質の樹脂で形成されることが多い。
【0004】
例えば、表面に貼着されるラベルなどの包装フィルムは、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂が利用されている。容器のキャップは、PET樹脂の他にPP、PS等の樹脂(内部ネジがPET)であったりする。本体のネックネジ部がPETから造られている場合が多い。金属のキャップや紙ラベルも時々使用されている。
【0005】
ペットボトルの再利用のためには、これら異種樹脂を分離する必要があり、特に材質の異なるラベルは、ペットボトル本体から、何らかの工程で分離しなければならない。従来、ペットボトルのラベル除去は人手によって行っていたが、分別が確実である反面、作業効率が低いという欠点があった。
【0006】
また、ペットボトルのリサイクル作業工程でラベル除去する方法があり、例えば、比重分離方は、粉砕されたペットボトル破片を清水やアルカリ水溶液などの水浴中に入れて静置し、軽量プラスチックのPP樹脂とPE樹脂などの樹脂片を水面に浮遊させ、PS樹脂片は、中間部及び下部に滞留するが、比重の大きいPET樹脂片は、底部に沈積させて、樹脂片を分離していた。この比重差による沈静分離を繰り返すことにより、PET樹脂を回収する方法であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
PP樹脂やPE樹脂のオレフィン系樹脂は、比重が清水の比重1より小さくて水による分離が簡単であるようにみえるが、比重が例えば約1.04のPS樹脂と比重が例えば約1.34前後のPET樹脂とは、清水よりも比重が大きく、上述のように両者が一部オーバラップして水中に沈静する傾向がある。そのような沈静分離法で、分離を完全にするには、分離操作を断続的に繰り返す必要があるが、断続作業は作業効率が悪く、またPS樹脂片とPET樹脂片とが未分離のまま混合したオーバラップ層は、再生品PET樹脂へのPS樹脂の混入を回避するために、捨てることになり、PETの回収効率が低い欠点があった。ラベルは、PET以外のプラスチックが使われることが多いので、これを特に分離除去できれば、高品質のPET樹脂の回収に大いに寄与できるものである。このような2種類以上の材質の異なる樹脂成形体やそのような異種樹脂を含む廃材その他の集合体から、材質毎に樹脂を分別して回収するために、異質樹脂分離装置が求められている。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、異質な種類の樹脂片を含む廃棄物その他の混合物から、各樹脂片の比重差を利用して液浴中で効率よく分離する装置を提供するものである。
【0009】
特に、本発明は、ペットボトルその他の樹脂製容器から、その構成材質毎に樹脂片を効率よく分離する比重分離装置を提供するものである。
本発明は、特に、ペットボトルを構成するPET樹脂とラベルを構成する樹脂とを分離して、特に、PET樹脂片とPS樹脂片とをそれぞれ高純度に分別して、高品質のPET樹脂片を回収・再利用するのに特に適した比重分離装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の液中比重分離装置は、概して、有底の円筒状分離槽と、分離槽内に挿入された下端開口の内筒と、内筒内に配置されて内筒内に下降流を形成するためのスクリュー、とから構成され、内筒内に供給した分離すべき重量物と軽量物の混合物を液体に含む混合液を、スクリューにより内筒下端より放出し、分離槽の底壁で上方に反転させて、分離槽周壁に沿って上昇させ、この混合液の上昇流の過程で、上昇流中の液体より大きい比重の重量物を沈降ないし滞留させて分離し、他方、上昇流中の液体の比重と同等なしいより小さい軽量物は、上昇流中に浮揚させ又は上昇流に随伴させて、液体と共に分離槽上部の上部排出部より排出し、他方の重量物片は、周壁下部の下部排出部から液体と共に排出して、混合物を、軽量物片と重量物片とに分離するものである。
【0011】
詳しくは、上部排出部は、分離槽の上縁部に軽量物を含む液体の溢流を排出する溢流排出部とするがよく、分離槽上縁部を溢流する堰とすることにより、液面に浮遊した軽量物を、溢流と共に流し出すことができ、しかも、溢流とすることにより分離槽内の上部での上昇流を静かな乱れの少ない流れにすることができるので、比重差による軽量物の上昇と重量物の下降滞留との分離が確実になされる利点がある。
【0012】
さらに、内筒には、その周壁の混合液の浸漬部位に、複数の貫通孔を円筒外の上昇液の一部を円筒内に還流できるように形成するのが好ましい。スクリューにより生じた内筒内の旋回下降流によって貫通孔を通して内筒の周壁の外側の重量物を含む上昇流の一部を内側に引き込むことができ、スクリューによりさらに攪拌混合して、下降流として下端から放出する。これは、円筒内では、新たに供給された混合液と貫通孔を通じて還流した上記上昇液の一部を混合して、混合物から重量物片と軽量物片とを解きほぐして均一に分散させて、内筒外での分離槽中での上昇流中で、重量物と軽量物との分離を促進させる効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
混合物の軽量物と重量物は、液中に分散可能な程度の寸法の、粉状、粒状あるいは、切片状の適当な形状のものであればよい。重量物は、液体より比重の大きい粉粒状又は片状であるが、軽量物は、液体より比重が小さいか、又は、液体より比重がわずかに大きくてその液体の上昇流の随伴可能な粉粒状又は片状を含む。
【0014】
液体は、重量物の比重より小さい比重を有する液体が利用され、好ましく、重量物と軽量物の比重を勘案して、適度の比重を調節した液体が利用される。液体の比重は、分離されるべき軽量物と重量物との比重から適宜調製するが、通常は、水、例えば、水道水や清浄な工業用水、その他の清水(実質的に、比重1.00)が最も広く利用される。液体は、清水以外にも、洗浄効果を高めるために水酸化ナトリウム水溶液が利用できる。液体の比重調整には、カゼインやゼラチン、ポリビニルアルコールなどの水溶性の高分子を水に加えてなされる。上記水溶性高分子の配合により比重の範囲0.95〜1.05程度の調製が可能である。液体の比重を調整することにより、他の比重の組み合わせにしたプラスチック物品類の廃材の分離も行うことができる。
【0015】
本発明の液中比重分離装置を利用する方法には、軽量物と重量物の処理対象として、例えば、プラスチック片や木片を含む廃棄物を分離するには、液体として、清水が利用される。本発明の分離装置は、水を液体にして、混合されたブラスチック類から、PEやPP樹脂、PS樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、あるいは、PET樹脂などの樹脂片を分離するのに利用される。本発明の分離装置は、さらに具体的の廃棄物プラスチック片として、ペットボトルその他の容器の破砕片から、比重の相違する2種類以上の樹脂片を分離することもでき、例えば、ペットボトルからPET樹脂と、PS樹脂片、PEやPPの樹脂片を分離するのに、利用される。
【0016】
本発明においては、軽量物と重量物とが混合した混合物は、分離槽に供給されるが、混合物は、液体とは分離して、単独に投入することもでき、また、液体と混合した混合液として投入してもよい。供給部は、混合物又は混合液を内筒内に投入するように配置される。尤も、供給部は、混合物又は混合液を内筒外で分離槽内に投入するようにしてもよく、この場合は、分離槽内の上昇流の一部を内筒内に還流するようにする。例えば、円筒周壁の上部に、上記貫通孔を形成して、混合液を円筒外から円筒内に循環させるのが好ましい。
【0017】
本発明の液中比重分離装置の一の形態は、頂部を開放した上縁と閉じた周壁及び底壁とを有して混合液を受容し分離する円筒状の分離槽と、分離槽内に配置して混合液に浸漬された下端開放の内筒と、内筒内に配置して混合液を下降流にするスクリューと、内筒内に混合液を供給する供給部と、分離槽上縁からの混合液の溢流を受ける上部排出部と、分離槽下部に設けて混合液を排出する下部排出部と、から成っている。
【0018】
分離槽は、供給部から内筒を通じて供給した所定比重に維持された液体と比重差のある少なくとも2種類の軽量物及び重量物を含んだ混合物の混合液を受容して分離するものである。内筒はスクリューを取り囲むように分離槽内部に設けられ、供給部からの液体と混合物とを混合液をクリューにより旋回下降流にして、分離槽の底壁側に放出するもので、放出された混合液は、周壁に沿って上昇流を発生させるものである。この上昇流中では、混合液は、液体に対する相対比重差によって主に下端から外側中間部に滞留する重量物と、上昇流によって搬送される軽量物と、に分離され。そして、上部排出部が、分離された軽量物を分離槽上縁を越える液体の溢流と共に受けて排出し、下部排出部が、分離槽の周壁の下部から中間部にかけて設けられて、重量物を含む液体を排出させる。
【0019】
この実施形態は、混合液を所定比重に維持された液体に軽量物と重量物とが予め混合して調製し、内筒内に連続して供給する。内筒内で回転するスクリューによって、混合物は各片に良く分散されながら、混合液は、旋回下降流として分離槽の底壁に向かって推進され、分離槽底壁に沿って反転されて内筒下縁から外側において緩やかな上昇流を発生する。
【0020】
内筒の外側の領域では、軽量物は、液体より比重が小さいか、あるいは、若干比重が大きくても液体との比重差が小さければ、上昇流中に浮揚するかあるいは上昇流の流体抵抗を受けて比較的勢いよく上昇流に随伴して上昇することができる。他方の重量物は、液体より比重が大きいので、上昇流には随伴せずに分離槽の底壁から周壁中間部にかけて滞留し又は沈下する。このようにして、供給された混合液中の混合物は、内筒の外側の分離槽内で上部側の軽量物領域と下部側の重量物領域とに分離され、上部排出部からは、分離槽上縁からの溢流と共に軽量物が排出し、下部排出部とからは、重量物が液体と共に取り出すことができる。
【0021】
本発明の別の形態は、同様に、分離槽が頂部を開放した上縁と閉じた周壁及び底壁とを有し、混合物とが供給部から内部に供給されてそれらが混合した混合液を受容し、スクリューが、分離槽の内部に配置されて旋回下降流を発生するよう混合液を撹拌し、内筒が、スクリューを取り囲むように分離槽内部に設けられるが、この形態は、特に、内筒には、その周壁に、複数の貫通孔が内筒外の混合液の内筒内への流入できるように開設される。貫通孔は、内筒内のスクリューにより貫通孔を通じて分離槽の混合液の一部を吸引可能な位置に配置される。貫通孔は、周壁のスクリューの位置より上位に配置するのが好ましい。
【0022】
この形態において、内筒の外側の分離槽内には上昇流が生じるが、この上昇流の一部混合液は、内筒の貫通孔から、スクリューにより吸引されて内筒内側に取り込まれ、内筒を通って下端から再び放出するものである。
【0023】
この形態は、所定比重に維持された液体に軽量物と重量物とが混合した混合液は、内筒内に供給することでき、また、内筒外の分離槽内に連続して供給することもできる。内筒外の分離槽内に添加する場合には、混合物は、内筒内のスクリューによって内筒周壁の貫通孔から内筒内部に吸い込まれて、さらに旋回下降流として分離槽の底壁に向かって混合物中の樹脂片などの各片が個々に良く解されて、また洗浄されながら下方に推進され、分離槽底壁に当たって反転されて内筒下縁から外側において緩やかな上昇流れを発生する。
【0024】
このように、内筒の外側の分離槽内で投入された混合物は、軽量物と重量物とが未分離で液体に混合されているが、その混合液は、内筒周壁の貫通孔から内部に取り込まれ、スクリューの攪拌力により、新規に投入された混合液と混合され、再度繰り返し旋回下降流によって混合物が解きほぐされて個々の片に分離作用を受けることになる。
【0025】
内筒外の領域では、上記の実施形態と同様に、軽量物が、静止流中では沈む程に液体の比重よりも若干重くても、液体に対する比重差が小さいので、軽量物の粒子や砕片が、上昇流の流体抵抗を影響を受けて、上昇流に随伴して上昇することができる。重量物は、液体より比重が大きいので、上昇流によって随伴せずに分離槽の底壁から周壁中間部にかけて滞留する。内筒外の分離槽内で上部側の軽量物領域と下部側の重量物領域とに分離され、上部排出部からは、溢流と共に軽量物が排出し、下部排出部とからは、重量物が液体と共に取り出すことができる。
【0026】
分離槽の下部排出部から排出された重量物と、上部排出部から排出された軽量物とは、それぞれ別個に、適当なフィルターや篩などの分離手段によって、液体から分離され、脱水され、軽量物と重量物とが分離して得られる。
【0027】
本発明の装置は、好ましくは、プラスチック廃棄物の比重分離に適用できるが、例えば、ペットボトルの分離に際しては、破砕機によって破砕されたペットボトル破片から、液体に水を利用して、比重1を越えPS樹脂片とPET樹脂片等の重量プラスチック片と、比重1以下のPP樹脂やPE樹脂等のオレフィン系軽量プラスチック片とが容易に分離できる。比重1よりわずかに大きくて比重の近似したPS樹脂片とPET樹脂片の分離も連続的且つ効果的に行うことができる。
【0028】
本発明の装置は、混合物が分離作用と共にスクリューによる撹拌によって洗浄することができる利点がある。洗い落とされた金属、砂粒子などは、分離槽の底壁に沈澱して分離される。
【0029】
上部排出部は、分離槽の上縁を越えた溢流を受けて排出する樋を分離槽上縁周りに配置して成るものが好ましい。樋は、分離槽の溢粒可能な上縁の一部又は全周に設けても良い。上部排出部は、分離槽の上縁を覆うカバーを含んでもよく、このようなカバーは、異物が分離槽内に上方から入るのを防止することができる。
【0030】
他方、内筒の上縁は、分離槽の溢流可能な上縁と略同じ高さに設定して、分離槽の上位の液体が内筒内に溢流するようにしてもよい。この場合には、仕切り壁を、内筒と分離槽との間に配置し、仕切り壁の下縁が内筒及び分離槽の何れの上縁よりも下縁が下方に位置するように設けるのが好ましい。
【0031】
この仕切り壁について、内筒外の分離槽内で内筒寄りには、上昇流中に軽量物片に絡みあって重量物片を随伴して混入し易いので、仕切り壁は、外寄りの上部排出部側の液体から仕切って、内筒寄りの上昇流のみを内筒上縁から内筒内に戻して、その重量物片を回収するものである。内筒内ではスクリューによる旋回下降流中で軽量物片から重量物片を分離して、再び分離槽中に放出させる。仕切り壁は、さらに、上部排出部側の液体上面又は液体中の軽量物片が内筒に混入するのを防止することができ、特に、分離されて液面に浮遊する軽量物が内筒内に入るのを防止し、軽量物の分離精度を高めることができる。
【0032】
内筒は、その上縁を分離槽の上縁よりも高く設定して内筒内への溢流を防止することもできる。分離槽中の上昇流に随伴する重量物が少ない場合には、仕切り壁を省略することができる。
【0033】
分離槽は、その底壁は、平坦であってもよいが、好ましくは、中央部が下方に細くしたテーパ状ないしは逆円錐状に形成される。底壁には、その中央部に、混合物よりもさらに大きな比重の土砂粒や金属片等の沈積部を形成し、沈積部には、開閉弁を備えたドレイン管を接続することができる。スクリューによる撹拌によって混合物から洗い落された土砂や金属片等の重い異物を分離槽底壁の蓄積することができ、適時開閉弁を開いて排出することができる。
【0034】
さらに、分離槽底壁をテーパ状ないし逆円錐状とすることは、内筒からの混合液の下降流を分離槽底壁の沿って上昇させ、分離槽壁面に沿うつて緩やかな上昇流に変換することができる。
【0035】
スクリューは、その回転軸が、分離槽上に設置された可変速モータに接続されて、回転速度が調整できるようにしたものが好ましい。スクリューを交換することなしに、簡単に可変速モータの回転数を変えることにより、使用液体の比重と混合物配合量の混合液種類・組成とに適した旋回下降流を設定し、従って、
上昇流の流速を変更調整することができる。
【0036】
【実施例】
実施例1.
この実施例では、混合物として、廃棄プラスチック破断片を、液体として水を、使用して、重量プラスチック片と軽量プラスチック片とに分離する比重分離装置を示す。
【0037】
液中比重分離装置1は、図1に示すように、頂部を開放した上縁11と周壁12及び閉じた逆錘状底壁13とを有する分離槽10が設けられ、分離槽内部には、円筒状の内筒30が配置され、内筒30内には、下降流用のスクリュー20が配置されている。
【0038】
分離槽10は、混合液を全体として受容する容器であるが、円筒形状を成し、分離槽10の上方は、カバー40により覆われている。分離槽10の底壁13は、中央部が下方に位置した逆円錐状に形成され、底壁13の中央部は、排出用パイプとしてドレイン管62が配管されて、土砂や金属等の比重の大きな沈澱物を受ける沈積部48を設けている。
【0039】
分離槽10には、上部排出部41が設けられ、上部排出部41は、この例は、分離槽10の上縁11の外回り全周に配置した円環状の樋50から成り、樋50は、上縁11から溢流した水と軽量物を受けるもので、この樋50に上部排出管51が接続されている。樋50の外壁が、カバー40に接続されている。
【0040】
分離槽には、下部排出部42が設けられ、下部排出部42は、分離槽10の周壁12の下方部に排出口を設けて下部排出管61に接続されている。
【0041】
内筒30は、下端開口の円筒形状を成し、カバー40から懸垂固定され、下端33がカバー40の下面から分離槽底壁13に対して間隔をとるように下方に延設されて配置されている。この実施例では、内筒30には周壁に多数の貫通孔32を設けている。貫通孔32は、周壁31の上部から中間部に配置してある。
混合液の供給部45は、内筒30内の上部に配置して、混合液Sを内筒内に装入する供給管46がカバー40を貫通して固定されている。
【0042】
スクリュー20は、内筒30内に配置され、回転軸21に羽根22が固定され、スクリューの回転軸は、カバー40の上面中央部に設置された可変速モータ25の接続されて、回転駆動される。羽根22、22は、この例は、回転軸21に上下2段に取り付けられて、羽根の回転により、内筒内に下降流を生じさせる。回転羽根は、可変速モータ25により、回転速度が調節される。
【0043】
この実施例の分離装置の使用の際には、重量プラスチック片(図中では×で示す)と軽量プラスチック(図中では○で示す)との混合物と、液体としてのアルカリ水溶液と、の混合液Sが、供給管56を通じて、内筒30内に、供給される。定常状態では、混合液は、液体が分離槽10の上縁11に溢れ出る状態が維持できるように、供給される。
供給部の供給管46から内筒30内に供給された混合液Sは、内筒のスクリュー20により、内筒30内を下降する下降流を形成し、スクリュー20は、さらに、供給部から内筒内に供給されたプラチック混合物を水中で、混合物のプラスチック片を解きほぐして、水に濡らして、水中に均一に分散させながら、下方に流す。
【0044】
円筒30内の下降流は、下端部33を通過して、底壁13に沿って上方に転換し、さらに、図中破線で示すように、内筒30と分離槽周壁12との間を上昇する。上昇流中の重量プラスチック片は、水溶液より大きい比重であるので、分離槽周壁下部に滞留し、他方の軽量プラスチック片は、水溶液より比重が同等ないし小さいので、上昇流の随伴して液面に至る。上昇流に随伴した軽量プラスチック片LPは、水溶液と共に、分離槽10の上縁11に溢れ出て、樋50を伝い、上部排出管51により排出される。他方の重量プラスチック片HPは、分離槽10の周壁12の下部に貫通した下部排出管61より排出される。
【0045】
内筒30の周壁に設けた貫通孔32は、分離槽10の上縁11から下方にやや離れた位置から重量プラスチック片HPの滞留域を避けた中間位置にかけて配置されており、スクリュー20が、上昇する軽量プラスチック片LPと共に重量プラスチック片HPをこれらの貫通孔32を通して再度内筒30の内側に吸い込むようにされている。
【0046】
スクリュー20は、内筒30の貫通孔32を通して、内筒外の混合液一部を内筒30内に吸引し、内筒内で、供給された混合液と攪拌し混合し、重量プラスチック片と軽量プラスチック片とを解きほぐしながら下降流として流出させる。このようにして、内筒30の貫通孔32は、内筒内と内筒外との間で、上昇流の一部を循環させて、円筒30外の上昇流に含まれる重量プラスチック片を回収してその分離精度を高めるものである。
【0047】
さらに、スクリュー20は、付随的に混合物を洗浄する機能がある。苛性ソーダ水溶液を含む混合液Sに対して撹拌作用を行うためにプラスチック片LP、HPに対して洗浄効果がある。洗い出された比重の大きい汚れ物は、沈積部48に沈積される。
【0048】
比重差の大きなプラスチック片LP、HPの分離を行うには、上部排出部41と下部排出部42との間隔を大きくすることが好ましく、重量プラスチック片HPの沈静化距離を十分取ると内筒周壁31の貫通孔32を省くことができる。
【0049】
上述のように、底壁13を中央部の下がった逆円錐状に形成していることは、スクリュー20によって推進力を与えられた軽量プラスチック片LPが、破線で示すように比較的勢いよく底壁13に当たって内筒外側において内寄りに反射されて下部排出部42から離れるように搬送され、下部排出部42からの流出が防止されると共に、再度内筒周壁31の下方部外側で外寄りに反射されて集中的に上部排出部41へ向かうことになり、軽量プラスチック片LPの分離精度が高められる。
【0050】
底壁13が平坦な場合は、軽量プラスチック片LPは、周壁12の下端部に当たって内寄りに反射されてほぼ同じく下部排出部42から離れ、ほぼと同じ経路に沿って搬送される。下部排出部42は、混合液Sの供給量や分離能力に応じて数が増減されるが、その開口部の上部に重量プラスチック片HPの捕獲板42aを備えることができる。
【0051】
この実施例の液中比重分離装置1は、軽量プラスチック片が水より比重が小さくも重量プラスチック片が水より比重が大きいような比重差が大きい樹脂片の組み合わせに広く適用することができる。例えばオレフィン系のPP樹脂やPE樹脂(比重が約0.93〜0.95)等の軽量プラスチック片とPS樹脂やPET樹脂(比重が約1.04〜1.34)等の重量物との分離に利用することができる。
【0052】
このような混合物には、リサイクル対象物の使用済みペットボトルの切断片を利用することができる。混合物の調整法を例示すると、先ず、市場から収集されたペットボトルのべーラは、石や木、金属、カラーボトル等の異物を除去した後に粗砕機へ投入して、寸法約50mm前後の粗い破片に粗砕し、次に風力選別機などによってボトルに貼着されていたラベルの剥離片を粗砕片から分離する。ドラム磁選機とアルミセパレータに供給し、それぞれキャップ等の磁性金属片とアルミキャップ片とが分離する。その後に、粗砕片は、輸送ファンなどによって一旦サイクロンに集められて、粉砕機に供給されて約10mm以下の細かい樹脂片にされる。樹脂片中には、オレフィン系のPE、PP樹脂の破片とPS樹脂やPET樹脂の破片が、含まれる。
【0053】
次に、液中比重分離装置1に供給される混合液Sを調整するが、この方法は、図示しないが、粉砕機からの粉砕片は、粉砕片輸送ファンなどにより、サイクロンに管路を空力輸送されて一旦サイクロンに集められる。サイクロン中の粉砕片は、ロータリシールバルブを介して定量供給フィーダに供給され、ロータリシールバルブを介して液体と混合するために液体混合槽に供給される。
【0054】
液体混合槽は、清水と苛性ソーダと回収液体とが供給されて、苛性ソーダの濃度が1.5〜3.0重量%になるように調整された液体を得るpH調整タンクと、pH調整タンクからの液体と粉砕片とを混合する撹拌槽とから構成されている。撹拌槽において透明ペットボトルの粉砕片である軽量プラスチック片LPのポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)と重量プラスチック片HPのポリエチレンテレフタレート(PET)やポリスチレン(PS)と、液体とが混合されて適当な流動性が与えられた混合液Sがつくられる。
【0055】
実施例2.
この実施例の液中比重分離装置1は、水との比重差の小さい樹脂片を含むような比重が近似したプラスチック片の組合せ、例えばPS樹脂片(比重が約1.04)とPET(比重が約1.34)の分離に有効なものである。この実施例の液中比重分離装置は、実施例1で実施された液中比重分離装置1によって分離された重量プラスチック片HPから、さらに、重量プラスチック片HPから重量物としてPET樹脂片と軽量物としてPS樹脂片とを分離するのに利用することができる。
【0056】
この液中比重分離装置1は、図2に示すが、実施例1の液中比重分離装置1と基本構造はほぼ同じであるが、分離槽と内筒の上縁部に仕切り壁38を利用した点を異にしている。
【0057】
内筒30は、その上縁36が分離槽10の上縁11と略同じ高さになるように(即ち、分離槽の液体が、分離槽上縁11側にも、同時に、内筒上縁36側にも溢流できるように)調整されて、分離槽10の周壁12からブラケット37によって支持されている。そして、この実施例では、仕切り壁38は、内筒30と分離槽10との間に挿入できる円筒形状をなし、カバー40の下面に固定されて垂下され、仕切り壁38の下縁39が、分離槽10の上縁部と内筒30の上縁部の間に両方の上縁11、36よりも下方に位置するように位置されている。
【0058】
内筒と分離槽との間の上昇流は、分離槽周壁近くの領域(外寄りの流域)は、ほとんどが軽量物から成る上昇流であり、内筒に周壁に近くの領域(内寄りの流域)は、軽量物とともに重量物も混入した上昇流の区別される。この実施例の仕切り壁38は、その差込み部の外側の外寄り流域のほぼ純粋に軽量プラスチック片(例えばPS樹脂片)を含む上昇流を、若干量の重量プラスチック片(PET樹脂片)が軽量物のPS樹脂片に混合した上昇流から、仕切るものである。これにより、外寄り流域中の高い純度の軽量物のPS樹脂片を上部排出部41から排出して分離し、内寄り流域のPS樹脂片にPET樹脂片が混合した上昇流を上縁36を越えて内筒30の内側に溢流させて再度取り込んで分散を高めて、分離精度を高めることができる。仕切り壁38差込み部の差込み深さを調節することでも分離精度が加減される。
【0059】
上記の2つの実施例では、混合液Sの供給部45を内筒30の内側に配置した例を示したが、内筒30に貫通孔32が設けられているので、供給部は、内筒の外側で、分離槽10の周壁12に上昇流と干渉しないように貫通孔32開口部に近付けて配置してもよい。
また、上部排出部における適度な溢流と下部排出部における排出液流とを確保するために、混合液とは別個に、流量確保のために、同質の液体を、別途、内筒内又は内筒外の分離槽に供給することが適宜なされる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の装置は、所定比重に維持された液体に軽量物と重量物とが混合した混合液を、内筒内で回転するスクリューにより、分離槽周壁の沿って静かな上昇流を作るので、軽量物は、分離槽の上縁部に設けた上部排出部により、また、重量物は、分離槽周壁に設けた下部排出部より液体と共に分離され、相互の分離効率を高くして、自動的且つ連続的に選別できる。
【0061】
本発明において、上部排出部は、分離槽の上縁部に軽量物を含む液体の溢流を排出する溢流排出部とすれば、分離された軽量物は、水面に浮遊させて液体の溢流ともに容易且つ効率良く回収できる。
【0062】
特に、分離槽周壁に沿って上昇する上昇流を使うので、液体よりわずかに大きい比重を有する細片であっても、上昇流に随伴して上昇させることができ、溢流中に軽量物として回収することができる。他方、液体より比較的大きな比重を持つ重量物とは、効果的に分離できる。このように比重の接近する粉粒体や破砕片でも、液体の比重を適切に選ぶことによって効率良く分離できる。
【0063】
本発明は、分離槽の下部周壁に設けて重量物を含む液体を排出すための下部排出部を設けたので、分離槽の液体中に滞留する重量物を液体と共に回収することができ、しかも、液体中を沈澱するほどの大きい比重の物質とからも有効に分離することができる利点がある。
【0064】
内筒に多数の貫通孔を開設すれば、分離槽内で内筒外の上昇流中に軽量物と重量物の両者が混合していても、内筒周壁の貫通孔から内筒内に繰り返し吸引することができるので、新規投入された混合液と共に旋回下降流によって分離槽に輸送されて、上昇流中で分離作用を与えるので、分離効率を高めることができる。
【0065】
本発明の装置は、液体に水ないし水溶液を使用すれば、水より比重の大きいPS樹脂片やPET樹脂片等の重量プラスチック片と、水より比重の小さいPP樹脂片やPE樹脂片等のプラスチック片との分離は極めて容易に分離できる。さらに、水より大きいが近似した比重を有するPS樹脂片を比重のより大きいPET樹脂片から分離することが容易に且つ効果的に行うことができる利点がある。
【0066】
内筒には周壁に貫通孔を内筒内のスクリューより上位に設ければ、上昇流中に軽量物に絡み合って随伴した重量物を貫通孔を通して再度内筒内に吸引することができ、再び内筒内で分散させて放出され、上昇流中での分離作業性が改善されて分離精度を高めることができるようになる。貫通孔を周壁の上部に設ければ、スクリューによる内筒内の旋回下降流によって内筒外側で分離して滞留している重量物を再度内筒内に取り込むのが防止される
【0067】
内筒は、その上縁を分離槽の上縁と同じ高さに設定した仕切り壁を、その下縁がこれら両方の上縁よりも下方に位置するように内筒と分離槽との間において配置すれば、上昇流中に随伴の重量物が比較的混入し易い内寄りの混合液を、内筒内に回収して、再度内筒内で分散させて分離操作を受けることができる。また、仕切り壁が、分離槽周壁側の液流を仕切って、重量物の上部排出部側への混合を防止することができ、軽量物の分離精度を高めることができる。
【0068】
分離槽は、その底壁を中央部を逆円錐状に形成すれば、比重の大きな異物の沈積部として利用でき、沈積部を開閉弁を備えたドレイン管から適宜排出することができる。逆円錐状の分離槽底壁は、適当なテーパ角に角度に設計することにより、内筒内下端からの旋回下降流を、分離槽周壁に沿う緩やかな上昇流に変換することができ、液体と比重が近似した粉粒・破片の分離に有効になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の液中比重分離装置の模式的な縦断面図である。
【図2】 本発明の別の実施例の液中比重分離装置の模式的な縦断面図である。
【符号の説明】
1 液中比重分離装置
10 分離槽
11 上縁
12 周壁
13 底壁
20 スクリュー
30 内筒
32 貫通孔
38 仕切り壁
41 上部排出部
42 下部排出部
45 供給部
HP 重量プラスチック片
LP 軽量プラスチック片
S 混合液

Claims (12)

  1. 樹脂片から成る比重の異なる分離すべき軽量物と重量物との混合物と、且つ重量物の比重より小さい比重を有する液体との混合液中で比重差を利用して混合物を軽量物と重量物とに分離するための液中比重分離装置において、
    当該液中比重分離装置が、
    混合液を受容して軽量物と重量物とに分離するための有底の縦型の分離槽と、
    分離槽内にその底壁より離間して配置した下端開放の縦型の内筒と、
    内筒内の上部に配置して、混合物を内筒内に装入する供給部と、
    内筒内に配置して、混合液を攪拌して旋回下降流を形成し、内筒外の分離槽内に上昇流を生じさせるためのスクリューと、
    分離槽の上部に設けて軽量物と共に液体を排出する上部排出部と、
    分離槽の周壁の下部に設けて液体中に滞留する重量物を液体と共に排出すための下部排出部とを備えた液中比重分離装置。
  2. 上部排出部が、分離槽の上縁を越えた溢流を受けて排出する樋を分離槽上縁周りに配置して成る請求項1に記載の装置。
  3. 内筒には、その周壁の混合液浸漬部位に、内筒外の混合液の一部が内筒内に還流するように、複数の貫通孔を形成した請求項1又は2に記載の装置。
  4. 上記複数の貫通孔が、内筒内のスクリューにより貫通孔を通じて内筒外の混合液の一部を吸引可能にする位置に配置されている請求項3に記載の装置。
  5. 供給部が、内筒内に代えて、内筒外の分離槽内に供給するように配置された請求項1ないし4何れかに記載の装置。
  6. 内筒の上縁が分離槽の上縁と略同じ高さに設定され、上記何れの上縁よりも下方に位置する下縁を有する仕切り壁が内筒と分離槽との間に配置されて、分離槽の混合液の一部が内筒の上縁を越えて内筒内に溢流可能にした請求項1ないし5何れかに記載の装置。
  7. 内筒の上縁が、分離槽の上縁よりも高い位置に設定されている請求項1ないし5何れかに記載の装置。
  8. 液体が水又は水溶液であり、重量物がPET樹脂片であり、軽量物が該PET樹脂片より比重の小さい樹脂片である請求項1ないし7に記載の装置。
  9. 軽量物が、PS樹脂片を含む請求項8に記載の装置。
  10. 混合物が、ペットボトル廃棄物の破砕片を含む請求項1ないし9いずれかに記載の装置。
  11. 分離槽の底壁中央部が下がった逆円錐状に形成されて、混合物よりも大きな比重の異物の沈積部となして、沈積部に開閉弁を備えた排出用パイプを接続した請求項1ないし10何れかに記載の装置。
  12. スクリューの回転軸が、分離槽上から懸垂されて、且つ可変速モータによって回転駆動される請求項1ないし11何れかに記載の装置。
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