JP3705344B2 - 導電性シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気部品、移動体電気製品などの電流の接点部分や、電磁波シールド、事務機用ロール部材、静電防止部材、コネクタ類などの部分に用いられるシール材等、高導電性を必要とする分野に使用する接着性の導電性シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電気部品、移動体電気製品などの電流の接点部分や、電磁波シールドなどの部分に用いられるシール材等の高導電性を必要とする分野では、その部品を高導電性フィラーを添加したゴムにて形成することが行われている。更に、特に樹脂又は金属部との接着性が要求される場合は、接着用プライマーを接着面に塗り、ゴムを成型する工程が必要であった。
【0003】
しかし、プライマーには溶剤が含まれている場合が多いため、環境上、作業上に問題が多く、また、工程時間も長くなるという不利があった。また、低抵抗にするためには高導電性フィラーを高充填しなくてはならず、この場合、ゴム表面のフィラー面積を増加させるため、プライマー塗布だけでは十分な接着性が得られないという不具合が生じる可能性があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、安定した高導電性を有し、かつ自己接着性に優れた硬化物を与える導電性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサンに、シリカ微粉末と、金属の粉末或いは無機充填剤や樹脂などの基材表面を金属メッキした導電粉末と、接着助剤を配合することにより、体積抵抗値が小さく、安定した高導電性を有し、かつ自己接着性に優れた硬化物を与え、高導電用として使用される電気製品の部品、電気の接点等に有用な導電性シリコーンゴム組成物を得ることができることを知見し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は、
(A)1分子中に2個以上の脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン
100重量部、
(B)シリカ微粉末 0.1〜100重量部、
(C)シリカ上にニッケル層を介して金層が形成された構造を有する導電性シリカ粉体
30〜700重量部、
(D)接着助剤 0.1〜20重量部、
(E)上記(A)成分の硬化剤 上記(A)成分を硬化させ得る量
を含有することを特徴とする接着性に優れた導電性シリコーンゴム組成物
を提供する。また、本発明は、この組成物を金属及び樹脂から選ばれる基材にプライマーなしに硬化接着することにより得られた、上記組成物の硬化物と基材とが一体化した物品を提供する。
【0007】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の導電性シリコーンゴム組成物の(A)成分は、1分子中に2個以上の脂肪族不飽和基、特にアルケニル基を有するもので、下記平均組成式(1)で示されるものが好ましい。
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の非置換又は置換の1価炭化水素基であるが、R1の0.001〜20モル%はアルケニル基である。aは1.5〜2.8の正数である。)
【0008】
上記式(1)のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンにおいて、R1は、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換、シアノ基置換炭化水素基などが挙げられる。
【0009】
なお、各置換基はそれぞれ異なっていても同一でもよいが、アルケニル基の含有量は、R1の0.001〜20モル%であり、特に0.01〜10モル%であることが好ましく、また、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有していることが必要である。なおまた、R1は上記のいずれでもよいが、アルケニル基としてはビニル基、他の置換基としてはメチル基、フェニル基がより好ましい。また、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.9の範囲の正数である。
【0010】
上記式(1)のオルガノポリシロキサンは、その分子構造が直鎖状であっても、或いはR1SiO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状であってもよいが、主鎖部分が基本的にR1 2SiO2/2のジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がR1 3SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。この場合、特に分子鎖両末端は、トリビニルシリル基、ジビニルメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基であるものが好ましい。
【0011】
なお、分子中のアルケニル基は分子鎖末端或いは分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合したものであっても、また両方に結合したものであってもよいが、硬化性、硬化物の物性等の点から、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するものであることが好ましい。
【0012】
更に、上記オルガノポリシロキサンの平均重合度は、組成物を液状とする場合は100〜3,000、特に200〜2,000、ミラブルタイプとする場合は3,000〜100,000、特に4,000〜20,000とすることが好ましい。
【0013】
上記アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、公知の方法によって製造することができ、具体的にはオルガノポリシロキサンとヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡反応を行うことにより得ることができる。
【0014】
次に、(B)成分のシリカ微粉末としては、その種類に特に限定はなく、従来のシリコーンゴム組成物に使用されているものを使用できる(但し、表面が金属メッキされたものは除く)。このようなシリカ微粉末としては、例えばBET法による比表面積が50m2/g以上、特に50〜400m2/gの沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカや、平均粒径が50μm以下、特に0.1〜20μmの粉砕石英、珪藻土などが好適に使用される。なお、これらのシリカ微粉末はそのまま用いてもよいが、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、トリメチルクロロシラン等のシラン類、ポリメチルシロキサン等の有機ケイ素化合物で表面処理し、疎水性シリカ微粉末として用いてもよいし、配合時に疎水化処理してもよい。
【0015】
(B)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同じ)に対して1〜100部、好ましくは2〜50部であり、1部未満では機械的強度が不十分となり、100部を超えると(C)成分の導電性フィラーの充填が困難となり、作業性が悪くなる。
【0016】
次に、(C)成分の表面に金属メッキ層を有する導電粉体(導電性金属メッキ粉末)は、本発明の導電性シリコーンゴム組成物に導電性を与えるものである。
【0022】
次に、導電性金属メッキ粉末について説明する。
導電性金属メッキ粉末は、金属メッキシリカ粉末が使用され、金属メッキシリカ粉末は、シリカの表面が金属メッキにより被覆されたもので、メッキする金属としては、金、銀、ニッケル等が例示され、金、ニッケルが特に好ましい。
【0023】
また、金属メッキシリカ粉末の比表面積は、1m2/g以下が望ましい。比表面積が1m2/gを超えると、シリコーンゴム組成物に添加する際に分散性が悪くなるおそれがある。
【0024】
金属メッキシリカ粉末は、シリカ上にニッケル層を介して金層が形成された構造を有するものが特に好ましい。この場合、金属とシリカの密着性を向上させるために、シリカとニッケルの間にケイ素系化合物を介在したシリカ−ケイ素系化合物−ニッケル−金の4層構造を有するものが特に好ましい。ケイ素系化合物としてはKBM−603、KBM−903、KBE−603、KBE−903(信越化学工業(株)製商品名)等のカーボンファンクショナル(CF)シランモノマーや還元性を有するケイ素系高分子化合物が好適に用いられる。
【0025】
この金属メッキシリカ粉末の製造方法は、特に限定するものではないが、一例として下記に示す工程にて製造することができる。
(1)シリカ粉体をケイ素系化合物、好ましくは還元性を有するケイ素系化合物で処理し、シリカの表面に該ケイ素系化合物の層を形成する第1工程。
(2)第1工程で得られた粉体を標準酸化還元電位0.54V以上の金属からなる金属塩を含む溶液で処理し、上記シリカ表面のケイ素系化合物層上に該金属コロイドを析出させる第2工程。
(3)上記金属コロイドを触媒として無電解ニッケルメッキを行い、上記ケイ素系化合物層表面に金属ニッケル層を形成する第3工程。
(4)更に金メッキを行い、上記金属ニッケル層上に金層を形成する第4工程。
【0026】
本発明の金属メッキシリカ粉末において、原料シリカは、二酸化ケイ素で構成される粉体で、高い耐熱性をもっている。形状は、粉末状、繊維状、フレーク状等、特に制限されないが、メッキする金属(ニッケル、金)の使用量を最少にし、シリコーンゴム組成物に高充填するためには、同一粒径では最も比表面積の低くなる球状が望ましい。このようなシリカは、クロルシランを燃焼させたり、アルコキシシランを加水分解したり、ガス化した金属ケイ素を酸化したり、石英粉末を溶融したりして容易に得ることができる。比表面積を低くするためには、内部に表面に繋がる空洞をもたないものが望ましく、溶融石英が好適に用いられる。シリカ粉末の平均粒径は0.01〜1,000μm、より望ましくは0.1〜100μmである。0.01μmより小さいと、比表面積が高くなるため、メッキ金属の量が多くなり、高価となる。また、1,000μmより大きいと、シリコーンゴム組成物等に混合しにくくなる場合がある。
【0027】
本発明に係る金属メッキシリカ粉末を製造する場合、上記シリカ粉体を還元性を有するケイ素系化合物で処理し、シリカ表面に該ケイ素系化合物の層を形成することが好ましい。
【0028】
ここで、還元作用を持つケイ素系化合物としては、上記CFシランモノマーのほか、Si−Si結合或いはSiH結合を有するポリシラン、ポリカルボシラン、ポリシロキサン、ポリシラザンを使用することができ、中でもポリシラン或いはケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリシロキサンが好適に用いられる。
【0029】
このうち、ポリシランとしては、主鎖にSi−Si結合を持つ下記一般式(2)で表される高分子化合物が挙げられる。
(R2 mR3 nXpSi)q (2)
【0030】
上記式(2)中、R2,R3はそれぞれ水素原子、置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、R2とR3とは互いに同一であっても異なっていてもよいが、上記1価炭化水素基としては、脂肪族、脂環式又は芳香族1価炭化水素基が用いられる。脂肪族又は脂環式1価炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜6のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基などが挙げられる。また、芳香族1価炭化水素基としては、炭素数6〜14、特に6〜10のものが好適であり、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。なお、置換1価炭化水素基としては、上記に例示した非置換の1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アミノアルキル基などで置換したもの、例えばモノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。
【0031】
Xは、R2と同様の基、アルコキシ基、ハロゲン原子、酸素原子又は窒素原子であり、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の好ましくは炭素数1〜4のもの、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。Xとしては、これらの中でも通常メトキシ基、エトキシ基が好適に用いられる。
【0032】
mは0.1≦m≦1、好ましくは0.5≦m≦1、nは0.1≦n≦1、好ましくは0.5≦n≦1、pは0≦p≦0.5、好ましくは0≦p≦0.2であり、かつ1≦m+n+p≦2.5、好ましくは1.5≦m+n+p≦2を満足する数であり、qは2≦q≦100,000、好ましくは10≦q≦10,000の範囲の整数である。
【0033】
また、ケイ素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を有するケイ素系化合物は、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであれば特に制限されないが、側鎖にSiH基、主鎖にSi−O−Si結合を持つ下記一般式(3)で表されるポリシロキサンが好適に用いられる。
(R4 rR5 sHtSiOu)v (3)
【0034】
上記式中、R4,R5はそれぞれ水素原子、置換もしくは非置換の1価炭化水素基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、R4とR5とは互いに同一であっても異なっていてもよいが、上記1価炭化水素基としては、脂肪族、脂環式又は芳香族1価炭化水素基が用いられる。脂肪族又は脂環式1価炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜6のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。芳香族1価炭化水素基としては、炭素数6〜14、特に6〜10のものが好適であり、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。なお、置換の脂肪族、脂環式又は芳香族の1価炭化水素基としては、上記に例示した非置換の1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アミノアルキル基などで置換したもの、例えばモノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4のものが好適であり、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、通常メトキシ基、エトキシ基が好適に用いられる。
【0035】
rは0.1≦r≦1、好ましくは0.5≦r≦1、sは0.1≦s≦1、好ましくは0.5≦s≦1、tは0.01≦t≦1、好ましくは0.1≦t≦1であり、かつ2≦r+s+t≦2.5、好ましくは2≦r+s+t≦2.2を満足する数である。uは1≦u≦1.5である。vは2≦v≦100,000、好ましくは10≦v≦10,000の範囲の整数である。
【0036】
シリカ表面にケイ素系化合物の層を形成する工程(第1工程)は、具体的には、ケイ素系化合物を有機溶剤に溶解させ、この中にシリカ粉体を投入混合した後に有機溶剤を除くことで、シリカの表面にケイ素系化合物の層を形成することによって行うことができる。
【0037】
この工程において、ケイ素系化合物を溶解させる有機溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒や、ニトロメタン、アセトニトリル等が好適に用いられる。
【0038】
ケイ素系化合物含有溶液の濃度は、0.01〜30%(重量%、以下同様)、好ましくは1〜10%が好適であり、濃度が0.01%未満では大量の溶剤を使用することになるのでコストが上昇し、30%を超えるような濃度ではケイ素系化合物を粉体表面全面に十分形成できない場合がある。
【0039】
シリカ粉体を有機溶剤に溶解したケイ素系化合物で処理する方法としては、ケイ素系化合物を溶剤に溶解させて希釈した状態でシリカ粉体と混合し、このスラリーを容器内で撹拌羽根を回転させ分散接触させる撹拌式、気流中にこのスラリーを分散させ瞬時に乾燥させる噴霧式などが好適に採用できる。
【0040】
上記処理工程では、温度を上げたり減圧にすることにより、有機溶媒を留去するが、通常は溶媒の沸点以上の温度、具体的には1〜100mmHgという減圧下で40〜200℃程度の温度で撹拌しながら乾燥することが効果的である。
【0041】
処理後は、しばらく乾燥雰囲気下、或いは減圧下で40〜200℃程度の温度で静置することで、溶剤が効果的に留去して処理粉体が乾燥し、ケイ素系化合物処理シリカ粉体を製造できる。
【0042】
ケイ素系化合物層の厚さは、好ましくは0.001〜1μm、特に好ましくは0.01〜0.1μmである。0.001μmより薄いと、シリカを完全に覆うことができなくなるため、メッキが起こらない部分ができるおそれがある。また、厚すぎると、ケイ素系化合物の量が多くなって高価となる場合がある。
【0043】
なお、上記シリカ粉体は、ケイ素系化合物処理により疎水性となる。このため、金属塩を溶解させる溶媒との親和性が低下し、液中に分散しないため、金属塩還元反応の効率が低下することがある。このことによって起こる金属塩還元反応の効率の低下は、界面活性剤を添加して向上させることができる。界面活性剤としては、発泡を起こさず表面張力のみを下げるものが望ましく、サーフィノール104,420,504(日信化学工業(株)製)等の非イオン界面活性剤を好適に用いることができる。
【0044】
次に、第2工程は、上記第1工程で得られたシリカ表面にケイ素系化合物層が形成された粉体を標準酸化還元電位0.54V以上の金属からなる金属塩を含む溶液で処理し、ケイ素系化合物層上に該金属コロイドを析出させる工程である。これは、ケイ素系化合物処理粉体の表面を金属塩を含む溶液と接触させるもので、この処理では、ケイ素系化合物の還元作用により、金属コロイドがケイ素系化合物の被膜表面に形成され、金属被膜が形成されるものである。
【0045】
ここで、標準酸化還元電位0.54V以上の金属の塩として、より具体的には、金(標準酸化還元電位1.50V)、パラジウム(標準酸化還元電位0.99V)、銀(標準酸化還元電位0.80V)等の塩が好適に用いられる。なお、標準酸化還元電位が0.54Vより低い銅(標準酸化還元電位0.34V)、ニッケル(標準酸化還元電位0.25V)等の塩では、ケイ素系化合物で還元し難い。
【0046】
金塩としては、Au+又はAu3+を含んでなるもので、具体的には、NaAuCl4、NaAu(CN)2、NaAu(CN)4等が例示される。パラジウム塩としては、Pd2+を含んでなるもので、通常Pd−Z2の形で表すことができる。Zは、Cl、Br、I等のハロゲン、アセテート、トリフルオロアセテート、アセチルアセトネート、カーボネート、パークロレート、ナイトレート、スルフェート、オキサイド等の塩である。具体的には、PdCl2、PdBr2、PdI2、Pd(OCOCH3)2、Pd(OCOCF3)2、PdSO4、Pd(NO3)2、PdO等が例示される。銀塩としては、溶剤に溶解し、Ag+を生成させ得るもので、通常Ag−Z(Zはパークロレート、ボレート、ホスフェート、スルフォネート等の塩とすることができる)の形で表すことができる。具体的には、AgBF4、AgClO4、AgPF6、AgBPh4、Ag(CF3SO3)、AgNO3等が例示される。
【0047】
ここで、金属塩を溶解させる溶媒としては、水や、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられ、中でも水が好適に用いられる。
【0048】
金属塩の濃度は、塩を溶解させる溶媒によって異なるが、0.01%〜塩の飽和溶液までが好ましい。濃度が0.01%未満では、メッキ触媒の効果が十分でない場合があり、飽和溶液を超えると、固体塩の析出がある場合がある。なお、溶媒が水の場合は、金属塩の濃度が0.01〜20%、特に0.1〜5%の範囲であることが好ましい。上記ケイ素系化合物処理粉体を室温〜70℃の温度で0.1〜120分、より好ましくは1〜15分程度、金属塩溶液に浸漬すればよい。これにより、金属コロイド処理粉体が製造できる。
【0049】
なお、この第2工程は、まずケイ素系化合物処理粉体を水で希釈した界面活性剤と接触させ、次いで上記金属塩を含む溶液と接触させることが好ましく、これによりシリカ表面が第1工程のケイ素系化合物処理により疎水性となることで、金属塩を溶解させる溶媒との親和性が低下し、液中に分散し難くなって金属塩還元反応の効率が低下するのを防止することができ、ケイ素系化合物処理粉体を金属塩を含む溶液に短時間で簡単に分散させることができる。
【0050】
ここで、界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を用いることができる。
【0051】
陰イオン界面活性剤としては、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル塩系を用いることができる。また、陽イオン界面活性剤としては、アンモニウム塩系、アルキルアミン塩系、ピリジニウム塩系を用いることができる。両イオン界面活性剤としては、ベタイン系、アミノカルボン酸系、アミンオキシド系、非イオン界面活性剤としては、エーテル系、エステル系、シリコーン系を用いることができる。
【0052】
より具体的に陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルフォコハク酸エステル、ポリオキシエチレン硫酸アルキル塩、アルキルリン酸エステル、長鎖脂肪酸セッケン等を用いることができる。また、陽イオン界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化アルキルピリジニウム塩等を用いることができる。両イオン界面活性剤としては、ベタイン系スルホン酸塩、ベタイン系アミノカルボン酸アミン塩を用いることができる。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン等を用いることができる。また、市販されているこのような界面活性剤を混合した水溶液、例えば商品名ママレモン(ライオン(株)製)などを利用することもできる。
【0053】
なお、必要によっては、上記したような界面活性剤を金属塩溶液100部に対して0.0001〜10部、特に0.001〜1部、とりわけ0.01〜0.5部の範囲で使用することができる。
【0054】
また、上記金属塩処理後は、金属塩を含まない上記と同様の溶剤で処理し、粉体に担持されなかった不要な金属塩を除き、最後にこの粉体から不要な溶媒を乾燥除去することができる。乾燥は、通常0〜150℃で常圧又は減圧下で行うのが好ましい。
【0055】
第3工程は、表面に上記金属コロイドが付着された粉体にこの金属コロイドを触媒として無電解ニッケルメッキを行い、上記ケイ素系化合物層表面に金属ニッケル層を形成する工程である。
【0056】
この無電解ニッケルメッキ液は、通常、硫酸ニッケル、塩化ニッケル等の水溶性ニッケル金属塩、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤、酢酸ナトリウム等のpH調整剤、フェニレンジアミンや酒石酸ナトリウムカリウムのような錯化剤などを含み、市販品を用いることができる。
【0057】
無電解ニッケルメッキ法としては、常法に従い、無電解メッキ液中に粉体を投入してメッキを行うバッチ法か、水に分散させた粉体にメッキ液を滴下する滴下法を採用し得る(導電性フィラーの開発と応用 p182、技術情報協会、1994)。いずれの方法でも、メッキ速度をコントロールすることで、凝集を防ぎ密着性のよい均一な被膜を得ようとすることに変わりはないが、しかし、こうしたニッケル被覆シリカを得ることが困難な場合がある。これは、比表面積の高い粉体は、本来、メッキ反応が非常に活発になり、急激に始まりコントロールできなくなる一方、メッキの開始が雰囲気の酸素の影響を受けてしばしば遅れるためニッケルメッキに時間がかかり、均一にメッキされた粉体が得にくいからである。
【0058】
このため、シリカのニッケルメッキを以下の方法で行うことが好ましい。即ち、ニッケルメッキ液を還元剤、pH調整剤、錯化剤などを含有した水溶液とニッケル塩水溶液に分離する。シリカは、還元剤、pH調整剤、錯化剤などを含有した水溶液に分散し、ニッケルメッキの最適な温度に保温しておく。これにニッケル塩水溶液を気体と同伴させて、シリカの分散した還元剤含有水溶液に加えることが、凝集のないニッケル被覆シリカを得るために非常に効果的であることを見出したものである。ニッケル塩水溶液は、気体により還元剤、pH調整剤、錯化剤などを含有した水溶液中で速やかに均一に分散され、粉体表面はニッケルメッキ化される。
【0059】
気体の導入は、しばしば発泡によるメッキの効率の低下をもたらすが、これは、消泡性界面活性剤を添加して防止することができる。界面活性剤としては、消泡作用をもち、表面張力を下げるものが望ましく、KS−538(信越化学工業(株)製)等のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。
【0060】
無電解ニッケルメッキにおいては、メッキ液中の酸素濃度がニッケルの析出に影響を及ぼす。溶存酸素の量が多いと、メッキ触媒の核となるコロイド状パラジウムがパラジウムカチオンに酸化され、液中に溶出したり、一度析出したニッケル表面が酸化されたりして、ニッケルの析出が抑制される。逆に、溶存酸素の量が少ないと、メッキ液の安定性が低下し、シリカ以外の場所にもニッケルの析出が起こりやすくなり、微細なニッケル粉の生成やこぶ状の析出物の生成が起こる。このため、メッキ液中の溶存酸素の量を1〜20ppmの間に管理することが好ましい。20ppmを超えると、メッキ速度の低下と未メッキ部の発生が認められるおそれがあり、1ppmより少ないと、こぶ状析出物の発生が認められる場合がある。
【0061】
このために、気体は、空気のような含酸素気体とアルゴンや窒素のような不活性気体を混合して用いるのがよい。粉体のメッキにおいては、しばしばメッキの開始が遅いが、一度メッキが開始されれば反応が暴走するという現象を起こすことがあるので、これを防止するために、例えば窒素を最初に用い、ニッケルメッキ反応が開始するのを確認後、空気に切り替えるということを行うことも効果的である。メッキ温度は35〜120℃、接触時間は1分〜16時間が好適に用いられる。より望ましくは40〜85℃で10〜60分で処理される。
【0062】
第4工程は、上記無電解ニッケルメッキ後、金メッキを行って、上記ニッケル層上に金メッキ層を形成する工程である。
【0063】
この場合、金メッキ液としては、電気メッキ液でも無電解メッキ液でもよく、公知の組成のもの或いは市販品を用いることができるが、無電解金メッキ液が好ましい。金メッキ方法としては、上述した常法に従って行うことができる。このとき、ニッケルの酸化されて不動態化した表面を希酸で除き、金メッキを行うことは効果的である。メッキ温度、接触時間は、ニッケルメッキの場合と同じである。
また、メッキの最後に、不要な界面活性剤を除くため、水洗を行うとよい。
【0064】
こうして得られたシリカは、シリカ−ケイ素系化合物−ニッケル−金という4層構造を持つ金属メッキシリカ粉末となる。
【0065】
ニッケル層の厚さは、好ましくは0.01〜10.0μm、特に好ましくは0.1〜2.0μmである。0.01μmより薄いと、シリカを完全に覆い、かつ十分な硬度や強度が得られにくくなる場合がある。また、10.0μmより厚いと、ニッケルの量が多くなり、かつ比重が高くなるため、配合時に高価となる。
【0066】
金層の厚さは、好ましくは0.001〜1.0μm、特に好ましくは0.01〜0.1μmである。0.001μm未満では、抵抗率が高くなるため、配合時に十分な導電性が得られにくくなるおそれがあり、また、1.0μmを超えると、金の量が多くなって高価となる。
【0067】
最後に、この金属メッキシリカ粉末をN2等の不活性気体下又はH2等の還元性気体存在下に200℃以上の温度で熱処理することが望ましい。処理条件は、通常200〜900℃、処理時間は1分〜24時間が好適に用いられる。より望ましくは250〜500℃で処理時間は30分〜4時間行うのがよい。これにより、粉体と金属間にあるケイ素系化合物はセラミックに変化し、より高い耐熱性と絶縁性と密着性を持つことになる。このときの雰囲気を水素のような還元系で行うことにより、金属中の酸化物を減少させ、ケイ素系化合物を安定な構造に変えることで、シリカと金属が強固に結合し、高い導電性を示す粉体を得ることができる。
【0068】
なお、このように水素還元系雰囲気で熱処理すると、ケイ素系化合物は主として炭化ケイ素のセラミックとなる。
【0069】
即ち、上記高温処理により、粉体と金属間にあるケイ素系化合物が部分的又は全部がセラミックに変化し、より高い耐熱性と絶縁性と密着性を持つことになる。
【0070】
上記金属メッキシリカ粉末は、シリコーンとの親和性を有する目的で各種アルコキシシラン、チタネート系処理剤、カーボンファンクショナルシラン、シラザン類、シラノール含有低分子シロキサン等で疎水処理を施してもよい。
【0071】
また、(C)成分と併用して、従来から知られている導電性カーボンブラック、導電性亜鉛華、導電性酸化チタン等の他の導電性無機物等の導電材や、増量剤としてシリコーンゴムパウダー、ベンガラ、炭酸カルシウム等の充填剤を添加してもよい。
【0072】
(C)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部に対し30〜700部であり、特に50〜600部が好ましい。配合量が30部未満では求める低抵抗値が得られない場合があり、700部を超えると加工性が悪く、射出成形が不可能になる場合がある。
【0073】
(D)成分は、本発明の組成物に接着性を付与するための成分であり、接着性を付与できるものであれば特に制限されない。接着助剤としてはシランカップリング剤やチタンカップリング剤等も使用できるが、本発明では1分子中にアルコキシ基及び/又はエポキシ基を1個以上含有する化合物、1分子中にSiH基、エポキシ基、アルコキシ基又はアルケニロキシ基から選ばれる互いに異なる2種以上の基を含有する有機ケイ素化合物、1分子中にSiH基と芳香環及び/又はカルボニル基をそれぞれ1個以上有する有機ケイ素化合物が好ましい。
【0074】
このようなものとしては、例えば下記(i)、(ii)、(iii)で示される有機ケイ素化合物が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
(i)1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上、更に好ましくは3個以上有する下記平均組成式(4)
R6 bR7 c(OR8)dSiO(4-b-c-d)/2 (4)
(式中、R6は非置換又は置換1価炭化水素基、R7は付加反応性又は縮合反応性の官能基を有する1価の有機基、R8は非置換又は置換1価炭化水素基を示し、b,c,dは、0≦b≦3、0≦c≦3、0<d≦4、0<b+c+d≦4を満足する数である。)
で示される有機ケイ素化合物。
(ii)1分子中にSiH基を少なくとも1個、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上含有する下記平均組成式(5)
R9 eHfSiO(4-e-f)/2 (5)
(式中、R9は置換1価炭化水素基を示し、e,fは0<e≦3、0<f≦3、1≦e+f<4を満足する数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンなどの有機ケイ素化合物。
(iii)1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上のSiH基を有し、かつ非置換又は置換の好ましくは2価又は3価の芳香環を1個以上、好ましくは1〜4個及び/又はカルボニル基を含有する有機ケイ素化合物。
【0075】
ここで、上記式(4)において、R6の非置換又は置換1価炭化水素基としては、脂肪族不飽和結合を除く炭素数1〜8のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの炭化水素基の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基で置換した、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換、シアノ基置換炭化水素などが挙げられる。
【0076】
R7の官能基を有する有機基としては、(メタ)アクリロキシプロピル基等のCH2=CR−COO(CH2)n−(Rは水素原子又はメチル基、nは1〜8の整数)で示される基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基、アミノプロピル基等のH2N−(CH2)n−(nは1〜8の整数)で示される基、メルカプトプロピル基等のHS(CH2)n−(nは1〜8の整数)で示される基、グリシジルオキシプロピル基等のG−(CH2)n−(nは1〜8の整数、ただし、Gは下記式で示されるエポキシ含有基である)などの付加反応性、縮合反応性の官能基を有する1価の基である。
【0077】
【化1】
【0078】
R8の非置換又は置換1価炭化水素基としては、炭素数1〜8のものが好ましく、R1と同様な基が挙げられるが、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、メトキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシメチル基等を挙げることができる。
【0079】
b,c,dは、0≦b≦3、好ましくは0≦b≦2、0≦c≦3、好ましくは0<c≦2、0<d≦4、好ましくは1≦d<4、より好ましくは2≦d≦3、0<b+c+d≦4、好ましくは1≦b+c+d≦3を満足する数である。
【0080】
即ち、この成分は、テトラアルコキシシラン等のテトラ(オルガノオキシ)シラン、オルガノトリアルコキシシラン等のオルガノトリ(オルガノオキシ)シラン、ジオルガノジアルコキシシラン等のジオルガノジ(オルガノオキシ)シラン、並びにこれらシラン化合物の部分加水分解縮合物として、ケイ素原子を2個乃至数個有するオルガノアルコキシシロキサン、ケイ素原子を2個乃至数個有するアルコキシシロキサン等のオルガノオキシ基含有シロキサンに分類される。オルガノアルコキシシロキサン、アルコキシシロキサン等のオルガノオキシ基含有シロキサンとしては直鎖状、環状、分岐状及び網状のいずれの構造を有するものであってもよく、また単一重合体でも共重合体であってもよいが、通常、常温で液体のものが好ましい。
【0081】
このような上記式(4)として具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン及びこれらのシランの1種又は2種以上の部分加水分解縮合物等が例示される。
【0082】
また、上記式(5)において、R9は、エポキシ基置換炭化水素基又はアルコキシ基もしくはアルケニロキシ基含有基である。
【0083】
エポキシ基置換炭化水素基としては、例えば上記式G−(CH2)n−で示されるアルキレン基等の2価炭化水素基を介してケイ素原子に結合したγ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等のエポキシ基等が挙げられる。また、アルコキシ基もしくはアルケニロキシ基含有基において、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基等の炭素数1〜4のものが挙げられ、アルケニロキシ基としては、ビニロキシ基、プロペニロキシ基、アリロキシ基等の炭素数2〜8のものが挙げられる。上記アルコキシ基もしくはアルケニロキシ基含有基としては、特に
−X−SiYyZz
(XはCOO基、CONH基、OCONH基、CO基、酸素原子の1又は2以上を介在してもよい炭素数1〜12のアルキレン基、Yはアルコキシ基又はアルケニロキシ基、Zは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、yは1,2又は3、zは0,1又は2であり、y+z=3である。)
で示されるものが好ましい。具体的にはγ−メチルジメトキシシリルプロピル基、γ−ジメチルメトキシシリルプロピル基、γ−トリメトキシシリルプロピル基、γ−トリエトキシシリルプロピル基等が例示される。
【0084】
なお、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)は、分子鎖末端のケイ素原子、即ち≡SiO1/2で示される1官能性シロキサン単位のケイ素原子に結合したものであってもよいが、望ましくは分子鎖途中のケイ素原子、即ち=SiO2/2で示される2官能性シロキサン単位のケイ素原子に結合したものであることが好ましい。
【0085】
上記式(5)において、e,fは0<e≦3、好ましくは1≦e≦2、0<f≦3、好ましくは0.1≦f≦1、1≦e+f<4、好ましくは1.6≦e+f≦3を満足する数であり、この式(5)の有機ケイ素化合物(オルガノポリシロキサン)は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
【0086】
この式(5)の有機ケイ素化合物の粘度は、25℃において好ましくは1〜1,000cp、特に好ましくは5〜200cp程度である。
具体的には、下記化合物を例示することができる。
【0087】
【化2】
【0088】
【化3】
(上記式中、xは1〜50の整数、yは1〜100の整数、zは1〜100の整数である。)
【0089】
次に、(iii)成分は、1分子中に少なくとも1個以上のSiH基を有し、かつ分子中のシロキサン骨格を形成するケイ素原子に結合した1〜3価の基として、フェニレン骨格等の非置換又は置換の好ましくは2価又は3価の芳香環を1個以上、好ましくは1〜4個有する及び/又はカルボニル基を有する有機ケイ素化合物である。
【0090】
なお、芳香環を有する1〜3価の基としては、エステル構造(−COO−)、エーテル酸素(−O−)を含有するものであってもよい。
【0091】
この2価又は3価の芳香環を有する又はカルボニル基を有する1〜3価の基としては、例えば下記の部分構造をもったものが挙げられる。
【0092】
【化4】
【0093】
具体的には、下記化合物を例示することができる。
【化5】
【0094】
【化6】
【0095】
なお、(ii)成分、(iii)成分の有機ケイ素化合物としては、分子中の部分構造として、例えば下記に示すような1〜3価の環状メチルハイドロジェンシロキサン構造を有するものが好ましい。
【0096】
【化7】
【0097】
(D)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部に対して0.1〜20部の範囲で添加するのがよく、0.1部未満では求める自己接着性が劣るものとなり、20部を超えると得られるゴム組成物の物性に悪影響を及ぼす可能性がある。好ましくは0.2〜15部である。
【0098】
次に、(E)成分の硬化剤について説明する。
本発明においては、上記成分を2本ロール、ハンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練機を用いて均一に混合し、必要に応じて常圧又は減圧下で加熱処理を施すことにより導電性シリコーンゴム組成物を得ることができ、この導電性シリコーンゴム組成物に適宜な硬化剤を配合して硬化させることで、安定した高導電性を有するゴム状弾性体を与える。この場合、硬化方法としては、有機過酸化物による硬化方法と付加架橋剤と触媒による付加硬化方法が採用される。
【0099】
有機過酸化物による硬化方法では、有機過酸化物系硬化剤が使用され、具体的にはベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物が好適に用いられる。
【0100】
これらの有機過酸化物は、単独で用いても2種類以上を併用してもよいが、これら有機過酸化物の添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部に対し0.1〜10部、特に0.2〜5部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋が不十分となる場合があり、多すぎても硬化速度の向上は望めない場合がある。
【0101】
付加反応による硬化方法では、硬化剤として分子中に2個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金金属系付加反応触媒からなる付加反応系硬化剤が使用される。この場合、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記一般式(6)
R10 gHhSiO(4-g-h)/2 (6)
(式中、R10は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。gは0.7〜2.1、hは0.002〜1、g+hは0.8〜3の正数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができる。
【0102】
上記式(6)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、R10はR1と同様であるが、脂肪族不飽和結合を有しないものであることが好ましく、特にメチル基が好ましい。gは0.7〜2.1、好ましくは1〜2、hは0.002〜1、好ましくは0.01〜0.9で、かつg+hは0.8〜3、好ましくは1.5〜2.8を満足する正数である。
【0103】
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、付加反応触媒の存在下において(A)成分に対する架橋剤として作用するものであり、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を有するものであり、このSiH基は分子鎖末端或いは分子鎖途中のいずれに位置するものであっても、また両方に位置するものであってもよい。
【0104】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体等を挙げることができる。上記式(6)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、その分子構造が直鎖状であっても、分岐状、環状或いは三次元網状構造を有するものであってもよい。分子量に特に限定はないが、常温で液体であることが好ましく、その粘度は25℃において0.1〜1,000センチポイズ、特に0.5〜500センチポイズであることが望ましい。
【0105】
なお、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法によって製造することができる。
【0106】
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部に対して0.1〜100部、好ましくは0.3〜50部、特に0.5〜20部であることが好ましい。配合量が少なすぎると架橋が不十分となる場合があり、多すぎても硬化速度の向上が望めない場合がある。
【0107】
特に、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH)が(A)成分のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基に対してモル比で0.3〜20モル/モル、好ましくは0.8〜3モル/モルとなるように配合することが好ましい。
【0108】
また、付加反応触媒としては、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート系の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等を使用することができる。付加反応触媒の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサンに対して白金、パラジウム又はロジウム金属として0.1〜2,000ppm、特に1〜500ppmの範囲が好ましい。
【0109】
本発明の導電性シリコーンゴム組成物には、上記主成分以外に任意成分としてトリアリルイソシアネート、アルキルマレエート、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール類及びシラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及びそれらの混合物からなる群から選ばれる化合物などの1種又は2種以上の付加反応制御剤等を本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。
【0110】
また、本発明の導電性シリコーンゴム組成物には、上記した成分以外に、撥水性、シール滑り性を付与する目的で非反応性のシリコーンオイル、例えば直鎖状のジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン、水酸基含有オルガノポリシロキサンを添加することができ、また、目的に応じて各種の添加剤、例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガン等の金属酸化物等を添加することができ、また目的とする特性を損なわない限り、顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤、反応制御剤等を添加してもよい。
【0111】
本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、上記した(A)〜(E)成分とその他の任意成分とを常温で均一に混合することによって製造することができるが、必要に応じて(D)成分を除いた成分をプラネタリーミキサーやニーダー等で100〜200℃の範囲で30分〜4時間、特に2〜4時間加熱処理し、その後(D)成分を混合して硬化成形することができる。成形方法は混合物の粘度により自由に選択でき、注入成形、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形等のいずれの方法を採用してもよい。その硬化条件は、通常80〜200℃にて3分〜3時間程度の時間で硬化させることが好ましい。
【0112】
この場合、本発明の組成物を液状とする場合は射出成形が有効に採用され、この点から組成物の粘度を25℃において300〜100,000ポイズ、特に1,000〜5,000ポイズの液状とすることが好ましい。ミラブルタイプとする場合は圧縮成形が有効に採用される。
【0113】
本発明においては、ステンレススチール、スチール、アルミニウム、銅等の金属、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂から選ばれる基材に、上記導電性シリコーンゴム組成物を硬化接着することにより、プライマーなしに上記基材と上記導電性シリコーンゴム組成物の硬化物とが直接一体に接合した物品、例えば各種電気製品の部品、電気の接点、シール材などを得ることができる。
【0114】
【発明の効果】
本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、体積抵抗が小さく、安定した抵抗値を示すことが可能で、優れたシリコーンゴムを与え、このシリコーンゴムは高導電用途に使用される電気製品の部品、電気の接点等に有用である。
【0115】
【実施例】
以下、合成例及び実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、部は重量部を示す。
【0116】
[合成例] 金属メッキシリカ粉末の合成
シリカのケイ素系化合物処理
シリカとして、球状シリカUS−10(三菱レーヨン(株)製;平均粒径10μm;比表面積0.4m2/g)を用いた。PPHS(フェニルハイドロジェンポリシラン)5gをトルエン65gに溶解させ、この溶液をUS−10 100gに加え、1時間撹拌し、スラリーにした。ロータリーエバポレーターにて、80℃の温度,45mmHgの圧力でトルエンを65g留去させ、乾燥させたところ、PPHS処理球状シリカが得られた。このPPHS処理球状シリカは、最後にローラー、ジェットミル等により解砕された。
【0117】
パラジウムコロイド析出シリカの製造
PPHS処理球状シリカは疎水化され、水に投入すると水表面に浮くようになる。界面活性剤としてサーフィノール504(日信化学工業(株)製界面活性剤)の0.5%水溶液50gに、上で得られたPPHS処理球状シリカ100gを投入し、撹拌して水中に分散させた。パラジウム処理は、上記シリカ−水分散体150gに対し、1%PdCl2水溶液を70g(塩化パラジウムとして0.7g、パラジウムとして0.4g)添加して、30分撹拌後、濾過し、水洗した。これらの処理により、シリカ表面はパラジウムコロイドが付着した黒灰色に着色したパラジウムコロイド析出シリカが得られた。このシリカは濾過により単離し、水洗後、直ちにメッキ化を行った。
【0118】
パラジウムコロイド析出シリカのニッケルメッキ化
ニッケルメッキ用還元液として、イオン交換水で希釈した次亜リン酸ナトリウム2.0M、酢酸ナトリウム1.0M、グリシン0.5Mの混合溶液100gを用いた。パラジウムコロイド析出シリカをKS−538(信越化学工業(株)製消泡剤)0.5gと共にニッケルメッキ還元液中に分散させた。激しく撹拌しながら液温を室温から65℃に上げた。イオン交換水で希釈した水酸化ナトリウム2.0Mを空気ガスにより同伴させながら滴下し、同時にイオン交換水で希釈した硫酸ニッケル1.0Mを窒素ガスにより同伴させながら、還元液中に滴下した。これにより、細かい発泡と共にシリカが黒色となり、シリカ表面全面に金属ニッケルが析出した。
【0119】
ニッケルメッキシリカの金メッキ化
金メッキ液として高純度化学研究所製金メッキ液K−24N100gを希釈せず用いた。全面に金属ニッケルが析出したシリカを金メッキ液中に分散させた。激しく撹拌しながら液温を室温から95℃に上げると、細かい発泡と共にシリカが金色となり、シリカ表面に金が析出した。
メッキ水底に沈殿したシリカは、濾過、水洗、乾燥(50℃で30分)の後、水素で置換された電気炉で300℃で1時間焼成した。実体顕微鏡観察により、シリカ全表面が金により覆われたシリカが得られていることがわかった。このシリカは、IPC分析により、パラジウム、ニッケル、金が検出された。
【0120】
シリカ−ケイ素系化合物−ニッケル−金構造を持つ導電性シリカの同定
金メッキシリカは、エポキシ樹脂(アラルダイトA/B)に混合後、硬化させ、その切片を電子顕微鏡にて観察したところ、シリカ部と複相メッキ部の2層構造が確認された。
また、この金メッキシリカを、オージェ電子分光分析により、表面をイオンエッチングしながら深さ方向に存在する構成元素を分析したところ、深さ方向に金層、ニッケル層、ケイ素系化合物層(炭素とケイ素含有層)、シリカ層の4層構造を形成していることが明らかとなった。顕微鏡により観察した外観は黄色、比重は3.5で、各層の厚みは、金層0.03μm、ニッケル層0.25μmであった。
【0121】
シリカ−ケイ素系化合物−ニッケル−金構造を持つ導電性シリカの特性
金メッキシリカの抵抗率は、4端子を持つ円筒状のセルに金メッキシリカを充填し、両末端の面積0.2cm2の端子からSMU−257(ケースレ社製電流源)より1〜10mAの電流を流し、円筒の中央部に0.2cm離して設置した端子から2000型ケースレ社製ナノボルトメーターで電圧降下を測定することで求めた。抵抗率は2.2mΩ・cmであった。このシリカを乳鉢に入れ、1分間すり潰し、熱処理(200℃,4時間)後の変化を調べたところ、外観、抵抗率の変化はなかった。
【0122】
[参考例1]
(A)成分として両末端がそれぞれトリビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が1,000cpsのジメチルポリシロキサン(a)と両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が1,000cpsのジメチルポリシロキサン(b)、(B)成分のシリカ微粉末として乾式シリカ(R−972、日本アエロジル社製、BET比表面積130m2/g、(C)成分の平均粒径8μmの銀粉末を配合し、室温でプラネタリーミキサーにて2時間撹拌混合し、その後に(E)成分としてジクミルパーオキサイドを加え、(D)成分として下記式(7)の化合物を加え、室温にて均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165℃で10分間加熱硬化させ、80mm×80mm×2mm(厚み)のシリコーンゴムシートを得た。得られたシートの体積抵抗率、また各接着用基体との接着性を下記のように測定した。結果を表1に示す。
【0123】
【化8】
【0124】
[参考例2]
(A)成分として両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が1,000cpsのジメチルポリシロキサン(c)、参考例1に記載の(B)、(C)成分を同様にして配合し、2時間撹拌混合し、その後に、(E)成分として下記式(8)で示されるジメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールを加え、(D)成分として上記式(7)の化合物を加え、均一に混合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165℃で10分間加熱硬化してそれぞれ80mm×80mm×2mm(厚み)のシリコーンゴムシートを得た。得られたシートの体積抵抗率を測定した。また各接着用基体との接着性を下記のように測定した。結果を表1に示す。
【0125】
【化9】
【0126】
[実施例1]
参考例1に記載の(C)成分を上記合成例1に示した金メッキシリカ粉末を使用した以外は、参考例1と同成分を室温にて均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165℃で10分間加熱硬化させた後、参考例1と同様のシートを得て、同様の測定をした。結果を表1に示す。
【0127】
[参考例3]
参考例1に記載の(D)成分として、下記式(9)のものを使用した以外は、参考例1と同成分を室温にて均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165℃で10分間加熱硬化して、参考例1と同様のシートを得て、同様の測定をした。結果を表1に示す。
【0128】
【化10】
【0129】
[参考例4]
参考例1に記載の(D)成分として下記式(10)のものを使用した以外は、参考例1と同成分を室温にて均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165℃で10分間加熱硬化して、参考例1と同様のシートを得て、同様の測定をした。結果を表1に示す。
【0130】
【化11】
【0131】
[参考例5]
参考例2に記載の(D)成分として下記式(11)のものを使用した以外は、参考例2と同成分を使用し、同様の方法にてシリコーンゴム組成物を得た。この組成物を用いて同様の方法でシートを得、同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0132】
【化12】
【0133】
[参考例6]
参考例1に記載の(C)成分の導電性付与剤の基材のシリカを1次粒子が平均粒径20nmの酸化アルミニウム(OxideC、日本アエロジル社製商品名)に変更した以外は上記合成例と同様の手法によりニッケル−金構造を持つ金属メッキアルミナを得たものを使用した以外は、参考例1と同成分を室温にて均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165℃で10分間加熱硬化して、参考例1と同様のシートを得て、同様の測定をした。結果を表1に示す。
【0134】
[参考例7]
参考例1に記載の(C)成分の導電性付与剤の基材のシリカを1μmの球状ポリメチルメタクリレート樹脂に変更した以外は上記合成例と同様の手法によりニッケル−金構造を持つ金属メッキ樹脂を得たものを使用した以外は、参考例1と同成分を室温にて均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165℃で10分間加熱硬化して、参考例1と同様のシートを得て、同様の測定をした。結果を表1に示す。
【0135】
[比較例1]
参考例1の(D)成分を除いた以外は、表1に示す成分を使用し、シリコーンゴムシートを得て、同様の測定をした。結果を表1に示す。
【0136】
【表1】
注:接着性は接着基材とシリコーン組成物をプレスで一体成型し、硬化物を得た
後に、180°ピール剥離することにより確認し、下記基準で評価した。
○:ゴム破壊100%
△:ゴム破壊と界面剥離混在
×:界面剥離
【0137】
表1の結果より、本発明のシリコーンゴム組成物は、高導電性に優れかつプライマーなどを使用せずに一体成型による樹脂、金属等の基体と接着が可能であり、生産性が向上し、製造コストを低減できるものである。
Claims (9)
- (A)1分子中に2個以上の脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)シリカ微粉末 0.1〜100重量部、
(C)シリカ上にニッケル層を介して金層が形成された構造を有する導電性シリカ粉体
30〜700重量部、
(D)接着助剤 0.1〜20重量部、
(E)上記(A)成分の硬化剤 上記(A)成分を硬化させ得る量
を含有することを特徴とする接着性に優れた導電性シリコーンゴム組成物。 - (C)成分が、シリカ表面に形成された還元性を有するケイ素系化合物の層又は該層に由来するセラミックの層上にニッケル層が形成され、更にその上に金層が形成されたものである請求項1記載の組成物。
- (D)成分が、1分子中にアルコキシ基及び/又はエポキシ基を1個以上含有する化合物である請求項1又は2記載の組成物。
- (D)成分が、1分子中にSiH基、エポキシ基、アルコキシ基又はアルケニロキシ基から選ばれる互いに異なる少なくとも2つの基を含有する有機ケイ素化合物である請求項1又は2記載の組成物。
- (D)成分が、1分子中にSiH基と芳香環及び/又はカルボニル基を有する基をそれぞれ1個以上有する有機ケイ素化合物である請求項1又は2記載の組成物。
- (D)成分として、下記(i)、(ii)、(iii)
(i)1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個有する下記平均組成式(4)
R6 bR7 c(OR8)dSiO(4-b-c-d)/2 (4)
(式中、R6は非置換又は置換1価炭化水素基、R7は付加反応性又は縮合反応性の官能基を有する1価の有機基、R8は非置換又は置換1価炭化水素基を示し、b,c,dは、0≦b≦3、0≦c≦3、0<d≦4、0<b+c+d≦4を満足する数である。)
で示される有機ケイ素化合物、
(ii)1分子中にSiH基を少なくとも1個含有する下記平均組成式(5)
R9 eHfSiO(4-e-f)/2 (5)
(式中、R9はエポキシ基置換1価炭化水素基又はアルコキシ基もしくはアルケニロキシ基含有基を示し、e,fは0<e≦3、0<f≦3、1≦e+f<4を満足する数である。)
で示される有機ケイ素化合物、
(iii)1分子中に少なくとも1個のSiH基を有し、かつ非置換又は置換の2価又は3価の芳香環を1個以上及び/又はカルボニル基を含有する有機ケイ素化合物
から選ばれる有機ケイ素化合物の1種又は2種を配合する請求項1又は2記載の組成物。 - (E)成分の硬化剤が、有機過酸化物である請求項1乃至6のいずれか1項記載の組成物。
- (E)成分の硬化剤が、1分子中に2個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金属金属系触媒とからなる付加反応系硬化剤である請求項1乃至6のいずれか1項記載の組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項記載の導電性シリコーンゴム組成物を金属及び樹脂から選ばれる基材にプライマーなしに硬化接着することにより得られた、上記組成物の硬化物と基材とが一体化した物品。
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