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JP3706066B2 - ゴルフボールの層間の結合を促進するための処理及びゴルフボール - Google Patents
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JP3706066B2 - ゴルフボールの層間の結合を促進するための処理及びゴルフボール - Google Patents

ゴルフボールの層間の結合を促進するための処理及びゴルフボール Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
この発明は、多層ゴルフボールの1以上の層を処理して、その層間の結合を促進する方法、及びその層処理の結果製造されるゴルフボールに関する。
発明の背景
ゴルフボールは、2つの一般的なタイプ又はグループ:a)固体ゴルフボール及びb)糸巻きボール;に分類される。これら異なるタイプの構成に起因するプレイ特性の相異は非常に重要である。固体ゴルフボールはワンピース又は多層でよいが、糸巻きボールは、常に少なくとも中心層、糸巻き層、及びカバーという少なくとも3層を有する。
【0002】
ツーピース構成の固体ゴルフボールは、プレイ中に長い飛距離を達成可能な耐久性ボールを提供するので、一般に、娯楽としてのゴルファーに最も人気がある。ツーピースは、典型的には、通常架橋ゴムで形成され、カバー材料で包まれた単一の固体コアから製造される。典型的には、固体コアは不飽和脂肪酸の金属塩及び/又は同様の架橋剤で化学的に架橋されたポリブタジエンから製造される。カバーは、典型的には、E.I.DuPont de Nemoures of Wilmington,DEによって市販されているアイオノマー樹脂であるSURLYN(登録商標)樹脂、又はExxon Corporationによって市販されているIOTEK(登録商標)のようなアイオノマー及び他の熱可塑性プラスチックとアイオノマーのブレンドである。
3層以上の固体ゴルフボールは、製造に費用がかかるが、しばしばプレイ特性を改良する。このようなボールは、通常、マントル層としても知られる1以上の中間層が同心的に周囲に配置されているゴムベースの球状中心を有する。1以上のカバー層は、通常、ツーピースゴルフボールと同様に、その中間層の周囲に同心的に配置される。
【0003】
糸巻きボールは、典型的には、固体又は充填された液体の中心を有し、その回りに引張られたエラストマー材料(すなわち引伸ばされた弾性糸)が巻かれてコアが形成される。その糸巻きコアは、固体ゴルフボールについて上述したのと同様であるが、典型的にはバラタ(トランス−ポリイソプレン)やウレタンをも含むカバー材料でカバーされる。しかし、スリーピース多層固体ゴルフボールと同様に、糸巻きボールのさらに複雑な構造のため、ツーピースボールに比し、より長い製造時間及びより多くの製造費用がかかってしまう。
【0004】
固体多層ボールを作るのに共通した困難さは、外層の材料が内層に使用される材料と十分にうまく結合しないことである。このため、特にゴルフボールをクラブで打つときに層分離が生じ、プレイ性能及びゴルフボールの外観に有害な影響を及ぼしかねない。さらに、カバーが切断若しくは破損された場合、層間の不十分な結合が、さらにカバーを分解させ、ボールの層を完全に分裂しさえする傾向がある。
ポリマー表面を改良する用途で種々のタイプの表面処理技術が知られている。これら技術としては、機械的摩耗;エッチングのような化学的摩耗;及びコロナ処理としても知られる高圧静電気的放電が挙げられる。例えば、米国特許第5,466,424号(コロナ放電表面処理方法)及びStobbe,Bruce,「コロナ処理101」,Label and Narrow Web Indus.,5月-6月,1996を参照せよ。
【0005】
ポリマー表面を改良する1つの方法は、プラズマ処理である。一般に、種々の形態及びタイプのポリマーのプラズマ処理が周知である。例えば、Kaplan,S.L.,「再生エンジニアリングフィルムの冷気体プラズマ処理」,Paper Film Foil Converter,71(6)6月,1997;Rose,P.ら,「冷気体プラズマによるプラスチック表面の処理」,Plasitics Engineering,pp.41-45(10月,1985)を参照せよ。プラズマ処理は、通常処理すべき材料の表面を酸化する。例えば、米国特許第5,387,842号は、5cmまでの間隔の1対の平行の絶縁された金属プレート電極間の体積内で生成される定常状態のグロー放電プラズマ及び1〜100KHzにおける1〜5KVのrms電位で励起されるRFについて開示している。この電極は、空気以外の希ガスのような大気を電極表面間に保持可能な包囲体内に配置されると開示されている。米国特許第5,316,739号及び米国特許第5,098,483号(球面の処理方法)も参照せよ。
【0006】
米国特許第5,414,324号は、同様の平行プレート装置及び方法であるが、コロナ放電としても知られる大気圧で安定した均一のグロー放電を生じるように調整されたインピーダンス整合ネットワークで電極を荷電する装置及び方法を開示している。
米国特許第5,403,453号及び第5,456,972号は、ヘリウム又はアルゴンの変性気体雰囲気中実質的に大気圧に維持されたグロー放電プラズマにさらすことによって、非破壊的に表面処理して水和性を改良することのできる、フィルム及び布のようなポリマー材料を開示している。
米国特許第4,919,434号は、内側カバー層と外側カバー層を含み、それぞれ熱可塑性樹脂を含むカバーを有するゴルフボールを開示している。好ましくは、これら層は、相互に融解結合して適切に層が一緒に接着可能な材料で製造される。
【0007】
日本国特許書類第60215374号は、合成樹脂製のゴルフボールであって、該ゴルフボールカバーの表面をマイクロ波プラズマ処理に供して、その薄いコーティング層の、衝撃又は屈曲疲れに対する耐剥離性を改良したゴルフボールを開示している。この方法は、10〜24時間という処理時間を数分にまで大きく減少させると開示されている。
米国特許第4,613,403号は、バラタ樹脂、熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂等から製造されるゴルフボールの表面を、重合不能な気体プラズマで処理し、引き続きボールの表面を該プラズマにさらすように適合させた装置で、通常のコーティングを施す方法を開示している。この方法は、ゴルフボール上のコーティングをハード-剥脱性、すなわちより表面損傷抵抗性にすると主張している。
【0008】
米国特許第5,286,532号は、仕上げコーティングの前に大気圧プラズマでゴルフボールを表面処理して、ゴルフボールにコーティングをよく接着させ、コーティングは変色や劣化に対して非常に耐性であるというゴルフボールの製造方法を開示している。
しかし、これら参照文献は、多層ボール内の1以上の内部層、すなわち表面上以外を処理して、改良された耐久性及び低ドライバースピンや高初速のような許容可能なプレイ特性を有するゴルフボールを提供する方法については開示していない。従って、ゴルフボール自体も新規である、このような多層ゴルフボールを製造可能な方法を提供することが望ましい。
【0009】
発明の概要
本発明は、その接着を強めるために十分に処理された外表面を有するコアと、少なくとも約0.2mm(約0.007インチ)の厚さ及び複数のディンプルを有するカバー層とを含むゴルフボールであって、カバー層がコアの周囲に同心的に配置され、かつ処理された表面でコアに結合されており、かつ実質的に接着剤が無いゴルフボールに関する。詳細には、その表面は、気体をプラズマ状態に励起し、その気体を、表面の接着能力を高めて隣接層との結合を強化又は促進するのに十分な条件下で、処理すべき表面に施すことによって処理される。表面は、エッチングのような化学的手段によって処理しても接着能力が高められる。
【0010】
一実施形態では、本発明は、その隣接層に対する接着を強めるためにコロナ放電処理された外表面を有するコアと、少なくとも約0.2mm(約0.007インチ)の厚さ及び複数のディンプルを有するカバー層とを含むゴルフボールであって、カバー層がコアの周囲に同心的に配置され、かつその処理された外表面でコアに結合されているゴルフボールに関する。
他の実施形態では、本発明は、プラズマ処理された表面を有するコアと、少なくとも約0.2mm(約0.007インチ)の厚さ及び複数のディンプルを有するカバー層とを含むゴルフボールであって、カバー層がコアの周囲に同心的に配置されて、コアに結合されているゴルフボールに関する。プラズマ処理は、低圧プラズマ処理又はコロナ放電処理の少なくとも1種を含み、後者は、通常大気圧又はその周辺で行われる。これらタイプのいずれの表面処理も、以下の実施形態のいずれとも併用してよいことは、理解されるべきである。
【0011】
任意であるが、好ましくは、カバー層は、コアとカバー層との間に接着剤を必要とせずに、コアの周囲に配置される。一実施形態では、ボールは、3以上の層を含む;ディンプルを有するカバー層が、2以上の層で作られたコア上に配置されることは理解されるべきである。このように、コアと、内側カバー層及び外側カバー層を含むカバー層とを有するゴルフボールで、しばしば「内側カバー層」と呼ばれるのは、ここでは、ディンプルを有するカバー層が周囲に配置されているコアの最外層であると理解されるべきである。
ここで、用語「カバー」及び「カバー層」は、ディンプルを含むゴルフボールの最外層を意味する。ペンキ、ラッカー等のようないずれの所望タイプのコーティングも、カバー層の周囲、すなわちゴルフボールの周囲に、当業者に公知の様式で配置することができる。ここで、用語「コア」は、周囲にカバー層が配置される、ゴルフボールの1以上の層を意味する。ここで、外側、特に最も外側のコア層は、熱硬化性ゴム組成物、熱可塑性樹脂等のいずれかで構成されうる。
【0012】
一実施形態では、コアは単一の層を有する。他の実施形態では、コアは、中心と、その中心の周囲に配置された中間層とを含む。中心とカバー層との間に、いかなる数の任意の中間層を配置してもよい。好ましい実施形態では、コアは、中心と、その中心の周囲に配置されるた少なくとも1の中間層を含み、その最も外側の中間層は、例えば低圧プラズマ処理又はコロナ放電処理によって処理されて、コアへのカバー層の接着を促進する。さらに好ましい実施形態では、2層の中間層がある。
【0013】
他の実施形態では、コアは中心と、その中心の周囲に配置された少なくとも1の中間層を含み、少なくとも1の中間層は、隣接層に対する結合を促進するように処理される。好ましくは、カバー層に隣接する中間層は、コアの最も外側の中間層とカバーとの間の結合を促進するように処理される。他の実施形態では、中間層の少なくとも1層は、少なくとも約340MPa(約50,000psi)の曲げモジュラスを有する材料を含み、かつカバー層は、約1.1mm(約0.045インチ)未満の厚さを有し、かつ熱硬化性材料又は熱可塑性材料の少なくとも1種を含む。好ましい実施形態では、カバー層は、約0.36〜1.0mm(約0.014〜0.04インチ)の厚さを有する。
【0014】
さらに別の実施形態では、カバー層は約75未満のショアD硬度を有する。好ましい実施形態では、カバー層は約40〜65のショアD硬度を有する。別の実施形態では、中間層及びカバー層の少なくとも1層は、約340〜830MPa(約50,000〜120,000psi)の曲げモジュラスを有する。別の実施形態では、処理された表面は、約4N/m2〜7N/m2(約40ダイン/cm2〜70ダイン/cm2)の表面エネルギーを有する材料を含む。別の実施形態では、カバー層に隣接する中間層は、少なくとも約50のショアD硬度を有する。好ましい実施形態では、その中間層は、約65〜74のショアD硬度を有する。
【0015】
一実施形態では、カバー層としては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリスルフィドゴム、ポリウレア、ポリエステル、エポキシ樹脂、及びそれらの混合物からなる群より選択される上述したような熱硬化性材料のような、当業者に公知のいずれの好適な材料も挙げられる。好ましい実施形態では、カバーは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、コポリ(エーテル−エステル)、コポリ(エステル−エステル)、ポリアミド、コポリ(ウレタン−エステル)、コポリ(ウレタン−エーテル)、ポリアクリレート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー又はエチレン−プロピレン加硫コポリマーゴム、ポリカーボネート、及びそれらの混合物からなる群より選択される材料である熱可塑性材料を含む。
【0016】
他の実施形態では、カバーに最も近接する中間層は、アイオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエステル、加硫エラストマー、官能化スチレンブタジエンエラストマー、メタロセンポリマー、ポリアミド、又はアクリロニトリルブタジエン−スチレンコポリマー、又はそれらのブレンドを含む。
一実施形態では、カバー層に隣接する中間層の外径は、約42.32mm(約1.666インチ)未満である。他の実施形態では、コアは、中心と、その中心の周囲に漸次同心的に配置された少なくとも2層の中間層とを含む。さらに別の実施形態では、中心は固体、中空体、又は充填液体でよい。他の実施形態では、少なくとも1層の中間層は、1本の引張られたエラストマー材料を含む。一実施形態では、ゴルフボールは、カバーと処理された表面との間に実質的に接着剤が無い。
【0017】
本発明は、中心層と、この中心層の周囲に同心的に配置された少なくとも2層の中間層とを有するコアと、このコアの周囲に同心的に配置されたカバーとを含むゴルフボールであって、コア層の少なくとも1層が、その周囲に結合された隣接層との界面で処理されているゴルフボールをも包含する。
【0018】
本発明のゴルフボールは、例えば、ゴルフボールの少なくとも1層を形成し、この少なくとも1層の最も外側の表面を大気圧で処理し、かつその少なくとも1層の周囲に同心的にカバー層の少なくとも一部分を結合して、少なくとも約0.2mm(約0.007インチ)の厚さ及び複数のディンプルを有するカバー層を形成することによって製造することができる。好ましい実施形態では、該処理は、プラズマ状態に励起された気体を、処理すべき表面に施すことによって達成される。さらに好ましい実施形態では、気体がRFエネルギー、電子ビーム、マイクロ波、放電、又は当業者に公知の他の適切な方法によってプラズマ状態に励起される。実際には、1番目又は2番目の方法が使用される。1番目の方法は、処理すべき表面がプラズマフィールドに置かれる場合を含み、一方2番目の方法は、プラズマがブローされ、又は別のやりかたで、処理すべき表面上に移動される場合を含む。
【0019】
好ましい実施形態では、プラズマ処理が行われる圧力は大気圧以下である。他の実施形態では、その少なくとも1層はコアを含む。好ましい実施形態では、コアは、中心と、この中心の周囲に配置された少なくとも1層の処理された中間層とを含む。さらに好ましい実施形態では、その少なくとも1層は、さらに、処理された第1中間層の外側に隣接して配置された第2中間層を含む。他の実施形態では、その第2中間層も処理され、かつ中心と、処理された第1中間層との間に配置される。
【0020】
一実施形態では、処理された層に結合されるカバー材料の部分は熱硬化性材料を含む。別の実施形態では、カバー材料のその部分は、反応性液体材料を鋳込むことにより、又は圧縮若しくは射出成形によって製造されるが、好ましくは鋳込法によって製造される。さらに他の実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1層の最も外側の表面の少なくとも一部分を機械的に摩耗することを含む。別の実施形態では、その少なくとも1層は、処理前、約5N/m2(約50ダイン/cm2)未満の表面エネルギーを有する。好ましい実施形態では、処理される層及びその層に結合される隣接層は、異なる材料を含む。
本発明のさらなる特徴及び利点は、図面と共に与えられる以下の詳細な説明によって確認することができる。
【0021】
発明の詳細な説明
今や、多層ゴルフボール、すなわち2以上の層間の結合が改良された2以上の層を有するゴルフボールは、1以上のこのような層の少なくとも一部分の表面を、通常その層の表面で処理することによって達成できることが見出された。その処理された表面は、最終的には、その表面の周囲に配置される、複数のディンプルを有するカバーのあるゴルフボール内に配置される。処理は、処理層の隣接面への接着を改良或いは促進するいずれの化学的又は機械的方法をも含み、典型的には低圧プラズマ処理、コロナ放電処理、化学的エッチング等による。好ましくは、処理は、低圧プラズマ処理又はコロナ放電処理の少なくとも1種を含む。これは、有利なことに、例えば、カバーとコアとの間の結合が改良されて、カバーの分解を阻止し、好ましくは、結合された、すなわち処理された層の剥離又は分裂を阻止又は防止することにより、繰返しのインパクト時でさえ、カバーとコアの離層が低減されるという結果になる。このように、本発明に従って製造されたゴルフボールは、改良された耐久性及び/又はプレイ特性を備え、クラブによる打撃時の分解を阻止する。
【0022】
本発明の改良された方法及びゴルフボールは、ゴルフボール中心、又は中間層、例えばコアとカバー層との間の界面を形成する最も外側の中間層のうち少なくとも1層の表面の少なくとも一部分を処理することによって提供される。その処理は、処理層とその周囲に配置される層との間の界面における接着剤の使用を減じ又は回避するのに十分であるべきである。理論に束縛されるものではないが、プラズマ処理、例えば低圧プラズマ処理及びコロナ放電処理は、処理すべき材料の酸化によってその低分子量部分を除去し、かつその表面化学を改変させて原子レベルで接着を促進すると考えられる。
【0023】
いずれの適切な形態の処理を使用しても、ゴルフボール内のこれら層界面の1つ以上を結合し易くすることができる。この処理は、好ましくは低表面エネルギーを有する層の少なくとも一部分に与えられる。処理にプラズマ処理が含まれる場合、該処理は、通常約0℃から100℃、好ましくは約20℃〜90℃、さらに好ましくは約30℃〜80℃の低温で気体を用いて供される。このような低温は、処理されるゴルフボール表面の望ましくない変化又は熱分解を有利に阻止する。この表面は、通常高温で分解又は変性されうる材料を含んでいる。プラズマ処理はいずれの圧力で行ってもよいが、好ましい実施形態では、プラズマ処理は大気圧以下で行われ、すなわち低圧プラズマ処理である。この実施形態では、圧力は、好ましくは約1.3〜1300Pa(約0.01〜10トル)、さらに好ましくは約6.7〜130Pa(約0.05〜1トル)、最も好ましくは約11〜53Pa(約0.08〜0.4トル)の圧力である。
【0024】
プラズマ処理に適するいずれの気体も使用できる。プラズマ処理で通常使用される気体としては、空気、酸素、窒素、アルゴン、アンモニア、又はヘリウムが挙げられる。好ましくは、気体は酸素又は空気であり、さらに好ましくは、気体は酸素である。本発明のプラズマ処理は、処理される表面の接着を強めるのに十分な適宜の時間行うべきである。しかし、好ましくは、処理時間は約30分未満、さらに好ましくは約20分未満、最も好ましくは約10分未満である。
【0025】
いずれのエネルギー源も、本発明のプラズマ処理を促進するのに適する。しかし、好ましくは、エネルギー源としては、直流、低周波電流、高周波電流、高周波、及びマイクロ波電気が挙げられる。さらに好ましくは約1kHzより大きい、好ましくは約1MHzより大きい、さらに好ましくは約1MHz〜50MHzの高周波エネルギーを使用して、プラズマ処理用の気体を荷電する。処理されるゴルフボールの部分の表面にプラズマ処理が為される高周波の例は、13.56MHZである。
【0026】
一実施形態では、処理される層の少なくとも一部分が、機械的摩耗によってのように、1種以上の付加的方法によっても処理される。この付加的摩耗は、該処理と同時でもよく、或いはいずれの順番でも、例えば機械的摩耗に次いで低圧プラズマ又はコロナ放電のような処理を順次行ってもよい。特に、ボールの層の少なくとも一部分は、プラズマ及び機械的摩耗の両方で処理されうる。振動タンブリングは機械的摩耗の一形態であり、研磨粒子を含む媒体で、処理すべき表面を撹拌することによって達成され、当業者には周知である。この実施形態では、処理及び機械的摩耗は、好ましくは同時である。本発明の好ましい実施形態では、ゴルフボールの層の少なくとも一部分がサンドブラストされ、それから低圧プラズマ処理、コロナ放電処理、又は化学的処理のうちの少なくとも1種で処理される。
【0027】
ゴルフボール内の表面を処理するために、ここに記載された低圧プラズマ処理に代えてコロナ放電処理が使用される場合、それは通常周囲圧力で行われる。「プラズマ処理」が、低圧プラズマ処理又はコロナ放電処理のどちらかを含みうることは理解されるべきである。コロナ放電は、当業者に周知であり、本明細書の開示に基づく本発明の用途に容易に適応できる。コロナ放電は、通常放電に伴って生じ、放電領域内の酸素又は他の気体分子をその原子形態に解離し、それらを遊離させて処理物品の表面の分子上に結合させる。処理が低圧プラズマ処理のみで行われ、又はコロナ放電のみで行われ、又は層表面の1種以上の異なる好適な摩耗方法を併用して、これら2つの処理の1種で行われようと、コアの表面又はコア中の層の表面を摩耗するための処理の使用は、処理層と隣接層の接着を高めるために好ましいことは理解されるべきである。
【0028】
ゴルフボール内の表面を処理するためにここに記載されたような本発明の他の処理に代えて、又はその処理に加えて、エッチングのような化学的摩耗が使用される場合、それは通常周囲圧力で行われる。いずれの従来のエッチング薬品を使用しても、ゴルフボール内の表面をエッチングして、その処理表面と隣接層との間の接着を高めることができる。
少なくとも1層が本発明に従って処理されている層間の界面の少なくとも一部分の接着が改良された、本発明によって製造されるゴルフボールは、今や、鋳込み可能な反応性液体から生成される比較的軟らかい熱硬化性材料の薄層を有する構成を備えることができる。ここで、用語「熱硬化性」材料は、2種以上の前駆材料の反応生成物である架橋ポリマーを意味し、例えばポリウレタンである。
【0029】
本発明によって製造されるボールは、本発明によって処理可能ないずれの材料からも製造でき、好ましくはオレフィンポリマー、アイオノマーポリマー、又はその両方、並びに他の低表面エネルギー材料である。当業者は、このような材料に適用される用語「低表面エネルギー材料」が、典型的には処理前に約5N/m2(約50ダイン/cm2)未満、通常約2.5〜4.5N/m2(約25〜40ダイン/cm2)未満の表面エネルギーを有する材料を意味することを理解しており、かつこのような技術者は、ゴルフボールに好適な種々の材料を周知しており、それらの多くは本発明によって処理可能である。例えば、SURLYN材料は、通常約3.4N/m2(約34ダイン/cm2)の表面エネルギーを有する。本発明の好ましい実施形態では、層の表面エネルギーが、本発明の処理後に少なくとも約0.2N/m2(約2ダイン/cm2)だけ、好ましくは少なくとも約0.5N/m2(約5ダイン/cm2)だけ、さらに好ましくは少なくとも約1N/m2(約10ダイン/cm2)だけ高められて、隣接層との結合が促進される。好適な材料の例は、本発明の好ましい実施形態と共に後述されるが、当然に、いずれの組合せで材料を使用しても本発明の他の好適なゴルフボールを提供できる。
【0030】
一実施形態では、本発明により製造されるゴルフボールは、コアと、カバー層とを含む多層ゴルフボールである。コアは、固体、中空体、又は充填液体でよい。詳細には、カバー層が約1.1mm(0.045インチ)以下、好ましくは約0.2〜1mm(約0.007〜0.04インチ)の厚さを有すべきであることがわかった。最も好ましくは、このカバー厚は、約0.36〜0.76mm(約0.014〜0.03インチ)である。
この実施形態のカバー層は、好ましくは比較的軟らかい熱硬化性材料から製造され、本発明のボールがショートアイアンショットのために使用される場合、バラタボールのソフトな感触と高スピンプレイ特性を模写する。特に、この実施形態のカバー層は、約40〜80、好ましくは約45〜70、さらに好ましくは約50〜65のショアD硬度を有すべきである。さらに、この薄いカバー層の材料は、本発明に従って剪断及び剥離に対する抵抗度を備えており、ゴルフボールカバーとして該材料を使用することをさらに好適にしている。
【0031】
この実施形態のカバー層は、反応性液体材料から生成されるいずれの適宜の熱硬化性材料も含むことができる。好適な熱硬化性材料としては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、ポリスルフィドゴム、ポリウレア、ポリエステル、エポキシ樹脂、及びそれらのいずれかのコポリマー又は混合物(例えば、ウレタンアイオノマー、ウレタンエポキシ)が挙げられる。カバー層に好適な材料としては、限定するものではないが、熱硬化性ウレタンアイオノマー及び熱硬化性ウレタンエポキシを含む、鋳込み可能な熱硬化性ウレタンが挙げられる。好適なウレタンアイオノマーの例は、米国特許第5,692,974号に開示されている。数種の他の好適なウレタンは、米国特許第5,334,673号;第5,484,870号;第5,733,428号;第5,888,437号;及び第5,908,358号に開示されている。これらウレタン特許の開示は、それに対する明白な参照によって、その全体が本明細書に取り込まれる。
【0032】
熱硬化性ポリウレタン及びウレタンは、本発明のこの実施形態のカバー層での使用に特に好ましい。ポリウレタンは、ポリオール又はジアミンと、ジイソシアネートとの反応生成物である。
慣習的に、熱硬化性ポリウレタンは、2,4-トルエンジイソシアネート(TDI)又はメチレンビス-(4-シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI)のようなジイソシアネートと、メチレンジアニリン(MDA)のようなポリアミンで硬化されるポリオール、又はトリメチロールプロパンのような3官能性グリコール、又はN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンのような4官能性グリコールとを用いて調製される。1つの好ましいカバー配合は、4,4'-ジフェニルメタン-ジイソシアネート(MDI)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEGポリオール)、及びポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート(例えば、POLAMINE 250又はVERSALINK P-250として商業的に入手可能)の反応生成物である。しかし、本発明は、これら特定タイプの熱硬化性ウレタンに限定されない。全く反対に、いずれの好適な熱硬化性ポリウレタンを利用しても、本発明のこの又はいずれの他の実施形態のカバー層も製造できる。
【0033】
コアの最外層は、任意であるが、好ましくは少なくとも約50、好ましくは約65〜74のショアD硬度を有する。さらに、ここで定義されるように、用語「高曲げモジュラス」は、少なくとも約340MPa(約50,000psi)、好ましくは約480〜830MPa(約70,000〜120,000psi)、さらに好ましくは約520〜760MPa(約75,000〜110,000psi)の曲げモジュラス(ASTM-790によって測定)を意味する。これら層は、通常、かなり硬いとみなされており、本発明の表面処理用に特に好適である。最も外側のコア層の厚さは、約0.5〜1.5mm(約0.02〜0.06インチ)、好ましくは約0.89〜1.1mm(約0.035〜0.045インチ)、さらに好ましくは約1.0〜10mm(約0.04〜0.4インチ)の範囲でよい。
【0034】
2以上の層のコアを有するボールのいずれの層にも、いずれの適宜の熱可塑性材料も使用できる。以下の熱可塑性材料は、複数のディンプルを有するカバー層に好ましく含められる。カバー用に特に好適な熱可塑性材料としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、コポリ(エーテル−エステル)、コポリ(エステル−エステル)、ポリアミド、ポリエーテル、コポリ(ウレタン−エステル)、コポリ(ウレタン−エーテル)、ポリアクリレート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー又はエチレン−プロピレン動的加硫化コポリマーゴム、ポリカーボネート、及びそれらの混合物等が挙げられる。好ましくは、本発明で有用なアイオノマーは、オレフィンと、カルボン酸基の少なくとも一部が金属イオン、通常ナトリウム、リチウム、マグネシウム、又は亜鉛で中和されているα,β-エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーである。さらに好ましくは、オレフィンがエチレンであり、かつα,β-エチレン性不飽和カルボン酸がアクリル酸又はメタクリル酸であって、金属が亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、カルシウム、リチウム又はカリウムである。ここで、用語「アイオノマー」、「アイオノマー樹脂」、及び「熱可塑性アイオノマー」は同義である。
【0035】
これら層は、種々多様な硬く、高曲げモジュラスの弾性材料から二者択一的に製造されうる。この層のために好ましい材料は、硬く、高曲げモジュラスのアイオノマー樹脂及びそのブレンドである。この目的に特に好適なアイオノマーは、3〜12個の炭素原子を有する不飽和モノ−又はジ−カルボン酸及びそれらのエステルからなる群より選択される少なくとも1種とモノオレフィンのポリマー(このポリマーは、約1質量%〜50質量%の不飽和モノ−又はジ−カルボン酸及び/又はそれらのエステルを含む)に、交叉金属結合を与えることによって得られる。さらに詳細には、このような酸含有エチレン共重合アイオノマー成分は、E/X/Yコポリマーで、式中Eはエチレンであり、Xは、該ポリマーの約50質量%まで、好ましくは約25質量%まで、さらに好ましくは約20質量%までの量で存在するアクリレート又はメタクリレートのような軟化コモノマーであり、かつYは、該ポリマーの約5〜35質量%、好ましくは約16〜35質量%、さらに好ましくは約16〜20質量%までの量で存在するアクリル酸又はメタクリル酸であるコポリマーを含み、その酸部分は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛若しくはアルミニウムのようなカチオン、又はこのようなカチオンの組合せによって、少なくとも約1〜90%、好ましくは少なくとも約40%、さらに好ましくは少なくとも約60%中和されてアイオノマーを形成している。リチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、又はそれらの組合せが、酸部分の中和に好ましい。特定の酸含有エチレン性コポリマーとしては、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ-ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、及びエチレン/アクリル酸/n-ブチルメタクリレートが挙げられる。好ましい酸含有エチレンコポリマーとしては、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート及びエチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーが挙げられる。最も好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/(メタ)アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、及びエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。
【0036】
カバー層に用いるアイオノマーの製造方法は、例えば、明白な参照によってその全体が本明細書取り込まれている、米国特許第3,262,272号に記載されているように技術的に周知である。このようなアイオノマー樹脂は、Wilmington,DEのDuPont Co.から商標名SURLYN(登録商標)で、またExxonから商標名IOTEK(登録商標)で商業的に入手可能である。いくつかの特に好適なSURLYN(登録商標)としては、約19%のメタクリル酸含量を有するSURLYN(登録商標)8140(Na)及びSURLYN(登録商標)8546(Li)が挙げられる。
【0037】
しかし、材料はアイオノマー樹脂に限定されない。熱可塑性若しくは熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性若しくは熱硬化性ポリエーテルエステル又はポリエーテルアミド、熱可塑性若しくは熱硬化性ポリエステル、加硫エラストマー、スチレン−ブタジエンエラストマー、メタロセン、無水マレイン酸グラフト化スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマー、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエン-スチレンコポリマー、又はそれらのブレンドのような当業者が入手可能ないずれの適宜の材料も、この層に利用できる。
好適な熱可塑性ポリエーテルエステルは、商標名Hytrel(登録商標)でDuPontから商業的に入手可能な材料を含む。好適な熱可塑性ポリエーテルアミドは、フィラデルフィア,PAのElf-Atochemから商標名Pebax(登録商標)で入手可能な材料を含む。最も外側のコア層に好適な他の材料としては、ナイロンのようなポリアミド、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)が挙げられる。
【0038】
一般に、処理層と隣接層との間の接着を高めるためのゴルフボールの層の少なくとも一部分の処理は、以下のどちらかに使用するのが好ましい:(a)その周囲に配置される軟らかい層よりも硬い層;又は(b)低表面エネルギーを有する材料。理論によって限定されるものではないが、本発明の表面処理は、クラブによる打撃時にボールに与えられる高い剪断力に起因するボールの結合層間の接着損失を阻止又は防止すると考えられる。この場合もやはり理論によって限定されないが、本発明の表面処理は、処理され、かつ結合される面の表面エネルギーを高めると考えられる。
【0039】
本発明のゴルフボールコアは、種々の構成で製造することができる。例えば、ゴルフボールのコアは、中心とカバー層との間に配置される少なくとも1の中間層によって覆われた従来の中心を含んでよい。コアは単一層でよく、又は複数の層を含んでもよい。コアの最も内側部分は、固体、中空体、又は液体充填球体でよい。好ましい実施形態では、ボールは、中心及び2種の中間層を有するコアと、そのコアの周囲に配置されたカバー層とを含む。この実施形態では、コアの表面を形成する最も外側の中間層が、周囲にカバーが配置される前に処理される。
【0040】
他の実施形態では、コアは、周囲に1本の引張られたエラストマー材料が巻かれた固体又は液体充填中心を含む。固体中心は、通常ポリブタジエンのような弾性材料の均一塊である。液体充填中心は、通常、熱可塑性若しくは熱硬化性材料製の薄壁球で、その中に液体が導入される。どちらかのタイプの中心の周囲に配置される中間層に含まれる巻線は、弾性糸を引き伸ばして所望の厚さまで中心の周囲に巻きつけることによって与えられる。
コアの固体層用の材料は、ベースゴムと、任意に1種以上の架橋剤、充填剤、フリーラジカルインヒビターを有する組成物を含む。ベースゴムは、通常天然又は合成ゴムを含む。好ましいベースゴムは、少なくとも約40%のシス異性体含量を有するポリブタジエンである。所望により、ポリブタジエンは、ポリイソプレンゴム及び/又はスチレン−ブタジエンゴムのような技術的に公知の1種以上の付加的エラストマーと混合して、コアの特性を改変することもできる。
【0041】
好ましく含められる架橋剤は、通常アクリル酸又はメタクリル酸のような3〜8個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸の亜鉛塩又はマグネシウム塩のような不飽和脂肪酸の金属塩である。特に好適な架橋剤としては、ジメタクリレート及びモノメタクリレートのような不飽和金属塩アクリレートが挙げられ、金属は通常マグネシウム、カルシウム、又は亜鉛である。
好ましく含められるフリーラジカルインヒビターは、ポリブタジエン又は付加的エラストマーの硬化サイクルの際に分解するいずれの公知の重合インヒビターでもよい。特に好適なインヒビターとしては、ジクミルペルオキシド、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、a-aビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、又はジ-t-ブチルペルオキシド等、及びそれらの混合物のようなペルオキシドが挙げられる。好適な架橋剤及びフリーラジカルインヒビターは、当業者に周知である。
【0042】
ここで、用語「充填剤」は、ボールの層、通常はコアの1以上の層の密度又はその他の特性を変えるのに使用可能ないずれの化合物又は組成物をも含む。充填剤としては、典型的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、粉砕再生材料等が挙げられる。
本発明のゴルフボールのコアの全体的な外径(OD)は、直径4.27cm(1.68インチ)のゴルフボールが望ましい場合、約3.8cm〜4.232cm(約1.5インチ〜1.666インチ)、好ましくは約4.1cm〜4.196cm(約1.6インチ〜1.652インチ)、さらに好ましくは約4.11cm〜4.17cm(約1.62インチ〜1.64インチ)である。しかし、本発明の多層ゴルフボールは、いずれのサイズの全径をも有することができる。全米ゴルフ協会(USGA)規格は、競技用ゴルフボールの最小サイズを、少なくとも4.27cm(1.68インチ)の直径に制限しているが、最大サイズについては規格がない。さらに、娯楽としてのプレイでは、いずれのサイズのゴルフボールも使用できる。本ゴルフボールの好ましい直径は、約4.27cm〜4.6cm(約1.68インチ〜1.8インチ)である。さらに好ましい直径は、約4.27cm〜4.47cm(約1.68インチ〜1.76インチ)である。最も好ましい直径は、約4.27cm〜4.42cm(約1.68インチ〜1.74インチ)である。
【0043】
本ゴルフボールのコアは、ゴルフボール技術で利用されるいずれの方法によっても調製できる。例えば、固体中心若しくはいずれの付加的中間層も、射出若しくは圧縮成形され、又は中心若しくは他の中間層の周囲に糸が巻かれる。
しかし、ゴルフボールの好ましい実施形態では、カバー材料を施すためにゴルフボール技術で普通に利用されている従来の射出又は圧縮成形を用いてボールのカバー層を形成することは、カバー層が非常に薄いという性質(約1.1mm(約0.045インチ)以下)のため実用的でない。これら従来のボール成形法は、固体球面上にこのように薄いカバー層を容易には施すことができない。従って、この実施形態は、好ましくは鋳込み可能な反応性材料を液体状態で使用し、ゴルフボール上に非常に薄いカバー層を得る。具体的には、反応して熱硬化性材料を生成する鋳込み可能な反応性液体が、望ましい非常に薄いカバー層を与えることがわかった。
【0044】
ここで述べられるように、鋳込み可能な反応性液体、具体的にはポリウレタンを使用して熱硬化性材料を生成すると、明確な参照によって本明細書にその開示が全体的に取り込まれる、米国特許第5,733,428号、タイトル「ゴルフボールのポリウレタンカバーを製造するための方法及び装置」に開示されている鋳込法によって、それらをコア上に施すことができる。同様に、Brownらに対する米国特許第5,006,297号及びWuに対する米国特許第5,334,673号も、本発明で利用する場合に鋳込み可能な反応性液体を施すのに利用できる好適な鋳込法を開示している。これら特許の開示は、明確な参照によって、全体的に本明細書に取り込まれる。しかし、本発明の方法は、特に非反応性液体を使用してディンプルを有するカバー層を形成する場合に、これら方法の使用に限定されない。
【0045】
図1は、本発明に従って処理されたコア12と、その処理されたコアの周囲に配置されたカバー16とを有する本発明のツーピースゴルフボール10を示す。 図2は、本発明のスリーピースゴルフボール20を示す。中心22は、1層の中間層24で包まれている。この中間層24の周囲にカバー26が配置されている。所望により、中心22及び中間層24は、ここに開示かつ教示されている同一材料から作られるが、この場合は、同一の比率で全く同一の材料からは作られていない。図2では、中心22若しくは中間層24の少なくとも一方、又は両方の少なくとも一部分が、本発明に従って処理される。一実施形態では、他の実施形態に加え、又は代えて、中心22は固体ではなく中空体又は充填液体である。
【0046】
図3は、本発明に従って製造された4層ゴルフボール30を示す。中心32は固体、中空体、又は充填液体でよく、かつ第1中間層34によって包まれている。この第1中間層34の周囲に第2中間層36が配置される。中心32、第1中間層34、又は第2中間層36の少なくとも1つの表面の一部分が、いずれかの好適な材料を用いて本発明に従って処理される。所定の層についての用語「表面」は、処理される層とその周囲に外側に配置される隣接層との間の界面における表面であることは理解されるべきであり、例えば、第1中間層34の表面は、第1中間層34と第2中間層36との間である。しかし、中心が充填液体の場合、第1中間層34は、その充填液体中心を囲む層、例えば、当業者に公知の材料で作られるフレキシブルな包囲体を含み、かつ第1中間層34若しくは第2中間層36、又は両者の表面が、本発明に従って処理されることが好ましい。薄いカバー層38は、第2中間層36を覆ってコアの周囲に配置される。
【0047】
本発明の好ましい実施形態は、ゴルフボール内の少なくとも1層の外表面の十分な部分の低圧プラズマ処理又はコロナ放電処理を含み、その処理層と隣接層との間の接着を高める。例示的な材料、層厚等は米国特許第5,885,072号に開示されており、その開示は明確な参照によって本明細書に取り込まれる。
ここで、1種以上の数又は数的範囲について使用される用語「約」は、範囲内のすべての数字を含め、そのようなすべての数字を意味するものと理解されるべきである。
【0048】
実施例
以下、本発明に従って製造される多層ゴルフボールの実施例を示し、本発明を説明する。しかし、実施例は説明目的のみのためであり、いかなる場合にも、その特定の開示に本発明を限定するものでないことは理解すべきである。
【0049】
実施例1:本発明に従って製造されるゴルフボール
本発明のゴルフボールは、以下のように製造できる。例えば、コアは、技術的に周知の方法で製造される従来の糸巻きコア構成又は従来のツーピースコア構成のどちらかを用いて作られる。糸巻きコア構成は、固体エラストマー中心又は充填液体中心のどちらかの回りに1本の弾性糸が巻かれる。従来のツーピース構成は、好ましくは、亜鉛ジアクリレートのような不飽和脂肪酸の金属塩で架橋されたシス−ポリブタジエンゴムを優先的に含む。そして、この構成は、従来の圧縮成形法を用いて、最も外側のコア層になる、少なくとも約16質量%のメタクリル酸含量を有するアイオノマー(好ましくはSURLYN 8140又はSURLYN 8546)の中間層でカバーされる。
【0050】
そして、該カバー層は、例えば、米国特許第5,006,297号及び米国特許第5,334,673号に述べられている方法に従って製造されうる。カバー層形成に特に望ましい材料は、4,4'-ジフェニルメタン-ジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエートの反応生成物である60D鋳込み可能ウレタンである。
本発明に従って製造されたゴルフボールは、ドライバーで打撃されるとき、従来の「高性能」ゴルフボール(例えば、Tour Balata[Titleist])に比し、明らかに低いスピン率(従ってより長い全飛距離)を示すが、8番アイアン及び/又は「50ヤード」ウェッジで打撃するときは、ほぼ同様或いはより高いスピン率を有すると考えられる。
【0051】
実施例2−5:摩耗されたコアを有するボールの比較試験
240個のゴルフボールの統計的に有意な試料サイズは、3.94cm(1.55インチ)の直径の固体中心と、中心の周囲の中間層であって、4.11cm(1.62インチ)の外径をコアに与えるのに十分な厚さの中間層を用いて調製された。この最も外側のコア層は、約68のショアD硬度を有していた。ゴルフボールのこれら部分は、3つの方法:(a)表面処理せず;(b)27Pa(0.2トル)の減圧下、13.56MHZ及び225Wの高周波エネルギーで、250cm3/分の流速の酸素中における4分間の低圧プラズマ処理;及び(c)30kHzの周波数で12kVの強度で2秒間コロナ放電にさらすこと;で調製された。各グループの120個の摩耗ボール部分に、約0.08cm(約0.03インチ)の厚さを有する薄いウレタンカバー層が鋳込法によって施され、ゴルフボールが製造された。
【0052】
Figure 0003706066
【0053】
表Iはピーク負荷及び静的負荷の値を与えており、全く同じくクラブで打撃した場合に、該処理がボールの初速に逆効果を及ぼさないことを示している。ゴルフボールは、2つの対向するポールに固定され、かつ0.64cm(0.25インチ)幅のストリップが周囲に沿ってカットされて、その幅を横切ってタブが作られる。引き剥がし法でこれらタブを用いて上記データを得た。ピーク負荷は、コアの表面から離れてカバー層タブを引き始めるのに必要な最大力を示す。静的負荷は、コアとカバー層との間に与えられた極度の接着のため、カバーストリップを分離するのに必要な平均力を示す。
プラズマ処理が、本発明に従ってプラズマ処理されたコア表面に対するウレタンカバー層の優れた接着性を与えることがわかった。
【0054】
ここで開示する本発明の実例となる実施形態が上述の目的を果たすことは明かであるが、種々の変形及び他の実施形態や試験方法が当業者によって工夫されうることが認められる。従って、特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内にあるこのような変形及び実施形態のすべてを包含するものであると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カバー及びコアを有する本発明のツーピースゴルフボールの断面図である。
【図2】 カバーとコアとの間に中間層を有する本発明のゴルフボールの断面図である。
【図3】 1層より多くのカバー層を有する本発明の図2に示されるゴルフボールの断面図である。

Claims (20)

  1. コアと、その接着を強めるためにプラズマ処理、コロナ放電処理、又は化学的摩耗により十分に処理された外表面を有し、アイオノマー樹脂を含み、前記外表面に接着剤がない中間層と、ポリウレタンカバー層とを含んでなるゴルフボール。
  2. コアと、隣接層に対する接着を強めるためにプラズマ処理、コロナ放電処理、又は化学的摩耗により処理された外表面を有する中間層と、少なくとも0.2mm(0.007インチ)の厚さ及び複数のディンプルを有するカバー層とを含んでなるゴルフボールであって、前記カバー層が、前記中間層の周囲に同心的に配置され、前記中間層が、4N/m2〜7N/m2(40ダイン/cm2〜70ダイン/cm2)の表面エネルギーを有する材料を含み、前記材料がアイオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエステル、加硫エラストマー、官能化スチレンブタジエンエラストマー、メタロセンポリマー、ポリアミド、又はアクリロニトリルブタジエン−スチレンコポリマー、又はそれらのブレンドを含むゴルフボール。
  3. 中心と中間層を含むコアと、ポリウレタンカバー層とを含んでなるゴルフボールであって、前記中間層が、4N/m2〜7N/m2(40ダイン/cm2〜70ダイン/cm2)の表面エネルギーを有する材料を含み、前記中間層が、その外表面上にプラズマ処理されて、その隣接層に対する接着を強め、かつ前記ポリウレタンカバー層が、前記中間層の周囲に同心的に配置されており、前記材料がアイオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエステル、加硫エラストマー、官能化スチレンブタジエンエラストマー、メタロセンポリマー、ポリアミド、又はアクリロニトリルブタジエン−スチレンコポリマー、又はそれらのブレンドを含むゴルフボール。
  4. 前記中間層が、340MPa(50,000psi)の曲げモジュラスを有する材料を含み、かつ前記カバー層が、1.1mm(0.045インチ)未満の厚さを有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  5. 前記カバー層が、0.36〜1.0mm(0.014〜0.04インチ)の厚さを有する、請求項4記載のゴルフボール。
  6. 前記カバー層が、75未満のショアD硬度を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  7. 前記カバー層が、40〜65のショアD硬度を有する、請求項6記載のゴルフボール。
  8. 前記中間層及び前記カバー層が、それぞれ340〜830MPa(50,000〜120,000psi)の曲げモジュラスを有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  9. 前記処理された表面が、4N/m2〜7N/m2(40ダイン/cm2〜70ダイン/cm2)の表面エネルギーを有する材料を含み、前記材料がアイオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエステル、加硫エラストマー、官能化スチレンブタジエンエラストマー、メタロセンポリマー、ポリアミド、又はアクリロニトリルブタジエン−スチレンコポリマー、又はそれらのブレンドを含む、請求項1記載のゴルフボール。
  10. 前記カバー層に隣接する中間層が、少なくとも50のショアD硬度を有する、請求項1記載のゴルフボール。
  11. 前記中間層が、65〜74のショアD硬度を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  12. 前記カバー層が、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリスルフィドゴム、ポリウレア、ポリエステル、エポキシ樹脂、及びそれらの混合物からなる群より選択される材料を含む、請求項2記載のゴルフボール。
  13. 前記カバー層が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、コポリ(エーテル−エステル)、コポリ(エステル−エステル)、ポリアミド、コポリ(ウレタン−エステル)、コポリ(ウレタン−エーテル)、ポリアクリレート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー又はエチレン−プロピレン加硫コポリマーゴム、ポリカーボネート、及びそれらの混合物からなる群より選択される材料を含む、請求項2記載のゴルフボール。
  14. 前記中間層の直径が、42.32mm(1.666インチ)未満である、請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  15. コア、及び前記コアの周囲に同心的に配置されたポリウレタンカバー層を含んでなるゴルフボールであって、
    前記コアが、中心層と、該中心層の周囲に同心的に配置された少なくとも2層の中間層とを含み、前記中間層の少なくとも1層がアイオノマー樹脂を含み、
    アイオノマー樹脂を含む前記少なくとも1層の中間層が、プラズマ処理されている、ゴルフボール。
  16. コア、中間層、及び前記中間層の周囲に同心的に配置されたカバー層を含んでなるゴルフボールであって、
    前記中間層が、4N/m2〜7N/m2(40ダイン/cm2〜70ダイン/cm2)の表面エネルギーを有する材料で形成され、前記中間層が外表面を有し、該外表面が表面処理されており、該外表面に接着剤が無く、前記表面処理がプラズマ処理、コロナ放電処理、又は化学的摩耗からなる群より選択される処理であり、かつ前記材料がアイオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエステル、加硫エラストマー、官能化スチレンブタジエンエラストマー、メタロセンポリマー、ポリアミド、又はアクリロニトリルブタジエン−スチレンコポリマー、又はそれらのブレンドを含む、ゴルフボール。
  17. 以下を含んでなるゴルフボールの製造方法:
    コアを形成する工程;
    アイオノマー樹脂を含む内側カバー層を形成する工程;
    該内側カバー層を、隣接層への接着を強めるために表面処理する工程であって、該内側カバー層の表面処理工程が、プラズマ処理、コロナ放電処理、又は化学的摩耗である、工程;及び
    少なくとも0.2mm(0.007インチ)の厚さ及び複数のディンプルを有するウレタン外側カバー層を形成する工程。
  18. 前記処理が、大気圧以下の圧力におけるプラズマ処理又はコロナ放電処理である、請求項17記載の方法。
  19. さらに、前記内側カバー層の最も外側の面の少なくとも一部分を機械的に摩耗する工程を含む、請求項17記載の方法。
  20. 前記内側カバー層が、処理前に、5N/m2(50ダイン/cm2)未満の表面エネルギーを有する、請求項17記載の方法。
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