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JP3706426B2 - 開蓋機構付地下構造物用蓋 - Google Patents
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JP3706426B2 - 開蓋機構付地下構造物用蓋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地下構造物用蓋の蓋本体を、受枠から開蓋する開蓋機構を備えた地下構造物用蓋に関するものである。
【0002】
尚、本願明細書でいう「地下構造物用蓋」とは、下水道設備における地下埋設物、地下構造施設等と地上とを通じさせる開口部を閉塞するための大型鉄蓋、マンホール蓋、汚水桝蓋、或いは電力・通信設備における地下敷設機器や配線等を保護する開閉可能な共同溝用鉄蓋、送電用鉄蓋、配線用鉄蓋、上水道設備やガス供給設備における路面下の埋設導管及びその付属機器と地上とを結ぶ開閉扉としての機能を有する消火栓蓋、制水弁蓋、仕切弁蓋、空気弁蓋、ガス配管用蓋、量水器蓋等を総称するものである。
【0003】
【従来の技術】
通常、地下構造物用蓋の蓋本体は受枠にテーパー嵌合した状態で保持されており、蓋本体が受枠に過度に噛み込んだ場合、普通のバールでは開蓋できないことがあった。そこで、強力に上記蓋本体を開蓋する開蓋装置が各種提案されているが、何れも重量が嵩むため、上記開蓋装置を常時携帯することはできず、開蓋が困難な個所を発見した度毎に、作業者は上記開蓋装置を現地まで運搬しなければならなかった。そこで、この問題を解決する手段として、例えば実公平7−45644号公報に開示されているように、蓋本体に設けられた梃子部材を用いて蓋本体を開蓋する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の技術では、低価格で開蓋機構を実現できる反面、構造的に見て、梃子としての力の倍率を高めることは不可能である。従って、錆等が生じたりして受枠と固着状態となっている蓋本体を開蓋することはできないという問題を有していた。
【0005】
一方、蓋本体に設ける開蓋機構の内、強力な開蓋力を有するものとして、例えば油圧ジャッキ機構を、上記蓋本体の裏面側に装着する方法も考えられる。しかしながら、このような油圧ジャッキ機構を備えた上記蓋本体を例えば各マンホール毎に設置することは、経費がかかりすぎて現実性を欠くものであり、しかも長期間に亘っては、上記油圧ジャッキ機構は錆びて動作しなくなるために絶えず保守整備を行わなければならないという問題点を有していた。
【0006】
本発明において解決すべき課題は、重量の嵩む開蓋装置を運搬しなくても大きな開蓋力が得られ、構造が複雑ではなく、且つ低価格で、しかもどのような環境下においても故障し難い開蓋機構付地下構造物用蓋を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、一端が蓋本体の裏面に対して回動可能に装着された第一のリンク部材と、一端が上記受枠に対して回動可能に装着された第二のリンク部材とを設け、少なくとも閉蓋状態の際には、上記第一のリンク部材の他端と上記第二のリンク部材の他端とが係合して構成される倍力機構を設けることとした。そして、開蓋の際には、入力手段に力を付与し、該入力手段で生じた力を上記倍力機構に伝達することによって、上記第一のリンク部材の一端と上記第二のリンク部材の一端との間隔が広がり、上記蓋本体が開蓋する向きに力が作用して開蓋する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における倍力機構は、少なくとも閉蓋状態の際には、上記第一のリンク部材の他端と上記第二のリンク部材の他端とが係合してトグル・ジョイント機構を構成している。そして、上記蓋本体が所定以上開蓋した場合には、上記第一のリンク部材の他端と上記第二のリンク部材の他端との係合が解除される。
【0009】
また、上記入力手段については、閉蓋状態の際には、その上端部に設けられた握持部が上記蓋本体に設けられた開蓋用孔部を閉塞するような状態で、上記蓋本体の裏面側に収納され、開蓋の際には、これを引き出して使用するようにしても良い。
【0010】
更に、上記閉蓋状態の際には、上記入力手段と、上記受枠か若しくは上記受枠に装着された部材とを係合させて施錠状態にすると共に、上記開蓋の際には、上記入力手段を操作することによって、上記係合を解除して解錠状態となるようにしても構わない。
【0011】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図6は何れも本発明における開蓋機構付地下構造物用蓋の一実施例を示しており、図1は要部縦断面図であり、図2(a)は図1のA−A線断面を含む要部横断面図、図2(b)は図1のB−B線断面を含む要部横断面図である。また、図3はレバーの握持部の向きを示す平面図であり、図4は図2(b)のC−C線断面を含む要部縦断面図である。更に、図5はレバーを最上位置まで引き上げた状態を示す要部縦断面図、図6は受枠から蓋本体が完全に開蓋した状態を示す要部縦断面図である。
【0012】
図において、テーパー受面1aが内周面に形成された受枠1と、該受枠1のテーパー受面1aとテーパー嵌合して保持され、テーパー面2aが外周面に形成されると共に上面の周縁部付近に開蓋用孔部2bが形成された蓋本体2とが何れも地下構造物の例えば縦孔の上部に配設されている。
【0013】
3は入力手段としてのレバーであり、上端部には握持部3aが形成されると共に、該握持部3aの下方には所定の長さの断面形状が円形の小径部3′に続いて断面形状が長円形の非円形部3bが一体的に形成され、下端部には抜け止め用の係止部3cが設けられている。該レバー3は、閉蓋状態の際(以下、常時と記す)には、後述する第一のリンク部材4の突起部4dに形成された貫通孔4e及び第二のリンク部材5,5を支持する支持部材5aに形成された貫通孔5eに挿通された状態で蓋本体2の裏面側に収納されている。
【0014】
また、握持部3aの平面形状は開蓋用孔部2bの平面形状と略一致する形状としており、常時は握持部3aが開蓋用孔部2bを閉塞し、雨水や土砂等が地下構造物内に流入しないようにしている。
【0015】
4は倍力機構の一方の構成要素である第一のリンク部材であり、一端が蓋本体2の裏面のリブ2cに止着された支持部材4aに支承軸4bを介して回動可能に軸着されており、他端には後述する第二のリンク部材5,5の係合軸5cと係合する凹状の係合面4cが形成されている。また、4a′は第一のリンク部材4が所定以上回動するのを規制するために設けられた位置規制面である。
【0016】
一方、5,5は倍力機構の他方の構成要素である一対からなる第二のリンク部材であり、それぞれ一端が受枠1に止着された支持部材5aに支承軸5bを介して回動可能に軸着されている。また、第二のリンク部材5,5の他端にはそれぞれを貫通するように係合軸5cが挿着されており、これによって第二のリンク部材5,5は一体となって動作する。そして、常時は係合軸5cと上記した第一のリンク部材4の係合面4cとを係合させることによって、第一のリンク部材4と第二のリンク部材5,5とがくの字状に連結して、倍力機構として機能する、所謂、トグル・ジョイント機構を構成している。
【0017】
尚、第二のリンク部材5,5は、支持部材5aとの間に設けられたバネ部材5d,5dによって、受枠1の内壁側に付勢されており、これによって第一のリンク部材4と第二のリンク部材5,5とは、外力が加わらない限り、くの字状に連結した状態に維持される。
【0018】
一方、第一のリンク部材4には突起部4dが一体的に設けられており、該突起部4dにはレバー3の小径部3′及び非円形部3bは通過可能であって係止部3cは通過不可能な円形の貫通孔4eが形成されている。
【0019】
これによって、後述する開蓋動作の際に、レバー3を最大限まで引き出しても係止部3cが突起部4dの底部に当接するのでレバー3が突起部4dから抜け出すことはない。
【0020】
また、第二のリンク部材5,5を支持する支持部材5aにも、上記の貫通孔4eと整合する位置に長孔状の貫通孔5eが設けられており、レバー3の小径部3′は貫通孔5eを常に通過可能であって、非円形部3b及び係止部3cは、レバー3の握持部3aの向きによって、通過可能か否かを選択できるような構成としている。
【0021】
即ち、レバー3の握持部3aが、図3の実線で示すような開蓋用孔部2bを閉塞する向きにある場合には、非円形部3b及び係止部3cは貫通孔5eを通過不可能であり、非円形部3bの最上部が貫通孔5eの下面部と係合して開蓋できない施錠状態となる。
【0022】
一方、握持部3aの向きを図3の破線で示すように90度回転させた場合には、非円形部3b及び係止部3cは貫通孔5eを通過可能となり、施錠が解除されて開蓋が可能な状態となる。
【0023】
尚、常時は、レバー3の握持部3aは開蓋用孔部2bを閉塞しており、上記の施錠状態となっているので、例えば地下構造物内で生じた内圧等によって蓋本体2が浮上し、開蓋しそうになったとしても、蓋本体2は容易に開蓋することはなく、飛散事故等を未然に防止することができる。
【0024】
次に、本実施例の開蓋機構の動作について説明する。
先ず、レバー3の握持部3aを少し引き上げ、その向きを90度回転させて施錠状態を解除する。この状態で更にレバー3を引き上げ貫通孔5eを通過させた後に、図5に示すように、レバー3の下端の係止部3cが第一のリンク部材4の突起部4dの底部に当接するまで引き上げる。そして、レバー3を図5において受枠1側に向けて押し倒し、第一のリンク部材4を支持部材4aの位置規制面4a′と当接するまで支承軸4bを中心に回動させる。
【0025】
この際、第一のリンク部材4及び第二のリンク部材5,5は、係合面4c及び係合軸5cを介して、上記したようにトグル・ジョイント機構を構成しているので、上記のレバー3の操作に伴って、第一のリンク部材4が上記したように回動すると、第二のリンク部材5も支承軸5bを中心に回動する。
【0026】
上記の動作の結果、第一のリンク部材4と第二のリンク部材5は、略一直線上に並ぶようになるので、支承軸4bと支承軸5bとの間隔が広がって、開蓋する方向の力が作用し、受枠1とのテーパー嵌合が解除されて開蓋する。
【0027】
そして、この状態において、更にレバー3を上方向に引き上げると、図6に示すように蓋本体2は完全に開蓋した状態となる。尚、第一のリンク部材4及び第二のリンク部材5,5は、係合面4c及び係合軸5cを介して、単に係合しているだけであるから、蓋本体2が所定以上開蓋すると、第一のリンク部材4及び第二のリンク部材5,5の係合は解除されて、開蓋動作を妨げるようなことは生じない。
【0028】
一方、閉蓋の際には、第一のリンク部材4と第二のリンク部材5,5の位置を略一致させた状態で、蓋本体2を閉蓋する。この際、第二のリンク部材5,5は、それぞれバネ部材5d,5dにより付勢されて図6に示すように一定の位置にあるので、簡単に第一のリンク部材4と第二のリンク部材5,5とを連結することができ、これによって、再びトグル・ジョイント機構が構成される。そして、レバー3を開蓋の際とは逆の手順で、図4に示すように蓋本体2の裏面側に収納し、更に握持部3aを開蓋した際とは逆方向に90度回転させて施錠状態にし、握持部3aで開蓋用孔部2bを閉塞させるようにする。
【0029】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り、どのようにでも実施できる。例えば、入力手段としては、蓋本体の裏面側に収納されたレバーではなく、通常の開蓋用のバールを用いることもできる。更に、実施例では、第一のリンク部材及び第二のリンク部材をそれぞれ蓋本体と受枠に対して、支持部材及び支承軸を介して回動可能に軸着したが、第一のリンク部材及び第二のリンク部材に凸部(若しくは凹部)を設け、支持部材に凹部(若しくは凸部)を設けることによって、回動可能に枢着するようにしても良い。
【0030】
また、支持部材を使用せずに、第一のリンク部材及び第二のリンク部材をそれぞれ蓋本体と受枠に対して直接的に装着することもできる。更に、第一のリンク部材と第二のリンク部材とを実施例の図とは逆方向のくの字状に連結するように構成しても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による開蓋機構付地下構造物用蓋は、重量の嵩む開蓋装置を運搬しなくても、入力手段と倍力機構との協働作用によって、小型且つ軽量でありながら大きな開蓋力が得られるために僅かな力でもってテーパー嵌合した蓋本体を開蓋することが可能である。
【0032】
また、本発明による開蓋機構付地下構造物用蓋は、構造が複雑でなく、従って部品点数が少なくて済むので、低価格で提供でき、しかも故障が生じ難いので保守整備が不要となる。
【0033】
本発明における開蓋機構付地下構造物用蓋は、常時は、上記入力手段の上端部が上記蓋本体に設けられた開蓋用孔部を閉塞するように構成しているので、地下構造物内への雨水や土砂等の流入を少なくすることができる。
【0034】
本発明における開蓋機構付地下構造物用蓋は、常時は、施錠状態となると共に、開蓋の際には、上記入力手段を操作することによって、上記係合を解除して解錠状態となるように構成しているので、蓋本体が地下構造物内の内圧等によって不要に開蓋せず、これによって事故が生じない等、多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例における開蓋機構付地下構造物用蓋を示す要部縦断面図である。
【図2】(a)は図1のA−A線断面を含む要部横断面図、(b)は図1のB−B線断面を含む要部横断面図である。
【図3】レバーの握持部の向きを示す平面図である。
【図4】図2(b)のC−C線断面を含む要部縦断面図である。
【図5】レバーを最上位置まで引き上げた状態を示す要部縦断面図である。
【図6】受枠から蓋本体が完全に開蓋した状態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 受枠
1a テーパー受面
2 蓋本体
2a テーパー面
2b 開蓋用孔部
2c リブ
3 レバー
3′ 小径部
3a 握持部
3b 非円形部
3c 係止部
4 第一のリンク部材
4a、5a 支持部材
4a′ 位置規制面
4b、5b 支承軸
4c 係合面
4d 突起部
4e、5e 貫通孔
5 第二のリンク部材
5c 係合軸
5d バネ部材

Claims (5)

  1. 地下構造物用蓋の蓋本体を、受枠から開蓋するように機能し、一端が該蓋本体の裏面に対して回動可能に装着された第一のリンク部材と、一端が上記受枠に対して回動可能に装着された第二のリンク部材とを設け、少なくとも閉蓋状態の際には、上記第一のリンク部材の他端と上記第二のリンク部材の他端とが係合して構成される倍力機構を設けた開蓋機構付地下構造物用蓋であって、
    開蓋の際には、入力手段に力を付与し、上記入力手段で生じた力を上記倍力機構に伝達することによって、上記第一のリンク部材の一端と上記第二のリンク部材の一端との間隔を広げて、上記蓋本体が開蓋する向きに力を作用させることを特徴とする開蓋機構付地下構造物用蓋。
  2. 上記倍力機構は、少なくとも閉蓋状態の際には、トグル・ジョイント機構を構成することを特徴とする請求項1に記載の開蓋機構付地下構造物用蓋。
  3. 上記入力手段は、閉蓋状態の際に、上記蓋本体の裏面側に収納されると共に、上記開蓋の際には、引き出されて機能することを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れかに記載の開蓋機構付地下構造物用蓋。
  4. 上記入力手段の上端部に形成された握持部が、閉蓋状態の際には、上記蓋本体に設けられた開蓋用孔部を閉塞するように構成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の開蓋機構付地下構造物用蓋。
  5. 上記閉蓋状態の際には、上記入力手段と、上記受枠か若しくは上記受枠に装着された部材とを係合させて施錠状態にすると共に、上記開蓋の際には、上記入力手段を操作することによって、上記係合を解除して解錠状態となるように構成することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の開蓋機構付地下構造物用蓋。
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