JP3706482B2 - 電子機器の筐体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、卓上型の通信装置等の組立・分解を容易に行うための電子機器の筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子機器の筐体として、図16に示すように、上部筐体1および下部筐体3により形成される内部空間5に実装部品7を収容し、上部筐体1および下部筐体3を、ねじ9により相互に固定するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電子機器の筐体では、上部筐体1と下部筐体3との固定を、ねじ9により行っているため、筐体の組立・分解時には、工具を用いてねじ9の締め付け作業、取り外し作業を行わなくてはならず、多大な作業時間が必要になるという問題があった。
【0004】
また、最近では、環境への配慮から電子機器の筐体、基板等の構成部品を資源として再利用することが行われており、筐体を容易に分解できることが、より一層重要になってきている。
さらに、このような電子機器を資源として再利用する場合には、電子機器を構成する構成部品の種類および数量を極力少なくし、電子機器を分解した際に、各構成部品の分別作業を効率的に行うことが必要である。
【0005】
一方、構成部品の種類を少なくした筐体として、上部筐体と下部筐体との開口部の周縁に、相互にはめ合い構造を有する嵌合部を形成し、ねじを用いることなく上部筐体と下部筐体とを固定するものが知られている。
しかしながら、このような構造の場合、筐体を分解するためには、上部筐体と下部筐体とを破壊しなくてはならず、上述したねじを使用する筐体より、分解に長時間を要するという問題があった。
【0006】
また、上部筐体と下部筐体とを破壊して分解しなくてはならないため、一度組み立てた上部筐体および下部筐体は、再度使用することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、組立・分解を容易に行うことができる電子機器の筐体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の電子機器の筐体は、第1および第2の筐体部材を、それぞれの周縁を相互に合わせて組み付けるとともに、その内部に実装部品の収容空間を備えてなる電子機器の筐体において、第1および第2の筐体部材の周縁の一端に設けられ、両筐体部材を回動自在に連結する係合部と、前記前記第1の筐体部材の周縁の他端側に設けられ、外力を加えられない状態で反周縁側に反っており、周縁側に向けて可撓性を有する反り部と、前記第1の筐体部材に設けられた突出部材と、前記第2の筐体部材に設けられた係止部材とからなり、押圧力による前記反り部の周縁側への撓み時に突出部材と係止部材とを係合するとともに、前記反り部の復元力により両筐体部材を固定する係止機構と、第1の筐体部材または前記第2の筐体部材に設けられ、両筐体部材の固定時に前記係止部材の移動により突出部材を離反させる解除機構とを備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の電子機器の筐体は、請求項1記載の電子機器の筐体において、
前記係止機構は、前記第1の筐体部材に形成され、前記第2の筐体部材に向けて突出し、先端に係止爪を設けた突出部材と、前記突出部材の直角方向に移動自在に配置され、前記係止爪を係止する係止穴を設けた長尺状の係止部材とを備え、前記解除機構は、前記係止爪に設けられた第1の解除用傾斜面と、前記係止穴の縁部に設けられ、前記係止部材の移動時に係止爪の第1の解除用傾斜面に当接する第2の解除用傾斜面と備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の電子機器の筐体は、請求項2記載の電子機器の筐体において、前記係止部材は、前記第2の筐体部材の外側まで延在し、外側に引っ張ることで前記第1および第2の解除用傾斜面を相互に離反する操作部を備えていることを特徴とする。
請求項4の電子機器の筐体は、請求項3記載の電子機器の筐体において、前記係止部材は、前記係止部材を前記操作部と反対側に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の電子機器の筐体は、請求項4記載の電子機器の筐体において、前記係止部材および前記付勢部材は、一体形成されていることを特徴とする。
請求項6の電子機器の筐体は、請求項2ないし請求項5のいずれか1項記載の電子機器の筐体において、前記係止爪は、前記係止穴への係止時に、前記係止部材の端部を摺動する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の電子機器の筐体は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の電子機器の筐体において、前記第1の筐体部材および前記突出部材は、樹脂により一体形成されていることを特徴とする。
【0014】
(作用)
請求項1の電子機器の筐体では、第1および第2の筐体部材の周縁の一端に、係合部が形成され、第1の筐体部材の周縁の他端側に、可撓性を有する反り部が形成されるため、両筐体部材の組み付け時に、係合部を係合すると、両筐体部材の周縁の間に間隙が形成される。
【0015】
第1および第2の筐体部材は、係合部により回動自在に係合されるため、第1の筐体部材の反り部を、第2の筐体部材に向けて押圧することにより、係合部を支点として反り部が撓み、周縁が相互に合わせられる。
【0016】
そして、周縁を相互に合わせた状態で、第1の筐体部材の突出部材と第2の筐体部材の係止部材とが係止機構により係止され、両筐体部材が相互に組み付けられる。
また、第1および第2の筐体部材の組み付け後は、反り部に復元力が働くため、この復元力を利用して、係止機構の係止が、より確実かつ強固に行われる。
【0017】
さらに、反り部の復元力は、第1の筐体部材の形状を利用して発生させているため、ばね部材等を新たに設ける必要がなくなり、筐体を簡易な構造にすることができる。
一方、第1および第2の筐体部材の分解は、解除機構を操作して、係止部材を移動し、突出部材を係止部材から離反させることにより行われる。
【0018】
突出部材の係止部材からの離反は、反り部の復元力により行われ、離反により第1および第2の筐体部材の周縁に間隙が形成される。
そして、この間隙を広げて係合部の係合を解除することで、両筐体部材が分解される。
請求項2の電子機器の筐体では、第1の筐体部材の反り部を第2の筐体部材に向けて撓ませると、第1の筐体部材の突出部材が、係止部材に向けて移動する。
【0019】
そして、突出部材の先端の係止爪が、係止部材の係止穴に係止され、第1および第2の筐体部材が相互に固定される。
また、係止部材を突出部材の直角方向に移動することにより、係止爪の第1の解除用傾斜面と、係止穴の第2の解除用傾斜面とが相互に当接し、第1の解除用傾斜面が第2の解除用傾斜面に摺動して、係止爪と係止穴との係止が徐々に解除される。
【0020】
請求項3の電子機器の筐体では、第2の筐体部材の外側に延在する操作部を外側に引っ張ることで、係止部材が移動し、第1および第2の解除用傾斜面が相互に離反し、係止爪と係止穴との係止が解除される。
【0021】
また、係止機構の係止の解除は、操作部を外側に向けて引っ張ることにより行われるため、第1および第2の筐体部材を分解するためには、操作部を意識的に操作することが必要になり、操作部への接触等により、係止爪と係止穴との係止が誤って解除され、第1および第2の筐体部材が分解されることが防止される。
請求項4の電子機器の筐体では、係止部材が操作部と反対側に付勢する付勢部材を備えているため、係止部材を解除方向に移動し、係止爪と係止穴との係止を解除した後に、係止部材が自動的に元の位置まで戻り、係止部材が第2の筐体部材から脱落することが防止される。
【0022】
また、係止部材は、付勢部材の付勢作用により、操作部を操作しない状態では、常に所定の場所に位置しているため、第1および第2の筐体部材を固定する際に、反り部を撓ませるだけで、係止爪と係止穴とを容易に係止することができる。
請求項5の電子機器の筐体では、係止部材と付勢部材とが一体形成されているため、筐体の構成部品の種類を最小限にすることができる。
【0023】
請求項6の電子機器の筐体では、係止爪を係止穴に係止する際に、突出部材を係止部材に向けて移動し、係止爪の傾斜面が係止部材の端部に当接すると、傾斜面が係止部材の端部を摺動して、係止爪を移動させるため、係止爪が係止部材に引っ掛かかることなく移動される。
【0025】
請求項7の電子機器の筐体では、第1の筐体部材と突出部材とが、樹脂により一体形成されているため、第1の筐体部材に可撓性を有する反り部を容易に形成することができ、また、突出部材を容易に形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の電子機器の筐体の第1の実施形態(請求項1ないし請求項7に対応する)を示している。
本実施形態の筐体は、上部筐体21(第1の筐体部材に対応する)、下部筐体23(第2の筐体部材に対応する)、および係止部材25により構成されている。
上部筐体21および下部筐体23は、ABS樹脂等の成形可能な樹脂からなり、直方体形状に形成されている。
【0028】
上部筐体21および下部筐体23には、相互に対向する開口部21a、23aが形成されている。
上部筐体21の開口部21aの周縁21bには、一端27側の一辺に、内側に向けて突出する鉤形の係合部21cが形成されている。
下部筐体23の開口部23aの周縁23bには、係合部21cに対向する位置に、外側に向けて突出する鉤形の係合部23cが形成されている。
【0029】
上部筐体21の周縁21bには、一端27側以外の他の三辺に、当接部21dが形成されている。
下部筐体23の周縁23bには、上部筐体21の当接部21dに当接される当接部23dが形成されている。
また、上部筐体21には、係合部21cと反対側の他端29に、底部21e側に湾曲する反り部21fが形成されている。
【0030】
この反り部21fにより、図2に示すように、上部筐体21と下部筐体23には、係合部21c、23cを係合して開口部21a、23aを合わせる際に、当接部21d、23dの間に間隙Aが形成されている。
また、上部筐体21と下部筐体23とは、係合部21c、23cを係合した状態で、係合部21c、23cを支点として回動することができる。
上部筐体21および下部筐体23の内側には、周縁21b、23bを相互に合わせた状態で、収容空間31が形成され、この収容空間31には、電子部品等の実装部品33が収容されている。
【0031】
この実施形態では、実装部品33は、下部筐体23に固定されている。
また、上部筐体21の他端29側には、底部21eから開口部21aに向けて突出する板状の突出部材35が、他端29側の壁面21gに平行に一体形成されている。
この突出部材35は、肉厚方向D1に可撓性を有しており、先端には、係合部21c側に突出する鉤形の係止爪35aが形成されている。
【0032】
この係止爪35aの底部21e側には、当接面35bが形成されており、係止爪35aの先端には、係合部21c側に傾斜面35cが形成されている。
また、図3に示すように、係止爪35aの一側には、係止解除用の傾斜面35d(第1の解除用傾斜面に対応する)が形成されている。
一方、係止部材25は、ばね用ステンレス鋼等からなり、長尺の板状に形成されている。
【0033】
係止部材25は、下部筐体23の底面23eに沿って、他端29側の壁面23fに平行に配置されている。
下部筐体23には、壁面23fに直交する壁面23gに、挿通穴23hが形成されている。
係止部材25の一端には、下部筐体23の挿通穴23hを挿通し、外側まで延在する操作部25aが形成されている。
【0034】
操作部25aには、この操作部25aを摘みやすくする肉抜穴25bが形成されている。
また、下部筐体23の壁面23gの周囲には、操作部25aを保護する突出壁23jが形成されている。
係止部材25の操作部25aと反対側の他端は、複数回折り返されており、付勢部材の一形態であるばね部25cが一体形成されている。
【0035】
ばね部25cの先端には、直角に折曲される係止部25dが形成されており、この係止部25dは、下部筐体23に形成される断面コ字状の固定部23kに係止されている。
また、係止部材25には、係止爪35aを係止する係止穴25eが、肉厚方向に貫通して形成されている。
【0036】
この係止穴25eは、上部筐体21および下部筐体23の周縁21b、23cを相互に合わせた時に、突出部材35に近接する位置に形成されている。
係止穴25eの操作部25aと反対側の縁部25fには、壁面23fと反対側に切り起こされ湾曲する係止解除用の傾斜面25g(第2の解除用傾斜面に対応する)が形成されている。
【0037】
この傾斜面25gは、係止穴25eと係止爪35aとの係止時に、係止爪35aの傾斜面35dに対向するように形成されている。
下部筐体23の底面23eには、長手方向D2に間隔を置いて、係止部材25を支持するための支持部37、39が一体形成されている。
支持部37、39には、係止部材25を挿通する挿通穴37a、39aが形成されている。
【0038】
係止部材25は、挿通穴37a、39aに挿通され、長手方向D2に対して移動自在に支持されている。
下部筐体23の底面23eには、支持部37、39の間に延在し、係止部材25を長手方向D2に沿って案内する案内レール41が一体形成されている。
【0039】
上述した電子機器の筐体では、以下示すように、上部筐体21と下部筐体23との組み付けが行われる。
すなわち、先ず、図2に示したように、下部筐体23に実装部品33が収容される。
この後、上部筐体21を下部筐体23に対して傾けた状態で、上部筐体21の係合部21cと下部筐体23の係合部23cとが係合される。
【0040】
次に、上部筐体21の反り部21fが下部筐体23に向けて押圧され、反り部21fが、係合部21c、23cを支点として弾性変形する。
この弾性変形により、突出部材35の係止爪35aは、係止部材25の係止穴25eに向けて徐々に移動する。
この移動により、係止爪35aの傾斜面35cが係止部材25の端部25hに当接すると、図4に示すように、突出部材35は、係止部材25を押圧する反力により、他端29側に撓みながら係止穴25eに向けて移動する。
【0041】
そして、図5に示すように、上部筐体21および下部筐体23の当接部21d、23dが相互に当接される。
同時に、係止爪35aが係止穴25eに対向する位置まで移動すると、他端29側に撓んだ突出部材35の復元力P1により、係止爪35aを係止穴25e内に嵌入させ、係止爪35aを係止穴25eに係止させる。
【0042】
係止後は、反り部21fの復元力P2により、突出部材35に、下部筐体23と反対側に持ち上がる力が作用し、係止爪35aの当接面35bが係止穴25eの上端に押圧状態で当接する。
ここで、反り部21fは、係合部21c、23cを支点として、斜め上方に持ち上がる。
【0043】
このため、係止爪35aは、係止穴21fに嵌入される方向に押圧され、係止爪35aと係止穴25eとが確実に係止され、上部筐体21と下部筐体23との組み付けが完了する。
一方、図6に示すように、上部筐体21と下部筐体23との分解は、操作部25aを外側に向けて引っ張ることにより行われる。
【0044】
操作部25aの操作により、ばね部25cは伸張され、係止部材25は案内レール41に沿って移動する。
係止部材25の移動により、図7に示すように、係止穴25eの傾斜面25gと、係止爪35aの傾斜面35dとが相互に当接しながら摺動し、係止爪35aが他端29側に移動する。
【0045】
この移動により、図8に示すように、突出部材35が他端29側に撓み、係止爪35aが係止穴25eから徐々に外れていく。
この後、図9に示すように、係止爪35aの当接面35bが係止穴25eから完全に外され、図10に示すように、反り部21fの復元力P2により、突出部材35が上方に持ち上げられる。
【0046】
そして、図2に示したように、上部筐体21および下部筐体23の当接部21d、23dに間隙Aが形成され、この間隙Aを広げることにより、上部筐体21と下部筐体23とが分解される。
また、操作部25aを離すことにより、ばね部25cが収縮し、係止部材25は自動的に元の位置に戻される。
【0047】
以上のように構成された電子機器の筐体では、上部筐体21の他端29側に、底部21e側に湾曲する可撓性の反り部21fを形成し、突出部材35の係止爪35aと係止部材25の係止穴25eとにより、上部筐体21と下部筐体23とを相互に固定する構造にしたので、上部筐体21の反り部21fを撓ませ、当接部21d、23dを相互に当接した状態で、係止爪35aと係止穴25eとを係止することで、ねじ等の固定用部品を用いることなく、上部筐体21および下部筐体23を容易に固定することができ、筐体を組み立てることができる。
【0048】
また、上部筐体21と下部筐体23との組み付け後は、反り部21fに復元力P2が働き、突出部材35に、下部筐体23と反対側に持ち上がる力が作用するため、係止爪35aの当接面35bを係止穴25eの上端に押圧状態で当接することができ、係止爪35aと係止穴25eとを係止することができる。
ここで、反り部21fは、係合部21c、23cを支点として、斜め上方に持ち上がるため、係止爪35aは、係止穴21fに嵌入する方向に押圧され、係止爪35aと係止穴25eとを、より確実に係止することができる。
【0049】
そして、係止爪35aを上部筐体21に一体形成される突出部材35の先端に形成し、係止穴25eを下部筐体23に支持される係止部材25に形成したので、簡易な構造で、上部筐体21と下部筐体23とを確実に固定することができる。
また、突出部材35を可撓性を有して形成し、係止爪35aに傾斜面35cを形成したので、突出部材35を係止部材25に向けて移動し、係止爪35aの傾斜面35cが係止部材25に当接すると、傾斜面35cが係止部材25を摺動して係止爪35aを移動し、係止爪35aを係止部材25に引っ掛かけることなく移動することができる。
【0050】
さらに、上部筐体21を、成形可能なABS樹脂により形成したので、容易に可撓性を有する反り部21fを形成することができる。
この結果、復元力P2を作るためのばね部材等が不要になり、筐体の構造を簡単にすることができる。
そして、上部筐体21と突出部材35とを、成形可能なABS樹脂により一体形成したので、可撓性を有する突出部材35を容易に形成することができる。
【0051】
さらに、支持部45、47により係止部材25を長手方向D2に移動自在に支持し、係止部材25の一端に、外側に延在する操作部25aを形成したので、操作部25aを外側に向けて引っ張り、係止部材25を長手方向D2に移動することで、係止爪35aと係止穴25eとを徐々にずらし、係止を解除することができ、上部筐体21と下部筐体23とを容易に分解することができる。
【0052】
そして、操作部25aを外側に引っ張るだけで、係止爪35aと係止穴25eとの係止を解除する構造にしたので、上部筐体21と下部筐体23とを分解するためには、操作部25aを意識的に外側に引っ張ることが必要になり、操作部25aへの接触等により、係止爪35aと係止穴25eとの係止が誤って解除され、上部筐体21と下部筐体23とが分解することを防止することができる。
【0053】
また、下部筐体23の壁面23gの周囲に、操作部25aを保護する突出壁23jを形成したので、操作部25aへの接触等を、より確実に防止することができる。
そして、係止部材25を、ばね用ステンレス鋼により長尺の板状に形成し、操作部25aと反対側の他端側を複数回折り返すことでばね部25cを形成したので、操作部25aを引っ張り、係止爪35aと係止穴25eとの係止を解除した後に、係止部材25が自動的に元の位置まで戻り、係止部材25が下部筐体23から脱落することを防止することができる。
【0054】
さらに、操作部25aを引っ張らない状態では、ばね部25cが収縮して、係止部材25が常に所定の場所に位置しているため、係止部材25を移動することなく、反り部21fを撓ませるだけで、係止爪35aと係止穴25eとを係止することができる。
そして、係止部材25に、ばね部25cを一体形成したので、筐体を構成する部品の種類を最小限にすることができる。
【0055】
図11は、本発明の電子機器の筐体の第2の実施形態を示している。
図において、係止部材43は、針金等からなる断面円形形状の棒状部材により形成されており、突出部材35の係止爪35aは、係止部材43の外周部43aに係止されている。
【0056】
なお、係止爪35aには、第1の実施形態の係止解除用の傾斜面35dは形成されていない。
係止部材43の一端には、下部筐体23の挿通穴23hを挿通し、外側まで延在する操作部43bが形成されている。
操作部43bの先端は、この操作部43bを摘みやすくするため、環状に折曲されている。
【0057】
係止部材43には、操作部43bと反対側の他端に、底面23eに向けて僅かに湾曲する湾曲部43dが形成されている。
また、下部筐体23の底面23eには、長手方向D2に間隔を置いて、支持部45、47が一体形成されている。
支持部45は、側壁23g側に形成される上ガイド45aと、側壁23gと反対側に形成される下ガイド45bとにより構成されている。
【0058】
上ガイド45aには、下部筐体23の底面23eから突出する板部45cが形成されており、この板部45cの先端に、係止部材43を覆う形状の折り返し部45dが形成されている。
下ガイド45bは、上端に溝部45eを有するブロック状に形成されている。
これ等上ガイド45aの折り返し部45dおよび下ガイド45bの溝部45eにより、係止部材43の外周部43aの長手方向D2以外の移動が制限されている。
【0059】
また、下ガイド45bには、支持部47と反対側に、底面23eに向けて傾斜する固定部45fが形成されている。
この固定部45fは、係止部材43の湾曲部43dを係止し、係止部材43の下部筐体23内での移動を制限する。
【0060】
一方、支持部47は、側壁23gと反対側に形成される上ガイド47aと、側壁23g側に形成される下ガイド47bとにより構成されている。
上ガイド47aおよび下ガイド47bは、上述した上ガイド45aおよび下ガイド45bと、同一の形状に形成されている。
そして、上ガイド47aの折り返し部47dおよび下ガイド47bの溝部47eは、支持部45と同様に、係止部材43の外周部43aの長手方向D2以外の移動を制限している。
【0061】
上述した電子機器の筐体では、以下示すように、上部筐体21と下部筐体23との組み付けが行われる。
すなわち、先ず、図12に示すように、下部筐体23に実装部品33が固定される。
次に、上部筐体21の係合部21cと下部筐体23との係合部23cとが係合される。
【0062】
次に、図11に示したように、係止部材43の湾曲部43dを固定部45cに係止した状態で、上部筐体21の反り部21fが下部筐体23に向けて押圧される。
この押圧により、反り部21fが弾性変形し、突出部材35が係止部材43に向けて徐々に移動する。
【0063】
移動により、係止爪35aの傾斜面35cが係止部材43の上部に当接すると、突出部材35は他端29側に撓みながら底部23eに向けて移動する。
そして、図13に示すように、係止爪35aが、係止部材43の下側まで移動すると、他端29側に撓んだ突出部材35の復元力P1により、係止爪35aを係止部材43に向けて移動させ、係止部材43の外周部43aの下部に係止させる。
【0064】
係止後は、反り部21fの復元力P2により、突出部材35に、下部筐体23と反対側に持ち上がる力が作用し、係止爪35aの当接面35bが、係止部材43の外周部43aに押圧状態で当接する。
反り部21fの復元力P2は、第1の実施形態と同様に、斜め上方に向けて働くため、係止爪35aは、外周部43aを係合部23c側に押圧し、係止爪35aと係止部材43とが確実に係止される。
【0065】
そして、上部筐体21と下部筐体23との組み付けが完了する。
なお、係止部材43は、下部筐体23に対して着脱自在に支持されているため、予め係止部材43を下部筐体23から引き抜いておき、反り部21fを撓ませた後に、係止部材43を挿通穴23hから差し込むことで、係止部材43と係止爪35aとを係止することもできる。
【0066】
一方、上部筐体21と下部筐体23との分解は、図11に示したように、操作部43bを外側に向けて引っ張ることにより行われる。
操作部43bの操作により、係止部材43は支持部45、47に沿って、外側に移動する。
係止部材43の移動により、湾曲部43dが係止爪35aから外れると、反り部21fの復元力P2により、突出部材35が上方に持ち上げられる。
【0067】
そして、図12に示したように、上部筐体21および下部筐体23の当接部21d、23dの間に間隙Aが形成され、この間隙Aを広げることにより、上部筐体21と下部筐体23とが分解される。
以上のように構成された電子機器の筐体では、突出部材35の係止爪35aを係止部材43の外周部43aに係止する構造にしたので、簡易な機構で、上部筐体21と下部筐体23とを固定することができる。
【0068】
また、操作部43bを外側に引っ張り、係止部材43を移動することにより、突出部材35の係止爪35aと係止部材43の外周部43aとの係止を解除する構造にしたので、上部筐体21と下部筐体23とを容易に分解することができる。
そして、係止部材43を、針金等の簡易な棒状部材により形成し、下部筐体23に、この係止部材43を支持する支持部45、47を形成したので、係止機構を小型に構成することができ、筐体を小型化することができる。
【0069】
また、係止部材43を、針金等の簡易な棒状部材により形成したので、部品原価を低減することができ、筐体の製造コストを低減することができる。
なお、上述した第1の実施形態では、上部筐体21に反り部21fおよび突出部材35を形成し、下部筐体23に係止部材25を支持する支持部37、39を係止した例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、上部筐体21に係止部材25を支持する支持部を係止し、下部筐体23に反り部および突出部材を形成しても良い。
【0070】
また、上述した第1の実施形態では、係止部材25をばね用ステンレス鋼により形成した例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、上部筐体21および下部筐体23と同一の材質のABS樹脂等により形成しても良く、この場合には、筐体の構成部品の種類をより少なくすることができ、再利用する際の分別作業を、より効率的に行うことができる。
【0071】
そして、上述した第1の実施形態では、突出部材35に係止爪35aを形成し、係止部材25に係止穴25eを形成した例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、図14に示すように、突出部材35に係止穴35eを形成し、係止部材25に係止爪25jを形成しても良い。
この場合には、係止爪25jの操作部25a側に、傾斜面25kが形成される。
【0072】
さらに、上述した第1の実施形態では、突出部材35および係止部材25の係止穴25eを1箇所ずつ形成した例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、図15に示すように、突出部材35および係止穴25eは、上部筐体21および下部筐体23の大きさに合わせて、複数箇所に形成しても良い。
【0073】
また、上述した第2の実施形態は、係止部材43を断面円形形状の棒状部材により形成した例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、断面四角形形状の角棒により形成しても良く、この場合には、外周部43aを係止爪35aの当接面35bに密着することができ、より確実に、外周部43aと係止爪35aとを係止することができる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1の電子機器の筐体では、第1の筐体部材に可撓性を有する反り部を形成し、この反り部の撓み時に、第1の筐体部材の突出部材と第2の筐体部材の係止部材とを相互に係止する係止機構を備えたので、第1の筐体部材の反り部を第2の筐体部材に向けて撓ませ、周縁を相互に当接した状態で、第1および第2の筐体部材を組み付けることができ、ねじ等の固定用部品を用いることなく、筐体を容易に組み立てることができる。
【0075】
また、第1および第2の筐体部材の組み付け後は、反り部に復元力が働くため、この復元力を利用して、係止機構の係止を、より確実かつ強固に行うことができる。
さらに、反り部の復元力は、第1の筐体部材の形状を利用して発生するため、ばね部材等を新たに設ける必要がなくなり、簡易な構造の筐体を形成することができる。
【0076】
そして、係止部材の移動により突出部材を離反する解除機構を備えたので、解除機構を操作し、係止部材を移動することにより、係止機構が解除され、第1および第2の筐体部材を分解することができる。
請求項2の電子機器の筐体では、第1の筐体部材の反り部を第2の筐体部材に向けて撓ませ、第1の筐体部材に形成した突出部材の係止爪を、係止部材の係止穴に係止することにより、第1および第2の筐体部材を容易に組み付けることができる。
【0077】
また、係止部材を、突出部材の直角方向に移動自在に配置し、係止爪と係止穴とに第1の解除用傾斜面と第2の解除用傾斜面とを備えたので、係止部材を突出部材の直角方向に移動することにより、第1の解除用傾斜面と第2の解除用傾斜面とを相互に当接し、さらに摺動して、係止爪と係止穴との係止を徐々に解除することができる。
【0078】
請求項3の電子機器の筐体では、係止部材に、第2の筐体の外側まで延在し、外側に引っ張ることで第1および第2の解除用傾斜面を相互に離反する操作部を備えたので、操作部を外側に引っ張るだけで、係止部材が移動し、係止爪と係止穴との係止を解除することができる。
また、係止機構の係止の解除を、操作部を外側に向けて引っ張ることにより行う構造にしたので、第1および第2の筐体部材を分解するためには、操作部を意識的に操作することが必要になり、操作部への接触等により、係止爪と係止穴との係止が誤って解除され、第1および第2の筐体部材が分解することを防止することができる。
【0079】
請求項4の電子機器の筐体では、係止部材に操作部と反対側に付勢する付勢部材を備えたので、係止部材を解除方向に移動し、係止爪と係止穴との係止を解除した後に、係止部材が自動的に元の位置まで戻り、係止部材が第2の筐体部材から脱落することを防止することができる。
また、付勢部材の付勢作用により、操作部を操作しない状態では、係止部材が常に所定の場所に位置しているため、第1および第2の筐体部材を固定する際に、反り部を撓ませるだけで、係止爪と係止穴とを容易に係止することができる。
【0080】
請求項5の電子機器の筐体では、係止部材と付勢部材とが一体形成されているため、筐体の構成部品の種類を最小限にすることができる。
請求項6の電子機器の筐体では、係止爪に傾斜面を形成したので、係止爪を係止穴に係止する際に、突出部材を係止部材に向けて移動し、係止爪の傾斜面が係止部材の端部に当接すると、傾斜面が端部を摺動して係止爪を移動し、係止爪を係止部材に引っ掛かけることなく移動することができる。
【0082】
請求項7の電子機器の筐体では、第1の筐体部材と突出部材とを、樹脂により一体形成したので、第1の筐体部材に可撓性を有する反り部を容易に形成することができ、また、突出部材を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器の筐体の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】上部筐体と下部筐体とを相互に合わせる状態を示す断面図である。
【図3】係止部材の詳細を示す斜視図である。
【図4】反り部の押圧により突出部材が撓んでいる状態を示す断面図である。
【図5】上部筐体と下部筐体とが組み付けられた状態を示す断面図である。
【図6】係止部材を外側に引っ張る状態を示す断面図である。
【図7】係止穴の傾斜部と係止爪の傾斜部が当接した状態を示す断面図である。
【図8】係止爪が係止穴から外れる状態を示す斜視図である。
【図9】係止爪が係止穴から外れた状態を示す斜視図である。
【図10】反り部の復元力により、突出部材が持ち上がる状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の電子機器の筐体の第2の実施形態の要部の詳細を示す断面図である。
【図12】上部筐体と下部筐体とを相互に合わせる状態を示す断面図である。
【図13】上部筐体と下部筐体とが組み付けられた状態を示す断面図である。
【図14】突出部材に係止穴を形成し、係止部材に係止爪を形成した例を示す斜視図である。
【図15】係止部材の係止穴および突出部材を複数形成した例を示す断面図である。
【図16】従来の電子機器の筐体を示す断面図である。
【符号の説明】
21 上部筐体(第1の筐体部材)
21a 開口部
21b 周縁
21c 係合部
21d 当接部
21e 底部
21f 反り部
21g 壁面
23 下部筐体(第2の筐体部材)
23a 開口部
23b 周縁
23c 係合部
23d 当接部
23e 底面
23f 壁面
23g 壁面
23h 挿通穴
23j 突出壁
23k 固定部
25 係止部材
25a 操作部
25b 肉抜穴
25c ばね部(付勢部材)
25d 係止部
25e 係止穴
25f 縁部
25g 傾斜面(第2の解除用傾斜面)
25h 端部
25j 係止爪
25k 傾斜部
27 一端
29 他端
31 収容空間
33 実装部品
35 突出部材
35a 係止爪
35b 当接面
35c 傾斜面
35d 傾斜面(第1の解除用傾斜面)
35e 係止穴
37 支持部
37a 挿通穴
39 支持部
39a 挿通穴
41 案内レール
43 係止部材
43a 外周部
43b 解除部
43c 操作部
43d 湾曲部
45 支持部
45a 上ガイド
45b 下ガイド
45c 板部
45d 折り返し部
45e 溝部
45f 固定部
47 支持部
47a 上ガイド
47b 下ガイド
47d 折り返し部
47e 溝部
A 間隙
D1 肉厚方向
D2 長手方向
P1 復元力
P2 復元力
Claims (7)
- 第1および第2の筐体部材を、それぞれの周縁を相互に合わせて組み付けるとともに、その内部に実装部品の収容空間を備えてなる電子機器の筐体において、
第1および第2の筐体部材の周縁の一端に設けられ、両筐体部材を回動自在に連結する係合部と、
前記第1の筐体部材の周縁の他端側に設けられ、外力を加えられない状態で反周縁側に反っており、周縁側に向けて可撓性を有する反り部と、
前記第1の筐体部材に設けられた突出部材と、
前記第2の筐体部材に設けられた係止部材とからなり、
押圧力による前記反り部の周縁側への撓み時に突出部材と係止部材とを係合するとともに、前記反り部の復元力により両筐体部材を固定する係止機構と、
前記第1の筐体部材または前記第2の筐体部材に設けられ、両筐体部材の固定時に前記係止部材の移動により突出部材を離反させる解除機構と、
を備えていることを特徴とする電子機器の筐体。 - 請求項1記載の電子機器の筐体において、
前記係止機構は、
前記第1の筐体部材に形成され、前記第2の筐体部材に向けて突出し、先端に係止爪を設けた突出部材と、
前記突出部材の直角方向に移動自在に配置され、前記係止爪を係止する係止穴を設けた長尺状の係止部材とを備え、
前記解除機構は、
前記係止爪に設けられた第1の解除用傾斜面と、
前記係止穴の縁部に設けられ、前記係止部材の移動時に係止爪の第1の解除用傾斜面に当接する第2の解除用傾斜面と備えていることを特徴とする電子機器の筐体。 - 請求項2記載の電子機器の筐体において、
前記係止部材は、前記第2の筐体部材の外側まで延在し、外側に引っ張ることで前記第1および第2の解除用傾斜面を相互に離反する操作部を備えていることを特徴とする電子機器の筐体。 - 請求項3記載の電子機器の筐体において、
前記係止部材は、前記係止部材を前記操作部と反対側に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする電子機器の筐体。 - 請求項4記載の電子機器の筐体において、
前記係止部材および前記付勢部材は、一体形成されていることを特徴とする電子機器の筐体。 - 請求項2ないし請求項5のいずれか1項記載の電子機器の筐体において、
前記係止爪は、前記係止穴への係止時に、前記係止部材の端部を摺動する傾斜面が形成されていることを特徴とする電子機器の筐体。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の電子機器の筐体において、
前記第1の筐体部材および前記突出部材は、樹脂により一体形成されていることを特徴とする電子機器の筐体。
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