JP3706566B2 - プリント配線板の液切り乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の製造工程において、プリント配線板に付着した液体を除去する液切り乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、各種科学的あるいは物理的加工工程を経て製造されるものであり、この製造工程の中には、めっきあるいは洗浄といったように、プリント配線板を液体に侵漬するあるいは液体を吹き付ける工程が存在するのが通常である。また、前記したような工程で液体がプリント基板に付着した場合、その後の工程に移る前に付着した液体を除去する工程が通常必要とされている。
【0003】
この、プリント配線板に付着した液体を除去するには、圧縮空気をプリント配線板の表面に吹き付けて付着した液体を吹き飛ばす方法が、広く一般に行われている。この方法で代表的なものを図5に基づいて説明する。図5において、101はプリント配線板、102は搬送ローラ、103は噴出器、104は圧縮空気導入路、105は付着液である。
【0004】
プリント配線板101は付着液105を伴って搬送ローラ102により矢印エの方向に搬送される。ここで、図示しないコンプレッサーあるいはブロアーによって発生した圧縮空気は、圧縮空気導入路104から噴出器103に送られ、噴出器103の先端にプリント配線板搬送路の幅方向に長く形成されたスリットノズル103Aからプリント配線板101の表面に吹き付けられる。
【0005】
この結果、付着液105は圧縮空気に吹き飛ばされ105Aのようにプリント配線板101表面から飛散する。しかし飛散した液105Aのうち、その多くが再びプリント配線板101上に落下し、再び付着液105となってしまう。つまり水はけの悪い状態となり、やがては付着液105の一部が、スリットノズル103Aから吹き出す圧縮空気を通り過ぎて残留するという問題が発生していた。
【0006】
そこで近年公開されている技術、例えば特開平6−338676「プリント基板の水切り乾燥方法及び装置」で開示されているように、前記したような水はけの悪さを解消するための方法が考えられている。この方法を図6、図7及び図8に基づいて説明する。図6において、201は噴出器、202は圧縮空気導入路、そして203は噴出ノズルであるが、噴出ノズル203は図5で示したスリットノズル103Aと異なり、一列の直線状に整列した略円形の穴で形成されている。
【0007】
前記噴出器201は図7で示すようにプリント配線板搬送路に固定される。図7は、プリント配線板の搬送路を前あるいは後方向から見た図である。ここで、噴出器201はプリント配線板101の搬送方向と直角の方向において、プリント配線板101表面とβの角度をもって配設されている。つまり噴出ノズル203から吹き出す圧縮空気は、プリント配線板101表面へαの角度で斜めに吹き付けることになる。
【0008】
斜めに吹き付ける圧縮空気により、付着液105はプリント配線板101の搬送方向と交差する方向に追いやられ、やがて105Aのようにプリント配線板101の横方向の空間に吹き飛ばされる。この結果、図5で説明したような水はけの悪さが解消するとされている。また更に、この文献では図8で示すように、プリント配線板101の搬送方向オと逆方向に斜めに圧縮空気を吹き付ける、つまりγを鋭角にすることにより、付着液105を効果的に排出することができるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図7からも分かるように、噴出器201がプリント配線板101に対して斜めなために、噴出ノズル203の位置は、角度βの支点から遠ざかるにつれプリント配線板101の表面から離れ、付着液105を排出する側の端部においては、反対側の端部に比較して大きくプリント配線板101から離れてしまうことになる。また、噴出器201の傾斜角度が一定な場合、プリント配線板101の幅が大きいほど、噴出ノズル203の位置によるプリント配線板101との距離の差も大きくなる。
【0010】
従って、プリント配線板101の幅方向において、付着液105を排出する側では、噴出ノズル203との距離が大きいため、反対側に比較して著しく風圧が低下するという問題が生じる。この結果、風圧が弱いエリアにおいては、付着液105の一部が吹き飛ばされずに残留する可能性が大きい。
さらに、前記した風圧の弱いエリアは、プリント配線板101の幅方向全エリアの付着液105が集められるエリアであることも、前記した残留する可能性を高めている。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、プリント配線板の搬送方向と交差する方向に付着液を排出する機能を有し、しかも、圧縮空気噴出ノズルがプリント配線板の幅方向全域に均等の距離で接近し、加えて前記付着液を排出する方向が、プリント配線板の幅方向の略中央を起点として左右に振り分けられることを特徴とするプリント配線板の液切り乾燥装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プリント配線板の製造工程でプリント配線板に付着した液体を除去する液切り乾燥装置において、曲面をなす側面に少なくとも1列の螺旋状に並べて穿設された複数の穴を噴出ノズルとして有した円筒形の噴出器を設け、該噴出器をプリント配線板搬送路の搬送方向と直角の方向に、且つプリント配線板表面と平行になるように延設し、該噴出器を駆動手段により軸心を中心として回転させ、該噴出器の一端に回転自在な空気継手により連結した圧縮空気供給手段から回転中の前記噴出器に圧縮空気を供給し、前記噴出ノズルから噴出した圧縮空気が回転する螺旋状のエアカーテンとなり、プリント配線板に付着した液体をプリント配線板の搬送方向と交差する方向に排出することを特徴とするプリント配線板の液切り乾燥装置を提供する。
【0013】
また、前記噴出器に穿設された噴出ノズルの列がなす螺旋形状を、搬送されるプリント配線板の幅方向の略中央に当たる位置を始点とし、左右逆回りの螺旋形状に形成することで、付着液の排出をより効率よく行う。
【0014】
さらに、前記噴出器が回転する状態において、プリント配線板表面に向かって圧縮空気を噴出する噴出ノズル以外の全ての噴出ノズルに対しては、噴出直後の圧縮空気を捕らえて内包し、前記噴出器と平行に並んでプリント配線板に圧縮空気を噴出するように配設されたスリットノズルから前記内包した圧縮空気を噴出する整流フードを設け、プリント配線板の液切り乾燥機能をより確実なものとする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2、図3及び図4に基づいて説明する。図1は本発明の1実施形態を示す斜視図である。図1(a)において、101は矢印アの方向へ搬送されるプリント配線板、102は搬送ローラ、3は噴出器、4は回転自在な空気継手である。また図1(b)は、図1(a)で示した構成において噴出器3に整流フード5を装着したものである。
【0016】
噴出器3は、図1(a)で示すようにプリント配線板101の搬送方向と直角に軸心を向け、且つ軸心がプリント配線板1の表面と平行になるように配設された円筒形の要素である。また噴出器3の一端3Aは封止され、他端は回転自在な空気継手4を介してコンプレッサーあるいはブロアーからなる図示しない圧縮空気供給手段と配管されている。さらに噴出器3は図示しない支持機構により回転自在に固定され、図示しない駆動手段により矢印イの方向に回転する。
【0017】
噴出器3の内部に供給された圧縮空気は、図2で示すように曲面をなす側面3Bに螺旋状に並べて穿設された噴出ノズル6から噴出する。噴出ノズル6は各々隣接して形成されているため、噴出後の圧縮空気は螺旋状のエアカーテン7を形成する。さらに、図3で示すように噴出ノズル6は、プリント配線板101の幅方向の略中央に当たる位置8を始点とし、位置8から両側に左右逆回りの螺旋を描くように並べられている。
【0018】
その結果矢印イの方向に回転する螺旋状の噴出空気は、矢印アの方向に移動するプリント配線板101上の付着液105を、矢印アの方向と交差する方向(矢印ウの方向)に排出する。ここで、プリント配線板101の幅方向の略中央部から噴出空気の螺旋の方向が逆方向であるために付着液105はプリント配線板101の両側に振り分けられて排出される。また、本実施の形態では螺旋状の噴出ノズルの配列は1列であるが、これが複数列であっても同様の作用を奏する。
【0019】
前述した回転する螺旋状の噴出空気は噴出ノズル6の方向がプリント配線板101の表面に向いている場合には、付着液105を排出する作用を奏するが、それ以外の方向を向いて噴出する圧縮空気は何の効果も期待できない。そこで、この方向に噴出する圧縮空気を図4で示すような整流フード5内に内包し、この整流フード5に設けられたスリットノズル5Aからプリント配線板101の表面に吹き付ける。
【0020】
スリットノズル5Aの下を通るプリント配線板101の表面は、噴出器3による付着液105の排出作用を経た後なので、付着液105が大きな固まりで存在することはないが、霧粒のような小さな付着液105Bとして残留する可能性を無視することはできない。したがってスリットノズル5Aから噴出した圧縮空気は、このような霧粒状の残留付着液105Bを完全に除去し、プリント配線板101の表面を乾燥させる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、回転する螺旋状の圧縮空気の吹き出しにより、プリント配線板101の表面の付着液105がプリント配線板101の搬送方向と交差する方向に排出されることで、図5で示すような従来のスリットノズル103Aの作用において、吹き飛ばされた付着液105Aが再度プリント配線板101上に付着するため生じていた水はけの悪さが解消される。その結果プリント配線板101上から排出しきれない付着液を激減させることができる。
【0022】
また従来からある図7のような、プリント配線板101の搬送方向と交差する方向に付着液を排出する方法では、噴出ノズル203とプリント配線板101表面の距離は、幅方向において差が生じ、その結果圧縮空気の吹き付けの風圧にも大きな差が生じていたのに対し、本発明によれば、噴出ノズル6とプリント配線板101表面の距離は均一に配置され、プリント配線板101の表面全域において適当な風圧で圧縮空気を吹き付けることが可能となる。
【0023】
さらに図7による従来の方法では、プリント配線板の表面全域に散在する付着液105を片側に寄せて排出する方法をとっていたが、本発明によると、幅方向の略中央から両側に振り分けて付着液を排出することができる。これにより、より効率の良い付着液の排出が可能となる。
【0024】
また本発明によれば、噴出器3が円筒形であり回転することから、圧縮空気がプリント配線板101に対して吹き付けられる角度が変化する。この結果、従来の技術において図8に基づいて記述したように、プリント配線板101の搬送方向に対して斜めに圧縮空気が吹き付けられる状態も得られ、付着液105の排出効率がより高まる。
【0025】
加えて、プリント配線板101表面に吹き付けない角度の噴出ノズル6から噴出した圧縮空気を集め、この圧縮空気をスリットノズル5Aからプリント配線板101に吹き付ける整流フード5を配置することにより、供給される圧縮空気の無駄を無くすと共に、先の噴出器3によって排出しきれなかった霧粒状の付着液105Bを完全に吹き飛ばし、プリント配線板101を乾燥状態に仕上げることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態を示す斜視図
【図2】本発明による噴出器の斜視図
【図3】本発明の作用を示す上面図
【図4】本発明の作用を示す側面図
【図5】従来の技術を示す側面図
【図6】従来の技術を示す噴出器の斜視図
【図7】従来の技術を示す正面図
【図8】従来の技術を示す側面図
【符号の説明】
3 噴出器
4 回転自在な空気継手
5 整流フード
6 噴出ノズル
7 エアカーテン
101 プリント配線板
102 搬送ローラ
105 付着液
Claims (3)
- プリント配線板の製造工程でプリント配線板に付着した液体を除去する液切り乾燥装置において、
曲面をなす側面に少なくとも1列の螺旋状に並べて穿設された複数の穴を噴出ノズルとして有した円筒形の噴出器を設け、
該噴出器をプリント配線板搬送路の搬送方向と直角の方向に、且つプリント配線板表面と平行になるように延設し、
該噴出器を駆動手段により軸心を中心として回転させ、
該噴出器の一端に回転自在な空気継手により連結した圧縮空気供給手段から回転中の前記噴出器に圧縮空気を供給し、
前記噴出ノズルから噴出した圧縮空気が回転する螺旋状のエアカーテンとなり、プリント配線板に付着した液体をプリント配線板の搬送方向と交差する方向に排出することを特徴とするプリント配線板の液切り乾燥装置。 - 前記噴出器に穿設された噴出ノズルの列がなす螺旋形状が、搬送されるプリント配線板の幅方向の略中央に当たる位置を始点とし、左右逆回りの螺旋形状を形成していることを特徴とした請求項1記載のプリント配線板の液切り乾燥装置。
- 前記噴出器が回転する状態において、プリント配線板表面に向かって圧縮空気を噴出する噴出ノズル以外の全ての噴出ノズルに対しては、噴出直後の圧縮空気を捕らえて内包し、前記噴出器と平行に並んでプリント配線板に圧縮空気を噴出するように配設されたスリットノズルから前記内包した圧縮空気を噴出する整流フードを設けたことを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板の液切り乾燥装置。
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