JP3707566B2 - 扉の気密保持装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用扉の気密保持装置に関するもので、新幹線車両のような高速車両の側扉の気密保持を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては実公昭57−42131号公報記載のものがある。その概略の構成は、流体圧を供給されることによって閉位置にある扉を気密維持用パッキン側へ押圧作用するように扉に対して扉押さえシリンダを設けたものであり、その扉押さえシリンダは高速車両がトンネルに突入した時に発生する車両内外の大きな気圧差に対して確実に耐えるようにするために非圧縮性の流体を用いた油圧シリンダとしてあり、この油圧シリンダを駆動するために空気圧−油圧変換装置を用いてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プラグドアの場合、気密維持のために押されて移動する扉の進退量が大きくなるため扉押さえシリンダのストロークが大きくなり、その結果扉押さえシリンダが大型化する問題がある。これに伴って、使用する圧油の量及び装置の重量が増大すると共に取付けスペースも増大する問題がある。これらの問題は車両の高速化に伴う車両の軽量化に対しても望ましくない。
本発明は、シリンダ装置の大型化及び重量の増大を回避できる装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の手段は、閉位置にある扉を気密パッキン側に押圧作用して扉の気密を保持する扉の気密保持装置において、流体圧を受けて作動する後記リンク部材と組をなすシリンダ装置と、このシリンダ装置のピストンロッドにピストンロッドの進退運動を回動運動に変換する変換手段を介して連結されこのシリンダ装置の作動により回動して扉を押圧作用するリンク部材とを設け、このリンク部材は、基部が回動自在に車両側の所定位置に軸支され、その基部から外方へ伸延し、その伸延端に扉に当接して扉を気密パッキン側に押圧する押さえ部を有しており、この押さえ部は、前記リンク部材の回動により扉押圧方向に最大に突出した回動位置又は最大に突出した回動位置近傍の位置が気密作用位置となり、前記気密作用位置は、前記シリンダ装置のストロークエンド位置で規定されるものであり、前記シリンダ装置は、前記押さえ部の押圧作用を解除させるばね部材を有しており、このばね部材は、シリンダ装置の全行程にわたり解除力を与える第1ばねと、前記リンク部材の押さえ部が扉と当接するストローク途中位置からストロークエンド位置まで解除力を与える第2ばねとを有していることを特徴とする。
【0005】
前記変換手段は、前記リンク部材の基部からアームを外方へ伸延形成し、そのアームの伸延端に前記ピストンロッドを回動自在に連結した構成であるものとするのがよい。
また、前記変換手段は、前記リンク部材の基部にピニオンを設け、そのピニオンに噛み合うラックを前記ピストンロッドに設けた構成であるものとするのがよい。
【0006】
【作用】
気密保持及び気密解除の動作は、扉の内外の圧力差が殆どない状態のときに行われる。その時の気密保持の動作は、主に気密パッキンの弾性反力に抗して扉を押圧することになり、必要な押圧力はあまり大きいものではない。そしてリンク部材が気密保持位置にあれば、扉側からの反力が増大してリンク部材に作用しても、リンク部材は扉側からの作用力では移動しない死点位置にあるか、又は扉側からの作用力によるリンク部材の受ける回転力がきわめて小さい位置(死点位置に近い位置)にあるから、その気密保持位置を維持するためにあまり大きい作用力を必要としない。従って、シリンダ装置は、扉に内外の差圧による作用力が加わったときに殆ど反発力を受けないから、単にリンク部材を気密解除位置と気密保持位置との間で回動させる出力が得られればよい。また、気密保持の際に押しつけられる扉の進退量が大きくなっても、リンク部材の基部(軸支位置)から押さえ部までの長さを長く変更するだけでよいので、シリンダ装置のストロークを長くする必要はなく、シリンダ装置は大きくならない。
【0007】
押さえ部が扉に押圧作用するリンク部材の気密作用位置をシリンダ装置のストロークエンド位置により規定したので、別途リンク部材のストッパー部材等を設ける必要がない。
【0008】
シリンダ装置のばね部材をシリンダ装置の全行程にわたり解除力を与える第1ばねと、前記リンク部材の押さえ部が扉と当接するストローク途中位置からストロークエンド位置まで前記解除力を与える第2ばねとで構成したから、単一のばね部材でリンク部材の解除力を確保する場合に比べ、第1ばねのばね力を小さく設定して全長を短くできる。
【0009】
【実施例】
本発明の一実施例を図1〜図4を用いて説明する。この気密保持装置は、車両の側面出入口の縁部に車両内側から押しつけて閉じる内プラグドアである扉1に対して設けてあり、出入口2の周縁部の車両内側面に対応するように扉1側に気密パッキン3を設けてあり、扉1の閉位置において扉1を内側から押圧することにより、出入口周縁部と扉1との間にパッキン3が挟まれて車両内の気密を保持するようになっている。気密保持装置の扉を押圧する部分は、出入口2の両側の上部、中間部、下部の6箇所に1組ずつ設けたシリンダ装置4とリンク部材5で構成されている。その1組のシリンダ装置4とリンク部材5の詳細を図3、図4に示す。
【0010】
シリンダ装置4は、図3及び図4に拡大して示すように、シリンダ10、ピストン11、ピストンロッド12、第1ばね13、第2ばね14、シリンダ支持部15等で構成されている。シリンダ10は、図1に見られるように、内部にピストン11を収容され、その一方の端壁16を貫通したピストンロッド12が突出しており、ピストン11とシリンダ端壁16との間に第1ばね13と第2ばね14が設置され、他方の端壁17とピストン11との間に圧力室18が形成され、その圧力室18に流体給排口19を設けてある。第1ばね13と第2ばね14はいずれも復帰ばねであり、ピストン11が図示の後退した復帰状態では、第1ばね13が少し圧縮され、第2ばね14は圧縮されていない状態であり、ピストン11が約2/3ストローク前進すると、第2ばね14が圧縮され始めるようになっている。
【0011】
より詳細には、このシリンダ装置4のピストンストロークは56.5mmとしてあり、第1ばね13及び第2ばね14の総合特性(ピストンストロークに対するばねの反力)は図5に曲線Aで示すようなばね特性となっている。すなわち、ピストンストローク0〜36.5mmの範囲では第1ばね13が作用する比較的ゆるやかな右上がりの直線A1であり、ピストンストローク36.5〜56.5mmの範囲では第1ばね13と第2ばね14の双方が作用する比較的急な右上がり直線A2である。同図において、点線B1は第1ばね13の、そして点線B2は第2ばね14の夫々の特性を示し、いずれもピストンストローク36.5〜56.5mmの範囲のものであり、直線A2はこれらの和である。
シリンダ10の端壁17の外面には軸挿通孔を有する被支持部20を設けてある。シリンダ支持部15は、シリンダ装置4及びリンク部材5を支持して車両の所定の取付け位置に取り付けるためのもので、鋼板で形成され、取付け用のボルト挿通孔21を有している。そしてシリンダ10の被支持部20の軸挿通孔に挿通されシリンダ10を回動自在に支持している軸22を設けてある。
【0012】
リンク部材5は、後述する変換手段50のアーム51と一体に形成されており、図3及び図4に示すように、中途が屈曲した形状のものの屈曲部を基部52とし、その基部52からリンク部材5とアーム51とが夫々外方へ伸延している。基部52はシリンダ支持部15に設けた前記軸22と平行な軸23によって回動可能に軸支されている。一方のリンク部材5は外方へ伸延した先端が、ローラを軸支持した押さえ部25に形成されている。他方のアーム51は外方へ伸延した先端が前記ピストンロッド12に回動可能に軸24によって連結されており、これによってピストンロッド12の進退運動を回動運動に変換してリンク部材5に伝達する変換手段50を構成している。前記軸23の位置はピストンロッド12先端のストローク軌跡の中間の側方位置としてあり、軸24及びローラの軸26はいずれも軸23に平行なものである。前記ピストン11の全ストロークによってリンク部材5は約90°回動する。この実施例において、軸23から軸24(ピストンロッド連結部)までの長さは40mm、軸23からローラの軸26の軸芯までの距離は95mmとしてある。
【0013】
図3、図4において、27は弛み検知スイッチであり、前記6組のシリンダ装置4及びリンク部材5の各組に設けてあるが、場合によっては、6組の中の1組にのみ設けることもある。スイッチ本体がシリンダ支持部15に金具28を介して固定してあり、スイッチのアクチュエータ29がリンク部材5の弛み位置(図3に実線で示す回動位置)を検知する位置とされている。この弛み位置はシリンダ装置4のピストン11が第1ばね13によって後退端に達した位置である。
【0014】
このシリンダ装置4及びリンク部材5は、図1、図2に示すように、車両の側面の出入口2の開口縁のカバー30の内側の予め決められた位置に設置され、流体給排口19に圧縮空気供給管(図示省略)を接続される。夫々のシリンダ装置4及びリンク部材5を設置した状態で、圧縮空気が供給されていないときは、リンク部材5の押さえ部25が図3に実線で示す弛み位置25Aにあり、圧縮空気が供給されてピストン11が前進すると、同図3に示すように、リンク部材5が所定の方向へ回動し、押さえ部25が途中位置25B、25Cを経て、気密作用位置25Dに達して止まる。すなわち、ピストン11がそれ以上前進できないストローク端に到達したとき、気密作用位置25Dとなる。途中位置25Bは押さえ部25が扉1に当接する位置、途中位置25Cは押さえ部25が扉1に向かって押圧し最大に突出した位置、つまり押さえ部25が扉側からの反力では回動しない死点位置である。気密作用位置25Dは、死点位置25Cを前記所定回動方向に僅かに越えた回動位置であり、死点位置25Cよりも扉1の押圧方向に対して僅かに後退した位置である。
【0015】
シリンダ装置4に圧縮空気供給管を介して行う圧縮空気の給排は、例えば、図6に空気つなぎ図として示すように、戸閉シリンダ40に圧縮空気を給排する戸閉電磁弁DV1の手前で管路41を分岐させてその一方41aに気密電磁弁DV2、切換弁V1を順次介して各シリンダ10を並列に接続した構成としてある。切換弁V1は、扉1が閉位置になったとき連通位置に切り換わる。各電磁弁DV1、DV2の制御は、図7に電気つなぎ図を示すように、戸閉電磁弁DV1のソレノイド回路に、リレーDLR(車両速度が5km/hを越えると作動して接点オフとなる)の接点S1、戸閉リレーDVR(戸の開閉により戸開信号で接点オン、戸閉信号で接点オフとなる)の接点S2、各弛み検知リレーRY11 〜RY16 (対応する緩み検知スイッチ27が緩み検知で接点オンとなる)の夫々の接点S31 〜S36 を直列に挿入してあり、また、気密用電磁弁DV2のソレノイド回路に、前記接点S1と連動する同様な接点S4、前記接点S31 〜S36 の各々と連動する同様な接点S51 〜S56 を直列に且つ接点S2と連動する同様な接点S6を並列に挿入してある。図6、図7の状態は、車両が停止し、扉1が閉じ、気密保持が行われている状態である。
【0016】
図7のソレノイド回路は、接点S1、S2、S31 〜S36 の全てがオンとなることにより戸閉用電磁弁DV1のソレノイドが励磁されて、戸閉用電磁弁DV1が図6の戸閉状態から戸開状態に切り換わる。そして接点S1、S2、S31 〜S36 のいずれかがオフになると同ソレノイドが消磁されて戸閉状態に切り換わる。また、接点S4、S51 〜S56 の全て又は接点S6のいずれかがオンとなると気密用電磁弁DV2のソレノイドが励磁されて、気密用電磁弁DV2が図6の給気状態から排気状態に切り換わる。そして接点S4、S51 〜S56 の中の一つ又は接点S6がオフになると同ソレノイドが消磁されて給気状態に切り換わる。
【0017】
車両が駅に到着して扉1が開く場合、扉1が開く前の状態は、気密保持状態(接点S31 〜S36 、S51 〜S56 はオフ)であり、戸開信号により戸閉リレーDVRが動作して接点S2、S6がオンとなり、これにより気密用電磁弁DV2がソレノイドを励磁されて排気位置に切り換わり、各シリンダ10が排気されて気密解除(押さえ弛み)となり、緩み検知スイッチ27が緩みを検知して緩み検知リレーRY11 〜RY16 が動作し、接点S31 〜S36 及び接点S51 〜S56 がオンとなり、戸閉電磁弁DV1がソレノイドを励磁されて戸開位置に切り換わり、扉1が開く。
【0018】
車両が扉1を閉じて発車する場合は、戸閉信号により戸閉リレーDVRが動作して接点S2、S6がオフとなり、これにより戸閉電磁弁DV1がソレノイドを消磁されて戸閉位置に切り換わり、扉1が閉じ、これによって切換弁V1が連通位置に切り換わり、車両が発車する。車両速度が5km/hを越えるとリレーDLR動作して接点S1、S4がオフとなり、気密用電磁弁DV2のソレノイドが消磁されて給気位置に切り換わり、各シリンダ10が給気されて気密保持状態となる。
【0019】
なお、手動扱いで扉1を閉じる時は、戸閉電磁弁DV1、気密用電磁弁DV2の各ソレノイドを消磁状態としておいて、図示していないが、ドアコックを閉操作すると、扉1が閉じ、切換弁V1が連通位置に切り換わり、シリンダ10に給気されて気密保持状態となる。
また、気密保持をリレーDLRによって行うのは、扉1が閉じた後で直ちに気密保持状態とすると、戸閉力が大きくなるから、乗客が扉に挟まれていた場合に危険性が増すので、これを避けるためである。
【0020】
図6において、42は排気遅延回路であり、前述した弛み検知スイッチ27を6組のシリンダ装置4及びリンク部材5の中の1組にのみ設けた場合に、その対応する組のシリンダ10に対してのみ設ける。これによって特定のシリンダ10のピストンが遅れて後退することになり、緩み検知スイッチが弛みを検知したときは他の5個のシリンダ10においてはピストンが確実に後退しており、弛み状態となっているから、1個の弛み検知スイッチでよいという構成の例である。
【0021】
このように構成した扉の気密保持装置は、扉1が閉位置になった状態でシリンダ装置4に圧縮空気を供給して動作させる。扉1が閉位置になった状態は、図2に1cで示す位置になった状態である。すなわち、同図2において、戸袋31内にある仮想線で示す扉の位置1aが開位置であり、図示していない扉開閉装置により、仮想線で示す途中位置1bに車体外面32に平行に矢印33で示す方向に引き出され、続いて案内部に案内されて斜めに矢印34で示す方向に移動した仮想線で示す閉位置1cとなり、この閉位置1cでは扉1のパッキン3が出入口2の周縁部に近接して対向している状態である。シリンダ装置4への圧縮空気の供給によりピストン11が、まず第1ばね13に抗して前進し、途中から更に第2ばね14に抗して前進し、前進端で止まる。このピストンの前進により、リンク部材5が、図3に示すように、実線で示す弛み位置(押さえ部25が緩み位置25Aにある位置)から仮想線で示す気密保持位置まで約90°回動する。このリンク部材5の回動は、図3を用いて説明したように、押さえ部25が途中位置25Bで閉位置1cにある扉1の内側に当接し、更に押さえ部25が扉1を押してパッキン3を圧縮した死点位置25Cを経て気密保持位置25Dとなることによって扉1は密閉位置1dとなる。図1、図2において、扉1の密閉位置1dは実線で示す。
【0022】
押さえ部25が気密保持位置25Dとなり、扉1が密閉位置1dとなった状態では、車両内外の気圧差により扉1にこれを内側へ押し開くような力が作用しても、押さえ部25が後退しないので、扉1は開かない。すなわち、押さえ部25が死点位置25Dにある時は扉1からの反力の作用線が押さえ部25のローラ軸の中心と軸23の中心とを結ぶ線に一致するから、扉1からの反力によってリンク部材5が軸23回りの回転力を受けることはなく、これよりも更に回転した押さえ部25が気密保持位置25Dにある時は扉1からの反力の作用線は軸23の中心よりも僅かに外れてリンク部材5がわずかな回転力を受けることになるが、その回転力は押さえ部25が死点位置25Cから離れる方向の回転力であり、この回転力の方向にはピストン11がストローク端で拘束されているから回転しないのである。従って、扉1からの反力は、シリンダ装置4の出力で受けられるのではなく、大部分が押さえ部25、リンク部材5、軸23、シリンダ支持部15を介して車両の構造部で受けられ、残りのわずかな部分がピストン11のストローク端で受けられる。これによってシリンダ装置4の出力は、扉1に外力が作用していない状態で、扉1を密閉位置1cに押しつけることができる程度の比較的小さいものでよい。従って、シリンダ装置4を実施例のようにエヤーシリンダとしても小さいシリンダで対応できる。勿論油圧シリンダを使用することも可能である。
【0023】
また、気密保持状態から弛めるときは、扉1に外力の作用していない状態のときであるから、シリンダ11から排気することによって第1ばね13及び第2ばね14の合成反力によって押さえ部25が死点位置25Cを越えて復帰する。その復帰の初期において、押さえ部25が死点位置を越えることが必要であり、このためにやや大きい回転力を必要とするが、このために第1ばね13と第2ばね14の合成ばね力が作用する。この合成ばね力はその構成により、ピストン11の前進ストロークに従って始めは第1ばね13の特性で徐々に上昇し、途中から第2ばね14のかなり急激に上昇する特性を加算された急激に上昇するような特性曲線としておくことができ、これによって復帰初期においては合成ばね力が大きく問題なく復帰させることができる。そして、単一ばねとする場合に比べて第1ばね13のばね力を小さく設定でき、シリンダの小型化が可能となる。
【0024】
上記実施例において、ピストンロッド12の進退運動をリンク部材5の回動運動に変換する変換手段50を、基部52から伸延させたアーム51にピストンロッド12を軸24で連結した構成のものを示したが、この他に図8に示す構成のものとしてもよい。すなわち、基部52aにピニオン53を設け、そのピニオン53に噛み合うラック54をピストンロッド12aに形成した構成の変換手段50aとしてもよい。この場合シリンダ10は軸22aを中心に揺動しないようにシリンダ支持部15に被支持部20aを貫通した固定ピン55を設けてある。図8において、上記実施例と同等部分は同一図面符号で示してある。
このような変換手段50aを有する構成の扉の気密保持装置も、上記実施例と同様に動作する。
【0025】
上記実施例において、押さえ部25の気密作用位置が死点位置を僅かに越えた位置としたものを説明したが、死点位置では扉1側からの反力でリンク部材5に回転力を生じないから死点位置でもよく、また、死点位置のわずかに手前でも考えられる気圧差によって生じる扉1側からの反力による回転力は小さいから、シリンダ装置4の出力で十分に対向でき、従って押さえ部25の気密作用位置は死点位置の近傍であれば、実用可能である。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、リンク部材が気密保持の回動位置にあれば、扉側からの反力が増大してリンク部材に作用しても、リンク部材は扉側からの作用力では回動しない死点位置にあるか、又は扉側からの作用力によるリンク部材の受ける回転力がきわめて小さい位置(死点位置に近い位置)にあるので、その気密保持位置を維持するために作用力を必要としないか、又はあまり大きい作用力を必要としないから、シリンダ装置が小出力のものでよく、更に、気密保持の際に押しつけられる扉の進退量が大きくなってもリンク部材の軸支位置から押さえ部までの長さを長く変更するだけでよいから、シリンダ装置のストロークを大きくする必要はなく、小型化できる効果を奏する。また、シリンダ装置の出力が小さくて良い点から、圧力流体を圧縮空気とすることもでき、そのようにすることによって軽量化できる効果を奏する。
また請求項1に記載の発明は、押さえ部が気密作用位置となるリンク部材の回動位置をシリンダ装置のストロークエンド位置により規定したので、別途リンク部材に対するストッパー部材等を設ける必要がなく、構成を簡略化させることができる効果を奏する。
また請求項1に記載の発明は、シリンダ装置の復帰力を与えるばねを第1ばねと第2ばねとで構成したので、単一のばね部材でリンク部材の解除力を確保する場合に比べ、第1ばねのばね力を小さく設定して全長を短くできるから、シリンダ装置の小型化が可能となる効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、アームとピストンロッドを連結した単純な構造であるから、製作し易く、コスト的に有利である効果を奏する。
請求項3に記載の発明は、シリンダが揺動しない構造であるから、圧力流体供給用の配管が固定され、その耐久性が向上する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の扉半部付近の縦断側面図である。
【図2】同実施例の扉付近の横断平面図である。
【図3】図1の部分拡大部分断面図である。
【図4】図3のシリンダ装置及びリンク部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図5】同実施例の第1ばね及び第2ばねの総合特性と個々の特性とを示すグラフである。
【図6】同実施例の空気回路の1例を示す空気つなぎ図である。
【図7】図6に示した戸閉電磁弁及び気密用電磁弁の制御用の電気つなぎ図である。
【図8】変換手段の他の例を示す図3に対応する部分断面図である。
【符号の説明】
1 扉
1c 閉位置
1e 密閉位置
2 出入口開口
3 気密パッキン
4 シリンダ装置
5 リンク部材
10 シリンダ
11 ピストン
12 ピストンロッド
13 第1ばね
14 第2ばね
15 シリンダ支持部
18 圧力室
22 軸
23 軸
24 軸
25 押さえ部
25D 死点位置
25D 気密保持位置
32 車両外側面
50 変換手段
50a 変換手段
51 アーム
52 基部
53 ピニオン
54 ラック
55 固定ピン
Claims (3)
- 閉位置にある扉を気密パッキン側に押圧作用して扉の気密を保持する扉の気密保持装置において、流体圧を受けて作動する後記リンク部材と組をなすシリンダ装置と、このシリンダ装置のピストンロッドにピストンロッドの進退運動を回動運動に変換する変換手段を介して連結されこのシリンダ装置の作動により回動して扉を押圧作用するリンク部材とを設け、このリンク部材は、基部が回動自在に車両側の所定位置に軸支され、その基部から外方へ伸延し、その伸延端に扉に当接して扉を気密パッキン側に押圧する押さえ部を有しており、この押さえ部は、前記リンク部材の回動により扉押圧方向に最大に突出した回動位置又は最大に突出した回動位置近傍の位置が気密作用位置となり、前記気密作用位置は、前記シリンダ装置のストロークエンド位置で規定されるものであり、前記シリンダ装置は、前記押さえ部の押圧作用を解除させるばね部材を有しており、このばね部材は、シリンダ装置の全行程にわたり解除力を与える第1ばねと、前記リンク部材の押さえ部が扉と当接するストローク途中位置からストロークエンド位置まで解除力を与える第2ばねとを有していることを特徴とする扉の気密保持装置。
- 前記変換手段は、前記リンク部材の基部からアームを外方へ伸延形成し、そのアームの伸延端に前記ピストンロッドを回動自在に連結した構成であることを特徴とする請求項1に記載の扉の気密保持装置。
- 前記変換手段は、前記リンク部材の基部にピニオンを設け、そのピニオンに噛み合うラックを前記ピストンロッドに設けた構成であることを特徴とする請求項1に記載の扉の気密保持装置。
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1995
- 1995-06-28 JP JP18616095A patent/JP3707566B2/ja not_active Expired - Lifetime
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