JP3709769B2 - 異常検出システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は異常検出システムに関し、特に被制御装置に異常監視情報を収集する異常監視ユニットが被制御装置の制御ユニットと多重通信システムを形成する異常検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特にコンピュータ技術の進歩を背景として情報通信の高度化が進んでおり、例えば自動車においても、搭載される各種の電装品等を制御する制御ユニットの間でやり取りされる情報量は急速に増大している。そこで情報を伝達するワイヤーハーネスの数を低減すべく多重通信システムが採用されつつある。
【0003】
多重通信システムは、共通の多重通信線にノードとして制御ユニットが接続されてネットワークが形成されており、制御ユニット間で多重通信線を介してデータ通信を行う。制御の種類が多岐にわたる前記自動車等の場合には、データ通信を効率よく行うために、被制御装置の種類等で多数のノードをノード群に分けて複数のネットワークを形成し、属するネットワークが異なるノード間の通信はデータ中継装置を介して行うものもある。
【0004】
かかるネットワークのノードの一つとして、異常監視ユニットを接続し、異常監視ユニットにおいて、前記制御ユニットから送信されるデータフレームに基づいて被制御装置や制御ユニットで発生した異常の監視情報を収集するようにした異常検出システムがある。
【0005】
異常検出システムとして、特開平11−341572号公報には、ネットワーク内に、そのノード数と同じビット数のチェックメモリを巡回せしめ、チェックメモリが巡回してきた各ノードは自己に割り当てられたビットにフラグを立てて次アドレスのノードに送信し、この送信したチェックメモリに対する応答確認フレームが次アドレスのノードから無い場合にはさらに次のアドレスのノードにチェックメモリを送信するものがある。この異常検出システムでは、ネットワーク内を一巡したときのチェックメモリのフラグから異常ノードを特定する(第1従来例)。
【0006】
また、特開平11−332086号公報には、電源分配装置が接続された多重通信線に電源線を並走せしめて、電源に異常があれば多重通信線に電磁的な影響がでるようにして、電源異常発生時に通信異常を故意に発生せしめ、通信異常の頻度を監視して電源異常を検出するものがある(第2従来例)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記第1、第2従来例では、被制御装置に異常があってもノード自体に異常がなくデータフレームを正常に送信可能な状態で発生する異常は検出することができない。
【0008】
また、作動状態における被制御装置の制御内容を記録し、その内容から異常の有無を判断することが考えられるが、自動車のように制御が複雑化しているものでは、記憶容量が莫大であり、また、膨大な制御内容のデータの中から異常のある被制御装置を特定するのは困難をともない、分析に手間がかかる。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、被制御装置自体の異常を簡易に検出することのできる異常検出システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、被制御装置の制御ユニットをノードとするネットワークの通信線に、前記制御ユニットから送信されるデータフレームに基づいて前記被制御装置の異常監視情報を収集する異常監視ユニットを前記ノードとして接続してなる異常検出システムにおいて、
前記ネットワークを、属するすべての前記制御ユニットが、起動要因が存在しない状態で予め設定した待ち時間が経過するとスリープ作動する構成とする。
前記制御ユニットのそれぞれを、前記起動要因が存在している時には自己の識別情報を含み前記スリープ作動が不可である旨のスリープ不可通知を送信する構成とする。
前記異常監視ユニットを、前記被制御装置が作動状態から作動停止状態に移行したことを検出する装置状態検出手段と、
前記被制御装置が作動停止状態に移行した後において、送信される前記スリープ不可通知を前記待ち時間よりも長い所定周期をおいて繰り返し監視して前記待ち時間を越えて起動要因が存続する前記制御ユニットを検出するするとともに、検出された前記制御ユニットの識別情報を順次、記憶手段に出力する起動ユニット検出手段とを具備する構成とする。
【0011】
被制御装置に異常がなければ、被制御装置が作動停止状態に移行すると制御ユニットはそれぞれスリープ作動に入る。逆に被制御装置に異常があると、被制御装置が作動停止状態に移行し前記待ち時間が経過しても制御ユニットは起動状態を継続する。かかる制御ユニットが送信するスリープ不可通知に基づいて異常が特定されることとなり、被制御装置自体の異常を簡易に検出することができる。そして、検出された制御ユニットの識別情報を記憶手段に残すことで、作動中の被制御装置のデータを分析することなく異常を特定することができ、サービス工場等で異常の発生を確実かつ簡易に知ることができる。また、被制御装置の作動停止後における制御ユニットの起動要因には、自動車のドア操作のように正常なものもあり、かかる場合はやがて起動要因が消滅し、スリープ不可通知は送信されなくなる。スリープ不可通知を継続的に検出することで、真の異常とそうでないものを区別することができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、被制御装置の制御ユニットをノードとするネットワークの通信線に、前記制御ユニットから送信されるデータフレームに基づいて前記被制御装置の異常監視情報を収集する異常監視ユニットを前記ノードとして接続してなる異常検出システムにおいて、
前記ネットワークを、属するすべての前記制御ユニットが、起動要因が存在しない状態で予め設定した待ち時間が経過するとスリープ作動する構成とする。
前記制御ユニットのそれぞれを、前記起動要因が存在している時には、自己の識別情報を含み前記スリープ作動が不可である旨のスリープ不可通知とともに、自己のスリープ作動を不可としている前記被制御装置の作動状態を示す作動状態情報を含む作動状態通知を送信する構成とする。
前記異常監視ユニットを、前記被制御装置が作動状態から作動停止状態に移行したことを検出する装置状態検出手段と、
前記被制御装置が作動停止状態に移行した後において、送信される前記スリープ不可通知を監視して前記待ち時間を越えて起動要因が存続する前記制御ユニットを検出する起動ユニット検出手段と、検出された前記制御ユニットの識別情報と前記作動状態情報とを前記異常監視情報として記憶する記憶手段とを具備する構成とする。
【0013】
被制御装置に異常がなければ、被制御装置が作動停止状態に移行すると制御ユニットはそれぞれスリープ作動に入る。逆に被制御装置に異常があると、被制御装置が作動停止状態に移行し前記待ち時間が経過しても制御ユニットは起動状態を継続する。かかる制御ユニットが送信するスリープ不可通知に基づいて異常が特定されることとなり、被制御装置自体の異常を簡易に検出することができる。そして、検出された制御ユニットの識別情報を記憶手段に残すことで、作動中の被制御装置のデータを分析することなく異常を特定することができ、サービス工場等で異常の発生を確実かつ簡易に知ることができる。したがって、再現性のない異常に対して好適に対処し得る。併せて被制御装置の作動状態が知られるので、異常内容の分析を的確に行うことができる。
【0014】
請求項3記載の発明では、被制御装置の制御ユニットをノードとするネットワークの通信線に、前記制御ユニットから送信されるデータフレームに基づいて前記被制御装置の異常監視情報を収集する異常監視ユニットを前記ノードとして接続してなる異常検出システムにおいて、
前記ネットワークを、属するすべての前記制御ユニットが、起動要因が存在しない状態で予め設定した待ち時間が経過するとスリープ作動する構成とする。
前記制御ユニットのそれぞれを、前記起動要因が存在している時には、自己の識別情報を含み前記スリープ作動が不可である旨のスリープ不可通知を送信する構成とする。
前記異常監視ユニットを、前記被制御装置が作動状態から作動停止状態に移行したことを検出する装置状態検出手段と、
前記被制御装置が作動停止状態に移行した後において、送信される前記スリープ不可通知を監視して前記待ち時間を越えて起動要因が存続する前記制御ユニットを検出する起動ユニット検出手段とを具備する構成とする。
【0015】
被制御装置に異常がなければ、被制御装置が作動停止状態に移行すると制御ユニットはそれぞれスリープ作動に入る。逆に被制御装置に異常があると、被制御装置が作動停止状態に移行し前記待ち時間が経過しても制御ユニットは起動状態を継続する。かかる制御ユニットが送信するスリープ不可通知に基づいて異常が特定されることとなり、被制御装置自体の異常を簡易に検出することができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、請求項3の発明の構成において、前記異常監視ユニットを、検出された前記制御ユニットの識別情報を前記異常監視情報として記憶手段に記憶する構成とする。
【0017】
制御ユニットの識別情報を異常監視情報として記憶手段に残すことで、作動中の被制御装置のデータを分析することなく異常を特定することができ、サービス工場等で異常の発生を確実かつ簡易に知ることができる。したがって、再現性のない異常に対して好適に対処し得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に自動車に適用した本発明の第1実施形態になる異常検出システムを示す。異常検出システムは自動車に適用したもので、被制御装置である自動車の構成要素(以下、適宜、車両構成要素という)511〜534の制御用の制御ユニットであるECU311〜334がノードとして多重通信線21,22,23に、複数(図例では3)のノード群に分かれて接続されており、複数のネットワーク11,12,13が形成されている。異常検出システムはこれらネットワーク11〜13と異常監視ユニットである異常検出装置4とにより構成される。
【0019】
各ネットワーク11〜13の多重通信線21〜23は、各ネットワーク11〜13のノードの一つとしての異常検出装置4と接続されている。異常検出装置4は、異常情報を収集するとともにデータ中継装置としての機能をも果たし、ECU311〜334から送信されたデータフレームを別のネットワーク11〜13に属するECU311〜334へと中継するようになっている。
【0020】
第1のネットワーク11は、多重通信線21に、運転席ドア(D席ドア)511制御用のECU311、助手席ドア(P席ドア)512制御用のECU312、後部右側座席ドア(RR席ドア)513制御用のECU313、後部左側座席ドア(RLドア)514制御用のECU314、ルーフ515制御用のECU315が接続されている。第2のネットワーク12は、多重通信線22に、エンジン521制御用のECU321、メータ522制御用のECU322、エアコン523制御用のECU323、ABS524制御用のECU324、エアバッグ525制御用のECU325が接続されている。第3のネットワーク13は、多重通信線23に、コンビネーションスイッチ531制御用のECU331、ステアリングスイッチ532制御用のECU332、ライト533制御用のECU333、リアスイッチ534制御用のECU334が接続されている。
【0021】
これらノード311〜334,4はすべて、ドア等の作動用等のように常時作動可能であることが要求される一部の車両構成要素511〜515と同様に、車載バッテリを有する電源6からキースイッチにより開閉するスイッチ回路を迂回して常時電源供給されるようになっており、キースイッチの操作では給電は遮断しない。したがって、キースイッチがオフ位置に回動されてもノード311〜334,4間で通信が可能である。
【0022】
各ECU311〜334間はBEAN等の所定の通信プロトコルにてデータフレームを送受信するようになっている。また、各ECU311〜334は、通常の制御用のデータフレームの他、次の2種類のデータフレームを送信するようになっている。図3、図4はこのデータフレームの構造を示すものである。データフレームはデータ本体となるデータ領域と、付帯情報で構成されるヘッダ領域とを備えてなり、例えばBEANプロトコルでは、ヘッダ領域はプライオリティ領域、送信先ID領域、データ領域を含んでいる。
【0023】
図3に示す第1の種類のデータフレームは、各ECU311〜334がスリープ作動に移行可能な状態か否か、すなわち起動要因が存在しない状態か否かを通知するもの(以下、スリープ移行状態通知フレームという)である。スリープ移行状態通知フレームはデータ領域の1バイト目に自己の装置IDを示す領域を有し、2バイト目にスリープ作動が可か不可かを示すスリープOK/NGフラグの領域を有している。例えば「0」がスリープ可(OK)を、「1」がスリープ不可(NG)を表す。スリープ作動が可能か否かは各ECU311〜334のI/O回路の入力等が所定の初期状態であるか否かや送信すべきデータフレームを有しているか否か等により判断される。スリープ作動が不可である旨のスリープOK/NGフラグがセットされたスリープ移行状態通知フレーム(以下、適宜、スリープNG通知フレームという)が送信されると、同じネットワーク11〜13に属するノード311〜334,4も起動状態を維持し、ネットワーク11〜13単位で起動状態となる。
【0024】
図4(A)、図4(B)に示す第2の種類のデータフレームは、各車両構成要素511〜534の作動状態を示す車両情報を通知するもの(以下、車両情報通知フレームという)である。車両情報通知フレームはデータ領域に車両構成要素511〜534の作動状態を示す監視領域を有している。該監視領域には、例えば1バイト目にドアの開閉情報(図4(A))を与え、2バイト目にキースイッチの回動位置情報(図4(B))を与える。車両情報通知フレームは前記スリープNG通知フレーム送信時に、これに続いて送信される。
【0025】
異常検出装置4は、通信用ICや制御用のマイクロコンピュータ等で構成されたもので、図2はその機能ブロックで表してある。異常検出装置4は3つのフレーム送受信部411,412,413を備えており、フレーム送受信部411〜413は多重通信線21〜23と1対1に接続されている。
【0026】
フレーム送受信部411〜413が受信したデータフレームは受信フレーム格納バッファ42に、一時、格納される。受信フレーム格納バッファ42はRAMの所定領域が割り当てられる。格納されたデータフレームは、他のネットワーク11〜13に中継するデータフレームであれば中継処理部43がデータIDと中継先を対応づける中継先テーブルにしたがって送信を担当するフレーム送受信部411〜413を特定する。中継されるデータフレームは送信を担当するフレーム送受信部411〜413に出力された後、所定のタイミングで送信される。
【0027】
また、スリープ移行状態通知フレーム、車両情報通知フレームを受信すると、通知フレーム処理部44が、スリープOK/NGフラグ、装置ID、車両情報を抽出して抽出結果を異常状態判定部45に出力する。
【0028】
異常状態判定部45にはまた、車両電源判定部46の判定結果およびタイマー部47のカウント出力が入力している。前記通知フレーム処理部44、異常状態判定部45、車両電源判定部46およびタイマー部47により起動ユニット検出手段401を構成する。車両電源判定部46には、キースイッチの操作によるイグニッションスイッチがオフか否かが知られるように、例えばアクセサリオン(ACC−ON)でオンする給電系の電源電圧信号が入力しており、この電源電圧信号に基づいて、車両電源判定部46は、キースイッチがオフ位置からACC−ON位置等に回動してイグニッションスイッチがオンし車両構成要素511〜534が作動状態に入ったこと、キースイッチがオフ位置に復帰してイグニッションスイッチがオフし車両構成要素511〜534が作動停止状態に入ったことが知られるようになっている。
【0029】
これらの入力に基づいて異常状態判定部45は異常の有無を判じる。すなわち、イグニッションスイッチオフから予め設定した時間T1 経過後もネットワーク11〜13がスリープ作動に移行しない場合、スリープNG通知フレームを送信したECU311〜334に対応する車両構成要素511〜534を異常と判じて、当該ECU311〜334の装置IDおよび車両情報を異常監視情報として記憶回路48に出力する。なお、前記時間T1 は、各ECU311〜334が起動要因がなくなってからスリープ作動に移行するまでの待ち時間以上とする。
【0030】
記憶回路48はEEPROMを具備し、バッテリがあがった時にも記憶内容を保持する。
【0031】
図5は異常検出装置4における作動を示すもので、これにより本異常検出システムの作動を説明する。キースイッチの操作でイグニッションスイッチがオフし、これを車両電源判定部46が検出すると監視処理が開始される(ステップS101)。先ずタイマー部47がカウントを開始し(ステップS102)、通知フレーム処理部44がスリープ作動に移行しないか否か、すなわち起動状態を維持したままか否かを判断する(ステップS103)。すべてのECU311〜334からの前記スリープOK通知フレームを受信していればスリープ作動に移行と判断する。ステップS103が肯定判断されると、異常状態判定部45は、タイマー部47のカウント時間が予め設定した時間T1 を越えたか否かを判断する(ステップS104)。
【0032】
そして、イグニッションスイッチオフからスリープ作動が不可の状態が継続し、この継続時間が時間T1 を越えると(ステップS103,S104)、続く時間T2 の間、通知フレーム処理部44は、スリープNG通知フレームを監視するとともに車両情報通知フレームを監視し、スリープ作動への移行が不可となっているECU311〜334の装置IDを抽出するとともに、車両情報を抽出し、これらの情報を異常判定部45に出力する(ステップS105)。これはスリープ作動への移行が不可となっているECU311〜334が複数の場合はすべてのECU311〜334に関して行われる。
【0033】
異常状態判定部45は、前記時間T2 が経過して装置IDと車両情報とが確定すると(ステップS106)、これらのデータが異常状態判定部45から記憶回路48に出力されて前記EEPROMに格納される(ステップS107)。
【0034】
そして再びタイマー部47がリセットしてカウントを開始し(ステップS102)、前記ステップS102以降の手順が実行される。
【0035】
なお、ステップS103で否定判断されると、異常検出装置4はスリープ作動に移行する。そして、ウェイクアップフレームを受信せず(ステップS108)、かつキースイッチがオフ位置のままであれば(ステップS109)、そのままスリープ作動を続けるが、ウェイクアップフレームを受信すると(ステップS108)、前記ステップS102以降の手順が実行される。ウェイクアップフレームを受信する場合には、例えば前記ドアが開かれる等の操作がなされた場合がある。
【0036】
また、車両電源判定部46によりイグニッションスイッチがACC−ON位置に回動したと判断されると(ステップS109)、運転者により車両要素511〜534の作動停止状態が解除されたと判断し、監視は終了する。
【0037】
このようにして、イグニッションスイッチオフ後、スリープ作動に移行するまでの待ち時間よりも長く起動状態のままのECU311〜334が検出され、対応する車両構成要素511〜534のその時の作動状態も記憶される。
【0038】
さて、イグニッションスイッチオフにより後述するドア作動等を除き正常な起動要因は消滅しているのでイグニッションスイッチオフから時間T1 が経過すれば通常はすべてのECU311〜334はスリープ作動に入る。したがって、逆に、スリープ作動に入らないECU311〜334は車両構成要素511〜534の異常によりスリープが許容されないのであるから、膨大な量のデータの分析を行うことなく、車両構成要素511〜534に異常のおそれのあるECU311〜334をサービス工場等において簡易に知ることができる。そして、異常の原因については、EEPROMに装置IDとともに記憶される車両情報から分析ができる。
【0039】
また、これら装置IDと車両情報とがEEPROMに残されることでサービス工場等が異常の発生を確実に知ることができる。したがって、再現性のない異常に対して好適に対処し得る。例えば、あるECUの異常によりそのネットワーク11〜13の全ECU311〜334が起動状態を持続しバッテリが上がった場合、バッテリを交換することになるが、その時、各ECU311〜334はパワーオンリセットによる再起動をすることになるので、異常が再現しないことが往々にしてある。かかる場合にも記憶された故障情報に基づいて故障診断等をすることができる。
【0040】
なお、電源オフ後、起動状態のままのECU311〜334があれば、電源オフから時間T1 後に知られるようになっているが、前記のようにステップS107から再びステップS102以降の手順が繰り返されるので、図6に示すように、その後も、時間T1 と時間T2 を繰り返し、その都度、装置IDおよび車両情報が記憶回路48に記憶されていくことになる。これは、運転者等がドア511等の操作を行うことにより車両構成要素511〜534の異常とは関係なくECU311〜334が起動状態を持続する場合があるので、両者を区別するためである。すなわち、車両構成要素511〜534の真の異常であれば起動状態のままの、異常な車両構成要素511〜534に対応するECU311〜334が繰り返し検出され続けるのに対し、運転者等によるドア511操作等に基因する、車両構成要素511〜534の異常と無関係なものであれば、やがてスリープ作動に移行するので電源オフ後、1回ないし数回は異常のおそれありとして記憶回路48に記憶されることになっても、その後スリープ作動に移行するから、起動状態が持続するか否かで真の異常をそうでない場合とを明確に分けることができる。
【0041】
(第2実施形態)
図7、図8に第2の実施形態の構成を示す。第1実施形態において、異常検出装置を別の構成に代えたものである。図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分は実質的に同じ作動をするので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0042】
異常検出装置4Aの、通知フレーム処理部44、車両電源判定部46およびタイマー部47とともに起動ユニット検出手段401Aを構成する異常状態判定部45Aは、電源オフから時間T1 の間、起動状態が存続するECU311〜334が検出され、その装置IDと車両情報を記憶したらその時点で監視処理を停止するように構成されており、第1実施形態の図5のフローでいえばステップS107の後、ステップS102に戻ることなく監視は終了する。装置IDと車両情報を記憶するEEPROMの使用容量を小さくすることができる。
【0043】
なお、本実施形態では、スリープ作動が不可のECU311〜334の監視タイミングが電源オフから時間T1 経過時だけなので、前記ドア操作等のような電源オフ直後の、車両構成要素511〜534の異常とは無関係な起動要因によりECU311〜334が起動状態を継続するのを、車両構成要素511〜534の異常と誤らないように、時間T1 は、乗員が車両から離れたとみなし得る、ある程度十分に長い時間に設定しておくのがよい。
【0044】
(第3実施形態)
図9、図10に第3の実施形態の構成を示す。第1実施形態において、各ECUおよび異常検出装置を別の構成に代えたものである。図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分は実質的に同じ作動をするので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0045】
ネットワーク14,15,16を構成する各ECU341,342,343,344,345,351,352,353,354,355,361,362,363,364のそれぞれは基本的な構成が第1実施形態のECU311〜334のそれぞれと同じで、相違点は車両情報通知フレームを送信しないでスリープ状態移行通知フレームのみを送信する構成となっていることである。
【0046】
また、これに対応して異常検出装置4Bは、車両情報通知フレームに関する処理を行わない点が第1実施形態の異常検出装置4と異なる。すなわち、車両電源判定部46およびタイマー部47とともに起動ユニット検出手段401Bを構成する通知フレーム処理部44Bはスリープ状態移行通知フレームのみの処理(スリープOK/NGフラグ、装置IDの抽出)を行い、異常状態判定部45Bは通知フレーム処理部44Bで抽出された前記装置IDのみを記憶回路48Bに出力する。記憶回路48Bは装置IDのみを異常監視情報として記憶する。
【0047】
かかる構成では異常のある車両構成要素511〜534の作動状態は知られないが、記憶回路48BのEEPROMの使用容量を減じることができる。
【0048】
なお、第2実施形態のように、起動要因のあるECU341〜364の検出を電源オフ後、1回だけとすることで、さらにEEPROMの使用容量を減じることもできる。
【0049】
(第4実施形態)
図11、図12に第4の実施形態の構成を示す。第1実施形態において、異常検出装置を別の構成に代えたものである。図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分は実質的に同じ作動をするので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0050】
異常検出装置4Cはフレーム送受信部414が追加されている点および記憶回路に代えて通報処理部49を備えている点が第1実施形態と異なる。フレーム送受信部414は通信線24を介して故障診断装置34と接続されている。また、通報処理部49は異常状態判定部45から確定した装置IDと車両情報とが出力されると、これを故障情報としてフレーム送受信部414から故障診断装置34に送信する構成となっており、故障診断装置34が故障情報を収集することができる。
【0051】
なお、送信された故障情報により車室のディスプレイユニット等のウォーニングインジケータに表示せしめて乗員に報知する構成とするのもよい。
【0052】
また、故障診断装置34は通信線24により異常検出装置4Cと接続する必要はなく、通信線21〜23に接続して、フレーム送受信部414を省略するのもよい。
【0053】
なお、前記各実施形態は制御ユニットが複数のネットワークを形成し、異常検出装置がデータ中継の機能を有しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、データ中継機能を有しない異常検出装置が、複数あるネットワークのうちの1ノードとして接続されている構成でもよいし、また、制御ユニットが形成するネットワークは単一でもよい。
【0054】
なお、車両情報により車両構成要素511〜534が特定可能であれば、スリープ移行状態通知フレームは、装置IDに代えて車両情報の領域を設け、スリープ作動が不可のECUを識別する識別情報として、異常検出装置が車両情報を抽出し記憶する構成でもよい。
【0055】
また、前記各実施形態では、電源電圧判定部46により判定されるイグニッションスイッチオフをもって車両構成要素511〜534が作動停止状態に入ったと判断しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、ドアロックをもって車両構成要素511〜534が作動停止状態に入ったと判断してもよいし、あるいは、前記イグニッションスイッチオフやドアロック等の条件がすべて成立する場合をもって作動停止状態に入ったと判断する構成とすることもできる。
【0056】
また、記憶回路はEEPROMだけではなく、他の不揮発性メモリ、例えばフラッシュROMやバッテリバックアップ可能なメモリ等により構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の異常検出システムの構成図である。
【図2】前記異常検出システムの異常検出装置の構成図である。
【図3】前記異常検出システムで送受信されるデータフレームの構造を示す図である。
【図4】(A)、(B)は前記異常検出システムで送受信される別の種類のデータフレームの構造を示す図である。
【図5】前記異常検出装置の作動を示すフローチャートである。
【図6】前記異常検出装置の作動を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2の異常検出システムの構成図である。
【図8】前記異常検出システムの異常検出装置の構成図である。
【図9】本発明の第3の異常検出システムの構成図である。
【図10】前記異常検出システムの異常検出装置の構成図である。
【図11】本発明の第4の異常検出システムの構成図である。
【図12】前記異常検出システムの異常検出装置の構成図である。
【符号の説明】
11,12,13,14,15,16 ネットワーク
21,22,23 多重通信線
311,312,313,314,315,321,322,323,324,325,331,332,333,334,341,342,343,344,345,351,352,353,354,355,361,362,363,364 ECU(制御ユニット,ノード)
4,4A,4B,4C 異常検出装置(ノード)
411,412,413 フレーム送受信部
42 受信フレーム格納バッファ
43 中継処理部
44,44B 通知フレーム処理部
45,45A,45B 異常状態判定部
46 車両電源判定部(装置状態検出手段)
47 タイマー部
48 記憶回路(記憶手段)
401,401A,401B 起動ユニット検出手段
511,512,513,514,515,521,522,523,524,525,531,532,533,534 車両構成要素(被制御装置)
Claims (4)
- 被制御装置の制御ユニットをノードとするネットワークの通信線に、前記制御ユニットから送信されるデータフレームに基づいて前記被制御装置の異常監視情報を収集する異常監視ユニットを前記ノードとして接続してなる異常検出システムにおいて、
前記ネットワークを、属するすべての前記制御ユニットが、起動要因が存在しない状態で予め設定した待ち時間が経過するとスリープ作動する構成とし、
前記制御ユニットのそれぞれを、前記起動要因が存在している時には、自己の識別情報を含み前記スリープ作動が不可である旨のスリープ不可通知を送信する構成とし、
前記異常監視ユニットを、前記被制御装置が作動状態から作動停止状態に移行したことを検出する装置状態検出手段と、
前記被制御装置が作動停止状態に移行した後において、送信される前記スリープ不可通知を前記待ち時間よりも長い所定周期をおいて繰り返し監視して前記待ち時間を越えて起動要因が存続する前記制御ユニットを検出するとともに、検出された前記制御ユニットの識別情報を上記異常監視情報として順次、記憶手段に出力する起動ユニット検出手段とを具備する構成としたことを特徴とする異常検出システム。 - 被制御装置の制御ユニットをノードとするネットワークの通信線に、前記制御ユニットから送信されるデータフレームに基づいて前記被制御装置の異常監視情報を収集する異常監視ユニットを前記ノードとして接続してなる異常検出システムにおいて、
前記ネットワークを、属するすべての前記制御ユニットが、起動要因が存在しない状態で予め設定した待ち時間が経過するとスリープ作動する構成とし、
前記制御ユニットのそれぞれを、前記起動要因が存在している時には、自己の識別情報を含み前記スリープ作動が不可である旨のスリープ不可通知とともに、自己のスリープ作動を不可としている前記被制御装置の作動状態を示す作動状態情報を含む作動状態通知を送信する構成とし、
前記異常監視ユニットを、前記被制御装置が作動状態から作動停止状態に移行したことを検出する装置状態検出手段と、
前記被制御装置が作動停止状態に移行した後において、送信される前記スリープ不可通知を監視して前記待ち時間を越えて起動要因が存続する前記制御ユニットを検出する起動ユニット検出手段と、検出された前記制御ユニットの識別情報と前記作動状態情報とを前記異常監視情報として記憶する記憶手段とを具備する構成としたことを特徴とする異常検出システム。 - 被制御装置の制御ユニットをノードとするネットワークの通信線に、前記制御ユニットから送信されるデータフレームに基づいて前記被制御装置の異常監視情報を収集する異常監視ユニットを前記ノードとして接続してなる異常検出システムにおいて、
前記ネットワークを、属するすべての前記制御ユニットが、起動要因が存在しない状態で予め設定した待ち時間が経過するとスリープ作動する構成とし、
前記制御ユニットのそれぞれを、前記起動要因が存在している時には、自己の識別情報を含み前記スリープ作動が不可である旨のスリープ不可通知を送信する構成とし、
前記異常監視ユニットを、前記被制御装置が作動状態から作動停止状態に移行したことを検出する装置状態検出手段と、
前記被制御装置が作動停止状態に移行した後において、送信される前記スリープ不可通知を監視して前記待ち時間を越えて起動要因が存続する前記制御ユニットを検出する起動ユニット検出手段とを具備する構成としたことを特徴とする異常検出システム。 - 請求項3記載の異常検出システムにおいて、前記異常監視ユニットを、検出された前記制御ユニットの識別情報を前記異常監視情報として記憶手段に記憶する構成とした異常検出システム。
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