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JP3710117B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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JP3710117B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、面放電方式交流型のプラズマディスプレイパネルの放電セルの構成に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、大型で且つ薄型のカラー画面表示装置として面放電方式交流型プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)が注目を集めており、その普及が図られて来ている。
【0003】
図11は、従来の面放電方式交流型PDPの横成を、前面ガラス基板1側と背面ガラス基板4側とを分離した状態で示す斜視図である。
【0004】
この図11において、前面ガラス基板1の背面側には、複数の行電極対(X’,Y’)が配列されていて透明な誘電体層2により被覆されており、さらに、この誘電体層2の背面にMgOからなる透明な保護層3が形成されている。
【0005】
各行電極X’とY’は、それぞれ、幅の広いITO等の透明導電膜からなる透明電極Xa’,Ya’と、その導電性を補う幅の狭い金属膜からなるバス電極Xb’,Yb’とから構成されていて、この行電極X’とY’の互いに対向する部分に等間隔に形成されたそれぞれの突起部Xa”とYa”が放電ギャップg’を挟んで互いに対向するように、列方向に交互に配置されている。
この各行電極対(X’,Y’)によって、マトリクス表示の一表示ライン(行)Lが構成される。
【0006】
背面ガラス基板4の表示面側には、行電極対(X’,Y’)と直交する方向に延びるように複数の列電極D’が配列され、この列電極D’間にそれぞれ平行に延びるように帯状の隔壁5が形成されており、さらに、この隔壁5の側面と列電極D’を被覆するようにそれぞれ赤(R),緑(G),青(B)の三原色に色分けされた蛍光体層6R,6G,6Bが列方向に順に形成されている。
【0007】
そして、上記のように構成された前面ガラス基板1と背面ガラス基板4は、放電空間を介して互いに平行に対向され、この前面ガラス基板1と背面ガラス基板4との間に、ネオンとキセノン等を混合した放電ガスが封入される。
【0008】
このようにして、各表示ラインLにおいて、列電極D’が行電極対(X’,Y’)と交差する部分の放電空間が隔壁5によって区画されることにより、後述するような単位発光領域となる放電セルがそれぞれ形成され、さらに、それぞれ蛍光体層6R,6G,6Bが形成された隣接する三つの放電セルによって一画素が構成される。
【0009】
各行電極対(X’,Y’)および列電極Dには、図12に示されるように、この行電極対(X’,Y’)と列電極Dに映像信号に基づく駆動パルスを印加することによって画像を形成する駆動回路Mが接続されている。
【0010】
上記の交流型PDPにおける画像形成の原理は、以下の通りである。
すなわち、先ず、駆動回路Mによるアドレス操作によって、それぞれ蛍光体層6R,6G,6Bが形成された各放電セルにおいて、行電極対(X’,Y’)のうち一方の行電極と列電極D’との間で選択的に放電(対向放電)が行われ、発光セル(誘電体層2に壁電荷が形成された放電セル)と非発光セル(誘電体層2に壁電荷が形成されていない放電セル)とが、表示する映像に対応してパネル上に分布される。
【0011】
このアドレス操作の後、全表示ラインLにおいて一斉に、行電極X’とY’に対して交互に放電維持パルスが印加されて、この放電維持パルスが印加される毎に、誘電体層2に壁電荷が形成されている発光セル内において面放電が行われる。
【0012】
そして、この各発光セル内における面放電によって紫外線が発生し、それぞれの発光セル内に形成されている蛍光体層6Rまたは6G,6Bがそれぞれ励起されて発光することにより、パネル上に画像が形成される。
【0013】
ここで、各放電セルは、上記のような放電現象を利用して発光を行うものであり、放電毎の発光量の調整は行うことが出来ないので、それ自体は非発光(最低輝度)状態と発光(最高輝度)状態の二階調分の輝度しか表現することが出来ず、このため、そのままでは高品位な画像を表示することができない。
【0014】
そこで、PDPには、従来からサブフィールド法と呼ばれる駆動方式が用いられており、これによって表示可能な輝度階調の数を増加させて、入力されてくる映像信号に対応した中間調の輝度表示を行うことが出来るようになっている。
【0015】
このサブフィールド法とは、入力された映像信号を各画素毎に例えば4ビットの画素データに変換し、この4ビットの各ビット桁に対応させて1フレームを図13に示されるように、4個のサブフィールドSFl〜SF4に分割する。
【0016】
図14は、一つのサブフィールド内において、駆動回路Mから行電極対(X1~n,Y1~n)および列電極D1~mに印加される各駆動パルスの印加のタイミングを示すタイムチャートである。
この図14において、駆動回路Mは、一つのサブフィールド内において、リセット工程Rcおよびデータ書込工程Wc,発光維持工程Icの各駆動工程を行う。
【0017】
すなわち、駆動回路Mは、先ず、リセット工程Rcにおいて、行電極対X1~nに正極性のリセットパルスRPxを印加し、行電極Y1~nに負極性のリセットパルスRPyを印加する。
【0018】
このリセットパルスRPxおよびRPyの印加によって、PDPの全ての放電セルにおいてリセット放電が発生し、各放電セルの誘電体層2(図11参照)に一様に壁電荷が形成される。
【0019】
そして、駆動回路Mは、次に、データ書込工程Wcにおいて、消去パルスEPを各行電極対X1~nおよび行電極Y1~nに一斉に印加する。
この消去パルスEPの印加によって、全ての放電セルにおいて消去放電が発生し、各放電セルの誘電体層2に形成されていた璧電荷が消滅して、PDPの全ての放電セルが、初期化されて非発光セルの状態になる。
【0020】
次に、データ書込工程Wcにおいて、駆動回路Mは、PDPに入力されてくる映像信号の1行分毎の画素データパルスDP1~mを生成して、列電極D1~mに順次印加してゆく。
【0021】
この画素データパルスDP1~mには、映像信号に対応して、高電圧のパルスと低電圧のパルスが含まれている。
さらに、駆動回路Mは、各画素データパルスDP1~mの印加のタイミングに対応して走査パルスSPを生成して、各行電極Y1~nに順次印加してゆく。
【0022】
この時、画素データパルスDP1~mのうち高電圧の画素データパルスが印加された列電極D1~mと走査パルスSPが印加された行電極Y1~nとの間に対向放電(選択書込放電)が発生して、この放電が生じた行電極Y1~nと列電極D1~mが交差している部分に形成されている放電セルの誘電体層2に壁電荷が形成されてゆく。
【0023】
このようにして、列電極D1~mに選択的に印加される高電圧の画素データパルスによって行電極Y1~nとの間に選択書込放電が発生した放電セルが、リセットによる非発光セル状態から発光セル状態に移行する。
【0024】
一方、走査パルスSPが印加されても、画素データパルスDP1~mのうち低電圧の画索データパルスが印加された列電極D1~mと交差している行電極Y1~nとの間には対向放電が発生せず、このため、その交差部分に形成されている放電セルは、リセット工程Rcにおいて初期化されたままの非発光セル状態が維持される。
【0025】
以上のようにして、発光セルと非発光セルが、入力された映像信号によって表示される画像に対応して、パネル上に分布される。
【0026】
次に、発光維持工程Icにおいて、駆動回路Mは、行電極対X1~nに放電維持パルスIPxを所定の間隔で繰り返し印加してゆくとともに、行電極Y1~nに放電維持パルスIPyを放電維持パルスIPxの印加の後にそのタイミングをずらせた状態で繰り返し印加してゆく。
【0027】
ここで、一つのサブフィールド内において放電維持パルスIPxとIPyの印加の回数は、図13に示されるように、各サブフィールドの重み付けに対応して設定されている。
すなわち、図13の例では、それぞれ、第1フィールドSF1では1回,第2フィールドSF2では2回,第3フィールドSF3では4回,第4フィールドSF4では8回に設定されている。
【0028】
そして、上記のように放電維持パルスIPxとIPyがそのタイミングがずらされた状態で印加されると、その都度、発光セルにおいて、それぞれ対となった行電極対X1~nと行電極Y1~nとの間に面放電(維持放電)が生じ、このとき発生する紫外線によって蛍光体層6(図11参照)が励起されてそれぞれの色によって発光する。
【0029】
このようにして、発光セルにおいて、図13に示されているような各サブフィールドの重み付けに対応した回数分だけ維持放電が行われて発光が繰り返されて、その発光状態が維持される。
【0030】
駆動回路Mは、各サブフィール毎に上記のような動作を行ってゆき、その際に、各サブフィールド毎に行われた維持放電の回数によって、映像信号に対応した中間調の輝度が表現される。
【0031】
ここで、上記サブフィールド法によって表現される輝度の階調教は、1フレームにおけるサブフィールドの数が多いほど増加し、高品位な画像を形成するためには、サブフィールドの数を増やすことが必要となる。
【0032】
例えば、1フレームを8枚のサブフィールドによって構成し、各フィールドの維持放電の回数を1:2:4:8:16:32:64:128の比率で設定すると、256階調の輝度の表現が可能になる。
【0033】
しかしながら、このようにサブフィールドの数を増やした場合、1フレームの表示時間があらかじめ決められているために、サブフィールド毎のデータ書込工程Wcの時間、すなわち、発光時間が短くなって、画面の輝度が低下してしまうという問題が発生してくる。
このため、1フレームのサブフィールド数を増やす場合には、維持放電毎の発光効率を上げることが必要になってくる。
【0034】
この維持放電毎の発光効率を上げるための方法としては、隔壁5(図11参照)の高さを高くしてこの隔壁5の側面に形成された蛍光体層6R,6G,6Bの反射面の面積を増加させたり、また、放電セル内に封入される放電ガスに含まれるキセノンガスの割合を多くしたり、行電極対(X’,Y’)を被覆する誘電体層2の膜圧を厚くする等の方法がある。
【0035】
しかしながら、上記のように発光効率を向上させるために、単に、隔壁の高さを高くしたり、または、放電ガス中のキセノンガスの割合を増加させたり、誘電体層の膜厚を大きくしたりすると、選択書込放電が列電極D1~mと行電極X1~nまたはY1~nが対向する放電空間において行われるために、従来のPDPの構成のままでは、選択書込放電を生じさせる画素データパルスDP1~mの電圧や走査パルスSPの電圧のマージンが減少して、適正な選択書込放電を行わせることができなくなる。
【0036】
このため、放電空間を囲む隔壁5の高さを高くしたり、この放電空間内に充填されている放電ガス中のキセノンガスの割合を増大したり、誘電体層2の膜厚を厚くする場合には、選択書込放電の開始電圧を高くするために画素データパルスDP1~mや走査パルスSPの電圧を増加させる必要が生じるが、これによって、駆動回路Mの画素データパルスDP1~mを出力する列電極ドライバ(アドレスドライバIC)や走査パルスSPを出力する行電極駆動ドライバIC(スキャンドライバIC)の耐高電圧化が必要になり、製品コストの増大を招いてしまうという新たな問題が発生する。
【0037】
この発明は、上記のような従来の交流型プラズマディスプレイパネルの有している問題点を解決するために為されたものである。
すなわち、この発明は、高品位な画像を形成できるとともに高輝度化を達成することができ、さらに、これに伴う製品コストの増大を抑えることが出来るプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
第1の発明によるプラズマディスプレイパネルは、上記目的を達成するために、前面基板の背面側に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられるとともに、背面基板の前面基板と放電空間を介して対向する側に列方向に延び行方向に並設された複数の列電極が設けられ、前面基板と背面基板の間の放電空間の列電極と行電極対が交差する部分が隔壁によって仕切られることにより放電セルが形成されて、各放電セル内に蛍光体層が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、前記背面基板の前面基板と対向する側の互いに交差する列電極と行電極対の間に位置する部分に、誘電体によって形成されるとともに隔壁よりも高さが低い誘電リブが、蛍光体層によって被覆された状態で設けられ、前記誘電リブが、隔壁を形成する材料よりも比誘電率が高い誘電体によって形成されていることを特徴としている。
【0039】
この第1の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前面基板と背面基板との間の放電空間が、隔壁によって放電セル毎に区画され、行電極対と列電極との間において行われる選択書込放電によって発光セルと非発光セルが映像信号に対応してパネル上に分布された後、行電極対間において行われる維持放電によって赤緑青の三原色に色分けされた蛍光体層が励起されて発光して、表示画像が形成される。
【0040】
そして、選択書込放電が行われる際に、誘電リブが行電極対と列電極との間に設けられていることによって、行電極対と列電極間の放電空間距離が短くなるために、この選択書込放電の放電開始電圧が誘電リブを設けなかった場合に比べて低下する。
【0041】
したがって、上記第1の発明によれば、プラズマディスプレイパネルの駆動方式としてサブフィールド法を採用する際に、維持放電毎の発光効率を上げるために放電セルを区画する隔壁の高さを高くして蛍光体層の表面面積を広げたり、放電空間内に封入される放電ガスのキセノンの体積割合を増加させたり、また、壁電荷が形成される誘電体層の厚さを厚くする場合でも、選択書込放電の放電開始電圧が大きくなるのを抑えることができ、これによって、プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路を構成する列電極ドライバ(アドレスドライバIC)や行電極駆動ドライバIC(スキャンドライバIC)の耐高電圧化が必要なくなって、製品コストが上昇するのを防止することが出来る。
さらに、誘電リブを形成する誘電体の比誘電率が、隔壁を形成する材料の比誘電率よりも高くなっていることによって、選択書込放電の放電開始電圧を低下させることが出来る。
【0042】
第2の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記誘電リブが、列電極に沿って平行に延びる帯状に形成されていることを特徴としている。
【0043】
この第2の発明によるプラズマディスプレイパネルによれば、帯状の誘電リブが行電極対と列電極との間において、列電極に沿って延びるように配置されていることによって、行電極対と列電極間の放電空間距離が短くなるために、選択書込放電が行われる際の放電開始電圧を、誘電リブを設けなかった場合に比べて低下させることが出来る。
【0044】
第3の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記誘電リブが、放電セル内において列電極と行電極対が対向する部分に島状に形成されていることを特徴としている。
【0045】
この第3の発明によるプラズマディスプレイパネルによれば、各放電セル内において島状の誘電リブが行電極対と列電極との間に配置されていることによって、行電極対と列電極間の放電空間距離が短くなるために、選択書込放電が行われる際の放電開始電圧を、誘電リブを設けなかった場合に比べて低下させることが出来る。
第4の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記行電極対を構成する各行電極が、行方向に延びるバス電極と、このバス電極から対になっている相手の行電極側に放電セルごとに列方向に突出して互いに放電ギャップを介して対向される透明電極とを有していることを特徴としている。
第5の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、前面基板の背面側に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられるとともに、背面基板の前面基板と放電空間を介して対向する側に列方向に延び行方向に並設された複数の列電極が設けられ、前面基板と背面基板の間の放電空間の列電極と行電極対が交差する部分が隔壁によって仕切られることにより放電セルが形成されて、各放電セル内に蛍光体層が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、前記背面基板の前面基板と対向する側の互いに交差する列電極と行電極対の間に位置する部分に、誘電体によって形成されるとともに隔壁よりも高さが低い誘電リブが、蛍光体層によって被覆された状態で設けられ、前記放電空間内に10体積パーセント以上のキセノンを含む放電ガスが封入されていることを特徴としている。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明を行う。
【0047】
図1ないし3は、この発明によるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の実施形態の一例を示すものであって、図1はこの例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図2は図1のW1−W1線における断面図、図3は図1のV1−V1線における断面図である。
【0048】
この図1ないし3において、表示面である前面ガラス基板10の背面に、複数の行(サステイン)電極対(X,Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図1の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
【0049】
行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbによって構成されている。
【0050】
行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybによって構成されている。
【0051】
この行電極XとYは、前面ガラス基板10の列方向(図1の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0052】
前面ガラス基板10の背面には、さらに、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層11が形成されており、さらに、この誘電体層11の背面側には、MgOからなる保護層12が形成されている。
【0053】
一方、前面ガラス基板10と平行に配置された背面ガラス基板13の表示側の面上には、列(アドレス)電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極XaとYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
【0054】
背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する誘電体層14が形成され、この誘電体層14上に帯状の隔壁15が形成されている。
【0055】
この隔壁15は、互いに隣接する列電極Dの間の中間位置において列方向に延びるように所定の間隔を開けて配置されており、その上端部が保護層12の背面側に当接されており、この帯状の隔壁15によって、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の放電空間が、各行電極対(X,Y)の透明電極XaとYaが対向する部分毎に帯状に仕切られている。
【0056】
誘電体層14上には、さらに、列電極Dと対向する位置に、誘電体によって形成された帯状の誘電リブ16が、前面ガラス基板10側に突出するとともに列電極Dと平行に延びるようにそれぞれ配列されている。
【0057】
そして、互いに隣接する各隔壁15間には、赤緑青の三原色が行方向に順に並ぶように設定された蛍光体層17が形成されていて、この蛍光体層17によって隔壁15の両側面と誘電体層14の表面が覆われているとともに、誘電リブ16が被覆されている。
【0058】
各隔壁15によって仕切られた放電空間S内には、放電ガスが封入されている。
【0059】
上記PDPは、行電極対(X,Y)がそれぞれマトリクス表示画面の1表示ライン(行)Lを構成し、また、隔壁15によって仕切られた放電空間Sのそれぞれ一対となった透明電極Xa,Yaに対向する部分毎に一つの放電セルCが画定されている。
【0060】
このPDPにおける画像表示は、図11〜14の従来のPDPの場合と同様であり、先ずアドレス操作によって、各放電セルCにおいて行電極対(X,Y)の一方の行電極と列電極Dとの間で選択的に対向放電(選択書込放電)が行われ、全表示ラインLに発光セル(誘電体層11に壁電荷が形成された放電セル)と非発光セル(誘電体層11に壁電荷が形成されなかった放電セル)とが、表示する画像に対応して、パネル上に分布される。
【0061】
このアドレス(データ書込)操作の後、全表示ラインLの行電極XとYに対して交互に放電維持パルスが印加され、この放電維持パルスが印加される毎に各発光セルにおいて起こる面放電(維持放電)により発生する紫外線によって、各放電セルCの赤緑青の各色の蛍光体層17がそれぞれ励起されて発光することにより、表示画像の形成が行われる。
そして、上記PDPは、誘電体層14の表面に誘電リブ16が列電極Dに対向するように設けられていることによって、行電極対(X,Y)と列電極D間の放電空間距離が短くなっているために、上述したアドレス操作によって選択書込放電が行われる際に、この選択書込放電の放電開始電圧が誘電リブ16を設けなかった場合に比べて低下する。
【0062】
図4は、隔壁15の高さが120μmの場合の誘電リブ16の高さと選択書込放電の放電開始電圧との関係を、パッシェンの法則と電気量保存の式を用いて計算した結果を示すグラフである。
【0063】
この図4には、放電空間S内に封入する放電ガスをキセノン100%のガスにした場合と、ネオン100%のガスにした場合が示されている。
【0064】
この図4のグラフから、誘電リブ16を設けなかった場合(すなわち、誘電リブ16の高さdnrが0μmの場合)に比べて、選択書込放電の放電開始電圧vafが低下していることが分かる。
【0065】
また、放電ガスとしてペニング混合ガスが用いられる場合には、そのペニング効果によって、選択書込放電の放電開始電圧vafがさらに低下する。
【0066】
図5は、比誘電率が異なる誘電体によって誘電リブ16を形成した場合の誘電リブ16の高さと選択書込放電の放電開始電圧vafの関係を示すグラフである。
この図5には、誘電リブ16の比誘電率が15と30の場合が示されており、放電ガスにはキセノン100%のガスが使用されている。
【0067】
この図5から、アドレス操作によって選択書込放電が行われる際に、誘電リブ16を形成する誘電体の比誘電率が大きいほど、選択書込放電の放電開始電圧vafが低下することが分かる。
【0068】
そして、この誘電リブ16を形成する誘電体の比誘電率は、隔壁15を形成する材料の比誘電率よりも高いものを使用することによって、選択書込放電の放電開始電圧vafを低下させることが出来る。
【0069】
ここで、上述したアドレス操作において、選択消去アドレス法を用いた場合には、以下に述べる理由によって、選択書込放電の放電開始電圧をさらに低下させることが出来る。
【0070】
例えば、放電ガスにネオンとキセノンの混合ガス(キセノンの割合が10体積パーセント以上)を用いて一対の行電極間で維持放電を行うと、この放電によりキセノンガスから発生した紫外線が蛍光体層17を励起して発光するので、キセノンの割合を増やすと紫外線の量が増えて発光効率が向上する。
【0071】
一方、この放電ガス中のキセノンの割合を増やすことによって、維持放電の放電開始電圧も上がるため、適正な維持放電を生じさせるためには、放電維持パルスの電圧を200V以上にする必要がある。
【0072】
ここで、放電ガス中のキセノンの割合を増加させると、選択書込放電(消去放電)の放電開始電圧が高くなるが、選択消去アドレス法で駆動すると、選択書込放電が行われる前に行われるリセット放電によって、全ての放電セルに壁電荷が形成されているため、走査パルスの電圧がこの璧電荷の電位分だけ低くなる。
【0073】
したがって、PDPを選択消去アドレス法によって駆動することにより、放電維持パルスの電圧が200V以上となるような高い発光効率のPDPを駆動する場合において、選択書込放電の際に行電極Yに印加される走査パルスの電圧値を低く押さえることが出来るようになる。
なお、対をなす行電極の面放電間隔(放電ギャップ)を広げたり、行電極対を被覆する誘電体層の膜厚を厚くしても、発光効率を向上させることができる。
【0074】
この場合、面放電間隔(放電ギャップ)を100μm以上、または、誘電体層の膜厚を30〜40μm以上にする。
【0075】
以上のように、維持パルスの電圧値が200V以上となるように設定されたPDPを選択消去アドレス法で駆動することにより、比較的小さいアドレス消費電力によって高効率な状態でPDPを駆動することができ、また、走査パルスの電圧値を低く押さえることが出来るため、走査パルスを生成するスキャンドライバICやデータパルスを生成するアドレスドライバICに汎用ICを使用することができ、PDPを低コストおよび高発光効率で駆動することが可能になる。
【0076】
なお、上記の例においては、誘電リブ16が隔壁15と平行に延びるように帯状に形成されているが、誘電リブを、行電極対(X,Y)の透明電極XaとYaに対向する部分に島状に形成するようにしても良い。
【0077】
次に、この発明の実施形態における他の例を、図6ないし10に基づいて説明を行う。
【0078】
図6はこの例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図7は図6のV2−V2線における断面図、図8は図6のV3−V3線における断面図、図9は図6のW2−W2線における断面図、図10は図6のW3−W3線における断面図である。
【0079】
この例におけるPDPは、図6ないし10において、表示面である前面ガラス基板10の背面に、複数の行電極対(X,Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図6の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
【0080】
行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbによって構成されている。
【0081】
行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybによって構成されている。
【0082】
この行電極XとYは、前面ガラス基板10の列方向(図6の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0083】
バス電極Xb,Ybは、それぞれ表示面側の黒色導電層Xb’,Yb’と背面側の主導電層Xb”,Yb”の二層構造に形成されている。
【0084】
前面ガラス基板10の背面には、さらに、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層11が形成されており、この誘電体層11の背面には、互いに隣接する行電極対(X,Y)の隣り合うバス電極XbおよびYbと対向する位置及び隣り合うバス電極Xbとバス電極Ybの間の領域と対向する位置に、誘電体層11の背面側に突出する嵩上げ誘電体層11Aが、バス電極Xb,Ybと平行に延びるように形成されている。
【0085】
そして、この誘電体層11と嵩上げ誘電体層11Aの背面側には、MgOからなる保護層12が形成されている。
一方、前面ガラス基板10と平行に配置された背面ガラス基板13の表示側の面上には、列電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
【0086】
背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する白色の誘電体層14が形成されている。
【0087】
以上の構成において、前述した例のPDPと同様の部分については、同様の符号が付されている。
この誘電体層14上には、隔壁25が形成されている。
この隔壁25は、互いに平行に配列された各列電極Dの間の位置において列方向に延びる縦壁25aと、嵩上げ誘電体層11Aに対向する位置において行方向に延びる横壁25bとによって井桁状に形成されている。
【0088】
そして、この井桁状の隔壁25によって、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の放電空間が、各行電極対(X,Y)において対となった透明電極XaとYaに対向する部分毎に区画されて、それぞれ方形の放電セルCが形成されている。
【0089】
この隔壁25は、その表示面側に形成されたが黒色層(光吸収層)25’と、背面側の白色層25”とによって二層構造となるように形成されている。
隔壁25の縦壁25aの表示側の面は保護層12に当接されておらず(図9参照)、その間に隙間rが形成されているが、横壁25bの表示側の面が、保護層12の嵩上げ誘電体層11Aを被覆している部分に当接されていて(図7および8参照)、列方向において隣接する放電セルCとの間がそれぞれ遮蔽されている。
【0090】
この各放電セルC内において、誘電体層14の表示側の面上の行電極対(X,Y)において対となった透明電極XaとYaに対向する部分には、誘電体によって方形に成形された島形状の誘電リブ26が、前面ガラス基板10側に突出するように形成されている。
【0091】
そして、各放電セルC内には、隔壁25の縦壁25aおよび横壁25bの側面と誘電体層14の表面に、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層27が、それぞれ形成されている。
【0092】
この蛍光体層27の色は、各放電セルC毎に赤緑青の三原色が行方向に順に並ぶように設定される。
そして、放電セルC内には、放電ガスが封入されている。
【0093】
上記PDPの駆動方法は、図1ないし3のPDPと同様である。
そして、上記PDPは、誘電体層14の表面の列電極Dと対向する位置に誘電リブ26が設けられていることによって、行電極対(X,Y)と列電極D間の放電空間距離が短くなるために、上述したアドレス操作によって選択書込放電が行われる際に、この選択書込放電の放電開始電圧が誘電リブ26を設けなかった場合に比べて低下し、さらに、誘電リブ26を形成する誘電体の比誘電率が大きいほど、選択書込放電の放電開始電圧が低下する。
【0094】
以上のように、上記PDPは、維持放電毎の発光効率を向上させるために放電セルCを囲む隔壁25の高さを高くしたり、また、この放電セルC内に充填されている放電ガス中のキセノンガスの割合を増やしたり、誘電体層11の膜厚を厚くする場合に、誘電リブ26によって行電極対(X,Y)と列電極D間の放電空間距離を短くして、選択書込放電の放電開始電圧の上昇を抑制することが出来る。
【0095】
したがって、選択書込放電の放電開始電圧を上昇させるための駆動回路の列電極ドライバ(アドレスドライバIC)や行電極駆動ドライバIC(スキャンドライバIC)の耐高電圧化が必要無くなり、これによって、製品コストの増大を防止することが出来るようになる。
【0096】
なお、上記の例においては、誘電リブ26が各放電セルC毎に島状に形成されているが、誘電リブを列電極Dと並行に延びる帯状に形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例を模式的に表す平面図である。
【図2】図1のW1−W1線における断面図である。
【図3】図1のV1−V1線における断面図である。
【図4】同例において放電ガスの種類による誘電リブと選択書込放電開始電圧との関係を示すグラフである。
【図5】同例において誘電リブの比誘電率による誘電リブと選択書込放電開始電圧との関係を示すグラフである。
【図6】この発明の他の例を模式的に表す平面図である。
【図7】図6のV2−V2線における断面図である。
【図8】図6のV3−V3線における断面図である。
【図9】図6のW2−W2線における断面図である。
【図10】図6のW3−W3線における断面図である。
【図11】従来のPDPの構成を模式的に表す斜視図である。
【図12】従来のPDPの駆動回路を示す回路図である。
【図13】サブフィールドの構成を示す説明図である。
【図14】PDPの駆動パルスのタイムチャートである。
【符号の説明】
10 …前面ガラス基板(前面基板)
11 …誘電体層
12 …保護層
13 …背面ガラス基板(背面基板)
14 …誘電体層
15, 25…隔壁
16, 26…誘電リブ
17, 27…蛍光体層
25a …縦壁(縦壁部)
25b …横壁(横壁部)
X …行電極
Y …行電極
Xa …透明電極
Ya …透明電極
Xb …バス電極
Yb …バス電極
Xb’,Yb’…黒色層(光吸収層)
Xb”,Yb”…白色層(光反射層)
D …列電極
C …放電セル
L …表示ライン
g …ギャップ
r …隙間

Claims (5)

  1. 前面基板の背面側に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられるとともに、背面基板の前面基板と放電空間を介して対向する側に列方向に延び行方向に並設された複数の列電極が設けられ、前面基板と背面基板の間の放電空間の列電極と行電極対が交差する部分が隔壁によって仕切られることにより放電セルが形成されて、各放電セル内に蛍光体層が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記背面基板の前面基板と対向する側の互いに交差する列電極と行電極対の間に位置する部分に、誘電体によって形成されるとともに隔壁よりも高さが低い誘電リブが、蛍光体層によって被覆された状態で設けられ
    前記誘電リブが、隔壁を形成する材料よりも比誘電率が高い誘電体によって形成されている、
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記誘電リブが、列電極に沿って平行に延びる帯状に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記誘電リブが、放電セル内において列電極と行電極対が対向する部分に島状に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記行電極対を構成する各行電極が、行方向に延びるバス電極と、このバス電極から対になっている相手の行電極側に放電セルごとに列方向に突出して互いに放電ギャップを介して対向される透明電極とを有している請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前面基板の背面側に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられるとともに、背面基板の前面基板と放電空間を介して対向する側に列方向に延び行方向に並設された複数の列電極が設けられ、前面基板と背面基板の間の放電空間の列電極と行電極対が交差する部分が隔壁によって仕切られることにより放電セルが形成されて、各放電セル内に蛍光体層が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記背面基板の前面基板と対向する側の互いに交差する列電極と行電極対の間に位置する部分に、誘電体によって形成されるとともに隔壁よりも高さが低い誘電リブが、蛍光体層によって被覆された状態で設けられ、
    前記放電空間内に10体積パーセント以上のキセノンを含む放電ガスが封入されている、
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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