JP3710192B2 - 水貯留用タンク - Google Patents
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Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雨水又は水道水等を防火用や散水用等の用途に用いるために貯留保管する水貯留用タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
防火用水を保管するための防火タンクとしては地上又は地下に設置したコンクリート製等のそれらが知られている。これらには水道水を入れて保管するものや、雨水を導入して保管するものもある。同様に用いられる木製のタンクも知られているが、これらは小型のものに限られる。
【0003】
これらの防火タンクは、周壁がコンクリート、金属又は板材等で構成されているものであるから、大型の地震等に伴う揺れ等により一部にひび割れが生じたり、場合によっては倒壊する等の損傷を生じ易く、そしてこのような損傷が生じた場合には、該損傷部から貯留中の水が流出し、防火用水等の保管を継続することができなくなるという問題がある。したがって地震に伴って生じる火災等の際には防火用水が使えなくなると云う重大な支障の生じる虞のあるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明に於ては、以上のような防火タンク等の問題点を解決し、強大な地震等によって周壁の一部又は全部に損傷が生じても防火用水等の水の保管空間を確保し、かつ該保管空間中の水の流出を防止することのできる水貯留用タンクを提供することを解決の課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一部に開口部を有するタンク用空間の少なくとも内底部及び内周側に可変形性の非透水性内張層を構成し、かつ該非透水性内張層内に複数の単位骨格部材を充填して空間保持骨格を構成した水貯留用タンクである。
【0006】
したがってこの水貯留用タンク内に雨水又は水道水等を充填して保管しておけば、強大な地震等によってその周壁に破損が生じた場合であっても、単位骨格部材が完全に壊れて潰れてしまうことまではないので、これによって構成される空間保持骨格で水の保管空間が保持され、かつ非透水性内張層が可変形性であって周壁が壊れてもこれに穴が開く等のことも容易に生じないので、これらの雨水又は水道水等の水は常に確実に保管が継続され、このような場合に生じる火災等の消火用水として有効に使用することができる。
【0007】
前記タンク用空間は、それを防火用水又は散水用水等として利用する領域の必要性を考慮してその大きさを決定する。またこのタンク用空間を構成する領域は地下が適当であるが、これを掘り下げて構成する領域は、特定の場所である必要はない。個人の家庭の庭、公園、畑、運動場等どのようなところでも不都合ではない。盛土をして若干盛り上げたような領域でも不都合ではない。
新しく構成するのではなく、前記タンク用空間として、既存の防火タンクを利用することとしても良い。この場合は、既存の防火タンクに地震等によって割れ等の損傷が生じても水の保管能力を失わないものに構成することができる。
【0008】
前記タンク用空間の開口部には、その非透水性内張層内に延びる汲み出し手段であって、該非透水性内張層内に貯留してある水を汲み出すことのできる汲み出し手段を設置することができる。
この汲み出し手段は、前記非透水性内張層の内側に貯留されている水を、防火等の必要に応じて汲み出すことのできるものであれば、特定のそれに限定されない。手動又は電動等のポンプ手段を採用することができるが、防火等の実際に有効に働くためには、適当な容量を持った電動その他の原動機付のポンプで構成されるものが適当であろう。災害時に電源又は燃料が失われた場合の対応も考慮すれば、手動のポンプ手段等も併設するのが適当である。
このように構成した場合は、防火のため又は散水その他の必要によって水を汲み出すのが容易になる。
【0009】
前記非透水性内張層は、前記タンク用空間の内底部及び内周側にゴムシートを内張することにより構成することができ、この場合は、ゴムシートが可変形性ばかりでなく、弾力性も有するので、タンク用空間が破損した場合にも、よりその非透水性を維持しやすくなるものである。
【0010】
前記単位骨格部材は、多数のそれを積み重ね、並べ、若しくは結合する等により、空間保持骨格を構成できるものであれば、特定のそれに限定されない。
例えば、この単位骨格部材として籠状部材を構成し、前記タンク用空間の非透水性内張層の内側の空間内に、複数の前記籠状部材を上下方向及び縦横方向に連設配置して空間保持骨格を構成することもできる。
【0011】
そしてこの単位骨格部材は、このような構成であるため、相互の結合が容易で、空間率も高く、かつ強固であるとともに、水の移動が容易な空間保持骨格を構成できるものである。
【0012】
前記単位骨格部材はまた四辺形枠体に構成することもでき、この場合は、前記タンク用空間の非透水性内張層の内側の空間内に、複数の前記四辺形枠体を上下方向及び縦横方向に連結して空間保持骨格を構成することができる。
この場合には、前記籠状部材に構成した単位骨格部材より一層空間率を高くすることができる。
【0013】
また単位骨格部材としては、場合により砂利のような小片部材を用いることもできる。この場合は、タンク用空間の内部形状がどのようなものであれ、自在に対応できるとともに、単に所要量を所定の部位に投入するだけで構成し得るので、極めて容易にかつ安価に構成し得るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を実施例に基づいて添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の一実施例を示している。
図1は一実施例を示す概略断面説明図、図2は単位骨格部材である籠状部材を結合した状態を示す平面説明図、図3は単位骨格部材である籠状部材の一部切欠正面図である。
【0015】
この例はタンク用空間として防火タンク1を利用したものである。既存の地下埋設型の防火タンク1の内底部1a及び内周側1bに沿って非透水性内張層としてゴムシート2を配設する。
上記防火タンク1は、図1に示すように、地面を掘り下げてコンクリートを打設して構成したものであり、上部に開口部1cを有するものである。図1中、GLは地表面である。
【0016】
上記ゴムシート2の内側には、単位骨格部材である複数の籠状部材3、3…を前記開口部1cから持ち込み、図1及び図2に示すように、相互を結合してこの内部に空間保持骨格の構造を作り出す。
【0017】
上記籠状部材3は、特に図3に示すように、籠状の容体部の上部の開口部縁から鍔体3aを張出させ、この鍔体3aの外端から容体部外周と平行にスカート部3bを垂下構成したものである。なお鍔体3a及びスカート部3bにも透水孔5、5…を開口してあり、複数のそれらを組立てて空間保持骨格を構成した場合に、これらの透水孔5、5…を通じて空間保持骨格で保持されたゴムシート2の内側の空間中を水が流通可能になるものである。また上記鍔体3a及びスカート部3bには、図3に示すように、それぞれボルト孔4、4…を穿設してある。また籠状部材3、3…の容体部の底部にも図示していないが、ボルト孔を穿設してある。
【0018】
しかして、上記空間保持骨格は、図1に示すように、防火タンク1の内底部1aに配したゴムシート2上では、該内底部1aに対応する部位の全体にわたって籠状部材3、3…を下向きにして敷き詰め、側方に隣接する相互を、鍔体3aの外端に構成したスカート部3b、3b相互を結合することで、構成する。
【0019】
これらの下向きの籠状部材3、3…の上には、上向きの籠状部材3、3…を載せ、必要に応じてそれらの底部相互を接着剤で固定し、又はボルト・ナット等により結合固定する。あるいは単に載せるだけとする。側方に隣接する籠状部材3、3相互を、鍔体3aに構成したスカート部3b、3b相互を利用して結合するのは最下部の籠状部材3、3相互の結合をする場合と同様である。
【0020】
また上向きに配した籠状部材3、3…の上には、各々また下向きの籠状部材3、3…を載せ、上下対面した籠状部材3、3相互は、対面接合状態の鍔体3a、3a相互を利用して結合固定する。側方に隣接する籠状部材3、3相互は、鍔体3aの外端のスカート部3b、3b相互を利用して結合するのは云うまでもない。
【0021】
こうして防火タンク1の内底部1a及び内周側1bに配したゴムシート2の内側の空間には、その空間が一杯になるまで、籠状部材3、3…相互を結合しつつ積み上げて、空間保持骨格を構成する。
【0022】
なお上記籠状部材3、3…は、図1及び図2に示すように、上下の籠状部材3、3相互については、それらの開口部が相互に対面接合する場合には、相互の鍔体3a、3aのボルト孔4、4…を利用してボルト・ナット等で結合固定し、底部相互が対面接合する場合は必要に応じて接着剤で結合し、又はボルト・ナットで結合し、あるいは単に下方のそれに上方のそれを載せるだけの結合をする。
左右の籠状部材3、3相互の結合は、相互の鍔体3a、3aの外端から垂下したスカート部3b、3bを対面させ、かつそれらに穿設してあるボルト孔4、4…を利用してボルト・ナット等で結合固定する。
【0023】
ところで、以上の空間保持骨格の組立工程に於いて、必要に応じて、対応する位置の単位骨格部材である籠状部材3、3…の底部等に孔をあけ、これらの孔を通じてパイプ体6を立設しておくこととする。その下端開口部は、前記防火タンク1の内底部1aに対応する位置のゴムシート2の直上付近とし、上端は開口部1cから若干立上った高さ位置とする。このパイプ体6の上端にはポンプ装置7の吸引口を取り付け、吐出口にも短いパイプ体を取り付ける。上部のパイプ体にはキャップ8を着脱自在に被覆する。こうして汲み出し装置を構成する。
【0024】
以上のように、この水貯留用タンクは、防火タンク1の内底部1a及び内周側1bにゴムシート2を内張し、かつ該ゴムシート1内に籠状部材3、3…を組立てて空間保持骨格を構成したものである。また空間保持骨格を構成する単位骨格部材である籠状部材3、3…に孔をあけてパイプ体6をその内部に立設し、これにポンプ装置7を配して汲み出し装置を構成したものである。
それ故、容易かつ簡易に水貯留用タンクを構成し得るものである。
【0025】
したがってこの実施例では、ゴムシート2で防火タンク1の内底部1a及び内周側1bに非透水性内張層を構成しているので、地震等の際の大きな振動や揺動、更には地盤の若干のずれ等により防火タンク1に損傷が生じても、該ゴムシート2は容易に破断等を生じず、かつ内部には単位骨格部材である籠状部材3、3…により空間保持骨格が構成してあるので、水の保管空間が確保され、タンクとしての役割を保持し続けることができるものである。しかして大地震等の際に伴うことの多い火災等に対して用水を確保することができるものである。
【0026】
なおこの実施例に於ては、ゴムシート2の内側に貯留されている水を汲み出す汲み出し装置を構成してあるので、その周辺で火災が発生した場合には、前記キャップ8を取り外してポンプ装置7の吐出側に配したパイプ体にホース等を接続して水を汲み出して消火の用に供することができる。
それ以外に、この水貯留用タンク中の水は散水に用いたりすることができる。
【0027】
図4及び図5は、他の実施例を示すもので、図4は、空間保持骨格の構成用の四辺形の辺に沿った四辺形枠体を示した正面図であり、図5は、複数本の上記四辺形枠体を利用して組立てた空間保持骨格の構造を示す概略斜視図である。
【0028】
この実施例は、前記図1〜図3に示した実施例で、前記籠状部材3、3…により空間保持骨格を構成するのに代えて、以上の四辺形枠体9、9を用いて空間保持骨格を構成するものである。こうして前記実施例の場合より、より空間率を高めることができる。
【0029】
前記四辺形枠体9は、図4に示すように、棒材を四辺形の辺に沿った形状に組んで構成したものであり、前記防火タンク1に内張したゴムシート2の内側の空間に複数のそれらを持ち込んで、前記実施例と同様に、それらを組立て空間保持骨格10を構成する。この空間保持骨格10は、隣接する四辺形枠体9、9の枠辺相互を重ね合わせ、同時にクランプ手段等によりクランプしつつ、図5に示すような構造に組立てるものである。
こうして前記実施例と同様の水貯留用タンクを構成し得ることとなる。
【0030】
こうして構成される水貯留用タンクは、前記実施例の籠状部材3、3…を用いて空間保持骨格を構成した場合より空間率が高くなる利点がある。
他の点に関しては、前記実施例について説明したところと同様である。
【0031】
【発明の効果】
したがって本発明によれば、可変形性の非透水性内張層を、前記タンク用空間の内側に配し、かつその内部に単位骨格部材で空間保持骨格を構成したものであるため、地震等でタンクの周壁等を構成するコンクリート等に破損が生じても可変形性の非透水性内張層が容易に破損を生ぜず、水密性を保持し、かつ空間保持骨格が内部のタンク用空間を保持する。したがって地震等の際にも内部の水を確実に保持し続けることができると云う利点を有する。
【0032】
前記可変形性の非透水性内張層としてゴムシートを採用した場合には、弾力性を有するため、地震等の際にもより破損が生じにくく、タンク用空間の水密性の保持により有効である。
【0033】
水貯留用タンクに貯留されている雨水を汲み出す汲み出し手段を構成してあるので、その周辺で火災が発生した場合には、これを汲み出して消火の用に供するのに好都合である。散水用に用いたり、夏季に乾いた運動場等に散水するために用いたりするのにも便利である。
【0034】
更に、単位骨格部材として籠状部材を構成し、前記タンク用空間の内、前記非透水性内張層の内側の空間内に、複数の前記籠状部材を上下方向及び縦横方向に積み重ねて空間保持骨格を構成した場合には、タンク用空間の形状がどのようなものであれ、容易にそれに対応した形状の空間保持骨格を構成することができる。しかも充分大きな容量の空間率を確保できる。
【0035】
更にまた単位骨格部材として四辺形枠体を用いることとし、前記タンク用空間の非透水性内張層の内側の空間内に、複数の前記四辺形枠体を上下方向及び縦横方向に連結して空間保持骨格を構成した場合には、次のような効果が得られる。
【0036】
例えば、その四辺形枠体のサイズを比較的小型のものにした場合には、タンク用空間の形状がどのようなものであれ、容易にそれに対応して形状の空間保持骨格を構成することができる。
また、例えば、四辺形枠体のサイズを比較的大型のものにした場合には、容易に容量の大きなタンク用空間を埋める空間保持骨格を構成することができる。しかも、いずれにしても、タンク用空間内に充分大きな容量の水貯留空間を残すこともできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示す概略断面説明図。
【図2】一実施例の単位骨格部材である籠状部材を結合した状態を示す平面説明図。
【図3】一実施例の単位骨格部材である籠状部材の一部切欠正面図。
【図4】他の実施例の空間保持骨格の構成用の四辺形の辺に沿った四辺形枠体を示した正面図。
【図5】他の実施例の複数本の四辺形枠体を利用して組立てた空間保持骨格の構造を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1 防火タンク
1a 内底部
1b 内周側
2 ゴムシート
3 籠状部材
3a 鍔体
3b スカート部
4 ボルト孔
5 透水孔
6 パイプ体
7 ポンプ装置
8 キャップ
9 四辺形枠体
10 空間保持骨格
Claims (6)
- 一部に開口部を有するタンク用空間の少なくとも内底部及び内周側に可変形性の非透水性内張層を構成し、かつ該非透水性内張層内に複数の単位骨格部材を充填して空間保持骨格を構成した水貯留用タンク。
- 前記タンク用空間として、既存の防火タンクを利用した請求項1の水貯留用タンク。
- 前記タンク用空間の開口部に、その非透水性内張層内に延びる汲み出し手段であって、該非透水性内張層内に貯留してある水を汲み出すための汲み出し手段を設置した請求項1の水貯留用タンク。
- 前記非透水性内張層を、前記タンク用空間の内底部及び内周側にゴムシートを内張することにより構成した請求項1、2又は3の水貯留用タンク。
- 前記単位骨格部材として籠状部材を構成し、前記タンク用空間の非透水性内張層の内側の空間内に、複数の前記籠状部材を上下方向及び縦横方向に連設配置して空間保持骨格を構成した請求項1、2、3又は4の水貯留用タンク。
- 前記単位骨格部材として四辺形枠体を用いることとし、前記タンク用空間の非透水性内張層の内側の空間内に、複数の前記四辺形枠体を上下方向及び縦横方向に連結して空間保持骨格を構成した請求項1、2、3又は4の水貯留用タンク。
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