JP3710596B2 - 青果物判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、青果物に衝撃音を与え、前記青果物での前記衝撃音の伝播状態を検出して、前記青果物の硬度を判定する青果物判定装置に関するものである。
【0002】
特に、果実の熟成度、及び痛み具合の判定に有用なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来の青果物の熟成度、及び痛み具合等の判定は、収穫出荷または販売時点でその対象青果物の外観形状と色彩判定及び青果物のサンプルを抽出して、そのサンプルを破壊して、青果物内の熟成状況及び糖度計測などにより行われている。前記外観による判定は、多年の熟練経験を要し、かつサンプリングによる破壊判定は、破壊された青果物は商品として販売できずに無駄となっている。特に果実などは、収穫出荷時と市場販売時に時間的経過があり、その間に果実の熟成が進行しているために、収穫出荷時は、その市場販売までの間に進行する熟成を見込んだ時期に収穫され、かつ市場販売時には、腐敗のない十分に熟成した製品として提供する必要がある。
【0004】
この青果物の熟成判定を経験者に頼ることなく、正確にかつ均一に判定する方法として、各種の判定装置が開発使用されている。この判定装置の代表例として、すいかの熟成度判定装置がある。
【0005】
すいかの熟成度判定は、熟練された生産者または販売員により、すいかを手で叩き、その時の打感と打音の質及び響き具合などから判定しているが、この打音の質及び響きを利用して、すいかを伝わる衝撃音をマイクロフォンを用いて集音し、その集音した音の周波数を分析して、成熟度を判定している。このすいかを伝播する音は、すいかの表面の硬い皮部分を伝播するものと、すいか内部を伝播するものとに分けられるが、すいかの熟成度を判定するためには、すいか内部を伝播する音を集音し、周波数分析する必要がある。しかし、すいかは、結実した直後からすいか内部の一般に食する部分(赤い部分)が形成されており、かつ水分を多く含んでいる。この為、すいか内部を伝播する音は、前記水分により減衰される。一方、すいかの表面は、表皮とその表皮の内側の一定の厚さの一般に食さない部分(白い部分)があり、この表皮と一般に食さない部分(以下、表皮部分という)を伝播される音は、果質が硬いために、伝播率が良好である。これにより、すいかの表皮部分と内部を伝播された音を集音後、周波数分析する際に、表皮部分を伝播した音は分析に必要な十分な量が得られるが、内部を伝播された音の量は小さく、かつ、表皮部分を伝播される音と重畳され、表皮部分と内部伝播の分析が困難となる。また、すいかの熟成が進行すると、表皮部分は、収穫時の果質状態を長期間維持するが、内部は、ひびが入り、かつ水分が減少するために、すいか内部の熟成度を判定することが困難となり、表皮部分を伝播する音を主体的に用いて周波数分析するのみで熟成度の判定を行っている。
【0006】
しかしながら、すいかと異なる生育状態を示す果実、例えば、メロンなどは、結実時から収穫直後までは、一般に食する内部も硬く、そのままでは食することができない。そのため、収穫後一定期間放置することにより内部の熟成が進行して、その熟成の進行状況を判定して出荷市販されている。このような生育経過をたどるメロンを前記すいかと同様の判定装置を用いてもメロン内部と表皮部分を伝播する音とが両方検出されてしまい成熟度の判定ができなず、従来どおり熟練者の経験またはそのメロンを破壊して内部の熟成度を判定する以外に方法がなく、生産者が異なる大量の果実が集荷する集荷所における熟成判定に多数の熟練者が必要となり、熟成度判定の効率化が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、収穫直後まで果実の食用部分が硬く、収穫後熟成期間を設けて熟成させ、熟成判定は、熟練者による経験から判定する以外になく、生産者の異なる大量の果実の判定に多数の熟練者を要し、出荷判定作業に多くの時間がかかる課題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被判定物を叩いて該被判定物に衝撃音を与える衝撃供与手段と、被判定物の非食用の表皮部分と内部の食用部分を伝播する衝撃音を集音する集音手段と、前記集音手段で集音した前記被判定部の表皮部分と食用部分を伝播した衝撃音を基に前記被判定物の伝播振動周波数を解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段が取り込んだ前記伝播振動周波数から異なる2つのピーク値周波数を抽出し、その異なる2つのピーク値の周波数値差と波頭値差を算出する算出手段と、を具備し、前記算出手段で算出した前記被判定物の伝播振動周波数の異なる2つのピーク値の周波数値差と波頭値差を用いて前記被判定物の熟成判定をする青果物判定装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、青果物のうち、メロンなどの果実のように結実時から収穫時までの間は、その果実の内部の食用部分は硬く食用に供されないが、収穫後の一定の熟成期間を設けることにより、果実の内部の食用部分の熟成が進行し食用に供される。この食用部分の熟成は果実の中心部分から外皮側へと拡大移行し、かつ熟成が進行すると外皮の直前内部にまで熟成する。さらに熟成が腐敗へと進行すると、外皮表面も柔軟状態となる。この果実の熟成の進行状況を用いて、本発明者は数々の実験を繰り返した結果、果実の内部の熟成の進行により果実の伝播振動周波数が相違変化することに着目してなされたものである。
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る青果物判定装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【0011】
図中、符号11は、メロンなどの果実の被判定物である。この被判定物11は、図示していない被判定物固定具上に載置されている。この被判定部固定具近傍に設られ、かつ、前記被判定物11を叩いて衝撃音を生成するハンマ12を有している。このハンマ12は、中央部が固定され、一端は前記被判定物11を叩く打点部で、他端は前記打点部を所定の角度持ち上げるハンマ駆動部から構成され、ハンマ駆動部を図中下方向に押圧し、前記打点部を所定角度持ち上げてから、その打点部を図中点線で示した矢印方向に落下させて、前記被判定物11を所定の力で叩くようになっている。このハンマ12と前記被判定物11とで生じた衝撃音は、前記被判定物11の外皮部分と内部の食用部分とに伝播される。この衝撃音を集音するマイクロフォンなどからなる2つの集音器13、14を前記被判定物11に密着するように取付けられている。この集音器13、14で集音した前記被判定物11を伝播したアナログの衝撃音信号は、増幅器15に供給して、所定の大きさの衝撃音信号に増幅する。この増幅器15で増幅された衝撃音声信号をAD変換器により、アナログ信号からディジタル信号に変換する。このディジタル信号に変換される際に、前記集音器13、14が集音した前記判定物11とハンマ12とで生成した衝撃音の振動周波数のみをディジタル信号に変換し、それ以外の前記被判定部11を介して集音した音の振動周波数を除去するようにされている。前記AD変換器16でディジタル信号に変換された前記衝撃音の振動周波数は、電子計算機などで構成される周波数解析器17に供給される。この周波数解析器17では、前記集音器13、14で集音した前記被判定物11の外皮及びその近傍の外皮部分を伝播された最初の衝撃振動と徐々に減衰する振動周波数(以下、外皮部分伝播振動周波数という)と、及び前記被判定物11の内部食用部分を伝播された衝撃振動と徐々に減衰する振動周波数(以下、食用部分伝播振動周波数という)との両伝播振動周波数を抽出する。この外皮部分及び食用部分の両伝播振動周波数のピーク値を求めるようになっている。
【0012】
被判定物11であるメロンは、収穫時は、外皮部分と食用部分はともに硬く、その両部分の伝播振動周波数は、ほぼ同じ振動周波数を示すが、食用部分の熟成が進行すると、外皮部分は変化しないが、食用部分の硬度が低下し、伝播振動周波数に変化が生ずる。つまり、食用部分の熟成の進行につれて、外皮部分と食用部分の伝播振動周波数が異なり、それぞれ異なるピーク値を有する周波数が得られる。この異なるピーク値のピーク値周波数の周波数間隔(周波数値差という)とピーク値の周波数強度差(波頭値差という)を前記周波数解析器17で算出することにより、被判定物11の熟成度の判定に用いることができる。
【0013】
前記外皮部分と前記食用部分の伝播振動周波数のピーク値の相違から前記被判定物11の熟成度判定の相関関係を図2の周波数と周波数の強度分布を示すグラフを用いて説明する。
【0014】
図2(a)は、被判定物11であるメロンの収穫直後の最初の日の伝播振動周波数を示している。収穫直後のメロンは、外皮部分と食用部分はほぼ同じような硬さを有しており、その伝播振動周波数も同じような周波数を有する。この周波数を前記周波数解析器17で解析されたピーク値は1つとなる。次に、図2(b)は、被判定物11であるメロンの収穫から5日目の伝播振動周波数を示している。収穫後5日を経過したメロンは、食用部分の熟成が進み、外皮部分に比して、柔らかくなっており、その伝播周波数は異なる周波数を有する。この異なる周波数を前記周波数解析器17で解析するとピーク値は2つとなる。この2つピーク値の周波数値の間隔差aと波頭値差bを算出してメロンの熟成度を示すことになる。
【0015】
つまり、メロンの食用部分の熟成は、メロン中央部分から始まり、順次外皮部分へと拡大されて行く。このため、2つのピーク値の周波数値差aは、熟成が外皮部分へ拡大されるに従い、その周波数値差aも大きくなる。さらに、前記2つのピーク値の周波数の波頭値差bは、熟成が拡大されるに従い、その波頭値差bは小さくなる。
【0016】
従って、前記周波数解析器17で前記外皮部分と食用部分の伝播振動周波数の2つのピーク値を検出し、その2つのピーク値の周波数値差aと波頭値差bを算出して、予め設定された前記周波数値差aと波頭値差bとの関係を用い、その関係の範囲内の場合は出荷可とし、その関係を越えた場合には、熟成の進み過ぎによる出荷否、及びその関係を満たさない場合は、再度熟成させるなどの判定が容易となり、果実の熟成度の判定を熟練者に頼ることなく、判別できる青果物判定装置を提供できるようになった。
【0017】
なお、前記した被判定物11の外皮部分と食用部分の伝播振動周波数のピーク値の周波数値差aと波頭値差bの関係は、所定のサンプル数により相関関係を求めて、前記周波数解析器17に記憶させ、個々の被判定物11の伝播振動周波数の検出の都度比較判定することで、個々の前記被判定物11の熟成度の判定が可能となる。
【0018】
また、前記被判定物11の大きさにより熟成の速度及び範囲も異なるために、前記被判定物11を載置する前記被判定物固定具に被判定物11の重量計測器を設け、この重量計測器で計測した重量値で前記被判定物11の前記両伝播振動周波数を前記周波数解析器17で補正することで被判定物11の大きさによる熟成度と熟成範囲の誤差を解消することができる。
【0019】
さらにまた、本発明の被判定物11の被判定物固定具を複数コンベア上に設け、そのコンベアを循環移動させることにより、多量の被判定物を自動的に判別し、その結果を周波数解析器から出力して、個々の被判定物毎の出荷の良否を伝達して、自動選別できることも明かである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、熟練者による果実の熟成度の判別を行うことなく、果実に所定の衝撃音を与え、前記果実の外皮部分と食用部分の衝撃音の伝播振動周波数のピーク値の周波数値差と波頭値差の関係を用いて、被判定物の熟成度を判定することにより、多量にかつ効率よく選別または判別が容易に実現できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る青果物判定装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】本発明に係る青果物判定装置で計測した青果物の伝播振動周波数のピーク値周波数と周波数強度の関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
11…被判定物、12…ハンマ、13、14…集音マイクロフォン、15…増幅器、16…AD変換器、17…周波数解析器。
Claims (3)
- 被判定物を叩いて衝撃音を与える衝撃供与手段と、
前記被判定物の表皮部分と食用部分を伝播する衝撃音を集音する集音手段と、
前記集音手段で集音した前記被判定物の表皮部分と食用部分を伝播した衝撃音を基に前記被判定物の伝播振動周波数を解析する周波数解析手段と、
前記周波数解析手段が取り込んだ前記伝播振動周波数から異なる2つのピーク値周波数を抽出し、その異なる2つのピーク値の周波数値差と波頭値差を算出する算出手段と、を具備し、
前記算出手段で算出した前記被判定物の伝播振動周波数の異なる2つのピーク値の周波数値差と波頭値差を用いて前記被判定物の熟成判定をすることを特徴とした青果物判定装置。 - 前記算出手段で算出した異なる2つのピーク値の周波数値差が大きくなり、波頭値差が小さくなる相関関係を用いて前記被判定物の熟成判定をすることを特徴とした請求項1に記載の青果物判定装置。
- 前記算出手段で算出した異なる2つのピーク値の周波数値差は前記被判定物の熟成範囲を示し、かつ、波頭値差は前記被判定物の熟成度を示し、その周波数値差と波頭値差の相関を用いて前記被判定物の熟成判定をすることを特徴とした請求項1に記載の青果物判定装置。
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| JP12995897A JP3710596B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 青果物判定装置 |
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| JP12995897A JP3710596B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 青果物判定装置 |
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1997
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