JP3711567B2 - 内燃機関の故障有無判定方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、内燃機関の故障有無判定方法に係り、詳しくは内燃機関に設けられる機関状態を検出するセンサの故障有無判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から内燃機関においては、ダイアグノーシス検出が行われており、いくつかのダイアグノーシス検出項目の内1箇所でも異常が検出された場合、ウォーニングランプが点灯するようになっている。法規制では、いくつかのダイアグノーシス検出項目の内1箇所でも異常が検出されてウォーニングランプが点灯した場合、ウォーニングランプを消灯させるには、全ての箇所が正常であることを判定する必要がある。そのため正常な動作をしている時には、できるだけ早く正常判定を行いたいという要求がある。
【0003】
いくつかのダイアグノーシス検出項目の中の1つにはO2 センサがある。O2 センサにおいては、正常又は異常と判定した判定期間内のO2 センサ波形の最大電圧値、最小電圧値を出力することを行うことがある。最大値、最小値を求める理由は、正常判定した時に判定レベル(異常/正常)にどれだけ近いかとか、すなわち、異常ギリギリで正常と判定しているのではないか等、O2 センサの劣化度合を市場で故障解析するために有効な手段として用意しておくためである。
【0004】
その従来方法として、ある程度の時間が(例えば10分間)が経過した後、異常でなければ正常と判定し、その中での最大値、最小値をとっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この方法では正常に動作しているにもかかわらず正常と判定するのに時間を要する問題がある。そこで、最も早く正常と判定をするには、正常と判定できる所定レベルを越えた時に判定することも考えられるが、これでは真の最大値、最小値を得ることができない問題がある。又、最大値=極大値、最小値=極小値と考えればよいが、この方法として(前回AD値)−(今回AD値)=dとし、dの符合が反転した時と考えると、ノイズなどにより1bitでもずれた時に極値と判定してしまう虞がある。
【0006】
又、図13に示すように判定開始時T1から判定終了時T2までの所定時間で最大値、最小値を上記極大値、極小値とし、市場解析情報として提供した場合、極大値αは確実にとれているが、所定時間の終了時刻T2で極小値が確定していないものを極小値β1として提供してECU交換される虞がある。なお、図13において真の極小値はβであり、V1及びV2は基準レベルを示す。
【0007】
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、正常判定を早く行うことができる内燃機関の故障有無判定方法を提供することにある。又、確実に極大値、極小値を市場解析情報として提供することができる内燃機関の故障有無判定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、内燃機関の機関状態を検出するために設けられ、正常状態では、大小関係を有する複数の基準値の内大きい方の第1の基準値を越す極大値と、小さい方の第2の基準値を下回る極小値とを有する出力波形を出力するセンサを備えた内燃機関の故障有無判定方法において、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、前記センサの出力値が第1の基準値を越えた時、及び第2の基準値を下回った時にカウント手段のカウント数をそれぞれ歩進し、前記カウント数が所定回数に達したときには、センサが正常であると判定するとともに、前記カウント数が所定回数に達するまでに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、センサが異常であると判定し、前記ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、前記カウント数は所定回数に達していないものの、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、前記センサを正常とも異常とも判定しないことを要旨としている。
【0009】
請求項2の発明は、内燃機関の機関状態を検出するために設けられ、正常状態では、大小関係を有する複数の基準値の内大きい方の第1の基準値を越す極大値と、小さい方の第2の基準値を下回る極小値とを有する出力波形を出力するセンサを備えた内燃機関の故障有無判定方法において、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、故障判定が開始された時のセンサの出力値が第2の基準値を下回っているとき、或いは第1の基準値を越えているときにカウント手段のカウント数を歩進し、以後、センサの出力値が第1の基準値を越えた時、及び第2の基準値を下回った時に前記カウント手段のカウント数をそれぞれ歩進し、前記カウント数が所定回数に達したときには、センサが正常であると判定するとともに、前記カウント数が所定回数に達するまでに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、センサが異常であると判定し、前記ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、前記カウント数は所定回数に達していないものの、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、前記センサを正常とも異常とも判定しないことを要旨としている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、カウント手段は第1の基準値をセンサからの出力値が越えたときカウントする第1カウンタと、第2の基準値をセンサからの出力値が下回ったときカウントする第2カウンタとからなり、両カウンタのカウント数がそれぞれ所定回数に達したとき、センサが正常であると判定することを要旨としている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の請求項において、センサは、内燃機関の排気系に配設される触媒コンバータの上流側及び下流側に配設された空燃比を検出するための空燃比センサであることを要旨としている。
【0012】
請求項5の発明は、内燃機関の機関状態を検出するために設けられ、正常状態では、大小関係を有する複数の基準値の内大きい方の第1の基準値を越す極大値と、小さい方の第2の基準値を下回る極小値とを有する出力波形を出力するセンサを備えた内燃機関の故障有無判定方法において、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、前記センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出したときには、前記センサが正常であると判定するとともに、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、前記センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出するまでに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、前記センサが異常であると判定し、前記ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、前記センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出していないものの、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、前記センサを正常とも異常とも判定しないことを要旨としている。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうちいずれかにおいて、故障有無判定に要する時間をはるかに越えるときに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過するとすることを要旨としている。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1乃至5のうちいずれかにおいて、前記センサの出力電圧が安定化する条件が長い時間成立するときに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過するとすることを要旨としている。
【0015】
【作用】
上記の構成によれば、請求項1の発明は、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、センサの出力値が第1の基準値を越えた時、及び第2の基準値を下回った時、カウント手段のカウント数をそれぞれ歩進する。そして、このカウント数が所定回数に達したときには、センサが正常であると判定する。一方、上記カウント数が所定回数に達するまでに、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、センサが異常であると判定する。他方、ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、上記カウント数は所定回数に達していないものの、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、センサを正常とも異常とも判定しない。
【0016】
請求項2の発明は、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、故障判定が開始された時のセンサの出力値が第2の基準値を下回っているとき、或いは第1の基準値を越えているときにカウント手段のカウント数を歩進し、以後、センサの出力値が第1の基準値を越えた時、及び第2の基準値を下回った時に前記カウント手段のカウント数を歩進する。そして、上記カウント数が所定回数に達したときには、センサが正常であると判定する。一方、上記カウント数が所定回数に達するまでに、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、センサが異常であると判定する。他方、ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、上記カウント数は所定回数に達していないものの、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、センサを正常とも異常とも判定しない。
請求項3の発明は、第1の基準値をセンサからの出力値が越えたとき第1のカウンタはカウントを行う。又、第2の基準値をセンサからの出力値が下回ったとき第2のカウンタは、カウントを行う。そして、両カウンタのカウント数がそれぞれ所定回数に達したとき、センサが正常であると判定する。
【0017】
請求項4の発明は、空燃比センサの出力波形に基づいて内燃機関の故障有無判定が行われる。
請求項5の発明では、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出したときには、センサが正常であると判定する。一方、ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出するまでに、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、センサが異常であると判定する。他方、ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、上記センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出していないものの、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、センサを正常とも異常とも判定しない。
【0020】
【実施例】
以下、この発明を具体化した一実施例を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る実施例の構成を示す図である。図1において、機関本体1の吸気通路2の上流側には図示しないアクセルペダルの操作に連動して開閉されるスロットルバルブ3が設けられている。又、吸気通路2の下流側には燃料供給系から機関本体1に加圧燃料を供給するための燃料噴射弁4が設けられている。排気通路5には、排気ガス中の3つの有害成分HC、CO,NOX を同時に浄化する三元触媒を収容した触媒コンバータ6が配設されている。触媒コンバータ6の上流側および下流側の排気通路5には、空燃比センサとしての上流側O2 センサ7および下流側O2 センサ8がそれぞれ設けられている。同O2 センサ7,8は排気ガス中の酸素成分濃度に応じた電圧信号を出力する。そして、この出力値に応じて空燃比が制御される。
【0021】
又、O2 センサ7,8には、O2 センサ7,8の活性化を促進するためのヒータ9,10が設けられている。このヒータ9,10は後述する制御回路11による通電信号に応じて通電されて、発熱する。ウォーニングランプ19はO2 センサ7,8の異常が検出された場合に、異常検出信号を受けて警告を表示するものである。
【0022】
判定手段を構成する制御回路11は、CPU12、ROM13、記憶手段及びカウント手段としてのRAM14、バックアップRAM15、基準クロック発生回路16、A/D変換器17、及びI/Oポート18を備えている。制御回路11にはO2 センサ7,8からの検出信号が入力され、そのデータがRAM14に一時記憶される。RAM14は後述する各種カウンタ、フラグを内臓している。ROM13には後述の図2〜4に示すプログラムを格納している。
【0023】
次に、本実施例の異常検出装置の作用を説明する。なお、この実施例では、下流側O2 センサ8の異常検出について説明する。
O2 センサ8の故障診断は図2の判定ルーチンにより判定し、表示を行う。判定ルーチンは定期的なタイミング、例えば40msにて処理を行う。従って、判定ルーチンのタイミングによりはじめに判定を行えるタイミングであるか否か、すなわちダイアグノーシス実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップ210)。ダイアグノーシス実行条件としては、O2 センサがヒータ10の発熱動作により活性化され出力電圧が安定化する条件(A/Fフィードバック条件等)を満足しているか、又、誤判定をするような他のダイアグノーシスの異常を検出していないか等である。ステップ210においてダイアグノーシス実行条件が成立していないと判定すると、このルーチンを終了する。ダイアグノーシス実行条件成立と判定されると、その時のO2 センサ8の電圧AD(以下、OXADという)値と正常値と判定できる第2の基準値としてのV2レベルを比較する(ステップ211)。V2レベル以上であれば後記するステップ216に移行する。V2レベルより小さければ次にCOX=0か否かを判定する(ステップ212)。なお、ここでCOX=0か否かを判定するのは、ダイアグノーシス実行条件成立後1カウント目は、実行条件成立前のOXAD値にかかわらずOXAD<V2ならば1カウントアップするためである。
【0024】
ステップ212においてC0X=0であれば、ステップ213をバイパスしてステップ214に移行する。又、COX≠0であればOXAD値が第1の基準値としてのV1レベル(V1>V2)を横切ったか否かをみるためにXOXフラグ(以下、XOXという)=0か否かをチエックする(ステップ213)。XOX=1であれば、ステップ214でXOX=0とし、COXカウンタ(以下、COXという)をインクリメントし(ステップ215)、ステップ216へ移行する。前記ステップ213においてXOX=0の場合は、V2レベルを越えずにV1レベルより小さくなったということであり、COXをインクリメントしないでステップ216へ移行する。ステップ216では、RAM14に格納している今までのOXAD値の最小値(以下、OXMNという)と比較し、小さければ現在の0XAD値をRAM14に格納することによりOXMNを更新する(ステップ217)。反対に今までのOXAD値の最小値よりも大きければOXMNの更新をせず、ステップ218に移行する。
【0025】
次に上側V1レベルの判定について説明する。
まず、ステップ218でその時のOXAD値と正常値と判定できる基準レベルとしてのV1レベルを比較し、V1レベル以下であればステップ223に移行し、V1レベルより大きければステップ219へ進む。ここではステップ212と同様にCOX=0か否かを判定する。ここでCOX=0か否かを判定するのは、ダイアグノーシス実行条件成立後におけるCOXカウンタの1カウント目は、実行条件成立前のOXAD値にかかわらずOXAD>V1ならば1カウントアップするためである。ステップ212とステップ219の2回行うのは、ダイアグノーシス実行条件が成立時のOXAD値が分からないためである。ステップ219においてCOX=0の場合は、ステップ220をバイパスしてステップ221においてXOX=1とする。そして、次のステップ222において実行条件成立前の値にかかわらずOXAD>V1レベルのときは1カウントアップするのである。
【0026】
COX≠0の場合には、OXAD値がV2レベルを横切ったか否かをステップ220で判定する。XOX=1であれば以前XOX=1としてからV2レベルを横切っていないということであるため、COXの処理は行わず、ステップ223に移行する。ステップ220においてXOX=0の場合は、OXAD値がV2レベルを横切って初めてV1レベルを越えたということであり、XOX=1(ステップ221)とし、COXをインクリメントする(ステップ222)。そして、ステップ223でRAM14に格納している今までのOXAD値の最大値(以下、OXMXという)と比較し、最大値よりそのときのOXAD値が大きければOXMXを更新する(ステップ224)。又、最大値以下であれば、ステップ225に移行する。
【0027】
次に正常か異常かの判定ルーチンの説明をする。
まず、ステップ225においてCOX≧4か否かを判定し、COX≧4であればステップ227において正常と判定し、ステップ229に移行する。COX<4の場合はステップ226において異常としてよいかの判定をする異常検出条件をチェックする。異常検出条件としては、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過している(COX≧4となるために要する時間をはるかに越えている)等がある。ステップ226において異常検出条件が成立していた場合、ステップ228に移行して異常と判定し、ウォーニングランプ19を表示作動させ、ステップ229に移行する。
【0028】
ステップ227,228で異常か正常かの判定が終了したら、今までの最大値(OXMX)、最小値(OXMN)をバックアップRAM15へ格納する(ステップ229,230)。異常とも正常とも判定できない場合には、上記各ステップを繰り返す。
【0029】
上記説明中のXOXフラグ、COXカウンタを図6を参照して説明する。
図6(b)、(c)、(d)は図6(a)に示すO2 センサ8からの出力電圧に対して判定開始時点がA,B,Cのように異なった場合のXOXフラグ及びCOXカウンタの動作状態を示している。
【0030】
XOXフラグはダイアグノーシス実行条件成立かつOXAD>V1レベルの時(ステップ210、ステップ218乃至ステップ221)を1とし、ダイアグノーシス実行条件成立かつOXAD<V2レベルの時(ステップ210、ステップ211乃至ステップ214)を0とする。COXカウンタは、初めXOX=1,XOX=0とする条件成立時に1カウントし、その後XOXフラグが反転する時にカウントアップする。
【0031】
XOXフラグを上記のように設定する理由は、OXAD値がOXAD<V2レベルになるまでにOXAD>V1レベルとなったか否かをチェックするためである。同様にOXAD>V1レベルになるまでOXAD<V2となったか否かをチェックするためである。
【0032】
又、COXカウンタを上記のように設定する理由は、判定開始時のOXAD値が不明であり、そのため、1カウント目はXOXフラグの反転を得ることができないことからXOX=0,XOX=1の条件成立時としている。
【0033】
その後、XOXが反転時カウントアップするのは図7に示すようにV2レベルを横切らず再びV1レベルを横切った場合は、正常な動作とはいえないため、カウントアップしないためである。
【0034】
又、COX≧4で正常判定とした理由は、COX≧2ですでに正常判定は可能であるが、確実に極大値、極小値がとれるのは図5,図6(a)、(b)、(c)から明らかであるようにCOX≧3では判定開始Bのときはよいが、判定開始Aのような場合には、極小値がとれないため,どのような場合で判定を開始されてもよいようにCOX≧4としているのである。
【0035】
この方法で判定を行えば、極大値、極小値をつくる山、谷を数えて常に最大値、最小値の更新をしているため、正常判定が早くでき、かつ最大値、最小値も確実に得ることができる。
【0036】
なお、図7に示すようにV1レベルを横切った後、V2レベルを横切らず再びV1レベルを横切った場合は、フラグが反転せずカウントアップされないので、正常判定値=4となることはない。よって、判定レベルV1,V2を横切らずに振幅する特性の場合に正常と誤判定することはない。
【0037】
次に第2実施例について図8及び図9に従って説明する。
この実施例では、判定ルーチンにおいて前記第1実施例と異なるところのみを説明し、第1実施例と同一ステップについては同一ステップ番号を付してその説明を省略する。
【0038】
この実施例では、前記第1実施例のフローチャートのうち、ステップ213、ステップ214の代わりにステップ313、ステップ314が行われるとともに、ステップ220、ステップ221の代わりにステップ320、ステップ321が行われる。
【0039】
すなわち、図8に示すようにステップ212においてC0X=0であれば、ステップ313をバイパスしてステップ314に移行する。又、COX≠0であればOXAD値がV1レベル(V1>V2)を横切ったか否かをみるためにXOXフラグ(以下、XOXという)=1か否かをチエックする(ステップ313)。XOX=0であれば、ステップ314でXOX=1とし、COXカウンタ(以下、COXという)をインクリメントし(ステップ215)、ステップ216へ移行する。前記ステップ313においてXOX=1の場合は、V2レベルを越えずにV1レベルより小さくなったということであり、COXをインクリメントしないでステップ216へ移行する。
【0040】
又、ステップ219においてCOX=0の場合は、ステップ320をバイパスしてステップ321においてXOX=0とする。そして、次のステップ222において実行条件成立前の値にかかわらずOXAD>V1レベルのときは1カウントアップする。ステップ219においてCOX≠0の場合には、OXAD値がV2レベルを横切ったか否かをステップ320で判定する。XOX=0であれば以前XOX=0としてからV2レベルを横切っていないということであるため、COXの処理は行わず、ステップ223に移行する。ステップ320においてXOX≠0の場合は、OXAD値がV2レベルを横切って初めてV1レベルを越えたということであり、XOX=0(ステップ321)とし、COXをインクリメントする(ステップ222)。
【0041】
従って、この第2実施例では、第1実施例のXOXフラグのセット、リセットと逆の関係になるだけであるため、その作用効果は第1実施例と同様である。
次に第3実施例を図10〜図12に従って説明する。
【0042】
この実施例においては、カウント手段としてのRAM14には第1カウンタとしてのCOXHカウンタと、第2カウンタとしてのCOXLカウンタとが内蔵されている。
【0043】
この実施例におけるO2 センサ8の故障診断は図10及び図11の判定ルーチンにより判定し、表示を行う。この実施例においても判定ルーチンは定期的なタイミング、例えば40msにて処理を行う。まず、このルーチンに入ると、判定ルーチンのタイミングによりはじめに判定を行えるタイミングであるか否か、すなわちダイアグノーシス実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップ410)。ダイアグノーシス実行条件は前記第1実施例と同様の条件である。
【0044】
ステップ410においてダイアグノーシス実行条件が成立していないと判定すると、このルーチンを終了する。ダイアグノーシス実行条件成立と判定されると、その時のO2 センサ8の電圧AD(以下、OXADという)値とV2レベルを比較する(ステップ411)。V2レベル以上であれば後記するステップ416に移行する。
【0045】
V2レベルより小さければ次にステップ412においてXFIRSTフラグ(以下、XFIRSTという)=1か否かを判定する。なお、ここでXFIRST=1か否かを判定するのは、ダイアグノーシス実行条件成立後におけるCOXLカウンタの1カウント目は、実行条件成立前のOXAD値にかかわらずOXAD<V2ならば1カウントアップするためである。XFIRSTはこの内燃機関の制御回路11が起動された後の初期設定で0にリセットされ、又、後のステップ433において正常と判定された後、或いはステップ428において異常と判定された後に0にリセットされる。
【0046】
ステップ412においてXFIRST≠1であれば、ステップ413をバイパスしてステップ431でXFIRSTを1にセットし、ステップ414でXOX=0とする。又、XFIRST=1であればOXAD値がV1レベル(V1>V2)を横切ったか否かをみるためにXOX=0か否かをチエックする(ステップ413)。XOX=1であれば、ステップ414でXOX=0とし、COXLカウンタ(以下、COXLという)をインクリメントし(ステップ415)、ステップ416へ移行する。前記ステップ413においてXOX=0の場合は、V2レベルを越えずにV1レベルより小さくなったということであり、COXLをインクリメントしないでステップ416へ移行する。ステップ416〜418は第1実施例のステップ216〜218と同じであるので説明を省略する。
【0047】
次に上側V1レベルの判定について説明する。
まず、ステップ418でその時のOXAD値とV1レベルを比較し、V1レベル以下であればステップ423に移行し、V1レベルより大きければステップ419へ進む。ここではステップ412と同様にXFIRST=1か否かを判定する。ここでXFIRST=1か否かを判定するのは、ダイアグノーシス実行条件成立後におけるCOXHカウンタの1カウント目は、実行条件成立前のOXAD値にかかわらずOXAD>V1ならば1カウントアップするためである。又、ステップ412とステップ419においてXFIRST=1か否かの判定を2回行うのは、ダイアグノーシス実行条件が成立時のOXAD値が分からないためである。ステップ419においてXFIRST≠1であれば、ステップ420をバイパスしてステップ432でXFIRSTを1にセットし、ステップ421に移行する。同ステップ421においてXOX=1とする。そして、次のステップ422においてダイアグノーシス実行条件成立前の値にかかわらずOXAD>V1レベルのときは1カウントアップするのである。
【0048】
又、ステップ419においてXFIRST=1の場合には、OXAD値がV2レベルを横切ったか否かをステップ420で判定する。ステップ420においてXOX=1であれば以前XOX=1としてからV2レベルを横切っていないということであるため、COXの処理は行わず、ステップ423に移行する。ステップ420においてXOX=0の場合は、OXAD値がV2レベルを横切って初めてV1レベルを越えたということであり、XOX=1(ステップ421)とし、COXHカウンタをインクリメントする(ステップ422)。そして、ステップ423でRAM14に格納している今までのOXAD値の最大値(OXMX)と比較し、最大値よりそのときのOXAD値が大きければOXMXを更新する(ステップ424)。又、最大値以下であれば、ステップ425に移行する。
【0049】
次に正常か異常かの判定ルーチンの説明をする。
まず、ステップ425においてCOXL≧2か否かを判定し、COXL≧2であればステップ426においてCOXH≧2か否かを判定する。ステップ426においてCOXH≧2であれば、ステップ433において正常と判定し、ステップ429に移行する。
【0050】
ステップ425においてCOXL<2の場合はステップ427において異常としてよいかの判定をする異常検出条件をチェックする。又、ステップ426においてCOXH<2の場合は同じくステップ427において異常としてよいかの判定をする異常検出条件をチェックする。異常検出条件としては、ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過している(COXL≧2、かつCOXH≧2となるために要する時間をはるかに越えている)等がある。ステップ226において異常検出条件が成立していた場合、ステップ428に移行して異常と判定し、ウォーニングランプ19を表示作動させ、ステップ429に移行する。
【0051】
ステップ427,428で異常か正常かの判定が終了したら、今までの最大値(OXMX)、最小値(OXMN)をバックアップRAM15へ格納する(ステップ429,430)。異常とも正常とも判定できない場合には、上記各ステップを繰り返す。
【0052】
上記説明中のXFIRSTフラグ、COXLカウンタ及びCOXHカウンタを図12を参照して説明する。
図12(b)は、第3実施例におけるXOXフラグの状態と、COXLカウンタ及びCOXHカウンタのカウントアップの状態が示されている。又、図12(a)は第2実施例のXOXフラグの状態とCOXカウンタのカウントアップの状態が示されている。
【0053】
XOXフラグはダイアグノーシス実行条件成立かつOXAD>V1レベルの時(ステップ410、ステップ418乃至ステップ421)を1とし、ダイアグノーシス実行条件成立かつOXAD<V2レベルの時(ステップ410、ステップ411乃至ステップ414)を0とする。COXLカウンタは初めXOX=0とする条件成立時に1カウントし、その後XOXフラグが1から0に反転する時にカウントアップする。又,COXHカウンタは初めXOX=1とする条件成立時に1カウントし、その後XOXフラグが0から1に反転する時にカウントアップする。
【0054】
XOXフラグを上記のように設定する理由は、OXAD値がOXAD<V2レベルになるまでにOXAD>V1レベルとなったか否かをチェックするためである。同様にOXAD>V1レベルになるまでOXAD<V2となったか否かをチェックするためである。
【0055】
又、COXLカウンタ及びCOXHカウンタを上記のように設定する理由は、判定開始時のOXAD値が不明であり、そのため、1カウント目はXOXフラグの反転を得ることができないことからXOX=0,XOX=1の条件成立時としている。COXL≧2かつCOXH≧2で正常判定とした理由は、第1実施例と同様に確実に極大値、極小値をとるためである。
【0056】
従って、この第3実施例の方法で判定においても、極大値、極小値をつくる山、谷を数えて常に最大値、最小値の更新をしているため、正常判定が早くでき、かつ最大値、最小値も確実に得ることができる。
【0057】
なお,この発明は前記実施例に限定されるものではなく、下記のように実施してもよい。
(1)前記第3実施例のXFIRSTフラグの代わりに、ステップ412及びステップ419をCOXLカウンタとCOXHカウンタの合計値が0か否かを判定するステップに変更してもよい。この場合、ステップ431及びステップ432は省略され、ステップ412、419においてCOXL+COXH=0のときはステップ414、421にそれぞれ移行する。又、ステップ412、419においてCOXL+COXH≠0のときはステップ413、420にそれぞれ移行する。
【0058】
(2)前記第3実施例のXOXフラグのセット、リセットを逆の関係にしてもよい。すなわち、第3実施例のステップ413,414の代わりにステップ420、421を行い、第3実施例のステップ420,421の代わりにステップ413、414を行う。
【0059】
(3)前記第1実施例ではCOX≧4で正常判定をしたが、所定回数が5以上のカウント数で正常か否かを判定してもよい。ただし、所定回数が4に近づくほどより早い正常判定が可能となる。
【0060】
(4)前記第3実施例ではCOXL≧2、COXH≧2のとき正常判定をしたが、例えばCOXL≧2、COXH≧3或いはCOXL≧3、COXH≧2のように又はCOXLとCOXHとの合計数が5以上のカウント数で正常か否かを判定してもよい。ただし、COXLとCOXHとの合計の所定回数が4に近づくほどより早い正常判定が可能となる。
【0061】
(5)前記各実施例ではカウントを加算することによって行っていたが、減算することによって所定回数に達したか否かを判定するようにしてもよい。この場合においても、極大値、極小値をつくる山谷を越えて常に最大値、最小値の更新を行っているため、正常判定が早くでき、かつ最大値、最小値も確実に得ることができる。
【0062】
(6)前記各実施例では、故障判定開始時において、そのときのセンサからの出力値がV2を下回っているとき、或いはV1を越えているときは、カウンタのカウント数を歩進したが、故障判定開始後において空燃比センサからの出力値がV1を越えた時、及びV2を下回った時に、カウンタのカウント数を歩進してもよい。この場合には、正常判定は前記各実施例よりは若干遅れるが、従来よりは十分に早いためこれでもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、センサの正常判定を早く行うことができ、かつ極大値及び極小値をえることができる優れた効果を奏する。
【0064】
特に請求項2の発明は、故障判定が開始された時のセンサの出力値によってもカウントするため、より早くセンサの正常判定を早く行うことができる。又、請求項4の発明によれば、空燃比センサの正常判定を早く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施例の電気ブロック回路図である。
【図2】第1実施例における判定処理の実行条件を示すフローチャートである。
【図3】同じく判定処理の実行条件を示すフローチャートである。
【図4】同じく極大値・極小値を求めるフローチャートである。
【図5】O2 センサ、フラグ、カウンタの特性を示す波形図である。
【図6】(a)はO2 センサの出力電圧を表す波形図、(b)は判定開始時Aにおけるフラグ、カウンタの特性を示す波形図、(c)は判定開始時Bにおけるフラグ、カウンタの特性を示す波形図、(d)は判定開始時Cにおけるフラグ、カウンタの特性を示す波形図である。
【図7】O2 センサが正常でない場合のO2 センサの出力電圧、フラグ、カウンタの特性を示す波形図である。
【図8】第2実施例の判定処理の実行条件を示すフローチャートである。
【図9】同じく判定処理及び極大値・極小値を求めるフローチャートである。
【図10】第3実施例の判定処理の実行条件を示すフローチャートである。
【図11】同じく判定処理及び極大値・極小値を求めるフローチャートである。
【図12】(a)、(b)はそれぞれO2 センサの出力電圧、フラグ、カウンタの特性を示す波形図である。
【図13】従来例における極大、極小値をとる場合の説明図である。
【符号の説明】
1…機関本体、5…排気通路、6…触媒コンバータ、7…上流側O2 センサ、8…下流側O2 センサ、11…制御回路、12…CPU、13…ROM、14…RAM、15…バックアップRAM、19…ウォーニングランプ。
Claims (7)
- 内燃機関の機関状態を検出するために設けられ、正常状態では、大小関係を有する複数の基準値の内大きい方の第1の基準値を越す極大値と、小さい方の第2の基準値を下回る極小値とを有する出力波形を出力するセンサを備えた内燃機関の故障有無判定方法において、
ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、前記センサの出力値が第1の基準値を越えた時、及び第2の基準値を下回った時にカウント手段のカウント数をそれぞれ歩進し、
前記カウント数が所定回数に達したときには、センサが正常であると判定するとともに、
前記カウント数が所定回数に達するまでに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、センサが異常であると判定し、
前記ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、前記カウント数は所定回数に達していないものの、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、前記センサを正常とも異常とも判定しない
内燃機関の故障有無判定方法。 - 内燃機関の機関状態を検出するために設けられ、正常状態では、大小関係を有する複数の基準値の内大きい方の第1の基準値を越す極大値と、小さい方の第2の基準値を下回る極小値とを有する出力波形を出力するセンサを備えた内燃機関の故障有無判定方法において、
ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、故障判定が開始された時のセンサの出力値が第2の基準値を下回っているとき、或いは第1の基準値を越えているときにカウント手段のカウント数を歩進し、以後、センサの出力値が第1の基準値を越えた時、及び第2の基準値を下回った時に前記カウント手段のカウント数をそれぞれ歩進し、
前記カウント数が所定回数に達したときには、センサが正常であると判定するとともに、
前記カウント数が所定回数に達するまでに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、センサが異常であると判定し、
前記ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、前記カウント数は所定回数に達していないものの、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、前記センサを正常とも異常とも判定しない
内燃機関の故障有無判定方法。 - カウント手段は第1の基準値をセンサからの出力値が越えたときカウントする第1カウンタと、第2の基準値をセンサからの出力値が下回ったときカウントする第2カウンタとからなり、両カウンタのカウント数がそれぞれ所定回数に達したとき、センサが正常であると判定する請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の故障有無判定方法。
- センサは、内燃機関の排気系に配設される触媒コンバータの上流側及び下流側に配設された空燃比を検出するための空燃比センサである請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の内燃機関の故障有無判定方法。
- 内燃機関の機関状態を検出するために設けられ、正常状態では、大小関係を有する複数の基準値の内大きい方の第1の基準値を越す極大値と、小さい方の第2の基準値を下回る極小値とを有する出力波形を出力するセンサを備えた内燃機関の故障有無判定方法において、
ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、前記センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出したときには、前記センサが正常であると判定するとともに、
ダイアグノーシス実行条件が成立している状態にあって、前記センサの出力値が第1の 基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出するまでに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過したときには、前記センサが異常であると判定し、
前記ダイアグノーシス実行条件が成立しておらず、故障有無判定を実施していないとき、並びに、前記センサの出力値が第1の基準値と第2の基準値との双方を横切った状態を検出していないものの、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過していないときには、前記センサを正常とも異常とも判定しない
内燃機関の故障有無判定方法。 - 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の内燃機関の故障有無判定方法において、
故障有無判定に要する時間をはるかに越えるときに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過するとする内燃機関の故障有無判定方法。 - 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の内燃機関の故障有無判定方法において、
前記センサの出力電圧が安定化する条件が長い時間成立するときに、前記ダイアグノーシス実行条件が成立している時間がはるかに経過するとする内燃機関の故障有無判定方法。
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|---|---|---|---|
| JP16159994A JP3711567B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | 内燃機関の故障有無判定方法 |
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