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JP3711779B2 - フロア構造部材及びフロアパネル - Google Patents
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JP3711779B2 - フロア構造部材及びフロアパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロア構造部材及びフロアパネルに関し、さらに詳しくは、例えば、自動車のフロアパネルと、このフロアパネルを構成するフロア構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16及び図17には、従来のフロアパネル110によって構成された自動車の床構造が示されている(実開昭59−145484号参照)。
【0003】
この床構造では、フロアパネル110に複数個の凹部112を千鳥状に配して凹設している。また、図17に示すように、凹部112の凹曲面に、ビード114を床面上方に向かって凸設させて、このビード114の突端面を、連接部116と同一の高さに形成している。そして、このようなビード114を設けることで、一層の剛性向上が可能となって、固有振動数の高いフロアパネルを得ている。また、凹部112の個々の振動が、隣接している凹部112に伝わりにくいという防振特性を有している。
【0004】
しかし、このフロアパネル110では、ビード114が凹部112の一辺から対向辺に向かって連続して(分断されることなく)形成されて凹部112の剛性を高めているので、凹部112(湾曲部分)をほぼ剛体とし、連接部116(平面部分)をばねとした振動が生じる。そして、この振動の振動モードにより、フロアパネル110が一様に振動するため、発音効率が高くなり、可聴域の振動(すなわち音)が発生しやすという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事実を考慮し、剛性が高く、しかも発音効率の低いフロア構造部材及びフロアパネルを得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、自動車の床を構成するフロア構造部材であって、前記フロア構造部材の外周に形成された平面部と、前記フロア構造部材の前記平面部よりも内側に形成され、板厚方向の一方に向かって湾曲した湾曲部と、前記湾曲部の等高線に対し略垂直となるように湾曲部と前記平面部との境界辺から湾曲部の内側へ向かって形成され、湾曲部の略中央で分断された内側ビードと、を有することを特徴とする
【0007】
このように、湾曲部を構成したことにより、フロア構造部材としての剛性が向上する。また、湾曲部に内側ビードを形成したことで、この内側ビードが形成されている部分(湾曲部の外周部分及びその近傍)の剛性がさらに向上する。
【0008】
内側ビードは湾曲部と平面部との境界辺から湾曲部の内側へ向かって形成され湾曲部の略中央で分断されているので、フロア構造部材の湾曲部は、内側ビードにより部分的に剛性が変化している。これにより、湾曲部の高次の振動モードが増えるので、フロア構造部材に入力された振動のエネルギーが複数のモードに分散する。1つのモードに振動が集中しないので、フロア構造部材の振動レベルを低減させることができる。また、各部分での振動が逆相であり、車室内で相殺されるため、発音効率が低くなる。
【0009】
なお、内側ビードを形成したことによる剛性の変化は、湾曲部の等高線に対して垂直の方向に変化していることが好ましい。本発明では、湾曲部の等高線に対し略垂直となるように内側ビードを形成しているので、略平行に内側ビードを形成した場合と比較して、内側ビードの長さが短くても、効果的に湾曲部の剛性を変化させることができる。かかる観点からは、本発明における「略直角」とは、湾曲部の等高線と内側ビードとの成す角が45°以上90°以下であればよい。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記内側ビードが前記湾曲部の中央で対向するように形成され、対向するビートが不等長とされていることを特徴とする。
【0011】
このように、対向するビードを不等長とすることで、振動モードが分散されるので、フロア構造部材の発音レベルが低減される。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記湾曲部が平面視にて多角形状に形成され、前記内側ビードが前記湾曲部と前記平面部との境界辺から複数形成されると共に、これら内側ビードの両端以外の少なくとも1つの内側ビードが他の内側ビードよりも長くされていることを特徴とする。
【0013】
これにより、発音効率の高い対称モードが励起されにくくなるので、フロア構造部材の発音効率をさらに低減させることができる。例えば、このフロア構造部材を自動車の床面に使用した場合には、車内音レベルを低減させることが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記内側ビードの一部が、多角形状とされた前記湾曲部の角部から形成されていることを特徴とする。
【0015】
一般に、角部は湾曲の極率が小さいので振動が励起されやすいが、このように内側ビードを角部から形成することで、角部の振動抑制が可能となる。また、発音効率の低い対称4次モードを低い周波数領域に設定することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4に記載の発明において、前記湾曲部の周囲に形成された周辺ビード、を有することを特徴とする。
【0017】
このため、湾曲部の略中央部分から外側への振動伝達を遮断することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、前記周辺ビードが、前記湾曲部の周囲に沿って複数に分断されていることを特徴とする。
【0019】
このため、1次の共振周波数を向上させることが可能となる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記内側ビードの突出方向が、前記湾曲部の湾曲方向と反対方向とされていることを特徴とする。
【0021】
一般に、このフロア構造部材を使用したフロアパネルを車体に取り付ける場合には、湾曲部が形成された側に車体側部材を接触させ、溶接などによって固定する。内側ビードは、その突出方向が、湾曲部の湾曲方向と反対方向とされているので、内側ビードが車体側部材と干渉せず、固定作業が容易になる。また、スポット溶接などによって車体側部材に強固に固定することができると共に、剛性をさらに向上させることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、前記湾曲部の前記平面部に対する湾曲深さが10mm以下とされていることを特徴とする。
【0023】
これにより、発音効率の低い1次の振動モードがより低周波にうつるので、より広い範囲で低発音効率となり、制振性能の向上と発音効率の低下とを両立させることが可能となる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載のフロア構造部材を複数並べて互いに固定したことを特徴とする。
【0025】
従って、このフロアパネルにおいても湾曲部が構成されていることになり、剛性が向上する。また、内側ビードが形成されている部分の剛性がさらに向上する。
【0026】
フロアパネルにも、内側ビードにより高次の振動モードが増えるので、フロアパネルに入力された振動のエネルギーが複数のモードに分散する。1つのモードに振動が集中しないので、フロアパネルの振動レベルを低減させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の第1実施形態のフロア構造部材12によって構成された、自動車のフロアパネル10が示されている。また、図3には、フロア構造部材12が拡大して示されている。
【0028】
図3に示すように、このフロア構造部材12は、平面視にて略長方形状に形成され、その外周部分には、平面状の平面部14が四角枠状に形成されている。このように外周部分に平面部14を形成したことで、フロア構造部材12の製造時に平面部14を冶具等で把持することが可能となるため、フロア構造部材12の製造が容易になる。また、図5に示すように、この平面部14を利用してフロア構造部材12をリインホースメント等の車体側部材20に、スポット溶接等で固定したり、複数のフロア構造部材12を互いに固定したりすることが可能となる。
【0029】
平面部14の内側には、平面部14の板厚方向の一方(本実施形態では下方)に向かって膨出された湾曲部16が形成されている。この湾曲部16は、平面部14と比較して剛性が高いので、フロア構造部材12全体としても剛性が高くなっている。なお、湾曲部16の湾曲深さD(平面部14から、湾曲部16の最も膨出した部分までの長さ、図1参照)は特に限定されないが、例えば、10mm以下とすることが好ましい。これにより、発音効率の低い1次の振動モードがより低周波にうつるので、より広い範囲で低発音効率となり、制振性能の向上と発音効率の低下とを両立させることが可能となるからである。
【0030】
図1にも示すように、湾曲部16の各辺(平面部14との境界)からは、平面視にてこの辺に対して垂直に、1又は複数(本実施形態では、各辺から3本ずつ合計12本)の内側ビード18(18A〜18L)が形成されている。これらの内側ビード18は、湾曲部16を構成する板材を、湾曲部16の膨出方向(本実施形態では下方)と反対の方向(すなわち上方)へ向かって部分的に膨出させて、断面が略半円状に形成されており、これによって、湾曲部16の剛性がさらに向上している。
【0031】
また、内側ビード18を、湾曲部16の膨出方向と反対方向へ膨出したことで、図5からも分かるように、リインホースメント等の車体側部材20と干渉することがなくなる。特に、内側ビード18を平面部14にも渡るように形成した場合でも、スポット溶接が容易になる。このため、フロア構造部材12を車体側部材20に強固に固定して、全体の剛性を高めることが可能となっている。
【0032】
さらに、フロア構造部材12は製造時に電着処理されることがあるが、この電着処理の際に内側ビード18に水が貯まらないので、電着処理を容易に行うことが可能となっている。
【0033】
図1に示すように、本発明のフロアパネル10は、フロア構造部材12を複数並べて互いに固定することにより構成される。なお、一般的には、図7に示すように、フロア構造部材12にウレタンやフェルト等で成形された防音材22を載せ、さらにその上に内装材24を載せて自動車の床が構成される。
【0034】
そして、このフロア構造部材12では、内側ビード18を形成したことにより、フロア構造部材12の振動レベルが低減されている。この点につき、以下に説明する。
【0035】
図3には、本実施形態のフロア構造部材12について、発音効率が高い特定の振動モード(例えば1次の振動モード)での振動レベルが示されている。以下、フロア構造部材を示す図面中に記載した二点鎖線は、特定の振動レベルの部分を示す等レベル線であり、「」で示した等レベル線の部分が、振動レベルが最も小さい(実質的にほとんど変位しない)部分である。これに対し、「+」及び「−」で示した領域が、振動レベルが最も大きい部分であり、「+」の領域と「−」の領域とでは、振動の変位方向が逆である。例えば、特定のタイミングにおいて、「+」の領域が上方に変位している場合、「−」の領域は下方に変位している。そして、別のタイミングにおいて、「+」の領域が下方に変位している場合には、「−」の領域は上方に変位している。なお、等レベル線の間隔は、いずれの図面においても等間隔としている。従って、「」で示した領域からの等レベル線の数が多いほど、振動レベルが大きい。
【0036】
図2には、内側ビード18が設けられていないフロア構造部材100の振動レベルを示しているが、これから分かるように、このフロア構造部材100では、振動レベルが大きくなっている領域があり(例えば、フロア構造部材100の上端近傍及び下端近傍)、全体としての振動レベルも大きくなっている。また、全ての振動が同相であり、発音効率が高くなっている。これに対し、図3から分かるように、本実施形態のフロア構造部材12では、全体としての振動レベルの最大値が小さくなっている。また、各部分での振動が逆相であり、車室内で相殺されるため、発音効率が低くなっている。
【0037】
また、上記説明からも分かるように、従来、最も発音効率の高い1次の振動モードが高次の振動モードとなるため、図6に示すように、隣り合った領域での振動レベルが逆位相となる。これにより、フロア構造部材12に防音材22を載せた場合の背面空気圧も隣り合った領域同士で相殺されるため、防音材22の表皮振動レベルを大きく低減させることが可能となっている。
【0038】
図7には、本発明の第2実施形態のフロア構造部材32が示されている。このフロア構造部材32では、第1実施形態のフロア構造部材12と比較して、内側ビード18の形状が異なっているが、これ以外は同一の構成とされている。以下、第1実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。なお、第1実施形態では、より高周波の振動モードとして、図4に示す振動レベルの振動モードが生じているが、図7に示す等レベル線(二点鎖線)は、図4と同じ振動数での振動モードの振動レベルを、図4と同じ振動レベル間隔で示している。
【0039】
このフロア構造部材32では、湾曲部16の各辺から中央に向かって形成された各辺3本(合計12本)の内側ビード18のうち、中央の内側ビード18B、18E、18H、18Kが、他の内側ビード18よりも中央に向かって長く形成されている。このため、図7の等レベル線から分かるように、内側ビード18を形成したことにより励起された高い振動数での振動モード(発音効率の高い振動モード)の振動を低減させることができる。この結果、フロア構造部材32及び、このフロア構造部材32で構成されたフロアパネルの振動をさらに低減させることができる。
【0040】
図8には、本発明の第3実施形態のフロア構造部材42が示されている。このフロア構造部材42では、第2実施形態のフロア構造部材32において、中央の内側ビード18のうち、対向するもの同士を不等長としている。すなわち、図8上側中央の内側ビード18Bは、下側中央の内側ビード18Hよりも長くされている。
【0041】
このように、対向する内側ビード18を不等長とすることで、フロア構造部材42の振動モードを2つに分散して、フロア構造部材42の発音レベルを低減させることが可能となっている。すなわち、対向する内側ビード18が等長とされている場合には、図9(A)に示すように、1次の振動モードにおいて、特定の振動数でフロア構造部材12が全体として広い領域で大きく振動することがあるが、対向する内側ビード18が不等長の場合、ある振動数で図9(B)に示すようにフロア構造部材42の上半分が振動し、他の振動数で図9(C)に示すようにフロア構造部材42の下半分が振動する。しかも、発音効率の大きい対称モードが励起されにくくなるので、フロア構造部材42全体の発音効率も低減され、車内音レベルを低減させることが可能となる。
【0042】
加えて、不等長とされた内側ビード18の長さを適切に設定することで、分割されたそれぞれの振動モードでの振動数を近接させることができる。これにより、図10に示すように、それぞれの振動モードでの音厚が逆位相となって相殺される領域が生じるので、さらに発音レベルを低減させることが可能となる。
【0043】
なお、上記説明から明らかなように、対向する内側ビード18が不等長とされていれば、上記した効果が現れるため、不等長とする内側ビード18の位置は特に限定されない。従って、例えば、図8において右側中央の内側ビード18Eと、左側中央の内側ビード18Kとを不等長にしてもよい。
【0044】
図11には、本発明の第4実施形態のフロア構造部材52が示されている。このフロア構造部材52では、第1実施形態のフロア構造部材12と比較して、湾曲部16の各辺から5本ずつ合計20本の内側ビード18(18A〜18V)が形成されている点が異なっている。また、図11においても図3と同様、発音効率の高い振動モードにおける振動レベルを等レベル線(二点鎖線)で示している。さらに、図12には、発音効率の低い対称4次の振動モードにおける振動レベルを等レベル線(二点鎖線)で示している。
【0045】
このように、内側ビード18の数を多くすることで、湾曲部16の剛性をさらに向上させることができる。
【0046】
そして、このフロア構造部材52においても、内側ビード18が設けられていない従来のフロア構造部材100と比較して、高次の振動モードが増え、このフロア構造部材12に入力された振動のエネルギーが各振動モードに分散する。このため、より発音効率の低い振動モードが励起されて、特定の振動モードへのエネルギー集中が抑えられ、フロア構造部材52及び、このフロア構造部材52で構成されたフロアパネルの振動レベルが低減される。
【0047】
また、対称4次の振動モード(発音効率の低い振動モード)の振動数が、図2に示すフロア構造部材では415HZであったのに対し、このフロア構造部材52では350HZに低減している。これにより、さらにフロア構造部材52の音圧レベルが低減され、振動による音の発生を抑制することが可能となっている。
【0048】
なお、このフロア構造部材52において、第2実施形態のフロア構造部材32と同様、各辺の5本の内側ビード18のうち、少なくとも1本あるいはそれ以上の内側ビード18を中央に向かってより長く形成し、フロア構造部材52の剛性向上と、振動低減を図るようにしてもよい。この場合、振動をより効果的に低減させる観点からは、両端の内側ビード18A、18E、18F、18J、18L、18Q、18R、18V以外の内側ビード18B、18C、18D、18G、18H、18I、18M、18N、18P、18S、18T、18Uを長く形成することが好ましく、さらには、中央の内側ビード18C、18H、18N、18Tを長く形成することがより好ましい。
【0049】
また、このフロア構造部材52において、第3実施形態のフロア構造部材42のように、対向する内側ビード18を不等長とし、異なる振動モードでの音圧を相殺させて、さらに発音レベルを低減させるようにしてもよい。
【0050】
図13には、本発明の第5実施形態のフロア構造部材62が示されている。このフロア構造部材62では、第1実施形態のフロア構造部材12と比較して、内側ビード18(18A〜18L)の幅が狭くされると共に、下に向かって(湾曲部16の湾曲方向と同方向へ)膨出するように形成されている。さらに、図13の右側上下端及び左側上下端の内側ビード18D、18F、18J、18Lは、湾曲部16の4つの角部から中央に向かって斜めに形成されている。加えて、湾曲部16の各辺の中央と角部との間から形成された内側ビード18A、18C、18G、18Iが、湾曲部16の等高線に対してより直角に近い角度で交差するように湾曲している。なお、図13においても図12と同様、発音効率の低い対称4次の振動モードにおける振動レベルを等レベル線(二点鎖線)で示している。
【0051】
一般に、湾曲部16の角部近傍は、曲率が小さく、より平面に近い形状となるので、湾曲部16の中央部分と比較して剛性が低下するが、上記したように角部からも内側ビード18を形成することで、この内側ビード18が形成された部分の剛性が向上すると共に、角部の振動がより効果的に抑制され、フロア構造部材62全体としても振動がさらに抑制される。
【0052】
また、第4実施形態のフロア構造部材52と同様、対称4次の振動モード(発音効率の低い振動モード)の振動数が、図2に示すフロア構造部材と比較して低くなっており、フロア構造部材52の音圧レベルが低減されて振動による音の発生を抑制することが可能となっている。
【0053】
図14には、本発明の第6実施形態のフロア構造部材72が示されている。このフロア構造部材72では、第5実施形態のフロア構造部材62に対し、湾曲部16の周囲(平面部14上において、湾曲部16との境界の近傍部分)に、周辺ビード74が形成されている。周辺ビード74は、内側ビード18と同様に板厚方向の一方(本実施形態では上側)に膨出して形成されている。また、周辺ビード74は、湾曲部16の周囲全体に渡って連続して形成されている。
【0054】
このように周辺ビード74を設けることで、湾曲部16での振動の外側への伝達が遮断させるので、このフロア構造部材72によって構成されたフロアパネルの振動がより効果的に抑制される。
【0055】
図15には、本発明の第7実施形態のフロア構造部材82が示されている。このフロア構造部材82では、第6実施形態のフロア構造部材72に対し、周辺ビード74を、内側ビード18の近傍部分で分断している。
【0056】
このように、周辺ビード74を分断することで、1次の振動モードでの共振周波数が高くなる。これにより、フロア構造部材82全体での発音効率を低下させて、振動による音の発生を効果的に抑制することが可能となっている。
【0057】
以上説明したように、本発明のフロア構造部材12、32、42、52、62、72、82のいずれも、内側ビード18を設けたことにより剛性を向上させると共に、発音効率の低い高次の振動モードを励起させて、振動のエネルギーをより多くの振動モードに分散させることができ、フロア構造部材12、32、42、52、62、72、82及び、これらのフロア構造部材で構成されたフロアパネルの発音量を低減させることができる。
【0058】
なお、上記説明では、フロア構造部材の形状として、平面視して四角形状のもを挙げたが、フロア構造部材の形状はこれに限られず、例えば、三角形状や六角形状等の多角形状であってもよい。
【0059】
また、内側ビード18の形状も上記したものに限られず、湾曲部16の等高線に対し略垂直となるようにこの湾曲部16の外周から内側へ向かって形成されると共に、湾曲部16の略中央で分断されていればよい。すなわち、このような条件を満たした形状とすることにより、湾曲部16の剛性を向上させると共に、フロア構造部材の発音効率を低減させることができる。
【0060】
内側ビード18の数も特に上記したものに限定されず、例えば湾曲部16の各辺から4本形成されていてもよいし、2本以下であても、6本以上であってもよい。また、各辺で内側ビード18の数が等しくなくてもよい。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、自動車の床を構成するフロア構造部材であって、前記フロア構造部材の外周に形成された平面部と、前記フロア構造部材の前記平面部よりも内側に形成され、板厚方向の一方に向かって湾曲した湾曲部と、 前記湾曲部の等高線に対し略垂直となるようにこの湾曲部の外周から内側へ向かって形成され、湾曲部の略中央で分断された内側ビードと、を有するので、フロア構造部材の剛性が向上すると共に、フロア構造部材の振動レベルを低減させることができる。
【0062】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記内側ビードが前記湾曲部の中央で対向するように形成され、対向するビートが不等長とされているので、振動モードが分散され、フロア構造部材の発音レベルが低減される。
【0063】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記湾曲部が平面視にて多角形状に形成され、前記内側ビードが前記平面部から複数形成されると共に、これら内側ビードの両端以外の少なくとも1つの内側ビードが他の内側ビードよりも長くされているので、フロア構造部材の発音効率をさらに低減させることができる。
【0064】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記内側ビードの一部が、多角形状とされた前記湾曲部の角部から形成されているので、角部の振動抑制が可能となる戸共に、発音効率の低い対称4次モードを低い周波数領域に設定することが可能となる。
【0065】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4に記載の発明において、前記湾曲部の周囲に形成された周辺ビード、を有するので、湾曲部の略中央部分から外側への振動伝達を遮断することが可能となる。
【0066】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、前記周辺ビードが、前記湾曲部の周囲に沿って複数に分断されているので、1次の共振周波数を向上させることが可能となる。
【0067】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記内側ビードの突出方向が、前記湾曲部の湾曲方向と反対方向とされているので、車体に取り付ける場合に作業が容易になる。
【0068】
請求項8に記載の発明では、前記湾曲部の前記平面部に対する湾曲深さが10mm以下とされているので、制振性能の向上と発音効率の低下とを両立させることが可能となる。
【0069】
請求項9に記載の発明では、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載のフロア構造部材を複数並べて互いに固定したので、フロアパネルの剛性が向上すると共に、振動レベルを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のフロア構造部材によって構成されたフロアパネルを示す斜視図である。
【図2】内側ビードが設けられていない一般的なフロア構造部材を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のフロア構造部材とこのフロア構造部材の特定の振動モードにおける振動レベルを示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のフロア構造部材とこのフロア構造部材の発音効率の高い振動モードにおける振動レベルを示す平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のフロア構造部材の車体側部材との取り付け構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態のフロア構造部材が振動する様子を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態のフロア構造部材とこのフロア構造部材の特定の振動モードにおける振動レベルを示す平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態のフロア構造部材を示す平面図である。
【図9】フロア構造部材が振動する様子を概略的に示し、(A)は対向する内側ビードが等長とされたフロア構造部材、(B)及び(C)は本発明の第3実施形態のフロア構造部材の場合である。
【図10】本発明の第3実施形態のフロア構造部材の周波数(振動数)と音圧との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の第4実施形態のフロア構造部材とこのフロア構造部材の特定の振動モードにおける振動レベルを示す平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態のフロア構造部材とこのフロア構造部材の対称4次の振動モードにおける振動レベルを示す平面図である。
【図13】本発明の第5実施形態のフロア構造部材とこのフロア構造部材の特定の振動モードにおける振動レベルを示す平面図である。
【図14】本発明の第6実施形態のフロア構造部材を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図15】本発明の第7実施形態のフロア構造部材を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図16】従来のフロアパネルを示す平面図である。
【図17】従来のフロアパネルを示す図16のX−X線断面図である。
【符号の説明】
10 フロアパネル
12 フロア構造部材
14 平面部
16 湾曲部
18 内側ビード
32 フロア構造部材
42 フロア構造部材
52 フロア構造部材
62 フロア構造部材
72 フロア構造部材
74 周辺ビード
82 フロア構造部材

Claims (9)

  1. 自動車の床を構成するフロア構造部材であって、
    前記フロア構造部材の外周に形成された平面部と、
    前記フロア構造部材の前記平面部よりも内側に形成され、板厚方向の一方に向かって湾曲した湾曲部と、
    前記湾曲部の等高線に対し略垂直となるように湾曲部と前記平面部との境界辺から湾曲部の内側へ向かって形成され、湾曲部の略中央で分断された内側ビードと、
    を有することを特徴とするフロア構造部材。
  2. 前記内側ビードが前記湾曲部の中央で対向するように形成され、対向するビートが不等長とされていることを特徴とする請求項1に記載のフロア構造部材。
  3. 前記湾曲部が平面視にて多角形状に形成され、
    前記内側ビードが前記湾曲部と前記平面部との境界辺から複数形成されると共に、これら内側ビードの両端以外の少なくとも1つの内側ビードが他の内側ビードよりも長くされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフロア構造部材。
  4. 前記内側ビードの一部が、多角形状とされた前記湾曲部の角部から形成されていることを特徴とする請求項3に記載のフロア構造部材。
  5. 前記湾曲部の周囲に形成された周辺ビード、
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフロア構造部材。
  6. 前記周辺ビードが、前記湾曲部の周囲に沿って複数に分断されていることを特徴とする請求項5に記載のフロア構造部材。
  7. 前記内側ビードの突出方向が、前記湾曲部の湾曲方向と反対方向とされていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のフロア構造部材。
  8. 前記湾曲部の前記平面部に対する湾曲深さが10mm以下とされていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のフロア構造部材。
  9. 前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載のフロア構造部材を複数並べて互いに固定したことを特徴とするフロアパネル。
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